特許第5905922号(P5905922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905922
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】光モジュールコネクタシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   G02B6/42
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-100245(P2014-100245)
(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公開番号】特開2015-26063(P2015-26063A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2015年4月8日
(31)【優先権主張番号】13/950,448
(32)【優先日】2013年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506076606
【氏名又は名称】アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】セン−クン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ジェイケイ・メドウクロフト
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0135618(US,A1)
【文献】 特開2011−028006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射形コネクタのためのコネクタカバーであって、前記反射形コネクタが、その内部に、複数の光ファイバーの端部を保持するための複数のファイバーポートを有し、少なくとも1つの光反射器を備えた上側部分を有するものにおいて、
前記反射形コネクタの一部を受け入れるように構成された下側凹部を有する本体であって、前記反射形コネクタが当該本体の前記下側凹部に受け入れられたときに前記光反射器を覆う上側ハウジング部をさらに有する本体と、
前記本体の前方端から延びる一対のアームであって、前記一対のアームの各アームが、アーム先端係合部を備えた先端を有する一対のアームと
を含み、
前記一対のアームの前記アーム先端係合部は、当該コネクタカバーが、前記アーム先端係合部により規定される旋回軸を中心として、トランシーバモジュール・ハウジングに対して旋回できるように、前記トランシーバモジュール・ハウジング上の対応する係合部と旋回可能に係合されている、コネクタカバー。
【請求項2】
前記アーム先端係合部は、前記アームから前記一対のアームの間の空間の中に延びる突起である、請求項1に記載のコネクタカバー。
【請求項3】
前記下側凹部は、一対のL字形側壁を有し、前記一対のL字形側壁の各L字形側壁は、前記上側ハウジング部から延びる、請求項1または請求項2に記載のコネクタカバー。
【請求項4】
各L字形側壁は、側壁係合部を有する、請求項3に記載のコネクタカバー。
【請求項5】
前記側壁係合部は、前記側壁における開口部である、請求項4に記載のコネクタカバー。
【請求項6】
反射形コネクタのためのコネクタカバーを使用する方法であって、前記反射形コネクタが、その内部に、複数の光ファイバーの端部を保持するための複数のファイバーポートを有し、少なくとも1つの光反射器を備えた上側部分を有するものにおいて、
前記反射形コネクタの前方端を前記コネクタカバーの本体の後方端の中に滑り込ませるステップであって、前記コネクタカバーの前記本体が、前記反射形コネクタの前記前方端が前記コネクタカバーの前記本体の前記後方端の中に滑り込むときに、前記反射形コネクタの一部を受け入れるように構成された下側凹部を有し、前記コネクタカバーの前記本体は、前記反射形コネクタが前記本体の前記下側凹部に受け入れられたときに前記光反射器を覆う上側ハウジング部をさらに有し、前記本体の前方端から一対のアームが延び、前記一対のアームの各アームが、アーム先端係合部を備えた先端を有することを含むステップと、
前記一対のアームの前記アーム先端係合部をトランシーバモジュール・ハウジング上の対応する係合部と旋回可能に係合させるステップと、
前記アーム先端係合部により規定される旋回軸を中心として前記コネクタカバーを前記トランシーバモジュール・ハウジングに対して旋回させるステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記アーム先端係合部は、前記アームから前記一対のアームの間の空間の中に延びる突起である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記下側凹部は、一対のL字形側壁を有し、前記一対のL字形側壁の各L字形側壁は、前記上側ハウジング部から延びる、請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各L字形側壁は、側壁係合部を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記側壁係合部は、前記側壁における開口部である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記旋回軸を中心として前記コネクタカバーを旋回させることは、前記反射形コネクタの下側部分から延びるピンが、前記トランシーバモジュール・ハウジングの上側部分にある対応するボアの中に受け入れられるまで、前記コネクタカバーを旋回させることを含む、請求項6〜10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記光トランシーバモジュール・ハウジングのモジュールカバーが、前記コネクタカバー及び反射形コネクタを前記光トランシーバモジュール・ハウジングの上側部分に対して固定するまで、前記光トランシーバモジュール・ハウジングの前記モジュールカバーを旋回させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コネクタカバー及び反射形コネクタが前記光トランシーバモジュール・ハウジングの前記上側部分に対してしっかりと固定された状態で、前記モジュールカバーのスナップ係合の第1の部分は、前記光トランシーバモジュール・ハウジング上の前記スナップ係合の対を成す第2の部分と係合し、前記モジュールカバーを閉鎖位置に維持する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
光トランシーバコネクタシステムであって、
反射形コネクタのためのコネクタカバーであって、前記反射形コネクタが、その内部に、複数の光ファイバーの端部を保持するための複数のファイバーポートを有し、少なくとも1つの光反射器を備えた上側部分を有し、前記コネクタカバーは、本体と、前記本体の前方端から延びる一対のアームとを含み、前記一対のアームの各アームが、アーム先端係合部を備えた先端を有し、前記本体が、前記反射形コネクタの一部を受け入れるように構成された下側凹部を有し、前記本体が、前記反射形コネクタが当該本体の前記下側凹部に受け入れられたときに前記光反射器を覆う上側ハウジング部をさらに有する、コネクタカバーと、
前記一対のアームの前記アーム先端係合部と係合するように構成された一対の係合部を有するハウジングを備えた光トランシーバモジュールと
を含み、
前記一対のアームの前記アーム先端係合部は、前記コネクタカバーが、前記アーム先端係合部により規定される旋回軸を中心として、前記光トランシーバモジュールの前記ハウジングに対して旋回できるように、前記光トランシーバモジュールの前記ハウジング上の前記係合部と旋回可能に係合されている、光トランシーバコネクタシステム。
【請求項15】
前記アーム先端係合部は、前記アームから前記一対のアームの間の空間の中に延びる突起である、請求項14に記載の光トランシーバコネクタシステム。
【請求項16】
前記下側凹部は、一対のL字形側壁を有し、前記一対のL字形側壁の各L字形側壁は、前記上側ハウジング部から延びる、請求項14または請求項15に記載の光トランシーバコネクタシステム。
【請求項17】
各L字形側壁は、側壁係合部を有する、請求項16に記載の光トランシーバコネクタシステム。
【請求項18】
前記側壁係合部は、前記側壁における開口部である、請求項17に記載の光トランシーバコネクタシステム。
【請求項19】
前記光トランシーバモジュールは、前記光トランシーバモジュールの前記ハウジング上に旋回式モジュールカバーをさらに含む、請求項1418の何れか一項に記載の光トランシーバコネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバコネクタシステムに関し、特に、光ケーブルコネクタアセンブリを光トランシーバモジュールに接続する際に、アライメントピンの損傷を防止する手段を備えた光トランシーバコネクタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
光データトランシーバモジュールは、光ファイバーを介して受信した光信号を電気信号に変換するとともに、及び光ファイバーを介した送信のために電気信号を光信号に変換する。トランシーバモジュールのトランスミッタ部分では、レーザーのような光源が、電−光信号変換を実施する。トランシーバモジュールのレシーバ部分では、フォトダイオードのような光受信機が、光−電信号変換を実施する。トランシーバモジュールは一般に、レンズのような光学素子、並びに、ドライバ及びレシーバのような電気回路をさらに含む。トランシーバモジュールは、1以上のファイバーポートをさらに含み、そこに、光ファイバーケーブルが接続される。光源、光受信機、光学素子、及び電気回路は、モジュールハウジングの中に取り付けられる。1以上のファイバーポートは、モジュールハウジング上に配置される。
【0003】
種々のトランシーバモジュール構成が知られている。トランシーバモジュール構成の一つのタイプは、ミッドプレーン・マウンティング構成と呼ばれるものである。ミッドプレーン・マウンティング構成のトランシーバモジュールは通常、概ね正方形の基部、及び低い高さを備えたモジュールハウジングを有する。モジュールハウジングの基部又は底部は、その下面に、ボール・グリッド・アレイ(BGA)のような電気的接点のアレイを有する。ファイバーポートは、モジュールハウジングの上側部分又は最上部の上に配置される。トランシーバモジュールによっては、ファイバーポートは、光リボンケーブルフェルール又はコネクタに接続可能である場合がある。従って、光リボンケーブルコネクタは、複数の光ファイバーを含む光リボンケーブルの端部を終端し、保持する。光リボンケーブルコネクタは、ファイバーポートの対を成す領域に物理的に受け入れられるプラグ状の形を有することがある。光リボンケーブルコネクタが、トランシーバモジュール・ファイバーポートの中に受け入れられ、又は保持されるとき、光リボンケーブルコネクタの種々の光ポートは、トランシーバモジュール・ファイバーポートの対応する光ポートを有する光路に沿って整列される。従って、光リボンケーブルコネクタがトランシーバモジュール・ファイバーポートの中に受け入れられ、又は保持されるとき、光信号は、光リボンケーブルコネクタとトランシーバモジュール・ファイバーポートとの間において、それらの光路に沿って伝達されることができる。
【0004】
光リボンケーブルコネクタは、光ファイバーの端部と、上述した光路との間において、光信号を方向転換、すなわち「ターン」する反射性表面を有することがある。そのようなコネクタは、反射形コネクタ、又は光ターンコネクタと呼ばれる場合がある。反射形コネクタとトランシーバモジュールとの間の光路は一般に、反射形コネクタにおいて保持されるファイバーの端部の光軸に対して垂直である。従って、ファイバーの端部から放射された光信号は、反射形コネクタの対応する光ポートを通して90度の角度で反射され、トランシーバモジュール・ファイバーポートに入る。同様に、トランシーバモジュール・ファイバーポートから放射された光信号は、90度の角度で反射され、反射形コネクタの対応する光ポートに入り、ファイバーの端部に入る。その内部を通して光信号が伝送される反射形コネクタの光ポートは、反射形コネクタの下側部分に配置される。一対のアライメントピンが一般に、反射形コネクタの下側部分から延びている。
【0005】
反射形コネクタの上側部分の上にフィットするカバーを設けることが知られている。カバーの上側部分は、反射率を低下させることがある埃その他の異物による汚染から、反射性表面を保護する。カバーの下側部分は、ラッチ突起、又はラッチ耳部を含む。ラッチ耳部は、モジュールハウジング上の突起と係合するように構成された開口部を有する。カバー・コネクタ・アセンブリをモジュール上に降下させる際に、反射形コネクタのアライメントピンは、モジュールハウジングにおける対応するボアの中に受け入れられ、及び、カバーのラッチ耳部は、モジュールハウジング上の突起の上にパチンと(スナップ式に)取り付けられ、それによってカバーは、ひいては反射形コネクタは、トランシーバモジュール上の所定の位置に維持される。
【0006】
上記のラッチ手順は簡単に見える場合があるが、モジュールのサイズが比較的小さく(例えば、一般に、モジュールハウジングの基部の各辺において20mm程度)、従って、カバー・コネクタ・アセンブリのサイズが小さいことから、実際には、ユーザは、カバーをモジュールに対して整列させ、カバーを所定の位置にパチンと取り付けることが難しいことに気付く場合がある。アライメントピンは、それに従って小さく、表面に対して押し付けられれば、容易に損傷する。また、ラッチ耳部が、反射形コネクタの下側部分を超えて延びていることから、カバー・コネクタ・アセンブリは、比較的人目を引く形状を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本発明の種々の実施形態は、コネクタカバー、光トランシーバコネクタシステム、及び、コネクタカバーを使用して反射形コネクタを光トランシーバモジュールに接続する方法に関する。反射形コネクタは、その内部に、複数の光ファイバーの端部を保持するための複数のファイバーポートを有し、及び少なくとも1つの光反射器を備えた上側部分を有するタイプのものである。
【0008】
本発明の種々の例示的実施形態の一態様において、コネクタカバーは、反射形コネクタの一部を受け入れるように構成された下側凹部を有する本体を含む。本体は、反射形コネクタが本体の下側凹部の中に受け入れられたときに光反射器を覆う上側ハウジング部をさらに有する。本体は、本体の前方端から延びる一対のアームをさらに有する。各アームは、アーム先端係合部を備えた先端部を有する。
【0009】
本発明の種々の例示的実施形態の他の態様において、コネクタカバーを使用する方法は、反射形コネクタの前方端をコネクタカバーの本体の後方端の中に滑り込ませることを含む。コネクタカバーの本体は、反射形コネクタの前方端がコネクタカバーの本体の後方端の中に滑り込むときに、反射形コネクタの一部を受け入れるように構成された下側凹部を有する。コネクタカバーの本体は、反射形コネクタが本体の下側凹部の中に受け入れられたときに光反射器を覆う上側ハウジング部をさらに有する。一対のアームが、本体の前方端から延びている。各アームは、アーム先端係合部を備えた先端部を有する。
【0010】
本発明の種々の例示的実施形態のさらに別の態様において、光トランシーバコネクタシステムは、コネクタカバー、及び光トランシーバモジュールを含む。コネクタカバーは、本体と、本体の前方端から延びる一対のアームとを含む。各アームは、アーム先端係合部を備えた先端部を有する。本体は、反射形コネクタの一部を受け入れるように構成された下側凹部を有する。本体は、反射形コネクタが本体の下側凹部の中に受け入れられたときに光反射器を覆う上側ハウジング部をさらに有する。光トランシーバモジュールは、アーム先端係合部と係合するように構成された一対のトランシーバモジュール・ハウジング係合部を含む。
【0011】
他のシステム、方法、特徴、及び利点は、下記の図面及び詳細な説明を精査したときに、当業者には明らかであり、又は明らかとなるであろう。そのような他のシステム、方法、特徴、及び利点も、この説明に含められ、明細書の範囲内とされ、添付の特許請求の範囲により保護されることを意図している。
【0012】
本発明は、下記の図面を参照することで、より良好に理解するとができる。図面上の種々の構成要素は、必ずしも縮尺どおりに描かれておらず、むしろ、本発明の原理を明確に示すことに力を注いでいる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の例示的実施形態による、反射形光コネクタに取り付けられたコネクタカバーを示す上面斜視図である。
図2図1のコネクタカバー及び反射形光コネクタを示す底面斜視図である。
図3図1図2のコネクタカバーの上面斜視図である。
図4図1図2のコネクタカバーの底面斜視図である。
図5図1図2のコネクタカバー及び反射形光コネクタを組み立てる方法を示す平面図である。
図6図1図2のコネクタカバー及び反射形光コネクタを組み立てる方法を示す斜視図である。
図7】コネクタカバー・コネクタ・アセンブリを光トランシーバモジュールに接続する方法を示す斜視図である。
図8図7と類似した図であり、当該方法のさらに別のステップを示す図である。
図9図7図8と類似した図であり、当該方法のさらに別のステップを示す図である。
図10図7図8と類似した図であり、当該方法のさらに別のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図2に示されているように、本発明の例示的又は例証的実施形態において、光ケーブルコネクタアセンブリ10は、反射形光コネクタ14に取り付けられたコネクタカバー12を含む。光リボンケーブル16は、反射形光コネクタ14から後方に延びている。一対のアライメントピン18(図2)が、反射形光コネクタ14の下側部分又は底部から延びている。
【0015】
図3図4に示されているように、コネクタカバー12の本体は、上側ハウジング部20によって部分的に規定され、及び、下側凹部22によって部分的に規定される。一対のアーム24が、コネクタカバー12の本体の前方端から延びている。アーム24の先端部は、それらの内側表面、すなわち、アーム24の間の空間に面したアーム24の面に、突起26を有する。下側凹部22は、一対のL字形側壁28を有する。すなわち、各L字形側壁28は、上側ハウジング部20から下向きに延びている。一対のL字形側壁28は、下側凹部22の下部領域又は下側領域を規定している。L字形側壁28における一対の斜面形突起30(図4)は、反射形光コネクタ14における対応する窪み32(図2)と係合するように構成される。
【0016】
図5を参照すると、反射形光コネクタ14は、従来型のものであってもよい。適当な反射形光コネクタ14の一例は、ノースカロライナ州ヒッコリーにあるUSコネック社(US Conec Ltd.)から入手可能なPRIZM(登録商標)LightTurn(登録商標)コネクタである。図5に示されているように、反射形光コネクタ14は、光リボンケーブル16のファイバー端34を保持する。ファイバー端34は、反射性表面36に対して光学的に整列され、反射性表面36は一般に、全反射(TIR)反射器を含む。ファイバー端34のうちの1つの面(図示せず)から放射された光信号は、90度の角度で反射され、光ポート領域38(図2)を通って反射形光コネクタ14から出る。同様に、光ポート領域38を通って光コネクタ14に入る光信号は、90度の角度で反射され、ファイバー端34のうちの1つの面に入る。
【0017】
図5図6に示されているように、光ケーブルコネクタアセンブリ10(図1図2)の組み立ては、反射形光コネクタ14の前方端をコネクタカバー12の開口した後方端の中に挿入することによってなされる。コネクタカバー12の開口した後方端は、下側凹部22、及びL字形側壁28により規定される。反射形光コネクタ14がコネクタカバー12の開口した後方端の中に挿入される際、反射形光コネクタ14は、下側凹部22及びL字形側壁28により部分的に画定されるキャビティの中に滑り込む。従って、下側凹部22及びL字形側壁28の種々の部分は、反射形光コネクタ14を所定の位置に導くのに役立つ。斜面形突起30(図4)は、窪み32(図2)と係合し、光コネクタ14とコネクタカバー12とを一つに維持する。なお、このような形で反射形光コネクタ14をコネクタカバー12に組み付けた場合、コネクタカバー12の上側ハウジング部20は反射性表面36を覆い、それによって、反射性表面36を埃その他の異物による汚染から保護する。
【0018】
図7図10に示されているように、ユーザ(図示せず)は、光ケーブルコネクタアセンブリ10をミッドプレーン搭載型光トランシーバモジュール40に接続することができる。明確化のために、光トランシーバモジュール40は、プリント回路基板の表面又は類似の平坦な表面上に取り付けられている。光トランシーバモジュール40の底面にあるボール・グリッド・アレイ(BGA)又は電気的接点の類似のアレイ(図示せず)は、プリント回路基板上の対応する電気的接触パッド(図示せず)に結合される。
【0019】
光ケーブルコネクタアセンブリ10を光トランシーバモジュール40に接続するために、ユーザはまず、図8に示されているように、アーム24をトランシーバモジュール・ハウジング44の係合部42と係合させる。アーム24の先端部にある上記一対の凸部又は突起26は、係合部42上の対応する一対の穴又は窪み46と係合する。アーム24と係合部24との間の係合は、スナップ式である。すなわち、アーム24は、係合部42の周りに配置されるときに外向きに僅かに屈曲し、又は撓み、その後、アーム24が弛緩した状態に、すなわち屈曲していない状態に戻りながら、突起26は、窪み46の中にパチンと取り付けられる。例示的実施形態では、アーム24の先端部における係合部が凸部又は突起であり、トランシーバモジュール・ハウジング44における対応する係合部が窪み46(図7)であるが、実施形態によっては(図示せず)、そのようなアームの先端部における係合部が窪みであり、そのようなトランシーバモジュール・ハウジングにおける対応する係合部が突起であってもよい。さらに別の実施形態は、コネクタカバーと光トランシーバモジュールとの間に、他のタイプのユーザ操作可能な旋回式係合部を含むことがある。
【0020】
結果として得られるアーム24とトランシーバモジュール・ハウジング44との間の係合は、光ケーブルコネクタアセンブリ10をトランシーバモジュール・ハウジング44に対して旋回させることを可能にする手段を提供する。すなわち、アーム24とトランシーバモジュール・ハウジング44との間の係合は、旋回式係合であり、すなわち、旋回軸を規定する。図8に示される位置にある光ケーブルコネクタアセンブリ10から開始して(この位置において、アーム24は、トランシーバモジュール・ハウジング44と係合している)、ユーザは次に、光ケーブルコネクタアセンブリ10をトランシーバモジュール・ハウジング44の上側部分に向けて下向きに旋回させることができる。光ケーブルコネクタアセンブリ10が下向きに旋回されるに従って、アライメントピン18(図2)は、対応する一対のボア48(図7)に受け入れられる。光ケーブルコネクタアセンブリ10は、光ケーブルコネクタアセンブリ10の下側部分がトランシーバモジュール・ハウジング44の上側部分に隣接する位置(図9)に達するまで、下向きに旋回される。なお、この位置において、反射形光コネクタ14の光ポート領域38(図2)は、光トランシーバモジュール40の対応する光ポート領域50(図7)を有する光路(図示せず)に沿って整列され、反射形光コネクタ14と光トランシーバモジュール40との間における光信号の伝送が可能となる。
【0021】
光ケーブルコネクタアセンブリ10を光トランシーバモジュール40に接続する上記の2ステッププロセスにより、アーム24をまず、トランシーバモジュール・ハウジング44と係合し、旋回軸を形成し、次に、光ケーブルコネクタアセンブリ10を所定の位置まで下向きに旋回させることが、有利である。アーム24又は類似の構造は、ユーザが光ケーブルコネクタアセンブリ10を導くのに役立つ場合がある。また、光ケーブルコネクタアセンブリ10とトランシーバモジュール・ハウジング44との間の最初のスナップ係合は、触覚によるフィードバックをユーザに提供することができる。それらのデバイスが小さいために(トランシーバモジュール・ハウジング44は、その基部の各辺に沿って、例えば約20mm程度のサイズを有することがある)、そのような最初の係合がなければ、ユーザは、光ケーブルコネクタアセンブリを光トランシーバモジュールに対して整列させることが難しい場合がある。アライメントピン18は小さく、脆弱であるため、光ケーブルコネクタアセンブリ10がトランシーバモジュール・ハウジング44の上に降下されるときに、アライメントピン18がボア48と整列していないと、アライメントピン18は容易に損傷することがある。例えば、ピン18が、不注意によりボア48のリムに対して押し付けられ、又は、ピン18が、中心を向いた姿勢でボア48に入る以外の視射角でボア48に入った場合、ピン18は、曲がることがある。上記のような形で光ケーブルコネクタアセンブリ10を下向きに旋回させることにより、アライメントピン18が中心を向いた姿勢でボア48に入ることを確保することができる。
【0022】
光ケーブルコネクタアセンブリ10が、図9に示される位置まで旋回された後(この位置において、光ケーブルコネクタアセンブリ10の下側部分は、トランシーバモジュール・ハウジング44の上側部分に隣接する)、光トランシーバモジュール40のヒンジ付きカバー52を用いて、光ケーブルコネクタアセンブリ10を所定の位置に固定することができる。より具体的には、ユーザは、図10に示されるようにヒンジ付きカバー52が光ケーブルコネクタアセンブリ10のコネクタカバー12と接触するまで、ヒンジ付きカバー52を旋回させる。ヒンジ付きカバー52の内側にある弾性圧力パッド54は、光ケーブルコネクタアセンブリ10をトランシーバモジュール・ハウジング44の上側部分に対して所定の位置にしっかりと固定するバイアス力を、光ケーブルコネクタアセンブリ10に提供する。ヒンジ付きカバー52に設けられた一対の穴56と、トランシーバモジュール・ハウジング44上の対応する一対の窪み58との間のスナップフィットにより、ヒンジ付きカバー52は閉鎖位置に維持される。
【0023】
なお、上で述べた形で光ケーブルコネクタアセンブリ10が光トランシーバモジュール40に接続された後、光ケーブルコネクタアセンブリ10と光トランシーバモジュール40との間で光信号を伝送することができる。すなわち、光トランシーバモジュール40が取り付けられたプリント回路基板(図示せず)から光トランシーバモジュール40が受信する電気信号は、光トランシーバモジュール40において電光変換回路(例えば、レーザー又は類似の光源のアレイ)により光信号に変換され、その結果得られた光信号は、光トランシーバモジュール40と反射形光コネクタ14との間の光路(図示せず)の一部に沿って、光トランシーバモジュール40から放射される。同様に、光トランシーバモジュール40が当該光路のうちの他のものを介して反射形光コネクタ14から受信する光信号は、光トランシーバモジュール40において光電変換回路(例えば、フォトダイオード又は類似の光検出器のアレイ)により電気信号に変換され、その結果得られた電気信号は、プリント回路基板へ伝送される。
【0024】
光ケーブルコネクタアセンブリ10を光トランシーバモジュール40から分離するためには、上記のプロセスを反転させることができる。あるいは、ピンセットに類似した手段(図示せず)であって、コネクタカバー12上の一対のスロット60(図9)と係合することが可能な、先端部にかぎを備えた手段を使用して、光ケーブルコネクタアセンブリ10を光トランシーバモジュール40から持ち上げてもよい。
【0025】
本発明の1以上の例示的実施形態について上に記載した。しかしながら、本発明は、添付の特許請求の範囲により規定され、本発明が、記載した特定の実施形態に限定されることはないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0026】
10 光ケーブルコネクタアセンブリ
12 コネクタカバー
14 反射形光コネクタ
18 アライメントピン
22 下側凹部
24 アーム
26 突起
28 L字形側壁
30 斜面形突起
32 窪み
46 穴又は窪み
48 ボア
52 ヒンジ付きカバー
60 スロット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10