【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、経済産業省、「オートプルバック式極細高画質血管内視鏡システムの開発・海外展開」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係る内視鏡を具体的に開示した各実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
図1は、各実施形態の内視鏡を用いた内視鏡システムの一例を示す全体構成図である。
図2は、各実施形態の内視鏡の先端部の構成の一例を示す斜視図である。
図3は、第1の実施形態の内視鏡の先端部の一例を示す断面図である。
図4は、第1の実施形態の内視鏡の先端部においてモールド樹脂を除いた部分の構成の一例を示す斜視図である。
【0013】
図1では、内視鏡11及びビデオプロセッサ19を含む内視鏡システム13の全体構成を斜視図にて示している。
図2では、
図1に示した内視鏡11の先端部15の構成を斜視図にて示している。
図3では、
図2に示した先端部15の構成を断面図にて示している。
図4では、
図2に示した先端部15においてモールド樹脂17を除いた構成を斜視図にて示している。
【0014】
なお、本明細書において説明に用いる方向については、各図中の方向の記載に従うとする。ここで、「上」、「下」は、水平面に置かれたビデオプロセッサ19の上と下にそれぞれ対応し、「前(先)」、「後」は、内視鏡本体(以降「内視鏡11」という)の挿入部21の先端側とプラグ部23の基端側(言い換えると、ビデオプロセッサ19側)にそれぞれ対応する。
【0015】
図1に示すように、内視鏡システム13は、例えば医療用の軟性鏡である内視鏡11と、観察対象(例えば人体の血管)の内部を撮影して得られた静止画又は動画に対して周知の画像処理等を行うビデオプロセッサ19と含む構成である。内視鏡11は、略前後方向に延在し、観察対象の内部に挿入される挿入部21と、挿入部21の後部が接続されるプラグ部23とを備える。
【0016】
ビデオプロセッサ19は、前壁25に開口するソケット部27を有している。このソケット部27には、内視鏡11のプラグ部23の後部が挿入され、これにより、内視鏡11はビデオプロセッサ19との間で電力及び各種信号(映像信号、制御信号など)の送受が可能である。
【0017】
上述した電力及び各種信号は、軟性部29の内部を挿通された伝送ケーブル31(
図2又は
図3参照)を介してプラグ部23から軟性部29に導かれる。先端部15に設けられた撮像素子33が出力した画像データは、伝送ケーブル31を介してプラグ部23からビデオプロセッサ19に伝送される。ビデオプロセッサ19は、プラグ部23から伝送された画像データに対して色補正、階調補正等の所定の画像処理を施して、画像処理済みの画像データを表示装置(図示略)に出力する。表示装置は、例えば液晶表示パネル等の表示デバイスを有するモニタ装置であり、内視鏡11によって撮像された被写体の画像(例えば血管内の様子を示す画像)を表示する。
【0018】
図3に示すように、本実施形態の内視鏡11は、先端部15に、レンズユニット35と、撮像素子33と、接着用樹脂37と、照明手段の一例としてのライトガイド57とを有する。レンズユニット35は、レンズ支持部材39にて少なくとも1つのレンズを収容する。撮像素子33は、少なくとも1つのレンズにより集光された光学像の結像面である撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる。撮像素子33の素子カバーガラス43と反対側の面には、静電気対策用のコンデンサ45が取り付けられている。接着用樹脂37は、例えばUV・熱硬化性樹脂によって構成される。この接着用樹脂37は、撮像面41の中心にレンズの光軸を一致させたレンズユニット35を、離間部47を有して素子カバーガラス43に固定する。これにより、レンズユニット35と撮像素子33とが接着用樹脂37によって直接接着されて固定される。接着用樹脂37は、例えば最終的な硬度を得るためには熱処理を必要とするが、紫外線照射によってもある程度の硬度まで硬化が進行するタイプの接着剤である。
【0019】
挿入部21は、プラグ部23に後端が接続された可撓性の軟性部29と、軟性部29の先端に連なる先端部15とを有している。軟性部29は各種の内視鏡検査、内視鏡手術等の方式に対応する適切な長さを有する。軟性部29は、例えば螺旋状に巻回された金属薄板の外周にネットを被せ、更に、その外周に被覆を被せることにより構成され、十分な可撓性を有するように形成される。軟性部29は、先端部15とプラグ部23との間を接続する。
【0020】
内視鏡11では、モールド樹脂17の最大外径が、0.7〜2mmの範囲で形成される。内視鏡11では、最大外径Dmaxを2mm未満とすることで、例えば人体の血管への挿入が可能となる。現状、撮像素子33は、正方形の場合、対角寸法が1.6mmのものが実用化されている。従って、内視鏡11は、照明手段としてのライトガイド57(後述参照)を含み、最大外径Dmaxが2mmで可能となる。更に、撮像素子33としては、対角寸法が0.5mmのものが製造可能な段階に入っている。これにより、内視鏡11は、照明手段としてのライトガイド57を含み、最小外径Dmaxが0.7mmのものが可能となる。
【0021】
内視鏡11は、このように細径で形成されることにより、細径の体腔への挿入が可能となる。細径の体腔は、人体の血管に限定されず、例えば尿管、すい管、胆管、細気管支等が含まれる。つまり、内視鏡11は、人体の血管、尿管、すい管、胆管、細気管支等への挿入を可能とすることができる。言い換えると、内視鏡11は、血管内の病変の観察に用いることができる。内視鏡11は、動脈硬化性プラークの同定において有効となる。また、心臓カテーテル検査時の内視鏡による観察にも適用可能となる。更に、内視鏡11は、血栓や動脈硬化性の黄色プラークの検出にも有効となる。なお、動脈硬化病変では、色調(白色、淡黄色、黄色)や、表面(平滑、不整)が観察される。血栓では、色調(赤色、白色、暗赤色、黄色、褐色、混色)が観察される。
【0022】
また、内視鏡11は、腎盂・尿管がんや、特発性腎出血の診断・治療に用いることができる。この場合、内視鏡11は、尿道から膀胱内に挿入され、更に尿管内にまで進めて、尿管と腎盂の中を観察することができる。
【0023】
また、内視鏡11は、十二指腸に開口するファーター乳頭への挿入が可能となる。胆汁は、肝臓から造られ胆管を通って、また膵液は膵臓から造られ膵管を通って十二指腸にあるファーター乳頭から排出される。内視鏡11は、胆管及び膵管の開口部であるファーター乳頭から挿入し、胆管又は膵管の観察を可能とすることができる。
【0024】
更に、内視鏡11は、気管支への挿入が可能となる。内視鏡11は、背臥位となった検体の口腔又は鼻腔から挿入される。内視鏡11は、咽頭、喉頭を過ぎ、声帯を視認しつつ気管へ挿入する。気管支は分岐するたびに細くなる。最大外径Dmaxが2mm未満の内視鏡11によれば、亜区域気管支まで内腔の確認が可能となる。
【0025】
図3に示すように、先端部15は、撮像素子33と、レンズ等を含む筒状のレンズ支持部材39を有するとともに、撮像素子33を後端に支持するレンズユニット35と、撮像素子33の後部に実装された回路基板49と、照明手段の一例としてのライトガイド57とを有して構成される。以下、照明手段は、ライトガイド57である場合を例に説明するが、この他、照明手段は、先端部15の挿入先端面に直付けしたLEDとすることもできる。この場合、光ファイバ59は不要となる。レンズ支持部材39は、例えば金属製であり、レンズ支持部材39に硬質材料を用いることで、先端部15は硬性部を構成する。
【0026】
なお、レンズ支持部材39は、金属以外にシート材等であってもよい、レンズ支持部材39は、レンズユニット35の各レンズの光軸を合わせる際の位置決めが達成できればよい。レンズユニット35が、モールド樹脂17によってモールドされれば、各レンズは相互の相対位置が固定される。このため、レンズ支持部材39には、従来の鏡筒に対し、強度が小さく、厚みが薄く、重量が軽い材質のものが使用可能となる。これにより、内視鏡11における先端部15の細径化に寄与することが可能となる。
【0027】
伝送ケーブル31は、回路基板49の後部において電気的に接続され、回路基板49の接続部位は封止用のモールド樹脂17にて被覆される。なお、以降の説明において「接着剤」の用語は、固体物の面と面とを接着するために用いる物質という厳密な意味ではなく、2つの物の結合に用いることができる物質、或いは硬化した接着剤が気体及び液体に対する高いバリア性を備えている場合は、封止材としての機能を有する物質という広い意味で用いられる。
【0028】
レンズ支持部材39には、光学材料(ガラス、樹脂等)により形成された複数(図示例では、3枚)のレンズL1〜L3と、レンズL1及びレンズL2に挟まれた絞り部材51とが互いに光軸LCの方向に密接した状態で組み込まれている。レンズL1、レンズL3は、全周にわたってレンズ支持部材39の内周面に接着剤により固定されている。レンズ支持部材39の前端はレンズL1によって、後端はレンズL3によって密閉(封止)されており、レンズ支持部材39の内部に空気又は水分等が侵入しないよう構成されている。従って、空気等はレンズ支持部材39の一端から他端へと抜けることができない。なお、以降の説明では、レンズL1〜L3を合わせて光学レンズ群LNZという。
【0029】
レンズ支持部材39を構成する金属材料として、例えばニッケルが用いられる。ニッケルは、剛性率が比較的高くかつ耐食性も高く、先端部15を構成する材料として適している。ニッケルに代えて例えば銅ニッケル合金を用いてもよい。銅ニッケル合金も高い耐食性を有しており、先端部15を構成する材料として適している。また、レンズ支持部材39を構成する金属材料としては、好ましくは、電鋳(電気めっき)によって製造が可能な材料を選択する。ここで、電鋳を利用する理由は、電鋳によって製造される部材の寸法精度は1μm未満(いわゆるサブミクロン精度)と極めて高く、更に多数の部材を製造した際のばらつきも小さいからである。後に説明するように、レンズ支持部材39は極めて小さな部材であり、内外径寸法の誤差は内視鏡11の光学性能(つまり、撮像された画像の画質)に影響を与える。レンズ支持部材39を例えばニッケル電鋳管により構成することで、小径にもかかわらず高い寸法精度を確保して高画質な画像を撮像することが可能な内視鏡11が得られる。
【0030】
図3、
図4に示すように、撮像素子33は、例えば前後方向から見て正方形形状をなす小型のCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)の撮像デバイスにより構成される。外部から入射した光は、レンズ支持部材内の光学レンズ群LNZによって撮像素子33の撮像面41に結像する。撮像素子33の後部(背面側)に実装された回路基板49は、後方から見て撮像素子33よりもやや小さい外形を有している。撮像素子33は、例えば背面にLGA(Land grid array)を備えており、回路基板49に形成された電極パターンと電気的に接続される。
【0031】
また、
図2に示すように、内視鏡11は、撮像素子33の全体と、レンズユニット35の撮像素子33側の少なくとも一部分と、伝送ケーブル31の一部分と、ライトガイド57の一部分がモールド樹脂17によって被覆されて固定され、かつモールド樹脂17は外部に露出されている。内視鏡11の先端部15には、X線不透過マーカーが内包されてもよい。これにより、内視鏡11は、X線透視下における先端位置の確認が容易となる。
【0032】
本実施形態において、ライトガイドは、4本が、レンズユニット35の円周方向に等間隔で配設される。それぞれのライトガイド57は、1本の光ファイバ59からなる。この構成によれば、撮像画像に影が生じにくく、明瞭な画像が得られる。光ファイバ59には、例えばプラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber)が好適に用いられる。プラスチック光ファイバは、シリコン樹脂やアクリル樹脂を材料としてコアもクラッドもプラスチックで形成される。また、光ファイバ59は、例えば光ファイバ素線を複数本束ねて、その両端に端末金具を取り付けたバンドルファイバ(bundle fiber)等であってもよい。光ファイバ59は、先端が先端部15で出射端面となり、基端がプラグ部23のフェルールに接続される。光源は、例えばソケット部27等に設けられるLEDである。内視鏡11は、プラグ部23をソケット部27に接続することで、LEDからの光がライトガイド57の光ファイバ59を伝搬し、先端から出射される。この構成によれば、光源から照明光の出射端までを1本の光ファイバで構成でき、光損失を小さくすることができる。
【0033】
次に、上記の構成を有する本実施形態の内視鏡11の作用を説明する。
【0034】
本実施形態の内視鏡11では、レンズユニット35と撮像素子33とが、接着用樹脂37によって所定距離保持した状態で固定される。固定されたレンズユニット35と撮像素子33とは、レンズユニット35の光軸と、撮像面41の中心とが位置合わせされている。また、レンズユニット35と撮像素子33との距離は、レンズユニット35を通る被写体からの入射光が、撮像素子33の撮像面41に合焦する距離で位置合わせされている。レンズユニット35と撮像素子33とは、位置合わせされた後に固定されている。
【0035】
固定されたレンズユニット35と撮像素子33との間には、離間部47が形成される。この離間部47は、レンズユニット35と撮像素子33とが、相対的に位置合わせされ、相互が接着用樹脂37によって固定されることで、形状が定まる。即ち、離間部47は、レンズユニット35と撮像素子33との位置合わせ用の調整ギャップとなっている。この調整ギャップは、無くなることはない。上述した寸法の具体例では、少なくとも30μm程度から100μm程度までの間で調整が行われる。この際の公差は±20μmとなる。従って、この場合の最小の調整ギャップは、10μmで残存することになる。
【0036】
内視鏡11では、離間部47が調整ギャップとなってレンズユニット35と撮像素子33の位置合わせが完了した後、この離間部47が接着用樹脂37の固定スペースに利用される。これにより、レンズユニット35と撮像素子33とを直接に固定可能としている。これにより、従来必要であった、レンズユニット35を撮像素子33に固定するためのフレーム又はホルダ等の介装部材が不要となっている。また、フレーム又はホルダ等を省略できるため、部品点数が削減されて固定構造が簡素になる。これにより、内視鏡11の先端部15を小径化することができ、更なる細径化を図る場合であっても、最小限の寸法で構成できる。また、部品コストを削減できる。更に、レンズユニット35と撮像素子33とを固定する際の介在部品が少ないので、位置合わせ及び固定にかかる作業に必要な作業工数を削減でき、かつ高精度な位置合わせが容易に可能となる。また、製造コストを低減できるとともに、生産性を向上させることができる。また、照明手段が設けられるので、本実施形態の内視鏡11を単独で用いて暗部での撮影を可能にできる。
【0037】
また、内視鏡11では、撮像素子33の全体がモールド樹脂17によって覆われる。より具体的には、モールド樹脂17は、撮像素子33に接続される伝送ケーブル31の外被、ライトガイド57も覆う。モールド樹脂17は、少なくともレンズユニット35の一部分(撮像素子33との隣接部分)も覆う。「少なくとも」とは、モールド樹脂17が、レンズ支持部材39の外周全体を覆ってもよいという意味である。モールド樹脂17は、撮像素子33とレンズユニット35とを覆うことで、その間の離間部47も連続して覆う。従って、モールド樹脂17は、撮像素子33とレンズユニット35とに渡って連続して成形されることで、撮像素子33とレンズユニット35との固定強度の増大に寄与する。また、モールド樹脂17は、離間部47の気密性、水密性、遮光性も高める。更に、モールド樹脂17は、ライトガイド57用の光ファイバ59が埋入された際の遮光性も高める。
【0038】
また、内視鏡11では、素子カバーガラス43と、撮像素子側のレンズの光出射面とが接着用樹脂37によって固定される。これにより、レンズユニット35と撮像素子33は、接着用樹脂37によって高強度に固定される。
【0039】
接着用樹脂37は、透光性を有し、屈折率が空気に近いものが好ましい。接着用樹脂37として、UV・熱硬化性樹脂を用いる場合、外表部分を紫外線照射により硬化できるとともに、紫外線を照射できない充填接着剤の内部を、熱処理によって硬化させることができる。
【0040】
また、内視鏡11では、素子カバーガラス43に対面するレンズの光出射面が凹面である場合、レンズの周囲の円環端面であるコバ部55が素子カバーガラス43に接着される。この際、レンズの外周、レンズ支持部材39の外周も同時に接着用樹脂37によって固定されてもよい。レンズと撮像素子33との間に、空気層53が設けられることで、レンズの光学的性能を高めることができる。例えば、レンズから空気層53への出射光の屈折率を大きくできる。これにより、解像度を高める、画角を大きくするなどの光学設計が容易になる。その結果、画質が向上する。
【0041】
そして、内視鏡11は、ライトガイド57を備えることで、単独で用いて暗部での撮影を可能にできる。また、先端部15に、ライトガイド57をモールド樹脂17によってモールドするので、ライトガイド57を構造材として作用させ、細径の内視鏡11においても、軟性部29と先端部15との接続強度を向上させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の内視鏡11によれば、小型化、コスト低減、生産性向上を図ることができる。
【0043】
次に、内視鏡11の構成を一部変更した変形例を他の実施形態として説明する。
【0044】
図5は、第2の実施形態の内視鏡の先端部の構成の一例を示す斜視図である。第2の実施形態では、
図3及び
図4に示した内視鏡の先端部15の構成の第1変形例を示す。
【0045】
第2の実施形態の内視鏡は、
図5に示すように、撮像素子33の四隅に、強度を向上させるため、接着用樹脂37を追加して設けている。この場合、レンズユニット35の後端に撮像素子33を位置合わせした後、撮像素子33と当接したレンズユニット35の後端部位のうち、撮像素子33の角部と対向する4つの部位に、接着用樹脂37を塗布する(
図5では、4カ所のうち3カ所が描かれている)。この状態において、接着用樹脂37の塗布部分は露出しており、紫外線照射によって接着用樹脂37は数秒程度の短時間で硬化することから、工程に要する時間を短縮することができる。これにより、第2の実施形態の内視鏡によれば、撮像素子33とレンズユニット35との接着部の強度を高められる。
【0046】
図6(A)及び(B)は、内視鏡の先端部の他の変形例としての第3の実施形態及び第4の実施形態を示す図である。
図6(A)は、第3の実施形態の離間部に接着用樹脂が充填された構成の一例を示す断面図である。
図6(B)は、第4の実施形態の離間部に空気層が設けられた構成の一例を示す断面図である。第3の実施形態は内視鏡の先端部の構成の第2変形例、第4の実施形態は内視鏡の先端部の構成の第3変形例をそれぞれ示す。
【0047】
第3の実施形態の内視鏡は、
図6(A)に示すように、レンズユニット35と素子カバーガラス43との間の離間部47に、接着用樹脂37が充填されている。図示例のように、レンズL3の撮像側の最終面が、素子カバーガラス43との対向面に凹面を有する場合、素子カバーガラス43の平面とレンズL3の凹面との間に、例えば透明などの透光性を有する接着用樹脂37を充填する。この場合、レンズL3の第2面L3R2(つまり、レンズL3の紙面右側の面。以下同様。)のレンズ周縁のコバ部55と素子カバーガラス43との距離は、例えば0〜100μmとする。本実施形態では、接着用樹脂37を充填することで、接着部分の強度を更に向上できる。また、接着用樹脂37が例えば紫外線硬化樹脂であれば、接着用樹脂37を短時間で硬化でき、本実施形態の内視鏡の製造に要する時間を短縮することができる。なお、素子カバーガラス43との対向面であるレンズL3の撮像側の最終面は、凸面を有してもよい。凸面の場合、レンズL3の第2面L3R2の中心部と素子カバーガラス43との距離は、例えば0〜100μmとする。
【0048】
第4の実施形態の内視鏡は、
図6(B)に示すように、レンズユニット35と素子カバーガラス43との間の離間部47に、空気層53が設けられている。図示例のように、レンズL3の撮像側の最終面が、素子カバーガラス43との対向面に凹面を有する場合、素子カバーガラス43の平面とレンズL3の凹面との間に、接着用樹脂37を充填せずに空気層53を形成する。またこの場合、レンズL3の第2面L3R2のレンズ周縁のコバ部55と素子カバーガラス43との距離は、例えば0〜100μmとする。本実施形態では、空気層53を設けることで、レンズユニット35の撮像側の最終面における屈折率差が大きくなるので、レンズ設計の自由度が高まる。
【0049】
図7(A)及び(B)は、第5の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成の一例を示す図である。
図7(A)は、第5の実施形態の内視鏡の先端部の一例を示す断面図である。
図7(B)は、
図7(A)の要部拡大図である。第5の実施形態は内視鏡の先端部の構成の第4変形例を示す。
【0050】
第5の実施形態の内視鏡は、レンズユニット35のレンズL3の撮像側の最終面がフラットに形成されている。図示例のように、レンズL3の撮像側の最終面を平面で構成した場合、レンズユニット35と素子カバーガラス43とを所定距離だけ離して対向させ、外周部に接着用樹脂37を盛り上げて塗布し、レンズユニット35と素子カバーガラス43とを接着固定する。ここで、レンズユニット35と素子カバーガラス43との間の離間部47の距離は、光学設計の差異によって例えば10〜40μmとする。
【0051】
図8は、第6の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図である。第6の実施形態は内視鏡の先端部の構成の第5変形例を示す。
【0052】
第6の実施形態の内視鏡は、レンズユニット35のレンズL3の他の構成例を示す。レンズユニット35は、被写体側から撮像側に向かって順に、レンズL1の第1面L1R1(つまり、レンズL1の紙面左側の面。以下同様。)が凹面、第2面L1R2(つまり、レンズL1の紙面右側の面。以下同様。)が平面、レンズL2の第1面L2R1(つまり、レンズL2の紙面左側の面。以下同様。)が平面、第2面L2R2(つまり、レンズL2の紙面右側の面。以下同様。)が凸面、最終レンズであるレンズL3の第1面L3R1(つまり、レンズL3の紙面左側の面。以下同様。)が凹面、最終面である第2面L3R2(つまり、レンズL3の紙面右側の面。以下同様。)が凸面を有して構成される。
【0053】
凸面であるレンズL3の第2面L3R2と素子カバーガラス43との間の離間部47は、接着用樹脂37が充填されている。この接着用樹脂37によって、レンズユニット35と撮像素子33とが直接接着されて固定される。接着用樹脂37は、透明の接着樹脂材料により構成され、接着用樹脂37の屈折率をnad、レンズL3の屈折率をn3とすると、例えば|n3−nad|>0.01の関係を満たすものを用いる。即ち、撮像側の端部のレンズL3の屈折率n3に対して、接着用樹脂37の屈折率nadはできるだけ大きな屈折率差があるもの(具体的には、例えば0.01より大きい差を有するもの)とするのが好ましい。例えばレンズL3の屈折率n3を1.55とした場合、接着用樹脂37として屈折率nadが1.52のものを用いる。なお、屈折率差が確保できれば、レンズL3の屈折率n3と接着用樹脂37の屈折率nadとの大小関係が逆になるものであってもよい。
【0054】
また、レンズL3の第2面L3R2と撮像素子33の撮像面41との間の離間部47の間隔は、第2面L3R2の凸面中心部の突出した部分において、例えば0〜100μmとする。即ち、第2面L3R2の中心部と撮像面41とが当接した状態から100μm離間した状態までの寸法範囲とする。これにより、レンズユニット35と撮像素子33との光軸方向の距離を0〜100μmの範囲で調整してフォーカス位置調整(ピント合わせ)を行い、容易に組み付けることができる。
【0055】
また、レンズユニット35の撮像側の少なくとも一部、撮像素子33の外周部、及び伝送ケーブル31の先端側接続部近傍は、封止用の樹脂部材として、例えば黒色などの遮光性を有するモールド樹脂17によって封止されている。レンズユニット35と撮像素子33との接続固定部位は、被写体像の光線を透過する透明材料などの透光性を有する接着用樹脂37の外周部に、黒色などの遮光性を有するモールド樹脂17を設けて被覆する二重構造としている。
【0056】
第6の実施形態では、レンズL3と接着用樹脂37の屈折率差を0.01より大きくすることにより、レンズL3の第2面L3R2における屈折効果が大きくなる。これにより、光学レンズ群LNZの撮像側の最終面であるレンズL3の第2面L3R2を有効に機能させて屈折力を得ることができ、光学レンズ群LNZにおいて使用可能な光学面数が増加する。この結果、光学レンズ群LNZの光学性能(解像度、色収差、歪など)に関して、必要な光学性能を得るためのレンズ枚数を削減でき、小型化及びコスト低減を図ることができる。また、レンズL3の第2面L3R2を凸面とし、曲面において接着用樹脂37により接着することによって、接着用樹脂37の接触面積が大きくなり、レンズユニット35と素子カバーガラス43との接着強度を向上できる。また、透光性の接着用樹脂37と遮光性のモールド樹脂17との二重構造とすることによって、内視鏡先端部の耐久性及び固定強度を向上できる。また、離間部47の間隔をレンズL3の中心部にて0〜100μmとすることによって、レンズユニット35の各部品の光軸方向の厚み寸法公差、及びレンズユニット35と撮像素子33との組み付け寸法公差を緩和できるため、組立性を向上でき、また部品コストも低減できる。
【0057】
図9は、第7の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成の一例を示す断面図である。第7の実施形態は内視鏡の先端部の構成の第6変形例を示す。
【0058】
第7の実施形態の内視鏡は、レンズユニット35のレンズL3の更に他の構成例を示す。レンズユニット35は、被写体側から撮像側に向かって順に、レンズL1の第1面L1R1が凹面、第2面L1R2が平面、レンズL2の第1面L2R1が平面、第2面L2R2が凸面、最終レンズであるレンズL3の第1面L3R1が凸面、最終面である第2面L3R2が凹面を有して構成される。即ち、
図8に示した第6の実施形態とはレンズL3の凹凸が逆になっている構成例である。ここでは、第6の実施形態と構成が異なる部分についてのみ説明する。
【0059】
凹面であるレンズL3の第2面L3R2と素子カバーガラス43との間の離間部47は、接着用樹脂37が充填されている。離間部47の間隔は、第2面L3R2の凹面周辺部(即ち、第2面L3R2のレンズ周縁)のコバ部において、例えば0〜100μmとする。即ち、第2面L3R2の周辺部と撮像面41とが当接した状態から100μm離間した状態までの寸法範囲とする。
【0060】
第7の実施形態によれば、第6の実施形態と同様に、レンズL3と接着用樹脂37の屈折率差を0.01より大きくすることにより、必要な光学性能を得るためのレンズ枚数を削減でき、小型化及びコスト低減を図ることができる。また、レンズL3の第2面L3R2を凹面とし、曲面において接着用樹脂37により接着することによって、接着用樹脂37の接触面積が大きくなり、接着強度を向上できる。また、離間部47の間隔をレンズL3の周辺部にて0〜100μmとすることによって、レンズユニット35の光軸方向の厚み寸法公差、及びレンズユニット35と撮像素子33との組み付け寸法公差を緩和できるため、組立性を向上でき、また部品コストも低減できる。また、本実施形態の内視鏡では、離間部47にのみ接着用樹脂37が充填されているので、レンズL3と素子カバーガラス43との固定強度が確保されつつ、レンズユニット35の外周部分へのはみ出し部分がないため、内視鏡の細径化が期待可能となる。
【0061】
なお、
図8に示した第6の実施形態、
図9に示した第7の実施形態において、
図6(B)に示した第4の実施形態と同様に、レンズL3の周辺部のみを接着用樹脂にて接着してレンズ中央部分に空気層を設ける構成としてもよい。この場合は、接着用樹脂の屈折率に関係なく、レンズL3の第2面L3R2において十分な屈折力を得ることができる。
【0062】
ここで、本実施形態の内視鏡の寸法の一例を示す。なお、以下に示す数値は一つの具体例を示すものであり、用途、使用環境等に応じて種々の例が考えられる。
【0063】
一例として、レンズユニット35は、前後方向にS=1.4mmの長さを有するものとする。また、レンズ支持部材39の断面は、外径がD=1.00mmの円形をなしており、その内径はd=0.90mmの円形とする。この場合、レンズ支持部材39の径方向における厚みは、(Dd)/2=50μmとなる。また、撮像素子33は、前面視において一辺の長さT=1.00mmの正方形形状をなし、その中央部にはこれも前面視において正方形形状をなす撮像面41が設けられるものとする。
【0064】
ここで、レンズ支持部材39の外周(外径=D)をなす円は、撮像素子33が構成する正方形に略内接し、かつ撮像面41が構成する正方形に外接する関係としている。そして、撮像面41の中央(撮像面41の対角線の交点)、レンズユニット35の中央(レンズユニット35の内周がなす円の中心)、レンズ支持部材39の中央(レンズ支持部材39の外周がなす円の中心)の位置は一致しており、ここを光軸LCが貫通する。より正確には、撮像面41の中央を貫通する法線が光軸LCであって、この光軸LCがレンズユニット35の中央を貫通するように、レンズユニット35が撮像素子33に対して位置合わせされている。
【0065】
撮像素子33に伝送ケーブル31が接続されている場合には、撮像素子33の出力を上述したビデオプロセッサ19により処理して、表示装置に表示させることが可能である。被写体として所定のテストチャート(例えば、解像度チャート)を用いることで、レンズユニット35の位置調整が容易となり、位置合わせの工程に要する時間を短縮することができる。
【0066】
レンズユニット35と撮像素子33との位置調整が完了した段階では、レンズユニット35と、撮像素子33との間から接着用樹脂37が若干露出していることが望ましい。接着用樹脂37の量が不足している場合は、レンズユニット35と撮像素子33との間に接着用樹脂37を注入する。注入された接着用樹脂37は、毛細管現象によって、レンズユニット35と撮像素子33との間に充填される。
【0067】
次に、第1〜第7の実施形態におけるレンズユニット35の各レンズL1、L2、L3のコーティングについて説明する。
【0068】
レンズの表面は、光量の低下やフレアゴーストの発生を防ぐために、単層や複層の薄膜が蒸着される。薄膜の材質としては、酸化チタン(TiO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)などの金属酸化物や、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などの金属や、酸化ケイ素(SiO2)、炭化ケイ素(SiC)、ケイ素(Si)、フッ化マグネシウム(MgF2)などが用いられる。また、一般的に、単層の場合や複層の場合の最表層には、最表面の防汚効果を求めてフッ化マグネシウムが使用される。しかし、第1〜第7の実施形態では最終レンズであるレンズL3の最終面である第2面L3R2が接着用樹脂37によって撮像素子33に固定されるが、フッ化マグネシウムが最表面にコーティングされると接着強度が著しく低下する。そのため、レンズL3の第2面L3R2の最表面にはフッ化マグネシウム以外の、金属酸化物や金属や酸化ケイ素、炭化ケイ素、ケイ素などを使用することが望ましい。
【0069】
また、無機材料と有機材料とを化学的に結合する働きがあるトリメチルシラン(C3H10Si)などのシランカップリング剤をレンズL3の第2面L3R2の最表面に使用することによって、無機材料であるレンズL3と有機材料である接着用樹脂37との接着強度を高めてもよい。
【0070】
図10は、照明手段の配置例を表す先端部の一例を示す正面図である。また、内視鏡11は、撮像素子33が方形状に形成される。4つの光ファイバ59は、撮像素子33における各辺部の略中央に配設される。
【0071】
この構成によれば、正方形の撮像素子33と、撮像素子33に略外接する円形のモールド部65とに挟まれるスペースを有効に利用でき、先端部15の外径を大きくせずに、複数の光ファイバ59を配設することができる。また、内視鏡11は、複数の光ファイバ59を備えることにより、撮像画像に影が生じにくく、明瞭な画像が得られるようになり、更に、製造を容易にしながら、先端部の外径を大きくせずに、複数の照明手段を配設することができる。
【0072】
図11は、光伝送ロッド部材61と光ファイバ59とを接続して構成されるライトガイドの一例を示す断面図である。また、内視鏡11は、照明手段が、レンズユニット35に沿って設けられる光伝送ロッド部材61と、この光伝送ロッド部材61に接続される光ファイバ59と、からなるものでもよい。
【0073】
この構成によれば、光ファイバ59の基端側(軟性部29側)を1本の太径で形成し、先端部15の直前で4本に分岐することが可能となる。分岐したそれぞれの光ファイバ59は、それぞれの光伝送ロッド部材61に接続する。このような構成とすることで、太径のプラスチック光ファイバが使用可能となる。太径のプラスチック光ファイバを使用することで、軟性部29における光ファイバ59を折れにくくすることができる。
【0074】
図12は、楕円断面を有する楕円光伝送ロッド部材67を備えた先端部15の一例を示す斜視図である。また、ライトガイド57の先端に、光伝送ロッド部材61の代わりに、光伝送ロッド部材61よりも大径の楕円光伝送ロッド部材67を用いてもよい。
【0075】
この構成によれば、扁平に形成した楕円光伝送ロッド部材67を形成することもできる。これにより、内視鏡11は、先端部の外径を大きくせずに、照明光量を増加させることができる。
【0076】
図13は、モールド樹脂17からなるモールド部65の厚みと透過率との関係の一例を示す特性図である。
図13は、添加物としてカーボンブラックをモールド樹脂材料(エポキシ系樹脂)に添加した場合の透過率の測定例を示している。
図13において、黒丸及び破線はカーボンブラックを5重量%(wt%)添加した場合を示し、黒菱形及び一点鎖線はカーボンブラックを1重量%(wt%)添加した場合を示している。
【0077】
カーボンブラックを5重量%添加した場合は、モールド部の厚みの大小にほとんど依存せずに、厚みが30μm以下であっても光の透過率0.5%程度(遮光率99.5%)と高い遮光性能が得られる。カーボンブラックを1重量%添加した場合は、モールド部の厚みが小さくなるに従って透過率が上昇する。1重量%添加の場合、モールド部の厚みが30μm以上あれば、透過率8.0%以下に抑えることができる。よって、モールド部65は、厚みTを30μm以上に設定することにより、透過率10%以下の条件を十分に満たすことができる。例えば、モールド部の厚みを50μm以上とすると、1重量%添加で透過率4.5%以下、5重量%添加で透過率0.5%以下となり、より確実に光を遮断できる。
【0078】
モールド部65における透過率は、10%以下であれば、撮像ユニットにおいて迷光の影響が少ない良好な撮像画像を得ることができる。モールド部65の透過率が6%以下であると、撮像素子33の感度が高くても迷光の影響を十分抑制できる。透過率が10%より大きくなると、迷光の影響が生じて撮像画像として不具合がある。
【0079】
図14(A)及び(B)は、迷光が生じた場合の撮像画像の例を示す図である。
図14(A)は、迷光がある場合の撮像画像の一例を示す図である。
図14(B)は、迷光がない場合の撮像画像の一例を示す図である。
図14(A)のように迷光が生じた場合、撮像画像中に迷光による白飛びが例えば環状に発生し、明瞭な画像が得られない。撮像ユニットにおいては、
図14(B)のように迷光が生じない状態にする必要がある。
【0080】
モールド部65に添加物を添加する場合、
図13の例のように、添加物の添加量(含有量)を増やすほど遮光性能が向上するが、逆にモールド部の接着強度が低下する性質がある。よって、添加物の接着強度特性に応じて適量をモールド樹脂材料に添加する必要がある。
【0081】
図15は、モールド部65における添加物の添加量と引張り強度との関係の一例を示す特性図である。
図15は、添加物としてカーボンブラックをモールド樹脂材料(エポキシ系樹脂)に添加した場合の引張り強度の測定例を示している。ここで、引張り強度はモールド部65の接着強度に対応する。
図15に示すように、添加量が1重量%の場合は、引張り強度は2.5%程度しか低下しない。また、添加量が5重量%の場合は、引張り強度は12%程度低下する。引張り強度が20%程度低下すると、モールド部材としての接着強度が十分得られない場合があるため、カーボンブラックを添加する場合、添加量を5重量%以下とするのが好ましい。
【0082】
また、カーボンブラックのような導電性材料を添加物として用いる場合、添加量を増やすほど電気抵抗が低下し、導電性が付加される。
図16は、モールド部65における添加物の添加量と抵抗値、遮光率の関係の一例を示す図である。
図16は、添加物としてカーボンブラックをモールド樹脂材料(エポキシ系樹脂)に添加した場合の抵抗値と遮光率の測定例を示している。カーボンブラックの添加量として、無添加(0重量%添加)、1重量%添加、5重量%添加の3つの場合を測定した。遮光率はモールド部65の厚みを50μmとした場合の例である。無添加の場合、抵抗値は1.8〜5.0×10
13である。1重量%添加の場合、抵抗値は2.5〜3.0×10
13、遮光率は95%以上であり、5重量%添加の場合、抵抗値は3.5〜5.0×10
10、遮光率は99%以上である。5重量%添加の場合は、1重量%添加の場合と比べて電気抵抗の値が1000倍以上低下する。このため、添加物の導電特性と、封止対象である内部の構成要素(電子回路等)において要求される絶縁特性に応じて、適量をモールド樹脂材料に添加する必要がある。
【0083】
モールド部65における電気抵抗が小さい場合は、撮像素子33に接続される回路基板49及び伝送ケーブル31において漏れ電流等が生じ、撮像ユニットの信号処理部周辺の電気特性が悪化する場合がある。一方、モールド部65において適度な導電性を持たせることにより、撮像ユニットにおいて静電気が発生した場合に、静電気放電の衝撃を低減し、撮像素子33への過大電流を抑制でき、撮像素子33の静電破壊を抑止できる。即ち、撮像ユニットのサージ対策が可能となる。
【0084】
上述したように、各実施形態によれば、モールド部65の樹脂材料に添加物を含有させることにより、モールド部65において光の透過率を10%以下に小さくし、かつ、モールド部65の厚みを小さくできる。これにより、撮像ユニットにおいて十分な遮光特性を持たせつつ小型化を図ることができる。
【0085】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【解決手段】レンズ支持部材39にレンズを収容するレンズユニット35と、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、撮像素子33に電気的に接続された伝送ケーブル31と、レンズユニットに沿って設けられるライトガイド57と、を備え、撮像面41の中心にレンズの光軸LCを一致させたレンズユニット35と素子カバーガラス43が接着用樹脂37で固定され、レンズユニット35の少なくとも一部、撮像素子33、伝送ケーブル31の一部及びライトガイド57の一部がモールド樹脂17によって被覆されて固定され、かつモールド樹脂17は外部に露出されている。