(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の処理対象領域と前記処理対象領域間に形成された切断領域とを備え、前記処理対象領域と前記切断領域との配置パターンが互いに異なる第一基板と第二基板とを処理するための基板の処理装置であって、
鉛直方向に延びる回転軸と、前記回転軸と直交して水平方向に延在する延在部と、前記延在部から上方に突出し、前記切断領域を支持する1つのピンとを備える複数の支持機構と、
複数の前記支持機構各々の前記回転軸を回転し、前記ピンの位置調整を行う調整機構と、
処理対象となる基板が前記第一基板であるか前記第二基板であるかを示す基板識別情報を受け付ける受付部と、
複数の前記支持機構各々の前記回転軸の基準位置からの回転角度と前記第一基板であることを示す基板識別情報とを対応付けて記憶するとともに、複数の前記支持機構各々の前記回転軸の基準位置からの回転角度と前記第二基板であることを示す基板識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記受付部が受け付けた前記基板識別情報に対応する複数の前記支持機構各々の前記回転軸の基準位置からの回転角度を前記記憶部から読み出し、前記調整機構を駆動制御して、複数の前記支持機構各々の前記回転軸の基準位置からの回転角度を前記記憶部から読み出した回転角度とすることで、前記切断領域を支持するとともに、前記処理対象領域を支持しないように前記ピンの位置調整を行う制御手段とを備える基板の処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は重複しないように適宜省略される。
図1〜
図9を参照して、本実施形態について説明する。
はじめに、本実施形態の処理装置1の概要について説明する。
処理装置1は、複数の処理対象領域aと処理対象領域a間に形成された切断領域bとを備え、処理対象領域aと切断領域bとの配置パターンが互いに異なる第一基板A1〜第五基板A5(
図5〜9参照)を処理するための基板の処理装置である。
【0011】
第一基板A1〜第五基板A5は、切断領域bに沿って切断され、処理対象領域aが画像表示装置の画面領域(表示部)となる。第一基板A1〜第五基板A5は、たとえば、ガラス基板であり、処理装置1は、基板上に塗布された塗膜を熱処理する熱処理装置である。より具体的には、ヒータ17からのふく射伝熱と処理装置1内を流れる風からの対流伝熱の組合せで、揮発物(有機溶剤など)を排気しながら塗膜を乾燥させる装置である。
【0012】
第一基板A1は、
図5に示すものである。Y軸方向に沿った並びを列、X軸方向に沿った並びを行とすると、処理対象領域aが2行×3列で配置されており、処理対象領域a間が切断領域bとなっている。切断領域bは格子状に配置されている。
第二基板A2は、
図6に示すものである。Y軸方向に沿った並びを列、X軸方向に沿った並びを行とすると、処理対象領域aが4行×2列で配置されており、処理対象領域a間が切断領域bとなっている。
第三基板A3は、
図7に示すものである。Y軸方向に沿った並びを列、X軸方向に沿った並びを行とすると、処理対象領域aが4行×2列で配置されており、処理対象領域a間が切断領域bとなっている。ただし、処理対象領域aおよび切断領域bのX軸方向およびY軸方向の長さが、第二基板A2の処理対象領域aおよび切断領域bとは異なっている。従って、第三基板A3は第二基板A2とは、処理対象領域aと切断領域bの配置パターンが異なったものとなっている。
第四基板A4は、
図8に示すものである。Y軸方向に沿った並びを列、X軸方向に沿った並びを行とすると、処理対象領域aが3行×4列で配置されており、処理対象領域a間が切断領域bとなっている。
第五基板A5は、
図9に示すものである。Y軸方向に沿った並びを列、X軸方向に沿った並びを行とすると、処理対象領域aが4行×6列で配置されており、処理対象領域a間が切断領域bとなっている。
なお、本実施形態の処理装置1は、処理対象領域aと切断領域bとの配置パターンが互いに異なる複数の基板を処理する装置であればよいが、一の基板を処理した後、他の基板を処理する際には、支持部153を駆動させて配置位置を調整する必要があることが好ましく、たとえば、処理対象領域の列数あるいは行数が互いに異なる基板を処理するものであることが好ましい。
【0013】
図1〜4に示すように、処理装置1は、第一基板A1〜第五基板A5のうち、処理対象となる基板の切断領域bを支持する複数の支持部(ピン153)と、複数のピン153を駆動して、水平方向(X−Y面内)におけるピン153の配置位置を調整する調整機構16と、処理対象となる基板が第一基板A1〜第五基板A5のいずれかであるかを示す基板識別情報を受け付ける受付部21と、第一基板A1〜第五基板A5の切断領域bの配置パターンに対応したピン153の配置位置に関する情報と第一基板A1〜第五基板A5のいずれかであるかを示す基板識別情報とをそれぞれ対応付けて記憶する記憶部22と、受付部21が受け付けた前記基板識別情報に対応するピン153の配列位置に関する情報を記憶部22から読み出し、読み出したピン153の配列位置に関する情報に応じて、調整機構16を駆動制御して、ピン153のX−Y面内における配置位置を調整する制御手段23とを備える。
【0014】
次に、処理装置1について詳細に説明する。
処理装置1は
図1の側面図に示すように、ベース11、昇降台12、昇降手段13、固定支持部(固定ピン)18、支持機構(第一支持機構15A,第二支持機構15B)、調整機構16、ヒータ(処理部)17とを備える。
図1は処理装置1の側面図である。
【0015】
ベース11は、平板状の板材であり、昇降台12を支持している。
昇降台12は、平板状の板材であり、昇降手段13を介して、ベース11に支持されている。
昇降台12には、ねじ孔が形成されている。昇降手段13は、複数本のねじ軸で構成されており、各ねじ軸は、昇降台12に形成されたねじ孔に挿入されている。ねじ軸を回転駆動することで、昇降台12が上下に駆動する。すなわち、昇降台12は、ボールねじ機構により上下に駆動する。
昇降台12上には、支持機構が配置されている。支持機構は複数の第一支持機構15Aと複数の第二支持機構15Bとを含み、これらは昇降台12上に離間配置されている。支持機構15A,15Bは、処理対象となる基板を支持するものである。
【0016】
支持機構15Aは、
図1及び
図2(A)、(B)に示すように、回転軸151と、延在部152Aと、支持部であるピン153とを備える。なお、
図2(B)は、
図2(A)のB―B方向の断面図である。
図2(B)においては、見易さを考慮して、一部のピン18の記載を省略している。
回転軸151は、鉛直方向に一直線状に延在する棒状の部材であり、その基端部が調整機構16のモータに接続されている。モータを駆動することで、回転軸151が回転駆動することとなる。
回転軸151の先端部には、水平方向に延在する1本の延在部152Aが接続されている。延在部152Aは、その一方の端部が回転軸151に接続されるとともに、回転軸151から一方向に一直線状に延在する棒状の部材である。
延在部152Aの他方の端部には、ピン153が1本立設されている。ピン153は、鉛直方向に一直線状に延在する棒状の部材であり、先端部が円錐状あるいは円錐台状に形成されている。このピン153はその先端部が、処理対象となる基板の裏面に直接接触し、処理対象となる基板を支持する。
支持機構15Aは、回転軸151と、延在部152Aと、ピン153とでクランク形状となっている。なお、支持機構15Aにおいて、回転軸151の周囲には、ピン153が1本のみ設けられている。
【0017】
支持機構15Bは、支持機構15Aと同様、回転軸151と、支持部であるピン153とを備えるが、延在部152Bの長さが支持機構15Aの延在部152Aとは異なっている。その他の点は、支持機構15Aと同様である。
延在部152Bは、その一方の端部が回転軸151に接続されるとともに、回転軸151から一方向に一直線状に延在する棒状の部材である。延在部152Bの長さ(すなわち、延在部152Bの回転軸151との交点から、ピン153が設けられた部分までの長さ)は、延在部152Aの長さよりも短くなっている。本実施形態では、延在部152Bの長さは、延在部152Aの1/3程度となっている。
換言すると、支持機構15Bにおけるピン153の回転軸151からの距離と、支持機構15Aにおけるピン153の回転軸151からの距離とが異なっており、支持機構15Bにおけるピン153が描く回転半径と、支持機構15Aにおけるピン153が描く回転半径とは異なっている。
支持機構15Bも回転軸151と、延在部152Bと、ピン153とでクランク形状となっている。また、支持機構15Bにおいても、回転軸151の周囲には、ピン153が1本のみ設けられている。
【0018】
調整機構16は、前述したようにモータ(アクチュエータ)を備え、このモータを回転させることで支持機構15A,15Bの回転軸151が回転駆動する。回転軸151が回転駆動することで、延在部152A,152Bが回動し、ピン153の水平方向における支持位置が調整されることとなる。
【0019】
ここで、昇降台12上には、各支持機構15A,15Bそれぞれに対応して調整機構16が設けられている。すなわち、支持機構15Aおよび調整機構16で構成される第一ユニットと、支持機構15Bおよび調整機構16で構成される第二ユニットとが昇降台12上にそれぞれ複数、配置されている。
本実施形態では、
図2(A)にも示すように、図面Y軸方向に沿って第一ユニット(支持機構15Aおよび調整機構16)が離間配置された第一列がある。そして、この第一列の隣には、Y軸方向に沿って第二ユニット(支持機構15Bおよび調整機構16)が離間配置された第二列がある。この第二列の隣には、Y軸方向に沿って第一ユニットが離間配置された第三列がある。そして、第三列の隣には、Y軸方向に沿って第一ユニットが離間配置された第四列がある。第四列の隣には、Y軸方向に沿って第二ユニットが離間配置された第五列がある。第五の列の隣には、Y軸方向に沿って第一ユニットが離間配置された第六列がある。
ただし、各ユニットの配列は、これに限られたものではなく、処理装置1にて処理する基板の切断領域のパターンに応じて適宜設定すればよい。
【0020】
一方で、
図1および
図2に示すように、昇降台12上には、固定ピン(固定支持部)18も配置されている。固定ピン18は、鉛直方向に沿って一直線状に延在する棒状の部材であり、その先端が円錐状または円錐台状に形成されている。固定ピン18は、昇降台12に固定されたものであり、水平方向、高さ方向における配置位置が固定されている。固定ピン18は、
図5〜9の平面図に示すように、基板A1〜A5のいずれかの処理対象となる基板の周縁部および処理対象となる基板の中心部に位置する切断領域bを支持するように配置されている。
なお、固定ピン18により支持される基板の周縁部は、処理対象領域a外の領域である。
ただし、固定ピン18の配置はこれに限られたものではなく、処理装置1にて処理する基板の切断領域b、処理対象領域aの配置パターンに応じて適宜設定すればよい。
また、固定ピン18の先端の昇降台12からの高さ位置と、ピン153の先端の昇降台12からの高さ位置とは同じである。
【0021】
図1に示すように、ヒータ17は、処理対象となる基板に処理を施す処理部である。ヒータ17は、昇降台12の上部に配置され、処理対象となる基板を裏面側から加熱する。
ヒータ17は、本実施形態では、熱板であり、ヒータ17には、回転軸151および固定ピン18が貫通する貫通孔がそれぞれ形成されている。
ヒータ17を処理対象となる基板の裏面側に配置し、基板の下方側から基板を加熱することで、熱処理時に発生する揮発物がヒータ17に付着するのを防止している。
【0022】
また、
図3に示すように、処理装置1は、さらに、受付部21、記憶部22、制御手段23を備える。
本実施形態の処理装置1では、第一基板A1〜第五基板A5のいずれかの基板を処理するが、受付部21は、処理対象となる基板が第一基板A1〜第五基板A5のいずれかであるかを示す基板識別情報を受け付ける。
【0023】
記憶部22には、第一基板A1〜第五基板A5の切断領域bの配置パターンに対応したピン153の水平方向における配置位置に関する情報と、第一基板A1〜第五基板A5の基板識別情報(第一基板A1〜第五基板A5のいずれかであることを示す情報)とがそれぞれ対応付けられて記憶されている。
たとえば、第一基板A1を処理する際には、
図5に示すようなピン153の平面配置となる。たとえば、
図2に示したピン153の配置位置を基準位置とした場合、第一列目の図面手前側から1番目のピン153(図面中、最も左端に配置され、図面手前側に位置するピン153、たとえば、ピンNo.1−1とする)の配置位置は、基準位置の状態から回転軸151を180°回転させた位置となることが記憶部22に記憶されている。
【0024】
同様に、
図2に示したピン153の配置位置が基準位置である場合、第一列目の手前から2番目のピン153(たとえば、ピンNo.1−2とする)の位置は、基準位置の状態から回転軸151を180°回転させた位置となることが記憶部22に記憶されている。このように各ピン153の配置位置に対応した回転軸151の基準位置からの回転角度が記憶部22に記憶されている。
本実施形態では、ピン153の水平方向における配置位置に関する情報は、各ピン153に接続された回転軸151の基準位置からの回転角度となる。
【0025】
また、第二基板A2を処理する場合には、
図6に示すようなピン153の平面配置となる。そして、第一基板A1の場合と同様に、第二基板A2を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度が記憶部22に記憶されている。
【0026】
さらに、第三基板A3を処理する場合には、
図7に示すようなピン153の平面配置となる。第四基板A4を処理する場合には、
図8に示すようなピン153の平面配置となる。第五基板A5を処理する場合には、
図9に示すようなピン153の平面配置となる。そして、記憶部22には、各基板A3〜A5を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度がそれぞれ記憶されている。
【0027】
より具体的には、各ピン153には、各ピン153を識別するための識別情報であるピンナンバーが割り振られており、記憶部22は、
図3(B)に示すように、ピン153の識別情報と、各ピン153の回転軸151の回転角度(ピン153の水平方向における配置位置に関する情報)とが対応付けられて記憶されたテーブル221が複数記憶されている。各テーブル221は、基板A1〜A5を示す各基板識別情報と対応付けられている。
なお、本実施形態では、基板A1〜A5を処理する際、各回転軸151の基準位置からの回転角度は、0°か180°の2つのうちの一方となる。
【0028】
図3(A)に示すように、制御手段23は、受付部21が受け付けた前記基板識別情報に対応するピン153の配置位置に関する情報を記憶部22から読み出す読出部231と、読出部231で読み出したピン153の配列位置に関する情報に基づいて、調整機構16のモータを駆動制御して、ピン153の水平方向における配置位置を調整する制御部232とを備える。
【0029】
読出部231は、記憶部22に記憶されたテーブル221のうち、受付部21で受け付けた、基板識別情報に対応したテーブル221を読み出す。
制御部232では、読出部231で読み出したテーブル221に記憶された各回転軸151の基準位置からの回転角度で、各回転軸151が基準位置から回転するように、各モータに信号を送信する。
なお、詳しくは後述するが、たとえば、第一基板A1を処理した後、第二基板A2を処理する場合には、読出部231は、第一基板A1のテーブル221、第二基板A2のテーブル221を読み出し、制御部232では、第一基板A1のテーブル221、第二基板A2のテーブル221に基づいて、各回転軸151の回転角度の差を算出する。そして、制御部232は、この回転角度差で回転軸151が回転するように、各モータに信号を送信する。
【0030】
制御部232からの信号をうけ、各モータが駆動し、各回転軸151が回転駆動することとなる。
なお、モータは、図示しないが、回転軸151の基準位置からの回転角度を検出するエンコーダと、比較制御部とを有する。比較制御部では、エンコーダにより検出された回転軸151の回転角度と、制御部232からの信号に基づく回転角度とを比較し、回転角度が一致するまで、モータを駆動するように制御し、回転角度が一致したら、モータの駆動を停止する。
【0031】
さらに、この処理装置1は、
図4に示すように、処理対象となる基板(基板A1〜A5のいずれか)をピン153および固定ピン18上に配置するとともに、処理対象となる基板をピン153および固定ピン18上から移動させるためのフォーク19も有している。
【0032】
次に、処理装置1による基板の処理方法について説明する。
はじめに、作業者が、処理すべき基板の基板識別情報(基板A1〜A5のどの基板を処理するかという情報)を処理装置1に入力する。本実施形態では、はじめに第一基板A1を処理するため、第一基板A1の基板識別情報を作業者が処理装置1に入力する(処理S1)。入力した情報は受付部21で受け付けられ、その後、制御手段23に送信される(処理S2)。制御手段23の読出部231では、受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブル221を読み出す(処理S3)。ここでは、第一基板A1に対応するテーブル221を読み出す。読み出したテーブル221に基づいて制御部232は、各回転軸151の基準位置からの回転角度の情報をモータに送信する(処理S4)。
【0033】
モータは、制御部232からの情報に基づき、各回転軸151を回転駆動させる。なお、本実施形態では、第一基板A1をはじめに処理するため、第一基板A1の処理を開始する前段において、各回転軸151は、基準位置にあるとしている。
第一基板A1を処理する場合には、各ピン153の配置は、
図4、5のようになる(処理S5)。
図4,5は、処理装置1の平面図であり、基板A1を各ピン153、固定ピン18で支持した状態を示している。ただし、各ピン153、延在部152A,152B、固定ピン18は基板A1の下方に位置しているが、見易さを考慮し、実線で示している。
【0034】
図4に示すように、各ピン153を所定の位置に配置した後、ピン153および固定ピン18上に第一基板A1をのせる(処理S6)。具体的には、第一基板A1を裏面側から支持したフォーク19を、ピン153および固定ピン18上に移動させる。そして、昇降台12を上方に駆動させて、ピン153および固定ピン18の先端を、第一基板A1の裏面に接触させる。その後、フォーク19を水平移動させて、昇降台12の上方からフォーク19を除去する。これにより、フォーク19からピン153および固定ピン18に第一基板A1が引き渡されることとなる。そして、第一基板A1がピン153および固定ピン18に支持されることとなる。このとき、
図4,5に示すように、固定ピン18およびピン153は第一基板A1の切断領域bおよび第一基板A1の周縁部に当接し、処理対象領域aには接触していない。
【0035】
その後、ヒータ17により、第一基板A1の加熱処理が行なわれる(処理S7)。所定時間加熱処理を行なった後、昇降台12が上方に移動し、フォーク19が水平移動して、ピン153および固定ピン18からフォーク19に第一基板A1が引き渡されることとなる(処理S8)。
その後、処理S6〜処理S8を繰り返すことで、複数枚の第一基板A1を処理することができる。
【0036】
次に、第一基板A1の処理が終了した後、作業者は、次に処理すべき基板の基板識別情報を処理装置1に入力する。ここでは、第二基板A2を処理するため、第二基板A2の基板識別情報が処理装置1に入力される。入力された基板識別情報は受付部21で受け付けられ、その後、制御手段23に送信される。制御手段23の読出部231では受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブル221を読み出す。ここでは、第二基板A2のテーブル221を読み出す。また、受付部21から読出部231に基板識別情報が出力された際、読出部231では、前回読み出したテーブル221も読み出す。ここでは、第一基板A1のテーブル221を読み出す。
そして、制御部232では、読出部231で読み出した第二基板A2のテーブル221と、第一基板A1のテーブル221とを比較し、第一基板A1を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度と、第二基板A2を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度との差を求める。そして、回転軸151の回転角度差をモータに出力し、モータの駆動を制御する。
【0037】
なお、第一基板A1の処理後に第二基板A2を処理する場合、回転軸151を一度基準位置まで戻してから、モータを駆動させてもよい。この場合には、受付部21で基板識別情報を受け付けると、制御部232が回転軸151を一度基準位置に戻すようにモータを制御すればよい。そして、読出部231では、第二基板A2のテーブル221のみを読み出し、この読み出した第二基板A2のテーブル221に基づいて、制御部232は、各回転軸151の基準位置からの回転角度の情報をモータに送信すればよい。
【0038】
第二基板A2を処理する場合には、各ピン153の配置は、
図6のようになる。
図6において、各ピン153、延在部152A,152B、固定ピン18は基板A2の下方に位置しているが、見易さを考慮し、実線で示している。
【0039】
各ピン153を所定位置に配置した後、ピン153および固定ピン18上に第二基板A2をのせる。この工程は、前述した処理S6と同様の工程であり、フォーク19から第二基板A2を固定ピン18、ピン153に引き渡す。このとき、
図6に示すように、固定ピン18およびピン153は第二基板A2の切断領域bおよび第二基板A2の周縁部に当接し、処理対象領域aには接触していない。
そして、第一基板A1を処理する際と同様の処理S7〜処理S8を実施する。さらに、第一基板A1を処理する際と同様、前述した処理S6〜処理S8を繰り返すことで、複数の第二基板A2を処理することができる。
【0040】
このようにして、第二基板A2の処理が終了した後、作業者は、次に処理すべき基板の基板識別情報(基板A1〜A5のどの基板を処理するかという情報)を処理装置1に入力する。本実施形態では、次に、第三基板A3を処理するため、第三基板A3の基板識別情報が処理装置1に入力される。入力された基板識別情報は受付部21で受け付けられ、その後、制御手段23に送信される。制御手段23の読出部231では受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブル221、ここでは、第三基板A3のテーブル221を読み出す。さらに、第二基板A2を処理する場合と同様、受付部21から読出部231に基板識別情報が出力された際、読出部231では、前回読み出したテーブル221も読み出す。ここでは、第二基板A2のテーブル221を読み出す。
そして、制御部232では、読出部231で読み出した第三基板A3のテーブル221と、第二基板A2のテーブル221とを比較し、第三基板A3を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度と、第二基板A2を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度との差を求める。そして、回転軸151の回転角度差をモータに出力し、モータの駆動を制御する。
その後の工程は、第二基板A2を処理する場合と同様である。
【0041】
なお、第三基板A3を処理する場合には、各ピン153の配置は、
図7のようになる。
固定ピン18およびピン153は第三基板A3の切断領域bおよび第三基板A3の周縁部に当接し、処理対象領域aには接触しない。なお、
図7では、各ピン153、延在部152A,152B、固定ピン18は基板A1の下方に位置しているが、見易さを考慮し、実線で示している。
【0042】
さらに、第三基板A3の処理が終了した後、作業者は、次に処理すべき基板の基板識別情報(基板A1〜A5のどの基板を処理するかという情報)を処理装置1に入力する。本実施形態では、次に、第四基板A4を処理するため、第四基板A4の基板識別情報が処理装置1に入力される。入力された基板識別情報は受付部21で受け付けられ、その後、制御手段23に送信される。制御手段23の読出部231では受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブル221、ここでは、第四基板A4のテーブル221を読み出す。さらに、第二基板A2を処理する場合と同様、受付部21から読出部231に基板識別情報が出力された際、読出部231では、前回読み出したテーブル221も読み出す。ここでは、第三基板A3のテーブル221を読み出す。
【0043】
そして、制御部232では、読出部231で読み出した第三基板A3のテーブル221と、第四基板A4のテーブル221とを比較し、第四基板A4を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度と、第三基板A3を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度との差を求める。そして、回転軸151の回転角度差をモータに出力し、モータの駆動を制御する。
その後の工程は、第二基板A2を処理する場合と同様である。
【0044】
なお、第四基板A4を処理する場合には、各ピン153の配置は、
図8のようになる。
固定ピン18およびピン153は第四基板A4の切断領域bおよび第四基板A4の周縁部に当接し、処理対象領域aには接触しない。なお、
図8では、各ピン153、延在部152A,152B、固定ピン18は基板A1の下方に位置しているが、見易さを考慮し、実線で示している。
【0045】
さらに、第四基板A4の処理が終了した後、作業者は、次に処理すべき基板の基板識別情報(基板A1〜A5のどの基板を処理するかという情報)を処理装置1に入力する。本実施形態では、次に、第五基板A5を処理するため、第五基板A5の基板識別情報が処理装置1に入力される。入力された基板識別情報は受付部21で受け付けられ、その後、制御手段23に送信される。制御手段23の読出部231では受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブル221、ここでは、第五基板A5のテーブル221を読み出す。さらに、第二基板A2を処理する場合と同様、受付部21から読出部231に基板識別情報が出力された際、読出部231では、前回読み出したテーブル221も読み出す。ここでは、第四基板A4のテーブル221を読み出す。
【0046】
そして、制御部232では、読出部231で読み出した第五基板A5のテーブル221と、第四基板A4のテーブル221とを比較し、第四基板A4を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度と、第五基板A5を処理する際の各回転軸151の基準位置からの回転角度との差を求める。そして、回転軸151の回転角度差をモータに出力し、モータの駆動を制御する。
その後の工程は、第二基板A2を処理する場合と同様である。
【0047】
なお、第五基板A5を処理する場合には、各ピン153の配置は、
図9のようになる。
固定ピン18およびピン153は第五基板A5の切断領域bおよび第五基板A5の周縁部に当接し、処理対象領域aには接触しない。なお、
図9では、各ピン153、延在部152A,152B、固定ピン18は基板A1の下方に位置しているが、見易さを考慮し、実線で示している。
【0048】
以上のようにして、処理された第一基板A1〜第五基板A5は、切断領域bにおいて切断され個片化されることとなる。
そして、各個片は、画像表示装置等の装置に組み込まれ、製品となる。この場合、処理対象領域aは画像表示装置の画面領域となる。基板A1〜A5からは、異なる画面領域サイズのディスプレイを得ることができる。
なお、本実施形態では、第一基板A1〜第五基板A5の順に基板を処理する例を示したが、基板の処理順はこれに限られるものではない。
【0049】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
処理装置1は、記憶部22を有し、記憶部22には、各基板A1〜A5の切断領域bの配置パターンに応じたピン153の配置位置に関する情報が、各基板A1〜A5の識別情報に対応付けられて記憶されている。
そして、制御手段23により、受付部21が受け付けた基板識別情報に対応するピン153の配置位置に関する情報を記憶部22から読み出し、記憶部22から読み出したピン153の配列位置に応じて、調整機構16を駆動制御して、支持部153の配置位置を調整している。
これにより、処理対象領域aと切断領域bとの配置パターンが互いに異なる第一基板A1〜第五基板A5に対応することができ、前記配置パターンが異なる基板A1〜A5であっても、切断領域bをピン153で支持して処理することができる。
すなわち、処理装置1では、第一基板A1〜第五基板A5のいずれの基板においても、処理対象領域aがピン153による支持の影響をうけてしまうことが防止される。そして、処理装置1では、第一基板A1〜第五基板A5のいずれをも処理することができるので、基板の処理効率を向上させることができる。
【0050】
なお、製品の画像表示領域等の大きさは様々であるため、あらかじめ基板に設定される切断領域、処理対象領域のパターンは複数存在する。従来、複数存在する切断領域、処理対象領域の配置パターンに応じて、ピン等の支持部の支持位置を変更することは困難であると考えられており、前記切断領域の配置パターンに応じて、ピン等の支持部の支持位置を変更することはなされなかった。
そして、複数存在する切断領域、処理対象領域の配置パターンに応じて、ピン等の支持部の支持位置を変更することは困難であるという認識のもと、切断領域と処理対象領域とを区別せずに支持部で支持を行う一方で、支持部で同一箇所を続けて支持することを防止する構造を、従来、採用していた。
実際に、特許文献1,2には、支持部で同一箇所を支持することを防止する構造の開示はあるものの、特許文献1,2のいずれにも、基板の切断領域、処理対象領域のパターンに応じて、支持部の位置を変更するという思想は全く開示されていない。
これに対し、本実施形態では、前述したように、配置パターンが異なる基板A1〜A5であっても、切断領域bをピン153で支持して処理する構成を採用したものであり、処理装置1は、従来技術とは全く異なる思想に基づき発案されたものである。
【0051】
また、本実施形態では、ピン153や固定ピン18により、処理対象となる基板の切断領域bを支持する。切断領域bは、処理後に切断されてしまう領域であるため、同じピンで支持しつづけ、ピン跡等が形成されてしまっても、問題とならない。そのため、特許文献1,2に開示されたような異なるタイミングでピンを上下方向に駆動する機構が不要となる。従って、ピン153や固定ピン18の昇降台からの高さ位置は常に一定であり、ピン153や固定ピン18の昇降台からの高さ位置が変動しない構成とすることができる。これにより、処理装置の構造の簡略化を図ることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、モータにより回転軸151を回転させることで、ピン153の配置位置を調整することができる。回転軸151を回転させるだけでピン153の配置位置を調整できるので、処理装置1の構造の複雑化を防止できる。
特に、本実施形態では、回転軸151を回転させる場合には、回転前の状態から回転軸151を180°だけ回転させればよい。回転軸151の回転角度をさまざまな角度に設定する必要がないので、高性能なモータ等を使用する必要がなく、処理装置1にかかるコストを低減させることができる。
【0053】
さらに、本実施形態では、延在部152A、152Bの長さが異なる支持機構15A,15Bを使用している。これにより、支持機構15Aにおけるピン153の回転半径と、支持機構15Bにおけるピン153の回転半径とを異なるものとすることができる。そのため、切断領域bの配置パターンが異なるさまざまな基板A1〜A5に対応することができる。
【0054】
さらに、本実施形態では、処理装置1は固定ピン18を有している。この固定ピン18は、基板A1〜A5の周縁部および基板A1〜A5の中心の切断領域bを支持するように配置されている。このような固定ピン18を設けることで、基板A1〜A5を安定的に支持することができる。
また、固定ピン18は、鉛直方向に延在する一直線状の部材であり、クランク形状の支持機構15A,15Bに比べて、鉛直方向からかかる荷重に対する強度が高い。このような強度の高い固定ピン18で基板A1〜A5の周縁部、さらには、基板A1〜A5の中心に位置する切断領域bを支持することで、支持機構15A,15Bのピン153や、延在部152A,152Bに荷重がかかりすぎてしまうことを防止できる。
【0055】
また、本実施形態では、回転軸151を回転させて、ピン153の水平方向における位置を調整できるため、切断領域の配置パターンが異なる複数の基板を同一のピン153で支持することができる。これにより、処理装置1にかかるコストを低減させることができる。
【0056】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記実施形態では、各ピン153の配置位置に関する情報として、回転軸151の基準位置からの回転角度を記憶部22に記憶していたが、これに限られるものではない。たとえば、各ピン153の配置位置に関する情報として、各ピン153の配置座標(各ピン153のX−Y平面における位置座標)を記憶していてもよい。
図10に示すように、記憶部22に、基板A1〜A5の基板識別情報と、各基板A1〜A5の切断領域bの配置パターンに応じた各ピン153の配置座標のテーブル221とを対応付けて記憶させておく。制御手段23の読出部231では、受付部で受け付けた基板識別情報に対応する各ピン153の配置座標のテーブル221を読み出し、制御部232では、読み出した配置座標のテーブル221に基づいて、モータの回転を制御する。たとえば、記憶部22には、各ピン153の基準位置の座標値が記憶されており、制御部232では、記憶部22から読み出したテーブル221の座標値と記憶部22から読み出した各ピン153の基準位置の座標値との差から回転軸151の回転角度を算出し、モータの駆動を制御する。
また、たとえば、第一基板A1を処理した後、第二基板A2を処理する場合には、読出部231は、第二基板A2の各ピンの153の配置座標のテーブル221を読み出すとともに、第一基板A1の各ピンの153の配置座標のテーブル221を読み出し、制御部232において、各ピン153の座標値の変化を算出する。そして、この座標値の変化に基づいて、モータの回転を制御する。
このようにすることで、各ピン153の配置位置をより正確に調整することが可能となる。
【0057】
さらに、前記実施形態では、回転軸151を回転させることでピン153の配置位置を調整していたが、これに限られるものではない。たとえば、
図11(A)に示すように、リニアアクチュエータ36を設け、リニアアクチュエータ36にピン153を接続してもよい。ピン153が接続されたリニアアクチュエータ36が設けられ、回転軸151、延在部152A、152B、モータがない点以外は、前記実施形態と同様である。リニアアクチュエータ36を駆動することで、ピン153が上下方向(Z軸方向)に移動することとなる。この場合には、切断領域の配置パターンに応じて、切断領域の下方に位置するピン153をリニアアクチュエータ36により選択的に上方に移動させる。一方で、処理対象領域の下部に位置するピン153は、切断領域を支持するピン153よりも下方に位置するようにリニアアクチュエータ36を駆動する。リニアアクチュエータ36は、ピン153を駆動して、高さ方向(Z軸方向)のピン153の位置を調整する調整機構である。この処理装置においても、切断領域がピン153により支持され、処理対象領域がピン153により支持されてしまうことはない。
このような場合、
図11(B)に示すように、ピン153の配置位置に関する情報として、ピン153の識別情報と、切断領域の配置パターンに応じた各ピン153の先端の高さ位置(ピン153の高さ方向における配置に関する情報)とを関連付けて記憶しておけばよい(テーブル221)。すなわち、各基板の切断領域の配置パターンに応じて、切断領域の下方に位置するピン153の先端の高さ位置が、処理対象領域の下方に位置するピン153の先端の高さ位置よりも高くなるように、ピン153の配置に関する情報が各テーブル221に記憶されていればよい。そして各テーブル221が基板識別情報と対応付けられて記憶部22に記憶されていればよい。
読出部231では、前記実施形態と同様、受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブル221を記憶部22から読み出す。その後、制御部232では、読み出したテーブル221に記憶された各ピン153の高さ位置に基づいて、リニアアクチュエータ36を駆動させればよい。
また、たとえば、第一基板A1を処理した後、第二基板A2を処理する場合には、読出部231は、第二基板A2に対応付けられたテーブル221を読み出すとともに、第一基板A1に対応付けられたテーブル221を読み出し、制御部232において、各ピン153の高さ位置の変化を算出する。そして、この高さ位置の変化に基づいて、リニアアクチュエータ36を制御する。
なお、ヒータ17には、すべてのピン153に対応した貫通孔が形成されており、貫通孔内をピン153が上下する。
【0058】
また、前記実施形態では、処理装置の基板を支持する支持部をピン153としたが、これに限られるものではない。たとえば、
図12に示すように支持部を線材43としてもよい。この線材43は両端部がロッド42に架張されている。ロッド42はそれぞれスライダ41上に固定されており、スライダ41は、昇降台12をY軸方向にスライドする。各線材43間の距離を調整することで、各基板の切断領域を支持するように構成することができる。この場合、記憶部22には、支持部の配置位置に関する情報として、基準位置からの線材43のスライド量と基板識別情報とが関連づけられて記憶されていればよい。
なお、
図12(A)は、この処理装置の側面図であり、
図12(B)は、この処理装置の平面図である。
【0059】
さらに、
図12の処理装置において、線材43は水平方向(Y軸方向)に移動する構成としたが、これに限らず、
図13に示すように、線材43が鉛直方向(Z軸方向)に移動するものとしてもよい。リニアアクチュエータ36を配置して、リニアアクチュエータ36にロッド42を接続する。基板の切断領域の下方に位置する線材43の高さ位置が、基板の処理対象領域の下方に位置する線材43よりも高くなるように、リニアアクチュエータ36を駆動させればよい。たとえば、
図13(A)の側面図では、図面手前側に位置する線材43は、処理対象領域の下方に位置しているため、基板A1(A2〜A5)に当接せず、図面奥側の線材43は切断領域の下方に位置しているため、基板A1(A2〜A5)を支持している。このようにすることで、切断領域の配置パターンが異なる多数の基板A1(A2〜A5)に対応することができる。この場合、記憶部22には、各基板A1(A2〜A5)の切断領域の配置パターンに応じた、基準位置からの各線材43の高さ位置が、線材43の識別情報と関連づけられた複数のテーブルが記憶されている。そして、各テーブルは、基板識別情報と関連づけられて記憶されている。
読出部231では、前記実施形態と同様、受付部21で受け付けた基板識別情報に対応するテーブルを記憶部22から読み出す。その後、制御部232では、読み出したテーブルに記憶された各線材43の高さ位置に基づいて、リニアアクチュエータ36を駆動させればよい。
また、たとえば、第一基板A1を処理した後、第二基板A2を処理する場合には、読出部231は、第二基板A2に対応したテーブルを読み出すとともに、第一基板A1のテーブルを読み出し、制御部232において、線材43の高さ位置の変化量を算出する。そして、この高さ位置の変化量に基づいて、リニアアクチュエータ36の駆動を制御する。
なお、
図13(A)は、この処理装置の側面図であり、
図13(B)は、この処理装置の平面図である。
【0060】
さらに、前記実施形態では、基板をガラス基板としたが、これに限られるものではなく、樹脂基板としてもよい。さらには、処理対象となる基板を半導体ウェハや金属基板としてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、処理装置1はヒータ17を有する熱処理装置であったが、これに限られるものではない。たとえば、処理装置を減圧乾燥装置としてもよい。この場合には、処理装置1からヒータ17を除去した構成の装置を、真空チャンバ等の減圧器の内部に設置すればよい。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 複数の処理対象領域と前記処理対象領域間に形成された切断領域とを備え、前記処理対象領域と前記切断領域との配置パターンが互いに異なる第一基板と第二基板とを処理するための基板の処理装置であって、
前記第一基板および前記第二基板のうち処理対象となる基板の前記切断領域を支持するための複数の支持部と、
前記支持部を駆動して、前記支持部の位置調整を行う調整機構と、
処理対象となる基板が前記第一基板であるか前記第二基板であるかを示す基板識別情報を受け付ける受付部と、
前記第一基板の前記切断領域の配置パターンに応じた前記支持部の配置に関する情報と第一基板であることを示す基板識別情報とを対応付けて記憶するとともに、前記第二基板の前記切断領域の配置パターンに応じた前記支持部の配置に関する情報と第二基板であることを示す基板識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記受付部が受け付けた前記基板識別情報に対応する前記支持部の配置に関する情報を前記記憶部から読み出し、読み出した前記支持部の配置に関する情報に基づいて、前記調整機構を駆動制御して、前記切断領域を支持するとともに、前記処理対象領域を支持しないように前記支持部の位置調整を行う制御手段とを備える基板の処理装置。
2. 1に記載の基板の処理装置において、
前記支持部は、ピンである基板の処理装置。
3. 1または2に記載の基板の処理装置において、
前記記憶部には、前記第一基板の前記切断領域の配置パターンに応じた前記支持部の水平方向における配置に関する情報と、前記第二基板の前記切断領域の配置パターンに応じた前記支持部の水平方向における配置に関する情報とが記憶されており、
前記調整機構は、前記複数の支持部を水平方向に移動させて、水平方向における前記支持部の配置位置を調整するものであり、
前記制御手段は、読み出した前記支持部の配置に関する情報に基づいて、前記調整機構を駆動制御して、前記切断領域を支持するとともに、前記処理対象領域を支持しないように前記支持部の水平方向における配置位置を調整する処理装置。
4. 3に記載の基板の処理装置において、
前記支持部は、ピンであり、
鉛直方向に延びる回転軸と、この回転軸と直交して水平方向に延在する延在部と、延在部から上方に突出し、前記切断領域を支持する前記ピンとを備える支持機構を複数有し、
前記調整機構は、前記回転軸を回転駆動することで、前記ピンの水平方向における配置位置を調整する基板の処理装置。
5. 4に記載の基板の処理装置において、
前記支持機構は、前記延在部の前記回転軸との交点から前記ピンが設けられた部分までの長さが互いに異なる第一支持機構と第二支持機構とを備える基板の処理装置。
6. 4または5に記載の基板の処理装置において、
前記調整機構は、前記回転軸を回転駆動するためのモータを含んで構成される基板の処理装置。
7. 1または2に記載の基板の処理装置において、
前記記憶部には、前記第一基板の前記切断領域の配置パターンに応じた前記複数の支持部の高さ方向における配置に関する情報と、前記第二基板の前記切断領域の配置パターンに応じた前記複数の支持部の高さ方向における配置に関する情報とが記憶されており、
前記調整機構は、複数の支持部の高さ方向における配置を調整するものであり、
前記制御手段は、読み出した前記支持部の配置に関する情報に基づいて、前記調整機構を駆動制御して、前記切断領域の下部に位置する一部の支持部が、処理対象領域の下部に位置する他の一部の支持部よりも相対的に上方に位置するように前記調整機構を制御する基板の処理装置。
8. 1乃至7のいずれかに記載の基板の処理装置において、
当該処理装置は、前記基板を熱処理するための熱板を有し、
前記熱板は、処理対象となる基板の下方に配置される基板の処理装置。
9. 1乃至8のいずれかに記載の基板の処理装置において、
前記複数の支持部は、処理対象となる基板の前記切断領域を支持するものであり、
前記複数の支持部とは異なり、処理対象となる基板の前記処理対象領域外の前記基板の周縁部を支持するとともに、水平方向および高さ方向における配置位置が固定された固定支持部を有する基板の処理装置。
10. 1乃至9のいずれかに記載の基板の処理装置において、
当該処理装置は、画像表示装置に使用される基板を処理するものであり、
前記処理対象領域は画面領域である基板の処理装置。