特許第5906137号(P5906137)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5906137
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】ガスタービン燃焼器
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/228 20060101AFI20160407BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20160407BHJP
   F23R 3/34 20060101ALI20160407BHJP
   F02C 9/34 20060101ALI20160407BHJP
【FI】
   F02C7/228
   F23R3/28 A
   F23R3/28 D
   F23R3/34
   F02C9/34
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-119112(P2012-119112)
(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公開番号】特開2013-245598(P2013-245598A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 武雄
(72)【発明者】
【氏名】小金沢 知己
(72)【発明者】
【氏名】三浦 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】阿部 一幾
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−112286(JP,A)
【文献】 特開平05−149149(JP,A)
【文献】 特開2011−075172(JP,A)
【文献】 特開2000−274689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C1/00−9/58
F23R3/00−7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、
空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のバーナを備えたガスタービン燃焼器において、
前記バーナに燃料を供給する燃料供給系統をバーナ軸心側となるバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統と、バーナ中央部の外周側となるバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、
前記バーナ外周部燃料系統には燃料の圧力を調節する圧力調整弁および燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、
前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、
前記バーナ中央部燃料系統に流路の径を小さくしたオリフィスを設置したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項2】
燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、
空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のバーナを備えたガスタービン燃焼器において、
前記バーナに燃料を供給する燃料供給系統をバーナ軸心側となるバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統と、バーナ中央部の外周側となるバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、
前記バーナ外周部燃料系統には燃料の圧力を調節する圧力調整弁および燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、
前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、
前記バーナ中央部燃料系統に三方弁を設置し、この三方弁の下流側に孔径が異なっており燃料の流量を絞る複数の絞り部を設置して、前記三方弁を切り替えることにより前記複数の絞り部を通る燃料系統を切り替えるように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項3】
燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、
空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のクラスタバーナと、
ガスタービン燃焼器の外周側には燃料と空気を予め混合して燃焼させ火炎を形成する予混合燃焼バーナを備えた構成のガスタービン燃焼器において、
前記クラスターバーナに燃料を供給する燃料供給系統をクラスターバーナ軸心側となるバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統と、バーナ中央部の外周側となるバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、
前記バーナ外周部燃料系統に燃料の圧力を調節する圧力調整弁および燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、
前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、
前記バーナ中央部燃料系統に流路の径を小さくしたオリフィスを設置し、
前記予混合バーナに燃料を供給する予混合燃料供給系統を前記圧力調整弁の下流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐して配設し、
前記予混合燃料供給系統に燃料の圧力を調節する別の圧力調整弁を設置したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項4】
燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、
空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のクラスタバーナをガスタービン燃焼器の軸心側の中央部と、ガスタービン燃焼器の外周部とにマルチ状に複数個備えた構成のガスタービン燃焼器において、
前記クラスターバーナに燃料を供給する燃料供給系統を前記クラスターバーナのバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統とバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、
前記バーナ外周部燃料系統に燃料の圧力を調節する圧力調整弁を設置し、
前記圧力調整弁の下流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐して前記クラスターバーナのバーナ外周部に燃料を供給する第1の燃料系統を複数配設し、
前記クラスターバーナのバーナ外周部に燃料を供給する複数の燃料系統に燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、
前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、
前記バーナ中央部燃料系統から分岐して前記クラスターバーナのバーナ中央部に燃料を供給する第2の燃料系統を複数配設し、
前記第2の燃料系統に流路の径を小さくしたオリフィスを設置したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービン燃焼器に係り、特にガスタービン燃焼器の運転制御性の複雑化や、ガスタービン製作コストの増加を抑制して、ガスタービン燃焼器の燃焼性能を向上させるガスタービン燃焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全の観点から大気汚染物質の排出に関する規制は厳格化しており、ガスタービン燃焼器に関しては、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)の排出量を低減させるべく、様々な燃焼方式が研究されている。
【0003】
その中でも特開2006−17381号公報に開示しているように、燃料と空気とを同軸噴流として燃焼室に供給して燃焼させる同軸噴流燃焼方式(以下、クラスタバーナと表記)では、空気と燃料を予混合してから燃焼させる従来の予混合燃焼方式と比較して、非常に短い距離で効果的に混合を促進させる事が可能であり、NOxの排出量を低く抑えることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−17381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2006−17381号公報に開示されたガスタービン燃焼器の技術では、クラスターバーナの燃料ノズルおよび空気孔構造の改善により、NOx排出量を低減し、且つ燃焼安定性の向上を図っている。
【0006】
しかしながら、昨今の更なる低NOx化の潮流から、燃焼場における燃料流量と空気流量の比率(以下、燃空比と表記)を低下させて、NOx排出量を更に低減させる必要性が生じている。
【0007】
一般に燃空比が低くなると火炎の安定性が低下するため、NOx排出量の低減と共に、火炎安定性を向上させる施策が必要となる。
【0008】
ところで、NOx排出量の低減と火炎の安定性の向上を図るための方策の一つとして、クラスターバーナに供給する燃料を、クラスターバーナの中央部と外周部の2系統に分割して、中央部には燃空比の高い安定した火炎を形成し、中央部の安定火炎を火種にすることで外周部の燃空比を低くしてNOx排出量を低減させる方法が考えられる。
【0009】
しかしながら、上記した方法では、クラスターバーナに燃料を供給する燃料系統の数を増やす必要があり、増加した燃料系統に燃料弁を追設することによってガスタービン燃焼器の運転制御が複雑化するだけでなく、ガスタービン燃焼器の製作コストが増加するという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コスト増加を回避し、ガスタービン燃焼器の燃焼性能の向上とNOx排出量の低減を可能にしたガスタービン燃焼器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のガスタービン燃焼器は、燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のバーナを備えたガスタービン燃焼器において、前記バーナに燃料を供給する燃料供給系統をバーナ軸心側となるバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統と、バーナ中央部の外周側となるバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、前記バーナ外周部燃料系統には燃料の圧力を調節する圧力調整弁および燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、前記バーナ中央部燃料系統に流路の径を小さくしたオリフィスを設置したことを特徴とする。
【0012】
また本発明のガスタービン燃焼器は、燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のバーナを備えたガスタービン燃焼器において、前記バーナに燃料を供給する燃料供給系統をバーナ軸心側となるバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統と、バーナ中央部の外周側となるバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、前記バーナ外周部燃料系統には燃料の圧力を調節する圧力調整弁および燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、前記バーナ中央部燃料系統に三方弁を設置し、この三方弁の下流側に孔径が異なっており燃料の流量を絞る複数の絞り部を設置して、前記三方弁を切り替えることにより前記複数の絞り部を通る燃料系統を切り替えるように構成したことを特徴とする。
【0013】
また本発明のガスタービン燃焼器は、燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のクラスタバーナと、ガスタービン燃焼器の外周側には燃料と空気を予め混合して燃焼させ火炎を形成する予混合燃焼バーナを備えた構成のガスタービン燃焼器において、前記クラスターバーナに燃料を供給する燃料供給系統をクラスターバーナ軸心側となるバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統と、バーナ中央部の外周側となるバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、前記バーナ外周部燃料系統に燃料の圧力を調節する圧力調整弁および燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、前記バーナ中央部燃料系統に流路の径を小さくしたオリフィスを設置し、前記予混合バーナに燃料を供給する予混合燃料供給系統を前記圧力調整弁の下流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐して配設し、前記予混合燃料供給系統に燃料の圧力を調節する別の圧力調整弁を設置したことを特徴とする。
【0014】
また本発明のガスタービン燃焼器は、燃料と空気を混合して燃焼させ燃焼ガスを発生させる燃焼室と、空気を燃焼室に噴出させる複数の空気孔を形成したバーナプレートと、燃料を前記バーナプレートの空気孔に向かって噴出させる複数の燃料ノズルを備え、燃料と空気とが複数の同軸噴流として前記燃焼室に噴出されるように前記燃料ノズルと前記空気孔を同軸上に配置した構成のクラスタバーナをガスタービン燃焼器の軸心側の中央部と、ガスタービン燃焼器の外周部とにマルチ状に複数個備えた構成のガスタービン燃焼器において、前記クラスターバーナに燃料を供給する燃料供給系統を前記クラスターバーナのバーナ中央部に供給するバーナ中央部燃料系統とバーナ外周部に供給するバーナ外周部燃料系統との二系統配設し、前記バーナ外周部燃料系統に燃料の圧力を調節する圧力調整弁を設置し、前記圧力調整弁の下流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐して前記クラスターバーナのバーナ外周部に燃料を供給する第1の燃料系統を複数配設し、前記クラスターバーナのバーナ外周部に燃料を供給する複数の燃料系統に燃料の流量を調節する流量調整弁をそれぞれ設置し、前記バーナ中央部燃料系統は前記圧力調整弁の上流部の前記バーナ外周部燃料系統から分岐するように構成し、前記バーナ中央部燃料系統から分岐して前記クラスターバーナのバーナ中央部に燃料を供給する第2の燃料系統を複数配設し、前記第2の燃料系統に流路の径を小さくしたオリフィスを設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コスト増加を回避し、ガスタービン燃焼器の燃焼性能の向上とNOx排出量の低減を可能にしたガスタービン燃焼器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例のガスタービン燃焼器を備えたガスタービンの構成を示す概略図。
図2】本発明の第1実施例であるガスタービン燃焼器のクラスターバーナ構造及び燃料系統を示す部分図。
図3】本発明の第2実施例であるガスタービン燃焼器のクラスターバーナ構造及び燃料系統を示す部分図。
図4】本発明の第3実施例であるガスタービン燃焼器のクラスターバーナ構造及び燃料系統を示す部分図。
図5】本発明の第4実施例であるガスタービン燃焼器のマルチクラスタバーナ構造及び燃料系統を示す部分図。
図6図5に示した第4実施例であるガスタービン燃焼器のマルチクラスタバーナ構造をB−B方向から見た矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のガスタービン燃焼器の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1実施例であるガスタービン燃焼器について、図1及び図2を用いて説明する。
【0019】
図1は本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器を備えたガスタービンの概略構成を示しており、図1に示したガスタービンにおいて、空気圧縮機110から吐出された高圧空気120はディフューザ130から車室140に導入され、ガスタービン燃焼器100の尾筒フロースリーブ150に設けられた空気導入孔151から、尾筒フロースリーブ150と、前記尾筒フロースリーブ150の内側に配設した尾筒152との間隙に形成された流路に流入する。
【0020】
この間隙に形成された流路に流入した高圧空気120は、その後、ガスタービン燃焼器100のライナ153と、前記ライナ153の外周側でライナ153と同心円上に配置されたライナフロースリーブ154との間隙に形成された流路を流れた後に流れを反転させ、燃料供給系統1から導入されクラスタノズルを構成する複数の燃料ノズル31、32から噴射される燃料と混合してライナ153内部の燃焼室160で燃焼して火炎156を形成し、高温高圧の燃焼ガス170を発生させる。
【0021】
このようにガスタービン燃焼器100で発生した高温高圧の燃焼ガス170は尾筒152を流下してタービン180に導入される。
【0022】
ガスタービンを構成するタービン180では、このタービン180に導入された高温高圧の燃焼ガス170が断熱膨張する際に発生する仕事量をタービン180で軸回転力に転換することにより、前記タービン180にタービン軸で連結した発電機190を駆動して前記発電機190から出力を得ている。
【0023】
ガスタービンを構成する空気圧縮機110と発電機190は、タービン180と前記タービン軸で連結されている。但し、空気圧縮機110、タービン180、及び発電機190は前記タービン軸が1軸の構成でなくて、2軸以上の構成のタービン軸であってもよい。
【0024】
また、一般に火力発電所等で広く使用されているガスタービンは、タービン軸に対してガスタービン燃焼器が放射状に複数缶配列された構成となっている。
【0025】
図2図1に示したガスタービンに備えられた本発明の第1実施例であるガスタービン燃焼器100におけるクラスターバーナ構造及び燃料系統を示す部分図であり、燃料系統1を通じてガスタービン燃焼器100におけるクラスターバーナに供給される燃料は、燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部にて燃料系統1からバーナ中央部燃料系統10とバーナ外周部燃料系統20にそれぞれ分岐されて供給される構成となっている。
【0026】
分岐した一方のバーナ中央部燃料系統10を通じて供給される燃料は、このバーナ中央部燃料系統10に設置したオリフィス11を経由した後にクラスターバーナを構成する軸心側のバーナ中央部に導入される。
【0027】
また、分岐した他方のバーナ外周部燃料系統20を通じて供給される燃料は、このバーナ外周部燃料系統20に夫々設置された圧力調整弁21、流量調整弁22を経由した後にクラスターバーナを構成する外周側のバーナ外周部に導入される。
【0028】
クラスターバーナには軸心側に位置するバーナ中央部の複数の燃料ノズル32と、該バーナ中央部の燃料ノズル32の外周側に位置するバーナ外周部の複数の燃料ノズル31が設けられており、前記複数の燃料ノズル32及び複数の燃料ノズル31は、これらの燃料ノズル31,32の下流側に近接して配置された空気孔プレート33に形成された複数の空気孔34と1対1に対応して、これらの複数の空気孔34と同軸上となるようにそれぞれ配置されている。
【0029】
前記バーナ中央部の複数の燃料ノズル32及びバーナ外周部の複数の燃料ノズル31から空気孔プレート33に形成された複数の空気孔34に向かって噴射された燃料は、空気圧縮機110から供給された燃焼空気と共に燃焼室160に噴出されて急速混合して燃焼し、火炎を形成して高温高圧の燃焼ガス170を発生させる。
【0030】
本実施例のガスタービン燃焼器100において、燃料系統1に設置した遮断弁2の下流部の燃料圧力は通常2〜3MPaであり、またガスタービン燃焼器100の燃焼室160内の圧力は1〜2MPaであることから、前記遮断弁2の下流部で燃料系統1から分岐した前記バーナ中央部燃料系統10に設置したオリフィス11の前後の圧力差を大きくすることができるので、前記バーナ中央部の複数の燃料ノズル32に供給される燃料は前記オリフィス11によってチョークし、ガスタービン燃焼器100の燃焼室160内の圧力に関係なく前記バーナ中央部燃料系統10を通じて常に所定の流量の燃料を前記バーナ中央部の複数の燃料ノズル32に供給することが出来る。
【0031】
したがって、図1に示す構成の本実施例のガスタービン燃焼器100においては、クラスターバーナの火炎安定性の向上及びNOx排出量の低減を図るため、ガスタービン燃焼器に供給される燃料系統を2系統に分割して配設した場合でも、分割して配設した燃料系統に燃料調整弁を追設する必要は無く、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コスト増加を回避することが可能なガスタービン燃焼器が実現できる。
【0032】
また本実施例のガスタービン燃焼器100では、分割して配設した燃料系統に設置したオリフィス11によって供給する燃料の燃料流量をチョークさせることで、常に所定の流量をクラスターバーナのバーナ中央部に安定供給することが可能となる。
【0033】
また本実施例のガスタービン燃焼器100では、クラスターバーナのバーナ中央部に燃空比の高い安定した火炎を形成し、クラスターバーナのバーナ中央部の安定火炎を火種とすることによってバーナ外周部の燃空比を低くすることが可能になるので、NOx排出量を低減させることができる。
【0034】
本実施例によれば、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コストの増加を回避し、ガスタービン燃焼器の燃焼性能の向上とNOx排出量の低減を可能にしたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例2】
【0035】
次に本発明の第2実施例であるガスタービン燃焼器について図3を用いて説明する。
【0036】
図3に示した本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料系統は、図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器100のそれらと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分のみ以下に説明する。
【0037】
図3に示した本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料系統において、燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部で燃料系統1から分岐した前記バーナ中央部燃料系統10の途中に三方弁12を設け、この三方弁12の下流側に前記バーナ中央部燃料系統10から分岐する分岐配管を配設すると共に、これらの分岐配管にオリフィスの絞り部の孔径が互いに異なる2個のオリフィス13、14をそれぞれ設置し、更に、これらの分岐配管を合流させて前記三方弁12、オリフィス13、14を経た燃料をクラスターバーナの軸心側に位置するバーナ中央部の複数の燃料ノズル32から空気孔プレート33に形成された複数の空気孔34に向かって噴射するようにした構成である。
【0038】
本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料供給系統では、燃料系統1から分岐した前記バーナ外周部燃料系統20に圧力調整弁21及び流量調整弁22を設置して、クラスターバーナを構成する外周側のバーナ外周部に供給する燃料の流量を制御する。
【0039】
更に、本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料供給系統では、燃料系統1から分岐した前記バーナ中央部燃料系統10に三方弁12を設け、この三方弁12の下流側にオリフィスの絞り部の孔径が互いに異なっており、起動時及び低負荷時に使用する小孔径のオリフィス13と、高負荷時に使用する大孔径のオリフィス14との2個のオリフィス13、14を備えた分岐配管を配設したことにより、前記三方弁12の切り替え操作によって小孔径のオリフィス13を設置した一方の分岐配管、又は大孔径のオリフィス14を設置した他方の分岐配管を通じて燃料を供給するように供給経路を切り替えて燃料を供給することが可能となり、オリフィス13及びオリフィス14で絞り部の孔径を変えることで、ガスタービンプラントの運転状態に応じてガスタービン燃焼器100のバーナ中央部に供給する燃料流量を流量が互いに異なる二通りの流量に変化させることが可能となる。
【0040】
また前記三方弁の下流部に更に別の三方弁を設けることで、ガスタービン燃焼器100のバーナ中央部に供給する燃料流量を流量が互いに異なる三通りの流量に変化させることも可能である。
【0041】
本実施例のガスタービン燃焼器100では、燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部から分岐したバーナ中央部燃料系統10に三方弁12を設け、この三方弁12の下流側にオリフィスの絞り部の孔径が互いに異なる2個のオリフィス13、14を備えた分岐配管を配設した構成にしたことによって、ガスタービンプラントの出力に応じて燃料供給を制御する場合でも、本実施例のガスタービン燃焼器100では前記三方弁12と、小孔径のオリフィス13又は大孔径のオリフィス14の簡単な切替制御だけでガスタービンプラントの出力に対応した燃料流量の制御が可能な、所謂ON−OFF制御と同様の制御になるため、ガスタービン燃焼器の燃料制御を非常に簡略化することができる。
【0042】
上記したように、本実施例のガスタービン燃焼器では、クラスターバーナの火炎安定性向上およびNOx排出量低減を図るためにガスタービン燃焼器に供給される燃料系統をバーナ中央部に供給する燃料系統と、バーナ外周部に供給する燃料系統との2系統の燃料系統に分割した場合でも、分割した燃料供給系統に燃料調整弁を追設する必要は無く、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化、およびガスタービン製作コスト増加を回避することが可能となる。
【0043】
本実施例によれば、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コストの増加を回避し、ガスタービン燃焼器の燃焼性能の向上とNOx排出量の低減を可能にしたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例3】
【0044】
次に本発明の第3実施例であるガスタービン燃焼器について図4を用いて説明する。
【0045】
図4に示した本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料系統は、図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器100のそれらと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分のみ以下に説明する。
【0046】
図4に示した本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料系統において、本実施例のガスタービン燃焼器100は、バーナ中央部にクラスターバーナ50を配置し、このクラスターバーナ50の外周側となるバーナ外周部には、予混合ノズル155から噴射した燃料と空気とを予混合し、この予混合した予混合ガスを前記予混合ノズル155の下流側に設置した保炎器41の下流に流下させて燃焼させ、ガスタービン燃焼器100のライナ153の内側に設けた燃焼室160内に予混合火炎を形成する予混合バーナ157を複数個配置した構成のガスタービン燃焼器である。
【0047】
前記ガスタービン燃焼器100のバーナ中央部のクラスターバーナ50及びバーナ外周部の予混合バーナ157に供給される燃料の燃料供給系統は、前記燃料系統1から供給される燃料が該燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部にて燃料系統1に接続し、バーナ外周部に燃料を供給するクラスターバーナ外周部燃料系統70と、このクラスターバーナ外周部燃料系統70から分岐してバーナ中央部に燃料を供給するクラスターバーナ中央部燃料系統60と、前記クラスターバーナ外周部燃料系統70から更に分岐して予混合燃料を予混合バーナ157に供給する予混合バーナ燃料系統75とから構成されている。
【0048】
燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部のクラスターバーナ外周部燃料系統70には圧力調整弁71が設けられており、この圧力調整弁71によって圧力を調節した燃料は、前記クラスターバーナ外周部燃料系統70に設置した燃料調整弁73及びクラスターバーナ外周部燃料系統70から分岐した予混合バーナ燃料系統75に設置した燃料調整弁74によってクラスターバーナ外周部、および予混合バーナ157の予混合燃料ノズル155にそれぞれ供給される燃料流量が調整されるように構成されている。
【0049】
一方、燃料遮断弁2の下流部でクラスターバーナ外周部燃料系統70から分岐した前記クラスターバーナ中央部燃料系統60にはオリフィス61が設けられており、前記クラスターバーナ外周部燃料系統70に設置した燃料調整弁73及びクラスターバーナ外周部燃料系統70から分岐した予混合バーナ燃料系統75に設置した燃料調整弁74によってクラスターバーナ外周部、および予混合バーナ157の予混合燃料ノズル155にそれぞれ供給される燃料流量が調整されることから、クラスターバーナの火炎安定性向上およびNOx排出量低減を図るためにガスタービン燃焼器に供給される燃料系統をバーナ中央部に供給する燃料系統と、バーナ外周部に供給する燃料系統との2系統の燃料系統に分割した場合でも、分割した燃料供給系統に燃料調整弁を追設する必要は無く、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化、およびガスタービン製作コスト増加を回避することが可能となる。
【0050】
また、ガスタービンプラントの出力に応じて燃料供給を制御する場合でも、本実施例のガスタービン燃焼器100では前記オリフィス61と、前記燃料調整弁73、74の制御だけでガスタービンプラントの出力に対応した燃料流量の制御が可能になるため、ガスタービン燃焼器の燃料制御を非常に簡略化することができ、更に、オリフィス61で燃料流量がチョークすることで、常に所定の流量をバーナ中央部に安定供給することが可能となる。
【0051】
本実施例によれば、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コストの増加を回避し、ガスタービン燃焼器の燃焼性能の向上とNOx排出量の低減を可能にしたガスタービン燃焼器が実現できる。
【実施例4】
【0052】
次に本発明の第4実施例であるガスタービン燃焼器について図5及び図6を用いて説明する。
【0053】
図5及び図6に示した本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料系統は、図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器100のそれらと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分のみ以下に説明する。
【0054】
図5及び図6に示した本実施例のガスタービン燃焼器100は、クラスターバーナをバーナの軸中心の中央部に1個と、バーナの外周部に複数個のマルチ状に配置した構成となっている。
【0055】
図6図5に示したガスタービン燃焼器100を燃焼室内でB−B方向から見た矢視図である。
【0056】
図6に示した本実施例のガスタービン燃焼器100のクラスターバーナ構造及び燃料系統において、本実施例のガスタービン燃焼器100は、バーナ中央部にクラスターバーナ51を1個配置し、このクラスターバーナ51の外周側となるバーナ外周部にクラスターバーナ52を合計6個配置させたマルチクラスタ構造のガスタービン燃焼器である。
【0057】
前記ガスタービン燃焼器100のバーナ中央部のクラスターバーナ51及びバーナ外周部の6個のクラスターバーナ52に燃料を供給する燃料供給系統は、前記燃料供給系統1から供給される燃料が該燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部にて前記燃料系統1から分岐してバーナ中央部のクラスターバーナ51の中央部、及びバーナ外周部の6個のクラスターバーナ52の中央部に燃料をそれぞれ供給するクラスターバーナ中央部燃料系統80が複数系統配設されている。
【0058】
前記燃料供給系統は、燃料系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部で燃料供給系統1と接続したクラスターバーナ外周部燃料系統90には圧力調整弁94が設けられており、この圧力調整弁94によって圧力を調節した燃料は、前記クラスターバーナ外周部燃料系統90から更に分岐してバーナ中央部のクラスターバーナ51におけるクラスターバーナ外周部に燃料を供給する燃料系統90aに設置した燃料調整弁91、及びバーナ外周部の6個のクラスターバーナ52におけるクラスターバーナ外周部に燃料を供給する複数の燃料系統90bに設置した燃料調整弁92によってクラスターバーナ51及びバーナ外周部の6個のクラスターバーナ52の各クラスターバーナ外周部に供給される燃料流量がそれぞれ調整されるように構成されている。
【0059】
更に前記燃料供給系統は、燃料供給系統1に設置した燃料遮断弁2の下流部でクラスターバーナ外周部燃料系統90から分岐し、複数系統配設されている前記クラスターバーナ中央部燃料系統80から更に分岐した燃料系統80a、80bにはオリフィス81、82、83がそれぞれ設けられている。
【0060】
また、燃料遮断弁2の下流部で燃料供給系統1から分岐し、複数系統配設されている前記クラスターバーナ外周部燃料系統90のうち、バーナ中央部の1個のクラスターバーナ51の外周部に燃料を供給するクラスターバーナ外周部燃料系統90には燃料調整弁91が設置され、バーナ外周部の6個のクラスターバーナ52の外周部に燃料を供給するクラスターバーナ外周部燃料系統90には燃料調整弁92がそれぞれ設置された構成となっていることから、前記複数のクラスターバーナ外周部燃料系統90に設置した燃料調整弁91、92によって1個のクラスターバーナ51及び6個のクラスターバーナ52のクラスターバーナ外周部にそれぞれ供給される燃料流量が調整されるので、クラスターバーナの火炎安定性向上およびNOx排出量低減を図るためにガスタービン燃焼器に供給される燃料供給系統をバーナ中央部に供給する燃料供給系統と、バーナ外周部に供給する燃料供給系統との2系統の燃料供給系統に分割した場合でも、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コスト増加を回避したガスタービン燃焼器の燃料制御を行うことが可能となる。
【0061】
本実施例のガスタービン燃焼器の燃料供給系統は、燃料供給系統1から供給される燃料が燃料遮断弁2の下流部にてクラスターバーナの中央燃料系統80と、クラスターバーナ外周燃料系統90とに分岐されており、このクラスターバーナ外周部燃料系統90の下流で圧力調整弁94を設けて燃料圧力を調節した後に、クラスターバーナ外周部燃料系統90から分岐した燃料系統90aに設置した燃料調整弁91によってバーナ中央部のクラスターバーナ51のクラスターバーナ外周部に供給する燃料を調整する。
【0062】
また、クラスターバーナ外周部燃料系統90から分岐した複数の燃料系統90bに設置した燃料調整弁92によってバーナ外周部の6個のクラスターバーナ52のクラスターバーナ外周部に供給する燃料を調整する。
【0063】
一方、クラスターバーナ中央部燃料系統80から分岐し、バーナ中央部のクラスターバーナ51のクラスターバーナ中央部に燃料を供給する燃料系統80aにはオリフィス81を設け、バーナ外周部の6個のクラスターバーナ52のクラスターバーナ中央部に燃料を供給する複数の燃料系統80bにはオリフィス82をそれぞれ設けることで、第1実施例のガスタービン燃焼器と同様に、プラント負荷に寄らず常に安定した燃料をクラスターバーナ中央部に供給することが可能となる。
【0064】
上述した構成のクラスターバーナをマルチ状に配置した本実施例のガスタービン燃焼器では、各クラスターバーナの火炎安定性向上およびNOx排出量低減を図るために燃料供給系統を各々2系統に分割した場合でも、分割した燃料供給系統に燃料調整弁を追設する必要は無く、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化、およびガスタービン製作コスト増加を回避することが可能となる。
【0065】
また、ガスタービンプラントの出力に応じて燃料供給を制御する場合でも、本実施例のガスタービン燃焼器100では前記オリフィス81、82と、前記燃料調整弁91、92の制御だけでガスタービンプラントの出力に対応した燃料流量の制御が可能になるため、ガスタービン燃焼器の燃料制御を非常に簡略化することができ、更に、分割した燃料供給系統に設置したオリフィス81,82で燃料流量がチョークすることで、常に所定の流量を各クラスターバーナの中央部に安定供給することが可能となる。
【0066】
本実施例によれば、ガスタービン燃焼器の運転制御の複雑化及びガスタービン燃焼器の製作コストの増加を回避し、ガスタービン燃焼器の燃焼性能の向上とNOx排出量の低減を可能にしたガスタービン燃焼器が実現できる。
【符号の説明】
【0067】
1:燃料供給系統、2:燃料遮断弁、10:バーナ中央部燃料系統、11、13、14:オリフィス、12:三方弁、20:バーナ外周部燃料系統、21:圧力調整弁、22、23、24:燃料調整弁、30、31、32:燃料ノズル、33:バーナプレート、34:空気孔、40:拡散バーナ、41:保炎器、42:拡散燃料流、50、51、52:クラスターバーナ、60:クラスターバーナ中央部燃料系統、61:オリフィス、71:圧力調整弁、72:クラスターバーナ外周部燃料系統、73:燃料調整弁、80:クラスターバーナ中央部燃料系統、80a、80b:燃料系統、81、82:オリフィス、90a、90b:燃料系統、90:クラスターバーナ外周部燃料系統、91、92:燃料調整弁、94:圧力調整弁、110:空気圧縮機、120:高圧空気、130:ディフューザ、140:車室、150:尾筒フロースリーブ、151:空気導入孔、152:尾筒、153:ライナ、154:ライナフロースリーブ、155:予混合燃料ノズル、156:予混合火炎、160:燃焼室、170:高温燃焼ガス流、180:タービン、190:発電機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6