(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示手段は、透明若しくは半透明の薄膜状をなす透過型の液晶パネルにより構成されるとともに、前記透視部における前記入力手段と重なる位置及びその近傍位置の少なくとも一方に設けられており、
前記照明手段は、前記液晶パネルに対し光を照射することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造装置。
前記表示手段は、前記照明手段を有するとともに、当該照明手段からの光によって前記カバーに前記画像を投影するプロジェクタにより構成されており、当該プロジェクタは前記カバーから離間した位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
本実施形態における製造装置10は、
図5に示すように、物品としてのPTPシートを製造するための製造ユニット11と、当該製造ユニット11の周囲を覆うカバー71とを備えている。
【0036】
まず、PTPシートの構成について詳しく説明する。
図1(a),(b)及び
図2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には、内容物としての錠剤5が1つずつ収容されている。尚、内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品カプセル等、内容物が錠剤5とは異なるものであってもよい。
【0037】
本実施形態における容器フィルム3は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の熱可塑性樹脂材料やアルミ箔等によって形成されている。
【0038】
一方、カバーフィルム4は、例えばポリエステル樹脂等からなるシーラントが表面に塗布された不透明材料(例えば、アルミニウム箔等)により構成されている。また、カバーフィルム4には、平行四辺形の網目状をなすシール目(図示せず)が形成されている。
【0039】
PTPシート1〔
図1(a)参照〕は、帯状の容器フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6〔
図1(b)参照〕がシート状に打抜かれることにより製造される。
【0040】
次に、製造ユニット11について説明する。製造ユニット11は、
図3に示すように、各種機器を備えてなる製造機12と、当該製造機12の状態等を検知するための状態検知手段としての各種センサ45〜54とを備えている。また、製造機12の動作制御は、コンピュータシステム61によって行われるようになっている。
【0041】
まず、製造機12の概略構成について
図4を参照して説明する。
【0042】
図4に示すように、製造機12の最上流側には、帯状の容器フィルム3の原反がロール状に巻回されてなるロールフィルム13を有するフィルム供給装置14が設けられている。フィルム供給装置14は、ロールフィルム13から容器フィルム3を繰出すための繰出しローラ(図示せず)等を備えており、繰出された容器フィルム3は、ガイドロール15に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール15の下流側において間欠送りロール16に掛装されている。間欠送りロール16は、間欠的に回転するモータ16Aに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
【0043】
ガイドロール15と間欠送りロール16との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置17及びポケット部形成装置18が順に配設されている。そして、加熱装置17によって容器フィルム3が加熱されて該容器フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット部形成装置18によって容器フィルム3の所定位置に複数のポケット部2が成形される。ポケット部2の形成は、間欠送りロール16による容器フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0044】
間欠送りロール16から送り出された容器フィルム3は、テンションロール19、ガイドロール20及びフィルム受けロール21の順に掛装されている。フィルム受けロール21は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール19は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール16とフィルム受けロール21との搬送動作の相違による容器フィルム3の弛みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
【0045】
ガイドロール20とフィルム受けロール21との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、錠剤充填装置22が配設されている。錠剤充填装置22は、錠剤5が貯留されるホッパ(図示せず)を備えており、フィルム受けロール21による容器フィルム3の搬送動作と同期して所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を落下させる。このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が充填される。
【0046】
錠剤充填装置22とフィルム受けロール21との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、検査装置23が配設されている。
【0047】
検査装置23は、例えば錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、錠剤5の異常の有無、ポケット部2への異物混入の有無など、主として錠剤不良に関する検査を行うためのものである。尚、検査装置23は、容器フィルム3のうち、打抜きによりPTPシート1となる部位を検査対象としている。
【0048】
また、検査装置23には、容器フィルム3や錠剤5を撮像し、検査対象の画像を得るための撮像手段としての検査用カメラ55が設けられている(
図3参照)。検査用カメラ55によって得られた画像や、当該画像を処理することで得られた処理済み画像(例えば、前記画像に対し二値化処理を施して得た白黒画像)に基づき、検査装置23は、錠剤5における異物の有無等を検査する。また、検査用カメラ55により得られた画像データは、検査装置23からコンピュータシステム61に対し、検査用カメラ55による撮像の度に出力される。
【0049】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、最上流側においてロール状に巻回されている。カバーフィルム4がロール状に巻回されてなるロールフィルム24は、繰出しローラ(図示せず)等を備えたフィルム供給装置25によって、加熱ロール26の方へと供給されている。加熱ロール26は、所定のヒータにより加熱されるとともに、前記フィルム受けロール21に圧接可能となっており、両ロール21,26間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール21,26間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。尚、加熱ロール26の表面には、網目状の微細な凸条が形成されており、これが強く圧接することで、カバーフィルム4にシール目が形成され、強固なシールが実現されるようになっている。
【0050】
また、本実施形態では、加熱ロール26がフィルム受けロール21に対し接離移動可能とされており、加熱ロール26からフィルム受けロール21に加わる圧力(シール圧力)を変更可能となっている。
【0051】
フィルム受けロール21から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。
【0052】
間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータ28Aに連結されており、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記フィルム受けロール21と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の弛みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
【0053】
フィルム受けロール21とテンションロール27との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、検査装置29が配設されている。この検査装置29は、主としてカバーフィルム4における亀裂や破断等の破損についての検査を行うものである。尚、検査装置29は、PTPフィルム6のうち、打抜きによりPTPシート1となる部位を検査対象としている。
【0054】
また、検査装置29には、PTPフィルム6を撮像するための撮像手段としての検査用カメラ56が設けられている(
図3参照)。検査装置29は、検査用カメラ56により得られた画像やこれを処理して得た処理済み画像に基づき、カバーフィルム4における破損等を検査する。さらに、検査用カメラ56により得られた画像データは、検査用カメラ56による撮像の度にコンピュータシステム61に出力される。
【0055】
間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。
【0056】
間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の弛みを防止する。
【0057】
間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、スリット形成装置33及び刻印装置34が順に配設されている。スリット形成装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリットを形成する機能を有する。刻印装置34は、PTPフィルム6の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す機能を有する。
【0058】
間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、その下流側においてテンションロール35及び連続送りロール36の順に掛装されている。間欠送りロール32とテンションロール35との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、シート打抜装置37が配設されている。シート打抜装置37は、切断用の刃を備えており、当該刃によってPTPフィルム6をPTPシート1単位にその外縁を打抜く機能を備えている。尚、前記切断用の刃は、消耗部品であり、交換可能とされている。
【0059】
シート打抜装置37によって打抜かれたPTPシート1は、取出しコンベア39によって搬送され、完成品用ホッパ40に一旦貯留される。なお、上記各検査装置23,29によって不良品と判定された場合、その不良品と判定されたPTPシート1は、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0060】
前記連続送りロール36の下流側には、裁断装置41が配設されている。そして、シート打抜装置37による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部42は、前記テンションロール35及び連続送りロール36に案内された後、裁断装置41に導かれる。裁断装置41は、不要フィルム部42を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
【0061】
尚、本実施形態では、フィルム供給装置14,25及び錠剤充填装置22が、それぞれ供給部に相当する。
【0062】
図3に戻り、センサ45〜54について説明する。センサ45〜54は、カバー71内に設けられており、製造機12を構成する上記各種機器やその周辺に設けられている。
【0063】
詳述すると、フィルム供給装置14に対応して、ロールフィルム13の残量を検知するためのフィルム残量センサ45が設けられている。当該フィルム残量センサ45は、例えば、超音波等をロールフィルム13の外表面に照射するとともに、その反射波を受信することで、ロールフィルム13の径を検知する。また、フィルム残量センサ45は、検知された径に基づくロール残量信号をコンピュータシステム61へと出力する。
【0064】
また、フィルム供給装置25に対しては、前記フィルム残量センサ45とほぼ同様の構成を有し、ロールフィルム24の残量を検知するためのフィルム残量センサ46が設けられている。フィルム残量センサ46は、ロールフィルム24の外表面に超音波や光等を照射してロールフィルム24の径を検知するとともに、検知された径に基づくロール残量信号をコンピュータシステム61へと所定時間毎に出力する。
【0065】
また、錠剤充填装置22に対応して、前記ホッパに貯留されている錠剤5の残量を検知するための錠剤残量センサ47が設けられている。錠剤残量センサ47は、例えば、光電センサにより構成されており、前記ホッパ内に光を照射するとともに、その反射光に基づき、ホッパ内における錠剤5の高さを検知する。検知された高さに基づく錠剤残量信号は、コンピュータシステム61へと所定時間毎に出力される。
【0066】
加えて、加熱ロール26の温度を検知するための温度センサ48と、カバー71内の温度(製造機12の周囲の温度)を検知するための温度センサ49とが設けられている。温度センサ48,49からは、検知した温度に基づく温度信号が所定時間毎にコンピュータシステム61へと出力される。
【0067】
さらに、カバー71内には、カバー71内の湿度を検知するための湿度センサ50が配置されている。湿度センサ50からは、検知した湿度に基づく湿度信号がコンピュータシステム61へと所定時間毎に出力される。
【0068】
また、連続搬送されている状態の容器フィルム3の速度を検知するための速度センサ51と、間欠搬送されている状態のPTPフィルム6の速度を検知するための速度センサ52とが設けられている(勿論、各モータ等に対応して設けられていてもよい)。速度センサ51,52は、例えば、レーザー光等により、対象物の速度を検知する。検知された速度に基づく速度信号は、速度センサ51,52からコンピュータシステム61に対し所定時間毎に出力される。
【0069】
フィルム受けロール21及び加熱ロール26に対応して、加熱ロール26からフィルム受けロール21に加わる圧力を検知するための圧力センサ53が設けられている。圧力センサ53は、例えば、フィルム受けロール21の外周面に設けられており、自身に生じた電気抵抗の変化に基づく圧力信号をコンピュータシステム61に対し所定時間毎に出力する。
【0070】
さらに、シート打抜装置37に対応して、使用回数計測センサ54が設けられている。使用回数計測センサ54は、シート打抜装置37によるPTPフィルム6の打抜動作が1回行われる度にコンピュータシステム61へと使用回数信号を出力する。
【0071】
尚、本実施形態においては、上述した各センサ45〜54が、それぞれ状態検知手段に相当する。また、各センサ45〜54の構成は、上記のものに限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
【0072】
コンピュータシステム61は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するハードディスクなどを備えている。
【0073】
コンピュータシステム61は、例えば上記加熱装置17、ポケット部形成装置18、錠剤充填装置22などの各種装置の駆動制御や、フィルム受けロール21などの各種ロールの駆動制御などを行う。各種ロールの駆動制御には、間欠送りロール16,28を駆動させるモータ16A,28Aの動作や加熱ロール26からフィルム受けロール21へと加わる圧力(シール圧力)の制御が含まれる。
【0074】
これらの駆動制御は、前記ROMやハードディスクに事前に設定された設定データ(各種機構の駆動量のデータなど)に基づき、コンピュータシステム61が各種装置に対し制御信号を出力することにより行われる。例えば、コンピュータシステム61には、モータ16A,28Aの1回の動作当たりにおける回転角度や、シール圧力の設定値が記憶されており、これら設定値に基づき、モータ16A,28Aや加熱ロール26の動作が制御される。
【0075】
また、コンピュータシステム61は、前記各センサ45〜54から入力された信号に基づいて錠剤5やロールフィルム13,24の残量等の各種データを得るとともに、得られた各種データをハードディスクに記憶する。
【0076】
詳述すると、フィルム残量センサ45,46からロール残量信号が入力されると、入力されたロール残量信号(ロールフィルム13,24の径に関する情報)からロールフィルム13,24の残量を算出し、算出した残量をハードディスクに記憶する。尚、ロール残量信号が入力される度に、新たに算出されたロールフィルム13,24の残量がハードディスクに対し上書き保存される。
【0077】
錠剤残量センサ47から錠剤残量信号が入力されると、入力された錠剤残量信号(錠剤5の高さに関する情報)に基づき、ホッパ内における錠剤5の残量が概算される。錠剤5の残量は、予め設定された複数の閾値に基づき、複数段階(例えば、5〜10段階)に分けて大まかに捉えられる。例えば、錠剤5の残量が6段階に分けて捉えられる場合、ホッパ内における錠剤5の高さが前記複数の閾値のうちの最大値以上であったとき、錠剤5の残量は「5」と算出され、ホッパ内における錠剤5の高さが前記複数の閾値のうちの最小値未満であったとき、錠剤5の残量は「0」と算出される。算出された錠剤5の残量はハードディスクに記憶され、錠剤残量信号が入力される度に、新たに算出された錠剤5の残量がハードディスクに上書き保存される。
【0078】
温度センサ48,49から温度信号が入力されると、入力された温度信号に基づき、加熱ロール26の温度やカバー71内の温度が算出される。算出された温度はハードディスクに記憶される。尚、温度信号が入力される度に温度の算出が行われ、算出された温度は、温度信号の入力時間(つまり、温度の計測時間)とともに全てハードディスクに記憶される。
【0079】
湿度センサ50から湿度信号が入力されると、入力された湿度信号に基づき、カバー71内の湿度が算出される。尚、湿度信号が入力される度に湿度の算出が行われ、算出された湿度は、湿度信号の入力時間(つまり、湿度の計測時間)とともに全てハードディスクに記憶される。
【0080】
速度センサ51,52から速度信号が入力されると、入力された速度信号に基づき、容器フィルム3やPTPフィルム6の搬送速度を算出する。搬送速度の算出は、速度信号が入力される度に行われ、速度信号の入力時間(つまり、搬送速度の計測時間)とともに全てハードディスクに記憶される。
【0081】
圧力センサ53から圧力信号が入力されると、圧力信号が入力される度に、入力された圧力信号(電気抵抗の変化に関する情報)に基づき、加熱ロール26からフィルム受けロール21に加えられている圧力(シール圧力)を算出する。算出されたシール圧力は、圧力信号の入力時間(つまり、圧力の計測時間)とともに全てハードディスクに記憶される。
【0082】
使用回数計測センサ54から使用回数信号が入力されると、ハードディスクに保存されている使用回数カウンタの値を1つ増加させる。使用回数カウンタは、前記切断用の刃の使用回数(つまり、打抜回数)を計測するためのものである。尚、シート打抜装置37において前記切断用の刃が交換されると、使用回数カウンタの値は初期値(0)に再設定される。
【0083】
また、コンピュータシステム61には、検査装置23,29から、検査用カメラ55,56により撮像された画像データが入力されている。コンピュータシステム61は、このような画像データが入力されると、画像データに通し番号を付した上で、検査対象毎に、画像データをハードディスクに保存する。
【0084】
次に、カバー71の構成について説明する。カバー71は、
図5に示すように、製造ユニット11の四方を囲むように配設されたパネル板72と、製造ユニット11の上方に配設された樹脂や金属からなる不透明の天板73とを備えている。尚、底板をカバー71に含めることとしてもよい。
【0085】
側壁であるパネル板72は、板状のパネル本体74と、当該パネル本体74の外周に設けられた金属製の外枠75とによって構成されている。パネル本体74は、アクリル等の透明樹脂によって構成されており、通常、パネル本体74を通してカバー71外からカバー71内の製造ユニット11を視認可能となっている。本実施形態では、パネル本体74が透視部に相当する。
【0086】
また、製造ユニット11の四方に配置されたパネル板72のうちの1枚は、その外縁部の一辺が隣接するパネル板72に対し所定のヒンジ(図示せず)によって回動可能に軸支されている(
図34参照)。この軸支されたパネル板72は、カバー71内に出入りするための扉として機能する。
【0087】
さらに、本実施形態において、各パネル本体74の外表面には、
図6に示すように、それぞれ薄膜状をなす、入力手段としての入力検知センサ81と、表示手段としての液晶パネル82と、導光板83とが設けられている。入力検知センサ81、液晶パネル82及び導光板83は、この順序で重ねられた状態となっている。
【0088】
入力検知センサ81は、投影型の静電容量式のタッチセンサであり、薄膜状で、かつ、透明又は半透明を呈している。また、入力検知センサ81は、例えば、x軸方向(左右方向)に延びる複数の電極を備えてなる透明の第一電極膜と、y軸方向(上下方向)に延びる複数の電極を備えてなる透明の第二電極膜と、両電極膜間に介在され両電極膜を絶縁状態とする絶縁膜とが、ガラス製の基板、及び、表面をカバーするための透明カバーにより挟まれることで構成されている。尚、以下では、入力検知センサ81の座標を示す場合、x及びyをそれぞれ小文字で示す。
【0089】
また、前記両電極膜に設けられた各電極は、前記外枠75によって隠れた状態となっている制御用基板に接続されている。透明カバーに対する接触又は接近により、第一電極膜に設けられた電極と第二電極膜に設けられた電極との間の静電容量が変化すると、入力検知センサ81に入力があった旨の情報、及び、その変化が生じた部分(入力を検知した位置)の座標(x座標及びy座標)情報が前記制御用基板から後述する制御装置85へと出力される。尚、座標情報としては、全ての入力検知センサ81を並べて1つの面として捉えた場合における、1の入力検知センサ81の中心を原点としたものが出力される。
【0090】
尚、入力検知センサ81としては、相対する2枚の抵抗膜を備えてなる抵抗膜方式のタッチセンサなどを用いてもよい。
【0091】
液晶パネル82は、例えば、透明絶縁基板に複数の画素電極が形成されてなるTFT基板と、透明絶縁基板に複数の対向電極が形成されてなる対向基板と、TFT基板及び対向基板間に封入された液晶層と、TFT基板、対向基板及び液晶層を挟み込む2枚の偏光板と、1の偏光板の表面に設けられたカラーフィルタとを備えた薄膜状のものである。液晶パネル82の端縁部には、TFT基板や対向基板に対し、画像信号を送信したり、駆動電力を供給したりするための駆動基板が接続されている。
【0092】
本実施形態では、通常、駆動基板からTFT基板等に対し駆動電力が供給されており、液晶パネル82は透明又は半透明を呈している。また、駆動電力が調節されつつ、画像信号がTFT基板等に送信されることで、液晶パネル82(パネル本体74)の一部又は全部において画像を表示できるようになっている。尚、前記駆動基板は、前記外枠75によって隠れた状態となっている。
【0093】
また、液晶パネル82は、複数の画素がX軸方向及びY軸方向に並んで配置された状態となっている。そして、画素の位置を示す座標を用いることで、液晶パネル82における画像の表示範囲を特定できるようになっている。尚、以下では、液晶パネル82の座標を示す場合、X及びYをそれぞれ大文字で示す。また、液晶パネル82の座標情報としては、全ての液晶パネル82を並べて1つの面として捉えた場合における、1の液晶パネル82の中心を原点としたものが出力される。
【0094】
導光板83は、アクリル等の透明樹脂板に多数の溝(ドット)が形成されてなる。外枠75の裏側において上下方向に沿って配置された照明手段としての照明装置84(例えば、LEDや冷陰極管等であり、
図5にて散点模様を付した位置に存在する)から導光板83の一側面に対し光が入射されることで、導光板83全体が面発光する。導光板83及び照明装置84は、液晶パネル82のバックライトとして機能する。また、本実施形態における照明装置84は、製造ユニット11を照らす機能をも兼ね備えている。
【0095】
さらに、入力検知センサ81の制御用基板、液晶パネル82の駆動回路及び照明装置84は、制御手段としての制御装置85と電気的に接続されている(
図3参照)。
【0096】
制御装置85は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するためのハードディスクなどを備えている。制御装置85は、入力検知センサ81から座標情報等が入力される。また、制御装置85は、液晶パネル82の駆動基板及び照明装置84の動作を制御することで、液晶パネル82にて様々な画像を表示可能である。尚、本実施形態において、通常、液晶パネル82は透明又は不透明であり、パネル本体74、入力検知センサ82、液晶パネル82及び導光板83を通してカバー71内を視認可能であるが、画像を表示させた場合には、液晶パネル82における画像の表示部分が、不透明又はほぼ不透明となる。このため、画像の視認性を高めることができる。
【0097】
また、制御装置85は、コンピュータシステム61と接続されており、両者間でデータのやり取りが可能となっている。さらに、入力検知センサ81における座標と、液晶パネル82における座標との相対位置関係に関する情報は、制御装置85のROMに対し予め記憶されている。制御装置85は、この相対位置関係に関する情報に基づき、入力検知センサ81及び液晶パネル82のうちの一方の座標から、当該一方の座標と重なる位置にある、入力検知センサ81及び液晶パネル82のうちの他方の座標を特定することができるようになっている。
【0098】
加えて、制御装置85のハードディスクには、操作盤画像CP、情報入力用画像IP、状態表示用画像JP、設定変更用画像EP、残量表示用画像RP1,RP2及び度数表示用画像TP1,TP2等の各種画像のデータが予め記憶されている。
【0099】
操作盤画像CPは、
図7に示すように、各種情報や画像等を表示するための表示領域DSや、当該表示領域DSにて表示される内容を変更したり、次述する情報入力用画像IPを表示させたりすること等を行う際に用いられる複数のボタン領域BSなどを備えたものである。ボタン領域BSには、「状態表示」、「カメラ画像表示」、「拡大」、「縮小」、「設定変更」、「識別情報入力」などといった文字や「×」といった記号が記されている。尚、操作盤画像CPとしては、通常用いられる通常操作盤画像CP1(
図7参照)と、通常操作盤画像CP1と比して、より多くのボタン領域BSを備えた詳細操作盤画像CP2(
図8参照)とが用意されている。
【0100】
情報入力用画像IPは、
図9に示すように、数値等を入力するための複数の入力領域IS、数値等を最終的に決定する際に用いられる決定領域KS、及び、入力された数値等を表示するための入力表示領域IW等を備えたものである。
【0101】
状態表示用画像JPは、表示領域DSにて表示される画像であり、上記センサ45〜54により得られた情報を表示する領域(
図7中、散点模様を付した領域)と、当該情報の項目名を示す領域とを備えたものである(
図7参照)。
【0102】
設定変更用画像EPは、
図10に示すように、表示領域DSにて表示される画像であり、製造機12を制御するにあたってコンピュータシステム61に対し記憶されている設定値を表示する領域(
図10中、散点模様を付した領域)と、当該情報の項目名を示す領域と、「変更(A)」、「変更(B)」、「変更(C)」といった文字の付された複数のボタン領域BSとを備えたものである。
【0103】
残量表示用画像RP1は、錠剤充填装置22のホッパ内に貯留された錠剤5を模式的に示す図であり、前記ホッパに貯留された錠剤5の残量を示すために用いられる(
図33等参照)。本実施形態において、残量表示用画像RP1は、模式的に示されたホッパ内の領域を、上下方向に区分けした画像とされている。
【0104】
また、残量表示用画像RP2は、ロールフィルム13,24を模式的に示す図であり、ロールフィルム13,24の残量を示すために用いられる(
図33等参照)。本実施形態において、残量表示用画像RP2は、同心円状に設けられた複数の円を備えた画像とされている。
【0105】
度数表示用画像TP1は、温度や湿度を示すために用いられるものであり、本実施形態では、温度計や湿度計を模式的に表した画像とされている(
図33等参照)。また、度数表示用画像TP2は、速度を示すために用いられるものであり、本実施形態では、速度メータを模式的に表した画像とされている(
図33等参照)。
【0106】
また、上記各画像IP,RP1,RP2,TP1,TP2には、画像を消去する際に利用される「×」の記号が記されたボタン領域BSがそれぞれ設けられている(画像RP1,RP2,TP1,TP2においては不図示)。尚、上述した各画像の態様は一例であって、適宜変更可能である。
【0107】
また、制御装置85のハードディスクには、液晶パネル82における錠剤充填装置22やロールフィルム13,24と相対する位置の座標範囲が予め記憶されている。また、制御装置85のハードディスクには、識別番号データベースが保存されている。当該識別番号データベースには、製造ユニット11のメンテナンスを行う管理者に割り当てられる識別番号が1又は複数記憶されている。
【0108】
次いで、制御装置85において行われる各処理について、フローチャートを参照して説明する。尚、制御装置85のROMやハードディスクには、以下の各処理を実現するためのプログラムが予め記憶されている。
【0109】
まず、制御装置85において所定時間毎に行われる通常処理について説明する。通常処理では、
図11に示すように、まず、ステップS101において、入力検知センサ81に対する入力の有無を判定する。入力がなかった場合(ステップS101:NO)には、ステップS105に移行する。
【0110】
一方で、入力があった場合には(ステップS101:YES)、ステップS102において、画像表示領域への入力であるか否かを判定する。画像表示領域とは、液晶パネル82のうち画像の表示されている領域であり、制御装置85のRAMに保存された画像表示領域テーブルから特定することができる。画像表示領域テーブルには、液晶パネル82の画像表示領域を示す座標範囲〔例えば、(X1〜X2、Y1〜Y2)〕が、各画像の画像番号とともに保存されている(
図32参照)。
【0111】
ステップS102では、入力検知センサ81への入力座標に基づき、当該入力座標と重なる位置にある液晶パネル82の座標範囲が特定されるとともに、特定された座標範囲が画像表示領域テーブルに記憶された座標範囲に含まれるか否かを判定することで、画像表示領域への入力であるか否かが判定される。尚、入力検知センサ81の入力座標から、当該入力座標と重なる位置にある液晶パネル82の座標範囲を特定することは、制御装置85に予め記憶されている、上述した、入力検知センサ81における座標と液晶パネル82における座標との相対位置関係に関する情報に基づき行われる。
【0112】
ステップS102にて肯定判定された場合、つまり、画像の表示されている部分に対し入力があった場合には、ステップS103の操作時処理に移行する。一方で、ステップS102にて否定判定された場合、つまり、画像の表示されていない部分(画像非表示部)に対し入力があった場合には、ステップS104の操作盤画像等表示処理に移行する。
【0113】
ここで、操作盤画像等表示処理について説明する。操作盤画像等表示処理では、
図12に示すように、まず、ステップS201において、所定のタイマーの値が予め設定された判定値A未満であるか否かを判定する。当該タイマーは、入力検知センサ81に対する入力の時間間隔を把握するために用いられるものであり、一定時間(例えば、100ms)毎に1つずつ増加する。
【0114】
ステップS201にて肯定判定された場合には、ステップS203に移行する。これに対し、ステップS201にて否定判定された場合には、つまり、タイマーのカウントが開始されてから、予め設定された所定の入力間隔判定用時間(この入力間隔判定用時間は、前記判定値Aに対応するものであり、例えば、500〜1000ms程度の比較的短時間である)を超えるまで、画像非表示部へと次の入力がなかった場合には、ステップS202にてタイマーをリセット(タイマーの値を0に再設定)した上で、ステップS203に移行する。
【0115】
続くステップS203では、前記タイマーが0であるか否かを判定する。つまり、画像非表示部に対する一度目の入力、又は、画像非表示部に対する前回の入力時から前記入力間隔判定用時間を超えた後(ステップS202にてタイマーリセットされた後)の入力であるか否かを判定する。
【0116】
ステップS203にて肯定判定された場合には、ステップS204に移行し、入力検知センサ81に対する入力座標(x、y)をRAMにおける所定エリアに記憶する(上書き保存する)。その後、ステップS205にて前記タイマーを開始し、本処理を終了する。
【0117】
一方で、ステップS203にて否定判定された場合、つまり、画像非表示部に対する直前の入力時から前記入力間隔判定用時間が経過する前に、画像非表示部へと再度入力があった場合には、ステップS206へと移行する。
【0118】
ステップS206では、入力検知センサ81に対する入力座標をRAMにおける所定エリアに記憶する(上書き保存する)。そして、続くステップS207において、ステップS204にて記憶された座標と、ステップS206にて記憶された座標とを比較し、両座標が同一又は近接したものであるか否かを判定する。ステップS206では、例えば、ステップS204にて記憶された座標を中心とした所定の座標範囲を設定するとともに、当該座標範囲内にステップS206にて記憶された座標が含まれている場合に、両座標が同一又は近接しているものと判定する。
【0119】
ステップS207にて否定判定された場合、つまり、両入力座標が比較的離れている場合には、ステップS211に移行し、タイマーをリセットした上で、本処理を終了する。
【0120】
一方、ステップS207にて肯定判定された場合には、ステップS208に移行し、操作盤画像表示処理を実行する。
【0121】
操作盤画像表示処理では、
図13に示すように、まず、ステップS301において、ステップS206にて記憶された座標と重なる位置にある液晶パネル82の座標を特定するとともに、基本的には、特定された座標を中心として、液晶パネル82に通常操作盤画像CP1を表示させる。但し、特定された座標を中心として通常操作盤画像CP1を表示させたときに、通常操作盤画像CP1がその他の画像と重なる場合には、その他の画像と重ならない位置であって、特定された座標の近傍に通常操作盤画像CP1を表示する。
【0122】
次いで、ステップS302において、液晶パネル82のうち、通常操作盤画像CP1の表示領域を示す座標範囲〔例えば、(X1〜X2、Y1〜Y2)〕を、画像番号と関連付けて、画像表示領域テーブル(
図32参照)に記憶する(尚、
図32では、理解の容易性を考慮し、画像番号の欄に画像の名称を併記する)。画像番号としては、現在の画像番号カウンタの値が用いられる。画像番号カウンタは、初期値が0に設定されており、上限値(例えば、1000以上)に達した後、初期値である0に戻るループカウンタとなっている。
【0123】
次いで、ステップS303において、入力検知センサ81のうち、「状態表示」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x1〜x2、y1〜y2)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブル(
図31参照)に記憶する。さらに、続くステップS304において、特定された座標範囲と関連付けて、当該座標範囲に入力があったときに実行される処理(入力時処理)をボタン領域テーブルに記憶する。ここでは、入力時処理として、後述する状態表示処理が記憶される。
【0124】
さらに、次のステップS305において、入力検知センサ81のうち、「カメラ画像表示」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x3〜x4、y3〜y4)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。その後、ステップS306では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する撮像画像表示処理をボタン領域テーブルに記憶する。
【0125】
続くステップS307では、入力検知センサ81のうち、「設定変更」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x5〜x6、y5〜y6)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。その後、ステップS308では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する変更用処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0126】
次のステップS309では、入力検知センサ81のうち、「拡大」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x7〜x8、y7〜y8)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。続くステップS310では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像拡大処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0127】
さらに、次のステップS311において、入力検知センサ81のうち、「縮小」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x9〜x10、y9〜y10)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。その上で、続くステップS312では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像縮小処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0128】
さらに、続くステップS313において、入力検知センサ81のうち、「識別情報入力」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x11〜x12、y11〜y12)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。次のステップS314では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する識別情報入力用処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0129】
さらに、続くステップS315では、入力検知センサ81のうち、「×」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x13〜x14、y13〜y14)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。次に、ステップS316において、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像消去処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0130】
そして最後に、ステップS317にて画像番号カウンタの値を1つ増加させることで、操作盤画像表示処理を終了する。操作盤画像表示処理を行うことで、液晶パネル82に通常操作盤画像CP1が表示されるとともに、通常操作盤画像CP1の各ボタン領域BSへと接触等することで、上記状態表示処理等の各種処理が実行されるように設定される。
【0131】
図12に戻り、ステップS208の操作盤画像表示処理に続いて、ステップS209において、残量画像表示処理を行う。
【0132】
残量画像表示処理では、
図14に示すように、まずステップS401において、画像表示領域テーブルに基づき、液晶パネル82のうち、錠剤充填装置22と相対する位置に画像が表示されているか否かを判定する。この判定は、制御装置85に予め記憶された、液晶パネル82における錠剤充填装置22と相対する位置の座標範囲に、画像表示領域テーブルに記憶された座標範囲が重なるか否かによって行うことができる。
【0133】
ステップS401にて肯定判定された場合、つまり、錠剤充填装置22と相対する位置に既に画像が表示されている場合には、残量表示用画像RP1の表示等に係る各種処理をスキップすべく、ステップS409に移行する。一方、ステップS401にて否定判定された場合、つまり、錠剤充填装置22と相対する位置に画像が表示されていない場合には、ステップS402に移行する。
【0134】
ステップS402では、コンピュータシステム61のハードディスクから、錠剤5の残量に関する情報を得る。その上で、続くステップS403において、得られた情報に基づく変更を加えた残量表示用画像RP1を、液晶パネル82のうち錠剤充填装置22と相対する位置の座標範囲に表示させる。尚、残量表示用画像RP1においては、錠剤5の残量に基づき、上下方向に区分けされた各領域の表示色が変更される。これにより、残量表示用画像RP1によって錠剤5の大まかな残量が模式的に示される。
【0135】
続くステップS404では、液晶パネル82における残量表示用画像RP1の表示された領域を示す座標範囲〔例えば、(X3〜X4、Y3〜Y4)〕が、画像番号(現在の画像番号カウンタの値)とともに画像表示領域テーブルに記憶される。
【0136】
さらに、ステップS405において、入力検知センサ81のうち、残量表示用画像RP1において「×」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x15〜x16、y15〜y16)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。続くステップS406では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像消去処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0137】
次に、ステップS407において、錠剤残量表示フラグをオンとするとともに、錠剤残量表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)を記憶する。つまり、錠剤残量表示フラグには、残量表示用画像RP1を示す画像番号が関連付けられている。錠剤残量表示フラグは、残量表示用画像RP1が液晶パネル82に表示されている場合にオンとされ、残量表示用画像RP1の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS105)において参酌される。
【0138】
さらに、次のステップS408において、画像番号カウンタの値を1つ増加させる。
【0139】
続くステップS409では、画像表示領域テーブルに基づき、液晶パネル82のうち、フィルム供給装置14と相対する位置に画像が表示されているか否かを判定する。この判定は、制御装置85に予め記憶された、液晶パネル82におけるフィルム供給装置14と相対する位置の座標範囲に、画像表示領域テーブルに記憶された座標範囲が重なるか否かによって行うことができる。
【0140】
ステップS409にて肯定判定された場合、つまり、フィルム供給装置14と相対する位置に既に画像が表示されている場合には、ステップS417に移行する。一方、ステップS409にて否定判定された場合、つまり、フィルム供給装置14と相対する位置に画像が表示されていない場合には、ステップS410に移行する。
【0141】
ステップS410では、コンピュータシステム61のハードディスクから、ロールフィルム13の残量に関する情報を得る。その上で、次のステップS411において、得られた情報に基づく変更を加えた残量表示用画像RP2を、液晶パネル82のうちフィルム供給装置14と相対する位置の座標範囲に表示させる。尚、残量表示用画像RP2においては、ロールフィルム13の残量に基づき、同心円状に設けられた複数の円同士に挟まれた各領域の表示色が変更される。これにより、残量表示用画像RP2によってロールフィルム13の大まかな残量が模式的に示される。
【0142】
さらに、続くステップS412では、液晶パネル82における残量表示用画像RP2の表示領域を示す座標範囲〔例えば、(X5〜X6、Y5〜Y6)〕が、画像番号(現在の画像番号カウンタの値)とともに画像表示領域テーブルに記憶される。
【0143】
その後、ステップS413において、入力検知センサ81のうち、残量表示用画像RP2において「×」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x17〜x18、y17〜y18)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。続くステップS414では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像消去処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0144】
次に、ステップS415において、第一フィルム残量表示フラグをオンとするとともに、第一フィルム残量表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)を記憶する。つまり、第一フィルム残量表示フラグには、ロールフィルム13の残量を示す残量表示用画像RP2の画像番号が関連付けられている。第一フィルム残量表示フラグは、ロールフィルム13に関する残量表示用画像RP2の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS107)において参酌される。
【0145】
その後、ステップS416において、画像番号カウンタの値を1つ増加させて、ステップS417に移行する。
【0146】
続いて、ステップS417〜424にて、ロールフィルム13及びフィルム供給装置14を対象として行われる、上述したステップS409〜416と同様の処理を、ロールフィルム24及びフィルム供給装置25を対象として行い、本処理を終了する。ステップS409〜416と同様の処理であるため、ステップS417〜424の処理についての詳細な説明は省略する。
【0147】
尚、ステップS419では、液晶パネル82のうち、フィルム供給装置25と相対する位置に残量表示用画像RP2が表示される。また、ステップS423では、第二フィルム残量表示フラグがオンとされるとともに、第二フィルム残量表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)が記憶される。つまり、第二フィルム残量表示フラグには、ロールフィルム24の残量を示す残量表示用画像RP2の画像番号が関連付けられている。第二フィルム残量表示フラグは、ロールフィルム24に関する残量表示用画像RP2の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS109)において参酌される。
【0148】
図12に戻り、ステップS209の残量画像表示処理に続いて、ステップS210にて、度数画像表示処理を実行する。
【0149】
度数画像表示処理では、
図15に示すように、まずステップS501において、画像表示領域テーブルに基づき、液晶パネル82のうち、予め設定された度数表示用画像TP1の表示位置に既に画像が表示されているか否かを判定する。
【0150】
ステップS501にて肯定判定された場合、つまり、既に画像が表示されている場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS501にて否定判定された場合(画像が表示されていない場合)、ステップS502に移行する。
【0151】
ステップS502では、コンピュータシステム61のハードディスクから、温度センサ48により得られた温度(加熱ロール26の温度)に関する最新情報を得る。その上で、ステップS503において、得られた情報に基づく変更を加えた度数表示用画像TP1を、液晶パネル82のうち予め設定された位置に表示させる。尚、度数表示用画像TP1においては、得られた温度情報に基づき、中央に位置する液柱を模した部分の長さが変更される。これにより、度数表示用画像TP1によって加熱ロール26の温度が模式的に示される。
【0152】
次いで、ステップS504において、液晶パネル82における度数表示用画像TP1の表示された領域を示す座標範囲〔例えば、(X9〜X10、Y9〜Y10)〕が、画像番号(現在の画像番号カウンタの値)とともに画像表示領域テーブルに記憶される。
【0153】
さらに、ステップS505において、入力検知センサ81のうち、度数表示用画像TP1において「×」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x21〜x22、y21〜y22)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。続くステップS506では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像消去処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0154】
次に、ステップS507において、画像番号カウンタの値を1つ増加させる。さらに、次のステップS508において、第一温度表示フラグをオンとするとともに、第一温度表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)を記憶する。第一温度表示フラグは、加熱ロール26の温度に関する度数表示用画像TP1の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS111)において参酌される。
【0155】
続いて、ステップS509〜516にて、加熱ロール26の温度(温度センサ48により得られた温度情報)に基づいて行われる上述したステップS501〜508とほぼ同様の処理を、カバー71内の温度(温度センサ49により得られた温度情報)を対象として行う。ステップS509〜516の処理について詳細な説明は省略する。
【0156】
尚、ステップS511における度数表示用画像TP1の表示位置は、ステップS503における度数表示用画像TP1の表示位置とは異なる位置に予め設定されている。また、ステップS516では、第二温度表示フラグがオンとされるとともに、第二温度表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)が記憶される。第二温度表示フラグは、通常処理において、カバー71内の温度を示す度数表示用画像TP1の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS113)にて参酌される。
【0157】
続いて、ステップS517〜524にて、加熱ロール26の温度(温度センサ48により得られた温度情報)に基づいて行われる上述したステップS501〜508とほぼ同様の処理を、カバー71内の湿度(湿度センサ50により得られた湿度情報)を対象として行う。ステップS517〜524の処理についての詳細な説明は省略する。
【0158】
尚、ステップS519における度数表示用画像TP1の表示位置は、ステップS503及びステップS511における度数表示用画像TP1の表示位置とは異なる位置に予め設定されている。また、ステップS524では、湿度表示フラグがオンとされるとともに、温度表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)を記憶する。湿度表示フラグは、カバー71内の温度に関する度数表示用画像TP1の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS115)において参酌される。
【0159】
次に、ステップS525において、画像表示領域テーブルに基づき、液晶パネル82のうち、予め設定された、容器フィルム3の速度を示す度数表示用画像TP2の表示位置に既に画像が表示されているか否かを判定する。
【0160】
ステップS525にて肯定判定された場合、つまり、既に画像が表示されている場合には、ステップS533に移行する。一方、ステップS525にて否定判定された場合、つまり、画像が表示されていない場合には、ステップS526に移行する。
【0161】
ステップS526では、コンピュータシステム61のハードディスクから、速度センサ51により得られた、容器フィルム3の速度に関する最新情報を得る。その上で、ステップS527において、得られた情報に基づく変更を加えた度数表示用画像TP2を、液晶パネル82のうち予め設定された位置に表示させる。尚、度数表示用画像TP2においては、速度情報に基づき、針を模した部分の位置が変更される。これにより、度数表示用画像TP2によって容器フィルム3の速度が模式的に示される。
【0162】
また、続くステップS528では、液晶パネル82における度数表示用画像TP2の表示された領域を示す座標範囲〔例えば、(X15〜X16、Y15〜Y16)〕が、画像番号(現在の画像番号カウンタの値)とともに画像表示領域テーブルに記憶される。
【0163】
さらに、ステップS529において、入力検知センサ81のうち、度数表示用画像TP2において「×」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x27〜x28、y27〜y28)〕を特定するとともに、特定した座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。続くステップS530では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像消去処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0164】
次に、ステップS531において、画像番号カウンタの値を1つ増加させる。また、続くステップS532において、第一速度表示フラグをオンとするとともに、第一速度表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)を記憶する。第一速度表示フラグは、容器フィルム3の速度を示す度数表示用画像TP2の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS117)において参酌される。
【0165】
続いて、ステップS533〜540にて、容器フィルム3の速度(速度センサ51により得られた速度情報)に基づいて行われる上述したステップS525〜532と同様の処理を、PTPフィルム6の速度(速度センサ52により得られた速度情報)を対象として行う。ステップS533〜540の処理についての詳細な説明は省略する。
【0166】
尚、ステップS535における度数表示用画像TP2の表示位置は、ステップS527における度数表示用画像TP2の表示位置とは異なる位置に予め設定されている。また、ステップS540では、第二速度表示フラグがオンとされるとともに、第二速度表示フラグのオン情報と関連付けて画像番号(現在の画像番号のカウンタの値)が記憶される。第二速度表示フラグは、PTPフィルム6の速度を示す度数表示用画像TP2の更新処理を実行するか否かを判定する処理(ステップS119)において参酌される。
【0167】
図12に戻り、ステップS210の度数画像表示処理に続くステップS211にて、前記タイマーがリセットされることで、操作盤画像等表示処理が終了する。
【0168】
図11に戻り、ステップS101にて否定判定された場合、又は、ステップS103若しくはステップS104の後に、ステップS105に移行する。ステップS105〜124の処理は、画像に表示されている情報を定期的に更新するために実行される。
【0169】
まず、ステップS105においては、錠剤残量表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS105にて否定判定された場合には、ステップS107に移行する。一方、ステップS105で肯定判定された場合、つまり、残量表示用画像RP1が液晶パネル82に表示されている場合には、ステップS106にて、残量表示用画像RP1の更新処理を行い、ステップS107に移行する。
【0170】
ステップS105における残量表示用画像RP1の更新処理では、まず、錠剤残量表示フラグと関連付けられている画像番号に基づき、画像表示領域テーブルから、更新の対象となる画像(残量表示用画像RP1)の座標範囲を特定する。また、コンピュータシステム61のハードディスクから、錠剤5の残量に関する情報を得る。その上で、得られた情報に基づく変更を加えた残量表示用画像RP1を、特定された座標範囲と同じ位置に表示させることで、残量表示用画像RP1を更新する。
【0171】
ステップS107においては、第一フィルム残量表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS107にて否定判定された場合には、ステップS109に移行する。一方、ステップS107で肯定判定された場合、つまり、ロールフィルム13の残量を示す残量表示用画像RP2が液晶パネル82に表示されている状態である場合には、ステップS108にて、ロールフィルム13の残量を示す残量表示用画像RP2の更新処理を行い、ステップS109へと移行する。
【0172】
ステップS108の更新処理では、まず、第一フィルム残量表示フラグと関連付けられている画像番号に基づき、画像表示領域テーブルから、更新の対象となる画像の座標範囲を特定する。また、コンピュータシステム61のハードディスクから、ロールフィルム13の残量に関する最新情報を得る。その上で、得られた情報に基づく変更を加えた残量表示用画像RP2を、特定された座標範囲と同じ位置に表示させることで、残量表示用画像RP2を更新する。
【0173】
ステップS109においては、第二フィルム残量表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS109にて否定判定された場合には、ステップS111に移行する。一方、ステップS109で肯定判定された場合、つまり、ロールフィルム24の残量を示す残量表示用画像RP2が液晶パネル82に表示されている状態である場合、ステップS110にて、ロールフィルム24の残量を示す残量表示用画像RP2の更新処理を行う。
【0174】
尚、ステップS110の処理は、ステップS108の処理において、第一フィルム残量表示フラグを第二フィルム残量表示フラグとし、ロールフィルム13をロールフィルム24としたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0175】
ステップS111においては、第一温度表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS111にて否定判定された場合には、ステップS113に移行する。一方、ステップS111で肯定判定された場合、つまり、加熱ロール26の温度を示す度数表示用画像TP1が液晶パネル82に表示されている状態である場合には、ステップS112にて、度数表示用画像TP1の更新処理を行い、ステップS113に移行する。
【0176】
ステップS112の更新処理では、まず、第一温度表示フラグと関連付けられている画像番号に基づき、画像表示領域テーブルから、更新の対象となる画像の座標範囲を特定する。また、コンピュータシステム61のハードディスクから、加熱ロール26の温度に関する最新情報を得る。その上で、得られた情報に基づく変更を加えた度数表示用画像TP1を、特定された座標範囲と同じ位置に表示させることで、度数表示用画像TP1を更新する。
【0177】
ステップS113においては、第二温度表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS113にて否定判定された場合には、ステップS115に移行する。一方、ステップS113で肯定判定された場合、つまり、カバー71内の温度を示す度数表示用画像TP1が液晶パネル82に表示されている状態である場合には、ステップS114にて、度数表示用画像TP1の更新処理を行った後、ステップS115に移行する。
【0178】
尚、ステップS114の更新処理は、ステップS112の更新処理において、第一温度表示フラグを第二温度表示フラグとし、加熱ロール26をカバー71内としたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0179】
続くステップS115において、湿度表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS115にて否定判定された場合には、ステップS117に移行する。一方、ステップS115で肯定判定された場合、つまり、カバー71内の湿度を示す度数表示用画像TP1が液晶パネル82に表示されている状態である場合には、ステップS116にて、度数表示用画像TP1の更新処理を行う。
【0180】
尚、ステップS116の処理は、ステップS112の処理において、第一温度表示フラグを湿度表示フラグとし、加熱ロール26の温度をカバー71内の湿度としたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0181】
ステップS117においては、第一速度表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS117にて否定判定された場合には、ステップS119に移行する。一方、ステップS117で肯定判定された場合、つまり、容器フィルム3の速度を示す度数表示用画像TP2が液晶パネル82に表示されている状態である場合には、ステップS118にて度数表示用画像TP2の更新処理を行い、ステップS119に移行する。
【0182】
ステップS118の更新処理では、まず、第一速度表示フラグと関連付けられている画像番号に基づき、画像表示領域テーブルから、更新の対象となる画像の座標範囲を特定する。また、コンピュータシステム61のハードディスクから、容器フィルム3の速度に関する最新情報を得る。その上で、得られた情報に基づく変更を加えた度数表示用画像TP2を、特定された座標範囲と同じ位置に表示させることで、度数表示用画像TP2を更新する。
【0183】
ステップS119においては、第二速度表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS119にて否定判定された場合には、ステップS121に移行する。一方、ステップS119で肯定判定された場合、つまり、PTPフィルム6の速度を示す速度表示画像TP2が液晶パネル82に表示されている場合には、ステップS120にて、度数表示用画像TP2の更新処理を行った後、ステップS121へと移行する。
【0184】
尚、ステップS120の更新処理は、ステップS118の更新処理において、第一速度表示フラグを第二速度表示フラグとし、容器フィルム3をPTPフィルム6としたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0185】
ステップS121においては、状態表示フラグがオンであるか否かを判定する。状態表示フラグは、表示領域DSにて表示されている状態表示用画像JPの情報を更新するか否かを判定するために用いられるものであり、状態表示用画像JPが表示されているときにオンとされる。ステップS121にて否定判定された場合には、ステップS123へと移行する。一方で、ステップS121にて肯定判定された場合、つまり、表示領域DSにて状態表示用画像JPが表示されている場合には、ステップS122に移行し、表示領域DSの情報を更新する処理を実行した上で、ステップS123へと移行する。
【0186】
ステップS122の更新処理では、まず、状態表示フラグと関連付けられている画像番号に基づき、更新処理の対象となる画像の画像番号を取得する。このときには、操作盤画像CPの画像番号が取得されることとなる。また、コンピュータシステム61のハードディスクから、錠剤5やロールフィルム13,24の残量、加熱ロール26やカバー71内の温度等に関する情報を得る。その上で、得られた情報に基づく変更を加えた状態表示用画像JPを、取得した画像番号により特定される操作盤画像CPの表示領域DSにて表示させることで、表示領域DSの情報を更新する。
【0187】
ステップS123においては、撮像画像フラグがオンであるか否かを判定する。撮像画像フラグは、表示領域DSにて表示されている、検査用カメラ55,56により撮像された撮像画像を更新するか否かを判定するために用いられるものであり、撮像画像が表示されているときにオンとされる。ステップS123にて否定判定された場合には、本処理を終了する。一方で、ステップS123にて肯定判定された場合には、ステップS124にて表示領域DSの撮像画像を更新する処理を実行した上で、本処理を終了する。
【0188】
ステップS124の処理では、まず、撮像画像フラグと関連付けられている画像番号に基づき、更新処理の対象となる画像の画像番号を取得する。このときには、操作盤画像CPの画像番号が取得される。また、コンピュータシステム61のハードディスクから、検査用カメラ55,56による撮像画像データのうち最も新しいものを得る。その上で、特定された画像番号の示す操作盤画像CPにおける表示領域DSにて、得られた最新の撮像画像を表示領域DSにて表示させることで、表示領域DSの撮像画像を更新する。尚、本実施形態では、撮像画像が表示されているときにおいて、一定時間が経過する毎に、撮像画像を更新するように構成されているが、撮像画像が表示されているときにおいて、新たな撮像画像が得られたときに撮像画像を更新するように構成してもよい。
【0189】
次いで、通常処理におけるステップS103の操作時処理について説明する。操作時処理は、画像の表示部分に対し入力があった場合に行われるものであり、
図16に示すように、まずステップS601において、ボタン領域テーブルを参酌し、入力検知センサ81に対する入力座標が、ボタン領域テーブルに記憶された各座標範囲内に含まれるか否かを判定する。ステップS601にて否定判定された場合には、本処理を終了する。
【0190】
一方、ステップS601にて肯定判定された場合には、ステップS602に移行し、ボタン領域テーブルを参酌して、ステップS601において入力座標を含むと判定された座標範囲に関連付けられている画像番号を取得する。次いで、ステップS603にて、ボタン領域テーブルを参酌し、ステップS601において入力座標を含むと判定された座標範囲に関連付けられている入力時処理を実行し、本処理を終了する。
【0191】
入力時処理には、状態表示処理、撮像画像表示処理、変更用処理、画像拡大処理、画像縮小処理、識別情報入力用処理、情報入力時処理、決定時処理、第一回転角度変更用処理、第二回転角度変更用処理、シール圧力変更用処理、及び、画像消去処理が存在する。次いで、これら処理について説明する。
【0192】
まず、状態表示処理について説明すると、状態表示処理では、
図17に示すように、まず、ステップS701にて、コンピュータシステム61のハードディスクから、錠剤5の残量、ロールフィルム13,24の残量、加熱ロール26の温度、カバー71内の温度及び湿度、並びに、容器フィルム3及びPTPフィルム6の速度に関する最新情報を得る。
【0193】
次いで、ステップS702にて、ステップS602にて特定された画像番号の示す画像(操作盤画像CP)における表示領域DSにて状態表示用画像JPを表示するとともに、得られた情報を状態表示用画像JPの所定領域(
図7中、散点模様を付した領域)にて表示させる。その結果、表示領域DSにて状態表示用画像JPと各種情報とが表示されることとなる。
【0194】
その後、ステップS703にて、状態表示フラグをオンとするとともに、状態表示フラグのオン情報と関連付けて、ステップS602にて得られた画像番号を記憶する。
【0195】
さらに、ステップS704にて、設定変更フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS704で否定判定された場合には、ステップS706に移行する。一方で、ステップS705で肯定判定された場合、つまり、表示領域DSにて、状態表示用画像JPの表示前に設定変更用画像EPが表示されていた場合には、ステップS705に移行し、ボタン領域テーブルから、「変更(A)」、「変更(B)」、「変更(C)」と記されたボタン領域BSに対応する座標範囲、及び、これら座標範囲に関連付けられている入力時処理をそれぞれ消去する。尚、これら座標範囲や入力時処理は、後述する変更用処理にて設定される。
【0196】
そして、続くステップS706において、撮像画像フラグ及び設定変更フラグがオフとされ、状態表示処理が終了する。尚、設定変更フラグは、表示領域DSにて設定変更用画像EPが表示されているときにオンとされるものである。
【0197】
次いで、撮像画像表示処理について説明する。撮像画像表示処理では、
図18に示すように、まずステップS801にて、コンピュータシステム61のハードディスクから、検査用カメラ55,56による撮像画像データのうち最も新しいものを得る。
【0198】
次いで、ステップS802にて、ステップS602にて特定された画像番号の示す画像(操作盤画像CP)における表示領域DSにて、得られたデータに基づく撮像画像を並べて表示させる(
図36参照)。その後、ステップS803にて、撮像画像フラグをオンとするとともに、撮像画像フラグのオン情報と関連付けて、ステップS602にて得られた画像番号を記憶する。
【0199】
さらに、続くステップS804にて、設定変更フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS804にて否定判定された場合には、ステップS806に移行する。一方で、ステップS804にて肯定判定された場合には、ステップS805に移行し、上記ステップS705と同様の処理を行った上で、ステップS806に移行する。
【0200】
そして、ステップS806において、状態表示フラグ及び設定変更フラグがオフとされ、撮像画像表示処理が終了する。
【0201】
次いで、変更用処理について説明する。変更用処理では、
図19に示すように、まず、ステップS901において、コンピュータシステム61から、モータ16A,28Aにおける1回の動作当たりの回転角度、及び、フィルム受けロール21に対して加熱ロール26から加わる圧力(シール圧力)の設定値をそれぞれ得る。
【0202】
そして、続くステップS902において、ステップS602にて特定された画像番号の示す画像(操作盤画像CP)における表示領域DSにて、設定変更用画像EPを表示するとともに、得られた各種設定値を設定変更用画像EPの所定領域(
図10中、散点模様を付した領域)にて表示させる。
【0203】
続いて、ステップS903において、入力検知センサ81のうち、設定変更用画像EPの「変更(A)」と記されたボタン領域BSと重なる座標範囲〔例えば、(x31〜x32、y31〜y32)〕が、ステップS602にて特定された画像番号とともにボタン領域テーブルに記憶される。続くステップS904では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する第一回転角度変更用処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0204】
さらに、次のステップS905において、入力検知センサ81のうち、設定変更用画像EPの「変更(B)」と記されたボタン領域BSと重なる座標範囲〔例えば、(x33〜x34、y33〜y34)〕が、ステップS602にて特定された画像番号とともにボタン領域テーブルに記憶される。続くステップS906では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する第二回転角度変更用処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0205】
次に、ステップS907において、入力検知センサ81のうち、設定変更用画像EPの「変更(C)」と記されたボタン領域BSと重なる座標範囲〔例えば、(x35〜x36、y35〜y36)〕が、ステップS602にて特定された画像番号とともにボタン領域テーブルに記憶される。続くステップS908では、特定された座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述するシール圧力度変更用処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0206】
次いで、ステップS909において、状態表示フラグ及び撮像画像フラグがオフとされる。
【0207】
そして最後に、ステップS910において、設定変更フラグをオンとするとともに、設定変更フラグのオン情報と関連付けて、ステップS602にて得られた画像番号を記憶することで、変更用処理を終了する。
【0208】
次いで、画像拡大処理について説明する。画像拡大処理では、
図20に示すように、まず、ステップS1001において、ステップS601にて特定された処理の対象となる画像(操作盤画像CP)における縦横比(X方向長さに対するY方向長さの比率)や各領域DS,BSの相対位置関係を維持したまま、処理対象となる画像の中心を基点として当該画像を所定の倍率(例えば、1.25倍)だけ拡大させて表示させる。尚、処理の対象となる画像におけるX方向長さ又はY方向長さが所定値超である場合には、ステップS1001〜1003の処理をスキップしてもよい。
【0209】
その上で、続くステップS1002において、入力検知センサ81のうち、各ボタン領域BSの表示範囲と重なる部分の座標範囲を再度特定するとともに、ボタン領域テーブルに対し、処理対象となる画像の画像番号に関連付けて、特定した各座標範囲を上書き保存する。そして、続くステップS1003にて、上書き保存された座標範囲に入力があったときに、各ボタン領域BSに対応する各種処理が実行されるように再設定を行い、画像拡大処理を終了する。ステップS1003では、例えば、新たに特定された、「状態表示」と記されたボタン領域BSに重なる位置にある入力検知センサ81の座標範囲と関連付けて、入力時処理として状態表示処理がボタン領域テーブルに上書き保存される。
【0210】
次いで、画像縮小処理について説明する。画像縮小処理では、
図21に示すように、まず、ステップS1101において、ステップS601にて特定された処理の対象となる画像(操作盤画像CP)における縦横比や各領域DS,BSの相対位置関係を維持したまま、処理対象となる画像の中心を基点として当該画像を所定の倍率(例えば、0.8倍)だけ縮小させて表示させる。尚、処理の対象となる画像におけるX方向長さ又はY方向長さが所定値未満である場合には、ステップS1101〜1103の処理をスキップしてもよい。
【0211】
その上で、続くステップS1102において、入力検知センサ81のうち、各ボタン領域BSの表示範囲と重なる部分の座標範囲を再度特定するとともに、ボタン領域テーブルに対し、処理対象となる画像の画像番号に関連付けて、特定した各座標範囲を上書き保存する。そして、続くステップS1103にて、保存された座標範囲に入力があったときに、ボタン領域BSに対応する各種処理が実行されるように再設定を行い、画像縮小処理を終了する。ステップS1103では、例えば、新たに特定された、「カメラ画像表示」と記されたボタン領域BSに重なる位置にある入力検知センサ81の座標範囲と関連付けて、入力時処理として撮像画像表示処理がボタン領域テーブルに上書き保存される。
【0212】
次いで、識別情報入力用処理について説明する。当該処理では、
図22に示すように、まず、ステップS1201において、情報入力用画像表示処理を実行する。
【0213】
ここで、情報入力用画像表示処理について説明すると、当該処理においては、
図23に示すように、まず、ステップS1301にて、情報入力用画像IPを基本的には操作盤画像CPの表示位置の隣りに表示させる。但し、情報入力用画像IPの表示予定位置にその他の画像が既に表示されている場合には、その他の画像と重ならない位置に情報入力用画像IPが表示される。この場合、情報入力用画像IPの表示位置は、画像表示領域テーブルを参酌して決定される。
【0214】
続くステップS1302では、液晶パネル82のうち、情報入力用画像IPの表示領域を示す座標範囲〔例えば、(X19〜X20、Y19〜Y20)〕が、画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けて、画像表示領域テーブルに記憶される。
【0215】
次いで、ステップS1303において、制御装置85のRAMに所定の入力用エリアを設けるとともに、当該入力用エリアを初期化する。尚、入力用エリアは、1つの情報入力用画像IPに対応して1つ設けられ、複数の情報入力用画像IPを表示した場合には、各情報入力用画像IPのそれぞれに対応して1つずつ入力用エリアが設けられる。
【0216】
続いて、ステップS1304において情報入力用設定を行う。情報入力用設定では、まず、入力検知センサ81のうち、各入力領域IS及び決定領域KSの表示範囲と重なる部分の座標範囲をそれぞれ特定するとともに、特定した各座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)に関連付けて、ボタン領域テーブルに記憶する。その上で、各入力領域ISと重なる部分の座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する情報入力時処理がボタン領域テーブルに記憶される。さらに、ステップS1304では、決定領域KSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x57〜x58、y57〜y58)〕と関連付けて、入力時処理として後述する決定時処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0217】
次に、ステップS1305において、入力検知センサ81のうち、情報入力用画像IPにおいて「×」と記されたボタン領域BSと重なる部分の座標範囲を特定するとともに、特定した座標範囲〔例えば、(x59〜x60、y59〜y60)〕を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。続くステップS1306では、「×」と重なる部分の座標範囲と関連付けて、入力時処理として後述する画像消去処理がボタン領域テーブルに記憶される。
【0218】
そして最後に、ステップS1307において、画像番号カウンタの値を1つ増加させることで、情報入力用画像表示処理を終了する。
【0219】
図22に戻り、ステップS1201に続いて、ステップS1202において、識別情報入力フラグがオンとされる。識別情報入力フラグは、後述する決定時処理において参酌される状態判定情報である。
【0220】
次いで、情報入力時処理について説明する。情報入力時処理は、情報入力用画像IPを用いて数値を入力する際に行われる処理である。情報入力時処理では、
図24に示すように、まず、ステップS1401において、入力座標と重なる位置にある入力領域ISに記された数値と同数の数値が制御装置85のRAMに設けられた前記入力用エリアへと入力(追加)される。例えば、入力検知センサ81のうち、「1」と記された入力領域ISと重なる部分の座標範囲へと入力があったとき、前記入力用エリアへと数値「1」が入力(追加)される。
【0221】
続く、ステップS1402では、前記入力用エリアにある数値を、ステップS602にて特定された画像番号の示す画像(情報入力用画像IP)における入力表示領域IWにて表示させることで、本処理を終了する。
【0222】
次いで、決定時処理について説明する。決定時処理は、情報入力用画像IPが表示されている状態において、入力検知センサ81のうち、情報入力用画像IPにおける決定領域KSと重なる部分へと入力があったときに行われる処理である。決定時処理では、
図25に示すように、まず、ステップS1501において、第一回転角度変更フラグがオンであるか否かを判定する。第一回転角度変更フラグは、入力用エリアに存在する情報を用いた情報の更新先を、モータ16Aの1回の動作当たりの回転角度(第一回転角度)とするために用いられる。
【0223】
ステップS1501において肯定判定された場合には、ステップS1502において、入力用エリアに保存されている数値を、新たな第一回転角度として、コンピュータシステム61に出力する。コンピュータシステム61では、入力された数値へと第一回転角度が更新される。そして、次のステップS1503において第一回転角度変更フラグをオフとした上で、ステップS1513に移行する。
【0224】
一方、ステップS1501にて否定判定された場合には、ステップS1504に移行し、第二回転角度変更フラグがオンであるか否かを判定する。第二回転角度変更フラグは、入力用エリアに存在する情報を用いた情報の更新先を、モータ28Aの1回の動作当たりの回転角度(第二回転角度)とするために用いられる。
【0225】
ステップS1504で肯定判定された場合には、ステップS1505において、入力用エリアに保存されている数値を、新たな第二回転角度として、コンピュータシステム61に出力する。コンピュータシステム61では、入力された数値が新たな第二回転角度とされる。尚、コンピュータシステム61は、第二回転角度の変更に合わせて、間欠送りロール32を動作させるモータの1回の動作当たりの回転角度も変更する。
【0226】
次いで、ステップS1506において、第二回転角度変更フラグをオフとした上で、ステップS1513に移行する。
【0227】
一方、ステップS1504で否定判定された場合には、ステップS1507に移行し、シール圧力変更フラグがオンであるか否かを判定する。シール圧力変更フラグは、入力用エリアに存在する情報を用いた情報の更新先を、加熱ロール26からフィルム受けロール21へと加わる圧力(シール圧力)とするために用いられる。
【0228】
ステップS1507にて肯定判定された場合には、ステップS1508において、入力用エリアに保存されている数値を、新たなシール圧力として、コンピュータシステム61に出力する。コンピュータシステム61では、入力された数値が新たなシール圧力とされる。次いで、ステップS1509において、シール圧力変更フラグをオフとした上で、ステップS1513に移行する。
【0229】
一方、ステップS1507にて否定判定された場合には、ステップS1510に移行し、識別情報入力フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS1510にて否定判定された場合には、ステップS1514へ移行する。
【0230】
これに対し、ステップS1510にて肯定判定された場合には、ステップS1511に移行し、識別情報入力時処理を行う。
【0231】
ここで、識別情報入力時処理について説明する。識別情報入力時処理では、
図26に示すように、まず、ステップS1601において、入力用エリアに保存されている数値(入力数値)と、制御装置85の前記識別番号データベースに保存されている識別番号とを比較し、入力数値が識別番号(識別番号が複数保存されている場合には、各識別番号のいずれか)と等しいか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定された場合には、ステップS1602にてエラー時処理を行い、本処理を終了する。エラー時処理においては、例えば、液晶パネル82における情報入力用画像IPと重なる位置に、所定のエラーメッセージを表示すること等、使用者に対し入力数値が正しくない旨を報知するための処理が行われる。
【0232】
一方、ステップS1601にて肯定判定された場合、つまり、入力数値が正しかった場合には、通常操作盤画像CP1に代えて、詳細操作盤画像CP2を表示するための処理を行う。
【0233】
詳述すると、まず、ステップS1603において、画像表示領域テーブルを参酌して、通常操作盤画像CP1の画像番号に対応する座標範囲から、通常操作盤画像CP1の表示領域の中心座標(X,Y)を得る。
【0234】
次いで、ステップS1604にて、液晶パネル82から通常操作盤画像CP1を消去するとともに、画像表示領域テーブルから、消去された通常操作盤画像CP1に関連付けられていた座標情報を消去する。さらに、ボタン領域テーブルにおいて、消去された通常操作盤画像CP1の画像番号に関連づけられていた各座標情報及び入力時処理を消去する。
【0235】
続くステップS1605では、液晶パネル82において、基本的には、ステップS1603にて得られた中心座標を中心として詳細操作盤画像CP2を表示する。但し、詳細操作盤画像CP2の表示予定位置に既にその他の画像が表示されている場合には、前記中心座標と重なる位置であって、その他の画像と重ならない位置に詳細操作盤画像CP2を表示する。
【0236】
次いで、ステップS1606において、液晶パネル82のうち、詳細操作盤画像CP2の表示領域を示す座標範囲を、画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けて、画像表示領域テーブルに記憶する。
【0237】
次のステップS1607では、入力検知センサ81のうち、詳細操作盤画像CP2の各ボタン領域BSと重なる部分の座標範囲をそれぞれ特定するとともに、特定した各座標範囲を画像番号(現在の画像番号カウンタの値)と関連付けてボタン領域テーブルに記憶する。さらに、続くステップS1608において、特定された座標範囲と関連付けて、当該座標範囲に入力があったときに実行される入力時処理を座標範囲ごとにボタン領域テーブルに記憶する。尚、ステップS1607,S1608の処理は、通常操作盤画像CP1を表示する際に行われる、上述のステップS303〜316の処理に対応するものである。
【0238】
尚、詳細操作盤画像CP2の各ボタン領域BSの座標範囲に対応して設定される入力時処理の種類は、通常操作盤画像CP1における各ボタン領域BSの座標範囲に対応して設定される入力時処理の種類よりも多い。従って、詳細操作盤画像CP2を表示させることで、製造ユニット11を制御するにあたって、より多くの項目においてより細かな調整等を行うことが可能である。
【0239】
続いて、ステップS1609にて画像番号カウンタの値を1つ増加させて、識別情報入力時処理を終了する。尚、ステップS1603〜1608の処理を行うことで、液晶パネル82に詳細操作盤画像CP2が表示されるとともに、入力検知センサ81のうち、詳細操作盤画像CP2の各ボタン領域BSと重なる部分へと接触等することで、各種処理が実行されるように設定される。
【0240】
図25に戻り、識別情報入力時処理に続いて、ステップS1512において、識別情報入力フラグがオフとされ、ステップS1514に移行する。
【0241】
また、ステップS1503,1506,1509に続いて、すなわち、入力用エリアの数値を出力した後に行われるステップS1513の処理では、設定変更用画像EPに表示されている設定値が更新される。より詳しくは、まず、設定変更フラグに関連づけられている画像番号に基づき、更新処理の対象となる画像(操作盤画像CP)の画像番号を取得する。次いで、コンピュータシステム61のハードディスクから、モータ16A,28Aの1回の動作当たりの回転角度(第一回転角度、第二回転角度)、及び、加熱ロール26からフィルム受けロール21に加わる圧力(シール圧力)の設定値を得る。その上で、得られた設定値に基づく変更を加えた設定変更用画像EPを、取得した画像番号により示される画像(操作盤画像CP)の表示領域DSにて表示させることで、表示領域DSの情報を更新する。
【0242】
ステップS1513に続いて、ステップS1514では、液晶パネル82から情報入力用画像IPを消去するとともに、画像表示領域テーブルから、消去された情報入力用画像IPに関連付けられていた座標情報を消去する。また、ボタン領域テーブルにおいて、消去された情報入力用画像IPの画像番号に関連付けられていた座標情報及び入力時処理を消去することで、決定時処理を終了する。
【0243】
次いで、第一回転角度変更用処理について説明する。第一回転角度変更用処理では、
図27に示すように、まず、ステップS1701にて、上述した情報入力用画像表示処理を行う。次いで、ステップS1702にて、第一回転角度変更フラグをオンとし、本処理を終了する。
【0244】
次に、第二回転角度変更用処理について説明する。第二回転角度変更用処理では、
図28に示すように、ステップS1801にて、上述した情報入力用画像表示処理を行う。次いで、ステップS1802において、第二回転角度変更フラグをオンとし、本処理を終了する。
【0245】
次いで、シール圧力変更用処理について説明する。シール圧力変更用処理では、
図29に示すように、まず、ステップS1901にて、上述した情報入力用画像表示処理を行う。その上で、続くステップS1902にてシール圧力変更フラグをオンとし、本処理を終了する。
【0246】
第一回転角度変更用処理、第二回転角度変更用処理、及び、シール圧力変更用処理は、それぞれ初めのステップにおいて情報入力用画像IPを表示させ、次のステップにおいて、入力用エリアに保存された数値の出力先を決定するためのフラグを設定する点で共通する。
【0247】
次いで、画像消去処理について説明する。画像消去処理では、
図30に示すように、まず、ステップS2001において、ステップS602にて特定された画像番号の示す画像を液晶パネル82から消去する。次いで、ステップS2002にて、画像表示領域テーブルから、消去された画像の画像番号に関連付けられていた座標情報を消去する。さらに、ボタン領域テーブルから、消去された画像の画像番号に関連付けられていた座標情報及び入力時処理を消去することで、画像消去処理を終了する。
【0248】
次に、使用者が操作したり、周辺環境が変化したり、材料が増減したりしたときに、カバー71において外観上どのような変化が生じるかについて説明する。
【0249】
まず、使用者が、カバー71のうち画像の表示されていない透明部分に対し、所定の入力を行う(本実施形態では、同一又はほぼ同一位置に対し、一定時間以内に2回接触又は接近する)と、上述した操作盤画像表示処理、残量画像表示処理、及び、度数画像表示処理が実行され、通常、
図33に示すように、カバー71の透明部分には、通常操作盤画像CP1、残量表示用画像RP1,RP2及び度数表示用画像TP1,TP2が表示される。このとき、残量表示用画像RP1は、錠剤充填装置22と相対する位置に表示され、残量表示用画像RP2は、フィルム供給装置14,25と相対する位置に表示され、度数表示用画像TP1,TP2は、予め設定された位置に表示される。但し、これら画像RP1,RP2,TP1,TP2の表示予定位置と重なる位置において、通常操作盤画像CP1等の他の画像が表示されている場合には、これら画像RP1,RP2,TP1,TP2のうち前記他の画像と重なることとなるものは表示されない。
【0250】
表示された残量表示用画像RP1,RP2及び度数表示用画像TP1,TP2は、一定時間毎に更新されるため、時間経過とともに周辺環境(温度、湿度)が変化したり、材料(錠剤5やロールフィルム13,24)が増減したりすることで、一定時間ごとに変化し得る。
【0251】
また、カバー71のうち画像の表示されていない透明部分に対し、所定の入力を再度行うと、
図34に示すように、通常操作盤画像CP1がもう1つ表示されることとなる。勿論、操作盤画像CPは、カバー71の正面だけでなく、背面及び両側面においても表示可能である(
図35参照)。
【0252】
そして、通常操作盤画像CP1における「状態表示」と記された領域に対し、使用者が接触等すると、上述した状態表示処理が実行され、表示領域DSにて、状態表示画像JPとともに、錠剤5やロールフィルム13,24の残量、加熱ロール26の温度、カバー71内の温度や湿度等の各種情報が表示される(
図7参照)。
【0253】
また、通常操作盤画像CP1における「カメラ画像表示」と記された領域に対し、使用者が接触等すると、上述した撮像画像表示処理が実行され、
図36に示すように、表示領域DSにて、検査用カメラ55,56により得られた撮像画像が表示される。このように本実施形態によれば、使用者は、カバー71周囲の任意の場所において、各種情報を把握したり、撮像画像を見たりすることが可能である。尚、表示された各種情報や撮像画像は、一定時間ごとに最新のものに更新される。
【0254】
さらに、通常操作盤画像CP1における「拡大」又は「縮小」と記された領域に対し、使用者が接触等すると、上述した画像拡大処理又は画像縮小処理が実行され、
図37(尚、
図37等では、残量表示用画像RP1,RP2等を不図示)に示すように、通常操作盤画像CP1が拡大又は縮小して表示される。
【0255】
加えて、通常操作盤画像CP1における「設定変更」と記された領域に対し、使用者が接触等すると、上述した変更用処理が実行され、表示領域DSにて、設定変更用画像EPとともに、接触等が行われた時点における第一回転角度、第二回転角度及びシール圧力の各設定値が表示される(
図10参照)。
【0256】
その上で、「変更(A)」と記された領域に対し、使用者が接触等すると、情報入力用画像IPが、基本的には通常操作盤画像CP1の隣りに表示される。そして、情報入力用画像IPにおける入力領域ISへと接触等を行うことで、入力表示領域IWに入力した数値が加えられる。そして、決定領域KSへと接触等を行うと、情報入力用画像IPが消去されるとともに、設定変更用画像EPにおいて、入力表示領域IWにて表示されていた数値が新たな第一回転角度の設定値として表示されることとなる。
【0257】
また、「変更(B)」と記された領域に対し、使用者が接触等すると、上記同様に、情報入力用画像IPが表示される。そして、情報入力用画像IPの入力領域ISに対し接触等を行い、最後に決定領域KSへと接触等を行うことで、情報入力用画像IPが消去されるとともに、設定変更用画像EPにおいて、入力表示領域IWにて表示されていた数値が新たな第二回転角度の設定値として表示されることとなる。
【0258】
さらに、「変更(C)」と記された領域に対して使用者が接触等すると、上記同様に、情報入力用画像IPが表示される。その上で、情報入力用画像IPの入力領域ISに対し接触等を行い、最後に決定領域KSへと接触等を行うことで、情報入力用画像IPが消去されるとともに、設定変更用画像EPにおいて、入力表示領域IWにて表示されていた数値が新たなシール圧力の設定値として表示されることとなる。
【0259】
尚、決定領域KSへと接触等を行うことで、入力表示領域IWにて表示されていた数値の情報がコンピュータシステム61へと出力され、当該数値は新たな第一回転角度、第二回転角度又はシール圧力の設定値とされる。
【0260】
加えて、「識別情報入力」と記された領域に対し使用者が接触等すると、情報入力用画像IPが表示される。そして、情報入力用画像IPの入力領域ISに対し接触等を行い、最後に決定領域KSへと接触等を行うことで、情報入力用画像IPが消去される。さらに、入力された数値が識別番号と等しい場合には、
図38に示すように、通常操作盤画像CP1が消去された上で、詳細操作盤画像CP2が表示される。一方で、入力された数値が識別番号と等しくない場合には、例えば、エラーメッセージが表示され、通常操作盤画像CP1がそのまま表示され続けることとなる。
【0261】
さらに、各画像における「×」と記された領域に対し使用者が接触等すると、この領域を備えた画像が消去される。例えば、通常操作盤画像CP1における「×」と記された領域に対し使用者が接触等すると、通常操作盤画像CP1が消去され、残量表示用画像RP2における「×」と記された領域に対し使用者等が接触すると、残量表示用画像RP2が消去される。これにより、使用者は、任意の画像を消去することが可能である。
【0262】
以上詳述したように、本実施形態によれば、カバー71には透明又は半透明なカバー本体74が設けられるとともに、カバー本体74に設けられる入力検知センサ81及び液晶パネル82は、通常、透明又は半透明の薄膜状である。従って、カバー本体74や入力検知センサ81等を介して外部から製造ユニット11を容易に視認することができる。その結果、製造ユニット11の状態を適宜確認することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0263】
加えて、入力検知センサ81及び液晶パネル82はそれぞれ薄膜状であるため、カバー71の表面から突出してしまうことがない。従って、安全性の向上を図ることができる。
【0264】
さらに、本実施形態では、液晶パネル82により画像を表示可能な領域内において、使用者の望む任意の位置に通常操作盤画像CP1を表示させることができる。また、通常操作盤画像CP1が表示される位置には入力検知センサ81が存在するため、通常操作盤画像CP1と重なる入力検知センサ81に接触等することで情報を入力することが可能である。これらの結果、製造ユニット11の制御を様々な位置で行うことができ、使用者にとっての使い勝手を飛躍的に高めることができる。
【0265】
また、本実施形態では、複数箇所に操作盤画像CP(通常操作盤画像CP1及び詳細操作盤画像CP2)を表示させることができる。従って、製造ユニット11の制御を異なる位置で同時期に行うことができ、使い勝手をより向上させることができる。
【0266】
さらに、使用者の階層等を示す識別情報に応じて、異なる操作盤画像CPを表示させることができる。従って、より良好な使い勝手を得ることができる。また、製造ユニット11において、誤った変更等がなされないようにすることができる。
【0267】
加えて、各センサ45〜52により得られた情報に基づく各種画像RP1等により、製造ユニット11やその周辺の状態に関する情報を知ることができる。従って、一層良好な使い勝手を実現することができる。
【0268】
また、錠剤充填装置22やフィルム供給装置14,25と相対する位置に、残量表示用画像RP1,RP2を表示させることができる。従って、表示されている残量表示用画像RP1,RP2と錠剤充填装置22及びフィルム供給装置14,25との対応関係を容易に理解することができ、錠剤充填装置22及びフィルム供給装置14,25における材料の残量を即座に把握することができる。その結果、使い勝手をより一層高めることができる。
【0269】
併せて、カバー71内に入ることなく、検査用カメラ55,56によって得られた画像によってカバー71内の様子(本実施形態では、製造途中にあるPTPシート1の状態)を知ることができる。従って、使い勝手をより向上させることができるとともに、カバー71内への異物の侵入をより確実に防止することができ、衛生性を高めることができる。
【0270】
さらに、照明装置84は、液晶パネル82に対し光を照射する機能とともに、製造ユニット11を照らす機能を備えている。従って、液晶パネル82に光を照射するための手段と、製造ユニット11を照らすための手段とを別々に設ける必要がなく、装置の小型化や各種コストの低減を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0271】
上記第1実施形態では、表示手段として液晶パネル82が用いられるとともに、照明手段としての照明装置84から照射された光が液晶パネル82へと照射されることで、カバー71において各種画像を表示させるように構成されている。
【0272】
これに対し、本第2実施形態では、
図39に示すように、液晶パネル82及び照明装置84に代えて、表示手段及び照明手段としてのプロジェクタ86が設けられている。本実施形態において、プロジェクタ86は、カバー71の正面、背面及び両側面と相対する位置にそれぞれ1つずつ設けられている。
【0273】
プロジェクタ86は、液晶パネルや照明手段に相当するランプ等を内部に備えており、カバー71の外表面に画像を投影させて表示するものである。また、プロジェクタ86は、上下左右に移動可能であり、光の照射方向を変更可能な光投射用のヘッドを備えている。さらに、プロジェクタ86は、投影面に対し前記ヘッドから光が斜めに照射される状態となっている場合に、照射する光を調整することで、投影画像を長方形状とする機能を備えている。加えて、プロジェクタ86は、制御装置85と接続されており、制御装置85によって動作が制御される。
【0274】
制御装置85は、予め記憶されている前記操作盤画像CP等の画像データを用いて、プロジェクタ86から照射される光を制御することで、カバー71に対し操作盤画像CPや残量表示用画像RP1,RP2、情報入力用画像IP等の各種画像を表示可能である。
【0275】
また、制御装置85は、前記光投射用のヘッドを動作させることで、プロジェクタ86からカバー71に対する光の照射位置、ひいては画像の表示位置を変更可能である。
【0276】
さらに、カバー71に対し画像を表示させた際に、制御装置85は、画像の表示されている領域を座標範囲に置き換えて特定している。本第2実施形態では、全てのパネル本体74を並べて1つの面として捉えた上で、上下方向をX軸方向とし、水平方向をY軸方向とした仮想的なパネル本体74の座標平面を用いて、画像の表示領域を座標範囲により特定している。また、制御装置85は、画像に含まれるボタン領域BSや入力領域IS等の座標範囲も特定可能とされている。
【0277】
尚、同一種類の画像であっても、プロジェクタ86からカバー71(投影面)までの距離や光投射用ヘッドの角度によって、画像の表示領域の大きさ等は種々異なるものとなり得る。この点、制御装置85のROM等には、プロジェクタ86からカバー71(投影面)までの距離、光投射用ヘッドの角度、表示される画像の種類等と、画像の表示領域(座標範囲)との関係を示す所定の関係式が予め記憶されており、制御装置85は、前記関係式を用いて、画像の表示領域(つまり、座標範囲)を正確に特定できるようになっている。
【0278】
加えて、本第2実施形態において、入力検知センサ81における座標と、パネル本体74における座標との相対位置関係に関する情報が、制御装置85のROM等に対し予め記憶されている。制御装置85は、この相対位置関係に関する情報に基づき、パネル本体74の座標から、当該座標と重なる位置にある、入力検知センサ81の座標を特定することができるようになっている。
【0279】
また、各パネル本体74は、その表面に薄膜状の調光フィルム87を備えている。調光フィルム87は、透明導電膜が表面に付された2枚の樹脂製透明フィルムと、当該両フィルムに挟まれるとともに、配向粒子(液晶)を分散されてなる内部フィルムと、両透明導電膜間に電圧を印加するときに用いられる電極とを備えたものである。前記透明導電膜間に電圧が印加されていない状態では、配向粒子が無秩序な状態で配置されるため、内部フィルムにおいて光が拡散することとなり、調光フィルム87は、濁ったような不透明の白色又は灰色を呈する。一方、前記透明電動膜間に電圧が印加されている状態では、配向粒子が秩序よく並ぶため、内部フィルムにおいて光が拡散することなく直進し、調光フィルム87は透明又は半透明を呈する。
【0280】
また、調光フィルム87の透明導電膜に対する電圧の印加・不印加の切換えは、制御装置85によって行われる。制御装置85は、各調光フィルム87ごとに、電圧の印加・不印加を切換え可能である。従って、1又は複数の調光フィルム87に対して電圧を印加することで、1又は複数のパネル本体74を透明としつつ、その他の調光フィルム87に対し電圧を印加しないことで、その他のパネル本体74を不透明とすることが可能である。尚、本実施形態では、通常、全ての調光フィルム87へと電圧が印加されており、全てのパネル本体74が透明となるように構成されている。
【0281】
本第2実施形態において制御装置85により行われる各種処理は、プロジェクタ86及び調光フィルム87を用いて画像を表示する点を除いて、上記第1実施形態において制御装置85により行われる各種処理とほぼ同様である。
【0282】
本第2実施形態における画像の表示手法について説明すると、制御装置85は、まず、画像の表示予定位置にあるパネル本体74の調光フィルム87に対する電圧の印加を停止し、画像の表示予定位置にあるパネル本体74を不透明とする。次いで、プロジェクタ86を制御し、不透明となったパネル本体74の表示予定位置へと光を投影することで、画像を表示させる。
【0283】
尚、画像が表示されると、上記第1実施形態と同様に、画像の表示領域を示す座標範囲が画像表示領域テーブルに記憶される。また、表示した画像にボタン領域BSや入力領域IS等が含まれている場合には、入力検知センサ81のうち、各領域と重なる部分の座標範囲がボタン領域テーブルに記憶されるとともに、各座標範囲に対応する入力時処理が設定される。
【0284】
以上、本第2実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、安全性等の向上を図りつつ、使用者にとっての使い勝手を飛躍的に高めることができる。
【0285】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0286】
(a)上記実施形態では、操作盤画像CP(通常操作盤画像CP1)を表示させる際に、残量表示用画像RP1,RP2及び度数表示用画像TP1,TP2も合わせて表示させるように構成されているが、残量表示用画像RP1,RP2や度数表示用画像TP1,TP2は、必ずしも操作盤画像CP(通常操作盤画像CP1)とともに表示させる必要はない。従って、操作盤画像CP(通常操作盤画像CP1)の表示後に、入力検知センサ81へと入力を行うことによって、残量表示用画像RP1,RP2や度数表示用画像TP1,TP2を表示させることとしてもよい。
【0287】
(b)上記実施形態では、画像が表示されていない場合において、入力検知センサ81へと所定の入力があったとき、操作盤画像CP(通常操作盤画像CP1)が表示されるように構成されているが、入力検知センサ81の一部又は全ての領域においては、所定の入力があったときに、操作盤画像CP以外の画像が表示されるように構成してもよい。例えば、入力検知センサ81のうち錠剤充填装置22と相対する部分においては、所定の入力があったときに、操作盤画像CPではなく、錠剤5の残量を示す残量表示用画像RP1等が表示されるように構成してもよい。
【0288】
(c)上記実施形態では、フィルム残量センサ45,46、錠剤残量センサ47、温度センサ48等の各種センサが設けられているが、必要に応じて設けるセンサの種別を適宜変更してもよい。例えば、上述した各種センサに加えて又は代えて、製造機12を構成する各種機器における故障等を検知可能な不具合検知センサを設けてもよい。また、カバー71内をエアーが流れる構成とした場合には、エアーの風量(風速)を計測するための風量センサを設けてもよい。そして、不具合検知センサや風量センサ等からの出力情報に基づき、制御装置85が、カバー71において不具合の発生や風量を示す画像を表示させるように構成してもよい。尚、不具合の発生を示す画像は、故障が検知された機器と相対する位置又はその近傍位置に表示してもよい。この場合には、どの機器において不具合が発生したのかをカバー71の外部からより容易に認識することができる。
【0289】
(d)上記実施形態では、入力検知センサ81と重なる位置に画像が表示されるように構成されているが、所定の画像〔例えば、単に情報を示す画像(入力のために利用されない画像)〕については、入力検知センサ81と重なる位置に表示する必要はなく、入力検知センサ81の近傍位置にて表示することとしてもよい。
【0290】
(e)上記実施形態において、製造装置10は、PTPシート1を製造する製造機12を備えているが、製造機はこれに限定されるものではなく、例えば、基板を製造するための基板製造機や帯状の電極やセパレータを捲回することで所定の捲回素子(例えば、リチウムイオン電池素子等)を製造するための捲回素子製造機、化粧品を製造するための化粧品製造機などであってもよい。尚、本発明は、材料等を搬送しつつ物品の製造を行う製造機において特に有効である。このような製造機は、比較的大型(長い)ものとなりやすく、表示手段や入力手段が固定されていたり、動かされたりするタイプの場合、使用者が表示手段等を利用すべく表示手段等へと接近するにあたって、移動時間や移動に要する労力が比較的大きなものとなりやすい。しかしながら、上記実施形態のように表示手段等が構成されることで、移動時間や労力を効果的に低減することができ、生産性を高めることができる。
【0291】
(f)上記実施形態では、検査装置23,29に対して撮像手段としての検査用カメラ55,56が設けられているが、例えば、容器フィルム3やPTPフィルム6の搬送経路に沿って、容器フィルム3やPTPフィルム6を撮像するカメラを検査装置とは別に設けてもよい。また、カメラによって、製造装置を構成する機器や材料の供給部を撮像することとしてもよい。例えば、製造機が、物品としての基板を製造する基板製造機である場合、カメラによって電子部品を供給するパーツフィーダを撮像してもよい。また、例えば、
図40(
図40では、カバー71内の製造ユニット等を不図示)に示すように、カメラによって得られた撮像画像FIをカバー71においてリアルタイムに表示させることとしてもよい。
【0292】
(g)上記実施形態では、「×」と記された部分へと入力を行うことで、画像が消去されるように構成されているが、画像が表示され続けてしまうことで、カバー71内の製造ユニット11の視認容易性が低下してしまうことを防止すべく、画像の表示時、又は、入力検知センサ81のうち当該画像と重なる部分への最後の入力時からタイマーを開始し、当該タイマーの計測時間が所定時間を超えたとき、画像を自動的に消去するように構成してもよい。
【0293】
(h)上記実施形態では、操作盤画像CP(通常操作盤画像CP1)が拡大及び縮小するように構成されているが、その他の画像についても拡大及び縮小可能に構成してもよい。
【0294】
また、上記実施形態では、画像の拡大及び縮小は、入力検知センサ81のうち、「拡大」、「縮小」のボタン領域BSと重なる部分へと入力が行われることで実行されるように構成されているが、その他の手法により画像の拡大及び縮小が実行されるように構成してもよい。例えば、入力検知センサ81のうち、画像と重なる部分に対し所定態様の入力(例えば、いわゆるピンチインやピンチアウトなど)が行われたときに、画像の拡大又は縮小が実行されるように構成してもよい。
【0295】
(i)上記実施形態では、操作盤画像CPとして2種類の画像(通常操作盤画像CP1及び詳細操作盤画像CP2)が表示可能となっているが、1種類の画像のみを表示可能としてもよいし、3種類以上の画像を表示可能としてもよい。例えば、操作盤画像CPに「簡素化」等のボタン領域を設けるとともに、入力検知センサ81のうち当該ボタン領域と重なる部分へと入力があったときに、
図41に示すように、通常操作盤画像CP1よりも表示される情報が少ない簡素化操作盤画像CP3が表示されるように構成してもよい。
【0296】
(j)上記実施形態では、カバー71の外表面に画像が表示されるように構成されているが、カバー71の内表面に画像を表示することとしてもよい。例えば、
図42に示すように、パネル板72のうち扉として機能するものの内表面において画像を表示することとしてもよい。
【0297】
(k)上記第1実施形態では、照明装置84からの光が導光板83を介して液晶パネル82へと照射されるように構成されているが、導光板83等を介することなく、照明装置84からの光が液晶パネル82へと直接的に照射されるように構成してもよい。例えば、カバー71内であって、本体パネル74と相対する位置に照明装置を配置し、当該照明装置から液晶パネル82へと光が照射されるように構成してもよい。
【0298】
また、照明装置84の配置位置は、必ずしもカバー71内に限定されず、カバー71外であってもよい。
【0299】
(l)上記実施形態では、カバー71の正面、背面及び両側面において画像が表示可能となっているが、カバー71における画像の表示可能範囲はこれに限定されるものではない。従って、例えば、カバー71の正面及び両側面のみにおいて画像を表示可能としてもよいし、カバー71の正面のみにおいて画像を表示可能としてもよい。
【0300】
(m)上記実施形態では、カバー71の透明部分の全域において画像が表示可能に構成されているが、透明部分における一領域のみにおいて画像を表示可能に構成してもよい。
【0301】
(n)上記実施形態では、各センサ45〜54からコンピュータシステム61を経て制御装置85へと検知された情報が出力されているが、各センサ45〜54から制御装置85へと検知された情報が直接出力されるように構成してもよい。
【0302】
(o)上記実施形態では、残量表示用画像RP1,RP2が錠剤充填装置22やフィルム供給装置14,25と相対する位置に表示されているが、残量表示用画像RP1,RP2の表示位置はこれに限定されるものではない。例えば、残量表示用画像RP1,RP2を錠剤充填装置22やフィルム供給装置14,25と相対する位置の近傍位置に表示することとしてもよい。
【0303】
(p)上記第2実施形態における調光フィルム87に代えて、液晶パネルを用いてもよい。また、上記第2実施形態では、画像を表示する際に、画像の表示されるパネル本体74の全体が不透明となるように構成されているが、パネル本体74のうち画像を表示する部分のみが不透明となるように構成してもよい。
【0304】
(q)上記第2実施形態において、プロジェクタ86はカバー71の外部に設けられているが、カバー71内に設けてもよい。
【解決手段】製造装置10は、製造ユニット11及びこれの周囲を覆うカバー71を備える。カバー71は、外部から製造ユニット11を視認可能とする透明のパネル本体74を有する。パネル本体74には、接触又は接近による入力を検知可能であり、入力を検知した位置に関する情報等を出力可能に構成された透明な薄膜状の入力検知センサ81と、パネル本体74に対し画像を表示可能な液晶パネル82等と、入力検知センサ81からの情報が入力されるとともに、液晶パネル82等を制御可能な制御装置85とを備える。制御装置85は、入力検知センサ81に対し所定の入力があったとき、パネル本体74の前記所定の入力のなされた位置等にて画像を表示させるように液晶パネル82等を制御する。