(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
遊技機は、通常、遊技者による操作を受け付けて所定の信号を出力する操作スイッチ装置を備えている。
具体的には、例えば、パチンコ機であれば、遊技球を遊技盤に発射するための発射スイッチ(ハンドル)、スロットマシンであれば、クレジットメダルをゲームに掛けるためのベットスイッチ(ベットボタン)、リールの回転を開始させるための始動スイッチ(スタートレバー)、リールの回転を停止させるための停止スイッチ装置(ストップボタン)などがある。
これらの操作スイッチ装置は、遊技者による操作を受け付け可能に可動し、受け付けによる動作を所定の検知手段により検知させることで、遊技者による操作を電気信号に変換して出力するようになっている。
【0003】
また、それら操作スイッチ装置のうち、停止スイッチ装置については、一般に次のような構成となっている。
停止スイッチ装置は、スロットマシンの前扉の中程に配設されており、複数のリールのそれぞれに対応して設けられた複数の停止ボタンと、これら複数の停止ボタンを押圧方向への移動可能に収容する本体ケースとを備え、さらに、この本体ケースの内部には、停止ボタンの末端に形成された遮光片の変移を検知するセンサと、このセンサが実装された操作基板が配置されている。
センサは、所定の光を検知光として出射する投光素子とその検知光を受光する受光素子とが対向配置された状態で、正面視略凹字状のハウジング部材に囲繞されており、その凹字状の溝部空間に停止ボタンの遮光片が進入して検知光の光軸を遮光することにより、停止ボタンが押圧操作されたことを検知可能としている。
さらに、停止スイッチ装置には、可視光を放射するLEDなどの発光素子が本体ケースの内部に設けられており、この発光素子を所定のタイミングで点灯させることにより、スロットマシンの前扉の正面側に露出した停止ボタンの操作面を背面から照明し、その操作面を発光させるようになっている。
【0004】
このような構造を有する操作スイッチ装置については、従来から改良技術が提案されている。
例えば、センサを構成する凹字状のハウジング部材における正面視右側の立設部分の背面と、正面視左側の立設部分の背面と、発光素子を収納するハウジング部材の下部とを結合することで、当該ハウジング部材の剛性を向上させた停止スイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
停止スイッチ装置をこのような構造とすれば、停止ボタンが強く押圧された場合でも、剛性の向上したハウジング部材に収納されている投光素子、受光素子、発光素子の破損を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技機と、操作スイッチ装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0016】
[遊技機]
遊技者が操作する操作スイッチ装置を備える遊技機には、スロットマシン、パチンコ機、パロットなど様々な種類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
【0017】
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる回胴式遊技機として構成されており、遊技者により操作される操作スイッチ装置として、リールの回転を停止する停止スイッチ装置が備えられ、この停止スイッチ装置に内蔵される投光素子、受光素子、発光素子、基板が、一のケースに収納されユニット化された構成となっている。
以下、本実施形態に係るスロットマシン1について
図1〜
図3を参照しながら詳述する。
【0018】
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、回動可能に軸支された複数のリール41a,41b,41cが内蔵され、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成された主制御部8、主制御部8からの指令により、スピーカ7,LED等のランプ類を制御する副制御部9、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0019】
前扉1aは、
図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作手段が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0020】
操作手段としては、メダルが投入されるメダル投入口2と、装置内部にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a,41b,41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a,41b,41cを停止させる3つの停止ボタン11a,11b,11cを備えた停止スイッチ装置10−1などが設けられている。
また、ベットボタン2aには、一回の操作につき一枚のメダルを掛ける1ベットボタン21aと、一回のゲームに掛けられるメダルの最大枚数を、一回の操作で掛けるMAXベットボタン30がある。
さらに、前扉1aには、各リール41a,41b,41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓5が、各操作手段の上側に設けられている。また、前扉1a上部には、効果音、音声等が出力されるスピーカ7が設けられている。
【0021】
筐体1bの中央には、リール41a,41b,41cと、各リール41a,41b,41cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置6が設けられる。メダル払出装置6には、メダルを貯留するホッパー6aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー6aに誘導されるようになっている。
【0022】
主制御部8は、メインCPU、メインROM、メインRAMなどが一体化された制御用チップの搭載されたメイン基板、これを収容する基板ケース等から構成され、上記の各操作手段からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、ドラムユニット4、メダル払出装置6などの各装置を制御することで、以下のような内容のスロットマシン遊技を進行させる。
【0023】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が主制御部8に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号が主制御部8に入力される。主制御部8は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、主制御部8は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0024】
さらに、主制御部8は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス役、小役、再遊技役、ハズレの複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選対象を抽選する内部抽選を行い、各停止ボタン11a,11b,11cが押圧操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
【0025】
また、主制御部8は、各リール41a,41b,41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置6に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口6bから払い出す。
【0026】
以上のような構成を備えた遊技機においては、上述したように、各リール41a,41b,41cの回転を停止させる停止スイッチ装置10−1が操作手段として前扉1aの前面中程に設けられている。
停止スイッチ装置10−1には、遊技者によって押圧操作される停止ボタン11が設けられており(
図4参照)、この停止ボタン11が押圧操作されると、この操作が主制御部8で検出され、リール41a,41b,41cの回転を停止させる制御が行われる。
【0027】
この停止スイッチ装置10−1において、停止ボタン11a,11b,11cが押圧操作される方向の前方には、この停止ボタン11a,11b,11cが操作されたことを検知するセンサが設けられており、停止ボタン11a,11b,11cの近傍で静電気を発生させる不正行為が行われた場合には、そのセンサが実装された基板24に大電流が流れ、さらにこの基板24からハーネスを通して主制御部8の制御基板に放電電流が流されて誤動作を引き起こし、不正にメダルを払い出させるといった事態が生じていた。
本発明の実施形態に係る停止スイッチ装置10−1は、その不正行為により不正にメダルが払い出される事態を防止するために、投光素子21と受光素子22と発光素子23と基板24が一つのユニットケース25に収納されてユニット化された構成となっている。
以下、その停止スイッチ装置10−1について、
図4〜
図8を参照して説明する。
【0028】
[停止スイッチ装置]
これらの図に示すように、停止スイッチ装置10−1は、遊技者により押圧操作される操作部としての複数の停止ボタン11(11a,11b,11c)と、これら停止ボタン11(11a,11b,11c)を押圧方向への移動可能に収容する本体ケース12とを備えた停止ボタン用の操作ユニットであり、さらに、
図4に示すように、ベース13、制御ユニット20a(20a1、20a2、20a3)などを備えて構成されている。なお、停止ボタン11(11a,11b,11c)のように、同一の構造を有する構成部品が複数設けられるものについては、それぞれに異なる識別子(a,b,c)を付して別体の構成部品であることを明示するとともに、それら別体の構成部品に共通する機能や構造を説明する場合などには、その識別子を適宜省略する。
【0029】
停止ボタン11は、押圧操作を受け付け可能な可動部であって、押圧操作を受け付け可能な操作面111を有する操作受付部112と、操作受付部112の背面から後方に向けて突出形成された軸部113とを有し、押圧操作された方向に移動するとともに、軸部113に挿入されるバネ114により操作方向とは反対の方向に付勢されながら本体ケース12に取り付けられている。
【0030】
制御ユニット20aは、停止ボタン11が押圧操作されたことを検知する機能と、停止ボタン11の操作面111を照明する機能と、を実行する電子部品の集合ユニットであって、赤外線などの所定の波長の光を検知光として出射する赤外線LEDなどの投光素子21と、その検知光を受光するフォトトランジスタなどの受光素子22と、可視光を放射するLEDなどの発光素子23(23a、23b、23c)と、これら投光素子21と受光素子22と発光素子23が実装された基板24と、これら投光素子21と受光素子22と発光素子23と基板24とが収納される収納部材としてのユニットケース25と、ユニットケース25の底面開口251を閉塞する蓋部26とを有している。
【0031】
ユニットケース25は、底面に開口251を有する中空厚板状の基部252と、この基部252の上面253から立設されるとともに上面を有する矩形で筒状の矩形筒状部254(254a、254b)と、同じく基部252の上面253から立設されるとともに上面256を有する円筒形状の円筒部255(255a、255b、255c)とを有して形成されている。
矩形筒状部254は、基部252の上面253からは二つ立設されており、一の矩形筒状部254aは、投光素子21が収納される第一収納部として形成されており、他の一の矩形筒状部254bは、受光素子22が収納される第二収納部として形成されている。また、これら矩形筒状部254a、254bのそれぞれの筒状中空部は、基部252の中空と連通している。
円筒部255は、基部252の上面253からは複数(
図5等においては、三つ)立設されており、発光素子23を収納する第三収納部として形成されている。また、これら複数の円筒部255のそれぞれの筒状中空部は、基部252の中空と連通している。
【0032】
このような形状を有するユニットケース25に対しては、投光素子21と受光素子22と発光素子23と基板24が、次の要領で収納される。
投光素子21と受光素子22と発光素子23が実装された基板24のその実装面241がユニットケース25の底面開口251に対向するような向きで、これらユニットケース25と当該基板24とを配置し、その底面開口251に対して当該基板24を挿入する。この挿入に際しては、その基板24に実装された投光素子21を一の矩形筒状部254aに収納し、受光素子22を他の一の矩形筒状部254bに収納し、複数の発光素子23を複数の円筒部255のそれぞれに収納し、基板24を基部252に収納する。そして、その収納の完了後、ユニットケース25の底面開口251に蓋部26を嵌合して当該開口251を閉塞する。これにより、投光素子21と受光素子22と発光素子23と基板24がユニットケース25に収納されるとともに、それら投光素子21等がユニットケース25及び蓋部26により完全に覆い隠された状態となり、これらが一つのユニットとして構成される。
【0033】
このようにユニット化された制御ユニット20aは、本体ケース12の背面開口に嵌合されたベース13の裏面132に取り付けられる。
ベース13は、本体ケース12の背面開口と略同じ形状に形成された板状部材であって、その背面開口に嵌合される。また、ベース13の所定箇所には、円形に穿設されたネジ挿入孔131が一又は二以上形成されており、このネジ挿入孔131にネジ14を挿入し、本体ケース12の雌ネジ(図示せず)に螺入することで、本体ケース12の背面開口を閉塞する位置にベース13を螺着する。
さらに、ベース13の裏面132には、制御ユニット20aの基部252の上面253の外周形状と略同じ形状で凹設された取付凹部133が、制御ユニット20aと同数形成されている。そして、取付凹部133の凹状底部には、制御ユニット20aの矩形筒状部254や円筒部255を挿通するための挿通孔134が穿設されている。これら複数の挿通孔134にそれぞれ矩形筒状部254又は円筒部255を挿通し、さらに、制御ユニット20aの基部252を取付凹部133に嵌合し、その基部252に形成されたネジ挿入孔257にネジ15を挿入し、取付凹部133の雌ネジ部135に螺入することで、制御ユニット20aを取付凹部133に固定することができる。
【0034】
このようにベース13の裏面132に固定された制御ユニット20aは、前述した構成を備えることにより、当該停止スイッチ装置10−1を対象とする不正行為を効果的に防止する。
例えば、投光素子21等が実装された基板24は、それら投光素子21等とともに、一のユニットケース25の内部に収納されている。また、制御ユニット20aは、ベース13の裏面132に取り付けられる。このことから、本体ケース12と停止ボタン11との隙間と基板24との間には、ベース13やユニットケース25が介在して、それら隙間と基板24との間が連通していない構造となっている。つまり、基板24は、本体ケース12と停止ボタン11との隙間からはアクセス不能となっている。よって、電子ライターなどを用いて操作面111の外部又は本体ケース12と停止ボタン11との隙間で静電気を発生させる不正行為が行われた場合、その静電気は、ベース13やユニットケース25により遮蔽されて、基板24に到達することができない。このため、その静電気の衝撃に伴って放電電流が流れて基板24が破壊されるといった事態を防止できる。また、基板24から主制御基板に放電電流が流れて不正にメダルが払い出されるといった事態を回避できる。
【0035】
また、リード線を用いて不正行為が行われた場合でも、本体ケース12と停止ボタン11との隙間から挿入されたリード線の先端が、ベース13又はユニットケース25(ユニットケース25の場合は矩形筒状部254又は円筒部255)のいずれかに必ず当接し、基板24に到達できない。このことから、そのリード線の先端から発生した静電気の影響を受けて基板24が破壊されるといった事態を防止できる。また、基板24から主制御基板に放電電流が流れて不正にメダルが払い出されるといった事態を回避できる。
さらに、制御ユニット20aは、ベース13の裏面132、すなわち停止ボタン11の操作面111から見て当該停止スイッチ装置10−1における最も遠い位置に取り付けられる。しかも、基板24が収納されるユニットケース25の基部252は、ベース13の外側に位置している。このため、例えば、電子ライターを用いて操作面111の外部から送り込まれた静電気が基板24に到達しにくい構造となっている。
【0036】
制御ユニット20aにおいて、投光素子21、受光素子22、発光素子23は、それぞれ次のように動作する。
一の矩形筒状部254aに収納された投光素子21から出射された検知光が、他の一の矩形筒状部254bに収納された受光素子22で受光されると、受光素子22は、検知光を受光していることを示す検知信号を主制御部8へ出力する。主制御部8は、入力した検知信号にもとづいて、停止ボタン11が操作されていないものと判断する。
また、投光素子21が収納された一の矩形筒状部254aと受光素子22が収納された他の一の矩形筒状部254bとの間に遮光片115が進入して投光素子21から出射された検知光の伝播経路(光軸)が遮光されると、受光素子22がその検知光を受光しなくなり、受光素子22は、検知光を受光していないことを示す検知信号を主制御部8へ出力する。主制御部8は、入力した検知信号にもとづいて、停止ボタン11が操作されたものと判断する。(又は、検知光を受光していない受光素子22からは検知信号が出力されなくなり、主制御部8は、受光素子22から検知信号が送られてこないことをもって、停止ボタン11が操作されたものと判断する。)
さらに、円筒部255に収納された発光素子23から放射された照明光は、その円筒部255の上面256を含む上部から外方へ放出され、停止ボタン11の操作面111や本体ケース12をその背面から照明する。特に、発光素子23からの照明光は、円筒部255の立設方向前方に位置する停止ボタン11の操作面111の縁部116をその背面から照明する。
【0037】
ここで、二つの矩形筒状部254a、254bと三つの円筒部255a、255b、255cは、上述したように、いずれも基部252の上面253に立設されているが、これらは互いに離間した位置に形成されており、かつ、三つの円筒部255a、255b、255cは、いずれも二つの矩形筒状部254a、254bの間には配置されておらず、それら二つの矩形筒状部254a、254bを取り囲むような位置に配置されている。また、円筒部255の立設方向の高さは、矩形筒状部254の立設方向の高さよりも高くなっている。このため、一の矩形筒状部254aに収納されている投光素子21から出射された検知光は、円筒部255により遮光されることなく、他の一の矩形筒状部254bに収納されている受光素子22に到達することができる。また、円筒部255に収納されている発光素子23から放射された照明光は、矩形筒状部254により遮光されることなく、停止ボタン11の操作面111の縁部116に達することができる。
このように、二つの矩形筒状部254a、254bと三つの円筒部255a、255b、255cは、投光素子21から受光素子22へ向かって出射された検知光と発光素子23から放射された照明光とが干渉しないような形状で形成されている。
【0038】
また、それら投光素子21等が収納されたユニットケース25は、赤外線が透過する材料で形成されており、投光素子21から出射された赤外線である検知光を透過させることができる。このことから、二つの矩形筒状部254a、254bにおいてそれぞれ対向する面には、投光素子21から出射される検知光の伝播する経路上に開口(スリット)が形成されていない。これにより、その開口から静電気が進入するのを阻止できる。よって、静電気の発生に伴い投光素子21や受光素子22を通して基板24に大電流が流れて基板24が破壊されるといった事態を防止できる。また、基板24から主制御基板に放電電流が流れて不正にメダルが払い出されるといった事態を回避できる。
しかも、このようにユニットケース25には、開口が形成されないことから、塵や埃などが当該ユニットケース25の内部に進入するのを防止可能な防塵タイプの制御ユニット20aとして構成できる。
また、ユニットケース25は、赤外線を透過させるとともに可視光も透過する材料(あるいは、透明又は半透明の材料)で形成されている。このため、ユニットケース25は、発光素子23から放射された照明光も透過する。よって、発光素子23から放射された光は、ユニットケース25を透過して、停止ボタン11の操作面111の縁部116をその背面から照明することができる。
【0039】
このユニットケース25には、前述したように、投光素子21と受光素子22と複数の発光素子23(23a、23b、23c)が実装された基板24が収納されている。
ここで、基板24の実装面241を直交上方から見た場合、対向配置された投光素子21と受光素子22との間の中間点を中心とする円周上に、複数の発光素子23が配置されている。具体的に、
図5に示す場合においては、投光素子21から出射された光の伝播経路(光軸)よりも上方に発光素子23が二つ配置され、下方に一つ配置されている。
また、投光素子21と受光素子22との間の中間点と各発光素子23との距離(その中間点を中心とする円周の半径)は、停止ボタン11の操作面111の半径と同一又は近似している。
さらに、発光素子23や基板24等が収納されたユニットケース25がベース13の裏面132に固定された状態では、ユニットケース25の矩形筒状部254と円筒部255が、それぞれベース13の正面136から直交方向に延伸した状態となるが、この円筒部255の延伸方向前方に、停止ボタン11の操作面111の縁部116が位置している。
【0040】
このような構成により、発光素子23から放射された光が円筒部255の延伸方向前方に向かって伝播して、所定の金属で形成された停止ボタン11においてテーパ状に形成された操作面111の縁部116を背後から照明することができ、この縁部116を明るく発光させることができる。
また、基板24の実装面241において、投光素子21及び受光素子22の周囲に複数の発光素子23を配置する構成としたので、制御ユニット20aを小型化できる。
【0041】
なお、ユニットケース25の底面開口251を閉塞する蓋部26には、その中央に矩形の開口261が形成されており、基板24の裏面242(投光素子21等が立設されている実装面241とは反対側の面)に配設されたコネクタ27が挿通可能となっている。
コネクタ27は、基板24の裏面242に装着されており、基板24を介して投光素子21と受光素子22と発光素子23のそれぞれに接続されるとともに、投光素子21に電流を流すための配線と、受光素子22から出力された検知信号を通すための配線と、発光素子23に電流を流して発光させるための配線が外部から接続される。
【0042】
また、
図4〜
図8に示した停止スイッチ装置10−1においては、制御ユニット20aのユニットケース25における複数の円筒部255のそれぞれの上面256が閉塞した形状に形成されているが、円筒部255は、この形状に限るものではなく、例えば、
図9に示すように、それら円筒部255の上面256に開口を形成し、ここに可視光を透過する材料、又は、透明若しくは半透明の材料で形成されたキャップ28を覆い被せるようにすることができる。
これにより、発光素子23から放射された照射光のうち停止ボタン11の操作面111の縁部116に到達する照射光の光量を多くすることができ、その縁部116をより明るく照明することができる。
しかも、この場合、発光素子23から放射された光がキャップ28を透過すればよく、ユニットケース25を透過しなくてもよいため、このユニットケース25を形成する材料として、投光素子21からの赤外線のみを透過し、可視光を透過しない材料を用いることができる。
【0043】
また、
図4〜
図9に示した停止スイッチ装置10−1においては、発光素子23やこれを収納する円筒部255をそれぞれ三つずつ設けた構成としているが、三つずつに限るものではなく、一つずつ又は複数ずつであってもよい。具体例として、
図10に示す場合においては、停止スイッチ装置10−2における制御ユニット20b(20b1、20b2、20b3)には、円筒部255が一つのみ設けられ、基板24(
図10に図示せず)には、発光素子23が一つのみ実装される。さらに、
図10に図示しない投光素子21と受光素子22と発光素子23と基板24が一のユニットケース25に収納され、これらが一つのユニットとして構成される。そして、この制御ユニット20bがベース13の裏面132に取り付けられ、矩形筒状部254と円筒部255がそれぞれ本体ケース12の内部に露出する構造となる。
このように、
図10に示す構成においても、
図4〜
図9に示した構成と同様に、停止ボタン11の外部又は停止ボタン11と本体ケース12との隙間で静電気を発生させる不正行為が行われた場合でも、この静電気がユニットケース25に収納された基板24に達することができないことから、不正にメダルが払い出されたり、基板24が破壊されたりするといった事態を防止できる。
【0044】
また、
図4〜
図10に示した停止スイッチ装置10−1、10−2においては、停止ボタン11が三つずつ備えられ、これに伴って制御ユニット20a、20bも三つずつ設けられた構成となっている。つまり、三つの停止ボタン11が、それぞれ個別に本体ケース12に収容され、かつ、三つの制御ユニット20a、20bが、それぞれ個別に、本体ケース12の背面開口に嵌合されたベース13に着脱可能に取り付けられている。このため、一の停止ボタン11又は制御ユニット20a、20bが何らかの理由により故障した場合でも、この故障した停止ボタン11又は制御ユニット20a、20bを交換すればよく、他の停止ボタン11又は制御ユニット20a、20bは、交換することなくそのまま継続して使用できる。よって、交換費用を最小限に抑えることができる。
【0045】
このような効果は、従来の停止スイッチ装置との比較において顕著に奏効する。従来の停止スイッチ装置の中には、三つの停止ボタン11のそれぞれに対応するセンサや発光素子23が一枚の基板に配設されたものがあった。この場合、停止ボタン11の一つが故障すると、これに接続された基板も交換を余儀なくされ、結局停止スイッチ装置全体を交換しなければならなかった。
これに対し、本実施形態の停止スイッチ装置10−1、10−2は、上述したように、三つの停止ボタン11と三つの制御ユニット20a、20bがそれぞれ別個独立しているため、故障した一の停止ボタン11又は制御ユニット20a、20bを交換すればよく、停止スイッチ装置10−1、10−2の全体を交換する必要はない。よって、交換費用を最小限に抑えることができ、当該停止スイッチ装置10の継続利用が可能となる。
【0046】
また、
図4〜
図10においては、停止スイッチ装置10−1、10−2に制御ユニット20a、20bを設けた例を示したが、制御ユニット20を内蔵可能な操作スイッチ装置は、停止スイッチ装置10−1、10−2に限るものではなく、例えば、MAXベットボタン30などもその対象とすることができる。
MAXベットボタン30に制御ユニット20cを設けた構成を
図11に示す。この
図11に示すMAXベットボタン30は、遊技者により直接操作されるキャップ状の操作部材31の内部に、発光素子23からの照明光を拡散するための拡散板32を嵌合し、この操作部材31を有底略円筒形状の可動部材33の開口上面に取り付け、この可動部材33を円筒形状の本体ケース34の上面開口から挿入する。また、
図11に図示しない投光素子21と受光素子22と発光素子23と基板24が収納された制御ユニット20cを円筒形状の支持部材35の底面部分に取り付け、この支持部材35を本体ケース34の底部開口から嵌合する。
【0047】
この構成において、操作部材31が押圧操作されると、可動部材33が本体ケース34の内部でその操作方向に移動し、この可動部材33の底面に形成された遮光片36が、制御ユニット20cにおける投光素子21から受光素子22への検知光の伝播経路を遮断し、この遮光されたことを示す検知信号が受光素子22から出力される。
このような構成によれば、制御ユニット20cのユニットケース25の内部に基板24が収納された構造となっているので、操作部材31の外部又は操作部材31と本体ケース34との隙間で静電気を発生させる不正行為が行われた場合でも、その静電気の衝撃が基板24に達しないため、不正にメダルが払い出される事態を防止できる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の操作スイッチ装置及び遊技機によれば、基板が収納部材の内部に収納されているため、停止ボタンの外部又は停止ボタンと本体ケースとの隙間で発生した静電気による衝撃が操作基板に到達するのを阻止できる。これにより、不正にメダルが払い出される不正行為を防止できる。
また、その静電気による衝撃が操作基板に到達しない構造としたので、この操作基板に放電電流が流れて破壊される事態を回避できる。
【0049】
以上、本発明の操作スイッチ装置及び遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る操作スイッチ装置及び遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、遊技機の例としてスロットマシンを挙げたが、パチンコ機やパロットなどであってもよい。
また、上述した実施形態では、制御ユニットを内蔵可能な操作スイッチ装置として、停止スイッチ装置やMAXベットボタンを挙げたが、これらに限るものではなく、例えば、パチンコ機に設けられて演出の切り換えなどを行うためのチャンスボタンを対象とすることができる。この場合、制御ユニットに収納される発光素子の数を一つとすることができる。
【0050】
さらに、制御ユニットのユニットケースの円筒部は、基部や矩形筒状部とは別体で形成することができる。この場合、円筒部は、透明又は半透明の材料で形成することができる。また、基部に円筒部を取り付ける場合は、基部の上面に円形状の貫通孔を穿設しておき、円筒部の底部開口の縁部にフランジ部を形成し、この円筒部を基部の中空内部から貫通孔に挿通し、その貫通孔の内側周縁の段差に円筒部のフランジ部を係止させて取り付けることができる。あるいは、基部と円筒部との接触部分を超音波溶着などにより接合することもできる。