(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の方法は、(i)(i.a)ポリオールの混合物、(i.b)1又は2種以上の自己触媒性ポリオール化合物、及び(i.c)低不飽和ポリオールを含むポリオールブレンドを使用する。発泡剤及び必要に応じて1又は2種以上の添加剤の存在下でポリオールブレンド(i)と有機ポリイソシアネート(ii)とを連続的に混合することによりポリオールブレンド(i)を有機ポリイソシアネート(ii)と組み合わせて反応性ブレンド(iii)を形成する。得られた反応性ブレンド(iii)を、反応性ブレンド(iii)を硬化させるのに十分な条件にさらして、弾性軟質ポリウレタンフォームを形成する。本発明の方法の好ましい実施形態において、反応性ブレンドの発泡は閉鎖成形型内で起こり、弾性軟質ポリウレタンフォームが硬化したら、成形型を開け、弾性軟質ポリウレタンフォームを成形型から取り出す。
【0015】
ポリオール混合物は少なくとも3種の異なるエチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドを含む。その各々は、ヒドロキシル当量が少なくとも1200、好ましくは少なくとも1500、より好ましくは少なくとも1700であり、3000以下、好ましくは2500以下、最も好ましくは2200以下である。混合物中の構成成分のポリオールは、好ましくは、それぞれ、互いに300の範囲内にあるヒドロキシ当量を有する。それらの各々は、少なくとも70%の第一級ヒドロキシル基、好ましくは少なくとも75%の第一級ヒドロキシル基を有し、残りは第二級ヒドロキシル基である。第一級ヒドロキシル基の割合は最大で100%であることができ、又は、最大で90%であることができる。エチレンオキシドキャップは重合したオキシエチレンのブロックであり、それは各場合にポリオールの5〜30質量%を構成することができる。
【0016】
エチレンオキシドでキャップされたポリプロピレンオキシドの5〜80質量%は公称で二官能性である。「公称で」二官能性とは、ポリオールが二官能性の出発化合物から製造されることを意味する。ポリプロピレンオキシドは、重合した場合、特に、強塩基性条件下でアニオン重合プロセスで重合した場合に、ある量の一官能性不純物を生成することはよく知られている。結果として、ポリ(プロピレンオキシド)の実際の平均官能価は公称の官能価よりも若干低い傾向がある。本発明の目的では、官能価はすべて公称官能価であり、ポリオールの官能価はその出発化合物の官能価と同じであると見なすことを意味する。
【0017】
二官能エチレンオキシドでキャップされたポリプロピレンオキシドは、好ましくは、エチレンオキシドでキャップされたポリプロピレンオキシドの合計質量の5〜25%を構成し、より好ましくは、その5〜15質量%を構成する。
【0018】
エチレンオキシドでキャップされたポリプロピレンオキシドの0.5〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは1〜5質量%は、4以上の公称官能価を有する。これらの成分の官能価は8以上であることができ、好ましい官能価は6〜8である。
【0019】
エチレンオキシドでキャップされたポリプロピレンオキシドポリオールの残りは公称で三官能性である。三官能性ポリオールは混合物の少なくとも1.5質量%を構成すべきであり、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは80〜94.5質量%を構成する。
【0020】
ポリオール混合物は、構成成分のポリオールを別々に製造し、それらをブレンドすることにより製造できる。開始剤化合物(initiator compounds)の混合物をアルコキシル化することにより混合物(又は構成成分ポリオールの部分的組み合わせ)を製造することも可能である。出発化合物(starter compounds)のかかる混合物は二官能性スターターと三官能性スターターの混合物、二官能性スターターと4以上の官能性を有するスターターの混合物、三官能性スターターと4以上の官能性を有するスターターの混合物、又は、二官能性スターターと三官能性スターターと4以上の官能性を有するスターターの混合物であることができる。高(4+)官能性スターターは、特に、しばしば、重合プロセスを促進するために、二官能性もしくは三官能性スターターと混合される。
【0021】
ポリオール混合物(i.a)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上の量でポリオールブレンド(i)中に存在する。ポリオール混合物(i.a)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として70質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下の量でポリオールブレンド(i)中に存在する。
【0022】
本発明のポリオール混合物(i.a)を含むポリオールブレンド(i)を含むフォーム配合物は、高含水量の配合物中であっても、容易に加工される傾向があり、42kg/m
3以下の密度のフォームを生じることが見出された。その理由は明確に理解されるものでなく、予期されないものである。この現象は、ポリオール混合物の平均官能価に直接関係しないようである。というのは、3つのポリオールのタイプが全て存在するかぎり、良好な結果で、平均官能価は約2.3という低い値から3.0を大きく超える範囲まで非常に大きく変動しうるからである。この現象は、ポリオール混合物が特定の軟質フォームを製造するために使用される場合に観測される反応速度よりも若干遅い反応速度に関係があるであろう。このことは、また、個々のポリオールの反応性は、混合物がジオール及びトリオール成分のみの混合物よりもゆっくりと反応することが期待されないような反応性であることから、非常に驚くべきことである。にもかかわらず、ポリオール混合物を含むフォーム配合物は、36〜42kg/m
3の範囲の密度であっても、また、成形型の過剰充填がほとんどない場合でさえ、一貫して良好な品質の成形品を生じることができる。
【0023】
ポリオールブレンド(i)は、さらに、例えば引用により本明細書にその全体を援用する米国特許第7,361,695号に開示されているものなどの自己触媒性ポリオール化合物(i.b)を含む。自己触媒性ポリオール化合物(i.b)は、少なくとも1個の第三級アミン基を含み、1〜8、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6の官能価及び15〜200のヒドロキシル価を有するポリオールである。
【0024】
ポリオール(i.b)は、(i.b.1)、(i.b.2)、(i.b.3)、(i.b.4)、(i.b.5)、(i.b.6)、(i.b.7)若しくは(i.b.8)の少なくとも1種の開始剤分子のアルコキシル化により得られたアミン開始ポリオールであるか、あるいは
(i.b)は、(i.b.9)ポリオール鎖内にアルキルアミンを含む又はポリオール鎖にぶら下がっているジアルキルアミノ基を含む化合物であって、ポリマー鎖がアルキルアジリジン又はN,N−ジアルキルグリシジルアミンを含む少なくとも1種のモノマーと少なくとも1種のアルキレンオキシドとの共重合により得られ、アミンのアルキル又はジアルキル部分がC
1〜C
3アルキルである化合物であるか、又は
(i.b)は、過剰の(i.b.1)、(i.b.2)、(i.b.3)、(i.b.4)、(i.b.5)、(i.b.6)、(i.b.7)、(i.b.8)若しくは(i.b.9)とポリイソシアネートとの反応から得られたヒドロキシル末端プレポリマーであるか、又は
(i.b)は、(i.b.1)、(i.b.2)、(i.b.3)、(i.b.4)、(i.b.5)、(i.b.6)、(i.b.7)、(i.b.8)若しくは(i.b.9)から選ばれたブレンド又は開始剤(i.b.1)〜(i.b.8)に基づくポリオールから得られたヒドロキシル末端プレポリマーであり、ここで、
(i.b.1)は、
N
2H−(CH
2)
n−N(R)−H I
(式中、nは2〜12の整数であり、
RはC
1〜C
3アルキル基である)
であり;
(i.b.2)は、式II:
【0026】
(式中、RはC
1〜C
3アルキル基であり、
R’はそれぞれの場合にC
1〜C
3アルキル基であり、
sは1〜3の整数であり;
mは1〜12の整数であり;
Aは窒素又は酸素であり;
Aが窒素である場合にpは2であり、Aが酸素である場合にpは1であり;
wは0、1又は2である)
により表される、ポリヒドロキシ又はポリアミノ分子にぶら下がっているジアルキルイルアミノ基を含む化合物であり;
(i.b.3)は、式III:
R
2−(CH
2)
y−CH
(2−x)R
x−AH
p III
(式中、R
2は、NR’
2又は5置換の1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンであり;
R、R’、A及びpは上記定義の通りであり;
yは0〜12であり;
xは0、1又は2である)
により表されるモノヒドロキシ又はモノアミノ構造
にぶら下がっているジメチルアミノ基
を含む化合物であり;
(i.b.4)は、置換基がアミノ−又はヒドロキシ−置換C
1〜C
6直鎖又は分岐アルキルであるビス−N−置換ピペラジンであり;
(i.b.5)は、式IV:
R
3−NH−R IV
(式中、R
3はC
5〜C
6シクロアルキル基であり、Rは上記定義の通りである)
により表される化合物であり;
(i.b.6)は、式V:
H
pB−(CH
2)
n−N(R)−(CH
2)
n−BH
p V
(式中、nはそれぞれ独立に2〜12の整数であり;
Bはそれぞれの場合に独立に酸素、窒素又は水素であり、ただし、一度にBのうちのたった1つが水素であることができることを条件とし;
RはC
1〜C
3アルキル基であり;
Bが水素である場合にpは0に等しく、Bが酸素である場合にpは1であり、Bが窒素である場合にpは2である)
により表される化合物であり;
(i.b.7)は式VI:
R
2−(CH
2)
y−NH
2
(式中、R
2及びyは上記定義の通りである)
により表される化合物であり;
(i.b.8)は式VII:
【0028】
(式中、R’はそれぞれの場合に独立にC
1〜C
3アルキル基であり;
R、S及びWは先に定義した通りであり;
xは0〜2の整数であり;
m及びnは独立に1〜12の整数であり;
qは1〜3の整数であり;
Aは窒素又は酸素であり;
Aが窒素である場合にpは2であり、Aが酸素である場合にpは1である)
により表される1種の分子である。
【0029】
上記の通りの結合した第3級アミン基を含む自己触媒性ポリオールは、触媒的に活性であり、ポリヒドロキシル又はポリアミノ化合物との有機ポリイソシアネートの付加反応、及びイソシアネートと発泡剤、例えば水又はカルボン酸若しくはその塩との反応を促進する。
【0030】
式Iの一実施形態において、Rはメチルである。好ましくは、式Iにおけるnは2〜4の整数である。好ましい一実施形態において、Rはメチルであり、nは2〜4の整数である。式Iの化合物は、当該技術分野で知られている標準的な方法により製造できる。式Iの商業的に入手可能な化合物の例としては、N−メチル−1,2−エタンジアミン及びN−メチル−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
【0031】
式IIの一実施形態において、Rはメチルである。好ましくは、R’は、式IIのそれぞれの場合に、同じ数の炭素原子を有するアルキル基である。式IIにより表される生成物は、当該技術分野で知られている標準的な方法を用いて製造されるか、又は市販されている。例えば、N,N−ジメチル−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは、トリス−アミノ又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ANGUS Chemicalから市販されているアミノアルコールのメチル化により製造することができる。
【0032】
同様に、式IIIの化合物に関して、Rは、好ましくは、メチルであり、R’はそれぞれ同じ数の炭素原子を有するアルキルである。(i.b.3)の代表例としては、ジメチルアミノエタノールアミン、ヒドロキシメチルオキサゾリジンが挙げられる。
【0033】
(i.b.4)の例示の化合物は、ピペラジンのジアミノ又はジヒドロキシ誘導体、例えばN−ビス(2−アミノ−イソブチル)−ピペラジンなどである。(i.b.4)の化合物は市販されているか、又は当該技術分野で知られている標準的な方法により製造することができる。
【0034】
(i.b.5)及び式IVの代表例はN−メチル−シクロヘキシルアミンである。
(i.b.6)の例示の化合物としては、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、2,2’−ジアミノ−N−メチルジエチルアミン、及び2,3−ジアミノ−N−メチル−エチル−プロピルアミンが挙げられる。
【0035】
(i.b.7)の一例の化合物はΝ,Ν−ジメチルアミノプロピルアミン(又はDMAPA)である。
一般式VII(i.b.8)の代表的な化合物は、その開示を引用により本明細書に援用する米国特許第5,476,969号に開示されている。式VIIの好ましい化合物は、xが0又は2であり、sが3又は1であり、mが6未満であり、qが1であり、Aが窒素である場合のものである。
【0036】
自己触媒性ポリオール化合物(i.b)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上の量でポリオールブレンド(i)中に存在する。自己触媒性ポリオール化合物(i.b)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下の量でポリオールブレンド(i)の中に存在する。
【0037】
ポリオールブレンド(i)は、さらに、例えば、その全体を引用により本明細書に援用する米国特許第7,588,121号に開示されているものなどの低不飽和ポリオール(i.c)を含む。好ましくは、低不飽和ポリオール(i.c)は、ポリオキシアルキレンポリオールである。一実施形態において、本発明で使用される低不飽和ポリオール(i.c)は、平均して少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、1〜8、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6の官能価を有し、ヒドロキシル基1個あたり1,800〜2,800の分子量と最大で0.06meq/gの総不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオールである。
【0038】
好ましくは、低不飽和ポリオール(i.c)のヒドロキシル基1個あたりの分子量は1,800〜2,800、好ましくは1,850〜2,500である。
低不飽和ポリオール(i.c)は0.06meq/g以下の総不飽和度を有する。総不飽和度は、より好ましくは0.05meq/g以下、さらに好ましくは0.04meq/g以下、最も好ましくは0.03meq/g以下である。
【0039】
一実施形態において、0.06meq/g以下の総不飽和度を有する低不飽和ポリオール(i.c)は、アルキレンオキシドの開環付加重合のための触媒として、水酸化セシウム又は複合金属シアン化物錯体、特に好ましくは複合金属シアン化物錯体を使用することにより得られる。複合金属シアン化物錯体触媒としては、公知の触媒を使用できる。主成分としてヘキサシアノコバルト酸亜鉛を含む錯体が好ましく、有機配位子としてエーテル及び/又はアルコールを有するものがさらに好ましい。有機配位子として、例えば、モノエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル又はtert−ブチルアルコール又はグライム(エチレングリコールジメチルエーテル)が好ましい場合がある。
【0040】
好ましい低不飽和ポリオール(i.c)は、複合金属シアン化物錯体触媒又は水酸化セシウム触媒と開始剤の存在下でのアルキレンオキシドの開環付加重合により得られるポリオキシアルキレンポリオールである。
【0041】
低不飽和ポリオール(i.c)中のヒドロキシル基の平均数は少なくとも2である。低不飽和ポリオール(i.c)は、ヒドロキシル基1個当り平均で1,800〜2,800の分子量を有し、平均で最大0.06meq/gの総不飽和度を有するポリオールの1種又は混合物の単一の使用である。さもなければ、低不飽和ポリオール(i.c)は、開始剤としてかかる混合物を使用することにより製造されたものであってもよい。ヒドロキシル基の平均数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2.2〜3.9、最も好ましくは、2.4〜3.7である。
【0042】
さらに、低不飽和ポリオール(i.c)は、好ましくは、末端にポリオキシエチレンブロック鎖を有するものであり、特に好ましくはかかるブロック鎖を5〜25質量%有するものである。
【0043】
低不飽和ポリオール化合物(i.c)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準にして25質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上の量でポリオールブレンド(i)中に存在する。低不飽和ポリオール化合物(i.c)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準にして80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下の量でポリオールブレンド(i)中に存在する。
【0044】
得られたポリオールブレンド(i)は、1又は2種以上の有機ポリイソシアネート(ii)との反応を通じて、様々なポリウレタンポリマーを製造するのに有用である。「ポリウレタン」ポリマーは、ウレタン基を有し、必要に応じて、他の基、例えば尿素基などを有するポリマーを示すための短縮語として本明細書中に使用される。ポリウレタンを製造するために使用される特定の製造プロセスは本発明にとって重要とは考えられない。それゆえ、モールディング、キャスティング、バルク重合、分散重合又は溶液重合などの種々の方法を用いることができる。同様に、非発泡エラストマー、微孔性(microcellular)エラストマー、構造フォーム、硬質絶縁フォーム、粘弾性フォーム、軟質フォーム(成形タイプ又はスラブストックタイプの両方)及び種々のタイプの強化ポリマーなどを含む様々なポリウレタン製品を製造できる。例えばスラブストックフォーム製造プロセスなどの発泡プロセス、特に、成形フォーム製造プロセスは、特に興味のあるプロセスである。弾性軟質ポリウレタンフォームは最も興味深い。
【0045】
ポリオールブレンド(i)と反応してポリウレタンを生成する1又は2種以上の有機ポリイソシアネート(ii)は、芳香族、脂環式又は脂肪族イソシアネート、あるいはそれらの混合物であることができる。芳香族ポリイソシアネートが好ましく、それらの中で、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び/又はポリメチレンポリフェニルイソシアネート(PMDI)は、一般的により大きな反応性、入手容易性及びコストに基づいて好ましい。MDIは2,4’−異性体、4,4’−異性体、又はそれらの混合物であってよい。PMDIは、一般的に、1種又は2種以上のポリメチレンポリフェニルイソシアネート及びいくらかのMDIの混合物であり、混合物のMDI部分は、2,4−異性体、4,4’−異性体のいずれか又は両方であることがある。
【0046】
弾性軟質フォームを製造するために使用されるポリイソシアネートの量は、典型的には、0.6〜1.5であり、好ましくは0.6〜1.20のイソシアネート指数を提供するのに十分な量であるが、より広い範囲も特別な場合に使用できる。好ましい範囲は0.7〜1.05であり、より好ましい範囲は0.75〜1.05である。
【0047】
ポリオールブレンド(i)と1種又は2種以上の有機ポリイソシアネート(ii)との間の反応は、使用される特定の製造プロセスに有用であるか、又は、得られるポリマーに所望の特性を付与するために有用であることができる、様々なタイプの他の材料の存在下で行うことができる。これらとしては、例えば、触媒、発泡剤、セルオープナー、界面活性剤、架橋剤、連鎖延長剤、充填剤、着色剤、難燃剤、顔料、帯電防止剤、強化繊維、酸化防止剤、保存剤、酸掃去剤などが挙げられる。
【0048】
本発明のポリオールブレンド(i)は、弾性軟質ポリウレタンフォームを製造するのに有用である。本発明のポリオールブレンド(i)は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準にして4〜7質量%、特に4.5〜6質量%
の水を含む高含水量の配合物中で特に利点を提供する。ポリウレタンフォームは、水の存在下、ポリオールブレンド(i)と1又は2種以上の有機ポリイソシアネート(ii)とを反応させることによって、これらの高含水量の配合物から製造される。フォームは、スラブストックプロセスで又は閉鎖成形型内で製造できる。クローズドモールド成形プロセスは、自動車の座席、ダッシュボード、計器パネル及び他の自動車内装トリム部品などの製品、特に消音用途、例えばカーペット、トランクアイソレーション、ダッシュマット、及びエンジン封入材などを製造するのに好ましい。
【0049】
水及び有機ポリイソシアネート(ii)を含む上記のポリオールブレンド(i)に加えて、1又は2種以上の様々な他の成分が、弾性軟質フォームを製造するためのフォーム配合物中に存在することができる。
【0050】
触媒として作用することができる自己触媒性ポリオールに加えて、1種又は2種以上のさらなる触媒が本発明の方法のフォーム配合物中に存在してもよい。1つの好ましいタイプの触媒は第三級アミン触媒である。第三級アミン触媒は、ポリオールと有機ポリイソシアネートとの間の反応に対して触媒活性を有し、少なくとも1個の第三級アミン基を有する任意の化合物であることができる。代表的な第三級アミン触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−アセチル−N,N−ジメチルアミン、N−ココ−モルホリン、N,N−ジメチルアミノメチル−N−メチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビス(アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)N−イソプロパノールアミン、(N,N−ジメチル)アミノ−エトキシエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7、N,N−ジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミノ−2−プロパノール、テトラメチルアミノビス(プロピルアミン)、(ジメチル(アミノエトキシエチル))((ジメチルアミン)エチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)アミン、1,2−エチレンピペリジン及びメチル−ヒドロキシエチルピペラジンが挙げられる。
【0051】
フォーム配合物は、上記の第三級アミン触媒に加えて、又は、その代わりとして、1種又は2種以上の他の触媒を含むことができる。これらのうちで特に興味深いのは、錫カルボキシレート及び4価の錫化合物である。これらの例としては、オクタン酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジアルキル錫ジアルキルメルカプト酸、ジブチル錫オキシド、ジメチル錫ジメルカプチド、ジメチル錫ジイソオクチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
【0052】
触媒は、典型的には、少量で使用される。例えば、使用される触媒の合計量は、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として0.0015〜5質量%、好ましくは0.01〜1質量%であることができる。有機金属触媒は、典型的には、これらの範囲の下限に近い量で使用される。
【0053】
発泡性組成物は架橋剤を含んでよく、架橋剤は、もし使用されるならば、好ましくは、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として2質量%以下、0.75質量%以下、又は0.5質量%以下の少量で使用される。架橋剤は、1分子当たり少なくとも3個のイソシアネート反応性基を含み、イソシアネート反応性基1個当たりの当量は30〜約125、好ましくは30〜75である。アミノアルコール、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどは好ましいタイプであるが、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリトリトールなどの化合物も使用できる。
【0054】
界面活性剤は、好ましくは、フォーム配合物が膨張し硬化するときにフォームを安定化するのを助けるためにフォーム配合物中に含まれる。界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤及び湿潤剤、例えば、プロピレングリコールに対するプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシドの逐次付加により製造されるもの、固体又は液体オルガノシリコーン、及び長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。イオン性界面活性剤、例えば長鎖アルキル酸硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル及びアルキルアリールスルホン酸の第三級アミン及びアルカノールアミン塩なども使用できる。固体又は液体オルガノシリコーンと同様に、プロピレングリコールにプロピレンオキシド、次いで、エチレンオキシドを逐次付加することによって製造される界面活性剤が好ましい。有用なオルガノシリコーン界面活性剤の例としては、市販のポリシロキサン/ポリエーテルコポリマー、例えばGoldschmidt Chemical Corp.から入手可能なTEGOSTAB(登録商標)B−8729及びB−8719LF、並びにMomentive Performance Materialsから入手可能のNIAX(商標)L2171界面活性剤などが挙げられる。非加水分解性液体オルガノシリコーンがより好ましい。界面活性剤が使用される場合には、界面活性剤は、典型的には、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として0.0015〜1質量%の量で存在する。
【0055】
セルオープナーが、好ましくは、フォーム配合物中に存在する。セルオープナーは重合反応の間に気泡壁を破壊して連続気泡構造の形成を促進する機能を果たす。高い連続気泡含有量(個数で少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%)は、通常、騒音及び振動吸収用途で使用されるフォームにとって有利である。有用なタイプのセルオープナーとしては、分子量が5000以上である、エチレンオキシドのホモポリマー又はエチレンオキシドと少量割合のプロピレンオキシドとのランダムコポリマーが挙げられる。これらのセルオープナーは、好ましくは、少なくとも4個、より好ましくは少なくとも6個のヒドロキシル官能基を有する。セルオープナーは、好ましくは、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として約0.5〜約5質量%の量で使用される。
【0056】
正確に2個のイソシアネート反応性基を有し、そしてイソシアネート反応性基1個当たりの当量が499以下、好ましくは250以下である化合物を意味する連鎖延長剤も存在してよい。連鎖延長剤は、存在する場合は、通常、少量で、例えば、ポリオールブレンド(i)の総質量を基準として10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下で使用される。好適な連鎖延長剤の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチルトルエンジアミン、アミン末端ポリエーテル、例えば、Huntsman Chemical Company製のJEFFAMINE D−400、アミノエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1,5−ジアミノ−3−メチルペンタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、それらの混合物などが挙げられる。
【0057】
発泡反応は、全体のコストを低減し、製品に難燃性、荷重支持特性及びその他の物理特性を向上させることができる充填剤の存在下で行うことができる。充填剤はポリウレタンフォーム配合物の総質量(すなわち、ポリオールブレンド(i)と有機イソシアネート(ii)の合計質量)の約50%以下を構成することができる。適当な充填剤としては、タルク、マイカ、モンモリロナイト、大理石、硫酸バリウム(バライト粉)、粉砕ガラスグラナイト、粉砕ガラス、炭酸カルシウム、アルミナ三水和物、カーボン、アラミド、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、タルク、ベントナイト、三酸化アンチモン、カオリン、石炭ベースのフライアッシュ及び窒化ホウ素が挙げられる。
【0058】
弾性軟質フォームはスラブストックプロセス又はクローズドモールド成形プロセスにおいて本発明に従って製造できる。スラブストックフォームは、大きなバンとして形成され、これは、使用のために要求される形状及びサイズに切断される。クローズドモールド成形プロセスは、発泡が閉鎖成形型内で起こるいわゆる熱成形プロセス又はコールド成形プロセスのいずれかであることができる。フォームが硬化した後、成形型を開け、軟質フォームを取り出す。成形型内でフォームの表面上に一体化スキンを形成することができる。反応性ブレンド(iii)を導入する前に、成形型内にフィルム、布帛、皮革又は他のカバー材を挿入して、望ましい外観表面を有するフォームを製造することができる。
【0059】
本発明によるエチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドの混合物を含むポリウレタンフォーム配合物は、特に上述のとおりの高含水量の配合物でうまく加工できることが判った。ここで、良好な加工とは、工業設備で良好な品質のフォームを一貫して生じるフォーム配合物の能力を指す。良好な加工は、フォームが長時間にわたって製造される際の、一貫して均一な気泡構造、完全な成形型充填性、一貫して良好な表面外観、一貫したフォーム密度及びフォーム物理特性の一貫性により示される。当該フォーム配合物は、他の高含水量フォーム配合物では有意な製品非一貫性をしばしばもたらす、操作温度、触媒濃度及び他のプロセス条件の小さな変化を許容する。
【0060】
フォームを潰して、気泡を開放させることがしばしば好ましい。高い連続気泡含有量(個数で少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%)は、通常、騒音及び振動吸収用途で使用されるフォームにとって有利である。
【0061】
弾性軟質フォームは、ASTM D−3574ボールリバウンド試験を用いて求めた場合に弾性(resiliency)を有することにより特徴づけられる。このボールリバウンド試験は、指定された条件でボールを落としたときに、フォームの表面からボールが跳ね返る高さを測定する。このASTM試験のもとで、フォームは少なくとも40%、特に、少なくとも50%の弾性を示す。本発明の弾性軟質フォームは、また、有利には、密度が2.0〜10ポンド/立方フィート(pcf)(32〜160kg/m
3)の範囲、好ましくは2.0〜2.65ポンド/立方フィート(32〜42kg/m
3)の範囲である。密度はASTM D3574によって簡便に測定される。
【0062】
本発明の方法により閉鎖成形型内で弾性軟質フォームを形成する場合、離型時間は、有利には55秒間以下、好ましくは50秒間以下、より好ましくは45秒間以下、より好ましくは40秒間以下、さらにより好ましくは35秒間以下である。
【0063】
本発明の弾性軟質フォームは、有利には、ASTM D3574に従って求めた場合に、25%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下の圧縮永久歪も有する。本発明の弾性軟質フォームは、有利には、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上の圧縮永久歪も有する。
【0064】
本発明の弾性軟質フォームは、有利には、低い有機化合物排出量も有する。好ましくは、本発明の弾性軟質フォームは、VDA 278に従って求めた場合に、250マイクログラム毎グラム(μg/g)以下、より好ましくは150μg/g以下、より好ましくは100μg/g以下、さらに好ましくは75μg/g以下の揮発性有機化合物レベル(VOC)を有する。好ましくは、本発明の弾性軟質フォームは、VDA 278に従って求めた場合に、500μg/g以下、より好ましくは250μg/g以下、より好ましくは150μg/g以下、さらに好ましくは100μg/g以下の遊離性有機ガスレベル(FOG)を有する。
【0065】
上記フォームは、乗り物、特に自動車における騒音及び振動吸収用途、例えば自動車の座席及びほかの自動車内装部品、例えばダッシュボード、天井、計器パネルトリム、下敷き及びマットなどで有用である。本発明の弾性軟質ポリウレタンからの騒音及び振動吸収用途、例えば成形品などの吸音性能は、個々のOEM仕様に従って、典型的には、例えばインピーダンス管などの装置又は残響室と呼ばれているものにより測定される。
【実施例】
【0066】
比較例A及びBと実施例1〜4は、ポリマーMDIと反応した配合ポリオールブレンドを含んでいた。ポリマーMDIは、約32質量%のイソシアネート含有量を有していた。ポリオールブレンドとポリマーMDIとを、加熱された50cm×50cm×5cm試験成形型を備えた高圧インピンジメント混合装置で反応させ、また、異なるサイズと形状を有する様々な成形型でも反応させた。成形型温度は55〜75℃の間で変えた。実施例1〜4のイソシアネート指数は55〜80の間で変えた。フォームが硬化した後、成形型を開け、そしてフォームを成形型から取り出した。離型時間は、反応性ブレンドを成形型に注入してからフォームを成形型から取り出したときまでの時間であり、秒単位で報告する。実施例1〜4と比較例A及びBのそれぞれについてのイソシアネート:ポリオール質量混合比を表1に掲載する。
【0067】
比較例A及びBと実施例1〜4について、配合ポリオールブレンド(ポリオールと他の添加剤を含む)は、以下の成分から調製した。量は、配合ポリオールブレンドの総質量を基準とする質量%として示されている。表1において:
「ポリオール−1」は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)からVORANOL(登録商標)CP 6001ポリオールとして入手可能な、2040の当量を有する、グリセリンを開始剤としプロピレンオキシドと15%のエチレンオキシドによりキャップされたポリオールであり;
「ポリオール−2」は、1902の当量を有し、0.06meq/g未満の不飽和度を有する、グリセリンを開始剤としプロピレンオキシドと14.5%のエチレンオキシドによりキャップされたポリオールであり;
「ポリオール−3」は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからVORANOL CP 1421ポリオールとして入手可能な、1675の当量を有する、グリセリンを開始剤とし75/25のエチレンオキシド/プロピレンオキシド混合フィードを用いたポリオールであり;
「ポリオール−4」は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからSPECFLEX(登録商標)NC 632ポリオールとして入手可能な、約3.3の官能価を有する、ソルビトール/グリセリンを開始剤としプロピレンオキシドと15%のエチレンオキシドによりキャップされたポリオールであり;
「ポリオール−5」は、2025の当量を有する、プロピレングリコールを開始剤としプロピレンオキシドと20.5%のエチレンオキシドによりキャップされたポリオールであり;
「ポリオール−6」は、1700の当量を有する、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンを開始剤としプロピレンオキシドと17.5%のエチレンオキシドによりキャップされたポリオールであり;
「NIAX(登録商標)A−1」は、Momentive Performance Materialsから入手可能な、ジプロピレングリコール中に70%のビス(N,N−ジメチルアミノエチル)エーテルを含む発泡触媒であり;
「DMEA」は触媒N,N−ジメチルエタノールアミンであり;
「JEFFCAT(登録商標)ZF 10」は、Huntsman Chemical Companyから入手可能な従来の発泡触媒2−[[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]メチルアミノ]−エタノールであり;
「DMEE」は適度なクリーム状の触媒ジメチルアミノエトキシエタノールであり;
「POLYCAT(登録商標)15」は、Air Productsから入手可能な表面硬化を促進する触媒N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミンであり;
「DABCO(登録商標)DC−1」は、Air Productsから入手可能な第三級アミン/有機錫硬化触媒であり;
「DABCO DC 5164」はAir Productsから入手可能な高効率気泡安定化シリコーン界面活性剤であり;
「TEGOSTAB(登録商標)B 8715 LF 2」はGoldschmidt Gmbhから入手可能な低曇り性(low fogging)の気泡調節シリコーン界面活性剤であり;
「TEGOSTAB B 8734 LF 2」は、Goldschmidt Chemical Corp.から入手可能な低曇り性の中効率(medium efficient)気泡調節シリコーン界面活性剤であり;
「NIAXシリコーンL−2171」はOSI Specialtiesから入手可能な高効率気泡安定化シリコーン界面活性剤である。
【0068】
比較例A及びB並びに実施例1の配合したポリオール混合物から得られたフォームの特性を表1に示す。表1において:
「密度」はASTM D3574に従って求められ、kg/m単位で報告されており;
「離型時間」は秒単位で報告されており;
「放出量」は、VDA 278に従って求められ、揮発性有機化合物(VOC)及び放散性有機ガス(FOG)についてマイクログラム/グラム(μg/g)単位で報告されており;
「引張強さ」はASTM D3574に従って求められ、kPa単位で報告されており;
「伸び」は破断点引張伸びであり、ASTM D3574に従って求められ、%で報告されており;
「圧縮永久歪」は、ASTM D3574に従って求められ、%で報告されており;
「荷重撓み」は、ASTM D3574に従って求められる圧縮荷重撓みであり、kPa単位で報告されており;
「吸収係数」は、ASTM C384に従ってインピーダンス管により求められ、
図1にその結果が示されており、
図1では、「B」で指定された列は、その表皮が音源の反対側にあるときのフォームについて求められた吸収係数を表し、表示がない列は、表皮が音源の方に向いているときのフォームについて求められた吸収係数を表し;
「減衰(damping)」は、ASTM E756に従って求められ、試験した試料の厚さでの結果が
図2に報告されており;
「弾性率」はASTM E756に従って求められ、試験した試料の厚さでの結果がMPa単位で
図3に報告されている。
本発明の実施例では、物理的特性と、吸音性能と、業界標準を下回るVOC及びFOGレベルとの良好な組み合わせを示している。
【0069】
【表1】
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
a.下記(i.a)、(i.b)及び(i.c)を含むポリオールブレンド(i)を用意する工程:
i.a.5〜70質量%の、それぞれ、ヒドロキシル当量1200〜3000を有し、かつ、少なくとも70%の第1級ヒドロキシル基を含むエチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドを含むポリオール混合物(i.a)、ここで、エチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドの5〜80質量%は公称で二官能性であり、エチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドの0.5〜20質量%は4以上の公称官能価を有し、エチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドの残り(ただしエチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドの1.5質量%以上)は公称で三官能性である;
i.b.1〜20質量%の、2〜8の範囲内の官能価及び15〜200の範囲内のヒドロキシル価を有する1又は2種以上の自己触媒性ポリオール化合物(i.b)、ここで、前記自己触媒性ポリオール化合物は少なくとも1個の第3級アミン基を含み、前記自己触媒性ポリオールは、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、2,2’−ジアミノ−N−メチルジエチルアミン、2,3−ジアミノ−N−メチル−エチル−プロピルアミン、又はそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の開始剤分子のアルコキシル化により得られたアミン開始ポリオールである;
i.c.25〜80質量%の、2以上の官能価、1800〜2800のヒドロキシル当量及び0.06meq/g以下の総不飽和度を有する低不飽和ポリオール(i.c);
ここで、質量百分率はポリオールブレンド(i)の総質量を基準とする;
b.1又は2種以上の有機ポリイソシアネート(ii)を用意する工程;
c.発泡剤及び必要に応じて1又は2種以上の添加剤の存在下で、前記ポリオールブレンド(i)と前記有機ポリイソシアネート(ii)とを連続的に混合することにより反応性ブレンド(iii)を形成する工程;及び
d.得られた反応性ブレンド(iii)を、当該反応性ブレンドを硬化させるのに十分な条件にさらして、弾性軟質ポリウレタンフォームを形成する工程;
を含む、弾性軟質ポリウレタンの製造方法。
[態様2]
(i.a)が15〜70質量%の量で存在し;
(i.b)が4〜10質量%の量で存在し;
(i.c)が40〜70質量%の量で存在するブレンド(i)を含む、上記態様1に記載の方法。
[態様3]
ポリオール混合物(i.a)のエチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドがそれぞれ1700〜2200のヒドロキシル当量及び6〜8の公称官能価を有する、上記態様1に記載の方法。
[態様4]
前記自己触媒性ポリオール化合物(i.b)中の開始剤分子が3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンである、上記態様1に記載の方法。
[態様5]
低不飽和ポリオール(i.c)が0.04meq/g以下の総不飽和度を有する、上記態様1に記載の方法。
[態様6]
前記発泡剤が水である、上記態様1に記載の方法。
[態様7]
前記弾性軟質ポリウレタンフォームが、ASTM D3574により求めた場合に42kg/m3以下の密度を有する、上記態様1に記載の方法。
[態様8]
c.1.閉鎖成形型内で反応性ブレンド(iii)を発泡させる工程;
e.閉鎖成形型を開ける工程;及び
f.弾性軟質ポリウレタンフォームを取り出す工程;
をさらに含み、工程c.1は工程cの後かつ工程dの前に行われ、工程e及びfは工程dの後に、弾性軟質ポリウレタンフォームが最長で55秒間の離型時間を有するように順次行われる、上記態様1に記載の方法。
[態様9]
前記弾性軟質ポリウレタンフォームが、ASTM D3574により求めた場合に15%以下の圧縮永久歪を有する、上記態様1に記載の方法。
[態様10]
前記弾性軟質ポリウレタンフォームが、100μg/g以下の揮発性有機化合物レベル(VOC)及び250μg/g以下の放散性有機ガスレベル(FOG)を有し、ここで、VOC及びFOGはVDA 278に従って求められる、上記態様1に記載の方法。
[態様11]
前記弾性軟質ポリウレタンフォームが自動車の騒音及び振動吸収用途で使用される、上記態様1に記載の方法。