特許第5905991号(P5905991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5905991
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】調理用アルミ蓋
(51)【国際特許分類】
   A47J 36/16 20060101AFI20160407BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20160407BHJP
【FI】
   A47J36/16 A
   A47J27/00 101E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-219477(P2015-219477)
(22)【出願日】2015年11月9日
【審査請求日】2015年12月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515311039
【氏名又は名称】東山 秀昭
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】東山 秀昭
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−017592(JP,U)
【文献】 実公昭62−031079(JP,Y2)
【文献】 実公昭58−002252(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00 − 36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で、中央部に位置する基部(20)と、この基部(20)から上方に突出形成された摘み部(30)と、この摘み部(30)が形成されることで形成される開口(40)とを備えた調理用アルミ蓋であって、
前記摘み部(30)は、前記基部(20)から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板(31,31)と、これら起立板(31,31)の上部(31a)を一体に連結する天板(32)とを有し、
前記開口(40)は、前記相対向して立ち上がる一対の起立板(31,31)同士の間に形成され
前記摘み部(30)は、さらに、前記一対の起立板(31,31)の一側部(31b)同士、前記基部(20)、および天板(32)を一体に連結する側板(33)を有していることを特徴とする調理用アルミ蓋。
【請求項2】
平面視で、中央部に位置する基部(20)と、この基部(20)から上方に突出形成された摘み部(30)と、この摘み部(30)が形成されることで形成される開口(40)とを備えた調理用アルミ蓋であって、
前記摘み部(30)は、前記基部(20)から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板(31,31)と、これら起立板(31,31)の上部(31a)を一体に連結する天板(32)とを有し、
前記起立板(31,31)は平面視で波状に形成され、前記基部(20)における起立板(31,31)の根部近くには、起立板(31,31)と直交方向から見て波状に形成された補強部(22)が設けられていることを特徴とする調理用アルミ蓋。
【請求項3】
請求項1または2において、
平面視で、前記基部(20)の周辺には、該基部(20)の外径と相似形の蛇腹部(21)が設けられていることを特徴とする調理用アルミ蓋。
【請求項4】
請求項1または2において、
平面視で、前記基部(20)の周辺の少なくとも一部には、該基部(20)の中心部から外方に向かう放射状の蛇腹部(24)が設けられていることを特徴とする調理用アルミ蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理用アルミ蓋に関するものである。例えば、落とし蓋や蒸し用の蓋として利用できる使い捨ての調理用アルミ蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、平面視で、中央部に位置する基部と、この基部から上方に突出形成された摘み片(13)と、この摘み片(13)が形成されることで形成される開口(14)とを備えた落とし蓋が知られている。
【0003】
同文献0005段落には、この落とし蓋は、0.01〜0.5mm位のアルミシートで形成可能である旨の記載がある。
摘み片(13)は、シートの中心部に切り込みを入れることで形成され、使用する際に、摘み片(13)を折り立てることで、その折り立てた摘み片(13)の外側に、摘み片(13)の跡としての開口(14)が形成される(同0008段落)。
【0004】
この落とし蓋によれば、使用する際に、摘み片(13)を折り立てることで摘まみとして利用でき、中心部に開口(14)があるため、鍋の中の食材の上に載せて使用すると、調味料を含んだ熱湯が開口(14)からも吹き上がるので、鍋の中心部に位置する食材も均等に軟らかく、かつ味付けされる(同0013段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3055392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の落とし蓋では、摘み片(13)の外側に開口(14)が上方へ向かって形成されるから、調理時に摘み片(13)を摘まむ際に、手指に熱湯や蒸気が触れやすい。
また、開口(14)が上方へ向かって露出しているため、開口(14)から異物が入りやすい。
本発明が解決しようとする課題は、調理時に摘み部を摘まむ際に、手指に熱湯や蒸気が触れにくく、また、開口から異物が入りにくい調理用アルミ蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の調理用アルミ蓋は、
平面視で、中央部に位置する基部と、この基部から上方に突出形成された摘み部と、この摘み部が形成されることで形成される開口とを備えた調理用アルミ蓋であって、
前記摘み部は、前記基部から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板と、これら起立板の上部を一体に連結する天板とを有し、
前記開口は、前記相対向して立ち上がる一対の起立板同士の間に形成されることを特徴とする。
この調理用アルミ蓋によれば、使用する際には、摘み部を摘まんで開閉操作を行うことができる。
そして、摘み部は、前記基部から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板と、これら起立板の上部を一体に連結する天板とを有し、開口は、相対向して立ち上がる一対の起立板同士の間で天板の下方に形成されるから、開口は、いわば摘み部の内側に形成されることとなる。
そのため、調理時に摘み部を摘まむ際に、手指に熱湯や蒸気が触れにくくなる。
また、開口は、いわば摘み部の内側に形成されることとなるため、開口から異物が入りにくくなる。
【0008】
この調理用アルミ蓋においては、
前記摘み部は、前記基部から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板と、これら起立板の上部を一体に連結する天板とを有し、さらに、一対の起立板の一側部同士、前記基部、および天板を一体に連結する側板を有している構成とすることにより、開口は前記一対の起立板の他側部側にのみ開口することとなるため、調理時に摘み部を摘まむ際に前記一側部側から摘まむことで、手指に熱湯や蒸気が一層触れにくくなるとともに、開口から異物が一層入りにくくすることができる
【0009】
この調理用アルミ蓋においては、
前記起立板は平面視で波状に形成され、前記基部における起立板の根部近くには、起立板と直交方向から見て波状に形成された補強部が設けられている構成とすることにより、起立板の自立性、摘み部の強度して、使い勝手向上させることができる
【0010】
この調理用アルミ蓋においては、
平面視で、前記基部の周辺には、該基部の外径と相似形の蛇腹部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、前記蛇腹を伸縮させることで、蓋で覆う食材に合わせて蓋内容量を調整できるため、むし用蓋として好適に利用することが可能となる。
【0011】
この調理用アルミ蓋においては、
平面視で、前記基部の周辺の少なくとも一部には、該基部の中心部から外方に向かう放射状の蛇腹部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、前記蛇腹を伸縮させることで、蓋の外径ないし蓋内容量を調整できるため、落とし蓋としても、むし用蓋としても好適に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る調理用アルミ蓋の一実施の形態の平面図。
図2】同じく正面図。
図3図1における3−3断面図。
図4図1における4−4断面図。
図5】蛇腹を部分的に伸ばした状態の断面図(図1の4−4断面図に相当する図)。
図6】本発明に係る調理用アルミ蓋の一実施の形態の平面図。
図7図6における7−7断面図。
図8図6における8−8断面図。
図9】蛇腹を部分的に伸ばした状態の断面図(図6の7−7断面図に相当する図)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る調理用アルミ蓋の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0014】
図1図4に示す調理用アルミ蓋10は、平面視(図1)で、中央部に位置する基部20と、この基部20から上方に突出形成された摘み部30と、この摘み部30が形成されることで形成される開口40とを備えている。
【0015】
図1図4に示すように、摘み部30は、基部20から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板31,31と、これら起立板31,31の上部31a同士を一体に連結する天板32とを有している。
開口40は、相対向して立ち上がる一対の起立板31,31同士の間に形成される。
【0016】
この調理用アルミ蓋10によれば、使用する際には、摘み部30を摘まんで蓋10の開閉操作を行うことができる。
そして、摘み部30は、基部20から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板31,31と、これら起立板31,31の上部を一体に連結する天板32とを有し、開口40は、相対向して立ち上がる一対の起立板31,31同士の間で天板32の下方に形成されるから、開口40は、いわば摘み部30の内側に形成されることとなる。
そのため、調理時に摘み部30を摘まむ際に、手指に熱湯や蒸気が触れにくくなる。
また、開口40は、いわば摘み部30の内側に形成されることとなるため、開口40から異物が入りにくくなる。
【0017】
このような調理用アルミ蓋10は、公知の製造方法によって製造することができる。例えば、厚さ0.01〜1.0mm程度のアルミシートをプレス加工することによって製造することができる。摘み部30を他の部位に比べて肉厚に形成することも可能である。
【0018】
このような調理用アルミ蓋10は、使い捨ての蓋として適しており、屋内、屋外において、種々の料理を行う上で、落とし蓋(中蓋)、蒸し蓋として利用することができる。
このような調理用アルミ蓋10の各寸法(縦、横、高さ)は、使用する料理に応じて適宜の寸法のものを複数用意することができる。
図示の調理用アルミ蓋10は、いわば角・丸兼用型となっており、角部が円弧状となっている。
【0019】
摘み部30は、前述したように基部20から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板31,31と、これら起立板31,31の上部を一体に連結する天板32とを有し、さらに、一対の起立板31,31の一側部31b同士、基部20、および天板32を一体に連結する側板33を有している。
【0020】
このように構成すると、開口40は一対の起立板31,31の他側部31c側にのみ開口することとなるため、調理時に摘み部30を摘まむ際に一側部31b側から摘まむことで、手指に熱湯や蒸気が一層触れにくくなるとともに、開口40から異物が一層入りにくくなる。
別言すれば、開口40は、基部20に形成された開口部41と、この開口部41に連なり、摘み部30の他側部31c側に形成された開口部42のみが開口しており、他の部位は閉塞されているので、調理時に摘み部30を摘まむ際に、手指に熱湯や蒸気が一層触れにくくなるとともに、開口40から異物が一層入りにくくなる。
【0021】
なお、上述した側板33は必須のものではなく、摘み部30の一側部31b側も他側部31c側同様に開口部としても良い(図6図8参照)。
【0022】
図1図4に示す調理用アルミ蓋10は、平面視(図1)で、基部20の周辺に、該基部20の外径と相似形の蛇腹部21が設けられている。
このように構成すると、例えば図3図5に示すように、蛇腹21を伸縮させることで、蓋10で覆う食材に合わせて蓋内容量(蓋内高さ)を調整できるため、むし用蓋として好適に利用することが可能となる。
なお、蛇腹部21を構成する折り曲げ部の数は適宜設定できる。
【0023】
図6図8に示す実施の形態の調理用アルミ蓋10は、起立板31,31が平面視(図8)で波状に形成され、基部20における起立板31,31の根部近く(22)には、起立板31,31と直交方向から見て(図7に示すように)波状に形成された補強部22が設けられている。
【0024】
このように構成すると、起立板31,31の自立性が高まり、摘み部30の強度が増すため、使い勝手が向上する。
【0025】
図6図8に示す調理用アルミ蓋10の摘み部30は、基部20から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板31,31と、これら起立板31,31の上部31a同士を一体に連結する天板32とを有しており、開口40は、相対向して立ち上がる一対の起立板31,31同士の間に形成される。つまり、開口40は、基部20に形成された開口部41と、この開口部41に連なり、摘み部30の両側部に形成された開口部43,43とを有している。
【0026】
図6図8に示す調理用アルミ蓋10は、平面視(図8)で、基部20の周辺の少なくとも一部には、該基部20の中心部から外方に向かう放射状の蛇腹部24が設けられている。
このように構成すると、例えば図7図9に示すように、蛇腹24を伸縮させることで、蓋10の外径ないし蓋内容量を調整できるため、落とし蓋としても、むし用蓋としても好適に利用することが可能となる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、図6に示す調理用アルミ蓋10では、4つ角の湾曲部のみに蛇腹24を形成したが、全周に亘って蛇腹を形成することもできる。
【符号の説明】
【0028】
10: 調理用アルミ蓋
20: 基部
21: 相似形の蛇腹部
22: 補強部
24: 放射状の蛇腹部
30: 摘み部
31: 起立板
32: 天板
33: 側板
40: 開口
【要約】
【課題】調理時に摘み部を摘まむ際に、手指に熱湯や蒸気が触れにくく、また、開口から異物が入りにくい調理用アルミ蓋を提供する。
【解決手段】平面視で、中央部に位置する基部(20)と、基部(20)から上方に突出形成された摘み部(30)と、摘み部(30)が形成されることで形成される開口(40)とを備え、摘み部(30)は、基部(20)から一体に相対向して立ち上がる一対の起立板(31,31)と、これら起立板(31,31)の上部を一体に連結する天板(32)とを有し、開口(40)は、相対向して立ち上がる一対の起立板(31,31)同士の間に形成される。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9