(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作業機は、作動流体を吐出してアクチュエータを駆動するメインポンプと、作動流体を吐出して前記アクチュエータの駆動をアシストするアシストポンプと、前記アクチュエータから排出される作動流体によって駆動される回生モータと、前記回生モータによって駆動可能かつ前記アシストポンプを駆動可能な回転電機と、を備えるハイブリッド建設機械であり、
前記記憶部に記憶された定数は、プログラムによって制御される前記ハイブリッド建設機械の動作特性を決定するパラメータであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の作業機の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1から
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る作業機の制御装置(以下、単に「制御装置」と称する。)10について説明する。
【0011】
まず、
図1及び
図2を参照して、制御装置10が適用される作業機としてのハイブリッド建設機械1について説明する。
【0012】
ハイブリッド建設機械1は、
図1に示す流体圧制御システム100と、
図2に示すアシスト回生機構200とを備える。
【0013】
流体圧制御システム100は、ハイブリッド建設機械1の動作を制御する装置である。本実施の形態では、ハイブリッド建設機械1は、油圧ショベル等の油圧作業機械である。流体圧制御システム100は、例えば、油圧ショベルの掘削アタッチメントのブーム2(負荷)を駆動するアクチュエータとしてのブームシリンダ3の伸縮動作を制御する。
【0014】
流体圧制御システム100は、ブームシリンダ3と、作動流体としての作動油を吐出してブームシリンダ3を駆動するメインポンプ101と、パイロットポンプ102と、メイン制御弁110と、メイン通路103と、第1通路121と、第2通路122と、ハイブリッド建設機械1の動作を制御する制御装置10と、を備える。
【0015】
ブームシリンダ3の内部は、当該ブームシリンダ3内を摺動自在に移動するピストン4によって、ロッド側圧力室6とボトム側圧力室7とに区画されている。ピストン4には、ピストンロッド5が連結される。ブームシリンダ3の外側に位置するピストンロッド5の先端には、ブーム2が連結されている。
【0016】
メインポンプ101及びパイロットポンプ102は、作動油を吐出する油圧供給源であって、それぞれの斜板の傾斜角を制御することで作動油の吐出量の調整が可能な可変容量型油圧ポンプである。メインポンプ101及びパイロットポンプ102は、ハイブリッド建設機械1に搭載されたエンジン106(
図3参照)によって駆動される。
【0017】
メインポンプ101から吐出された作動油は、メイン通路103を通じてメイン制御弁110に供給される。このようにメインポンプ101とメイン制御弁110とは、メイン通路103によって接続されている。メイン通路103には、メインポンプ101から吐出された作動油の他に、アシスト回生機構200(
図2参照)のアシストポンプ201から吐出された作動油がサブ通路8を通じて導かれる。
【0018】
メイン制御弁110とブームシリンダ3のロッド側圧力室6とは第1通路121によって接続され、メイン制御弁110とブームシリンダ3のボトム側圧力室7とは第2通路122によって接続される。第2通路122には、ボトム側圧力室7から排出された作動油の一部が流れ込む戻り通路9が接続される。戻り通路9に流入した作動油は、アシスト回生機構200(
図2参照)の回生モータ202を駆動する。
【0019】
メイン制御弁110は、ブームシリンダ3に対する作動油の給排を切り換える比例弁である。メイン制御弁110は、パイロットポンプ102から当該メイン制御弁110のパイロット室111,112に供給される作動油の油圧であるパイロット圧によって操作される。パイロット室111,112に供給されるパイロット圧の制御は、ハイブリッド建設機械1の作業者によるレバー操作に基づいて、制御装置10がパイロット電磁弁105を制御することで行われる。
【0020】
パイロット室111にパイロット圧が供給された場合には、メイン制御弁110の弁機構は位置aに切り換わる。これにより、メインポンプ101から吐出される作動油が第1通路121を通じてロッド側圧力室6に供給され、ボトム側圧力室7の作動油が第2通路122を通じてタンクTへと排出される。その結果、ブームシリンダ3内のピストンロッド5が
図1中下側に移動し、ブームシリンダ3が収縮して、ブーム2が下降する。
【0021】
パイロット室112にパイロット圧が供給された場合には、メイン制御弁110の弁機構は位置bに切り換わる。これにより、メインポンプ101から吐出される作動油が第2通路122を通じてボトム側圧力室7に供給され、ロッド側圧力室6の作動油が第1通路121を通じてタンクTへと排出される。その結果、ブームシリンダ3内のピストンロッド5が
図1中上側に移動し、ブームシリンダ3が伸長して、ブーム2が上昇する。
【0022】
なお、メイン制御弁110は、比例弁であるため、ブーム2の上昇速度及び下降速度を、作業者によるレバー操作の操作量に応じて無段階に調整することが可能である。
【0023】
一方、パイロット室111,112にパイロット圧が供給されない場合には、メイン制御弁110の弁機構は位置cに切り換わる。これにより、ブームシリンダ3に対する作動油の給排が遮断される。その結果、ブームシリンダ3の伸縮が停止され、ブーム2は所定位置に保持される。
【0024】
このように、メイン制御弁110は、ブームシリンダ3を収縮させる収縮位置a,ブームシリンダ3を伸長させる伸長位置b,及びブームシリンダ3の負荷を保持する遮断位置cの三つの切り換え位置を有している。
【0025】
アシスト回生機構200は、ブームシリンダ3の収縮時にボトム側圧力室7から排出される作動油の油圧エネルギを電気エネルギとして回収する回生制御と、ブームシリンダ3の伸長時に補助力を付与するアシスト制御とを実行する。
【0026】
図2に示すように、アシスト回生機構200は、作動油を吐出してメインポンプ101によるブームシリンダ3の駆動をアシストするアシストポンプ201と、ブームシリンダ3から排出される作動油によって駆動される回生モータ202と、回生モータ202によって駆動可能かつアシストポンプ201を駆動可能なモータジェネレータ203と、バッテリ210と、インバータ211と、戻り通路9と、サブ通路8と、を備える。
【0027】
アシストポンプ201は、斜板の傾斜角を制御することで吐出量の制御が可能な可変容量型油圧ポンプである。アシストポンプ201は、モータジェネレータ203によって駆動され、サブ通路8を通じてメイン通路103に作動油を供給する。アシストポンプ201の斜板の傾斜角は、傾斜角制御器201aによって制御される。傾斜角制御器201aは、制御装置10により制御される。アシストポンプ201の斜板の傾斜角を制御することでアシストポンプ201の吐出容量が変化し、アシストポンプ201が吐出可能な作動油の流量の最大値が変化する。
【0028】
サブ通路8には、メイン通路103への作動油の供給を制御するサブ制御弁220が設けられる。サブ制御弁220の弁機構は、パイロットポンプ102からパイロット室220aに供給されるパイロット圧に応じて、メイン通路103に作動油を供給する連通位置dと、メイン通路103への作動油の供給を停止する遮断位置eと、に切り換わる。パイロット室220aに供給されるパイロット圧の制御は、ハイブリッド建設機械1の作業者によるレバー操作に基づいて、制御装置10がパイロット電磁弁221を制御することで行われる。
【0029】
回生モータ202は、斜板の傾斜角を制御することで、出力トルクの制御が可能な可変容量型油圧モータである。回生モータ202は、ブームシリンダ3のボトム側圧力室7から排出されて戻り通路9を流れてきた作動油によって駆動される。回生モータ202の斜板の傾斜角は、傾斜角制御器202aによって制御される。傾斜角制御器202aは、制御装置10により制御される。回生モータ202の斜板の傾斜角を制御することで回生モータ202の吐出容量が変化し、回生モータ202が発生可能なトルクの最大値が変化する。
【0030】
戻り通路9には、回生モータ202に対する作動油の供給を制御する戻り制御弁230が設けられる。戻り制御弁230の弁機構は、パイロットポンプ102からパイロット室230aに供給されるパイロット圧に応じて、回生モータ202に作動油を供給する連通位置fと、回生モータ202への作動油の供給を停止する遮断位置gと、に切り換わる。パイロット室230aに供給されるパイロット圧の制御は、ハイブリッド建設機械1の作業者によるレバー操作に基づいて、制御装置10がパイロット電磁弁231を制御することで行われる。
【0031】
モータジェネレータ203は、バッテリ210の電力に基づいてアシストポンプ201を駆動する電動機としての機能と、回生モータ202によって駆動されて発電する発電機としての機能とを有する回転電機である。
【0032】
モータジェネレータ203,回生モータ202,及びアシストポンプ201の回転軸は、それぞれ同軸上に配置される。モータジェネレータ203の回転軸が回転すると、回生モータ202及びアシストポンプ201の回転軸が連係して回転する。同様に、回生モータ202の回転軸が回転すると、モータジェネレータ203及びアシストポンプ201の回転軸が連係して回転する。
【0033】
モータジェネレータ203は、インバータ211を介して、蓄電装置としてのバッテリ210に接続されている。バッテリ210は、充放電可能なリチウムイオン電池等の二次電池セルを複数直列に接続して構成されている。バッテリ210とインバータ211とを繋ぐ電気配線212には、電気的な接続状態を制御するためのリレースイッチ213が設けられる。リレースイッチ213は、制御装置10によってON/OFF制御される。
【0034】
インバータ211は、制御装置10によって制御され、直流を交流に又は交流を直流に変換する。モータジェネレータ203を電動機として機能させる場合には、バッテリ210からの直流が任意の周波数の三相交流に変換され、モータジェネレータ203に供給される。一方、モータジェネレータ203を発電機として機能させる場合には、モータジェネレータ203からの三相交流が直流に変換され、バッテリ210に供給される。
【0035】
次に、
図3を参照して、制御装置10について説明する。
【0036】
制御装置10は、ハイブリッド建設機械1を動作させるプログラム中で用いられる定数が記憶される記憶部20と、記憶部20に記憶された定数を用いてプログラムを実行してハイブリッド建設機械1の動作を制御する制御部30と、記憶部20に記憶された定数を上書きするための更新値を入力可能な外部機器としてのコンピュータ90が接続されるコネクタ部40と、ハイブリッド建設機械1の動作状況に応じた各種信号が入力される入力部50と、エンジン106,モータジェネレータ203,及び各種バルブ等を制御する信号を出力する出力部60と、を備える。
【0037】
また、制御装置10は、記憶部20,制御部30,入力部50,及び出力部60を収容するケース11と、ケースの11内部に設けられ、制御部30に記憶されたプログラムを更新するための内部コネクタ12とを備える。
【0038】
ケース11は、ハイブリッド建設機械1内に配置される。ケース11は、防塵及び防水のために密閉される。
【0039】
内部コネクタ12は、制御部30に予め記憶されたプログラム全体を一括して更新するために設けられる。内部コネクタ12には、治具を介して外部からコンピュータが接続される。作業者による制御部30のプログラム全体の更新は、ケース11を開封して、内部コネクタ12に治具を介してコンピュータを接続し、コンピュータを操作することによって実行される。
【0040】
入力部50には、アシストポンプ201の吐出圧を検出する圧力センサ201b,メイン制御弁110,及びその他の各種センサ等(図示省略)が接続される。入力部50は、ハイブリッド建設機械1を制御する際に用いる信号のうち遮断周波数よりも高い周波数の成分を漸減させるローパスフィルタ51と、メイン制御弁110からのフィードバック電流の電流値を検出する電流検出部52とを備える。
図3では、例として、圧力センサ201bから入力された信号を処理するローパスフィルタ51と、メイン制御弁110からのフィードバック電流を検出する電流検出部52とを示しているが、入力部50に入力される信号はこれらに限られるものではない。
【0041】
出力部60は、制御部30からの指令を、モータジェネレータ203,エンジン106,及びその他の各種バルブ等(図示省略)に出力するものである。
【0042】
記憶部20は、ハイブリッド建設機械1の状態情報等を記憶可能なE
2PROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)である。E
2PROMは、情報書き換え可能回数(情報更新可能回数)に限度がある不揮発性メモリである。
【0043】
記憶部20には、プログラムによって制御されるハイブリッド建設機械1の動作特性を決定するパラメータである複数の定数が記憶される。記憶部20には、特に、変更頻度の高いパラメータが記憶される。
【0044】
具体的には、記憶部20には、モータジェネレータ203によるアシストの開始を判定する作動流体の圧力の閾値,回生モータ202による回生の開始を判定する作動流体の圧力の閾値,ブームシリンダ3の作動の開始を判定する作動流体の圧力の閾値,ローパスフィルタ51の遮断周波数,ブームシリンダ3が動作する際のモータジェネレータ203の回転数の特性を設定するマップ,及び、ハイブリッド建設機械1が作業に供されている作業時又はハイブリッド建設機械1が回生モータ202を駆動するスタンバイ充電時におけるエンジン106の回転数が、変更頻度の高い定数として記憶される。これに限らず、この他の各種閾値やマップ等を変更頻度の高い定数として記憶部20に記憶させておいてもよい。
【0045】
制御部30は、ハイブリッド建設機械1の制御を行うものである。制御部30は、CPU(中央演算処理装置),ROM(リードオンリメモリ),及びRAM(ランダムアクセスメモリ)を備えたマイクロコンピュータである。RAMは、CPUの処理におけるデータを記憶する。ROMは、CPUの制御プログラム等を予め記憶する。CPUやRAMなどを、ROMに格納されたプログラムに従って動作させることによって、ハイブリッド建設機械1の制御が実現される。
【0046】
制御部30は、記憶部20,入力部50,及び出力部60と電気的に接続される。制御部30は、ハイブリッド建設機械1の起動時に、記憶部20に記憶された定数を読み込む。制御部30は、起動時に読み込んだ定数を用いてハイブリッド建設機械1の動作を制御するプログラムを実行する。
【0047】
記憶部20には、ハイブリッド建設機械1の運転中であればいつでも、コネクタ部40から更新値を入力可能である。ハイブリッド建設機械1の運転中に記憶部20の定数を更新する操作を行った場合には、更新値はすぐには制御部30に適用されない。更新値は、ハイブリッド建設機械1が再起動されたときに制御部30のROMに適用される。したがって、ハイブリッド建設機械1の運転中に更新値が適用されて動作が不安定になることを防止できる。
【0048】
コネクタ部40は、ケース11の外部に引き出されている。コネクタ部40は、制御部30とコンピュータ90とを電気的に接続する。コネクタ部40には、コンピュータ90が治具等を介さずに直接シリアル接続される。これに代えて、コンピュータ90を、CAN(Controller Area Network)やFlexRay(登録商標)などによって制御装置10に接続してもよい。コネクタ部40からは、記憶部20に記憶された複数の定数のうち更新される定数を特定する信号と、当該定数の更新値に対応する信号と、がコンピュータ90によって入力可能である。
【0049】
次に、
図4を参照して、ハイブリッド建設機械1の制御装置10が実行する定数更新処理について説明する。定数更新処理は、ハイブリッド建設機械1の運転中に数ミリ秒周期で実行される。
【0050】
ステップ11では、制御部30は、記憶部20から定数の値を読み込む。なお、
図4では、定数更新処理の実行の周期ごとに制御部30が定数の値を毎回読み込んでいるが、これに限らず、ハイブリッド建設機械1の起動時の初回のみに制御部30が定数の値を読み込むようにしてもよい。
【0051】
ステップ12では、制御部30は、コネクタ部40を介してコンピュータ90から入力された定数と、ステップ11にて記憶部20から読み込んだ定数とを比較する。ステップ12にて、定数の更新があったと判定された場合には、ステップ13に移行する。一方、ステップ12にて、定数の更新がなかったと判定された場合には、ステップ11にリターンする。
【0052】
ステップ13では、制御部30は、定数を更新値に変更する。そして、ステップ14では、制御部30は、記憶部20に更新値を新たな定数として書き込み、その後、ステップ11にリターンする。これにより、ハイブリッド建設機械1の運転中に、記憶部20に記憶された定数の更新を実行することができる。
【0053】
以上のように、制御装置10では、コネクタ部40に接続されるコンピュータ90を用いて、記憶部20に記憶された定数を上書きするための更新値を入力できる。そのため、プログラム中で用いられる定数のみを更新することで、プログラムの一部のみを更新することが可能である。したがって、プログラム全体を一括して更新する必要がないため、制御装置10のプログラムの更新を容易にすることができる。
【0054】
また、制御装置10では、内部コネクタ12に治具を介してコンピュータを接続するのではなく、ケース11の外部に設けられたコネクタ部40にコンピュータ90を直接シリアル接続することで、記憶部20に記憶された定数の更新が可能である。よって、プログラムの更新を行う際に、防塵及び防水のために密閉されたケース11を開封する必要がない。したがって、制御装置10のプログラムの更新を容易にすることができる。
【0055】
なお、この時点では、制御部30のROMに記憶されたプログラムには、更新値は未だ適用されていない。更新値は、上述したとおり、ハイブリッド建設機械1が再起動されたときに制御部30のROMに適用される。
【0056】
次に、コネクタ部40に接続されるコンピュータ90を用いて更新される定数の種類による作用効果について説明する。
【0057】
制御部30は、モータジェネレータ203によるアシストの開始を判定する作動流体の圧力の閾値,回生モータ202による回生の開始を判定する作動流体の圧力の閾値,及びブームシリンダ3の作動の開始を判定する作動流体の圧力の閾値の少なくともいずれか一つの定数を更新可能である。
【0058】
これにより、モータジェネレータ203によるアシストの開始,回生モータ202による回生の開始,及びブームシリンダ3の作動開始のタイミングを調整することができる。よって、ハイブリッド建設機械1の操作性や応答性が向上するように調整することができる。
【0059】
制御部30は、ハイブリッド建設機械1を制御する際に用いる信号のうち遮断周波数よりも高い周波数の成分を漸減させるローパスフィルタ51の遮断周波数を更新可能である。
【0060】
アシストポンプ201の吐出圧を検出する圧力センサ201bからの信号を処理するローパスフィルタ51に適用した場合には、脈動による吐出圧の変動を抑制するように調整することが可能となる。ブームシリンダ3を収縮させる際のメイン制御弁110のフィードバック電流を処理するローパスフィルタに適用した場合には、遮断周波数を下げることでノイズ等の影響による変動を抑制するように調整することができる。モータジェネレータ203の回転数を指令する信号や、モータジェネレータ203の出力トルクを指令する信号を処理するローパスフィルタに適用した場合には、遮断周波数を下げることで、急激な変動によるショックを抑制するように調整することができる。
【0061】
制御部30は、ブームシリンダ3が動作する際のモータジェネレータ203の回転数の特性を設定するマップを更新可能である。
【0062】
これにより、ブームシリンダ3を収縮させる際のモータジェネレータ203の特性を変更することができ、操作性や回生量を向上することができる。
【0063】
制御部30は、ハイブリッド建設機械1が作業に供されている作業時,又はハイブリッド建設機械1が回生モータ202を駆動するスタンバイ充電時におけるエンジン106の回転数を更新可能である。
【0064】
これにより、作業時のエンジン106の回転数を更新可能とすることで、エンジン106の回転数を下げて低燃費化するように調整することができるとともに、エンジン106の回転数を上げて作業時の出力を向上するように調整することができる。また、スタンバイ充電時のエンジン106の回転数を更新可能とすることで、エンジン106の回転数を下げて騒音を低減させるように調整することができるとともに、エンジン106の回転数を上げて充電量が増加するように調整することができる。
【0065】
以上のように、制御装置10では、制御部30のROMに記憶されたプログラム全体を一括して更新するだけでなく、記憶部20に記憶された定数を更新値によって上書きすることが可能であるため、作業者がプログラムに関する高度な知識を有していなくても、ハイブリッド建設機械1の動作特性を容易に変更することができる。
【0066】
以上の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0067】
制御装置10では、コネクタ部40に接続されるコンピュータ90を用いて、記憶部20に記憶された定数を上書きするための更新値を入力できる。そのため、プログラム中で用いられる定数のみを更新することで、プログラムの一部のみを更新することが可能である。したがって、プログラム全体を一括して更新する必要がないため、制御装置10のプログラムの更新を容易にすることができる。
【0068】
また、制御装置10では、内部コネクタ12に治具を介してコンピュータを接続するのではなく、ケース11の外部に設けられたコネクタ部40にコンピュータ90を直接シリアル接続することで、記憶部20に記憶された定数の更新が可能である。よって、防塵及び防水のために密閉されたケース11を開封する必要がない。したがって、制御装置10のプログラムの更新を容易にすることができる。
【0069】
また、制御装置10では、制御部30のROMに記憶されたプログラム全体を一括して更新するだけでなく、記憶部20に記憶された定数を更新値によって上書きすることが可能であるため、作業者がプログラムに関する高度な知識を有していなくても、ハイブリッド建設機械1のセッティングを容易に変更することができる。
【0070】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【0071】
例えば、上記の実施の形態では、制御装置10はハイブリッド建設機械1に適用されるが、これに限らず、電子制御されるミキサ車など他の作業機に適用してもよい。