特許第5906110号(P5906110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5906110負担金額計算システム及び負担金額計算方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5906110
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】負担金額計算システム及び負担金額計算方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/12 20120101AFI20160407BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20160407BHJP
【FI】
   G06Q20/12 100
   G06Q50/12 100
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-70012(P2012-70012)
(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公開番号】特開2013-200811(P2013-200811A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2015年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隆
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−047399(JP,A)
【文献】 特開2006−014159(JP,A)
【文献】 特開2006−071713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯端末と、前記複数の携帯端末と接続されたサーバと、前記複数の携帯端末の特定施設での支払い金額を前記複数の携帯端末で分担するときの負担金額を計算する集計端末と、を備えた負担金額計算システムであって、
前記サーバは、前記複数の携帯端末の位置情報に基づき前記各携帯端末の特定施設における滞在を判定する手段と、特定施設に滞在すると判定された携帯端末の当該施設での滞在時間情報を取得する手段と、取得した滞在時間情報を保存する手段と、を有し、
前記複数の携帯端末は、前記サーバから前記特定施設における滞在時間情報を取得する手段と、前記滞在時間情報を前記集計端末に送信する手段と、を有し、
前記集計端末は、前記複数の携帯端末のうち指定された一台であって、各携帯端末の前記滞在時間情報に基づき、前記特定施設での支払い金額における各携帯端末の負担割合と、前記負担割合で各携帯端末毎の負担金額を計算する負担金額計算手段を有する負担金額計算システム。
【請求項2】
請求項1に記載された負担金額計算システムにおいて、
前記滞在時間情報は、前記携帯端末の前記特定施設における滞在時間の長さを表す情報である負担金額計算システム。
【請求項3】
請求項1に記載された負担金額計算システムにおいて、
前記滞在時間情報は前記携帯端末の前記特定施設における滞在時間帯情報であり、
前記集計端末は、前記特定施設における前記支払い金額と、当該支払い金額発生時刻と、前記携帯端末の滞在時間帯情報に基づき、前記携帯端末が前記支払い金額発生時点に滞在したことを条件に、前記携帯端末の前記支払い金額の負担金額を計算する手段を有する負担金額計算システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載された負担金額計算システムにおいて、
前記集計端末は、少なくとも支払い金額情報を前記特定施設の販売情報提供手段から取得する負担金額計算システム。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載された負担金額計算システムにおいて、
前記集計端末は、支払い金額情報を前記特定施設で提供される商品に付された情報を読み取る読取手段から取得する負担金額計算システム。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載された負担金額計算システムにおいて、
前記集計端末は、音声入力される音声入力手段と、入力された音声を認識する音声認識手段を有し、
前記集計端末は、支払い金額情報を前記音声認識手段から取得する負担金額計算システム。
【請求項7】
複数の携帯端末と、前記複数の携帯端末と接続されたサーバと、前記複数の携帯端末の特定施設での支払い金額を前記複数の携帯端末で分担するときの負担金額を計算する集計端末と、を備えた負担金額計算システムにおける負担金額計算方法であって、
前記サーバにおける、前記複数の携帯端末の位置情報に基づき前記携帯端末の特定施設での滞在を判定する工程と、滞在すると判定された携帯端末の滞在時間情報を取得して保存する工程と、
前記複数の携帯端末における、自端末の位置情報を前記サーバに送信する工程と、前記サーバから前記特定施設における滞在時間情報を取得する工程と、前記滞在時間情報を前記集計端末に送信する工程と、
前記複数の携帯端末のうち指定された一台の端末を前記集計端末として、前記集計端末における、各携帯端末の前記滞在時間情報に基づき、前記特定施設での支払い金額における各携帯端末の負担割合と、前記負担割合で各携帯端末毎の負担金額を計算する負担金額計算工程と、を有する負担金額計算システムにおける負担金額計算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複数人が飲食代などを支払うときに、遅れてきた人や先に帰る人がいる場合にどの程度の割合で負担金額を割り振るか、つまり割り勘を行う場合の負担金額計算システム及び負担金額計算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食などをグループで行ったときの支払いをいわゆる割り勘で行う装置が知られている。
例えば、特許文献1には、入力された割り勘条件に基づいて、精算負担金額を分割し、その結果をレシートに印字して発行する商品登録装置が記載されている。この商品登録装置の割り勘条件としては、精算負担金額を各人で均等に分割するという条件、各人に支払う比率を設定して分割する条件、グループ内の特定の人の支払う負担金額を設定し残りをその他の人で均等に分割する条件など、種々の条件を設定して精算すること、及び、各人が利用したサービスに対する負担金額についても分割精算することが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、店舗に来店した顧客グループ毎に割り当てられたテーブル携帯端末装置が、顧客グループが注文した商品と注文数量とを示す情報と前記店舗で提供される商品の価格を示す商品情報とに基づいて、顧客グループの総支出金額を算出し、算出した総支出金額に基づいて、顧客グループに属する人毎に負担金額を算出し、算出した複数の人毎の支払金額が印刷されたシート片のそれぞれをプリンタに出力させる情報提供装置が記載されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、グループで飲食などを行った場合に、途中で人数変更があった場合にも、追加注文に応じた正確な割り勘金額を精算前に事前に知り、割り勘金額の精算および集金作業を速やかに行えるように、複数の人数で構成される一群の客からの注文毎にその注文品の合計負担金額とその注文時の人数に応じた割り勘金額を計算し、計算された割り勘金額の情報を注文品と共に客に渡すレシートにプリンタで印字する割り勘金額提示システムが記載されている。
【0005】
しかし、前記特許文献1、2に記載された割り勘条件は、例えば複数人での飲食代を支払うときに、開始時間に遅れてきた人や早退する人がいるなどを考慮していない。
また、特許文献3の割り勘金額提示システムでは、確かに、開始時間に遅れてきた人や早退する人がいることを前提に割り勘金額を割り出すことができる。しかし、この割り勘金額提示システムでは、注文する毎にその時々の人数で割り勘金額を算出したデータが出るだけであるから、最後に、各人毎に割り勘金額を総計しなければならず、店舗側で注文する毎にその時々の人数での割り勘金額データを提供し、後に客側で、各人の遅刻早退情報を把握して各人別にそれぞれ割り勘金額を総計するという煩雑な処理が必要である。また、このシステムでは、いつ誰が遅刻したのかなどの管理については記載されておらず、例えばそのグループの幹事など誰かが前記管理を行う必要があるものと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−330480号公報
【特許文献2】特開2010−262498号公報
【特許文献3】特開2005−165756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の割り勘による負担金額計算システムの問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、例えば飲食店などにおける飲食などに実際に滞在した時間を自動で管理すると共に、その滞在時間を基に各人の支払いの割り当てを行うことで、いわゆる割り勘による負担金額精算を容易かつ簡易に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の携帯端末と、前記複数の携帯端末と接続されたサーバと、前記複数の携帯端末の特定施設での支払い金額を前記複数の携帯端末で分担するときの負担金額を計算する集計端末と、を備えた負担金額計算システムであって、前記サーバは、前記複数の携帯端末の位置情報に基づき前記各携帯端末の特定施設における滞在を判定する手段と、特定施設に滞在すると判定された携帯端末の当該施設での滞在時間情報を取得する手段と、取得した滞在時間情報を保存する手段と、を有し、前記複数の携帯端末は、前記サーバから前記特定施設における滞在時間情報を取得する手段と、前記滞在時間情報を前記集計端末に送信する手段と、を有し、前記集計端末は、前記複数の携帯端末のうち指定された一台であって、各携帯端末の前記滞在時間情報に基づき、前記特定施設での支払い金額における各携帯端末の負担割合と、前記負担割合で各携帯端末毎の負担金額を計算する負担金額計算手段を有する負担金額計算システムである。
本発明は、複数の携帯端末と、前記複数の携帯端末と接続されたサーバと、前記複数の携帯端末の特定施設での支払い金額を前記複数の携帯端末で分担するときの負担金額を計算する集計端末と、を備えた負担金額計算システムにおける負担金額計算方法であって、前記サーバにおける、前記複数の携帯端末の位置情報に基づき前記携帯端末の特定施設での滞在を判定する工程と、滞在すると判定された携帯端末の滞在時間情報を取得して保存する工程と、前記複数の携帯端末における、自端末の位置情報を前記サーバに送信する工程と、前記サーバから前記特定施設における滞在時間情報を取得する工程と、前記滞在時間情報を前記集計端末に送信する工程と、前記複数の携帯端末のうち指定された一台の端末を前記集計端末として、前記集計端末における、各携帯端末の前記滞在時間情報に基づき、前記特定施設での支払い金額における各携帯端末の負担割合と、前記負担割合で各携帯端末毎の負担金額を計算する負担金額計算工程と、を有する負担金額計算システムにおける負担金額計算方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来のように精算責任者の手を煩わすことなく、飲食会などにおける実際の滞在時間情報を自動で取得して、取得した滞在時間情報に基づき、各携帯端末毎の負担金額を計算することができる。そのため、割り勘による負担金額精算を容易かつ簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の負担金額計算システムの構成を概略的に示す図である。
図2】負担金額計算システムを構成する携帯端末の構成を概略的に示す図である。
図3】負担金額計算システムを構成するサーバの構成を概略的に示す図である。
図4】サーバが行う携帯端末の特定領域、ここでは特定の飲食店の滞在時間情報を保存しておくための処理の手順を示すフロー図である。
図5】第1の実施形態の負担金額計算システムにおける負担金額計算手順を示すフロー図である。
図6】第2の実施形態の負担金額計算システムにおける負担金額計算手順を示すフロー図である。
図7】第3の実施形態の負担金額計算システムにおける負担金額計算手順を示すフロー図である。
図8図2に示す携帯端末に更に音声入力部と音声認識部とを備えた集計端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の負担金額計算システム1の構成を概略的に示す図である。図2は携帯端末10の構成を、また、図3はサーバ30の構成をそれぞれ概略的に示す図である。
この負担金額計算システム1は、GPS(Global Positioning System)受信機を内蔵した携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)など、通信機能及び自己位置検出機能を有する携帯端末装置(以下、単に携帯端末という)10を所持する人(メンバー)が飲食会などで飲食した場合などにおいて、滞在時間情報に応じて支払いの負担割合を求め、求めた負担割合から負担金額を計算する負担金額計算システムである。
【0012】
本負担金額計算システム1は、複数の携帯端末10と、例えばこれらの携帯端末10と無線通信可能な基地局20経由でネットワーク40に接続されたサーバ30とから構成されている。
携帯端末10は、図2に示すようにGPS電波を受信するGPS電波受信部104と、受信したGPS電波に基づき自携帯端末10の位置(経度、緯度)の計算、その他の携帯端末10全体の制御を行う制御部100と、計算した結果をサーバ30に送信しかつサーバ30から基地局20経由で送信されてくるデータなどを受信する無線通信部105と、計算などのためのデータを入力し、或いは操作のための指示を入力するための操作部106と、計算結果や受信結果を表示する表示部107と、計算結果や受信データなどを記憶させておくための記憶部108と、を有している。
なお、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103で構成されたマイクロコンピュータである。
【0013】
無線通信部105は基地局20との間で無線通信を行い、基地局20を介してサーバ30にアクセスし、携帯端末10のGPS電波受信部104で生成されたGPS位置情報、測定時刻情報やROM102に保存されている携帯端末10の装置IDを送信する。
なお、携帯端末10の位置情報は必ずしもGPS電波に基づく経度、緯度情報に限らない。例えば、ここでは、後述するように携帯端末10が特定施設に到着したことを通知する通知情報も、当該携帯端末10の位置を示す情報と云う。
【0014】
サーバ30は、図3に示すように、制御部300、記憶部304及び通信部305などを備えている。
即ち、サーバ30は、受信したデータを処理し、その他サーバ30全体の制御を行う制御部300と、処理したデータや予め蓄積したデータを保存する記憶部304と、携帯端末10から送信される各種のデータを受信し、また携帯端末10からの要求に応じて処理結果を送信する通信部305と、データの入力や操作のための操作部306と、処理結果などを表示する表示部307とを有している。
なお、制御部300はCPU301と、ROM302と、RAM303で構成されたマイクロコンピュータである。
【0015】
記憶部304は、例えばHDD(ハードディスク装置)からなり、携帯端末管理テーブル304(1)が設けられている。
携帯端末管理テーブル304(1)は、携帯端末10から送信されたGPS電波に基づく位置情報、測定時刻情報、及び携帯端末10の装置IDなどを用いて、携帯端末10の位置情報を管理するためのテーブルである。
【0016】
図4は、サーバ30が行う携帯端末10の特定領域、ここでは特定の飲食店の滞在時間情報(滞在開始時刻及び滞在終了時刻に基づく滞在時間又は滞在時間帯)を保存しておくための処理の手順を示すフロー図である。
サーバ30(の制御部300)は、携帯端末10から一定時間毎に送信されるGPS電波に基づく位置情報を基地局20経由で受信する(S101)。例えば、時刻tに送信された位置情報から、当該携帯端末10が予め定めた領域A(飲食店などの商用施設がある領域を地図データの上に予め設定した領域)内にあると判定したときは(S102、YES)、制御部300の携帯端末位置判定部301(1)は、当該携帯端末10の位置管理状態を“NULL”状態から“ARRIVE”状態に遷移し(S103)、その後、GPS電波に基づく位置情報により、予め定めた時間間隔、例えば時刻t+1,t+2で2回続けて当該携帯端末10が前記領域A内であると判定すると(S104、YES)、当該携帯端末10の位置管理状態を“IN”状態に遷移する(S105)。
【0017】
サーバ30が当該携帯端末10の位置管理状態を“IN”状態に遷移したときは、当該携帯端末10の“ARRIVE”時点からの経過時間を、その滞在時間として携帯端末管理テーブル304(1)に当該携帯端末10の装置IDと共に記録開始する(S106)。
なお、滞在開始時刻及び滞在終了時刻は、サーバ30の時計機能から取得しても或いは携帯端末10から位置情報と共に送信される時刻情報から取得してもよい。また、後述するように、この滞在時間又は滞在時間帯について携帯端末10から要求があったときは、当該携帯端末10の滞在時間又は滞在時間帯を要求のあった携帯端末10に送信する。
【0018】
次に、サーバ30による各携帯端末10の滞在時間情報に基づき各携帯端末10(所持者;メンバー)毎の割り勘による負担金額計算について説明する。
図5は、第1の実施形態の負担金額計算システム1における負担金額計算手順を示すフロー図である。
飲食店などにおけるグループの飲食会において、参加したメンバーが所持する携帯端末10のうち、例えばその一台を、飲食会が終了したときに各メンバーが支払うべき負担金額を計算する携帯端末(ここでは集計端末10aという)に指定しておく。この場合、集計端末10aは他の携帯端末10と兼用させる。なお、集計端末10aは他の携帯端末10と独立に用意してもよい。
【0019】
会計時には、各携帯端末10は、自携帯端末の装置ID(識別情報)を指定して、サーバ30に対して自携帯端末の特定施設(例えば、飲食店)での滞在時間を要求する(S201)。
要求を受け付けたサーバ30は、要求された携帯端末10の装置IDに基づき、携帯端末管理テーブル304(1)から特定施設における滞在時間(“ARRIVE”時刻からの滞在時間)を読み出して当該携帯端末10に送信する(S202)。
【0020】
各携帯端末10は自身の滞在時間をサーバ30から受信すると(S203)、その滞在時間情報(滞在時間長情報)を集計端末10aに送信する(S204)。
集計端末10aは、各携帯端末10からそれぞれの滞在時間長情報を受信(取得)すると(S205)、各携帯端末10毎の滞在時間からその滞在時間に応じた負担割合を算出する、つまり、各携帯端末10毎に滞在時間の重み付けを行い、求めた負担割合に基づいて、当該施設での支払い総額から各携帯端末10毎の負担すべき金額(負担金額)を算出し(S206)、算出した各携帯端末10の負担金額を自端末10aの表示部107に表示し(S207)、かつ各携帯端末10毎に送信(通知)する(S208)。各携帯端末10は算出した負担金額情報を受信すると(S209)、その割り勘負担金額を自身の表示部107に表示する(S210)。
本実施形態によれば、飲食店に滞在時間長により負担金額の負担割合が決まるため公平な負担金額計算を自動で容易に行うことができる。
【0021】
次に、本発明の負担金額計算システム1の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における各携帯端末10の滞在時間の管理などは、第1の実施形態と同じである。ただ、本実施形態は、集計端末10aがサーバ30から受信した滞在時間情報に応じた負担金額を算出する際に、販売情報提供手段である例えば図視しないPOS(Point of Sail System)のデータを加味して負担金額を算出する点で、第1の実施形態に係る負担金額計算システム1とは相異する。
即ち、POSは、販売情報(販売品、販売金額及び販売時間等)を保存しているため、集計端末10aはその販売情報を、例えば赤外線通信或いはBlue Tooth(登録商標)で取得する。
【0022】
本実施形態によれば、集計端末10aは、POSから販売情報を取得すると、求めた負担割合と販売金額と販売時刻に基づき、各携帯端末10毎の負担すべき金額を求める。この場合、携帯端末10Aの所持者が販売時には不在であるとすると、携帯端末10Aを除く携帯端末10B、C、Dの所持者で注文品a、b、cの販売金額を割り勘する。次の販売時点では携帯端末10Aの所持者が滞在しており、携帯端末Bの所持者が不在であるとすると、その注文品d、eについては、携帯端末10所持者A、C、Dでその販売金額を割り勘する。このようにして集計端末10aは、サーバ30から取得した各携帯端末10の入店時刻、出店時刻情報に基づき、携帯端末10の販売時における所持者の在・不在を判定して、各携帯端末10毎の負担金額を集計する。
【0023】
図6は、以上で説明した第2の実施形態の負担金額計算システム1における負担金額計算手順を示すフロー図である。
会計時、集計端末10aはPOSから販売情報(少なくとも販売金額を含む)を取得する(S301)。
各携帯端末10は、自身の装置IDを指定して、サーバ30に対してその滞在時間情報(滞在時間帯情報)を要求する(S302)。
【0024】
サーバ30は、携帯端末10からの要求があったときは、その携帯端末10の装置IDに基づき、携帯端末管理テーブル304(1)からその滞在時間帯を読み出して当該携帯端末10に送信する(S303)。携帯端末10は自身の滞在時間帯情報をサーバ30から受信すると(S304)、その滞在時間帯情報を集計端末10aに送信する(S305)。
集計端末10aは、各携帯端末10からそれぞれの滞在時間帯情報を受信(取得)すると(S306)、取得した各携帯端末10毎の滞在時間帯とPOSから取得した販売時刻を照合して、その販売時に実在(滞在)した携帯端末10を特定し、販売時刻における販売金額の合計額とその時に実在した携帯端末数から割り勘金額(負担金額)を算出する(S307)。集計端末10aは各携帯端末10毎に各販売毎の負担金額を算出して集計し(S308)、集計した各携帯端末10の負担金額を自端末10aの表示部107に表示し(S309)、かつ各携帯端末10に送信(通知)する(S310)。
各携帯端末10は集計端末10aから当該携帯端末10の集計した負担金額を受信すると(S311)、受信した負担金額を自身の表示部107に表示する(S312)。
第2の実施形態によれば、販売情報に基づき販売時点で実際に実在した携帯端末(メンバー)のみで割り勘するため、単に滞在時間の長さに基づき割り勘するよりもきめ細かな負担金額の算出ができる。
【0025】
次に、第3の実施形態の負担金額計算システム1について説明する。
第3の実施形態における各携帯端末10の滞在時間帯情報の管理などは、第1及び第2の実施形態と同じである。ただ、第2の実施形態では販売時刻、販売金額などをPOSから取得するのに対し、本実施形態では、集計端末10aは、販売金額と販売時刻を記憶しておく。販売金額等の情報は、例えば販売品を載せた容器に埋め込まれたRFID(Radio Frequency Identification)を読み取る読取装置、例えば図示しないリーダライタから取得する。販売時刻はリーダライタから金額情報を取得したときの自身のタイマー情報を付加して記憶する。
【0026】
会計時には、各携帯端末10は、自身の端末IDを指定して、サーバ30に対して滞在時間帯情報を要求する。サーバ30から自身の滞在時間帯情報を取得した各携帯端末10は、それを集計端末10aに送信する。集計端末10aは、各携帯端末10の滞在時間帯に応じて当該携帯端末10の負担すべき負担金額を計算する。
【0027】
図7は、第3の実施形態の負担金額計算システム1における負担金額精算手順を示すフロー図である。
集計端末10aは注文品の受け取りの都度、注文品を載せた或いは収容した容器に埋め込まれたRFIDのリーダライタから販売情報(少なくとも販売金額を含む)と販売時刻を取得し、記憶部108に保存する(S401)。
【0028】
会計時には、各携帯端末10は、自身の装置IDを指定して、サーバ30に対して滞在時間帯情報を要求する(S402)。
サーバ30は、各携帯端末10から滞在時間帯情報の要求があったときは、要求された携帯端末10の装置IDに基づき、携帯端末管理テーブル304(1)から滞在時間帯情報を読み出して当該携帯端末10に送信する(S403)。携帯端末10は自身の滞在時間帯情報をサーバ30から受信(取得)すると(S404)、その滞在時間帯情報を集計端末10aに送信する(S405)。集計端末10aは、各携帯端末10からそれぞれの滞在時間帯情報を受信(取得)すると(S406)、取得した各携帯端末10毎の滞在時間帯と、リーダライタから取得した注文時刻を照合して、当該販売時に実在した携帯端末10を特定し、販売金額の合計額とその時に実在した携帯端末数から割り勘による負担金額を算出する(S407)。集計端末10aは各端末毎に算出した負担金額を集計し(S408)、集計した各携帯端末10の負担金額を自端末10aの表示部107に表示し(S409)、かつ各携帯端末10毎に送信(通知)する(S410)。各携帯端末10は集計した当該携帯端末10の負担金額を受信すると(S411)、受信した負担金額をその表示部107に表示する(S412)。
【0029】
本実施形態は、POSが利用できない環境でも、例えば商品にその金額などの情報が付されている場合に、自動で販売金額、つまり支払うべき金額を入手することで、自動で割り勘による負担金額を計算することができる。
なお、第2、第3の実施形態おけるPOSやリーダライタは、第1の実施形態において、集計端末10aがメンバーが支払うべき負担金額を計算するための販売金額取得手段として利用出来ることは勿論である。
【0030】
また、販売金額取得手段を取得するため音声認識手段を用いることができる。
図8は、図2に示す携帯端末10に更に音声入力部109と音声認識部110とを備えた集計端末10aを示す図である。
この集計端末10aによるときは、集計端末10aは、メンバーが注文したときの音声を認識して注文情報(少なくとも注文時の金額を含む)を取得し、かつそれに自身のタイマー情報(注文時の時刻情報)を付加して記憶部108に保存しておく。
本実施形態では、メンバー(携帯端末所持者)が注文するときは、集計端末10aの音声入力部109であるマイクに向かって発声する。例えば、料理名、個数に加え単価を音声入力することで集計端末10aの音声認識部110がその内容を認識し、同時に集計端末10aの時計機能に基づき注文した時刻を取得して、音声入力された内容と共に記憶部108に保存する。
【0031】
この音声入力部109と音声認識部110で得られる注文情報は、以上で説明した第1〜第3の実施形態のいずれでも利用することができる。
即ち、会計時に第1の実施形態で利用する場合は、記憶部108に保存した各注文時における注文金額を読み出す、また、第2及び第3の実施形態で利用する場合は、各注文時に加えてその注文時間も読み出す。
他の負担金額の計算処理は、既に説明した各実施形態と同様に行う。
即ち、例えば、注文金額を総計して、携帯端末所持者の滞在時間の長さで割り勘する、或いは、滞在時間情報に基づき、注文時に当該特定施設に滞在していた携帯端末(の所持者)だけで注文金額を分割して負担するようにする。
【0032】
また、以上の説明では、携帯端末10の特定施設への入所又は入店時間は各携帯端末10が備えるGPS電波を利用した位置情報算出機能に基づき、サーバ30が管理するものとしている。
しかし、例えば、滞在時間については、ユーザが飲食店など特定施設に到着した時点で特定施設に到着したことを表す信号を操作部106のタッチスイッチなどで入力することも可能である。この場合は、サーバ30はその信号を受信すると、当該携帯端末10が特定施設に到着したものと判定して、その時刻を記録すると共にその時点から直ちに当該携帯端末10の特定施設での滞在時間の計時を開始する。
したがって、既に述べたように、ここでは、携帯端末10が特定施設に到着したことを通知する通知情報も、当該携帯端末10の位置を示す情報と云う。
【0033】
さらに、サーバ30を用いることなく、ユーザが飲食店など特定施設に到着した時点で入力し特定施設に到着したことを表す信号をタッチパネルなどで入力したときは、その時刻を記憶部108に保持しておき、会計時に集計端末10aに対して前記時刻、つまり入店時刻を送信するようにしてその滞在時間を申告することでもできる。
【0034】
本実施形態では、各携帯端末10は入店時間をそれぞれ記憶しておく。入店時間は、携帯端末10が特定施設(飲食店)に入所したとき携帯端末10の所持者が特定施設(飲食店)に到着した時点(入店時)に、例えば特定施設に到着したことを表す信号をその操作部106のタッチスイッチなどで入力する。その時の時刻が、例えば携帯端末10Aでは18時00分に、携帯端末10Bでは18時30分、携帯端末10Cでは19時00分であるとすれば、それぞれの時刻を各携帯端末10の記憶部108に保持しておく。
会計時には、集計端末10aからの要求に応じて、或いは各携帯端末10の操作により各携帯端末10から集計端末10aに対して各携帯端末10が保持した入店時間(時刻)又は出店時刻を送信し、集計端末10aは、以上で説明した実施形態1〜3の支払い精算方法のいずれかにより各携帯端末10毎の割り勘による支払い額を計算することができる。
【0035】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、従来のようにグループの幹事が参加者の滞在時間帯を個別に管理して、その割り勘負担金額を算出するなどの煩雑な手法によらず、滞在時間や滞在時間帯を考慮した割り勘による支払い負担金額を容易に算出することができる。
なお、以上の実施形態では、飲食など商品を購入する場合に例を採って説明したが、本発明は、例えば、サービスを受ける場合など、参加メンバーでいわゆる割り勘を行う場合には全て適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1・・・負担金額計算システム、10・・・携帯端末、10a・・・集計端末、20・・・基地局、30・・・サーバ、40・・・ネットワーク、100・・・制御部、101・・・CPU、102・・・ROM、103・・・RAM、104・・・GPS電波受信部、105・・・無線通信部、106・・・操作部、107・・・表示部、300・・・制御部、301・・・CPU、301(1)・・・携帯端末位置判定部、302・・・ROM、303・・・RAM、304・・・記憶部、304(1)・・・携帯端末管理テーブル、305・・・通信部、306・・・操作部、307・・・表示部。
図1
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図8