(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0016】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る溶着システムの構成例を示す図である。この溶着システム1は、互いに嵌合する一対の管体としてのパイプ11及び継手12を保持する保持装置2と、パイプ11及び継手12の嵌合部を加熱する加熱装置3とを備える。
【0017】
一対の管体は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の溶着可能な熱可塑性樹脂等からなる。本実施の形態では、管体の組合せとしてパイプ11と、パイプ13が接合されたパイプ付きの継手12について説明するが、組合せはパイプと継手、パイプ同士、継手同士、パイプ付きの継手同士等でもよい。また、本実施の形態は、例えば配管径(パイプ11の外径、又は継手12の内径)が20〜125mmを対象にする。管体の軸方向の好ましい溶着長さ(深さ)は、配管径により異なり、例えば配管径が20mmのときは14mm、配管径が125mmのときは40mmが好ましい。
【0018】
保持装置2は、ブラケット20により所定の間隔を有して配置され、一方の管体としてのパイプ11を保持する第1及び第2の保持部21、22と、ブラケット25により所定の間隔を有して配置され、他方の管体としての継手12をパイプ11と同一軸上に保持する第3及び第4の保持部23、24と、第3及び第4の保持部23、24を軸方向に移動可能に案内するガイド26と、第3及び第4の保持部23、24をガイド26に沿って手動により移動させる操作部27とを備える。
【0019】
なお、第1及び第2の保持部21、22と第3及び第4の保持部23、24とは、互いに接近及び離間可能であれば、第1及び第2の保持部21、22を第3及び第4の保持部23、24に対して移動させてもよく、第1及び第2の保持部21、22と第3及び第4の保持部23、24の両方を移動させてもよい。
【0020】
加熱装置3は、パイプ11及び継手12を加熱する加熱ヘッド30と、加熱ヘッド30を制御する制御ユニット37とを備える。
【0021】
加熱ヘッド30は、パイプ11の嵌合部である外径部11aを加熱する凹状ヒータ31Aと、継手12の嵌合部である内径部12aを加熱する凸状ヒータ31Bと、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bを加熱し、同一軸上に着脱可能に保持する金属からなるヒータプレート32と、ヒータプレート32に取り付けられた取手33と、ヒータプレート32に金属からなる取付板34A、34Bによって取り付けられた接触スイッチ35と、取付板34Bに取り付けられ、ヒータプレート32の温度を凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bの温度(以下、「ヒータ部温度」という。)として検出するヒータ部温度センサ36Aとを備える。
【0022】
ヒータプレート32は、商用電源(100V)からの電力の供給を受けて所定の温度、例えば250〜270℃で発熱し、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bを加熱する。凹状ヒータ31Aは、パイプ11の外径部11aが挿入される凹部31aを有する。凸状ヒータ31Bは、継手12の内径部12aが挿入される外径部31bを有する。凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bは、配管径に合わせて選択し、凹状ヒータ31Aの凹部31aの長さは、溶着長さに対応した長さを有し、凸状ヒータ31Bの外径部31bは、溶着長さに対応した長さを有する。凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bは、加熱部の一例である。
【0024】
(第1の保持部)
第1の保持部21は、主ベース板211と副ベース板213とをスペーサ212を介して取り付けて主ベース板211と副ベース板213との間に移動可能に対向して配置された一対のクランプ214A、214Bと、一対のクランプ214A、214Bにそれぞれ螺合する右ネジ215a及び左ネジ215bを有し、回転方向により一対のクランプ214A、214Bを互いに接近及び離間させるノブ215とを備える。
【0025】
第1の保持部21は、ノブ215を右回転させると、一対のクランプ214A、214Bは互いに接近し、ノブ215を左回転させると、一対のクランプ214A、214Bは互いに離間するように構成されている。このようなノブとクランプの構造は、他の第2乃至第4の保持部22、23、24も第1の保持部21と同様に構成されている。
【0026】
(第2の保持部)
第2の保持部22は、第1の保持部21と同様に、主ベース板221と副ベース板223とをスペーサ222を介して取り付けて主ベース板221と副ベース板223との間に移動可能に対向して配置された一対のクランプ224A、224Bと、一対のクランプ224A、224Bにそれぞれ螺合する右ネジ225a及び左ネジ225bを有し、回転方向により一対のクランプ224A、224Bを互いに接近及び離間させるノブ225とを備える。また、第2の保持部22は、
図2Cに示すように、ブラケット226にパイプ11の継手12の挿入量を規定するための位置合わせプレート227が取り付けられている。
図2Cにおいて、28Aは六角穴付ボルト、28Bは六角穴付皿ボルトを示す。
【0027】
(第3の保持部)
第3の保持部23は、第1の保持部21と同様に、主ベース板231と副ベース板233とをスペーサ232を介して取り付けて主ベース板231と副ベース板233との間に移動可能に対向して配置された一対のクランプ234A、234Bと、一対のクランプ234A、234Bにそれぞれ螺合する右ネジ235a及び左ネジ235bを有し、回転方向により一対のクランプ234A、234Bを互いに接近及び離間させるノブ235とを備える。また、第3の保持部23は、
図2Dに示すように、副ベース板233にパイプ11の継手12への挿入量を規定するためのブラケット236が取り付けられている。
図2Dにおいて、28Aは六角穴付ボルトを示す。
【0028】
(第4の保持部)
第4の保持部24は、第1の保持部21と同様に、主ベース板241と副ベース板243とをスペーサ242を介して取り付けて主ベース板241と副ベース板243との間に移動可能に対向して配置された一対のクランプ244A、244Bと、一対のクランプ244A、244Bにそれぞれ螺合する右ネジ245a及び左ネジ245bを有し、回転方向により一対のクランプ244A、244Bを互いに接近及び離間させるノブ245とを備える。
【0029】
(操作部)
操作部27は、一対のガイド26の第4の保持部24側の端部に取り付けられ、第1の支軸271を有するガイドベース270と、第4の保持部24の主ベース板241に取り付けられ、第2の支軸272を有するアーム板273と、第1の支軸271を中心に回転可能に設けられ、第2の支軸272が移動可能な長穴274aを有するレバー274とを備える。レバー274を第1の支軸271を中心に左方向に回転させると、第2の支軸272が長穴274aに沿って移動し、アーム板273を介して第3及び第4の保持部23、24が第1及び第2の保持部21、22の方向に移動する。
【0030】
(位置合わせプレート)
位置合わせプレート227は、
図2Eに示すように、厚さの異なる5つのスペーサ部227a〜227eが放射状に突出した形状を有して、回転可能にブラケット226に取り付けられている。パイプ11の継手12への挿入量に応じてスペーサ部227a〜227eを選択し、選択したスペーサ部227a〜227eが真下に位置するようにする。第3及び第4の保持部23、24を第1及び第2の保持部21、22側に移動させたとき、真下に位置するスペーサ部227a〜227eに第3の保持部23のブラケット236が当接し、加熱後のパイプ11の継手12への挿入量が定まる。なお、ブラケット236に接触スイッチを取り付けてもよい。この接触スイッチにより、正確な保持時間をカウントダウンできる。
【0031】
図3は、加熱ヘッド30の斜視図である。ヒータプレート32の下面32aには、ヒータ部温度センサ36Aを保持した取付板34Bが取り付けられている。接触スイッチ35は、その取付板34Bに取付板34Aにより取り付けられている。取付板34Aの取付板34Bに対する取付位置を調整することにより、接触スイッチ35のヒータプレート32の側面32bからの距離を調整できるようになっている。また、接触スイッチ35は、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bの中心線に平行な方向に向くように配置されている。
【0032】
(制御ユニット)
図4は、制御ユニット37の外観を示す正面図である。例えば、この制御ユニット37は、略箱型状のケース370と、ケース370の上面に取り付けられた取手371とを備える。
【0033】
制御ユニット37の正面上部に操作盤部370aが設けられている。操作盤部370aには、電源スイッチ372と、配管径変更ボタン373と、電源ランプ374a、モードランプ374b、配管径表示ランプ374c、時間表示ランプ374d、保持ランプ374e、加熱ランプ374f、溶着可ランプ374g等の各種のランプと、セブンセブメントにより構成された配管径/時間表示部375a、ヒータ部温度表示部375b等の各種の表示部と、手動スイッチ38とを備える。
【0034】
制御ユニット37の側面には、環境温度センサ36Bを備える。環境温度センサ36Bは、加熱装置3が設置された環境温度を検出する。
【0035】
手動スイッチ38は、保持装置2を用いないでパイプ11及び継手12を溶着する場合に用いられる。このときは、手動で手動スイッチ38を押すことで、接触スイッチ35と同様の機能を果たす。
【0036】
図5は、制御ユニット37の制御系を示すブロック図である。制御ユニット37は、この制御ユニット37の各部を制御する制御部376と、メモリ377と、ブザー378と、タイマー379とを備える。制御部376には、
図4に示した電源スイッチ372、配管径変更ボタン373、電源ランプ374a、モードランプ374b、配管径表示ランプ374c、時間表示ランプ374d、保持ランプ374e、加熱ランプ374f、溶着可ランプ374g、配管径/時間表示部375a及びヒータ部温度表示部375bが接続される。また、制御部376には、接触スイッチ35、ヒータ部温度センサ36A、環境温度センサ36B及び手動スイッチ38が接続される。
【0037】
電源ランプ374a、モードランプ374b及び配管径表示ランプ374cは、電源スイッチ372が押されたときに点灯する。
【0038】
配管径/時間表示部375aは、電源投入時の初期の状態では、配管径のデフォルト値(例えば20mm)を表示し、その後、配管径変更ボタン373が押される毎に、25mm、32mm、40mm、50mm、63mm、75mm、90mm、110mm、125mmをサイクリックに表示する。配管径変更ボタン373は、選択部の一例である。なお、配管径を選択するのではなく、テンキーやタッチパネルを用いて数値として入力してもよい。
【0039】
ヒータ部温度表示部375bは、ヒータ部温度センサ36Aが検出した温度を表示する。溶着可ランプ374gは、ヒータ部温度センサ36Aが検出した温度が予め設定された温度(例えば、250〜270℃)のときに点灯する。
【0040】
接触スイッチ35は、経過時間の計測開始を制御部376に指示する。タイマー379は、制御部376の指示により経過時間を計測する。
【0041】
制御部376は、CPU等を有して構成され、メモリ377には、制御部376のCPUのための
図8に示すようなプログラムや、後述する
図6に示すデータが記憶されている。
【0042】
図6は、メモリ377に記憶されているデータの一例を示す図である。メモリ377には、
図6に示すように、複数の配管径及び環境温度範囲(5℃以上と、5℃未満)に対応して、一対の管体を加熱すべき加熱時間(1)、(2)、加熱時間(1)、(2)の終了時から一対の管体を嵌合するまでの作業時間、及び一対の管体の嵌合状態を保持すべき保持時間が記憶されている。
【0043】
制御部376は、配管径変更ボタン373によって選択された配管径、及び環境温度センサ36Bが検出する環境温度を含む環境温度範囲に対応してメモリ377が記憶する加熱時間を、配管径/時間表示部375aに表示し、加熱時間が経過したとき、配管径変更ボタン373によって選択された配管径に対応してメモリ377が記憶する作業時間を表示し、作業時間が経過したとき、配管径変更ボタン373によって選択された配管径に対応してメモリ377が記憶する保持時間を表示する。
【0044】
制御部376は、接触スイッチ35の動作に基づき、タイマー379により経過時間を計測し、計測した経過時間が、配管径/時間表示部375aに表示した加熱時間に達したとき、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bによる加熱の終了をブザー378により報知する。
【0045】
また、制御部376は、配管径/時間表示部375aが表示する作業時間の終了時からタイマー379により経過時間を計測し、計測した経過時間が、配管径/時間表示部375aが表示する保持時間に達したとき、パイプ11と継手12との嵌合状態の保持の終了をブザー378により報知する。制御部376及びブザー378は、報知手段の一例である。なお、作業時間の終了をブザー378で報知してもよい。
【0046】
(溶着システムの動作)
次に、溶着システム1の動作の一例について、
図7A〜
図7D及び
図8を参照して説明する。
【0047】
図7A〜
図7Dは、操作手順を示す保持装置2の正面図である。
図8は、制御ユニット37の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図7A〜
図7Cでは、プレート32を断面にして図示する。
【0048】
まず、作業者は、制御ユニット37の電源スイッチ372を押して電源を入れる。電源スイッチ372の押下により、制御ユニット37の各部に電源が供給され、電源ランプ374a、モードランプ374b及び配管径表示ランプ374cが点灯し、配管径/時間表示部375aに配管径のデフォルト値、例えば20mmが表示され、ヒータ部温度表示部375bにヒータ部温度センサ36Aが検出した温度が表示される。
【0049】
また、作業者は、加熱ヘッド30に商用電源(100V)から電力を供給する。加熱ヘッド30への電力の供給により、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bは、例えば250〜270℃まで発熱する。ヒータ部温度センサ36Aは、ヒータプレート32の温度を凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bの温度として検出し、検出温度を制御部376に通知する。制御部376は、ヒータ部温度センサ36Aによる検出温度が250〜270℃のとき、溶着可ランプ374gを点灯する。
【0050】
作業者は、溶着対象のパイプ11の外径部11aの外径(配管径)を配管径変更ボタン373を操作して選択する(S1)。選択した配管径は、配管径/時間表示部375aに表示される。ここでは、例えば50mmを選択したとする。
【0051】
作業者は、
図1に示すように、レバー274を右に回転させて第2の保持部22と第3の保持部23との間に加熱ヘッド30の凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bを配置可能なスペースを形成する。
【0052】
次に、作業者は、
図7Aに示すように、第1及び第2の保持部21、22のノブ215、225を右に回転してパイプ11を一対のクランプ214A、214B、224A、224Bにより挟持する。このとき、パイプ11の第2の保持部22の副ベース板223からの突出量が規定の値となるようにする。第3及び第4の保持部23、24のノブ235、235を右に回転させてパイプ付きの継手12を一対のクランプ234A、234B、244A、244Bにより挟持する。
【0053】
次に、作業者は、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bの中心がパイプ11及びパイプ付き継手12の中心と一致するように加熱ヘッド30を第2の保持部22と第3の保持部23との間に配置する。
【0054】
次に、作業者は、レバー274を左に回転させ、第3及び第4の保持部23、24をパイプ付きの継手12とともにガイド26に沿ってパイプ11側に移動させる。
【0055】
続いて、作業者は、レバー274をさらに左に回転させると、
図7Bに示すように、パイプ11の外径部11aが凹状ヒータ31Aの凹部31aに挿入され、凸状ヒータ31Bの外径部31bが継手12の内径部12aに挿入される。これと同時に、接触スイッチ35が第2の保持部22の副ベース板223に当接して動作する(S2)。
【0056】
接触スイッチ35が動作すると、配管径/時間表示部375aは、配管径の表示から時間の表示に切り替わる。制御部376は、選択された配管径、及び環境温度センサ36Bが検出する環境温度を含む環境温度範囲に対応してメモリ377が記憶する加熱時間を配管径/時間表示部375aに表示する。
【0057】
制御部376は、ヒータ部温度センサ36Aが検出したヒータ部温度が設定温度の範囲(250〜270℃)内か否かを判断する(S3)。ヒータ部温度が設定温度よりも小さい場合は、エラー表示(E1)をヒータ部温度表示部375bに表示する(S4)。ヒータ部温度が設定温度よりも大きい場合は、エラー表示(E2)をヒータ部温度表示部375bに表示する(S5)。
【0058】
次に、制御部376は、環境温度センサ36Bが検出した環境温度が5℃以上であるか否かを判断し(S6)、5℃以上であれば(S6:Yes)、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(1)として記憶されている時間に到達したか否かを判断する(S7)。
【0059】
環境温度センサ36Bが検出した温度が5℃未満であれば(S6:No)、経過時間が加熱時間(2)として記憶されている時間に到達したか否かを判断する(S8)。
【0060】
制御部376は、接触スイッチ35の動作に基づき、タイマー379により経過時間を計測し、経過時間に基づき配管径/時間表示部375aが表示する加熱時間をカウントダウンする。配管径/時間表示部375aに表示する加熱時間がカウントダウンにより0、言い換えると、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(1)又は加熱時間(2)に到達すると(S7:Yes)、(S8:Yes)、制御部376は、ブザー378により加熱終了を示すブザー音を所定の時間(例えば2秒)出力する(S9)。例えば、配管径を50mm、環境温度センサ36Bが検出した環境温度を10℃とすると、経過時間が加熱時間(1)の18秒に達すると、ブザー音がブザー378から出力される。
【0061】
制御部376は、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(1)又は加熱時間(2)に到達した後、選択された配管径に対応してメモリ377に記憶されている作業時間を配管径/時間表示部375aに表示する。例えば、配管径が50mmのときは、7秒の作業時間を表示する。制御部376は、加熱時間の終了時からタイマー379により経過時間を計測し、経過時間に基づき配管径/時間表示部375aが表示する作業時間をカウントダウンする。
【0062】
作業者は、上記作業時間(7秒)の間にパイプ11とパイプ付きの継手12との溶着作業を行う。すなわち、レバー274を左方向に回転させ、
図7Cに示すように、パイプ11及びパイプ付き継手12を凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bから外し、加熱ヘッド30を保持装置2から取り外す。
図7C中、パイプ11及び継手12のクロスハッチングを施した領域が溶融した領域である。
【0063】
次に、作業者は、レバー274を右に回転させ、
図7Dに示すように、パイプ付きの継手12をブラケット236が位置合わせプレート227に当接するまで移動させ、パイプ11の外径部11aをパイプ付きの継手12の内径部12aに嵌合させる。なお、ブラケット236に接触スイッチを取り付け、ブラケット236と位置合わせプレート227の当接を接触スイッチで検出し、それをブザー378で報知してもよい。
【0064】
制御部376は、配管径/時間表示部375aが表示する作業時間が0になると、選択された配管径に対応してメモリ377が記憶する保持時間を配管径/時間表示部375aに表示する。制御部376は、作業時間の終了時からタイマー379により経過時間を計測し、計測した経過時間に基づき配管径/時間表示部375aが表示する保持時間をカウントダウンする。
【0065】
一方、作業者は、パイプ11の外径部11aがパイプ付き継手12の内径部12aに嵌合した状態を保持する。制御部376は、タイマー379により測定した経過時間がメモリ377に記憶されている保持時間に達したか否かを判断する(S10)。
【0066】
配管径/時間表示部375aに表示する保持時間がカウントダウンにより0、言い換えると、タイマー379により測定した経過時間が保持時間に達すると(S10:Yes)、制御部376は、ブザー378から保持終了を示すブザー音を出力する(S11)。例えば、配管径が50mmのときは、6秒でブザー音が出力される。
【0067】
これでパイプ11と継手12は溶着により接合されたので、ノブ215、225、235、245を左に回して第1乃至第4の保持部21〜24のクランプ214A、214B、224A、224B、234A、234B、244A、244Bを互いに離間させ、互いに接合したパイプ11及び継手12を保持装置2から取り外す。
【0068】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(ア)環境温度に依らず一対の管体を適切に溶着することが可能になる。
(イ)専門知識が無くても、パイプ11と継手12との溶着部の品質を一定に管理することができる。
(ウ)加熱ヘッド30のヒータ部温度をヒータ部温度表示部375bによる表示により確認することができる。
(エ)作業中に加熱ヘッド30のヒータ部に異常が発生した場合には、ヒータ部の異常をブザー音等で作業者に知らせることができる。
(オ)市販の溶着機であっても、僅かな改造で本加熱装置3が利用でき、溶着作業を標準化することができる。
【0069】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る加熱装置について説明する。加熱装置3は、第1の実施の形態で説明したのと同様であるので、その説明を省略する。第1の実施の形態では、加熱装置3を保持装置2とともに用いたが、第2の実施の形態は、保持装置2を用いないで一対の管体を溶着するものである。
【0070】
第2の実施の形態の溶着方法を
図8のフローチャートを参照して説明する。但し、ステップS2は、手動スイッチ38を押す。
【0071】
まず、作業者は、制御ユニット37の電源スイッチ372を押して電源を入れる。電源スイッチ372の押下により、制御ユニット37の各部に電源が供給され、電源ランプ374a、モードランプ374b及び配管径表示ランプ374cが点灯し、配管径/時間表示部375aに配管径のデフォルト値、例えば20mmが表示され、ヒータ部温度表示部375bにヒータ部温度センサ36Aが検出した温度が表示される。
【0072】
また、作業者は、加熱ヘッド30に商用電源(100V)から電力を供給する。加熱ヘッド30への電力の供給により、凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bは、例えば250〜270℃まで発熱する。ヒータ部温度センサ36Aは、ヒータプレート32の温度を凹状ヒータ31A及び凸状ヒータ31Bの温度として検出し、検出温度を制御部376に通知する。制御部376は、ヒータ部温度センサ36Aによる検出温度が250〜270℃のとき、溶着可ランプ374gを点灯する。
【0073】
作業者は、パイプ11の外径部11aを凹状ヒータ31Aの凹部31aに挿入し、凸状ヒータ31Bの外径部31bに継手12の内径部12aを挿入する。これと同時に、手動スイッチ38を手で押す(S2)。
【0074】
手動スイッチ38が動作すると、配管径/時間表示部375aは、配管径の表示から時間の表示に切り替わる。制御部376は、選択された配管径、及び環境温度センサ36Bが検出する環境温度を含む環境温度範囲に対応してメモリ377が記憶する加熱時間を配管径/時間表示部375aに表示する。
【0075】
制御部376は、ヒータ部温度センサ36Aが検出したヒータ部温度が設定温度の範囲(250〜270℃)内か否かを判断する(S3)。ヒータ部温度が設定温度よりも小さい場合は、エラー表示(E1)をヒータ部温度表示部375bに表示する(S4)。ヒータ部温度が設定温度よりも大きい場合は、エラー表示(E2)をヒータ部温度表示部375bに表示する(S5)。
【0076】
次に、制御部376は、環境温度センサ36Bが検出した環境温度が5℃以上であるか否かを判断し(S6)、5℃以上であれば(S6:Yes)、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(1)として記憶されている時間に到達したか否かを判断する(S7)。
【0077】
環境温度センサ36Bが検出した温度が5℃未満であれば(S6:No)、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(2)として記憶されている時間に到達したか否かを判断する(S8)。
【0078】
制御部376は、手動スイッチ38の動作に基づき、タイマー379により経過時間を計測し、経過時間に基づき配管径/時間表示部375aが表示する加熱時間をカウントダウンする。配管径/時間表示部375aに表示する加熱時間がカウントダウンにより0、言い換えると、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(1)又は加熱時間(2)に到達すると(S7:Yes)、(S8:Yes)、制御部376は、ブザー378により加熱終了を示すブザー音を所定の時間(例えば2秒)出力する(S9)。
【0079】
制御部376は、タイマー379により測定した経過時間が加熱時間(1)又は加熱時間(2)に到達した後、選択された配管径に対応してメモリ377に記憶されている作業時間を配管径/時間表示部375aに表示する。制御部376は、加熱時間の終了時からタイマー379により経過時間を計測し、経過時間に基づき配管径/時間表示部375aが表示する作業時間をカウントダウンする。
【0080】
作業者は、上記作業時間の間にパイプ11とパイプ付きの継手12との溶着作業を行う。すなわち、パイプ11の外径部11aにパイプ付きの継手12の内径部12aに嵌合させる。
【0081】
制御部376は、配管径/時間表示部375aが表示する作業時間が0になると、選択された配管径に対応してメモリ377が記憶する保持時間を配管径/時間表示部375aに表示する。制御部376は、作業時間の終了時からタイマー379により経過時間を計測し、計測した経過時間に基づき配管径/時間表示部375aが表示する保持時間をカウントダウンする。
【0082】
一方、作業者は、パイプ11の外径部11aがパイプ付きの継手12の内径部12aに嵌合した状態を保持する。制御部376は、タイマー379により測定した経過時間がメモリ377に記憶されている保持時間に達したか否かを判断する(S10)。
【0083】
配管径/時間表示部375aに表示する保持時間がカウントダウンにより0、言い換えると、タイマー379により測定した経過時間が保持時間に達すると(S10:Yes)、制御部376は、ブザー378から保持終了を示すブザー音を出力する(S11)。このようにしてパイプ11と継手12は溶着により接合される。
【0084】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態においても、保持装置2を用いなくても、環境温度に依らず一対の管体を適切に溶着することが可能になり、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0085】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態では、環境温度範囲を2つ設定したが、3つ以上でもよい。また、5℃未満の環境温度範囲に対して下限値を設けて例えば0℃以上5℃未満とし、環境温度が0℃未満のときは溶着作業ができない旨の表示、警報、報知などを行ってもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、報知手段としてブザー378を用いたが、点滅、文字表示等による視覚的な表示や、視覚的な表示とともにブザー音等の聴覚的な表示によって報知してもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、加熱時間及び作業時間のそれぞれの経過後にタイマーをリセットして経過時間を計測し、各経過時間に基づいて報知を行ったが、タイマーをリセットせずに接触スイッチ35又は手動スイッチ38が動作してからの経過時間に基づいて報知を行ってもよい。
【0088】
上記実施の形態では、第3及び第4の保持部23、24を手動により移動させたが、モータ等の動力源を用いて移動させてもよい。
【0089】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で上記実施の形態の構成要素のうち一部を除くことも可能である。例えば、上記実施の形態では、制御ユニット37を加熱ヘッド30とは別個に設けたが、制御ユニット37の構成要素を加熱ヘッド30に組み込んで、制御ユニット37を省いてもよい。
【0090】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等が可能である
【符号の説明】
【0091】
1…溶着システム、2…保持装置、3…加熱装置、11…パイプ(管体)、
11a…外径部、12…継手(管体)、12a…内径部、13…パイプ、
20…ブラケット、21…第1の保持部、22…第2の保持部、23…第3の保持部、
24…第4の保持部、25…ブラケット、26…ガイド、27…操作部、
28A…六角穴付ボルト、28B…六角穴付皿ボルト、30…加熱ヘッド、
31A…凹状ヒータ(加熱部)、31B…凸状ヒータ(加熱部)、31a…凹部、
31b…凸状ヒータの外径部、32…ヒータプレート、32a…下面、32b…側面、
33…取手、34A、34B…取付板、35…接触スイッチ、
36A…ヒータ部温度センサ、36B…環境温度センサ、37…制御ユニット、
38…手動スイッチ、
211、221、231、241…主ベース板、
212、222、232、242…スペーサ、
213、223、233、243…副ベース板、
214A、214B、224A、224B、234A、234B、244A、244B…クランプ、
215、225、235、245…ノブ、
215a、225a、235a、245a…右ネジ、
215b、225b、235b、245b…左ネジ、
226、236…ブラケット、
227…位置合わせプレート、227a〜227e…スペーサ部、
270…ガイドベース、271…第1の支軸、272…第2の支軸、273…アーム板、274…レバー、274a…長穴、
370…ケース、370a…操作盤部、371…取手、372…電源スイッチ、
373…配管径変更ボタン、374a…電源ランプ、374b…モードランプ、
374c…配管径表示ランプ、374d…時間表示ランプ、374e…保持ランプ、
374f…加熱ランプ、374g…溶着可ランプ、375a…配管径/時間表示部、
375b…ヒータ部温度表示部、376…制御部(報知手段)、377…メモリ、
378…ブザー(報知手段)、379…タイマー