特許第5906163号(P5906163)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5906163
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】発泡体
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/14 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   C08J9/14CES
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-218194(P2012-218194)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-70174(P2014-70174A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(74)【代理人】
【識別番号】100089185
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 誠
(72)【発明者】
【氏名】矢原 和幸
(72)【発明者】
【氏名】桐榮 洋三
(72)【発明者】
【氏名】土肥 彰人
(72)【発明者】
【氏名】谷川 裕司
【審査官】 芦原 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−215805(JP,A)
【文献】 特開2002−371152(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/051051(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/147104(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/00−42
B29C 44/00−60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体を架橋してなる樹脂の発泡体であって、
該発泡体の空隙割合が50〜80vol%、厚みが0.1〜1.0mm、平均気泡径が10〜250μmであり、
厚みを50%圧縮した状態の該発泡体に、高さ1mから質量55gの錘を落下させたとき、該発泡体を介して計測される圧力が25MPa以下である発泡体。
【請求項2】
前記発泡体の厚みを90%圧縮したときの圧縮応力が100kPa以下である請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
前記共重合体がエチレンとプロピレンと非共役ジエンとの共重合体である請求項1または2記載の発泡体。
【請求項4】
前記非共役ジエンが環状構造ノルボルネン誘導体である請求項3に記載の発泡体。
【請求項5】
前記共重合体が、一分子中に複数のSiH基を有するシロキサン系化合物で架橋してなる請求項1〜4のいずれかに記載の発泡体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の発泡体の製造方法であって、
エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体と、架橋剤と、該架橋剤によって架橋できる温度よりも低い沸点を有する液体の発泡剤と、を含む樹脂組成物を形成する工程と、該樹脂組成物を架橋できる温度に加熱する工程と
を有する発泡体の製造方法。
【請求項7】
前記発泡剤の沸点が、200℃以下である請求項6に記載の発泡体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン系エラストマーからなる発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡体は、例えば、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輌等の各種分野において、気体又は液体から保護することが必要な部品や筐体の周縁部分を密封するシール材、振動や衝撃を緩衝する緩衝材等として使用されている。
発泡体は、オレフィン系樹脂及びエラストマーを主成分とする樹脂組成物に発泡処理などを施すことによって得られる。これら発泡体として、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなる熱可塑性樹脂発泡体や、合成ゴム又は天然ゴムからなるゴム発泡体等が挙げられる。
発泡体をシール材又は緩衝材として使用する場合には、発泡体の圧縮柔軟性、すなわち発泡体が圧縮状態から回復しようとする反発応力が該発泡体が使用される物品の材質や使用条件に見合って適切に設定されていること、及び上記設定された反発応力やシール性能が該発泡体が使用される物品の使用可能期間に亘って維持できることなどが求められる。
【0003】
近年、電子機器分野では、機器の小型化が著しく進んでいる。携帯型電話機などのように表示画面を備える小型電子機器では、筐体の主面に占める画面サイズの比率が可能な限り大きいことが望まれる。このため、画面パネルと筐体との間(クリアランス)に配置される発泡体に要求される厚みはさらに薄く、幅はさらに狭くなる傾向がある。
このような狭いクリアランスの制約下で配置可能な発泡体の一例として、密度を0.01〜0.20g/cm3として、平均気泡径を10〜65μmとすることで衝撃性を向上させるとともに発泡体の厚さを0.1〜1.0mmとした発泡体が提案されている(特許文献1参照)。この発泡体は、0.1〜1.0mm以下の狭いクリアランスにも配置可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−215805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述したよう厚みが規制された発泡体の場合、シール性は良好であっても密度が低いため、例えば、衝撃吸収材としての性能が要求される場所に配置される場合には過大な衝撃エネルギーに対して、十分な衝撃吸収性が得られないことがあった。このように、発泡体には、厳しい寸法の制約の下でも、耐衝撃性の更なる向上が望まれている。
そこで、本発明は、狭いクリアランスに配置可能でありながら、高い衝撃吸収性を有する発泡体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、発泡体の密度と、厚みと、平均気泡径とを調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の内容を含む。
エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体を架橋してなる樹脂の発泡体であって、該発泡体の空隙割合が50〜80vol%、厚みが0.1〜1.0mm、平均気泡径が10〜250μmであり、厚みを50%圧縮した状態の該発泡体に、高さ1mから質量55gの錘を落下させたとき、該発泡体を介して計測される圧力が25MPa以下である発泡体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、狭いクリアランスに配置可能でありながら、高い衝撃吸収性を有する発泡体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[発泡体]
本発明の実施形態に係る発泡体は、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体を架橋してなる樹脂の発泡体であって、該発泡体の空隙割合が50〜80vol%、厚みが0.1〜1.0mm、平均気泡径が10〜250μmであり、厚みを50%圧縮した状態の該発泡体に、高さ1mから質量55gの錘を落下させたとき、該発泡体を介して計測される衝撃圧力が25MPa以下であることを特徴とする。
【0009】
[発泡体の性状]
<空隙割合>
空隙割合とは、発泡体の全体積に占める気体部分の体積割合をいう。発泡体の空隙割合は、例えば、下記の要領で測定できる。
発泡体から、一辺が5cmの平面正方形状で、且つ一定厚みの試験片を切り出す。試験片の厚みを測定し、試験片の体積V1と試験片の重量W1とを測定する。
次に、気体部分の占める見かけ体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度を、ρA(g/cm3)とする。
気体部分の見かけ体積V2=(V1・ρA−W1)/ρA
空隙割合={(気体部分の見かけ体積V2)/(試験片の体積V1)}×100
本発明に係る発泡体の空隙割合は、50〜80vol%である。空隙割合が50vol%未満であると、圧縮応力が大きくなり過ぎ、圧縮状態から回復しようとする反発応力により、発泡体を挟持する部材の浮き上がりや、部材の変形を招く。空隙割合が80vol%を超えると、柔軟性過多になり、十分な緩衝性能が得られない。
【0010】
<厚み>
本発明の実施形態に係る発泡体の厚みは、0.1〜1.0mmであり、好ましくは、0.1〜0.5mmであり、より好ましくは0.1〜0.3mmである。発泡体の厚みが0.1mm未満では、要求される機械的強度を確保することができない。また、発泡体の厚みが1.0mmを超えると、要求される柔軟性が得られない。
【0011】
<平均気泡径>
本発明の実施形態に係る発泡体の平均気泡径は、10〜250μmであり、このましくは、50〜150μmであり、より好ましくは、90〜110μmである。
平均気泡径が10μm未満であれば、要求される柔軟性が得られないという問題があり、250μmを超えると、製膜時に厚み精度が悪くなるという問題がある。
ここで、「平均気泡径」とは、次の方法により求められたものである。すなわち、発泡体の断面を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジー製、型番「S−3400N」)で観察し、任意の気泡50個の直径の平均値である。
【0012】
<衝撃圧力>
本発明の実施形態に係る発泡体の衝撃圧力は、厚みを50%圧縮した状態の該発泡体に、高さ1mから質量55gの鉄製の錘を落下させたとき、該発泡体を介して計測される衝撃圧力が25MPa以下である。衝撃圧力が25MPaを超えると、上記厚みとした場合に、十分な衝撃吸収性が得られない。
ここで、「衝撃圧力」は、次の衝撃吸収性評価試験(積水法という)に基づいて求められたものである。すなわち、縦2cm、横2cmにカットした発泡体を、合計の厚さが0.15cmとなるように積層して発泡体サンプルとする。
縦6cm、横6cm、厚さ2mmの鉄板と、縦2cm、横2cmにカットした感圧紙(富士フィルム社製、プレスケール中圧用)と、上記発泡体サンプルと、縦6cm、横6cm、厚さ1mmの鉄板とを、この順番に下から積層する。
さらに、発泡体サンプルの厚みが50%となるまで圧縮した状態で四隅を固定し、評価サンプルとする。この評価サンプルを中央に空間の空いた治具に固定し、評価サンプルの中央に最も大きな衝撃力が加わるように、評価サンプルの一番上に位置する鉄板に向けて、高さ1mから重さ55gの錘を落下させる。衝撃圧力は、このとき、感圧紙に記録された圧力のことを指す。衝撃圧力は、圧力画像解析システム(富士フィルム社製、Data
Shot FPD−100)を用いて、感圧紙を画像解析して算出される。

【0013】
<連続空隙率>
連続空隙率は、空隙全体に対する発泡体表面から内部に向けて連通する孔の割合をいう。連続空隙率は、例えば、下記の要領で測定できる。
試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。この後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去し、試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続空隙率F1を算出する。なお、連続空隙率から、独立空隙率F2を算出することができる。
連続空隙率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
独立空隙率F2(%)=100−F1
本発明に係る発泡体の連続空隙率は、40%以上である。連続空隙率が40%未満であると、圧縮応力が大きくなり過ぎ、圧縮状態から回復しようとする反発応力により、発泡体を挟持する部材の浮き上がりや、部材の変形を招く。
【0014】
<圧縮永久歪み>
圧縮永久歪みは、JIS K 6262に準じて下記の要領で測定したものである。
発泡体から、厚み800μm、縦40mm×横40mmの試験片を作成し、この試験片の厚みを50%圧縮し、温度70℃の雰囲気下に22時間保持する。解放後、温度23℃雰囲気下に30分間放置し、厚み及び縦横の寸法を測定し、試験前の原サイズと比較し、原サイズに対する減少度合いを、圧縮永久歪みとして百分率で表す。
本発明に係る発泡体の温度70℃雰囲気下での圧縮永久歪みは、20%以下である。発泡体の上記条件における圧縮永久歪みが20%を超えると、使用環境や使用期間の経過による体積減少によって、柔軟性が悪くなったり、耐衝撃性が低下したりする。
【0015】
<90%圧縮強度>
発泡体の90%圧縮時の強度が100kPa以下であることが好ましい。発泡体の90%圧縮時の強度が100kPa以下であれば、発泡体が圧縮状態から回復しようとする反発応力によって発泡体を挟持する部材が浮き上がったり、部材が変形したりすることを防止できる。なお、発泡体の90%圧縮時の強度は、JIS K6767に準拠する方法で測定したものである。
【0016】
[発泡体を構成する共重合体]
本発明に係る発泡体を構成する共重合体は、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体(以下、共重合体Aと表す)、好ましくはこれらのランダム共重合体を架橋してなる共重合体である。
【0017】
<α−オレフィン>
α−オレフィンの炭素数は、3〜20であることが好ましい。
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンがより好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが最も好ましく用いられる。これらのα−オレフィンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。これらのなかでも特に、プロピレンを用いることが好ましい。
【0018】
<非共役ジエン>
非共役ジエンとしては、鎖式非共役ジエン、脂環式非共役ジエン、さらには、下記一般式[I]で表されるノルボルネン誘導体が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0019】
【化1】
式[I]中、nは0ないし10の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
【0020】
鎖式非共役ジエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
【0021】
環状非共役ジエンの具体例としては、5−メチレン−2−ノルボルネン、1−メチル−5−メチレン−2−ノルボルネン、1−エチル−5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
【0022】
一般式[I]で表わされるノルボルネン誘導体の具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
【0023】
このなかでも、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのなかでも特に、5−ビニル−2−ノルボルネンを用いることが好ましい。
共重合体Aは、エチレンと、プロピレンと、ノルボルネン誘導体との共重合体であることが好ましい。
【0024】
なお、共重合体Aを構成する非共役ジエンとしては、鎖式非共役ジエン、脂環式非共役ジエン、及び一般式[I]で表されるノルボルネン誘導体のほか、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエンなどの非共役ポリエンであってもよい。これらは、上述した非共役ジエンとともに用いることもできる。
【0025】
[発泡体を構成する樹脂成分の割合]
共重合体Aの樹脂中におけるエチレンの配合量は、共重合体100質量部に対して20〜80質量部であることが好ましく、30〜70質量部であることがより好ましい。
共重合体Aの樹脂中におけるαオレフィンの配合量は、共重合体100質量部に対して20〜60質量部であることが好ましく、30〜50質量部であることがより好ましい。
共重合体Aの樹脂中における非共役ジエンの配合量は、共重合体100質量部に対して2〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
【0026】
[発泡体の形成に用いられる化合物]
<架橋剤>
発泡体の形成に用いられる架橋剤としては、共重合体Aに対して相溶性あるいは良分散性を示す化合物を用いることができる。特に、共重合体Aの非共役ジエン成分が、上述した一般式[I]で表されるノルボルネン誘導体である場合には、一分子中に複数のSiH基を有するシロキサン系化合物を用いることが好ましい。すなわち、発泡体を構成する樹脂は、共重合体Aを一分子中に複数のSiH基を有するシロキサン系化合物で架橋してなる樹脂であることが好ましい。
一分子中にSiH基を2個有するシロキサン系化合物としては、下記一般式[II]で表されるSiH基含有化合物(1)が挙げられる。また、一分子中にSiH基を3個有するシロキサン系化合物としては、下記一般式[III]で表されるSiH基含有化合物(2)が挙げられる。
【0027】
【化2】
式[II]中、R3は炭素数1〜10の一価の基で、非置換あるいは置換の飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、1分子内で同種でも異種でもよく、aは0〜20の整数であり、bは0〜20の整数であり、R4は炭素数1〜30の二価の有機基または酸素原子である。
【0028】
【化3】
式[III]中、R5は炭素数1〜10の一価の基で、非置換あるいは置換の飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、1分子内で同種でも異種でもよく、a、b及びcはそれぞれ独立に0〜20の整数であり、R6は炭素数1〜30の三価の有機基である。
【0029】
上記一般式[II]で表される一分子中にSiH基を2個有するSiH基含有化合物(1)は、分子両末端にSiH基を有し、一分子あたりSiH基を2個有する。一般式[II]中、R3の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、アミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、フェニル基、フェニルメチル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基などが挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、およびフェニル基である。aは0〜20の整数であり、bは0〜20の整数である。好ましくは、aおよびb共に10以下、より好ましくは5以下、特に好ましくは2以下であり、最も好ましくはaとbが等しく2以下である。
上述した一分子中にSiH基を2個有するSiH基含有化合物(1)の好ましい例としては、下記式で表されるシロキサン化合物が挙げられる。
【0030】
【化4】
【0031】
また、上述した一分子中にSiH基を3個有するSiH基含有化合物(2)の好ましい例としては、下記式で表されるシロキサン化合物が挙げられる。
【0032】
【化5】
【0033】
共重合体Aの樹脂中における架橋剤の配合量は、共重合体100質量部に対して3〜25質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることがより好ましい。架橋剤の配合量がこの範囲であれば、発泡剤が良好に発泡し、所定の空隙割合及び連続空隙率を形成することができる。
【0034】
<触媒>
触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒として用いられるものであれば限定されず、例えば塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金黒、白金トリフェニルフォスフィン錯体、白金カルボニル錯体、白金アセチルアセテート等の白金触媒やパラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられる。
白金触媒としては、好ましくは、3%Pt−CTS−CTS溶液、Pt/1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体、及び1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物を用いることが好ましい。
共重合体Aの樹脂中における触媒の配合量は、共重合体100質量部に対して0.05〜1.0質量部であることが好ましく、0.1〜0.5質量部であることがより好ましい。触媒の配合量がこの範囲であれば、発泡体を形成可能な速度で硬化させることができる。
【0035】
<その他の添加剤>
本発明に係る発泡体を形成するに際しては、反応抑制剤、無機充填剤などのその他の添加剤を用いることができる。
(反応抑制剤)
反応抑制剤としては、ベンゾトリアゾール、(たとえばエチニルシクロヘキサノール等のエチニル基含有アルコール類、アクリロニトリル、N,N−ジアリルアセトアミド、N,N−ジアリルベンズアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−フタル酸ジアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−フタル酸ジアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−フタル酸ジアミド等のアミド化合物、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
反応抑制剤は、共重合体100質量部に対して、0.0001〜50質量部、好ましくは0.01〜5質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部の割合で用いられる。
反応抑制剤の含有量が0.0001質量部以上であると、架橋反応の速度を抑制でき、反応の制御が容易となる。50質量部以下であれば、架橋反応の速度を抑制しすぎることなく、製造コストを抑えることができる。
【0036】
(無機充填剤)
無機充填剤としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。これらの無機充填剤の種類及び配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の含有量は、共重合体100質量部に対して、0〜400質量部、好ましくは、10〜150質量部、より好ましくは、30〜70質量部である。無機充填剤の含有量は、要求される物性に応じて適宜決定することが好ましい。
【0037】
[発泡体の製造方法]
<製造方法1>
本発明に係る発泡体の製造方法は、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体と、架橋剤と、該架橋剤によって架橋できる温度よりも低い沸点を有する液体の発泡剤と、を含む樹脂組成物を形成する工程と、該樹脂組成物を架橋できる温度に加熱する工程とを有する。
樹脂組成物を形成する工程では、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体と、架橋剤と、液体の発泡剤とをバンバリーミキサー、加圧ニーダなどの混練機で混練する。この後、カレンダー、押出機、コンベアベルトキャスティングなどを用いて混練しながら連続的に搬送することにより樹脂組成物をシート状に加工する。
加熱する工程では、シート状に加工された樹脂組成物を架橋できる温度に加熱する。
発泡剤の沸点は、架橋剤によって架橋できる温度よりも低いことが好ましく、発泡剤の沸点は、200℃以下であることが好ましい。架橋できる温度よりも低い沸点の発泡剤を用いることにより、架橋のための加熱工程において孔を形成できる。
なお、樹脂組成物を架橋した後、発泡剤を発泡させるための加熱工程を実行してもよい。あるいは、発泡剤を発泡させる加熱工程を実行した後、架橋のための加熱工程を実行してもよい。
発泡体の製造方法は、発泡体を延伸する工程を有していてもよい。発泡体を延伸する工程は、シート状に加工された後、加熱する工程において、加熱しながら実行されてもよい。
【0038】
<製造方法1に用いられる発泡剤>
発泡剤は、常温で液状であって、共重合体に対して分散性がよく、加熱により分解又は揮発してガスを発生させるものである。発泡剤の沸点は、200℃以下であることが好ましい。
発泡剤の具体例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの鎖状又は環状炭化水素類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族類、アセトニトリル、NNジメチルフォルムアミド等の含窒素類、塩化メチレン、クロロホルム、フロン等の含ハロゲン類等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で用いられてもよく2種以上が併用されてもよい。これらのなかでも沸点150℃以下の溶剤を用いることが好ましく、特に、メチルエチルケトン、トルエン、ヘキサンが好ましい。
樹脂組成物中における発泡剤の配合量は、樹脂組成物100質量部に対して1〜80質量部とすることが好ましく、より好ましくは、3〜50質量部であり、さらに好ましくは、3〜10質量部である。配合量が上記範囲であれば、発泡体の空隙割合を50〜80vol%にすることができ、圧縮強度を小さくできる。
また、発泡処理方法は、プラスチックフォームハンドブック(牧広、小坂田篤編集 日刊工業新聞社発行 1973年)に記載されている方法を含め、公知の方法を用いることができる。
【0039】
<製造方法2>
本発明の発泡体の別の製造方法としては、気体の発泡剤を使用する方法が挙げられる。この方法では、シート状に加工された樹脂組成物を高圧容器中に入れて、二酸化炭素、窒素、空気などからなるガスを高圧で注入し、樹脂組成物中にガスを含浸させる。十分に高圧ガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、樹脂組成物中に気泡核を発生させる。気泡核は、室温で成長させてもよいが、加熱により成長させてもよい。
気泡を成長させた後、樹脂組成物を冷水などにより冷却し、樹脂組成物中に形成された気泡の形状を固定する。これにより、発泡体を得ることができる。
【0040】
(製造方法2に用いられる発泡剤)
製造方法2に用いられる発泡剤は、不活性ガスである。使用可能な不活性ガスとしては、樹脂組成物に対して不活性であり、樹脂組成物の内部に注入可能であれば特に制限されない。例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらの不活性ガスを混合して用いてもよい。これらの不活性ガスのうち、樹脂組成物への含浸量が多く、含浸速度が速い二酸化炭素が好適である。
樹脂組成物に不活性ガスを含浸させる際、不活性ガスは超臨界状態であることが好ましい。超臨界状態では、樹脂組成物への不活性ガスの溶解度が増大するため、樹脂組成物中に混入される不活性ガスの濃度を高濃度にすることができる。樹脂組成物に高濃度の不活性ガスが混入されていると、樹脂組成物に不活性ガスを含浸した後、急激に圧力を降下すると、より多くの気泡核が発生する。このため、気泡核が成長してできる気泡の密度が高くなり、気孔率に対して微細な気泡が得られる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
【0041】
製造方法2において、不活性ガスを原料組成物に含浸させるときの圧力条件は、不活性ガスの種類や製造上の操作性等を考慮して適宜選択できるが、6MPa以上(例えば、6〜100MPa程度)、好ましくは8MPa以上(例えば8〜100MPa程度)であることが好ましい。圧力が6MPa以上であれば、本発明の発泡体に好適な気泡径及び気泡密度を得ることができる。
不活性ガスとして、二酸化炭素を用いる場合には、圧力条件は、5〜100MPa程度(好ましくは7.4〜100MPa程度)とすることが好ましい。
不活性ガスを原料組成物に含浸させるときの圧力が低いほど、ガスの含浸量は相対的に少なくなるため、気泡核が形成される速度が低下し、気泡核数が少なくなる。この場合には、1気泡あたりのガス量が増え、圧力を解放した際に、気泡径が成長しやすくなる。
【0042】
不活性ガスを原料組成物に含浸させるときの温度条件は、使用する不活性ガスや原料組成物によって適宜選択できるが、製造上の操作性等を考慮すると、例えば、10〜350℃程度とすることが好ましい。不活性ガスが含浸された状態の原料組成物を押し出して成形と同時に発泡を行う連続方式では、60〜350℃とすることが好ましい。
なお、不活性ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、上述した超臨界状態を保持するため、32℃以上、特に40℃以上に設定することが好ましい。
不活性ガスの混合量は、空隙割合50〜80vol%、連続空隙率40%以上とする観点から、樹脂組成物全量に対して1〜20質量%とすることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、さらにより好ましくは1〜6質量%である。
【実施例】
【0043】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[測定方法]
<空隙割合>
空隙割合は、発泡体から、一辺が5cmの平面正方形状で、且つ一定厚みの試験片を切り出し、試験片の厚みを測定し、試験片の体積V1と試験片の重量W1とを測定した。気体部分の占める見かけ体積V2を下記式に基づいて算出した。ここで、試験片を構成している樹脂の密度を、ρA(g/cm3)とする。
気体部分の見かけ体積V2=(V1・ρA−W1)/ρA
空隙割合={(気体部分の見かけ体積V2)/(試験片の体積V1)}×100
【0044】
<平均気泡径>
平均気泡径は、発泡体の断面を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジー製、型番「S−3400N」)で観察し、任意の気泡50個の直径の平均値を求めた。
【0045】
<連続空隙率>
連続空隙率は、下記の要領で測定した。試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。この後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去し、試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続空隙率F1を算出した。
連続空隙率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
【0046】
<圧縮永久歪み>
圧縮永久歪みは、JIS K 6262に準じて下記の要領で測定した。実施例及び比較例の発泡体から、厚み800μm、縦40mm×横40mmの試験片を作成し、この試験片の厚みを50%圧縮し、温度70℃の雰囲気下に22時間保持した。解放後、温度23℃、雰囲気下に30分間放置し、厚み及び縦横の寸法を測定し、試験前の原サイズと比較し、原サイズに対する減少度合いを、圧縮永久歪みとして百分率で表した。
【0047】
<90%圧縮強度>
実施例及び比較例の発泡体の試験片を用い、JIS K6767に準拠する方法で測定した。
【0048】
<衝撃圧力>
「衝撃圧力」は、次の衝撃吸収性評価試験(積水法という)に基づいて求めた。すなわち、縦2cm、横2cmにカットした発泡体を、合計の厚さが0.15cmとなるように積層して発泡体サンプルとした。
縦6cm、横6cm、厚さ2mmの鉄板と、縦2cm、横2cmにカットした感圧紙(富士フィルム社製、プレスケール中圧用)と、上記発泡体サンプルと、縦6cm、横6cm、厚さ1mmの鉄板とを、この順番に下から積層した。
さらに、発泡体サンプルの厚みが50%となるまで圧縮した状態で四隅を固定し、評価サンプルとした。この評価サンプルを中央に空間の空いた治具に固定し、重さ55gの鉄球を高さ1mから評価サンプルの中央に最も大きな衝撃力が加わるように評価サンプルに向けて落下させた。衝撃圧力は、圧力画像解析システム(富士フィルム社製、Data Shot FPD−100)を用いて、感圧紙を画像解析して算出した。算出した圧力が小さいサンプルほど、発泡体の衝撃吸収性が高いことがいえる。
【0049】
[発泡体の製造]
<製造例1>
第1表に示す配合処方により、共重合体A、架橋剤、触媒、反応抑制剤、及び炭酸カルシウムを混合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、製品名「あわとり練太郎」)により3分間撹拌した後、1分間脱泡処理を施し、混合溶液を得た。また、混合溶液に発泡剤を添加するとともに撹拌することにより、発泡性組成物を得た。
片面に離型処理を施した厚み50μmのPETシートの離型処理を施した面に、得られた発泡性組成物を厚み100μmになるように塗布した。続いて、塗布された発泡性組成物に、片面に離型処理を施した厚み50μmの別のPETシートの離型処理施した面が接するように配置し、積層体を得た。この積層体を、115℃のオーブンで180秒間加熱した。オーブンから取り出した後、一方のPETシートを剥離し、再度115℃のオーブンで25分間乾燥した。これにより、発泡体シートを得た。得られた発泡体シートの厚みは、0.2mmであった。得られた発泡体シートの性状を上述の方法にて評価した。結果を第2表に示す。
【0050】
<製造例2>
発泡性組成物をPETシートに塗布する際の厚みを300μmとした以外は、実施例1と同様にして発泡体シートを作製した。乾燥後の発泡体シートの厚みは、1mmであった。得られた発泡体シートの性状を上述の方法にて評価した。結果を第2表に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
*1:エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体、三井化学社製「PX−062」、数平均分子量3160、エチレン含有量52.7質量%、ジエン含有量4.7質量%、25℃における複素粘度830Pa・s(1rpm)
*2:シロキサン系架橋剤(下記式で表されるSiH基含有化合物、信越化学社製)
【0053】
【化6】
【0054】
*3:白金触媒(3%Pt−CTS−CTS溶液、Pt/1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7,−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体及び1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物、エヌ・イー・ケムキャット社製)
*4:アセチレンアルコール
*5:炭酸カルシウム
*6:メチルエチルケトン
【0055】
[実施例1,2、比較例1,2]
<実施例1>
製造例1に基づいて得られた発泡体シートから上記測定方法に基づいて試験片を作製し、90%圧縮強度、及び発泡体シートを介して測定される衝撃圧力を上記測定方法により測定した。結果を第2表に示す。
<実施例2>
製造例2に基づいて得られた発泡体シートから上記測定方法に基づいて試験片を作製し、90%圧縮強度、及び発泡体シートを介して測定される衝撃圧力を測定した。結果を第2表に示す。
【0056】
<比較例1>
比較例1として、市販のポリウレタン系発泡体(ロジャースイノアック社製、商品名「Poron 40P」)を使用し、90%圧縮強度、及び発泡体シートを介して測定される衝撃圧力を測定した。結果を第2表に示す。
<比較例2>
市販のポリオレフィンとポリオレフィン系エラストマーから成る発泡体(日東電工社製、商品名「SCF400」)を使用し、90%圧縮強度、及び発泡体シートを介して測定される衝撃圧力を測定した。結果を第2表に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
[測定結果]
第1表から明らかなように、実施例1,2の発泡体シートは、市販品よりも薄くても衝撃圧力が低いことが判った。すなわち、本発明に係る発泡体シートは、市販品に比べて、薄くても衝撃吸収性に優れることが判った。