(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側面安定化部分は、前記患者の鼻の横側面を超えて横方向に延在するように、及び/又は前記患者の鼻の横側面の上を縦方向に延在するように、使用の際に前記患者の鼻と係合するために配置されたウィングの形態である、請求項1に記載のマスク。
前記発泡体は、露出された連続気泡構造を有する切断された且つ被膜されていない発泡体であり、使用の際に、前記患者の肌と直接的に接触するように位置付けられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のマスク。
前記側面安定化部分が、使用の際に患者の顔の両側において頬の下側と上唇の間の領域に形成された皺に係合するように配置されている、請求項16から18のいずれか一項に記載のマスク。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1-1】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-2】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-3】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-4】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-5】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-6】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-7】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-8】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-9】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-10】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-11】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-12】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-13】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-14】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-15】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図1-16】本発明の実施形態による患者インターフェースの図である。
【
図2-1】本発明の実施形態による患者インターフェースのアセンブリを示す概略図である。
【
図2-2】本発明の実施形態による患者インターフェースのアセンブリを示す概略図である。
【
図2-3】本発明の実施形態によるPAPデバイスへの患者インターフェースの取り付けを示す概略図である。
【
図2-4a】本発明の別の実施形態によるPAPデバイスへの患者インターフェースの取り付けを示す概略図である。
【
図2-4b】本発明の別の実施形態によるPAPデバイスへの患者インターフェースの取り付けを示す概略図である。
【
図3-1】本発明の実施形態による開いたおよび潰れた段階にある患者インターフェースのチューブを示す図である。
【
図3-2a】本発明の実施形態による開いたおよび潰れた段階にある患者インターフェースのチューブを示す図である。
【
図3-2b】本発明の実施形態による開いたおよび潰れた段階にある患者インターフェースのチューブを示す図である。
【
図3-3】本発明の実施形態による患者インターフェースのチューブおよび剛性化要素の概略図である。
【
図3-4】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-4a】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-4b】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-4c】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-4d】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-4e】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-4f】本発明の実施形態によるチューブをその長さに沿って示す断面図である。
【
図3-5a】本発明の別の実施形態による開いたおよび潰れた、または一部が潰れた段階にある患者インターフェースのチューブの概略図である。
【
図3-5b】本発明の別の実施形態による開いたおよび潰れた、または一部が潰れた段階にある患者インターフェースのチューブの概略図である。
【
図3-5c】本発明の別の実施形態による開いたおよび潰れた、または一部が潰れた段階にある患者インターフェースのチューブの概略図である。
【
図3-6a】は、本発明の別の実施形態によるコンサーティーナ構成を有するチューブを示す図である。
【
図3-6b】本発明の別の実施形態によるコンサーティーナ構成を有するチューブを示す図である。
【
図4-1】本発明の実施形態による患者インターフェースのためのチュービングを示す図である。
【
図4-2】本発明の実施形態による患者インターフェースのためのチュービングを示す図である。
【
図4-3】本発明の実施形態による患者インターフェースのためのチュービングを示す図である。
【
図4-4】本発明の実施形態による患者インターフェースのためのチュービングを示す図である。
【
図4-5】本発明の実施形態による患者インターフェースのためのチュービングを示す図である。
【
図4-6】本発明の実施形態によるチューブおよび剛性化要素を示す図である。
【
図4-7】本発明の実施形態によるチューブおよび剛性化要素を示す図である。
【
図4-8】本発明の実施形態によるチューブおよび剛性化要素を示す図である。
【
図4-9】本発明の実施形態によるチューブおよび剛性化要素を示す図である。
【
図5-1】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのチューブを示す図である。
【
図5-2】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのチューブを示す図である。
【
図5-3】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのチューブを示す図である。
【
図6-1】本発明の実施形態による患者インターフェースのバックストラップを示す図である。
【
図6-2】本発明の実施形態による患者インターフェースのバックストラップを示す図である。
【
図6-3】本発明の実施形態による患者インターフェースのバックストラップを示す図である。
【
図6-4】本発明の実施形態による患者インターフェースのバックストラップを示す図である。
【
図6-5】本発明の別の実施形態による患者インターフェースのバックストラップを示す図である。
【
図7-1】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのマニホールドを示す図である。
【
図7-2】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのマニホールドを示す図である。
【
図8-1】本発明の実施形態によるチューブ構成を示す図である。
【
図8-2】本発明の実施形態によるチューブ構成を示す図である。
【
図8-3】本発明の実施形態によるチューブ構成を示す図である。
【
図8-4】本発明の実施形態によるチューブ構成を示す図である。
【
図8-5】本発明の実施形態によるチューブ構成を示す図である。
【
図8-6】本発明の実施形態によるチュービングが通ることのできる領域を示す概略図である。
【
図8-7】本発明の別の実施形態による調整可能なチューブ構成を示す図である。
【
図8-8-1】本発明の実施形態による調整機構を組み込んだマスクアセンブリを示す図である。
【
図8-8-2】
図8−8−1に示すマスクアセンブリの別の図である。
【
図8-8-3a】
図8−8−1に示す調整機構の図である。
【
図8-8-3b】
図8−8−1に示す調整機構の図である。
【
図8-8-3c】
図8−8−1に示す調整機構の図である。
【
図8-8-3d】
図8−8−1に示す調整機構の図である。
【
図8-8-3e】
図8−8−1に示す調整機構の図である。
【
図8-8-4a】
図8−8−1に示す調整機構の第1のラックの図である。
【
図8-8-4b】
図8−8−1に示す調整機構の第1のラックの図である。
【
図8-8-4c】
図8−8−1に示す調整機構の第1のラックの図である。
【
図8-8-4d】
図8−8−1に示す調整機構の第1のラックの図である。
【
図8-8-4e】
図8−8−1に示す調整機構の第1のラックの図である。
【
図8-8-4f】
図8−8−1に示す調整機構の第1のラックの図である。
【
図8-8-5a】
図8−8−1に示す調整機構の第2のラックの図である。
【
図8-8-5b】
図8−8−1に示す調整機構の第2のラックの図である。
【
図8-8-5c】
図8−8−1に示す調整機構の第2のラックの図である。
【
図8-8-5d】
図8−8−1に示す調整機構の第2のラックの図である。
【
図8-8-5e】
図8−8−1に示す調整機構の第2のラックの図である。
【
図8-8-6a】
図8−8−1に示す調整機構のピニオンの図である。
【
図8-8-6b】
図8−8−1に示す調整機構のピニオンの図である。
【
図8-8-6c】
図8−8−1に示す調整機構のピニオンの図である。
【
図8-8-6d】
図8−8−1に示す調整機構のピニオンの図である。
【
図8-8-6e】
図8−8−1に示す調整機構のピニオンの図である。
【
図8-8-6f】
図8−8−1に示す調整機構のピニオンのな図である。
【
図8-8-7a】
図8−8−1に示す調整機構のダイアルの図である。
【
図8-8-7b】
図8−8−1に示す調整機構のダイアルの図である。
【
図8-8-7c】
図8−8−1に示す調整機構のダイアルの図である。
【
図8-8-7d】
図8−8−1に示す調整機構のダイアルの図である。
【
図8-8-7e】
図8−8−1に示す調整機構のダイアルの図である。
【
図8-8-7f】
図8−8−1に示す調整機構のダイアルの図である。
【
図8-8-8a】
図8−8−1に示す調整機構の第1のハウジング部分の図である。
【
図8-8-8b】
図8−8−1に示す調整機構の第1のハウジング部分の図である。
【
図8-8-8c】
図8−8−1に示す調整機構の第1のハウジング部分の図である。
【
図8-8-8d】
図8−8−1に示す調整機構の第1のハウジング部分の図である。
【
図8-8-8e】
図8−8−1に示す調整機構の第1のハウジング部分の図である。
【
図8-8-8f】
図8−8−1に示す調整機構の第1のハウジング部分の図である。
【
図8-8-9a】
図8−8−1に示す調整機構の第2のハウジング部分の図である。
【
図8-8-9b】
図8−8−1に示す調整機構の第2のハウジング部分の図である。
【
図8-8-9c】
図8−8−1に示す調整機構の第2のハウジング部分の図である。
【
図8-8-9d】
図8−8−1に示す調整機構の第2のハウジング部分の図である。
【
図8-8-9e】
図8−8−1に示す調整機構の第2のハウジング部分の図である。
【
図8-8-9f】
図8−8−1に示す調整機構の第2のハウジング部分の図である。
【
図9-1】本発明の実施形態による患者インターフェースを装着するための方法を示す図である。
【
図9-2】本発明の実施形態による患者インターフェースを装着するための方法を示す図である。
【
図9-3】本発明の実施形態による患者インターフェースを装着するための方法を示す図である。
【
図10-1】本発明の実施形態によるカバーを含む患者インターフェースの図である。
【
図10-2】本発明の実施形態によるカバーを含む患者インターフェースの図である。
【
図10-3】本発明の実施形態によるカバーを含む患者インターフェースの図である。
【
図10-4】本発明の実施形態によるカバーを含む患者インターフェースの図である。
【
図10-5】本発明の実施形態によるカバーを含む患者インターフェースの図である。
【
図10-6】本発明の実施形態によるカバーを含む患者インターフェースの図である。
【
図11-1】本発明の実施形態による患者インターフェースのバルブを示す図である。
【
図12-1】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのクリップを示す図である。
【
図12-2】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのクリップを示す図である。
【
図12-3】本発明の代替実施形態による患者インターフェースのクリップを示す図である。
【
図13-1】本発明の実施形態による発泡体インターフェースおよび支持体の図である。
【
図13-2】本発明の実施形態による発泡体インターフェースおよび支持体の図である。
【
図13-3】本発明の実施形態による切込みを有する被膜されていない表面を有する発泡体インターフェースの上面図および側面図である。
【
図13-4】本発明の実施形態による切込みを有する被膜されていない表面を有する発泡体インターフェースの上面図および側面図である。
【
図13-5】本発明の実施形態による被膜された表面を有する発泡体インターフェースの上面図である。
【
図13-6】
図13−5に示す発泡体インターフェースの一部分の拡大された概略的な断面図である。
【
図13-7a】本発明の代替実施形態による発泡体を示す図である。
【
図13-7b】本発明の代替実施形態による発泡体を示す図である。
【
図13-7c】本発明の代替実施形態による発泡体を示す図である。
【
図13-8】本発明の実施形態による被膜された表面および換気を有する発泡体インターフェースの一部分の概略的な断面図である。
【
図14-1】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの機械的特徴の表である。
【
図14-2】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの特徴を示すグラフである。
【
図14-3】本発明の実施形態による発泡体インターフェースを含む個々のパッケージをディスペンスするように適合されたディスペンサの概略図である。
【
図15-1】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの前面断面図および側面断面図である。
【
図15-2】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの前面断面図および側面断面図である。
【
図15-3-1】本発明の実施形態によるマスクアセンブリの前面図である。
【
図15-3-2】
図15−3−1に示すマスクアセンブリの側面図である。
【
図15-3-3】
図15−3−1に示すマスクアセンブリの詳細な上面図である。
【
図15-3-4】
図15−3−1に示すマスクアセンブリの前面斜視図である。
【
図15-3-5-1】本発明の実施形態による平坦なクッションの形態を、側面部分を含んで示す図である。
【
図15-3-5-2】本発明の実施形態による湾曲したクッションの形態を、側面部分を含んで示す図である。
【
図15-3-5-3】本発明の実施形態による湾曲したクッションの形態を、側面部分を含んで示す図である。
【
図15-3-6】湾曲した表面に接着されている平坦なクッションの実施形態を示す図である。
【
図15-3-7】
図15−3−6に示すクッションの実施形態の斜視図である。
【
図15-3-8】平坦なクッションに湾曲形状を提供するように構成された、平坦なクッションのための取り付け装置を示す図である。
【
図15-3-9-1】ヘッドギアコネクタが発泡体クッションと連結解除ジョイントとの中間で鼻孔の近くにある、本発明の代替実施形態を示す図である。
【
図15-3-9-2】ヘッドギアコネクタが発泡体クッションと連結解除ジョイントとの中間で鼻孔の近くにある、本発明の代替実施形態を示す図である。
【
図15-3-9-3】ヘッドギアコネクタが発泡体クッションと連結解除ジョイントとの中間で鼻孔の近くにある、本発明の代替実施形態を示す図である。
【
図16-1】本発明の実施形態による患者インターフェースの概略図である。
【
図16-2】本発明の実施形態によるフレームおよび力のベクトルを示す概略図である。
【
図16-3】本発明の実施形態によるフレームおよび力のベクトルを示す概略図である。
【
図17-1】本発明の実施形態によるインターフェース構造の層を概略的に示す図である。
【
図17-2】本発明の実施形態によるインターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図17-3A】本発明の実施形態による患者インターフェースにインターフェース構造を脱着可能に取り付ける機械的締着タイプの取り付け機構を示す図である。
【
図17-3B】本発明の実施形態による患者インターフェースにインターフェース構造を脱着可能に取り付ける機械的締着タイプの取り付け機構を示す図である。
【
図17-3C】本発明の実施形態による患者インターフェースにインターフェース構造を脱着可能に取り付ける機械的締着タイプの取り付け機構を示す図である。
【
図17-4A】本発明の実施形態による患者インターフェースにインターフェース構造を脱着可能に取り付けるフック・ループタイプの取り付け機構を示す図である。
【
図17-4B】本発明の実施形態による患者インターフェースにインターフェース構造を脱着可能に取り付けるフック・ループタイプの取り付け機構を示す図である。
【
図17-4C】本発明の実施形態による患者インターフェースにインターフェース構造を脱着可能に取り付けるフック・ループタイプの取り付け機構を示す図である。
【
図18-1】本発明の実施形態による鼻下インターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図18-2】本発明の実施形態による鼻下インターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図18-3】本発明の実施形態による鼻下インターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図19-1】本発明の実施形態による鼻下インターフェースの背面に感圧接着剤を付着するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図19-2】本発明の実施形態による鼻下インターフェースの背面に感圧接着剤を付着するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図19-3】本発明の実施形態による鼻下インターフェースの背面に感圧接着剤を付着するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図20-1】本発明の実施形態による鼻下インターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図20-2】本発明の実施形態による鼻下インターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図20-3】本発明の実施形態による鼻下インターフェースをフレームに接続する方法を示す図である。
【
図20-4】本発明の実施形態による複合鼻下インターフェースを形成するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図20-5】本発明の実施形態による複合鼻下インターフェースを形成するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図20-6】本発明の実施形態による複合鼻下インターフェースを形成するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図20-7】本発明の実施形態による複合鼻下インターフェースを形成するための製造プロセスを示す連続図である。
【
図21-1】本発明の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【
図21-2】本発明の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【
図21-3】本発明の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【
図22-1】本発明の別の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【
図23-1】本発明の実施形態によるばね要素を備えた可撓性のフレームを示す図である。
【
図23-2】本発明の実施形態による長さに沿ってk値が変化する可変のばね要素のグラフである。
【
図23-3】本発明の別の実施形態によるばね要素を備えた可撓性のフレームを示す図である。
【
図24-1】本発明の実施形態による換気を提供する剛性材を含む発泡体インターフェースを示す図である。
【
図25-1】本発明の実施形態による鼻下インターフェースおよび口インターフェースを含む患者インターフェースを示す図である。
【
図26-1】Respironics社からComfortCurve(商標)という名称で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【
図26-2】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-3】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-4】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-5】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-6】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-7】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-8】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-9】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図26-10】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図27-1】Respironics社からOptiLife(商標)という名称で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【
図27-2】本発明の実施形態によるRespironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図27-3】本発明の実施形態によるRespironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図27-4】本発明の実施形態によるRespironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図27-5】本発明の実施形態によるRespironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図27-6】本発明の実施形態によるRespironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図27-7】本発明の実施形態によるRespironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図28-1A】Respironics社からComfortLite(商標)という名称で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【
図28-2A】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortLite(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図28-1B】Respironics社からComfortLite(商標)2という名称で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【
図28-2B】本発明の実施形態によるRespironics社のComfortLite(商標)2マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-1】Fisher & Paykel社からOpus(商標)という名称で市販されている既知のマスクを示す図である。
【
図29-2】Fisher & Paykel社からOpus(商標)という名称で市販されている既知のマスクを示す図である。
【
図29-3】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-4】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-5】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-6】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-7】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-8】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図29-9】本発明の実施形態によるFisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図30-1】Puritan Bennett社からBreeze(登録商標) SleepGear(登録商標) DreamSeal(登録商標)という名称で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【
図30-2】Puritan Bennett社からBreeze(登録商標) SleepGear(登録商標) DreamSeal(登録商標)という名称で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【
図30-3】本発明の実施形態によるPuritan Bennett社のBreeze(登録商標) SleepGear(登録商標) DreamSeal(登録商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図30-4】本発明の実施形態によるPuritan Bennett社のBreeze(登録商標) SleepGear(登録商標) DreamSeal(登録商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図30-5】本発明の実施形態によるPuritan Bennett社のBreeze(登録商標) SleepGear(登録商標) DreamSeal(登録商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図31-1】InnoMed Technologies社からNasal−Aire(商標)という名称で市販されている既知のマスクを示す図である。
【
図31-2】InnoMed Technologies社からNasal−Aire(商標)という名称で市販されている既知のマスクを示す図である。
【
図31-3】本発明の実施形態によるInnoMed Technologies社のNasal−Aire(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【
図31-4】本発明の実施形態によるInnoMed Technologies社のNasal−Aire(商標)マスクの改良および/または代替装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
共通の特色および特徴を有することができるいくつかの実施形態に関して、以下の説明を述べる。1つの実施形態の1つまたは複数の特徴は、他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができることを理解されたい。さらに、実施形態の単一の特徴または特徴の組合せは、別の実施形態を構成することもできる。
【0040】
以下の患者インターフェースは、鼻下インターフェースタイプを含むものとして説明するが、患者インターフェースは他の適切なインターフェースタイプとともに使用するように適合させることもできる。すなわち、インターフェースタイプは単に例示的なものに過ぎず、本発明の態様は、例えば鼻クッション、鼻プロング、フルフェイスマスク、口マスク等、他のインターフェースタイプを含むように適合させることもできる。
【0041】
本発明の実施形態は、快適でなく、魅力的でないマスクシステムではなく、柔らかく、快適で、軽量で、機能的であり、治療効果が高く、ファッション性があり、装着が簡単で直感的であり、調節がほとんどまたは全く必要なく、形状を保持し、低衝撃で、低断面形状で、形態が持続し、個別調整またはカスタマイズされ、および/または患者にとってもベッドパートナーにとっても、より魅力があり、より不快に感じることのない、流麗で優雅な患者インターフェースを目指している。本願の主題の患者インターフェースは、不格好または非魅力的な感じを与えることのある、患者に付けられた嵩張った機械的延長部として見えるのではなく、より妨げとならず、より目障りでなく、解剖学的形状に合った、患者の有機的な延長部のように見える、および/または患者と調和して見えるものである。これにより、治療中、患者および患者のベッドパートナーは、よりリラックスしやすくおよび/または睡眠をとりやすくなる。さらに、患者インターフェースは、患者が呼吸疾患の治療中であるというよりは、ナイトキャップ等の衣類または寝具を身に着けているだけであるかのように、全体的な印象を改善することができる。この改善された印象により、患者が患者インターフェースを実際に着用し、および療法を遵守またはより良く遵守する機会を増やすことができ、したがってデバイスのユーザにとって療法が効果的となる確率が高くなる。また、使用/調節が簡単であり、より魅力的および/または魅力が高いインターフェースである睡眠導入デバイスの使用を促進することによって、ベッドパートナーが患者の療法を受け入れやすくなり、患者の療法に参加しやすくなる可能性もある。
【0042】
患者インターフェース
図1−1から1−16は、本発明の実施形態による患者インターフェースまたはマスクシステム10を示す図である。図示するように、患者インターフェース10は、患者の顔との効果的な接面および送気を提供するように適合されたインターフェース構造20(クッション構造または順応構造ともいう)およびインターフェース構造20に呼吸用気体を送り込み、患者インターフェース10を患者の頭部上で所望の位置に支持するように適合された安定化システム30(管路ヘッドギアまたは入口管路装置ともいう)を含む。インターフェース構造20および/または送気および安定化システム30の1つまたは複数の部分を実質的に封じ込める、カバー(ソックスまたはカバリングともいう)を任意で設けることもできる。
【0043】
1. 送気および安定化システム
1.1 背景および概要
既知の患者インターフェースは一般に、呼吸用気体をマスク等に向かわせ供給するために使用される別個のヘッドギアと送気構成要素を含む。既知のヘッドギアは一般に、弾性的(または非弾性的)ストラップ、バックル、ロック、および/またはクリップのアセンブリを含む。既知の送気構成要素は一般に、直径15〜22mmのらせん状の補強されたチュービングおよび旋回コネクタを含む。ヘッドギアおよび送気構成要素のこれらの既知の装置は、器用でない人および/または慣れていない人にとっては使用しにくいことがある。ヘッドギアおよび送気構成要素のこれらの既知の装置はまた、頭を載せると快適でなくまたは実用的でないことがある。
【0044】
本発明の1つの態様は、1つの組み合わされたシステムによってもたらされる送気およびインターフェース構造の安定性に関する。図示された実施形態では、送気および安定化システム30は、4つの主要構成要素、すなわち、チュービング40、剛性材50、バックストラップ60、およびマニホールド70(例えば、
図1−6を参照)を含む。使用の際は、空気供給が、例えば、患者の頭頂部の上または前方にあるマニホールド70に向かう。空気供給は、マニホールド70から、例えば少なくとも1つのおよび好ましくは2つのチューブであるチュービング40へ、患者の鼻および/または口に向かって流れる。チュービング40は、頭を載せると潰れることができるが、十分な接面の安定性を維持するように他の方向には十分に剛性であるという特性を有する。
【0045】
1.2 チュービング
図示された実施形態では、チュービング40は、呼吸用気体をインターフェース構造20に送り込むように、インターフェース構造20と連通する2つのチューブまたは入口管路42(気体通路または気体管路ともいう)を含む(例えば、
図1−6を参照)。1つの実施形態では、単一のチューブを使用することもできる。しかし、例えば患者が横臥することによってチューブ42の1つが完全に潰れたときも、インターフェース構造20に呼吸用気体の十分な供給を送り込むことができるように、2つのチューブを使用することが好ましい。すなわち、2つのチューブ42が使用されるとき、チューブ42の一方または両方を使用の際に開くことができる。代替実施形態では、例えば3つまたはそれ以上のチューブなど、2つより多くのチューブを使用することができる。例えば、チュービングは、患者の顔の上側に沿った2つの上チューブおよび患者の顔の下側に沿った2つの下チューブを含む、4つのチューブ構成を設けることもできる。
【0046】
チューブ42はそれぞれ、
図2−1および2−2に示すように、インターフェース構造20のフレーム22の各端部に係合するように適合された第1の端部42.1およびマニホールド70の各端部に係合するように適合された第2の端部42.2を含む。実施形態では、フレーム22およびマニホールド70はそれぞれ、例えばクサビ嵌合によって、チューブ42の各端部に係合するように適合されたチューブ部分25を含むことができる。使用の際は、チューブ42には加圧された呼吸用気体がマニホールド70から供給され、加圧された呼吸用気体はインターフェース構造20の反対側端部へと送り込まれる。
【0047】
図示された実施形態では、フレーム22およびマニホールド70のチューブ部分25(例えば、
図2−1および2−2を参照)は段付形状をそれぞれ有し、各チューブが取り付けられたとき、例えば全体的な形態に目で見える段の変化がないなど、ジョイントが滑らかでほとんど継ぎ目のない形態になっている。例えば、それぞれのチューブ部分25とフレームまたはマニホールドの本体との間の境界はチューブの各端部42.1、42.2の壁厚と実質的に等しい段高さを有することができ、チューブ部分とチューブの各端部とが嵌め合わされると、滑らかでほとんど継ぎ目のない形態のジョイントとなる。滑らかなジョイントは、見た目を改善し、使用の際に患者がベッドで寝返りを打つとき、枕、寝具等に引っ掛かって生じる抗力を低減するという機能的利益も有することができる。
【0048】
代替実施形態では、2つのチューブは、気体の供給源(例えば気道陽圧(PAP)デバイスまたは流れ発生装置)に独立的に連結することができる。例えば、
図2−3に概略的に示すように、1つのチューブ42はインターフェース構造20の1つの端部からPAPデバイスの第1の出口O1へと延びることができ、他のチューブ42はインターフェース構造20の他の端部からPAPデバイスの第2の出口O2へと延びることができる。そのような構成では、マニホールドを排除することができ、またはマニホールドをPAPデバイス自体に組み込むことができる。
【0049】
別の実施形態では、2つのチューブがPAPデバイスの出口で互いに接続することができ(例えば、両方のチューブがPAPデバイスの単一の出口に結合するように適合される)、次いでチューブがインターフェース構造に向かって分岐する(すなわち、別々のチューブへと分離または分割される)。例えば、
図2−4aに示すように、チューブ42(1)がPAPデバイスの単一の出口Oに結合し、次いでインターフェース構造20の各端部に向かって別個のチューブ42(2)へと分離することができる。
図2−4bに示すように、チューブ42(1)は、チューブを、チューブ42(2)の一方ずつと関連付けられた2つの管路へと分割する、内部分割壁Wを含むことができる。
【0050】
1.2.1 潰れることが可能で薄型である
図示された実施形態では、それぞれのチューブ42は、2つの段階、すなわち、チューブ42が空気を通過させることのできる第1の開いた段階(例えば、
図3−1を参照)と、チューブ42が完全に潰れて頭を載せるのが快適な第2の潰れた段階(例えば、
図3−2bを参照)との間を動くことができるような構造となっている。それぞれのチューブ42は、チューブ42の上に載っている患者の頭部(例えば、成人または乳幼児/小児)の重さがチューブ42を潰れさせるのに十分であるような構造となっており、そのため患者が快適に横臥することができる(例えば、
図1−3、1−5、および1−14を参照)。しかし、チューブは低圧力でも膨張する筒状バルーンと同様の堅牢性を有するので、一般的な患者の頭部の重さよりずっと軽くても、それぞれのチューブ42は潰れることができる。
【0051】
開いた段階では、例えば流れに対する過度の抵抗がなく治療を行うのに十分に、チューブが空気を通過させることができるように、チューブが開いており、または少なくとも一部が開いている。潰れた段階では、実質的に空気の通過または導通を防ぐように、チューブが潰れている。
【0052】
それぞれのチューブは、快適さを改善するために完全にまたは全体が潰れる必要はないことが理解されよう。例えば、それぞれのチューブは、チューブ42が空気を通過させることのできる第1の開いた段階と、空気の通過を制限しおよび/または少なくとも部分的に防ぐようにチューブ42の少なくとも一部または大部分が潰れた、第2の一部または大部分が潰れた段階(例えば、
図3−2aを参照)との間を動くことができるような構造となっている。
【0053】
一部または大部分が潰れた段階では、チューブの向かい合う内壁が、1つまたは複数の位置またはチューブの長さに沿った表面で互いに係合することができ、一部または大部分を潰れたチューブを通る導通が最小化またはごくわずか量まで低減されるようになっている。また、一部または大部分が潰れた段階では、チューブは、加圧された気体のわずかな程度の導通を維持するのに十分なだけ、開くことができる。わずかな程度の開通性は、あるゲージの壁厚(療法の実施中に通常発生する負荷を加えたとき、対向する壁が互いに接触しないまたは完全に接触しないように)を使用して、および/またはチューブの内面に設けられた1つまたは複数の短い圧潰防止リブを使用して、達成することができる。
【0054】
それぞれのチューブ42は、十分に気密であり、患者の頭部上面から患者の鼻へと、患者に不快感を与えずに空気を送り込む構造となっている(例えば、
図1−4および4−2を参照)。チューブによってもたらされるインピーダンスは、一方または両方のチューブが開いた段階であるかにかかわらず、使用中のブロワーに適したものとなる。すなわち、チューブ42は、開いた段階のときは広く開いた断面となりインピーダンスは低く、潰れた段階のときは低断面形状となる。さらに、チューブは、オンまたはオフ(すなわち、開いた段階または潰れた段階)に切り替えることができる平行なラインを有する基本的に線形のチュービングシステムであり、線形のチュービングのいずれか一方の側がオフに切り替えられると、チュービングシステムの全インピーダンスには、ごくわずかな影響があるだけである。すなわち、PAPデバイスが「感知する」インピーダンスは、一方または両方のチューブが開いているかどうかには、実質的に無関係である。チューブはまた、例えば患者の深呼吸など、圧力スイングを制御するように適合させることができる。
【0055】
実施形態では、それぞれのチューブ42は、加圧することなく開通性または開いている非遮断状態を維持するのに十分な強度を有することができる。すなわち、チューブ42は、「能動的に」圧縮されたときだけ潰れ、それ以外ではチューブ42が開いた段階のままであるような構造とすることができる。代替実施形態では、気体の供給によってそれぞれのチューブの膨張を助けることもできる。
【0056】
それぞれのチューブ42は、チューブの長さに沿ってどこでも潰れることができ、実質的に扁平な構成に潰れることができるため、チューブ42は快適さのために患者の顔に対して実質的に扁平になる。しかし、チューブ42は、例えば中間のみ、中心のみ等、チューブの選択された部分に沿って潰れる構造とすることもできる。
【0057】
別の実施形態では、少なくとも1つのチューブが、少なくとも1つの横方向に膨らむ特徴を有することができる。そのようなチューブ(「バブル」チューブともいう)では、チューブの一部分が潰され、または部分的に潰され、チューブの一部分が開いており、例えばチューブが全体的に8の字形になるように中間が「挟みつけられて」いる。別の実施形態では、少なくとも1つのチューブが、患者の頬のより多くの部分を覆うように適合された引き伸ばされたチューブとなるように、比較的広く扁平な形状を有することができる。例えば、
図3−5aは、チューブ142のもとの構成の概略図であり、
図3−5bは端部部分144、146が潰されまたは部分的に潰されて扁平な構成になっているチューブ142を示し、
図3−5cは中間部分145が潰されまたは部分的に潰されて扁平な構成になっているチューブ142を示している。さらに別の変形例では、
図3−5bおよび3−5cに示すように、チューブは1つまたは複数の比較的より扁平な部分144、145、146および1つまたは複数の丸み付けされた管路部分147を有するようにあらかじめ形成することができる。
【0058】
患者インターフェースは、好ましくは、マニホールドで、および例えばインターフェース構造20など、患者の鼻の前では、潰れないことが理解されよう。すなわち、マニホールドは実質的に剛性の材料から作製することができ、インターフェース構造20は、使用の際に潰れることを防ぐ実質的に剛性のフレーム(例えば、
図2−1に示すフレーム22)を含むことができる。この構成によって、空気の流路が少なくとも1つのチューブ42から患者の鼻へと確実にもたらされる。
【0059】
実施形態では、それぞれチューブ42は、壁厚の薄さが約0.5mmの、例えば液体シリコーンゴム(LSR)などシリコーン材料で成形することができる。しかし、それぞれのチューブの壁厚は約0.3mmから5mmとすることもできる。チューブは色を変えることもでき、チューブは研磨された表面のモールドで形成してチューブの外部表面を滑らかなものにすることもできる。しかし、それぞれのチューブは、例えば熱可塑性エラストマー(例えばサントプレーン)、発泡体、発泡体積層、連続気泡不透過性発泡体、綿または絹を含む浸したまたは編んだ繊維など、他の柔らかい可撓性の材料から作製することもできる。実施形態では、それぞれのチューブは、例えば熱溶着などによって互いに取り付けられてチューブを形成する、例えば積層などの材料の2つのシートから作製することもできる。代替実施形態では、それぞれのチューブは、チューブが開いた段階と潰れた段階の間を動くことができるようにコンサーティーナ構成で配置された、例えば比較的剛性の要素など、複数の要素から作製することもできる。実施形態では、それぞれのチューブは、それぞれのチューブが1つの容積から別のより小さい容積へと潰れることができるようにする、コンサーティーナ構成を有することもできる。例えば、
図3−6aは、第1の容積を提供する第1の段階にあるコンサーティーナタイプのチューブ542の断面を示し、
図3−6bは、第1の容積より小さい第2の容積を提供する第2の段階にあるコンサーティーナタイプのチューブ542を示す。この例では、チューブ542の1つの側面543は、患者の顔に隣接して置かれている。
【0060】
本発明の実施形態によるチューブ構成は、耐圧潰性に設計され(すなわち、両方のチューブを通して呼吸用気体を常時送り込むことができ)、したがって患者が頭を載せるには不快な構造となっている、InnoMed社のNasal−Aireおよび他の形態の鼻カニューレなど、従来の構成とは対照的である。さらに、従来の構成とは異なり、本発明の実施形態によるチューブ構成は、一対のチューブの一方が完全に潰れたとき、加圧された気体の十分な供給を提供することができる。本発明の実施形態による一対のチューブの特別な構成のおかげで、通常の使用では両方のチューブが同時に圧潰することはない。これにより患者は、加圧された気体の供給を損なわずに、どのような睡眠姿勢(例えば、完全に自由な睡眠姿勢)をとることも可能である(例えば、
図1−1、1−3、1−5、1−7、1−8、および1−14を参照)。すなわち、本発明の実施形態によるチューブ構成は、気体の十分な導通(例えば、治療的圧力での十分な気体の流れ)を維持し、不必要に高いインピーダンスを生じさせることなく患者を快適にするように協働する、2つまたはそれ以上のチューブを提供する。例えば、2つのチューブ構成が設けられるとき、それぞれのチューブは、例えば頭を載せるなどでチューブの一方が塞がったとき、気体の十分な供給をしやすくする十分に低いインピーダンス(例えば、十分に大きい水力直径)を有する。
【0061】
1.2.2 断面形状
図示された実施形態では、それぞれのチューブ42は、患者の顔と調和する調和輪郭を提供する非円筒形の断面形状である(例えば、
図3−1および4−1から4−5を参照)。すなわち、それぞれチューブ42は、わずかな鋭い縁または直線を有する、または全く有さない、調和輪郭または自由形状となっている。調和輪郭は滑らかで、流線形で、流麗であり、チューブ42を患者の頭部の輪郭と調和させ、患者の頭部の輪郭へと先細状になっており、例えば、解剖学的形状に合っており、より目障りでなく、より見た目に魅力がある。さらに、調和輪郭には、例えば皮膚の炎症または擦過傷など、不快感を起こすことのある鋭い縁がない。
【0062】
それぞれチューブ42の輪郭または断面は、例えば患者の頭部周りで場所によって非均一に変化させるなど、チューブの長さに沿って変化させることができる。実施形態では、それぞれのチューブは、水力直径はほぼ一定で、チューブの長さに沿って変化する断面積を有することができる。例えば、それぞれのチューブ42は、例えば睡眠中に患者がチューブに頭を載せる領域など、ある領域はより扁平な領域とすることができる。このようにして、チューブは患者の顔の輪郭の有機的な延長部であるということができる。
【0063】
図3−1は、チューブ42の例示的な断面を示す。図示するように、チューブ42は、全体的にD字形の断面であり、内側または内向きに面する表面44および外側または外向きに面する表面45を含む。
【0064】
内側面44は比較的扁平であり、使用の際に実質的に患者の顔と同一平面をなして設置されるように適合されている。内側面44は、多様な患者が快適な装着を得られるように、内縁から外縁へと先細状の構成を有することができる。内面44の表面積は比較的大きく、より均等な荷重分布がもたらされる。この構成は、使用の際に圧力点をより形成しにくい。また、内側面44は、患者インターフェースの患者の顔の上での安定性を助けるグリップ様材料を有することができる。以下に述べるように、チューブの剛性を助けるために、内側面に剛性化要素を設けることもできる。
【0065】
外側面45は、患者の顔と調和する滑らかな輪郭を有する。すなわち、外側面45は、睡眠中(例えば、患者が寝返りを打つとき)、縁が寝具、枕等に引っ掛からないように、縁が例えば接線関係で患者の顔に調和する断面形状または有機的な形を有する。
【0066】
上述の通り、全体的にD字形の断面は、例えば患者の鼻付近では背が高く細いD字形の断面とし、頬に沿っておよび患者の頭部上面付近では幅広で浅いD字形の断面とするなど、その長さに沿って変化させることができる。例えば、
図3−4および3−4aから3−4fは、本発明の実施形態によるチューブ42の様々な断面をチューブの長さに沿って示す図である。特に、
図3−4aはマニホールド70に係合するように適合された端部でチューブ42の断面を示し、
図3−4bはマニホールド端部からチューブ長さの20%にあるチューブ42の断面を示し、
図3−4cはマニホールド端部からチューブ長さの40%にあるチューブ42の断面を示し、
図3−4dはマニホールド端部からチューブ長さの60%にあるチューブ42の断面を示し、
図3−4eはマニホールド端部からチューブ長さの80%にあるチューブ42の断面を示し、および
図3−4fはインターフェース構造20に係合するように適合された端部でチューブ42の断面を示す。図示するように、断面のD字形はその長さに沿って変化する。特に、それぞれの断面は幅wおよび高さhを有し、様々な断面の幅および高さは、例えばマニホールド端部では幅が比較的広く、高さが低く、インターフェース構造端部では幅が比較的狭く、高さが高いなど、チューブの長さに沿って変化する。また、すべての断面は、例えば約10−15mmまたは約13mmなど、非常に類似したまたは共通の水力直径を有する。形状は、見た目および/またはインピーダンスの要件に基づいて構成することができる。さらに、形状は、低い断面形状、快適さ、および/または安定性を提供するように構成することもできる。
【0067】
しかし、チューブ42は、例えば台形、半円形、円筒形、楕円形、長円形、扁平部分等、他の適切な断面形状を有することもできる。また、チューブは圧潰防止リブを備えた扁平構成とすることもできる。この構成は特許文献9に開示されており、参照によってその全体を本願に援用する。
【0068】
図5−1から5−3は、チューブの代替断面を示す図である。
図5−1はより徐々に患者の顔に調和するチューブ242を示す。
図5−2に示すように、チューブ342は、例えば空気の流れまたは呼吸を可能にするために、内側面に隙間343を設けることができる。
図3−1、5−1、および5−2に示す断面ほど好ましくはないが、
図5−3のチューブ442の断面は、調和輪郭については通常の円筒形チューブよりも好ましい。
【0069】
D字形のまたは全体的に台形のチューブは、底部の縁に沿った顕著な圧力領域を、半円形のチューブほど生成しないことに留意されたい。この理由は、D字形または全体的に台形のチューブの側壁は、
図3−1に示すように、鋭角、すなわち90度より小さい角度であることである。半円形のチューブの側壁は約90度で基部と交わり、チューブが患者の顔に押圧されると、側壁が基部と交わる領域は非常に剛性となり、圧力点になることがある。さらに、半円形のチューブは、患者の顔の輪郭との関係で見ると、非連続的な形となることがある。
【0070】
1.3 送気剛性化要素
図示された実施形態では、チューブ42に剛性を付加するために、それぞれのチューブ42に剛性化要素または剛性材50が設けられている(例えば、
図1−6、3−3、および4−3から4−5を参照)。本発明の実施形態による剛性化要素50は、好ましくは薄く、患者が頭を載せると順応するが、面外曲げに対する耐性の十分な堅さを有する。すなわち、剛性化要素50は、例えば患者の顔に近づいたり離れたりする曲げは可能であるなど、いくつかの平面では曲がることができるが他の平面では曲げに対する耐性を持つ構造である。剛性化要素50によって、チューブ42は、チューブ42が引っ張りに強く、チューブのサイズを維持するように、伸長不能または非伸縮性となっている。
【0071】
実施形態では、剛性化要素50は、患者インターフェース10が患者の頭部に取り付けられているかいないかにかかわらず、例えば形状記憶など、患者インターフェース10がその形状を保持し、折り重ならないように、構造的一体性または自己保持形態を患者インターフェース10にもたらすことができる。形状保持構成は、チューブを所望の位置に維持し、使用の際に患者インターフェースの着用を容易にすることができる。
【0072】
剛性化要素50は、チューブ42の内部および/または外部部分に設けることができる。例えば、
図1−6および4−1から4−5は、使用の際に患者の頭部に係合するように適合されたチューブ42の外部部分に(例えば、内側面44に沿って)設けられた、剛性化要素50を示す図である。図示するように、剛性化要素50は、チューブ42のマニホールド70および/またはインターフェース構造20への連結を容易にする筒状端部部分52を含むことができる。チューブ/剛性材サブアセンブリは、バックストラップ60を支持するための延長部53を設けることもできる(例えば、
図4−1、4−2、および4−4を参照)。
【0073】
図4−6から4−9は、チューブ42が取り付けられた剛性化要素50の別の実施形態を示す図である。図示するように、剛性化要素50は、使用の際に、インターフェース構造、マニホールド、および/またはバックストラップの下を延びる構造とすることができる。
【0074】
剛性化要素50は、例えばチューブ42の堅さまたは剛性をチューブの長さに沿って変化させるように、要素の長さに沿って変化する厚さを有することができる。例えば、剛性化要素50は、患者の頬ではより薄く、患者の頭部上面ではより厚くすることができる。実施形態では、剛性化要素50および/またはチューブ42は、患者の眼鏡の各アームを収容する構造とすることができる。
【0075】
実施形態では、剛性化要素50は、例えば、0.5mmの高衝撃性ポリスチレン(またはEPP発泡体)など、薄いプラスチックシートから切断および/または形成することができる。しかし、例えば繊維、ナイロン、ポリプロピレン、高デュロメータシリコーン、エラストマー等、他の適切な材料も可能であり、および剛性化要素は、例えば約0.3mmから5mmなど、他の適切な壁厚を有することもできる。
【0076】
実施形態では、それぞれのチュービング/剛性材サブアセンブリは、例えば0.5mmの剛性化要素、0.5mmの一方の側のチューブ壁、および0.5mmの反対側のチューブ壁など、約1.5mmの全体的な厚さ(例えば、潰されたチュービング/剛性材の厚さ)を有することができる。しかし、全体的な厚さは、例えば、1〜10mm、1〜5mm、5mm未満、約10mm、約5mm、および/または約3mmなど、用途によってより長くまたは短くすることができる。チューブおよび/または剛性材の壁厚は、例えば壁厚を厚くするなど、快適さおよび/または頑丈さのために調節することができることが理解されよう。チューブおよび剛性材の壁厚は、可能な限り薄いことが好ましいが、より形状保持的、自立的、および/または頑丈にするために、厚くすることもできる。
【0077】
実施形態では、別個の剛性化要素50を使用することができる。例えば、特許文献10(WO03/090827号パンフレットとして公開されている)を参照し、参照によってその全体を本願に援用する。
【0078】
実施形態では、別個の剛性化要素50を形成し、次いで、例えば接着剤によって、または機械的インターロック構成によって、各チューブ42に取り付けることができる。
【0079】
別の実施形態では、剛性化要素50は、各チューブ42と一体成形または一体押出成形することができる。すなわち、チューブ42と剛性化要素50を、一体の単一体構造で形成することができる。
【0080】
別の実施形態では、剛性化要素はポリプロピレンから作製することができ、チューブはポリプロピレン剛性化要素との溶着/一体成形に適切なグレードの熱可塑性エラストマーから作製することができる。
【0081】
代替実施形態では、剛性化要素は、位置および/または剛性化要素によってもたらされる剛性を調節するために、例えば摺動可能など、調節可能または互いに対して可動である、複数の構成要素を含むことができる。
【0082】
1.4 バックストラップ
図示された実施形態では、チュービング/剛性材サブアセンブリにバックストラップ60が設けられている(例えば、
図1−2、1−6、および6−1から6−4を参照)。バックストラップ60は、患者インターフェースを患者の頭部の上で安定化させやすいように、使用の際に患者のほぼ後頭骨の上に配置されるように適合されている。バックストラップ60は、例えば患者の鼻の下など、接面する面に接面力をもたらすことを補助することもできる。
【0083】
実施形態では、バックストラップ60(弾的安定化装置または弾性的安定化装置ともいう)は、弾性的ストラップ62の長さを含む。弾性的ストラップ62の2つの端部は、例えば、
図6−3および6−4に示すように、各チューブ42に設けられたひも穴46を通して、チュービング/剛性材サブアセンブリに取り付けられている。
【0084】
使用の際、バックストラップ60は、患者の頭部上の多様な位置に設置することができ、適切な大きさおよび方向の接面力ももたらす。この構成は、装着サイズのいくつかの変形形態を可能にし、バックストラップ60を、例えば、
図6−3および6−4に示すように、患者の頭の後部でより高い位置または下方位置など、最も快適な場所へと動かす際の患者の快適さを補助する。バックストラップの弾性により、例えば全体の80〜90%など、多数の人々が患者インターフェースを装着することが可能となる。
【0085】
バックストラップ60は、接面力をもたらすためではなく、主に患者の頭部上で患者インターフェースを維持するために使用される。すなわち、インターフェース構造20は、接面に高い張力を必要とせず(以下に述べる通り)、したがって接面力の張力をバックストラップ60に頼る必要はない。
【0086】
実施形態では、ストラップ62は、例えばゼロ伸長から比較的小さい伸長、張力の上昇および安定など、選択された弾性的特性を有することができる。張力は、完全に伸長した弾性的限界に達するまで比較的大きい伸長が続いた後、ほぼ同じに保たれることができる。
【0087】
多様な代替ストラップ62は、例えば様々な弾性、厚さ、長さ等、様々なサイズの頭部で使用するための患者インターフェースを備えることができる。
【0088】
バックストラップ60は、例えばベースボールキャップアジャスター(例えば、
図10−4を参照)、フックおよびループ材料、ラダーロック、調節可能な弾性など、選択的に調節可能な長さを備えた他の適切な構成を有することができる。実施形態では、
図6−5に示すように、バックストラップは、側面剛性部分65(例えば、剛性化要素50と一体に形成された)および剛性部分65の自由端を接続する弾性的ストラップ62を含むことができる。
【0089】
さらに別の代替実施形態では、例えば剛性化要素と一体成形されたチューブおよびバックストラップなど、バックストラップをチューブと同じ材料で作製することができる。実施形態では、例えば両方の剛性化要素へと調和するバックストラップによってともに保持される2つの剛性化要素など、患者インターフェースの2つの側面を同時に成形することができる。患者インターフェースを完成させるために、チューブは、マニホールドおよびインターフェース構造と係合される。
【0090】
代替実施形態では、バックストラップを、患者の耳に係合し患者の顔の上で患者インターフェースを支持するように適合された耳固定具に置き換えることができる。
【0091】
別の実施形態では、バックストラップは、後頭部の一部のみにわたって延びることができる(例えば、バックストラップが、それぞれの側面から内向きに延び、後向きの力をもたらすように後頭部を押圧している、弾力的フィンガーを含む)。
【0092】
1.5 マニホールド
マニホールド70は、2つのチューブ42を相互に連結し、例えばブロワーなど、適切な供給源から2つのチューブ42へと直接空気が流れ込むように設けられている(例えば、
図1−2、1−4、および1−6を参照)。
図2−2に最も良く示されているように、マニホールド70は全体的にT字形であり、基部部分72および基部部分72に結合された(例えば、ボールジョイント、ヒンジ、全体的可撓性等によって可動に結合された)、入口チューブ部分74を含む。実施形態では、マニホールド70は流麗であり、例えば目障りでないなど、患者の頭部および患者インターフェースの形状と連続した形に設計されている。例えば、マニホールドは、高さまたは送気の角度を最小限にするために、比較的扁平な形態または低い断面形状を有することができる。
【0093】
マニホールドは、PAPデバイスから通じる送気チュービングから、インターフェース構造へと通じる入口チュービングへの、移行部となっている。したがって、マニホールドは、送気チュービングの非圧潰性チュービングを入口チュービングの圧潰性チュービングへと移行させる。また、マニホールドは、例えば送気チュービングの比較的円形のチュービングから、入口チュービングの比較的扁平なチュービングへと、チュービングの断面形状を移行させる。
【0094】
基部部分72は、例えば摩擦嵌合によって、各チューブ42と係合するように適合された、対向するチューブ部分25を含む。チューブ部分25の断面形状は、非円形とし、チューブ42の断面形状と対応させることができる。基部部分72は、患者の頭部の形状と一致するように湾曲することができ、あるいは、使用の際に患者の頭部上面と実質的に同一平面をなすように載置し設置することができるように、適切な輪郭とされる。しかし、基部部分は、チューブとの他の適切な連結または空気を保持する接合を含むこともできる。
【0095】
入口チューブ部分74は、基部部分72に固定することができ、または入口チューブ部分74は、使用の際に入口チューブ部分74が基部部分72に対して傾斜するように、基部部分72に、例えば旋回など、可動に結合することもできる。旋回構成は、360度回転または他の適切な角度範囲の回転ができるようにする。入口チューブ部分74は、例えばブロワーなど、適切な送気源に連結された送気チューブT1に連結するように適合された、例えば15mm直径の、入口チューブ75を有する(例えば、
図1−2、1−7、および2−2を参照)。
【0096】
実施形態では、マニホールド70およびチューブ42は、例えば部品の数を減らすために、単一体構造で一体に形成することができる。
【0097】
実施形態では、マニホールドは、動的フローを制御し、および/またはノイズを低減するような構造とすることができる。
【0098】
1.5.1 位置
マニホールド70は、患者インターフェースが使用されるとき、枕と干渉しない、患者の頭部上面の領域に配置される(例えば、
図1−2、1−4、および1−7を参照)。すなわち、マニホールド70は、送気チューブT1が枕と干渉せず、患者の体を横切らないように、ベッドから外に向かわせる。実施形態では、マニホールド70は、患者の頭頂部に、例えば患者のほぼ耳の平面に、配置することができる。例えば、マニホールド70は、使用の際、ほぼブレグマの領域に配置することができる。
【0099】
このアプローチの利点は、使用の際、チューブの引っ張りがインターフェースに直接影響しないことである。例えば、マニホールド70を頭頂部付近に置くことによって、マニホールドはインターフェース構造20から遠くに配置されるので、送気チューブが引っ張られ、または動いた場合、例えば接面領域での荷重分布が変化することによって、この動きがインターフェースに及ぼす影響がより小さく、したがってインターフェースの安定性が高まる。また、マニホールドの配置は、患者の視界を避けることによって、チューブとマスクとの連結をより目障りでなくすることが可能である。
【0100】
マニホールドは、複数の機能または有用性をもたらすことができる。例えば、マニホールドは、患者インターフェースのための基準点またはアンカー点を提供することができる。すなわち、マニホールドは、頭部支持具または安定装置、送気管路、および入口チュービング取り付け点として作用することができる。さらに、マニホールドは、上述のように、チューブの引っ張りに対して抵抗する。
【0101】
1.5.2 旋回特徴
実施形態では、マニホールド70は全体的にT字形であり、2つのほぼ垂直な軸、すなわち、第1の軸に沿った基部部分72および第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿った入口チューブ部分74を画成する。
【0102】
マニホールド70は、マニホールド70が一方または両方の軸の周りで旋回または蝶番で動くことができるようにする旋回特徴を組み込むことができる(例えば、
図7−1を参照)。
図7−2は、入口チューブ部分274が基部部分272に対して回転または旋回できるようにする、ボール・ソケット構成を有するマニホールド270を示す。基部部分および/または入口チューブ部分は、使用の際に旋回を制限する1つまたは複数の止め具を組み込むことができる。旋回特徴によって、例えば送気チューブが壁またはベッドのヘッドボードへと延びないように、送気チューブを患者インターフェースに対して適切な角度にすることができる。
【0103】
1.5.3 オフセット取り付け
図示された実施形態では、マニホールド70は、患者の頭部上面に配置される(例えば、
図1−2、1−4、および1−7を参照)。代替実施形態では、マニホールド70は、例えば患者の頭部の側面に配置するなど、患者の頭部上面からオフセットすることができる。このオフセット構成によって、引っ張りが少なくなるので、より快適さを得ることができる(特に、患者が頭部の反対側を下にして眠る場合)。この構成はまた、代替チューブの取り付けおよび、例えばシュノーケル様の側面チューブのルーティングなど、ルーティングを容易にすることもできる。
【0104】
チューブ42の長さは、患者が送気チューブの連結を見ることができ、より簡単に操作することができる位置へと、マニホールド70を調節するように選択することができる。
【0105】
実施形態では、マニホールド70は、マニホールドの2つまたはそれ以上の位置を選択することができるように(例えば、ヘッドギアのバックストラップに沿って)、例えば摺動または並進結合など、調節可能な連結を有することができる。
【0106】
1.6 頭部上での位置
図示された実施形態では、送気および安定化システム30は、患者が両方の通路を塞ぐことなく、ほぼ一回転で寝返りができるように、患者の頭部の異なる部分に置かれた、2つの代替的、相補的な送気通路を含む(例えば、好ましくは患者の顔の一方の側面)。
【0107】
実施形態では、送気および安定化システム30は、全体的に楕円またはリング形の構成である(例えば、
図8−1から8−4を参照)。使用の際、システムのそれぞれのチューブ42は、
図8−5に示すように、1つの端部が患者のほぼ頭頂部上を通過し、他の端部が患者の鼻の下を通過する。このように、送気および安定化システム30は患者の目の外側にあり、患者の視覚または視野と干渉せず、帽子を被るように簡単に着用することができる。代替実施形態では、リング形の構成は、例えばマニホールドのところで、または鼻の下で、リング形を分割するなど、リング形を分離する分割具を組み込むことができる。
【0108】
送気および安定化システム30のそれぞれのチューブ42は、患者の視覚を妨げない構成となるように、患者の目と耳の間で患者の顔の各側面に沿って通る。すなわち、それぞれのチューブ42は、ノイズを低減するのに十分に耳から離間しており、視野に影響を及ぼさないように、十分に目から離間している。実施形態では、チューブ42は、患者の鼻から患者の頭頂部へ、直接的なラインを通る。しかし、チューブ42は、いずれの特定の経路にも制限されるものではない。
【0109】
例えば、
図8−6に示すように、それぞれのチューブ42は、第1の境界曲線P1と第2の境界曲線P2との間に画成される領域内部を通ることができる。第1および第2の境界曲線P1、P1は、2つの同一の曲線によって表され、一方の曲線は他方の曲線に対して回転されている。曲線は、領域の両端にくるように配置されている。図示するように、第1の境界曲線P1は、患者の視野を侵す位置で目に隣接しており、第2の境界曲線P2は患者の耳に隣接している。第2の境界曲線P2は、耳介が患者のこめかみと交わる、患者の耳介の上端前方の場所に隣接する位置、と説明することができる。寸法Bは、頭部の高さを示す。図示するように、曲線P2は患者の頭頂部で止まっている。すなわち、曲線がチュービングを示すとすると、チュービングは患者の頭部上面に実質的にきっちりと嵌まることになる。曲線またはチュービングを前方に回転するとき、寸法Aは、装着することができる患者の頭部の高さを示す。図示するように、装着範囲デルタABは、同じ調節不能なチュービングを使用して、達成可能である。
【0110】
実施形態では、送気および安定化システム30は、例えば頬を避け、患者の顔の肉付きのよい領域をたどるなど、患者の上顎骨に沿って通ることができる。また、実施形態では、送気および安定化システム30は、使用の際に、患者のこめかみの中間点の上にくることができる。しかし、送気および安定化システム30は、快適さのために感覚領域を避ける必要がないように、十分に柔らかいものとすることができる。
【0111】
送気および安定化システム30の患者の頭部上での位置は、従来技術のシステムのように、特定の顔の特徴との正確な位置合わせに必ず依存するわけではないことが理解されよう。すなわち、動きと関わりなく、送気および安定化システム30によって良好なインターフェースを形成し維持することができる。
【0112】
1.7 システムの他の態様
1.7.1 アセンブリ
好ましい実施形態では、患者インターフェース10は、患者インターフェースを患者の頭部に装着するために調節がほとんどまたは全く必要ない構造である。したがって、患者インターフェースは比較的自己配置式であり、直感的であり、自動調節式であり、装着が簡単である。実施形態では、患者インターフェースは、例えば帽子をさっと被るように、片手で組み付けることができる。
【0113】
上述のように、送気および安定化システム30は、例えば全体的に切頭された長円円錐状または漏斗状など、全体的に楕円またはリング形の構成である。内縁と外縁との間に先細面または円錐長円形リングを設けて、患者の頭部に係合する接触面を画成することができる。患者の頭部のサイズによって、先細の接触面が様々な位置で患者の頭部に係合する。例えば、患者の頭部が大きい場合、患者インターフェースは、患者の頭部のより高いところに設置することができる。患者の頭部が小さい場合、患者インターフェースは、患者の頭部のより後部部分に近いところに設置することができる。装着した後は、患者は必要に応じてバックストラップ60を調節することができる。したがって、患者は、患者インターフェースを自分の頭部に装着するために、一度調節するだけでよい。そのような構成のさらなる詳細は、2006年7月28日に出願された特許文献11に開示されており、その全体を参照によって本願に援用する。
【0114】
実施形態では、送気および安定化システム30の楕円またはリング形の構成は、例えば患者の装着および/または好みによって、調節可能とすることができる。例えば、
図8−7に示すように、「リング」の上面および/または底面は、例えば患者の頭部のサイズによって、リングサイズの調節ができるようにする調節機構55を含むことができる。
【0115】
図8−8−1から8−8−9fは、本発明の実施形態による、ヘッドギア調節機構2155を含むマスクアセンブリ2110を示す図である。そのようなマスクアセンブリは、2007年11月20日に出願された「A Respiratory Mask Headgear Adjustment Apparatus」という名称の特許文献7に開示されており、その全体を参照によって本願に援用する。
【0116】
このマスクアセンブリ2110では、
図8−8−1および8−8−2に示すように、一対の柔らかい可撓性のチューブ2142が、鼻の下に配置された発泡体インターフェース2120から頭頂部付近にあるマニホールド2170へ、ルートされている。そのような構成は、マスクアセンブリを患者の頭部上で所望の位置に支持する、楕円またはリング形の「ヘッドギア」を形成する。
【0117】
本発明の実施形態によるヘッドギア調節機構2155は、ヘッドギアの一部分の長さ調節ができ、様々な異なる頭部サイズにより良く装着することを可能にする。
【0118】
1つの形態では、ヘッドギア調節機構2155はラックおよびピニオンを組み込んでおり、それにより、ダイアル2156の回転運動によってヘッドギア構成の長さ調節をする構成となっている。
図8−8−1および8−8−2に示すように、これにより、A点およびB点が互いに近づき、または離れるよう動かすことができるように、ヘッドギアの長さの調節が可能である。
【0119】
図示された実施形態では、調節機構2155は、第1のラック2157(1)(
図8−8−4aから8−8−4f)、第2のラック2157(2)(
図8−8−5aから8−8−5e)、ピニオン2158(
図8−8−6aから8−8−6f)、およびピニオン2158に連結されたダイアル2156(
図8−8−7aから8−8−7f)を含む。第1のハウジング部分2159(
図8−8−8aから8−8−8f)および第2のハウジング部分2161(
図8−8−9aから8−8−9f)は、ピニオン2158およびダイアル2156をラック2157(1)、2157(2)に対して支持する。ラック2157(1)、2157(2)は、ヘッドギアの一部に連結され、またはヘッドギアの一部を形成する。
図8−8−3aから8−8−3eは、マスクアセンブリから隔離された調節機構2155を示す図である。
【0120】
図8−8−4aから8−8−4fおよび8−8−5aから8−8−5eに示すように、それぞれのラック2157(1)、2157(2)は、スロット2164.1およびスロットの一方の側面に沿った一連の歯2164.2を提供する、チューブコネクタ部分2163およびラック部分2164を含む。それぞれのチューブコネクタ部分2163は、各チューブ2142とマニホールド2170に設けられた管路2143との間に連結されている(
図8−8−1および8−8−2を参照)。図示するように、チューブコネクタ部分の端部は、例えば、チューブ2142および管路2143の様々な断面構成に対応するために、様々な断面構成を有する。実施形態では、それぞれのチューブコネクタ部分2163は、例えばチューブ2142および管路2143のルーティングを調節するなど、チューブコネクタ部分2163をラック部分2164に対して調節することができるように、ラック部分2164に回転可能または他の方法で可動に取り付けることができる。別の実施形態では、それぞれのチューブコネクタ部分は、可撓性、弛みのあるピックアップ等ができるようにする、ベロータイプの構造を含むことができる。
【0121】
第1および第2のラック2157(1)、2157(2)のラック部分2164は、スロット2164.1と位置合わせし、対向する歯2164.2を提供するために、互いに重なり合っている(例えば、
図8−8−3bおよび8−8−3dを参照)。ピニオン2158は、位置合わせされたスロット内部に配置され、ピニオンの歯2158.1は対向する歯2164.2と係合されている。
【0122】
第1および第2のハウジング部分2159、2161は、ピニオン2158を封じ込め、ピニオン2158を作動可能な位置に維持するように、ラック部分2164の対向する側面に設けられている。第1および第2のハウジング部分2159、2161は、例えばスナップ嵌めインターロックなどで、互いに結合されている。
【0123】
ダイアル2156は、ダイアル部分2156.1およびダイアル部分から延びるシャフト部分2156.2を含む。ダイアル2156は、第1のハウジング部分2159によって支持され、シャフト部分2156.2は第1のハウジング部分2159内の開口2159.1を通って延び、ピニオン2158内に設けられた対応する形の開口2158.2とインターロックされる。したがって、ダイアル2156の回転によって、ピニオン2158の対応する回転が発生し、ピニオンが第1および第2のラック2157(1)、2157(2)と噛み合わされた係合によって、ヘッドギアを長くまたは短くすることができる。
【0124】
図示された実施形態では、調節機構2155は、ダイアル2156の動きに触覚フィードバックをもたらす制止アセンブリを含む。特に、第1のハウジング部分2159は、ダイアル部分2156.1の下側に設けられた凹部2156.3(
図8−8−7dを参照)と相互作用する、ばね付勢された突起2159.2を含む。ダイアル2156を回転すると、ばね付勢された突起2159.2が動いて、凹部2156.3と係合し、および係合から外れる。また、ばね付勢された突起2159.2は、各凹部2156.3内部に収まって、ダイアル2156が所望の位置にとどまることを補助する。
【0125】
別の例では、ラックは、ノブの調節によってヘッドギアの長さを変えるように、1つまたは複数のヘッドギアストラップの端部と単純に結合することができる。さらに、それぞれのラックは、例えば
図8−8−1および8−8−2に示す管路2143など、マスクの別の部分と関連付けることができる。例えば、それぞれのラックは、ユーザの頭部上面を通る送気管路2143の一方の端部と対応する構造である。さらに、ラック(例えば、チューブコネクタ部分の端部)は、(比較的小さい円形断面の)送気管路が、患者インターフェースから頬を通って延びる(比較的大きく、非円形(例えば、D字形断面)の)チューブと接続する、接合部を形成することができる。
【0126】
好ましくは、調節機構は、患者の頭頂部上に配置されるように構成されるが、他の構成では、患者の頭部の様々な部分に配置することができ、またはヘッドギアの様々な部分の長さの調節のために配置することができる。実施形態では、調節機構の下側にパッドを設け、使用の際に患者の頭部に係合するように適合することができる(例えば、例示的なパッド2165を
図8−8−3cに示す)。
【0127】
調節機構は、サイズ調節のために代替構成を含むことができる。例えば、調節機構は、ベースボールキャップタイプ調節、ベルトループタイプ調節、摩擦ロックタイプ調節等を含むことができる。
【0128】
1.7.1.1 患者に装着する方法
図9−1から9−3は、患者インターフェースを患者に装着するための例示的な方法を示す図である。
図9−1に示すように、最初にインターフェース構造20を患者の鼻の下に置くことができる。次いで、
図9−2に示すように、送気および安定化システム30を患者の頭部へと、インターフェース構造20の周りで回転させることができる。患者インターフェースは、送気および安定化システム30が患者の頭部に係合し、さらに動かなくなるまで、例えばX度回転させる。最後に、
図9−3に示すように、患者の頭部上で患者インターフェースを快適に固定するために、バックストラップ60を必要に応じて調節することができる。
【0129】
代替実施形態では、患者インターフェースは、患者インターフェースの「段階的装着」を可能にする構造とすることができる。そのような実施形態では、患者インターフェースの1つの部分(例えば、送気および安定化システム)を患者に係合することができ、患者が療法を開始する準備ができたとき、患者インターフェースの別の部分(例えば、インターフェース構造)を次いで係合することができる。この構成によって、インターフェース構造を係合しないまま、送気および安定化システムを患者の頭部に係合することができる。例えば、Adamの回路の場合(例えば、
図30−1から30−4に示す例など)、インターフェース構造は、患者の視野外であり、および/または患者の顔または鼻と係合しない「スタンバイ」位置へと、上向きまたは横方向に枢動するように適合することができる。インターフェース構造は、患者が療法の準備ができる直前(例えば睡眠前)に、「スタンバイ」位置から、完全に作動可能な/係合された位置へと動かすことができる。1つの例では、ヘッドギアを定位置に維持したまま、マスクを顔から遠くへ動かすように、チューブまたはチューブとマスクとの間のジョイントを枢動可能/曲げ可能/可動とすることができる。例えば、
図30−3は、マスクを顔から遠くへ(例えば、点線で示す位置へと)動かすことができる、チューブとマスクとの間のジョイントの例示的なピボット1915を示す。
【0130】
1.7.1.2 サイジング
図示された実施形態では、患者インターフェースは、単一の調節点を含む。調節機構は、フリーサイズ構成を提供するために、受動的(例えば、弾性的バックストラップ)、または能動的調節(例えば、ベースボールキャップ装着)を要することができる。実施形態では、調節点は、販売時に患者に合わせて調整または修正することができ、次いでさらなる調節を防ぐために、例えば破断など、改変することができる。
【0131】
代替実施形態では、患者インターフェースは、例えば靴のように、わずかな弾性しかない、または全く弾性がない、調節不能なスリップオン形状とすることができる。この構成では、患者インターフェースは、例えば最大20の異なるサイズ、5、10、15、または他の数のサイズ(例えば、小、中、および大)など、多くの異なるサイズで提供することができる。この構成は、密閉的インターフェースの高い機械的コンプライアンスを助けとして、十分な装着範囲を提供することができる。
【0132】
別の代替実施形態では、患者インターフェースは、ヘッドギアの上部および後部のいずれかまたは両方で、ヘッドギアのサイズ(例えば、長さ)を調節するための方法を含むことができる。
【0133】
1.7.1.3 表面特性
実施形態では、送気および安定化システムは、見た目および/または快適さのための織地のような感触あるいは柔らかさを与えるように、テクスチャを持たせ、着色し、発泡体加工し、および/またはフロック加工する(例えば、多量の織り糸の小片または毛羽を接着する)ことができる。例えば、チュービング、剛性化要素、バックストラップ、および/またはマニホールドに、テクスチャを持たせ、着色し、発泡体加工し、および/またはフロック加工することができる。
【0134】
代替実施形態では、チュービング、剛性化要素、バックストラップ、および/またはマニホールドの1つまたは複数の部分を実質的に封じ込めるようにソックスSを設けることができる(例えば、
図10−1から10−6を参照)。そのような構成は、2006年7月28日に出願された特許文献11に開示されており、その全体を参照によって本願に援用する。
【0135】
別の実施形態では、単一体の一体化構造とするために、異なる材料を同じモールドで一体成形することができる。例えば、チュービングにカバーまたはソックスを設ける代わりに、単一体で一体化された織地/布外面およびシリコーン内面を有するチューブを提供するために、織地または布材料をシリコーンチュービングと一体成形することができる。そのような実施形態では、織地/布材料を、モールド内に置くことができ、次いでシリコーンを、織地/布材料と接合し単一体で一体化されたチューブを形成するように、そのモールド内へ射出することができる。
【0136】
別の実施形態では、単一体の一体化構造とするために、患者インターフェースの複数の部分を、異なる材料と同じモールド内で一体成形することができる。例えば、単一体の一体化構造とするために、織地/布材料を、第1の材料から作製されたチュービング、第2の材料から作製されたマニホールド、および第3の材料から作製されたフレームと一体成形することができる。実施形態では、第1、第2、および第3の材料は、例えば、比較的柔らかいシリコーンから作製されたチュービングおよび比較的硬いシリコーンから作製されたマニホールドおよびフレームなど、異なるデュロメータまたは硬度の同じ材料を含むことができる。あるいは、第1、第2、および第3の材料は、異なるポリマーまたは材料を含むことができる。さらに、患者インターフェースのそれぞれの部分は、チュービングの端部部分をチュービングの中間部分より固いものとすることができるなど、異なる特性の領域を含むことができる。そのような実施形態では、織地/布材料をモールド内に置くことができ、次いで、例えば一体に形成されたチュービング、マニホールド、織地/布カバーを有するフレームなど、すべての材料が単一体の一体化構造を接合および形成するように、第1、第2、および第3の材料をそのモールド内へ射出することができる。
【0137】
別の実施形態では、チュービング、剛性化要素、マニホールド、および/またはバックストラップは、把持のために、シリコーンまたは他の弾性的ビードを含むことができる。この構成は、使用の際に、ビードが禿げた頭部を把持し、患者インターフェースが患者の頭部に対して摺動し、または動くことを防ぐように適合されているため、禿げた頭部の患者にとって特に有用となることができる。実施形態では、患者インターフェースは、例えば患者が禿げているかどうかによって、ビードを選択的に使用することができるように、リバーシブルとすることができる。例えば、一方の側面に織地を設けることができ、反対側にビードを設けることができ、例えば頭部が禿げている場合はビードを患者の頭部に向け、頭部に毛が生えている場合は織地を患者の頭部に向けるなど、患者が好みによって一方または他方を使用することができるようになっている。
【0138】
1.7.1.4 製造
実施形態では、それぞれのチューブ42は、剛性材を形成する、一体成形された増厚部分を有する分岐チューブとして製造することができる。
【0139】
別の実施形態では、それぞれチューブ42は、2つの部品、すなわち上半分および上半分に取り付けられた下半分から作製することができる。例示的な実施形態では、上半分は繊維または発泡体から作製することができ(例えば、シーリング層を備えた)、下半分は皮膚接触部分を備えた剛性材を構成することができる。
【0140】
1.7.2 視覚的妨げが少ない
患者インターフェースは、ユーザへの視覚的影響または悩みを減らすために、異なる色(色コントラスト)、模様、および/または表面テクスチャを有する1つまたは複数の領域を組み込むことができる。そのような色、模様、および/または表面テクスチャを、チュービング、剛性化要素、マニホールド、バックストラップ、および/またはインターフェース構造へと組み込むことができる。あるいは、色、模様、および/または表面テクスチャを有するソックスを患者インターフェースに設けることができる。
【0141】
例えば、
図10−1から10−10−6は、例えば濃い色Dおよび薄い色Lなど、2トーンの色スキームを有するカバーまたはソックスSを含む患者インターフェースを示す図である。そのような患者インターフェースは、2006年7月28日に出願された特許文献11に説明されており、その全体を参照によって本願に援用する。図示するように、濃い色Dが視界に隣接して配置される。この構成によって、患者および他人にとって視覚的により目障りでない、低衝撃で、邪魔にならない、流麗な外観がもたらされる。
【0142】
特に、明るい色は患者の目に入りやすく、例えば明るい色は光を患者の目に反射させるなど、濃い色より気が散る原因となりやすいので、視野に入ることを避けるべきである。したがって、視覚的妨げまたは目障りさを最小限にするように、視界に隣接して濃い色Dが配置される。実施形態では、患者インターフェースは、視野のちょうど外側限界、例えば患者インターフェースの患者の目の位置より下にある部分だけしか、患者から見えないようにすることができる。さらに、濃い色Dは、視野の末端で消失するように見えることができ、その結果、患者への視覚的妨げがほとんどないことになる。
【0143】
また、2トーンの繊維カバーSは、患者の顔の上の患者インターフェースのサイズの印象をスリムにすることができる。すなわち、この構成は、関連領域をより小さく、よりスリムに、またはより嵩張らないように見せる、例えば白色など、より薄い色をカバーに組み込むことができるという、機能的利点を有する。したがって、患者インターフェースは、視覚的影響がより少ない(例えば、見た目上、より目障りでない)。さらに、患者インターフェースは、衣類のように、よりファッション性のあるものとすることができる。代替実施形態では、例えば白色の線など、1つまたは複数の薄い色の線をカバーに組み込むことができる。また、実施形態では、インターフェース構造のインターフェースには、視覚的妨げを抑えるために、より濃い色を含むことができる。
【0144】
様々な使用者のために、様々な色、模様、および/または表面テクスチャを選択することができることが理解されよう。実施形態では、カバーは透明とすることができ、または例えばカモフラージュする、または皮膚の色にするなど、患者の皮膚と調和するように選択することができる。例えば、患者の皮膚が比較的濃い色である場合、患者の皮膚と調和するように、カバーを黒色または濃い茶色とすることができる。代替実施形態では、カバーの色および/またはテクスチャは、患者の髪の色に合わせて選択することができる。
【0145】
1.7.3 バルブ
実施形態では、
図11−1に示すように、両方のチューブ42が塞がったとき開くように適合された、例えば機械的ゲートなどのバルブVを患者インターフェースに設けることができる。例えば、バルブVは内部圧力P
intが2cmH
2Oより高いときは閉じたままとすることができ、内部圧力P
intが2cmH
2Oより低くなると開くことができ、それにより、両方のチューブ42が塞がった場合も、患者が呼吸できるようになる。
【0146】
1.7.4 ブロワーとの連結
実施形態では、患者インターフェース10を、一対の送気チューブ、すなわち、15mmチューブおよび22mmチューブによって、ブロワーに連結することができる。
図1−2に示すように、15mmチューブT1はマニホールド70を22mmチューブT2に連結し、22mmチューブT2は15mmチューブT1をブロワーに連結する。15mmチューブT1と22mmチューブT2を簡易脱着し、したがって患者インターフェース10をブロワーから簡易脱着できるようにするために、15mmチューブT1と22mmチューブT2との間の移行部に、簡易脱着コネクタ90が設けられている。代替実施形態では、患者の頭部上面に隣接して配置されたマニホールド70に、簡易脱着コネクタを設けることができる。簡易脱着コネクタは、チュービングの組立て/分解を容易にするために、例えば機械的インターロック、摩擦嵌合、ねじ式構成等、適切な構造を有することができる。様々な連結点によって患者インターフェースシステムの組立て/分解が容易になり、それにより、清掃、調節等が容易になる。
【0147】
15mmチューブT1は、例えば、簡易脱着コネクタ90が患者の視野内にあるなど、患者が簡易脱着コネクタ90に簡単にアクセスできるようにする、適切な長さを有する。また、15mmチューブT1は、簡易脱着コネクタ90を患者インターフェースから十分に離して配置することができ、簡易脱着コネクタの重さをベッドマットレスまたは他の支持システムによって支持することができるように、適切な長さを有する。
【0148】
システムのインピーダンスは、可能な限り小さく、一方または両方のチューブ42が開いているかによって大きく変わらないようになっている。したがって、システムは、チューブ42の一方のみが開いていることを含む、流体的制限またはボトルネックが患者インターフェースの上流にある、すなわち、マニホールド70またはマニホールド70の上流のどこか(例えば、15mmチューブおよび/または22mmチューブ)に流体的ボトルネックがあるように設計されている。
【0149】
インピーダンスは、少なくとも一部はチューブ長さに基づいている。図示された実施形態では、チュービングは、チューブ42が15mmチューブおよび22mmチューブのそれぞれより短いように設計されており、例えば、15mmおよび22mmチューブは少なくとも40〜50cm長さである。実施形態では、22mm入口チューブは約2m長さとすることができ、15mm入口チューブは約70〜75cm長さとすることができ、22mm入口チューブのボトルネックはその長さによる。しかし、他の適切な長さも可能である。
【0150】
実施形態では、マニホールドに通じる送気チュービングは、入口チューブ42と同様の外観および感触を有することができる。送気チュービングは、例えば、触ると柔らかく遮音性のある材料で作製された外側部分など、滑らかで雑音のない外側部分を有することができる。送気チュービングによって、PAPデバイスまたはブロワーから患者インターフェースのマニホールドへ、連続性をもたらすことができる。
【0151】
1.7.5.1 チューブの引っ張りを隔離するためのクリップ
送気チューブT1、T2および/または簡易脱着コネクタ90のいずれかに、ベッドのヘッドボードまたは他の支持システムに取り付けるように適合されたクリップまたはクランプを設けることができる。クリップまたはクランプは、チューブの引っ張りを患者インターフェースから隔離するように、送気チューブおよび/または簡易脱着コネクタをベッドのヘッドボードまたは他の支持システム上で支持する。実施形態では、クリップまたはクランプは、磁気取り付けができるように、磁気性とすることができる。
【0152】
例えば、
図12−1はヘッドボードに磁気で取り付けられた簡易脱着コネクタ90を示し、
図12−2はチューブT1をヘッドボードに取り付けるように適合されたクリップ92を示し、
図12−3は患者インターフェースにクリップ留めされたチューブT1を示す。
【0153】
1.7.5.2 CPAP療法のオン/オフの切り替えスイッチ
患者インターフェースの適切な部分に、CPAP療法を提供するブロワーのオンおよび/またはオフを切り替えるように適合されたスイッチを設けることができる。例えば、スイッチを送気チューブまたは簡易脱着コネクタに設けることができる。実施形態では、スイッチはブロワーと無線で通信することができる。
【0154】
1.7.6 膨張可能なヘッドギア
代替実施形態では、送気チューブを患者の顔から隔離するように、比較的より剛性の送気チューブの周りに膨張可能なチューブを設けることができる。
【0155】
1.7.7 可動チューブ
代替実施形態では、患者の頭部が向きを変えたとき邪魔にならないよう動くように適合されたチューブを設けることができる。
【0156】
2. インターフェース構造
2.1 背景および概要
既知の患者インターフェースは、一般に、患者の鼻および/または口の周囲および/または内部を密閉するように適合されたシリコーン密閉を含む。密閉機構は、(1)フラップタイプの密閉、(2)体積圧縮またはガスケットタイプの密閉、または(3)(1)および(2)の組合せ、という特徴を有することができる。フラップタイプの密閉は、インターフェースの確実な密閉を達成するために、可撓性膜の機構を利用することができる。フラップの撓みによって作用するフラップタイプの密閉と比較して、バルク材料の密閉は材料の圧縮によって作用する。本発明の好ましいインターフェース構造は、体積圧縮タイプの密閉の形態の発泡体を利用するが、発泡体は他の形態をとることもできる。発泡体インターフェースは、発泡体のブロックから打抜きによって形成することができる。好ましくは、発泡体の切断片をガスケットまたは圧縮タイプの密閉へと構成することができる。
【0157】
本発明の1つの態様は、使用の際に患者の鼻の下側と効果的で快適性に優れた係合を提供する、発泡体で作製された鼻下インターフェース80の形態のインターフェース構造20(例えば、
図1−6、1−8、1−10、13−1、13−2を参照)に関する。実施形態では、鼻下インターフェースは、カッピング部分、プロング、またはピローの形態とすることができる。発泡体インターフェース80は、上記の送気および安定化システム30の各チューブ42と連通するように適合された、支持体および/またはフレームまたはシェルによって支持することができる。
【0158】
例えば、
図1−6、1−8、および1−10に示すように、例えば摩擦嵌合によってチューブ42の各端部に係合するように適合されたチューブ部分25を含む、シリコーンの形態の比較的堅いシェルまたはフレーム22に、発泡体インターフェース80を設けることができる。
【0159】
別の実施形態では、
図13−1から13−2に示すように、例えば、シリコーンから作製された円筒形の支持体または基部82に、発泡体インターフェース80を設けることができ、円筒形の支持体82は、チューブ42の各端部に係合するように適合された比較的剛性のフレーム(図示せず)に取り付けられるように適合されている。円筒形の支持体82は、特許文献12に開示され、その全体を参照によって本願に援用する、ノズルアセンブリの(ノズルを除いた)基部部分と実質的に同様の構造を有することができる。円筒形の支持体82の可撓性によって、インターフェースに応従性が付加される。円筒形の支持体82は、フレーム内の溝と連結されるように割り型基部を有することができる。実施形態では、インターフェース、円筒形の支持体、および/またはフレームは、さらなる応従性および/またはインターフェースとの調節を付加するために、回転するように適合することができる。実施形態では、回転による調節および位置決めを、摩擦、間欠送り、およびロック機構の使用によって維持することができる。
【0160】
図示された実施形態では、発泡体インターフェース80は、患者の鼻を穏やかに支えるのに十分な応従性があり、例えば鼻下発泡体インターフェースなど、目障りでなく快適な鼻インターフェースを提供する非常に柔らかい発泡体から作製されている。鼻下発泡体インターフェースは、患者の鼻の内部でシリコーンプロングが邪魔になったり不快さをもたらしたりする可能性なしに、鼻プロングに視覚的自由を与え目障りでないようにする。
【0161】
鼻プロングインターフェースの普及とともに生じてきた1つの問題は、特に吸入時および鼻の中を高速で空気が移動するときの高い圧力のせいで、鼻を通る空気の急流によって鼻内部で冷感、摩擦感または熱感の感覚が感じられることがあるという、はっきりと分かる呼吸の快適さの低下である。この感覚は「ジェット作用」と呼ばれてきた。この「ジェット作用」は、一部には、狭いプロングの穴を、溝を流れるように通って鼻に入り、敏感な鼻粘膜に衝突する空気のせいであると考えられている。また、空気の温度および湿度にも起因する。したがって、鼻下発泡体インターフェースの別の利点は、鼻プロングによって発生することが知られているジェット作用を排除または最小限化することである。これは、空気が鼻孔内部の狭い穴を通って押し込まれず、両方の鼻孔開口を覆うより大きい穴を通るからである。発泡体インターフェースの出口は全体または大部分が鼻の外にあることによって、穴のインピーダンスは鼻孔開口と一致し、またはそれより小さく、流れが鼻の内部でジェット流になるように制限および形成されないようになっている。発泡体はまた、鼻に入るとき流れの境界で拡散作用も有する。発泡体の不規則な表面は、鼻孔に入る流れの境界層に乱流を付加することができ、それにより鼻内部の敏感な解剖学的構造に集中する力が少ない状態で鼻腔内を移動することができる。この拡散作用はまた、インターフェースと鼻孔の位置合わせがジェット作用の生成に対して、より重要でないようにすることもできる。わずかに通気性のある発泡体はまた、湿度および温度に起因するジェット作用の態様を最小限にするという利点も有する。冷たい空気および鼻を出入りする温度可変の空気は、既知のインターフェースでは鼻内部に炎症感覚を生じさせることがある。呼気時には、吐き出された暖かい空気が発泡体に流れ込み、次の吸気時には、この少量の暖かい空気が再び入り、および/または鼻に入る空気流を暖めることができ、したがってジェット作用が低減される。しかしながら、ジェット作用に関する発泡体の別の利点は、水分を保持する能力(例えば、湿り空気)であり、これも発泡体の透過性質によるものである。吸気時には、保存された水分が吸い込まれた空気に湿度を付加し、ジェット作用を低減することができる。
【0162】
別の実施形態では、鼻下インターフェースは、1つ穴を2つに分割する中央部分を有することができる。この実施形態では、2つの最終的な穴は、鼻孔と同じ、鼻孔より小さい、または鼻孔より大きいサイズとすることができる。
【0163】
上述した実施形態のいずれにおいても(1つ穴および2つ穴)、鼻プロング設計と比較して、穴と鼻孔の位置合わせを緩和することができる。これは、鼻孔内部へ確実に差し込むという特徴を有さないことによるものである。インターフェースは、接面および/または密閉を損なうことなく、皮膚の表面に沿ってより大きく動くことを可能にする。発泡体は非常に低い硬度(例えば、特に非常に柔らかい粘弾性的グレード)であることから、発泡体は接面する解剖学的構造の形状をとるため、わずかに鼻孔内部に突き出している。
【0164】
好ましい実施形態では、インターフェースは非常に柔らかい、粘弾性的ポリウレタン発泡体グレードから作製することができる。発泡体の粘弾性的性質を定量化する1つの方法は、発泡体を圧縮した後、発泡体の変形率または回復率を測定することである。実施形態では、回復率は、マスクを着用している間、インターフェースがユーザの顔に快適かつ密閉的に係合されているように設計されている。粘弾性的性質は、マスクを着用したままで動く際、快適さおよび密閉を維持するために特に有益である。他の実施形態では、粘弾性の範囲は非常に回復率の遅い発泡体から非常に回復率の速い発泡体までとすることができる。
【0165】
本発明の好ましい実施形態によるインターフェース構造の別の態様は、既知のインターフェース構造と比較して比較的遅い戻り率である。シリコーンまたは他の剛性のエラストマークッションは、5から10cm/秒程度またはそれ以上の比較的速い戻り率を有する。本発明の1つの実施形態では、インターフェース構造は、約5cm/秒未満の戻り率を有する。好ましい実施形態では、戻り率は約1cm/秒である。
【0166】
戻り率は底面の平坦な剛性のプレートと上面の平坦な剛性の軽量プレートとの間に、バルク材料の試料を挟むことによって、測定することができる。上面プレートは、あらかじめ定められた距離だけ下向きに動かされ、バルク材料を圧縮し、次いで解放する。バルク材料が上面プレートを元の位置に持ち上げるのにかかる時間を測定する。元の位置に戻るのにかかる時間はプレートの重量に依存するので、測定は相対測定のみである。戻り率は、発泡体の厚さを戻るまでの時間で割ったものである。比較的速い戻り率は、秒未満で行われる。
【0167】
好ましいタイプの発泡体は、上記の戻り率試験を使用して測定され、(剛性の発泡体の)非常に軽量の上面プレートが使用され、上面プレートの重量はごくわずかであった。2つのプレート間に挟まれた発泡体のブロックは5cm厚さであり、約1cm厚さになるまで手動で下方向に挟みつけられた。戻るまでに3.5秒かかった。これは約1cm/秒の戻り率に相当する。対照的に、典型的な従来技術のシリコーン膜は0.5秒未満で戻る。
【0168】
関連する材料特性はヒステリシスである。
図14−1を参照すると、本発明の好ましい実施形態の別の態様は、25から35パーセントの範囲のヒステリシスを示す材料である。しかし、発泡体のヒステリシスは他の例示的な範囲を含むこともできる。例えば、発泡体は約2から50%の範囲のヒステリシスを示すことができる。別の実施形態では、発泡体は約5から40%の範囲のヒステリシスを示すことができる。別の実施形態では、発泡体は約10から35%の範囲のヒステリシスを示すことができる。別の実施形態では、発泡体は約15から35%の範囲のヒステリシスを示すことができる。
【0169】
好ましくは、発泡体インターフェースは永久的な低弾力を有する。実施形態では、発泡体は約40%より低い弾力を有する。別の実施形態では、発泡体は約15%より低い弾力を有する。弾力は粘弾性的の1つの測定である。低弾力の発泡体は高い粘弾性を有し、発泡体に遅い変形(遅い回復)という特色を与える。発泡体が遅い速度で変形することによって、発泡体が着用者の顔に穏やかに順応することが可能になり、匹敵するもののない快適さが感じられる。好ましくは、クッションは抗菌剤を含む。
【0170】
鼻下インターフェースは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ラテックスゴムなど、気泡性ポリマー構造を形成する、他の材料から作製することができることが理解されよう。
【0171】
鼻下インターフェースは、例えば繊維で覆われた発泡体、繊維、繊維層、シリコーン(例えば、膜およびアンダークッションを備えた、二重壁シリコーンの鼻下インターフェース)、シリコーン発泡体など、他の適切な材料タイプおよび構成で作製することができることも理解されよう。
【0172】
さらに別の実施形態では、発泡体インターフェースは、HCH(吸湿凝縮加湿器)またはHME(熱および湿度交換器)として作用する発泡体を特徴とする。これにより、ジェット作用に関して上記のように呼吸の快適さを高めるために、熱および湿度を捕捉し、ユーザの気道に戻すことができる。
【0173】
別の実施形態では、発泡体インターフェースは、例えば音、振動を減少するなど、音響的特性を提供する構造とすることができる。
【0174】
発泡体の多孔性水分吸収特性および水分保持特性によって、インターフェースの着用前または着用中に、インターフェースに香りのある蒸気性の液体を付加することが可能になる。そのような香りは、治療的性質のあるものであっても、ないものであってもよい。発泡体の機械的特性は、香りのある液体の蒸発の速度を調節するために修正することができる(例えば孔のサイズ、表面張力など)。同様に、発泡体の乾燥性能も調節することができる。
【0175】
2.2 バルク材料特性
図示された実施形態では、発泡体インターフェース80は、患者の皮膚に対して柔らかい、快適な感触および患者の顔の柔らかい肉付きの解剖学的構造と類似した硬度または堅さを有し、
図14−1に定義された特性を持つ、非常に柔らかい、可撓性の、粘弾性的発泡体(例えば、加工されたスラブストック)である。患者インターフェース設計によって十分な安定性および密閉的な反力がもたらされると、硬度は理想的には顔の肉付きの解剖学的構造より柔らかいものとなる。接面する解剖学的構造より柔らかいインターフェースの硬度が、顔にかかる圧力を最小限にすることによって快適さが最大限になり、インターフェースまたはユーザの気道に対する圧力の増加が達成される(すなわち、低い硬度および高い粘弾性によって、低い接触圧力および患者の顔の輪郭に対する最大限の順応性(形状の形成能力)が可能になる)。インターフェースのダイナミクスも改善され、それにより、インターフェースによって顔が変形するよりも、インターフェースが顔の解剖学的構造(例えば、顔の皺およびゴルフボールの窪みのサイズの特徴、起伏等)の周りで順応し、例えばインターフェースは患者の顔の比較的小さい特徴に対応することができる。
【0176】
発泡体インターフェースは、ヘッドギアからの下側ストラップの張力によって密閉力が生成されるようにする静的密閉、およびインターフェースがベッドで寝返りを打つ患者による大きな動きに耐えインターフェースを維持する動的密閉を提供する。そのようなインターフェース特性は、以下でより詳細に説明される。
【0177】
粘弾性的発泡体は、汗ばんだ、プラスチック製の感触を与えることのある従来のシリコーンインターフェースと比較して、患者の皮膚に対してはるかにより自然な感触をもたらす。発泡体は、含有水分を含むことができ、例えば、使用または洗浄後、わずかに水分または湿り気があり、使用の際に空気が発泡体を通って流れると、冷却効果または爽快感がもたらされる。
【0178】
本発明の実施形態によるインターフェースの好ましい形態は、ポリウレタン発泡体のブロックからの切断である。好ましい実施形態では、発泡体インターフェース80は被膜されていない、低硬度、低密度、低多孔性の、柔らかく、低臭、低空気透過性、低弾力性、低イソシアネート指数のポリエーテルポリウレタン発泡体であって、非常に細かい不均一な気泡構造および粘弾性的機能を有する。発泡体はまた、パントン色見本の色および色堅牢度を特徴とする。さらに、発泡体は、患者の皮膚からの水分または汗を逃がす吸放湿性能を提供することができる。実施形態では、例えば発泡体の密度、多孔性、または硬度が様々な層で異なることができるなど、発泡体インターフェースの特性はその厚さによって異なることができ、および/または、例えば通気性がインターフェース外周の様々な領域で異なるなど、発泡体インターフェースの特性はその外周に沿って異なることができる。粘弾性は、発泡体インターフェースが圧縮から回復する範囲である。発泡体は、これらの特性のすべてを有することが好ましいが、本発明の別の形態では、発泡体はこれらの特性のすべてを有さなくてもよく、またはそれらの様々なサブコンビネーションを有することもできる。また、発泡体クッションは、例えば微細気泡ポリウレタンなど、上記の発泡体の特性/特色の1つまたは複数と類似する、別の適切な材料(例えば、非発泡体材料)から作製することができる。
【0179】
例えば、
図13−3から13−4は混合された不均一気泡構造の発泡体を示す図であり、
図13−7aおよび13−7bは層化された不均一気泡構造の発泡体を示す図である。
図13−7aおよび13−7bはまた、発泡体の特性が様々な層でどのように異なることができるかを示す図である。
図13−7aおよび13−7bに示すように、発泡体は、3つの層、すなわち、小、中、および大気泡層を含むことができる。
図13−7aでは、小気泡層が表面近くにあり、気泡層は内部に向かって徐々に大きくなっており、
図13−7bでは、大気泡層が表面近くにあり、気泡層は内部に向かって徐々に小さくなっている。しかし、例えば表面近くに中気泡層があり、内部に向かって小気泡および大気泡層があるなど、層は適切な構成を有することができる。そのような気泡構造構成は、製造方法の選択によって達成することができる。
【0180】
図13−7cは、内部部分に、例えばより堅い発泡体、プラスチック、または金属の薄層から作製された補強要素Rを含む発泡体を示す。補強要素Rは、使用の際、発泡体に剛性を付加する構造である。補強要素のそれぞれの側にある発泡体部分は、(
図13−7cに示すような)均一構造および/または(層化または混合された)不均一構造を含むことができる。好ましい実施形態では、補強要素Rを、例えば底面/顔と接触しない面など、発泡体インターフェースの一方の側に置くことができる。このように、補強要素は、二重機能を提供することができる、すなわち、補強およびマスクに取り付けるための方法(例えば、機械的締まり嵌め、Velcro、感圧接着剤など)の両方を提供する。
【0181】
図14−1は、本発明の実施形態による発泡体インターフェースの機械的特性の表である。
【0182】
本発明の好ましい実施形態の1つの態様は、密閉構造の低硬度の発泡体(または他の柔らかい材料)である。硬度は、圧入硬度および圧縮硬度の両方で定義することができる。例示的な40%ILD硬度は25から80Nの範囲内であり、例示的な40%CLD硬度は0.4から1.5kPaの範囲内である。
【0183】
しかし、発泡体硬度は、他の例示的な範囲を含むこともできる。例えば、好ましい40%ILD硬度は、50〜200Nの範囲内とすることができる。別の実施形態では、発泡体は、一般に約100N未満の40%ILD硬度を有することができる。別の実施形態では、発泡体は約80N未満の範囲のILD硬度を有することができる。別の実施形態では、発泡体は約20Nから約80Nの範囲のILD硬度を有することができる。別の実施形態では、発泡体は約25から80Nの範囲のILD硬度を有することができる。別の実施形態では、発泡体は約40Nから60NのILD硬度を有することができる。発泡体が硬すぎる場合、着用者の顔に順応および密閉しない。その結果、これは圧力点になることがあり、または患者の顔に痛みを与える。同様に、発泡体が柔らかすぎる場合、皮膚に対して十分な密閉する力をもたらさず、「下方へのずれ」が起きる可能性があり、不快感ももたらす。より硬い発泡体(例えば40%ILD硬度が100Nから200N)を使用して、より薄い層の発泡体(例えば5mmから10mm)を作製することができる。
【0184】
実施形態では、発泡体は約60kg/m
3未満の密度を有する。別の実施形態では、発泡体は約55kg/m
3未満の密度を有する。別の実施形態では、発泡体は約30〜60kg/m
3の範囲の密度を有する。別の実施形態では、発泡体は、約30〜200kg/m
3、または50〜150kg/m
3、または75〜125kg/m
3の範囲の密度を有する。別の実施形態では、発泡体は約50〜60kg/m
3、または60〜100kg/m
3の範囲の密度を有する。適切な発泡体密度は安定性、快適さおよび使用しやすさのバランスがとれている。密度が低すぎる場合、発泡体インターフェースは安定性が不足することがある。
【0185】
好ましくは、発泡体は透過性の内側気泡構造を有する。発泡体が透過性であることによって、空気および水分が発泡体を通って移動できるという利点があり、これはまた発泡体/皮膚の接面での温度を適度にすることもでき、これらはすべて着用者の快適さを改善する。好ましい実施形態では、発泡体は低い透過性を有することができる。これは、十分な空気の流れが快適に得られながらも着用者の妨げとならないように十分に低い空気の流れとすることと、気道での十分な治療陽圧を維持することとのバランスをとっている(発泡体の透過性が高すぎると気道での圧力が失われる)。好ましくは、発泡体は10から50L/秒/m
2の範囲の透過性を有するが、いくつかの形態では、不透過性の発泡体を使用することもできる。したがって、効果的な療法のために十分な空気の供給が適切な圧力および流速でもたらされる限り、発泡体は必ずしも完全な密閉を形成する必要はない可能性がある。
【0186】
別の実施形態では、発泡体は好ましくは125Paで約10L/分未満、より好ましくは125Paで約5L/分未満の透過性を有する。しかし、発泡体の透過性は、他の例示的な範囲を含むこともできる。例えば、層化された発泡体構造が使用される場合、発泡体の異なる層は異なる透過性を有することができる。
【0187】
以下により詳細に説明するが、
図15−3−5−1に示すように、発泡体インターフェースは4つの総称的な表面を含む。図示するように、インターフェースは、空気経路(内部)面2221.1、皮膚接触(密閉)面2221.2、大気(外部)面2221.3、および取り付け(マスク取り付け)面2221.4を含む。これらの表面のそれぞれは透過性、不透過性、またはそれらの組合せとすることができる。したがって、インターフェースは、複数の程度または範囲の透過性を有することができることが理解されよう。
【0188】
本発明の実施形態による発泡体インターフェースはまた、ある程度の1つまたは複数の以下の特色を含むことができる。
【0189】
気泡発泡体タイプ−可撓性ポリウレタン;
【0190】
ポリウレタンタイプ−ポリエーテルベース;
【0191】
気泡構造−発泡体の気泡構造の制御は、発泡体の感触(「手触り」ともいう)および外観の制御にとって望ましい。気泡構造は気泡サイズがより不均一またはより均一に分布されるように制御することができ、これは様々な方法で発泡体の感触および外観に影響を与えることができる。発泡体はまた、例えば空気および水分透過性など、発泡体特性のいくつかの態様に影響を与えることができる、連続および独立気泡含有量の程度の異なる気泡構造を有するように製造することもできる。
【0192】
密閉−独立気泡含有量が高い発泡体は、皮膚に対して圧縮すると、インターフェース内部に陽圧密閉を形成することができるように、十分に低い透過性を有することができる。実施形態では、発泡体は、例えば独立気泡90%および連続気泡10%など、連続気泡より大幅に多い独立気泡を含むことができる。したがって、密閉のために発泡体によってもたらされる圧縮力は、発泡体の機械的堅さの関数であり、発泡体の気泡構造内部に加圧された空気があることによって、圧縮堅さが付加される(例えば、空気ばね/空気圧の堅さ)。このように、密閉機能が得られる一方で、発泡体構造の表面に沿って、および発泡体構造の本体を通って、少量の計画的な空気の流れを逃がすこともできる。実施形態では、発泡体は、切断された連続気泡構造が皮膚に当たるが、他の実施形態には透過性の被膜を有する発泡体を含むこともできる。別の実施形態は、流れが皮膚接触面に沿ってではなく、発泡体構造の本体を通って通過するようにする、インターフェースの皮膚接触面のみが(透過性および不透過性の被膜の両方で)被膜された発泡体を有することができる。
【0193】
空気透過性−発泡体は、制御された範囲の空気透過性を有するように製造することができる。一般に、密閉用途では、発泡体は、空気または水分が発泡体を通過しないようにすることが可能な最も高い独立気泡含有量を有するように製造される。実施形態では、比較的少量の空気透過性が可能であることが望ましい。これにより、インターフェースを着用したとき、例えば少量の拡散流が発泡体を通って流れることにより、インターフェースと接触する皮膚に呼吸を可能にし、使用中に過剰な水分がインターフェースから除去されるなど、快適さおよび密閉性能に関していくつかの明確な利点がある。
【0194】
空気透過性耐久性−マスクシステムのすべての要素を通る流れは、所与の仕様を満たすことを要求されることがあるため、構成要素の使用寿命を通して、所望のレベルの空気透過性が維持されることが望ましい。空気透過性の変化は、周期的な機械的圧縮負荷によって起きることがあり、したがって発泡体構造の透過性に関する耐久性を改善するために取られる対策は、利点となる。好ましい実施形態では、発泡体に耐久性のある独立気泡含有量を与えるために、MDI(メチレン−ビス−ジ−イソシアネート)タイプのイソシアネートを使用するポリウレタン処方を選択することができる。
【0195】
臭気/揮発性−発泡体は着用者の鼻に密接して使用することを目的としているため、臭気を最小限にし、または優先的に修正するために取ることができる対策は、利点となる。好ましい実施形態では、臭気を最小限にするために、MDI(メチレンビスジイソシアネート)タイプのイソシアネート(例えば、精製したMDI)を使用するポリウレタン処方を選択することは好ましい。他の形態では、トルエンジイソシアネート(TDI)を使用することができるが、そのような発泡体は、より高い臭気を有することがある。実施形態では、発泡体クッションは芳香性の香りを提供する構造とすることができる。
【0196】
微粒子−発泡体の化学的性質および処理は、使用中に吸入されることのある小粒子を発泡体構成要素が発生しないように、選択される。
【0197】
感触/手触り−絹のように滑らかで柔らかい感触を有する発泡体を製造することには、見た目上の利点がある。好ましい実施形態では、発泡体の滑らかな感触を最大限にするために細かい気泡の不均一気泡構造を有する発泡体が製造され、これはまた、擦過および炎症の可能性を最小限にする助けにもなる。見た目上の魅力を助けることができる発泡体の機械的特性の別の態様は、発泡体に魅力的な相互作用特性を与える高いレベルの粘弾性で発泡体が製造されることである。
【0198】
耐久性−発泡体の化学的性質は、必要な保管年数および構成要素の使用年数のために所望される機械的特性を維持するように選択することができる(例えば、発泡体構造を、単回使用から長期使用まで、あらかじめ定められた寿命を有するように操作することができる)。これにより、適切な交換頻度の再生可能製品を使用者に提供するという利点が得られ、発泡体構成要素を1日ごと、1週間ごと、1カ月ごと、または他の基準で交換することができる。次いで、あらかじめ定められた複数個でパッケージされた構成要素を、例えば3、6、または12カ月ごと、または他の適切な基準で使用者に供給することができる。
【0199】
熱安定性−発泡体は、保管および輸送の熱条件に耐えるように設計することができる。発泡体はまた、殺菌および滅菌プロセスの温度(例えば、オートクレーブ温度および最高180℃になる可能性がある温度)にも耐えるように設計することができる。
【0200】
UV安定性/対光堅牢度−発泡体材料は、光への曝露で簡単に分解しない。
【0201】
膨隆耐性−発泡体構成要素は、水または他の液体で飽和されると所与の膨隆特色を有するように設計することができる。飽和状態で発泡体に所望される特色によって、形状寸法の変化を最小限または最大限にするように設計することができる(例えば、膨隆は清浄のために発泡体の孔を開くためには望ましく、膨隆は飽和状態で機能的形状寸法を保つためには望ましくない)。
【0202】
乾燥性−発泡体構成要素は、特定の時間的制約および環境条件で乾燥するように設計することができ、例えば構成要素は使用または清浄処置後は湿っていることがあるため、構成要素は次の使用の前にできるだけ迅速に乾燥することが望ましいことがあり、例えばインターフェース内の水分はある使用条件では望ましいことがある(暑い条件では皮膚に冷感を与える)ため、構成要素はより長時間、水分を維持することが有利であることがあり、例えば構成要素は、CPAP療法中、加圧条件で材料を通って流れる空気を使用して、使用中に乾燥するように設計することができる(自己乾燥)。
【0203】
加水分解安定性−ポリウレタン発泡体の化学的処方は、発泡体に所望のレベルの加水分解安定性を与えるように選択することができる。ポリエステルタイプのポリオールより、ポリエーテルタイプのポリオールを選択することによって、発泡体の加水分解(水分の存在下での機械的分解)耐性を改善することができる。
【0204】
色−発泡体構成要素は、特定のパントン色見本の色(例えばPC287)とすることができる。
【0205】
色堅牢度−発泡体の使用に関する重要な問題は、自然の経年劣化および使用中の環境要因の両方による変色である。これは、自然な薄い色の発泡体には特に問題である。変色に対処する1つの方法は、発泡体を年月および使用による変化が明確になりにくい色に計画的に着色することである(例えば、より濃い色およびより色調の強い色は変色が少ないことがある)。すなわち、発泡体の着色は、使用年数中の構成要素の予期される利用および清潔さに機能的属性がある。起きる可能性のある別の問題は、落ちることがあるように発泡体構造に含まれる染料または色素の色落ちである。好ましい実施形態では、色が発泡体の化学構造に反応して、ポリウレタンの化学的背景の一部となるように、例えばMilliken Chemical社のReactint(商標)着色剤など、反応着色剤が組み入れられる。これにより、発泡体は、製品が初回使用時に見栄えが良く、その後の使用でも見栄えを保っていられるように、目的の用途で変色に耐えるという大きな利点を得られる。
【0206】
スラブストックのパッケージ−スラブストック発泡体は、出荷および保管のために、プラスチックで包装および密閉することができる。
【0207】
構成要素のパッケージおよび配送方法−発泡体インターフェース構成要素は、あらかじめ定められた使用年数を有するように設計することができる。この場合、構成要素は、現在業界で既知のものより頻繁に交換する必要があることもある。交換の簡便性のために、構成要素は、1つのパッケージ(例えば、箱またはカートン)に複数の構成要素を含むようにパッケージすることができる。例えば、構成要素の1つの箱またはカートンは、50の構成要素、100の構成要素、1カ月分の補給品の構成要素、1年分の補給品の構成要素、または他の適切な基準の構成要素を含むことができる。構成要素は、個別パッケージすることができ、連続的なミシン目の入ったストリップの一部として製造することができ、1パッケージ(例えば、外周の周りを2つの側壁で密閉されたコンドームの包装材と同様に、1パッケージに1つの発泡体インターフェース)で提供することができる。構成要素は、構成要素をまとめてまたは単独で梱包することができる。実施形態では、構成要素を真空パッケージすることによって大きな利点が得られる。この形態のパッケージングは、環境要因(例えば、酸素、湿度など)による経年劣化から保護するとともに、カスタマイズされたマイクロ環境(例えば、経年劣化を防ぐための不活性ガス、治療および非治療目的の香りのある気体、色、風味など)で、構成要素を提供することができる。真空パッケージすることによって、出荷の効率および物流の簡便性のために、製品の物理的容積を減らすという大きな利点も得られる。発泡体は長期間(数週間から数カ月間)にわたって圧縮することができ、パッケージを開けると、依然として圧縮前の形状に戻ることができる。
図14−3は、例えばミシン目で切り離すことができるようにミシン目で分離された個々のパッケージが連続的な連なりなど、発泡体インターフェースが入った個々のパッケージPを供給するように適合された回転可能なディスペンサまたはリールDの概略図である。しかし、構成要素は、他の適切な壊れやすいまたは破れやすい連結によって分離することもできる。
【0208】
機械加工性−発泡体は、複雑な3次元形状寸法へと機械加工できるように、十分に密度が高く硬いように製造することができる。
【0209】
生体適合性−生物学的安全性(生体適合性)は、発泡体の主要な目的用途で最優先とされる。したがって、有害な揮発性物質を照射してはならず、あるいは人体に有害または炎症作用があってはならない。発泡体の化学的性質および処理は、ISO10993生体適合性基準に準拠した発泡体を製造するように選択される。
【0210】
微生物増殖−発泡体構造は、特に暖気および湿度の存在下で、鼻に密接して、微生物(例えば細菌、真菌など)の増殖の可能性を収容する環境を提供することができる。真菌および細菌の増殖を抑制することのできる対策は、構成要素の清潔さを保ち、および/または使用年数を延ばすために望ましいことがある。一般に、これは、使用者と密に接触する構成要素に、吸収性が最小限であり簡単に清浄可能な非多孔性材料または被膜された多孔性材料を使用することによって、達成される。しかし、顔面に対してむき出しの、切断された、または連続気泡構造(例えば、切断された発泡体)を使用することには、快適さおよび密閉性能についての大きな利点があることから(本開示で概要を説明した通り)、構成要素の清潔さおよび寿命への対処は、他の方法によって実施するべきである。実施形態では、発泡体インターフェース構成要素は、適切な頻度(例えば、1日ごと、1週間ごと、1カ月ごと、または他の適切な方法)で交換するように構成されている。構成要素には適切な清浄および保守方法(例えば、洗浄、乾燥、清浄溶液(例えば、イソプロピルアルコール)、蒸気処理、マイクロ波滅菌など)をも推奨することができる。微生物増殖を抑制する別の方法は、発泡体の化学的性質に、抗菌剤または抗微生物剤(例えば、ポリウレタン発泡体にはAEGISブランドの抗微生物剤など)を含むことである。
【0211】
再利用性/生体分解性−発泡体インターフェースは頻繁に交換される構成要素とすることができるため、発泡体のグレードは、選択された時間枠内で環境への影響を最小限にして分解可能であるように、選択することができる。これは、材料が埋立地で分解される半減期と表現することもできる。実施形態では、発泡体は、業界で既知の材料(例えばシリコーン、被膜された多孔性構造、ゲルなど)よりはるかに短い時間枠内で分解するように設計されている。これは、発泡体の化学的性質および発泡体の多孔性構造を、埋立地および発泡体の分解を助ける微生物が侵入することができるように強化することによって達成することができる。環境への影響を最小限にする発泡体の別の大きな利点は、材料が、業界で既知の一般的な材料よりはるかに柔らかく、はるかに低密度であり、これは材料を簡単に圧縮することができ、埋立地で占める空間がはるかに小さくなるということを意味している。
【0212】
上記のように、発泡体インターフェース構成要素は、個別に、および/または箱またはカートンで、入手可能である。この構成によって、例えば在宅医療介護業者、化学者、インターネット等を経由する、広範な流通ルートの可能性が提供される。
【0213】
実施形態では、インターフェース構成要素が摩耗し、または交換が必要になったとき、患者は必要なときに箱を発注することができ、または、例えば1年分の補給品が毎月郵送されるように患者が契約を交わすなど、交換品の箱(例えば、毎日使用するインターフェース構成要素を含む)が定期的に患者へと郵送されるようにすることができる。
【0214】
この構成によって在宅医療介護業者は追加注文を得ることができる。また、この構成によって、組立てステップ(すなわち、インターフェース構成要素をフレームに取り付ける)が患者に移ることから、組立てラインが効率的になる。この構成は、地方で製造を行うことによって出荷を減らすように適合することができる。さらに、この構成により、滅菌の必要がなくインターフェース構成要素を使い捨てにすればよいので、検査室を休止できるという利点も得られる。
【0215】
実施形態では、構成要素のパッケージングは交換または再注文の必要性を反映することができる。例えば、箱の最後の品物は異なるパッケージにして、「補給品の終了」を示すことができる。別の例では、パッケージングは、異なる日、週、月等を示すために異なる色にすることができる。
【0216】
上記のように、発泡体構造は、ある使用年数または寿命を有することができる。本発明の実施形態によると、発泡体構造は、この使用年数に達したことを示す、耐用年数終了表示部を含むことができる。
【0217】
例えば、耐用年数終了表示部は、pHを使用した変色(微生物が酸を産生して、交換頻度で変色が起きる);汚れ/変色;環境的な経年劣化(パッケージングから環境ガスを取り出す);接着剤の経時的な劣化(単一アセンブリで提供するので、患者は構成要素を破壊しないと取り出せない−膠剤の粘着力が接着剤より強い);および/または構成要素の交換が必要かどうかを見るために、構成要素と同じものを見つけるためのカラーガイドを含むパッケージング、の1つまたは複数を含むことができる。
【0218】
2.3 表面特性
発泡体インターフェース80は、被膜された表面または切断された、被膜されていない表面を有するように(例えば、フリーライズのスラブストックから)製造することができる。発泡体は気泡のある内側構造となっているので、発泡体が切断(例えば打抜きなど)されると、連続気泡構造が露出される。皮膚と接触するインターフェース表面の、切断された、連続気泡構造は、特に患者インターフェースとして使用されるとき、被膜された発泡体と比較して異なる特色がある。例えば、
図13−3および13−4は、切断された、被膜されていない表面CSを有する発泡体インターフェース80を示す図であり、
図13−5および13−6は、被膜された表面SSを有する発泡体インターフェース80を示す。図示するように、
図13−3および13−4の切断された表面CSは、例えば空気泡およびピンホールが露出されるなど、発泡体の気泡構造が露出されている。対照的に、
図13−5および13−6の被膜された表面SSは、例えば滑らかな外面空には気泡またはピンホールが露出されていないなど、発泡体の気泡構造を隠している。
【0219】
好ましくは、発泡体は被膜されない。しかし、いくつかの形態では、被膜された発泡体を使用することもできる。例えば、空気透過性を制御するために、一部が被膜された発泡体を使用することもできる。被膜されていない発泡体は、発泡体の空気透過性(いわゆる、発泡体の「通気性」)を利用することができ、クッション/皮膚の接面での水分堆積および温度勾配を制御することによって着用者の快適さを改善するという利点がある。さらに、発泡体を通る空気流は、クッション/皮膚の接面における密閉特色にとって有益である。例えば、発泡体クッションは、接触面が比較的乾燥して快適に維持されるように、空気循環を生成する助けとなる「漏洩性の」インターフェースを提供する(例えば、約5〜10%漏洩)。
【0220】
2.3.1 快適さ
好ましくは、発泡体クッションは、皮膚と接触するように配置されている。好ましくは、発泡体クッションは、クッションと患者の皮膚との間にシリコーン層を有さない。特に、患者の皮膚と接面または接触する表面に、切断された気泡構造を含む発泡体(例えば、
図13−3および13−4を参照)は、特に、業界でほぼ例外なく使用されているシリコーン材料と比較して、皮膚に対する感触が異なる。また、発泡体は、シリコーンのように粘着性のあるプラスチックの感触ではない、気持ちのよい快適な触覚の特性を有するように設計することができる。発泡体の気泡構造と患者の皮膚に対する気泡構造の快適さとの間には関係がある。発泡体は、気泡構造が粗いものから非常に細かいものまで、および気泡サイズの均一または不均一な分布を有するように製造することができる。これらの特性は、製造プロセスを通して制御することができる。好ましい実施形態では、患者の皮膚に対する快適さを最大限にするために、細かいサイズの気泡の含有量が高い、不均一な気泡構造が好ましいことがある。
【0221】
2.3.2 密閉および/または把持機能
発泡体切断された気泡表面(例えば、
図13−3および13−4を参照)によって密閉および/または把持が可能になる。発泡体は、例えば密閉するように機械的に変形し患者の顔に係合することができ、また、微細な(すなわち、1mm未満)動きで、外れ(および、例えば密閉の損失)が起きないように、皮膚を十分に把持することができる。この把持(例えば、摩擦把持)は切断された気泡表面によってもたらされ、「より湿った」感触の発泡体グレードならびに柔らかさおよび粘弾性が高い発泡体グレードとの組合せによって、改善することができる。密閉および/または把持が外れた場合、理想的には、患者インターフェースを患者の顔に装着し直す必要なしに、密閉および/または把持特性を簡単に回復するべきである。好ましい発泡体の例は、触ると湿った、粘着性のある、および/または湿り気のある感触の、非常に柔らかい、低(イソシアネート)指数の発泡体とすることができる。発泡体の「粘着性」または「湿り性」によって、発泡体は、実質的に密閉を壊すことなく、例えば密閉の「這うような動き」など、患者の顔に沿って摺動的に動くことができる。すなわち、患者の顔との接触を失わずに、および十分な治療的圧力を失わずに、密閉の場所を移動させることができる。把持または粘着性の程度は、少なくとも一部は表面張力(例えば、静的摩擦の係数)および/または切断された表面の形状寸法(例えば、きめの粗さ)によって、決定することができる。
【0222】
2.4 形状寸法
発泡体インターフェース80は、全体的にクレードル形(すなわち、1方向湾曲)またはサドル形(すなわち、2方向湾曲)の形状寸法を有することができる。インターフェースは、形状寸法の目的機能によって、ある解剖学的領域に対処するように、一致するように、または計画的に一致しないように、2方向以上の湾曲および複雑な湾曲構成を有することもできる。
【0223】
図示された実施形態では、発泡体インターフェース80の上面は、患者の鼻と鼻の穴が係合する助けとなる2方向湾曲を含む、サドル形となっている。例えば、第1の方向の湾曲(例えば、
図15−1の前面図を参照)は患者の鼻の翼状角度を形成する解剖学的構造に対応する構造となっており、第2の方向の湾曲(例えば、
図15−2の側面図を参照)は、患者の鼻の鼻唇角度を形成する解剖学的構造に対応する構造となっている。第1および第2の方向の湾曲の程度は、追加のインターフェース厚さ(パイル)と組み合わせて、インターフェースの機械的特性に追加の応従性を提供するためにトレードすることができ、例えば、接面する(例えば、鼻および顔の)解剖学的構造に対して、快適かつ効果的にハグ、係合および密閉するのに十分な柔らかさおよび厚さを有するインターフェースでは、第1および第2の湾曲方向を省略することができる。
【0224】
代替実施形態では、インターフェースが(上記の第1および第2の方向の湾曲のない)平坦な上面を有する形状寸法を使用して、効果的に密閉するように、発泡体の機械的特性を調節する(例えば、より柔らかくする)ことができる。
【0225】
別の実施形態では、フレーム、裏当て、または発泡体が取り付けられた他の支持構造によって、発泡体の湾曲および形状を設けることができる。
【0226】
当分野で既知のほとんどの密閉インターフェース(基本的にシリコーンインターフェース)は、膜状である。それらは長く、薄く、可撓性である。膜の断面はアスペクト比(長さを幅または厚さで割ったもの)が高く、したがって、膜材料の柔らかさと組み合わされて、膜の長さに沿ってよじれやすく、幅にわたって曲がりやすい。膜は一般に、よじれやすく、膜の長さ方向に圧縮荷重を支えられない(材料は圧縮する前によじれる)ので、膜の長さに沿って圧縮しない。このよじれやすさおよび曲がりやすさによって、膜タイプの密閉を、特に顔に対して(一般に)接線方向にあるとき、顔の解剖学的構造の変化に順応および適合させることができる。マスク内部の空気圧力は、顔に対する支持反力を、膜にもたらすことが知られている。
【0227】
本発明の態様による鼻下インターフェースは、膜ではなく、そのように機能するものではない。その断面形状は、アスペクト比が低く、
図15−1から15−2に図示するように、ほぼ正方形、長菱形、長方形、またはダイアモンド形である。他の実施形態では、断面は、製造プロセスで可能な実現性によって、円形、長円形、または他のより有機的な形状とすることができる。インターフェース断面は、長くなく、薄くもないので、膜のようには機能せず、圧縮密閉として機能する。したがって、インターフェース断面は、従来の膜密閉のように主によじれやすさに頼って顔に対して(接線方向に)順応するのではなく、柔らかさおよび顔に対して法線方向の応従性に頼って、接面する顔の解剖学的構造に順応する。本発明のインターフェースはまた、インターフェース構造を支持し、および/または密閉を形成するのに、空気圧力には頼らない。断面の十分な厚さが円形または環状の断面形状と組み合わされると、大部分が自立し、上記で述べたように、発泡体の密閉構造が空気透過性である場合、圧縮力は加圧された空気(空気ばねの堅さ)の増分関数である。インターフェースはマスク空洞内部の空気陽圧によって外向きに変形することができるが、この変形は、インターフェースを、接面する解剖学的構造に係合させることができるという特徴であり、例えばインターフェースの形状は、圧力下で変化して、患者の顔の形状により密に近づくことができる。
【0228】
2.4.1 ウィング付きの発泡体インターフェース
図15−3−1から15−3−4は、本発明の実施形態による発泡体インターフェース2220を含む患者インターフェース2210を示す図である。この実施形態では、全体を参照によって本願に援用する特許文献12に開示されているような、既存の鼻アセンブリに、発泡体インターフェース2220が組み込まれている。例えば、ノズルを既存のアセンブリから取り外すことができ、(例えば、シリコーンから作製された)残りの基部部分または円筒形支持部を、発泡体クッションを組み込むように修正することができる。
図15−3−1から15−3−4は、基部部分2230上の発泡体インターフェース2220を示す図であり、基部部分2230は比較的剛性のフレーム2235に設けられ、ヘッドギア2240によって患者の顔の上に維持されている。
【0229】
2.4.2 「ウィング」
図15−3−5−1から15−3−5−3に示すように、発泡体のブロックから切断された発泡体インターフェースは、全体的に山形、デルタ、ブーメランまたは曲折アクセント記号形状を有することができる。山形の全体的な幅w(
図15−3−5−1に示す左から右まで)は約6cmから9cm、好ましくは8cmとすることができる。山形の高さh(
図15−3−5−1に示す上から下まで)は、約3cmから5cmとすることができる。インターフェース厚さt(
図15−3−5−1に示す通り)は、約15mmとすることができる。
【0230】
発泡体インターフェースは、安定性、特にインターフェースの横側安定性を使用の際にもたらす、横側部分または「ウィング」を含むことができる。
図15−3−5−1から15−3−5−3は、本発明の実施形態によるウィングを含む、3つの発泡体インターフェース2220.1、2220.2、2220.3を示す図である。図示するように、それぞれのインターフェース2220.1、2220.2、2220.3は、本体2222および本体2222から延びる穴2223およびウィング2224を含む。
図15−3−5−1では、インターフェース2220.1は比較的平坦であり、
図15−3−5−2および15−3−5−3では、インターフェース2220.2、2220.3は湾曲または曲線に形成されており、例えばウィング2224は本体2222に対して湾曲または曲線に形成されている。
【0231】
実施形態では、多様な患者にとってウィングが鼻の幅より広くなるように、ウィング2224は十分に幅広となっている(例えば、8cm)。さらに、使用の際、ウィング2224は、患者の鼻の周りにラップまたはハグ効果をもたらすように適合されている(例えば、
図15−3−1から15−3−4を参照)。例えば、ウィングは患者の鼻の横側面を超えて横方向に延び、および/または可能であれば患者の鼻の先端を含み、横側面の上を縦方向に延びることができる。
【0232】
ウィングは患者の鼻の両側で、顔の溝−頬の下側と上唇の間の領域に形成された皺−に係合するように作製および配置されている。例えば、
図15−3−4は、患者の鼻の両側で、そのような顔の溝または皺と係合されたウィング2224を図示している。
【0233】
本発明の他の形態では、側面安定化部分を主インターフェースと別個にすることができる。例えば、本発明の実施形態による頬パッドを発泡体から形成することができる。
【0234】
2.4.3湾曲
インターフェースは平坦な形状へと切断することができるが、好ましくは1方向または2方向の湾曲を与えるように、切断または保持される。インターフェースが2方向に湾曲しているとき、インターフェースの形状寸法は「サドル」形となっている。
【0235】
実施形態では、発泡体は所望の湾曲を有するように切断することができる。別の実施形態では、所望の湾曲は、インターフェースを平坦な形状に切断し、次いでインターフェースを所望の湾曲を有する表面などの支持構造に接合する(または他の方法で接着する)ことによって達成することができる。発泡体は順応しやすいので、容易に接着された表面の形状をとる。例えば、
図15−3−6および15−3−7は、
図15−3−1から15−3−4を参照して説明したような、基部部分2230上の発泡体インターフェース2220を示す図である。基部部分2230の上側面は、発泡体インターフェース2220の所望の湾曲を形成する、曲線表面となっている。
図15−3−8は、支持リング2231に設けられた発泡体インターフェース2220を図示する。支持リング2231の一方の側は、発泡体インターフェース2220の所望の湾曲を形成する曲線面となっており、支持リング2231の反対側は、発泡体インターフェースをマスクフレームに取り付けるための構造となっている。全体的に平坦な形状とすることの利点は、自動化された製造を容易にすることである。
【0236】
幅は、いくつかの剛性または半剛性の材料または積層材料によって、発泡体の背面(すなわち、患者と接触しない側)で支持することができる。
【0237】
発泡体が接着される表面は、発泡体をマスクフレームに取り付けるために使用することができる。
【0238】
1つの形態では、ResMed社のSWIFTマスクが適合されており、
図15−3−1から15−3−4を参照して上記で説明したような、発泡体インターフェースがクッションのシリコーンバレルに直接接着されている。
【0239】
それぞれの実施形態では、使用の際に患者の顔に順応しやすいように、突起端部部分またはウィングは付着せず、または垂れたままとすることができる。
【0240】
2.4.4代替の患者インターフェース
図15−3−9−1から15−3−9−3は、本発明の実施形態による代替の患者インターフェース2310を示す。この構成のマスクアセンブリは、2007年10月22日に出願された特許文献13に概要が説明されており、その内容全体を相互参照によって明示的に援用する。図示するように、マスクアセンブリ2310は、支持構造またはフレーム2335、フレーム2335の一方の側に設けられた発泡体インターフェース2320、およびフレーム2335の他方の側に設けられた複数の換気部2352を含むエルボー2350を含む。フレーム2335のそれぞれの横側面は、ヘッドギアストラップを取り付けるように適合された、スロットの形態のヘッドギアコネクタ2337を含む。さらに、フレーム2335は、発泡体クッション2320を脱着可能に結合する、連結解除ジョイント2339を含む。図示するように、フレーム2335の横側面は、発泡体インターフェース2320の所望の湾曲を形成するように湾曲している。
【0241】
2.5 厚さ
実施形態では、発泡体が患者の鼻の底部の下および周りで、ハグまたはラップ効果によって変形することができるように、発泡体は、発泡体の硬度および粘弾性によって、約5〜20mm、例えば、15mmの厚さを有することができる。他の実施形態では、密閉インターフェースを形成する発泡体の層の数およびそれぞれの層の機械的特性(例えば硬度など)によって、厚さをそれに応じて、例えば5〜50mm、10〜30mm、14〜20mmなど、変化させることができる。例えば、発泡体の皮膚接触層の厚さを非常に柔らかく非常に薄くすることができ(例えば、1〜3mm)、順応層をより硬く厚くすることができる(5〜20mm)。発泡体の、より硬く、薄さが同じまたはより薄い(例えば、1mm未満)層は、取り付け機構として作用する層として機能することができる。
【0242】
発泡体の厚さは、発泡体の硬度と組み合わされて、インターフェースの機械的順応性を決定することができる。より柔らかい発泡体は、より厚い厚さと組み合わされることによって、特に当分野で既知のシリコーン密閉と比較して、さらなる機械的順応性および装着範囲をもたらすことができる。発泡体の密度、硬度、および厚さは、設けられた発泡体の厚さを完全に圧縮することなく、治療圧力および快適な装着を与えるインターフェースを達成するように、制御することができる。発泡体の寛容で応従的な性質により、当分野で既知の他のインターフェースに対して、サイジングの統合、さらにはフリーサイズのインターフェースを提供できる可能性もあるという、明確な利点が得られる。すなわち、インターフェースで使用される材料の柔らかさおよび応従性によって、同じまたは少ない数のサイズで、さらにより多くの人々が、インターフェース構成要素を装着することができるようになる。
【0243】
本発明の実施形態による発泡体の適切な厚さは、約5mmより大きく、例えば、好ましくは約10〜15mmである。クッションが薄すぎる場合、使用の際に十分なクッション効果が得られず、マスクを顔の上で安定化し、維持する際に使用される力がかかると、圧縮して平坦になることがある。他の形態では、発泡体は、他の特徴との組合せによって、約5mm、約10mm、約20mm、約25mm、または約30mm、またはそれ以上の厚さを有することができる。別の実施形態では、約10mmより大きい厚さとすることができる。例えば、より柔らかいクッションでは、より厚い厚さが必要となる。使用の際、クッションは、ヘッドギアストラップからの高い張力を使用せずに、圧縮し患者の顔との密閉を形成するように適合されており、すなわち、ヘッドギアからのストラップ張力にそれほど頼らずに密閉力を形成する。
【0244】
2.6 穴
好ましい実施形態では、発泡体インターフェース80は、患者の両方の鼻孔と接面するように適合された1つ穴84を含む(例えば、
図13−1から13−2を参照)。特に、インターフェースが、例えば鼻孔を取り囲み、または一部を塞ぐなどして、左右両方の鼻孔の開口部の周りを圧縮し、穴84が鼻気道と空気連通するようになっている。代替実施形態では、空気連通は2つまたはそれより多い穴を経由することができる(例えば、2つ穴で、それぞれの鼻孔に1つを使用する)。実施形態では、穴84の輪郭形状は、全体的に円形、長方形、角の丸い長方形、三角形、長円形、または楕円形とすることができる。しかし、例えば角の丸い三角形、角の丸い台形、角の丸い長菱形など、他の適切な穴形状も可能である。好ましい実施形態では、穴は構成要素の外側輪郭形状と一致するが、しかし穴の輪郭形状と外側輪郭形状は大きく異なる形状とすることもできる(例えば、外側輪郭形状を長円形とし、内側輪郭形状を三角形とすることができる)。代替実施形態では、発泡体インターフェースは、穴のない発泡体のブロックを含むことができ、患者の鼻へ十分な空気の流れが可能となるように、気道の開口部に隣接する発泡体の透過性を、十分に高いものとすることができる。
【0245】
2.7 接面経路
図示された実施形態では、発泡体インターフェース80の上側外周が、例えば鼻または外鼻孔の外側に接面するなど、鼻の下側の幅を囲む、接面経路Pを形成している(例えば、
図13−1から13−2を参照)。
【0246】
例えば、発泡体インターフェースは、鼻の下側に係合するように設計することができる。インターフェースの形状寸法は、全体的に環状であるということができ、上面図で見ると、内周囲および外周囲を有する。インターフェースの(穴を画成する)内周囲は鼻孔を囲むことができ、または鼻孔の一部を塞ぐこともでき、インターフェースと鼻孔との位置合わせはそれほど重要とはならない。内周囲と外周囲との間の領域は、より均一に分布された圧力および小さい力が顔の上にかかるように、当分野で既知の他のインターフェース(例えば鼻プロングなど)と比較して、顔のより広い領域に係合する。外周囲は、鼻の下側輪郭内にくるようにすることができ、または鼻自体の幅と形状寸法がほとんど一致することができる。好ましい実施形態では、外周囲は鼻の下側輪郭の外側にあり、インターフェースに鼻幅の周りでラップまたはクレードル効果がもたらされることによって、装着の安定性および納まりの良さが高くなる。これは、主観視点以外から見たとき、製品の目障りでない視覚的印象を助けることができる。あるいは、インターフェースの外周囲は、鼻幅の周りでハグまたはラップ効果をもたらし、鼻の下側輪郭の外側にくるように設計することができる。インターフェースの外周囲が鼻より幅広である場合、この構成によってインターフェースの安定性および納まりの良さを向上させることができる。これは、特に第1の方向の湾曲またはV字形と組み合わされると(顔と向かい合わせに見て)、インターフェースの装着の直感性が高くなることもできる。インターフェースは、鼻に対してぴったりと納まるように、自己位置合わせする機構および直感的に場所を見つけることを特徴とする。
【0247】
実施形態では、発泡体インターフェースは鼻孔の下にくる構造であり、インターフェースの角度または接面するベクトルは、従来の鼻上インターフェースに典型的な、直接後向きに顔面へと向かうのとは対照的に、より斜めに、頭頂部に向かって上向きとなっている。
【0248】
例えば、
図16−1に示すように、患者インターフェースは、第1のループLP1(例えば、送気チューブ)および使用の際に第1のループLP1に連結される第2のループLP2(例えば、バックストラップ)を含むことができる。図示するように、第1のループLP1は、患者の鼻の下側に沿い、頬領域に沿い、耳の上を通り、患者の頭頂部の上を通り、患者の鼻の下側に対して密閉力を画成する。第2のループLP2は、ほぼ後頭骨の上を通り、第1のループLP1と40度から80度の間(例えば60度など)の角度αでヘッドギアのベクトルを画成する。
【0249】
別の実施形態が
図16−2から16−3に示されており、接面ベクトルをより後向きの角度にするように適合された、発泡体インターフェースを支持するためのフレーム222を概略的に示している。剛性化要素を含むチュービングと組み合わせると、これは密閉力と、患者インターフェースを頭部上で安定化させる力を分離させることができる。したがって、より大きな安定化力が患者の上唇の上および頬領域の上で支持されると、これらの力のより明確な制御および調節が可能になる。したがって、接面ベクトルはそれほど強制的でなく患者の鼻に向かい、患者の快適さが増す。別の実施形態では、インターフェースに隣接するヘッドギアに耐荷重特徴を設けることによって、上唇にかかる安定化力を減らし、頬領域により大きな力がかかるようにすることができる。これにより、非常に柔らかいインターフェースを鼻に向かってきつく引き付けすぎる必要なしに、頭部上でのマスクシステムのより大きな安定性が得られる。耐荷重特徴は、発泡体インターフェース構成要素の一体部品を形成し、ヘッドギアの(例えば、内側の)顔と接触する表面に沿って延びることができる。これらは、永久的またはインターフェースを分離するよう脱着可能に、ヘッドギアに固定することができる。
【0250】
さらに、フレームによって形成される表面積を小さくすることができ(例えば、顔にかかる幅を狭くする、直径を小さくするなど)、効果的なインターフェースを達成するために患者の顔にかかる反力をより小さくすることができる。
【0251】
2.8 通気性
本発明の実施形態によると、発泡体インターフェースは、インターフェース材料(例えば、発泡体バルク構造)を通って、およびインターフェースと患者の皮膚の間(例えば、発泡体の切断された表面)を通って、計画的な量の空気流を可能にする、通気性または透過性の発泡体を含むことができる(例えば、切断された表面および/または被膜の排除による)。顔の周りに溜まる汗を減らし、皮膚を乾いたままに保ち、およびインターフェースと接触する、インターフェース周囲の皮膚の温度を適度にすることによって、患者の快適さおよび応従性が増す。理想的には、空気流は、顔に着用されるとき、皮膚の過剰な乾燥およびインターフェース周囲の解剖学的構造の冷えを起こさせる量より少なくなるように設計されている。
【0252】
すなわち、発泡体の構造によって呼吸性のインターフェースが提供され、患者とインターフェースの接触する接面で結露の堆積および関連する炎症を避けることができるようになっている。発泡体は、接触面が比較的乾燥して快適に維持されるように空気循環を生成する助けとなる、発泡体構造/母材を通る意図的/制御可能な漏洩を有する(例えば換気流の約10%、換気流の30〜40%など)、「漏洩性の」インターフェース(例えば、換気流の割合によって測定される)を提供する。発泡体によってもたらされる漏洩の量は、例えば快適さ、皮膚の乾燥、および/または不快感によって決まる。
【0253】
実施形態では、発泡体インターフェースは、例えばインターフェースの外周囲の周りの空気流の透過性または通気性を変化させるなど、予測可能なあらかじめ定められた限界および物理的な場所の範囲内で漏洩するように作製することができる。また、発泡体の材料は、例えばいくつかの領域では水分の堆積を防ぎ、他の領域では水分を助長し、例えば鼻の近くで湿気を与えるなど、水分を管理するように選択することができる。疎水性および親水性(例えば、吸放湿性)材料(または同様の特性をもたらす加工処理)も選択肢に含まれる。患者の皮膚から水分または汗を「引き出す」ように適合された吸放湿性の発泡体は、皮膚の損傷、圧力による痛み、および/または潰瘍を減らすことができる。
【0254】
発泡体は、発泡体の容積を通る空気透過度と発泡体の表面を通る空気透過度が異なるという特徴を有するように設計することができる。発泡体は、本体では不透過性で、接面する表面のみを透過性とすることができる。反対に、発泡体は、本体では透過性で、接面する表面では不透過性とすることもできるが、密閉特色は異なるものとなる。例えば、本願で説明された、切断された気泡構造の発泡体インターフェースは、通気性がありながらも、代替の接面および/または密閉特色を達成することができる。発泡体はまた、全体が不透過性の構造とすることもでき、または、例えば空気流が目に入るなど、空気流の透過性を避けたい特定の場所では不透過性とすることができる。
【0255】
通気性のインターフェースは、従来のインターフェース材料に対し、動的インターフェース性能(すなわち、患者がベッドで寝返りを打つことによる大きな動きに耐え、インターフェースを維持する能力)を改善することができる。これは、インターフェース表面と患者の皮膚との間に少量の空気流が既に流れているため、大きな動きを受けたときインターフェース機構に及ぼされる影響が、従来のシリコーン密閉と比較して少ないことによる。シリコーンは、安定した動的密閉を提供するために、患者の皮膚に「粘着する」能力に頼っている部分がある。したがって、シリコーン密閉が皮膚表面に沿って接線方向に動かされると、よじれて完全に皮膚から剥がされることになり、装着によって密閉するように設計された形状に戻すために、通常は顔に着け直される。すなわち、シリコーン密閉は、インターフェースの着け直しを要する変位または大きな動きを受けると、急激な漏洩が生じる一方、通気性の発泡体インターフェースは、インターフェースがよじれた形状から(例えばインターフェースに対する顔の動きから)回復するために発泡体インターフェースを患者の顔に着け直すことを必要とせずに、特性を取り戻すことができるインターフェースを提供する。これは、インターフェースが接面および/または密閉を膜の機構に頼らないことの結果でもある。インターフェース断面の幅は、一般に、膜の厚さより1桁大きいもの(0.35〜1.0mmと比較して、好ましくは5〜12mm、より好ましくは8〜10mm)とすることができる。インターフェースはより大きい幅にすることによって、より大きい面積で患者の顔に係合でき、それにより、動きや患者の顔の凹凸面によるインターフェース機構の部分的なずれやすさが少なくなる。さらに、発泡体インターフェースの切断された表面は、顔へと圧縮されるとき、表面全体の張力の伝達が少なく、これは、顔の上で動いたとき皺がよることによって漏洩を生じやすいシリコーン膜密閉に対して、動的密閉性能の向上となる。
【0256】
代替実施形態では、発泡体インターフェースは被膜された表面を有することができ、被膜された表面を透過性として、切断された被膜されていない表面の発泡体インターフェースと同様の効果を得ることができる。例えば、被膜された表面は、通気性のポリウレタン被膜、透過性のある膜、テクスチャをつけた表面、スプレー式の多孔性コーティング、有孔の被膜、および/または繊維の形態とすることができる。別の例では、
図13−8に示すように、発泡体インターフェース80は被膜された表面SSを有することができ、透過性をもたらすために発泡体内部から大気中へと換気部81が延びることができる。
【0257】
図14−2は、本発明の実施形態による発泡体インターフェースの特性を示すグラフである。図示するように、発泡体インターフェースは、インターフェースにかかる力(圧縮および伸長)が増加すると、漏洩が減少する構造とすることができる。また、患者の顔から遠ざかる動きによって起きる漏洩流による問題は最小限である。
【0258】
2.9 応従性
発泡体インターフェースは、シリコーンおよび当分野で既知の他の材料から作製されたインターフェースと比較して、多種多様な顔の形状寸法に対応することを可能にする、(機械的に)応従的な性質がある。この構成によって、患者の人々が装着するのに必要なサイズの数を統合できる可能性が考えられ、例えばフリーサイズのインターフェースにできる可能性もある。
【0259】
バルク材料の機械的応従性により、発泡体の密閉は、非発泡体の密閉と比較して、多様な顔の形状に容易に順応する。
【0260】
応従性を定量化することのできる1つの方法は、所与の直径のシリンダーの周りにバルク材料が巻き付く程度を測定することである。より詳細には、バルク材料がシリンダーの周りに巻き付く角度をシリンダーの長手方向軸に対して測定することができる。
【0261】
本発明の実施形態による好ましい発泡体は、切断されたまたは被膜されていない患者接触面を有し、8〜14mmの厚さ、40〜70kg/m
3の密度を有する。
【0262】
すなわち、発泡体インターフェースは優れた機械的応従性をもたらすことができ、(例えば、従来の鼻インターフェースおよびフルフェイスインターフェースと比較して)接面領域がより複雑でなく、人体計測のバリエーションがより少ないという事実と併せると、インターフェースに優れた装着品質を与えることができる。発泡体は、インターフェースを損なうことなく(例えば、よじれ、皺など)、および患者に不快さを与えることなく(例えば、より少ない、より均一な圧力が顔にかかる)、適切なサイズおよび形状に変形することができる(例えば、局所的な変形)。さらに、応従性の高い発泡体は、特にシリコーンインターフェースと比較して、所与の形状寸法(例えば、サイズなど)で、多様な人々に装着およびインターフェースする。さらに、発泡体インターフェースの機械的応従性によって、患者インターフェースの設計をヘッドギアからのストラップ張力により頼らないものとすることができる。実施形態では、患者インターフェースは、送気および安定化システム(例えば、ヘッドギア)を装着し、次いで正確な調節を必要とせずにインターフェースに患者の鼻と通じる場所を見つけさせることによって、患者の顔に装着することができる。すなわち、発泡体インターフェースは、不正確な装着にも、より良く対応する。
【0263】
発泡体の応従的な性質はまた、(例えば、最初の装着時、または患者が動いたり睡眠中に寝返りを打ったりするとき)、インターフェースを損なうことなく、および患者に不快適さを与えることなく、発泡体が患者の顔に素早く適合できるようにする。すなわち、発泡体は位置合わせのずれに対して、より大きい許容性を有する。
【0264】
2.10 温暖
発泡体インターフェースは、例えば寒い夜に毛布の中で呼吸するのと同様に、呼気時に患者の鼻孔に温感を与えることができる。この構成により鼻プロングまたは鼻ピローインターフェースの使用者の一部が経験する、「フローズンノーズ」作用を減らすことができる。実施形態では、発泡体インターフェースは、患者の顔の他の領域にも温感を与えるために、例えば、送気チューブと口付近または口から延びる患者の頬との間を上頬領域に沿って、患者の顔の側面に沿って延びる、延長側面部分を含むことができる。
【0265】
2.11 層
実施形態では、インターフェース構造は、全体を参照によって本願に援用する、特許文献12に記載されているような円筒形の支持体など、例えば壁厚が約1.5mmの40ショアAのシリコーンのシェルなど、より堅い構造に取り付けられた、柔らかい発泡体を含むことができる。
【0266】
別の実施形態では、インターフェース構造は、それぞれ層がある機能を持つ、複数の層を含むことができる。例えば、
図17−1は、4つの機能の層を含むインターフェース構造を概略的に示している。第1の層L1は、患者の顔および/または鼻の皮膚に対して快適な密閉を提供する構造の皮膚接触層を表す。第2の層L2は、患者の鼻の解剖学的構造に簡単に順応する構造の順応層を表す。第3の層L3は、インターフェースの全体的な形態を保持するようにインターフェースを支持する構造の形態保持層を表す(L1およびL2層の柔らかさは、荷重がかかった状態での自立には十分でないため)。第4の層L4は、例えばフレーム、シェルなど、インターフェース構造を患者インターフェースに維持し/取り付ける構造の維持/取り付け層を表す。
【0267】
簡潔性のために、できるだけ少ない物理的層または構成要素によってすべての機能が提供される。例えば、皮膚接触層L1および順応層L2の機能性は、皮膚への快適な感触および鼻の下側の周りに順応するための適切で豪華な圧縮特性の両方を含む1つの材料によって提供することができる。別の例では、L3層の強化機能性およびL4層の取り付け機能性を、(L4)取り付け機構によって、および/または機能層を互いに接合するのに使用された基板(例えば接着剤など)によって、提供することができる。
【0268】
実施形態では、
図13−1および13−2に示すもののように、切断された気泡構造の発泡体インターフェース80が第1および第2の層L1、L2の機能性を提供することができ、円筒形の支持体82(例えばシリコーン製など)が第3の層L3の機能性を提供することができ、フレームに取り付けるためのループ材料が第4の層L4の機能性を提供することができる(後述)。
【0269】
別の実施形態では、L3の形態保持層は、より効果的で快適な形状寸法にするためにインターフェースを手で変形することができるように、適応性のある材料(例えばアルミニウムワイヤなど)を含むことができる。
【0270】
代替実施形態では、第1の層または皮膚接触層L1は、例えば快適さ、把持、代替の吸放湿特性、および/または代替の空気透過性のために、繊維(または他の適切な通気性の材料)でフロック加工し、または覆うことができる。
【0271】
2.12 取り付け機構
図示された実施形態では、インターフェース構造20は、送気および安定化システム30とは別個の構成要素である。したがって、インターフェース構造を送気および安定化システムに固定する(例えば、脱着可能に固定する)ために、取り付け機構が設けられる。上記のように、取り付け機構の一部分は、インターフェース構造の維持層4Aを形成することができる。
【0272】
2.12.1 一般物理要件
インターフェース構成要素は一般に、患者インターフェースの残りの部分とは別個の構成要素である。これは、以下を含む多くの理由による:インターフェースの形状寸法は通常複雑であり、患者インターフェースの他の構成要素と組み合わせて製造することは難しい;インターフェースは通常、多くの人体計測バリエーションに対応する必要があり、そのため、バリエーションのすべての範囲をカバーするために、いくつかの代替可能なインターフェースサイズがある; インターフェースは耐用寿命中、何度も洗浄を必要とする可能性があり、インターフェースを脱着可能とすることにより、より徹底した洗浄が可能になり、清浄がより簡単な作業となる;および/またはインターフェースは患者インターフェースの残りの部分より交換頻度が高く、交換を行うために脱着式とする必要がある。
【0273】
取り付け機構は、特に患者の年齢および知力および体力が様々である可能性を考慮して、患者によって行われるすべての組立ておよび分解作業ができるだけ簡単な構造である。
【0274】
組立てを簡単にするために、向き、位置合わせ、および力の要素が設計の際に考慮される。実施形態では、インターフェースは、(例えば、できるだけ多くの(例えば2つの)異なる向きで、機能的に正しい取り付けができるように)できるだけ非対称性が少なく、取り付け方法について直感的な手掛かりがあり(例えば、自己位置合わせまたは自己方向付け)、扱いが難しくないサイズ、形状、およびテクスチャであり(例えば、最小限の器用さを要する)、位置合わせのずれに対して許容性があり、できるだけわずかな力で組み立てられ、および/またはできるだけわずかな力で分解される。機構からの力フィードバックは、通常、組立てが行われており適正であることを、使用者に示すことができる。組立てにはできるだけわずかな力しか必要としないが、正しい組立ては患者にはっきりと分かるべきである。
【0275】
組立て力が非常に小さい場合、分解力は組立て力より大きく、不注意による分解が起きないようにするべきである。分解力は、患者インターフェースのインターフェース構成要素または他の構成要素を損傷する危険があるほど大きくてはならない。
【0276】
患者インターフェースのフレームへのインターフェースの取り付けでは、空気漏洩がなく(例えば、密閉するなど)、または治療の圧力範囲に対して少量の既知の量の空気漏洩とするべきである。
【0277】
実施形態では、
図17−2に示すように、発泡体インターフェース80を、発泡体インターフェースをフレームFに維持するように適合された基部Bに設けることができる。図示するように、基部Bはフレームの入口より十分に長く(例えば、基部の長さDは、フレーム入口の長さdより長い)、基部Bが入口を通ってフレームFに設けられたスロットSへと入り、動作可能位置に維持されるように、弾力的にねじ込まれ、および/または単純に操作されるようになっている。
【0278】
別の実施形態では、
図17−3Aから17−3Cに示すように、機械的締着タイプの取り付け機構によって、インターフェース構造を患者インターフェースに脱着可能に取り付けることができる。図示するように、(例えば、発泡体インターフェース180の形態の)インターフェース構造の下面に基部B(例えば堅い積層)を設けることができ、患者インターフェースのフレームに取り付け構造ATを設けることができる。
【0279】
図示するように、フック部分HPが、取り付け構造ATの内縁から延びている。使用の際、基部Bは、例えば機械的締まり嵌めによって、フック部分HPの上に弾力的に伸長され、および/または単純に操作され、動作可能位置に維持される。
図17−3Cに示すように、フック部分HPの自由端部185が、不注意による外れを防ぐために基部Bの内縁の上に張り出している。
【0280】
また、フック部分HPの自由端部185は、密閉を形成するために発泡体インターフェース180に押し付けられる内側リップとなっている。したがって、基部Bおよび取り付け構造ATは、インターフェース構造とフレームの取り付けおよび周方向密閉を提供する。
【0281】
図示された実施形態では、基部Bおよび取り付け構造ATはそれぞれ、全体的に平面構成であり、基部Bおよび取り付け構造ATの輪郭は、例えば細長いまたは長円形のリング形など、インターフェース構造の下面の輪郭と実質的に同じである。
【0282】
図示するように、基部Bおよび取り付け構造ATの外縁は、発泡体インターフェース180の下面の外縁と実質的に位置合わせする。取り付け構造ATの内縁は、例えばフック部分HPにより、発泡体インターフェース180の下面の内縁よりわずかに外側とすることができる。
【0283】
しかし、他の適切な外周境界も可能である。例えば、基部Bおよび取り付け構造ATの、インターフェース構造の下面に対する範囲は、下面の形状寸法の輪郭の内縁および外縁と一致、それより内側、またはそれより外側とすることができる。実施形態では、基部および取り付け構造は、使用の際に基部および取り付け構造が患者の上唇と接触しないように、下面の外縁より内側とすることができる。
【0284】
機械的締着タイプの取り付け機構は、他の適切な構成を有することができる。例えば、機械的締着タイプの取り付け機構は、スリーブ部分を備えた内側リップ;角度部分を備えた内側リップ;単一の補強層を備えた外側リップ;二重の補強層を備えた外側リップ;単一の発泡体層を備えた押し込み嵌め;または二重の発泡体層を備えた押し込み嵌め、を含むことができる。
【0285】
さらに別の実施形態では、接着剤タイプの取り付け機構によって、インターフェース構造を患者インターフェースに脱着可能に取り付けることができる。例えば、(発泡体インターフェースの形態の)インターフェース構造の下面に、インターフェース構造を患者インターフェースのフレームに脱着可能に取り付けられるようにする、接着剤(例えば感圧接着剤(PSA))を設けることができる。
【0286】
実施形態では、下面およびそこに設けられた接着剤(例えば、PSA)は全体的に平面構成とすることができる。別の実施形態では、下面および接着剤は、第1の方向に沿って湾曲することができる。別の例示的な実施形態では、基部および接着剤は、例えばセンタリング動作に対してサドル形にするなど、2つまたはそれ以上の方向に沿って湾曲することができる。
【0287】
接着剤の、インターフェース構造の下面に対する範囲は、下面の形状寸法の輪郭の内縁および外縁と一致、それより内側、またはそれより外側とすることができる。実施形態では、製造を簡単にするために、接着剤は輪郭の両縁と一致させることができる。別の実施形態では、接着剤は、使用の際に接着剤が患者の上唇と接触しないように、下面の外縁より内側とすることができる。
【0288】
別の実施形態では、例えば、取り付け機構があらかじめ定められた期間で故障し、したがってインターフェースの交換が必要になるなど、取り付け機構はインターフェースの耐用寿命を操作する構造とすることができる。
【0289】
別の例では、付勢されたフラップ部分を含む射出成形した構成要素を、発泡体インターフェースに設けることができる。フラップ部分は、フレームの開口の周りに取り付けまたは把持するように適合されている。
【0290】
さらに別の例では、発泡体インターフェースは周方向溝を含むことができ、フレーム縁が舌部として作用する。連結点で発泡体を硬くするために、発泡体インターフェースに熱および/または圧力を加えることができる。
【0291】
別の実施形態では、使用の際にインターフェースがフレームと患者の顔との間に挟まれるので、重要な取り付け機構を設けなくてもよい。
【0292】
2.12.2 フックおよびループ材料
実施形態では、取り付け機構は、例えばVelcro(商標)など、フックおよびループ材料の形態とすることができる。例えば、フレームにフック材料を設けることができ、インターフェース構造の下面または基部に、例えばUnBrokenループ(UBL)などのループ材料を設けることができる。例えば、円筒形の支持体82の下側に、例えば接着剤によって、ループ材料を設けることができる。
【0293】
フックおよびループ材料のこの構成は、逆にすることもできるが、交換頻度の高いインターフェースに関しては、フックおよびループ材料の耐久性が低い方、すなわちループ材料を、インターフェース構造に取り付けることが好ましい。フックおよびループ式の取り付け機構によって、組立て/分解のための力をほとんど必要としない直感的な組立てが可能である。
【0294】
フックおよびループ式のインターフェースは、一般に気密ではない。したがって、本発明の実施形態によるフックおよびループ式のインターフェースは、組立て動作間に、一定の範囲内で繰り返される少量の既知の量の漏洩を含むことができる。
【0295】
代替実施形態では、取り付けおよびインターフェース・フレーム間の密閉機能を、別個に実施することができる。例えば、フックおよびループ式のインターフェースを取り付けのために使用することができ、柔らかい変形可能な閉ループの線形インターフェースを密閉のために使用することができる。フックおよびループ式のインターフェースによって、インターフェース構造とフレームの取り付けを行い、その際、ループ材料を、インターフェース・フレーム構成の向かい合う面の、柔らかい周方向密閉に押し付ける法線力を加える。インターフェース構造は、フレームに設けられたフック材料の上にくることができ、または隣接することもできる。
【0296】
別の実施形態では、ループ材料に対して押し付けるインターフェースまたは密閉の代わりに、ループ材料が、整合する滑らかなゴム/プラスチック表面を有し、インターフェースまたは密閉がそれに対して作用するようにすることができる。
【0297】
例示的な実施形態では、発泡体材料のシートを設け(例えば、スラブストックまたは発泡体材料のブロック(例えば、1m x 0.5m x 2mのブロック))、積層または他の方法でフック材料を発泡体シートに取り付け、およびインターフェース構造の所望の形状に形成するように発泡体シートを打抜くことによって、インターフェース構造を形成することができる。
【0298】
図17−4Aから17−4Cは、インターフェース構造を患者インターフェースに脱着可能に取り付ける構造のフックおよびループタイプの取り付け機構(例えば、Velcro(商標))の別の実施形態を示す図である。図示するように、(例えば、発泡体インターフェース180の形態の)インターフェース構造の下面にループ材料LPを設けることができ、患者インターフェースのフレームにフック材料HKを設けることができる。フックおよびループ材料の構成は逆にすることもできることが理解されよう。
【0299】
図示するように、密閉リップSLがフック材料HKの内縁から延びている。使用の際、フックおよびループ材料は互いに脱着可能に係合され、ループ材料LPが密閉リップSLに押し付けられて、密閉を形成する。したがって、フックおよびループタイプの取り付け機構によって、インターフェース構造とフレームとの間の取り付けを行い、密閉リップSLはインターフェース構造とフレームとの間の周方向密閉を行うように変形可能となっている。
【0300】
図示された実施形態では、フックおよびループ材料HK、LPはそれぞれ、全体的に平面構成であり、フックおよびループ材料HK、LPの輪郭は、例えば細長いまたは長円形のリング形など、インターフェース構造の下面の輪郭と実質的に同じである。
【0301】
図示するように、フックおよびループ材料の内縁および外縁は、発泡体インターフェース180の下面の内縁および外縁と実質的に位置合わせする。すなわち、フックおよびループ材料の外周境界は、製造を簡単にするために、例えば、インターフェースの下面の形状寸法の輪郭の縁と一致させることができる。
【0302】
しかし、他の適切な外周境界も可能である。例えば、フックおよびループ材料の、インターフェース構造の下面に対する範囲は、下面の形状寸法の輪郭の内縁および外縁と一致、それより内側、またはそれより外側とすることができる。実施形態では、フックおよびループ材料は、使用の際にフックおよびループ材料が患者の上唇と接触しないように、下面の外縁より内側とすることができる。
【0303】
フックおよびループタイプの取り付け機構は、他の適切な構成を有することができる。例えば、フックおよびループ材料は、上記のような平面構成であるが密閉リップを有さないことができる。別の例示的な実施形態では、フックおよびループ材料は、第1の方向に沿って湾曲することができる。別の例示的な実施形態では、フックおよびループ材料は第1の方向に沿って湾曲し、上記のような密閉リップを有することができる。さらに別の例示的な実施形態では、フックおよびループ材料は、例えばセンタリング動作に対してサドル形にするなど、2つまたはそれ以上の方向に沿って湾曲することができる。
【0304】
2.12.3 スナップオーバーによる低維持力
図18−1から18−3は、本発明の別の実施形態による鼻下発泡体インターフェース380をフレーム322に接続する方法を示す図である。この実施形態では、鼻下インターフェース380は、フレーム322にスナップオーバー嵌めによって取り付けることができる構造を有し、連結は鼻下インターフェース380とフレーム322との摩擦および/または機械的インターロックの力に頼っている。最終的なジョイントは限られた強度であるが、ジョイントの場所によって、患者とフレームとの間の力がジョイントを強化する助けとなることができる。
【0305】
図18−1および18−2に示すように、フレーム322は、フレームの長さに沿って湾曲する全体的に筒状の構造を含み、使用の際に、患者の顔の形状の輪郭に従いおよび/または順応するようになっている。
図18−2および18−3に示すように、鼻下インターフェース380は、フレーム322にスナップオーバー嵌めによって取り付けることができる構造である。特に、鼻下インターフェース380の裏面は、筒状フレーム322の一部分を中に受けるように適合された、長手方向軸に沿った溝387を含む。溝387の1つまたは複数の表面および/または縁は、フレーム322に摩擦および/または機械的インターロック嵌めによって係合するように適合されている。また、鼻下インターフェース380のそれぞれの端部は、長さに沿って湾曲しながらフレーム322の各端部部分を受けるように適合された、円弧形のカットアウト389を含む。
【0306】
2.12.4 PSAによるスナップオーバー
別の実施形態では、鼻下インターフェースまたは発泡体インターフェースは、感圧接着剤(PSA)によって、フレームに接続することができる。
図19−1から19−3は、本発明の実施形態による鼻下インターフェースの背面にPSAを付着するための製造プロセスを示す連続図である。
図19−1は未処理の鼻下インターフェース480を示し、
図19−2はPSA485が付着された後の鼻下インターフェース480を示し、
図19−3は鼻下インターフェース480上のPSA485に、脱着式裏当て486が付着された後の完成したサブアセンブリを示す図である。
【0307】
鼻下インターフェース480は、例えばスナップオーバー嵌めなど、
図18−1から18−3に示すものと同様の方法で組み立てることができる。対照的に、PSA485を露出するために、鼻下インターフェース480から裏当て486が組立て前に取り外されている。最終的なジョイントはPSA485によって力が増加する。PSAを選択するとき、PSAはフレームより鼻下インターフェースにより強く接着するように構成するべきである。すなわち、PSAの結合力は、接着剤強度より強いことが好ましい。この構成によって、例えば清浄または交換のために、鼻下インターフェースをフレームから引き離すとき、PSAはフレーム上ではなく鼻下インターフェース上にとどまることができる。
【0308】
2.12.5 溝またはアンダーカットによるスナップオーバー
図20−1から20−3は、本発明の別の実施形態による鼻下インターフェースまたは発泡体インターフェース580をフレーム522に接続する方法を示す図である。この実施形態では、鼻下インターフェース580は、反対側の側面に、フレーム522上に設けられた各凸部596と、例えばスナップ嵌めによって、嵌め合い、またはインターロックするように適合された、溝またはアンダーカット595を含む。最終的なジョイントは、例えば
図18−1から18−3に示すものに対して、ジョイント力が増加する。
【0309】
代替実施形態では、鼻下インターフェースは複合式スナップオーバー構成とすることができる。例えば、
図20−4から20−7は、本発明の実施形態による複合鼻下インターフェースを形成するための製造プロセスを示す連続図である。
図20−4では、粘弾性的発泡体部分1291は、患者インターフェースを提供する第1の側面および離間されたプラットホーム1293を提供する第2の側面を有するように形成される。
図20−5では、連結部分1297はそれぞれが溝またはアンダーカット1295を有するように形成される。連結部分1297は、例えば高密度発泡体、TPE、TPなど、粘弾性的発泡体部分1291より多くの弾力および構造を有する材料から作製される。
図20−6では、例えば熱溶解性接着剤など、接着剤1285が、発泡体部分1291のプラットホーム1293のそれぞれに付着される。次いで、
図20−7に示すように、連結部分1297は接着剤1285によって、発泡体部分1291の各プラットホーム1293に取り付けられ、複合鼻下インターフェース1280を組み立てる。使用の際、複合鼻下インターフェース1280は、例えば溝またはアンダーカット1295をフレームに設けられた各凸部とインターロックするなどして、
図20−1から20−3で説明したようなフレームに取り付けることができる。複合鼻下インターフェース1280は、粘弾性的発泡体だけよりも強いジョイント力を持つ構造の連結部分1297を形成する。複合鼻下インターフェースを作製するために、他の適切な製造プロセスを使用することもできることが理解されよう。
【0310】
さらに別の実施形態では、取り付け機構は、インターフェースの発泡体をフレームまたはシェルの受け溝内に受けることができる構造とすることができる。この場合の密閉および維持は、発泡体とフレームまたはシェルの溝との間の締まり嵌めに頼っている。非常に柔らかいインターフェース発泡体が、好ましくは積層され、または他の方法で、より硬いより高密度の発泡体(または他の構造)に接続され、溝と係合されると、より強いインターフェース力が得られる。
【0311】
別の実施形態では、取り付け機構は、柔らかいインターフェース発泡体の下側に接着された剛性または半剛性の構成要素によって、達成することができる。剛性/半剛性の構成要素は、例えばフレーム内/フレーム上でのクリップ留めなど、多くの機械的締まり嵌めを提供するように構成することができる。
【0312】
2.12.6 磁石構成
代替実施形態では、取り付け機構は、フレームおよびインターフェース構造を磁力で結合する磁石構成を含むことができる。
【0313】
2.13 構造上の応従性
2.13.1 背景
鼻の周りの形状は、急勾配の傾斜があり、これらの傾斜の間は角度の急な移行部がある。インターフェースを最も効果的にするために、インターフェースは、例えば密閉など、すべての表面と同一平面にする必要がある。例えば繊維インターフェースなど、低弾力構造では、インターフェースを達成しながら、最大の快適さが得られる。しかし、繊維インターフェースは一般に非常に薄く(例えば、2mm未満の厚さ)、それ自体では応従性を付加するために必要な特性を提供することができない。繊維インターフェースを患者の顔に順応させるために、支持構造が必要である。しかし、支持構造は繊維インターフェースに限定されず、すなわち、例を挙げると発泡体およびシリコーンインターフェースもまた、支持構造による利益を得ることができる。
【0314】
2.13.2 可撓性のフレーム
実施形態では、インターフェースを、例えば射出成形されたシリコーンフレームなど、可撓性材料から作製されたフレームに取り付けることができる。フレームのそれぞれの端部は、各チューブ42に取り付けられている。可撓性のフレームは、患者の顔に引き付けられると、例えば患者の鼻を締め付けることなく周りに巻き付くなど、患者の顔に順応することができる。
【0315】
フレームは堅さの異なる材料から作製することができる。フレームがシリコーンから作製される場合、この構成は、単に異なるショア硬度のシリコーンを使用することによって、達成することができる。
【0316】
例えば、
図21−1から21−3は、本発明の実施形態による鼻下インターフェース680および換気部627を支持するためのフレーム622を示す図である。
図21−2および21−3に最も良く示すように、フレーム622の中央部分C(濃い陰影で示す)は、フレーム622の側方部分Sより堅い。
【0317】
この構成により、側方部分Sはフレーム622の中央部分Cより可撓性が高くなる。
図21−3に示すように、フレーム622にかかる力が増加すると、側方部分Sの変形が中央部分Cよりも大きくなる。その結果、フレーム622は患者の鼻を締め付けず、中央部分Cは、インターフェースが鼻孔を塞がないように、比較的まっすぐなままとなる。さらに、より堅い中央部分Cによって、患者の鼻の前の管路が、使用の際に開いたまま維持されるようになる。
【0318】
図22−1は、本発明の別の実施形態による可撓性のフレーム722を示す。この実施形態では、フレーム722は、例えば交換可能な発泡体鼻下インターフェースなどの鼻下インターフェース、および換気部と係合するように適合された開口722.1および722.2を含む、成形された発泡体管路とすることができる。フレーム722の端部は、適切な方法で各チューブ42に取り付けることができる。
【0319】
2.13.3 ばね要素を備えた可撓性のフレーム
別の実施形態では、上記のような可撓性のフレームは、快適さを増すためにばね要素を含むことができる。例えば、
図23−1は、ばね要素828を含むフレーム822および可撓性のフレーム822に設けられたインターフェース880を示す。ばね要素828は、熱可塑性エラストマー(TPE)または金属(例えばPolycarb、Nitinol等)とすることができる。図示された実施形態では、ばね要素828は、フレーム822に沿って水平に取り付けられている。しかし、他の適切な構成も可能である。使用の際、ばね要素828は、例えばチューブ42など、送気および安定化システム30によってもたらされる力に反作用する構造である。ばね要素は、患者に取り付けられたとき、フレーム822の半径を効果的に大きくする。
【0320】
実施形態では、ばね要素は、長さに沿ってk値が変化する、可変のばね要素とすることができる(例えば
図23−2のグラフを参照)。図示するように、ばね要素は、全体的にベル形曲線に似た構成のk値を有することができ、ばね要素の中間が比較的堅く、ばね要素の端部が比較的緩くなっている。この構成は、患者の湾曲がより良く一致することができるので有利である。例えば、インターフェースが鼻下タイプのインターフェースである場合、フレームの中間に比較的堅いばねを設けることができ、次いでフレームが動いて鼻孔の中央から遠ざかるにつれて緩いばねを設けることができる。
【0321】
さらに応従性を付加するために、ばね要素とインターフェースの間に低弾力の発泡体を付加することができる。例えば、
図23−3は、低弾力の発泡体956、中密度の発泡体957、および例えばNitinolで作製されたばね要素929を有するフレームに設けられたインターフェース980を示している。
【0322】
2.14 換気
実施形態では、通気性の発泡体インターフェースは、CO
2排出または換気に必要な容積を設けることができ、これにより別個のCO
2排出換気部を不要にすることができる。さらに、通気性の発泡体インターフェースは、換気の消音または拡散特徴を有することができる。したがって、通気性の発泡体インターフェースは、例えば密閉および換気など、二重目的を有する単一の構成要素とすることができる。しかし、例えば、結露が通気性の発泡体インターフェースの1つまたは複数の通気性の部分を塞いでしまうことがあるため、CO
2換気孔は発泡体インターフェースと併せて使用することができる。CO
2換気孔からの空気換気は、空気の換気流による雑音を拡散および低減する手段として、発泡体を通過することができる。
【0323】
例えば、フレームまたは発泡体インターフェースを支持する支持体は、CO
2を排出するための1つまたは複数の換気孔を含むことができる(例えば、
図1−8、2−1、および18−1を参照)。
【0324】
また、
図24−1は、換気を可能にする剛性材1098を含む、発泡体インターフェース1080を含む。剛性材1098は、換気のための孔1099を含む剛性/半剛性の裏当て片の形態である。図示するように、発泡体インターフェース1080は、「ブーメラン」形を含む。発泡体の半多孔性の性質および、「ブーメラン」形から延びたアームによって、非常に少量の空気の拡散流が絶えず穴を通って外向きに発泡体から外へ出るので、患者の皮膚は発泡体の下で呼吸することができる。
【0325】
さらに、代替実施形態では、フレームまたは発泡体インターフェースを支持する支持体は、例えば、補助的な酸素を供給しおよび/または圧力/湿度データを収集するために、1つまたは複数の補助ポートを含むことができる。
【0326】
2.15 代替インターフェース構成
インターフェース構造は他のインターフェース構成を有することもできることが理解されよう。すなわち、発泡体インターフェースタイプは単に例示的なものであり、発泡体インターフェースは、例えば鼻上インターフェース、鼻クッション、口、フルフェイス、鼻プロング等、他の適切なインターフェースタイプで使用するように適合することができる。例えば、
図25−1は、使用の際に患者の口にインターフェースまたは密閉する、例えば発泡体から作製された鼻下インターフェース1180および口インターフェース1181を含む、患者インターフェース1110の実施形態を示している。
【0327】
2.16 発泡シリコーン
上記の粘弾性的発泡体(例えば、ポリウレタン)を使用する代わりに、および/またはそれに加えて、患者インターフェースの様々な構成要素の少なくとも一部を、発泡されたシリコーン、すなわち発泡シリコーンから作製することができる。すなわち、構成要素の1つまたは複数の部分を、発泡シリコーンから作製することができ、または全構成要素を発泡シリコーンから作製することができる。
【0328】
例えば、患者インターフェースの額部支持のための額部パッドは、額部パッドをフレームに連結するように適合されたストークまたはコネクタ、および患者の額部に接触するように適合された患者接触パッド部分を含む。実施形態では、ストークは非発泡シリコーン(例えばLSRなど)から作製することができ、患者接触パッド部分は発泡シリコーンから作製することができる。
【0329】
他の例では、患者インターフェースのクッションおよび/または患者インターフェースに連結された管路は、一部または全体を発泡シリコーンから作製することができる。
【0330】
発泡シリコーンは、各構成要素に異なる「感触」および/または異なる連結特性を与えることができる。
【0331】
例えば、発泡シリコーンは、以下の特性の1つまたは複数を与えることができる:軽量;魅力があるテクスチャ、快適さ;使用材料が少ない;不透明または半透明;構成要素をより長持ちさせ、交換頻度を少なくするために清浄可能である(例えば、独立気泡の割合が十分に高い場合);所与の厚さまたはデュロメータでより柔らかい;伸び率が低く引き裂き抵抗がある;表面特性を変えることができる(例えば被膜で);空気/生物学的物質に対して不透過性;経時的に不変の密閉特性(例えば、オイル/グリース吸収度);および/または表面が通気性であるが本体は不透過性である。
【0332】
3. 既知のマスクへの適用
当業者には明らかなように、本発明の1つまたは複数の態様または特徴を、既知のマスクの実施形態および/または構成要素での使用に適合させ、および/または援用する。
【0333】
3.1 Respironics社のComfortCurve(商標)
図26−1は、Respironics Inc社からComfortCurve(商標)という名称で販売されている既知のマスク1500であり、マスクの1つまたは複数の部分は、2005年11月24日に公開された特許文献14に説明されている。図示するように、マスク1500は、フレーム1502、フレーム1502に設けられ使用の際に患者の鼻を密閉するように適合されたクッション1504、フレーム1502に設けられ使用の際にクッション1504を支持する頬パッド1506、フレーム1502に設けられ呼吸用気体を患者に送り込むように適合された入口チューブ1508、およびマスク1500を患者の顔の所望の位置に維持するように、フレーム1502に脱着可能に取り付けられたヘッドギア1505を含む。
【0334】
3.1.0 改良/代替構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良および/または代替構成を説明する。
【0335】
3.1.1 発泡体密閉
ComfortCurve(商標)マスクは、シリコーン材料から作製されたクッションを含む。代替実施形態では、
図26−2に示すように、クッションは、発泡体材料Fから作製された発泡体クッション1504Fとすることができる。発泡体材料Fは、例えば粘弾性的である、被膜されていない等、上記の発泡体特性の1つまたは複数を含むことができる。
【0336】
そのような実施形態では、フレーム取り付け機構またはクリップ1507を基板として維持することができ、発泡体材料Fをクリップ1507に取り付けることができる。この構成によって、ComfortCurve(商標)マスクの既存のフレームに、発泡体クッションを脱着式に取り付けることが可能である。
【0337】
実施形態では、
図26−3に示すように、発泡体クッション1504Fは、(例えば、頬パッド1506の代わりに)フレーム1502の側面部分に沿って延びることができ、フレーム1502は使用の際に患者の顔に向かって引き付けられると、発泡体材料Fが患者の鼻の周りに巻き付き、および/または患者の顔に順応するようになっている。
【0338】
実施形態では、発泡体クッション1504Fは、例えば、高密度発泡体から作製された第1の層、および患者の顔に係合するように適合された、より応従性の高い発泡体から作製された第2の層など、複数の層を含むことができる。
【0339】
別の実施形態では、
図26−4に示すように、ComfortCurve(商標)クッション1504は、患者の顔に係合するように適合された接触面に発泡体または織地層FLを備えることができる。発泡体または織地層FLは、例えば、フロック加工などのスプレー式の発泡体、クッションに接着された織地等、適切な方法でクッションに設けることができる。発泡体または織地層FLは、快適さ、感触、および/または柔らかさを改善し、および吸放湿特徴を与えることができる。
【0340】
3.1.2 管路ヘッドギア
ComfortCurve(商標)マスクは、マスクを患者の顔の上で所望の位置に維持するように、織地タイプ材料から作製されたヘッドギアを含む。代替実施形態では、
図26−5に示すように、ヘッドギアは、呼吸用気体を送り込みクッションインターフェースを患者の顔の上で安定化させるように適合された、潰れることのできる管路1540と交換または組み合わせることができる。管路1540は、例えば、一部または全部が潰れることができる、患者の顔に調和する断面輪郭等、上記のチューブ特性の1つまたは複数を含むことができ、および/または管路1540は剛性材を含むことができる。
【0341】
3.1.3 チューブのルート
別の実施形態では、
図26−6に示すように、入口チューブ1508は、例えばフレームから下向きに吊り下がるのではなく、患者の頭部上面に向かって、ヘッドギア1505を通って延びることができる。
【0342】
そのような実施形態では、安定性を改善するために、ヘッドギアに支持部材を設けることができる。例えば、ヘッドギアストラップに、フレームから患者の頭部上面へと延びるワイヤ部材(例えば、マグネシウムワイヤなど)を設けることができる。
【0343】
3.1.4 ヘッドギアストラップ上の柔らかい材料
別の実施形態では、
図26−7に示すように、ヘッドギア1505の1つまたは複数のストラップは、例えば、快適さを改善するために発泡体またはゲルから作製された、比較的柔らかいカバー、ソックス、またはパッド1509を含むことができる。
【0344】
3.1.5 頬パッドに取り付けられた入口チューブ
別の実施形態では、
図26−8に示すように、頬パッド1506は膨張可能とすることができ、入口チューブ1508は、使用の際に頬パッド1506を膨張させるように、頬パッド1506に取り付け、または他の方法で連通することができる。そのような構成は、上記の管路ヘッドギアでの使用に適合させることができる。
【0345】
また、実施形態では、空気が入口チューブからクッション室および頬パッドの両方へと流れることができるように、頬パッドはクッションと流体連通することができる。
【0346】
3.1.6 フレーム/ヘッドギアの内部に沿った入口チュービング
別の実施形態では、入口チューブは、患者の顔の外側ではなく、フレームの内側(例えば、患者の顔に隣接して)および/またはヘッドギアに沿って延びることができる。
【0347】
3.1.7 鼻翼および鼻唇角度に対応
別の実施形態では、クッションは、患者の鼻の鼻翼および鼻唇角度に対応する構造である。
【0348】
3.1.8 頬パッドが不要
別の実施形態では、頬パッドを使用しないことができる。そのような実施形態では、
図26−9に示すように、ヨークまたは剛性材1511は、安定性を改善するために、ヘッドギア1505の1つまたは複数のストラップを備えることができる。例えば、剛性材は、ResMed社のVISTA(商標)およびSWIFT(商標)マスクと同様の構造とすることができる(例えば、特許文献15および2004年2月20日に出願された特許文献12を参照し、それぞれの全体を参照によって本願に援用する)。
【0349】
実施形態では、剛性材1511、フレーム1502、および入口チューブ1508と関連付けられた入口ポート1514を、単一体構造として一体に形成することができる。
【0350】
別の実施形態では、頬パッドを使用しないことができ、および安定性を改善するためにフレームが延びることができる。例えば、
図26−10に示すように、フレームは、患者の頭部の側面に沿って延び、患者のこめかみに向かって先細/薄型になる延長された側面部分1513を含むことができる。側面部分1513の端部は、各ヘッドギアストラップに取り付けるために適切な構造を含むことができる。
【0351】
3.2 Respironics社のOptiLife(商標)
図27−1は、Respironics社からOptiLife(商標)という名称で販売されている、別の既知のマスク1600を示す図である。図示するように、マスク1600は、フレーム1602、フレーム1602に設けられ使用の際に患者の鼻道との密閉を形成するように適合された鼻ピロー1604、フレーム1602に設けられ呼吸用気体を患者に送り込むように適合された入口チューブ1608、およびマスク1600を患者の顔の所望の位置に維持するように、フレーム1602に脱着可能に取り付けられた顎ストラップ1606を含むヘッドギア1605を含む。
【0352】
3.2.0 改良/代替構成
以下の実施形態は呼吸療法を強化するための、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良および/または代替構成を説明する。
【0353】
3.2.1 発泡体インターフェース
OptiLife(商標)マスクは、鼻ピローを含む。代替実施形態では、
図27−2に示すように、鼻ピローは、発泡体材料Fから作製された、発泡体インターフェースFと置き換えることができる。発泡体インターフェースFは、例えば粘弾性的である、被膜されていない等、上記の発泡体特性の1つまたは複数を含むことができる。
【0354】
そのような実施形態では、発泡体インターフェースFは、発泡体インターフェースFを支持し発泡体インターフェースFをOptiLife(商標)マスクの既存のフレーム1602に結合する基部を有する、アダプターを備えることができる。
【0355】
3.2.2 発泡体頬パッド
別の実施形態では、
図27−3に示すように、ヘッドギア1605のそれぞれの側面ストラップは、快適さおよび/または安定性を改善するために、発泡体頬パッド1607を含むことができる。
【0356】
3.2.3 側面入口ポート
別の実施形態では、
図27−4に示すように、フレーム1602は、各入口チューブ1608に係合するように適合された側面入口ポート1614を含むことができる。例えば、フレームは、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクと同様の構造とすることができる。
【0357】
3.2.4 潰れることのできる入口チューブ
別の実施形態では、
図27−5に示すように、フレーム1602は、上記の潰れることのできるチューブ特性の1つまたは複数を含む、潰れることのできる入口チューブ1640に係合するように適合された、側面入口ポート1614を含むことができる。
【0358】
実施形態では、潰れることのできる入口チューブ1640は、例えば患者の頭部上面に向かって、ヘッドギア1605を通って延びることができる。
【0359】
3.2.5 剛性材
別の実施形態では、
図27−6に示すように、剛性材1611は、剛性および/または安定性を改善するために、ヘッドギア1605の1つまたは複数のストラップを設けることができる。
【0360】
3.2.6 隙間充填構造
別の実施形態では、マスクは、患者の顔とマスク/ヘッドギアとの間の隙間または空間を充填するように適合された構造(例えば、ヘッドギア、フレーム等に設けられる)を含むことができる。隙間充填構造は、使用の際の快適さおよび/または安定性を改善することができる。例えば、
図27−7に示すように、マスクは、患者の顔とマスク/ヘッドギアとの間に形成される隙間または空間Sを充填する構造を含むことができる。
【0361】
3.3 Respironics社のComfortLite(商標)およびComfortLite(商標)2
図28−1Aは、Respironics社からComfortLite(商標)という名称で販売されている既知のマスクを示し、
図28−1Bは、Respironics社からComfortLite(商標)2という名称で販売されている既知のマスクを示す。図示するように、ComfortLite(商標)およびComfortLite(商標)2マスク1700は、フレーム1702、フレーム1702に設けられ使用の際に患者の鼻道との密閉を形成するように適合された鼻ピロー1704、フレーム1702に設けられ呼吸用気体を患者に送り込むように適合された入口チューブ1708、およびマスク1700を患者の顔の所望の位置に維持するヘッドギア1705をそれぞれ含む。
【0362】
3.3.0 改良/代替構成
以下の実施形態は呼吸療法を強化するための、Respironics社のComfortLite(商標)およびComfortLite(商標)2マスクの改良および/または代替構成を説明する。
【0363】
3.3.1 2つのチューブ構成
別の実施形態では、それぞれのマスクは、患者の鼻の上を患者の頭部上面へと延びる単一の入口チューブではなく、2つの入口チューブを含むことができる。例えば、
図28−2Aおよび28−2Bに示すように、フレーム1702は、患者の頭部上面に向かって延びる各入口チューブ1708に係合するように適合された側面入口ポート1714を含むことができる。
【0364】
そのような実施形態では、額部支持体などのヘッドギアの1つまたは複数の部分を使用しないことができる。
【0365】
3.4 Fisher & Paykel社のOpus(商標)
図29−1は、Fisher & Paykel社からOpus(商標)という名称で販売されている、別の既知のマスク1800を示す図である。図示するように、マスク1800は、フレーム1802、フレーム1802に設けられ使用の際に患者の鼻道との密閉を形成するように適合された鼻ピロー1804、フレーム1802に設けられ呼吸用気体を患者に送り込むように適合された入口チューブ1808に連結されたエルボー1807、およびマスク1800を患者の顔の所望の位置に維持する支持構造または剛性材1809を含むヘッドギア1805を含む。
【0366】
3.4.0 改良/代替構成
以下の実施形態は呼吸療法を強化するための、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良および/または代替構成を説明する。
【0367】
3.4.1 簡易脱着
Opus(商標)マスクのフレーム1802、鼻ピロー1804、およびエルボー1807は、クリップ構成によって支持構造1809に結合されるサブアセンブリを形成する。代替実施形態では、サブアセンブリを支持構造に解除可能に連結する、簡易脱着構成を設けることができる。例えば、サブアセンブリを磁石構成によって支持構造に結合することができる。
【0368】
別の実施形態では、ヘッドギアを患者の頭部の上に維持したまま、サブアセンブリの取り外しが可能な方法で、サブアセンブリを支持構造に結合することができる。
【0369】
別の実施形態では、エルボーとフレームとの間のジョイントは、例えばエルボーのボールジョイントをフレームに弾力的に取り付け/取り外しできるなど、簡易脱着設計の構造とすることができる。この構成によってフレーム/鼻ピローを、患者の頭部の上でヘッドギアとともに維持することができる。
【0370】
図29−2に示すように、Opus(商標)マスクのクリップ構成は、フレーム1802の底面部分に、支持構造1809に設けられたクリップ受け器1819に係合するように適合されたクリップ1817を含む。代替実施形態では、
図29−3に示すように、例えばクリップ1817をフレーム1802の上面部分に設けるなど、クリップ構成を逆位置にすることができる。この構成によって、マスクの前面をより連続的な形にすることができる。
【0371】
別の実施形態では、
図29−4に示すように、サブアセンブリが支持構造1809に、支持構造の後方からではなく(例えば
図29−2を参照)、支持構造の前方から係合することができるように、クリップ構成を構成することができる。
【0372】
別の実施形態では、
図29−5に示すように、支持構造は、フレーム1802に設けられた弾力的な嵌め合い部分またはスナップ嵌めコネクタ1823に係合するように適合された環状リング1821を含むことができる。スナップ嵌め構成は、ResMed社のVISTA(商標)マスクのエルボー連結構成と同様とすることができる(例えば、特許文献15を参照し、その全体を参照によって本願に援用する)。
【0373】
さらに別の実施形態では、
図29−6に示すように、フレーム1802および支持構造1809の一方が、フランジ(例えば、
図29−6に示すフレーム上のフランジF)を含むことができ、フレーム1802および支持構造1809の他方が、フレームを支持構造に維持するフランジを受けるように適合された凹部(例えば、
図29−6に示す支持構造上の凹部R)を含むことができる。
【0374】
3.4.2 調節機構
別の実施形態では、患者の鼻の鼻翼および鼻唇角度に対応するように鼻ピローの調節ができるようにする、調節機構をフレームおよび/または鼻ピローに設けることができる。
【0375】
3.4.3 摺動可能なエルボー/入口チューブ
別の実施形態では、密閉をチューブの引っ張りから隔離するために、フレームに対して摺動動作するためのエルボーおよび/またはチューブを配置することができる。例えば、
図29−7は、例えば2つまたはそれ以上の動作可能位置など、複数の動作可能位置へと、フレーム1802に対して摺動可能な摺動可能エルボー1807Sを示している。
【0376】
3.4.4 低断面形状エルボー
別の実施形態では、エルボーを低い断面形状にするために、エルボーの一部分が実質的に楕円形断面(円形断面ではなく)を含むことができる。
【0377】
3.4.5 チューブのルート
別の実施形態では、マスクは、単一の入口チューブではなく、2つの入口チューブを含むことができる。例えば、
図29−8に示すように、フレーム1802は、患者の頭部上面に向かって延びる各入口チューブ1808に係合するように適合された、側面入口ポート1814を含むことができる。
【0378】
そのような実施形態では、ヘッドギアを使用しない、または、例えば呼吸用気体を送り込み、鼻ピローを患者の顔の上で安定化するように適合された2つの入口チューブなど、チューブと一体化することができる。
【0379】
また、入口チューブは潰れることができ、上記の潰れることのできるチューブの特性の1つまたは複数を含むことができる。
【0380】
3.4.6 発泡体密閉
代替実施形態では、
図29−9に示すように、Opus(商標)マスクのシリコーン鼻ピローを、発泡体Fから作製され上記の発泡体特性の1つまたは複数を含む発泡体インターフェース1815と置き換えることができる。
【0381】
実施形態では、発泡体インターフェースは発泡体のブロック(例えば、網状の発泡体)とすることができ、インターフェースの外周は密閉され、または比較的低透過性とし、インターフェースの中央は拡散機構として作用するように通気性とする。そのような実施形態では、インターフェースの中央は、それぞれの鼻孔のための2つの別個の領域を有することができる。
【0382】
他の発泡体の代替構成は、食用パッケージング発泡体、繊維性フィルター材料、および発泡体プロングを含む。発泡体プロングは、出口孔が円筒形のベル形とすることができ、例えば内壁、外壁等、発泡体プロングの1つまたは複数の部分に、任意の補強材を設けることができる。
【0383】
別の実施形態では、シリコーン鼻ピローは、患者の鼻に係合するように適合された接触面上に、発泡体層を備えることができる。発泡体層は、例えばスプレー式の微小拡散層など(例えば、HC405)、適切な方法で鼻ピローに設けることができる。発泡体層は、快適さ、感触、および/または柔らかさを改善することができ、吸放湿特徴を与えることができる。
【0384】
3.5 Puritan Bennett社のBreeze(登録商標)SleepGear(登録商標)DreamSeal(登録商標)
図30−1および30−2は、Puritan Bennett社からBreeze(登録商標)SleepGear(登録商標)DreamSeal(登録商標)という名称で販売されている別の既知のマスク1900を示す図である。図示するように、マスク1900は、フレーム1902、フレーム1902に設けられ使用の際に患者の鼻を密閉するように適合されたクッション1904、フレーム1902に設けられ呼吸用気体を患者に送り込むように適合された入口チューブ1908、およびマスク1900を患者の顔の所望の位置に維持するようにフレーム1902に設けられた頭部支持体1905を含む。
【0385】
3.5.0 改良/代替構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、Puritan Bennett社のBreeze(登録商標)SleepGear(登録商標)DreamSeal(登録商標)マスクの改良および/または代替構成を説明する。
【0386】
3.5.1 発泡体密閉
Breeze(登録商標)SleepGear(登録商標)DreamSeal(登録商標)マスクは、シリコーン材料から作製されたクッションを含む。代替実施形態では、
図30−3に示すように、クッションは発泡体材料Fから作製された発泡体クッション1904Fとすることができる。発泡体材料Fは、例えば粘弾性的である、被膜されていない等、上記の発泡体特性の1つまたは複数を含むことができる。
【0387】
3.5.2 単一体チューブ/頭部支持体
Breeze(登録商標)SleepGear(登録商標)DreamSeal(登録商標)マスクの頭部支持体1905は、患者の頭部の後方に係合するように適合されたクレードル1913を支持する金属ばね1911を含む(例えば、
図30−1を参照)。代替実施形態では、金属ばね1911は、頭部支持体の残りの部分と単一体に成形することができるプラスチック構成要素と置き換えることができる。さらに、単一体の頭部支持体は、例えば部品の数を減らす、組立てを容易にする等のために、入口チューブ1908と一体成形することができる。
【0388】
3.5.3 低断面形状
図30−2に示すように、Breeze(登録商標)SleepGear(登録商標)DreamSeal(登録商標)マスクは、入口チューブ1908と患者の顔の鼻/額部との間に隙間Gを含む。代替実施形態では、輪郭および/または入口チューブ1908のルートを変えることによって隙間Gを小さくすることができる。例えば、
図30−4に示すように、入口チューブ1908は患者の頭部上面に向かってより平坦にすることができ(例えば、円形の断面1919に対してより楕円形の断面1917)、患者の目の間を通るときより細い部分1921を形成する(例えば、砂時計形)構成を有する。
【0389】
3.5.4 2つのチューブ構成
別の実施形態では、マスクは、単一の入口チューブではなく、2つの入口チューブを含むことができる。例えば、
図30−5に示すように、フレーム1902は、患者の頭部上面に向かって延びる各入口チューブ1908に係合するように適合された、側面入口ポート1914を含むことができる。
【0390】
そのような構成では、マニホールド1916を、チューブ1908を相互に連結するように患者の頭部上面に設けることができる。
【0391】
3.5.5 カバーまたはソックス
別の実施形態では、フレーム、入口チューブ、および/または頭部支持体の1つまたは複数の部分は、見た目および/または快適さを改善するために、カバーまたはソックスを含むことができる。
【0392】
3.6 InnoMed Technologies社のNasal−Aire(商標)
図31−1および31−2は、InnoMed Technologies社からNasal−Aire(商標)という名称で販売されている別の既知のマスク2000を示す図である。図示するように、マスク2000は、使用の際に患者の鼻に設けられる鼻インターフェース2004、呼吸用気体を患者に送り込むために鼻インターフェース2004の各側面に設けられた入口チューブ2008、入口チューブ2008を相互に連結するマニホールド2006、およびマスク2000を患者の顔の所望の位置に維持する頭部ストラップ2005を含む。
【0393】
3.6.0 改良/代替構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、InnoMed Technologies社のNasal−Aire(商標)マスクの改良および/または代替構成を説明する。
【0394】
3.6.1 潰れることのできるチューブ
Nasal−Aire(商標)マスクの入口チューブは、実質的に潰れることができずおよび/または耐圧潰性である。代替実施形態では、入口チューブは、呼吸用気体を送り込み、鼻インターフェースを患者の顔の上で安定化させるように適合された、潰れることのできる管路と置き換えられてもよい。潰れることのできる管路は、上記の潰れることのできるチューブ特性の1つまたは複数を含むことができる。例えば、それぞれの管路は剛性材を備えることができ、および/またはそれぞれの管路は全体的にD字形の断面を有することができる。
【0395】
3.6.2 バックストラップ
実施形態では、
図31−3に示すように、マスクは、全頭部ストラップではなく、マスクを患者の顔の所望の位置に維持するためのバックストラップ2009を含むことができる。バックストラップ2009は、上記のバックストラップ特性の1つまたは複数を含むことができる。
【0396】
3.6.3 発泡体密閉
Nasal−Aire(商標)マスクは、シリコーン材料から作製された鼻インターフェースを含む。代替実施形態では、
図31−4に示すように、鼻インターフェースは、発泡体材料Fから作製された発泡体鼻インターフェース2004Fとすることができる。発泡体材料Fは、例えば粘弾性的である、被膜されていない等、上記の発泡体特性の1つまたは複数を含むことができる。
【0397】
3.6.4 マニホールド
Nasal−Aire(商標)マスクのマニホールドは、比較的剛性で単一体のプラスチック構造を含む。代替実施形態では、マニホールドは、快適さおよび/または見た目を改善するために、例えば剛性部分および半剛性部分等、1つより多い材料から作製することができる。
【0398】
別の実施形態では、マニホールドは、患者の頭部から下向きに吊り下げるのではなく、患者の頭部の配置上に配置することができる。
【0399】
本発明の実施形態による好ましいインターフェース構造は、
図14−1で述べた特性を有する発泡体を利用する。既知の密閉インターフェースは、例えば一般的なシリコーンは、範囲の密度が1050〜1150kg/m
3、引き裂き強度が20〜40N/mm、引っ張り強度が約10Mpa、破断伸びが600%、ショアA硬度が40、ヒステリシスが約5%より小さく、弾力が約40〜50%、および空気透過性がOなど、非常に様々なバルク特性を有する。
【0400】
以上、本発明を現在最も実践的で好ましいと考えられる実施形態と関連させて説明したが、本発明は開示された実施形態に限定されず、反対に本発明の精神および範囲内に含まれる様々な改変形態および均等構成を包含することを理解されたい。
【0401】
例えば、ポリウレタン発泡体の代替として、インターフェース構造を、TPE発泡体、シリコーン発泡体、ラテックス発泡体およびポリオレフィン発泡体の1つまたは複数から作製することができる。
【0402】
インターフェース構造はガスケットまたは圧縮タイプの密閉を形成するように構成されているが、その代わりにまたはそれに加えてフラップタイプの密閉として構成することもできる。別の形態では、インターフェース構造を接着剤の密閉とすることができる。
【0403】
好ましくは、被膜されていない発泡体が使用されるが、一部が被膜された、または孔のあいた被膜された発泡体を使用することもできる。さらに、多孔性の被膜された発泡体を使用することもできる。発泡体の一部または全部に一体型または非一体型の被膜を使用することもできる。
【0404】
好ましくは発泡体がインターフェース構造で使用されるが、可能な代替材料は、高パイル繊維、ゴム、シャモア革、不織繊維またはファイバー構成およびスペーサファブリックを含む。
【0405】
本発明の図示された実施形態では、単一の発泡体層がインターフェース構造として示されている。他の形態では、複数の層を使用することができる。さらに、発泡体は、フラップ、嚢体、または剛性の裏当て材料と組み合わせることができる。発泡体の層はガセット構成で配置することができる。発泡体の層はフラップ、または中実部分で使用することができる。適切なガセットの例は、2007年7月30日に出願された係属中の特許文献16を参照し、その全体を相互参照によって明示的に援用する。他の形態では、発泡体は、例えばワイヤなど、他の材料で補強することができる。
【0406】
また、上記で説明した様々な実施形態は他の実施形態と併せて実施することができ、例えば、1つの実施形態の態様を別の実施形態の態様と組み合わせてさらに他の実施形態を実現することができる。さらに、所与のアセンブリのそれぞれの個別の特徴または構成要素が別の実施形態を構成することができる。さらに、本発明は特にOSAを患う患者に適用されるが、他の疾患(例えば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満手術等)を患う患者も上記の教示から利益を得られることが理解されよう。さらに、上記の教示は非医療用途でも同様に、患者および非患者に適用性がある。
【0407】
本出願で説明されたインターフェース構造は、他にも適用することもできる。例えば、ヘッドフォン、ヘッドギアおよび他の機器など、皮膚または体に対して柔らかい順応層が有利となることができる。ヘッドフォンは、本出願の上記の発泡体を使用して、耳を囲み、または覆い、耳の中に差し込み、頭部あるいは顔または体の他の部分に載せることができる。他の呼吸または非呼吸用途で使用されるヘルメットまたはマスクも、上記のインターフェース構造から利益を得ることができる。経皮的に薬物を送り込むデバイスなどの他のデバイス、または人工装具も、本発明のインターフェース構造から利益を得ることができる。