(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されているような調湿装置において、調湿能力(即ち、単位時間当たりの除湿量は加湿量)を向上させるためには、圧縮機の運転容量を増大させる必要がある。従って、圧縮機の大型化、ひいては除湿運転や加湿運転時の運転動力の増大を招くという問題が生じる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転動力を増大させることなく調湿能力を増大できる調湿装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、第1と第2の調湿空間(37,38)にそれぞれ配置されて各々が水分を吸着及び放出する吸着部(51,52)と、空気の流通経路を、室外空気が上記第1の調湿空間(37)を通過して室内へ供給され室内空気が上記第2の調湿空間(38)を通過して室外へ排出される第1経路と、室外空気が上記第2の調湿空間(38)を通過して室内へ供給され室内空気が上記第1の調湿空間(37)を通過して室外へ排出される第2経路とに切り換える切換機構(40)とを備えた調湿装置を対象とする。そして、この調湿装置は、
上記第1調湿空間(37)における吸着部(51)の上流側に配置され、吸着剤を担持する第1の吸着熱交換器(61)と、上記第2調湿空間(38)における吸着部(52)の上流側に配置され、吸着剤を担持する第2の吸着熱交換器(62)とが接続され、上記切換機構(40)によって上記第1経路を形成し室外空気が流れる第1吸着熱交換器(61)で冷媒を蒸発させ室内空気が流れる第2吸着熱交換器(62)で冷媒を凝縮させることで第1吸着熱交換器(61)の冷媒を第2吸着熱交換器(62)に移動させる動作と、上記切換機構(40)によって第2経路を形成し室外空気が流れる第2吸着熱交換器(62)で冷媒を蒸発させ室内空気が流れる第1吸着熱交換器(61)で冷媒を凝縮させることで第2吸着熱交換器(62)の冷媒を第1吸着熱交換器(62)に移動させる動作とを交互に繰り返す除湿運転を行うように構成された冷媒流路(60)を備えていることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1と第2の調湿空間(37,38)にそれぞれ配置されて各々が水分を吸着及び放出する吸着部(51,52)と、空気の流通経路を、室外空気が上記第1の調湿空間(37)を通過して室内へ供給され室内空気が上記第2の調湿空間(38)を通過して室外へ排出される第1経路と、室外空気が上記第2の調湿空間(38)を通過して室内へ供給され室内空気が上記第1の調湿空間(37)を通過して室外へ排出される第2経路とに切り換える切換機構(40)とを備えた調湿装置を対象とする。そして、この調湿装置は、上記第1調湿空間(37)における吸着部(51)の上流側に配置され、吸着剤を担持する第1の吸着熱交換器(61)と、上記第2調湿空間(38)における吸着部(52)の上流側に配置され、吸着剤を担持する第2の吸着熱交換器(62)とが接続され、上記切換機構(40)によって上記第2経路を形成し室内空気が流れる第1吸着熱交換器(61)で冷媒を蒸発させ室外空気が流れる第2吸着熱交換器(62)で冷媒を凝縮させることで第1吸着熱交換器(61)の冷媒を第2吸着熱交換器(62)に移動させる動作と、上記切換機構(40)によって第1経路を形成し室内空気が流れる第2吸着熱交換器(62)で冷媒を蒸発させ室外空気が流れる第1吸着熱交換器(61)で冷媒を凝縮させることで第2吸着熱交換器(62)の冷媒を第1吸着熱交換器(62)に移動させる動作とを交互に繰り返す加湿運転を行うように構成された冷媒流路(60)を備えていることを特徴とする。
【0011】
第1
及び第2の発明の調湿装置では、各調湿空間(37,38)に吸着熱交換器(61,62)と吸着部(51,52)とがそれぞれ配置される。各吸着熱交換器(61,62)は、吸着部(51,52)の上流側に配置され、冷媒流路(60)によって互いに接続される。冷媒流路(60)には、冷媒が充填される。切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路と第2経路とに切り換えると、これに伴い、冷媒が2つの吸着熱交換器(61,62)の間を往き来する。
【0012】
具体的に、例えば夏季において、空気の流通経路が第1経路に設定されるとする。この場合、比較的高温且つ高湿の室外空気が第1調湿空間(37)を流れ、比較的低温且つ低湿の室内空気が第2調湿空間(38)を流れる。
【0013】
第1調湿空間(37)では、高温高湿の室外空気が吸着熱交換器(以下、第1補助吸着熱交換器(61)という)を通過する。第1補助吸着熱交換器(61)の内部には、液冷媒が溜まっている。この冷媒は、室外空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室外空気から吸熱して蒸発する。これにより、第1補助吸着熱交換器(61)を通過した空気が、冷却及び除湿される。この室外空気は、第1調湿空間(37)の吸着部(51)で水分が吸着されて更に除湿された後、室内空間へ供給される。
【0014】
同時に、第2調湿空間(38)では、低温低湿の室内空気が吸着熱交換器(以下、第2補助吸着熱交換器(62)という)を通過する。このため、第1補助吸着熱交換器(61)で蒸発した冷媒は、第2補助吸着熱交換器(62)に移動して凝縮する。第2補助吸着熱交換器(62)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離する。以上のようにして水分が放出されて加熱された室内空気は、第2調湿空間(38)の吸着部(52)の再生に利用された後、室外空間へ排出される。
【0015】
一方、このような状態から、空気の流通経路が第2経路に切り換わったとする。この場合、高温高湿の室外空気が第2調湿空間(38)を流れ、低温低湿の室内空気が第1調湿空間(37)を流れる。
【0016】
第2調湿空間(38)では、高温高湿の室外空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過する。第2補助吸着熱交換器(62)の内部には、第1補助吸着熱交換器(61)側から移動して凝縮した液冷媒が溜まっている。この冷媒は、室外空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室外空気から吸熱して蒸発する。これにより、第2補助吸着熱交換器(62)を通過した空気が、冷却及び除湿される。この室外空気は、第2調湿空間(38)の吸着部(52)で水分が吸着されて更に除湿された後、室内空間へ供給される。
【0017】
同時に、第1調湿空間(37)では、低温低湿の室内空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過する。このため、上述のようにして、第2補助吸着熱交換器(62)で蒸発した冷媒は、第1補助吸着熱交換器(61)へ移動して凝縮する。第1補助吸着熱交換器(61)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離する。以上のように水分が放出されて加熱された室内空気は、第1調湿空間(37)の吸着部(51)の吸着剤の再生に利用された後、室外空間へ排出される。
【0018】
また、例えば冬季において、空気の流通経路が第1経路に設定されるとする。この場合、比較的低温且つ低湿の室外空気が第1調湿空間(37)を流れ、比較的高温且つ高湿の室内空気が第2調湿空間(38)を流れる。
【0019】
第2調湿空間(38)では、高温高湿の室内空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過する。第2補助吸着熱交換器(62)には、液冷媒が溜まっている。この冷媒は、室内空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、第2補助吸着熱交換器(62)に水分が付与されるとともに、室内空気が冷却される。この室内空気は、第2調湿空間(38)の吸着部(52)で水分が吸着された後、室外空間へ排出される。
【0020】
第1調湿空間(37)では、低温低湿の室外空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過する。このため、第2補助吸着熱交換器(62)で蒸発した冷媒は、第1補助吸着熱交換器(61)へ移動して凝縮する。第2補助吸着熱交換器(62)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離する。以上のようにして加熱及び加湿された室外空気は、第1調湿空間(37)の吸着部(51)で水分が放出されて更に加湿された後、室内空間へ供給される。
【0021】
一方、このような状態から、空気の流通経路が第2経路に切り換わったとする。この場合、低温低湿の室外空気が第2調湿空間(38)を流れ、高温高湿の室内空気が第1調湿空間(37)を流れる。
【0022】
第1調湿空間(37)では、高温高湿の室内空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過する。第1補助吸着熱交換器(61)には、第2補助吸着熱交換器(62)側から移動して凝縮した液冷媒が溜まっている。この冷媒は、室内空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、第1補助吸着熱交換器(61)に水分が付与されるとともに、室内空気が冷却される。この室内空気は、第1調湿空間(37)の吸着部(51)で水分が吸着された後、室外空間へ排出される。
【0023】
第2調湿空間(38)では、低温低湿の室外空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過する。このため、第1補助吸着熱交換器(61)で蒸発した冷媒は、第2補助吸着熱交換器(62)へ移動して凝縮する。第2補助吸着熱交換器(61)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離する。以上のようにして加熱及び加湿された室外空気は、第2調湿空間(38)の吸着部(52)で水分が放出されて更に加湿された後、室内空間へ供給される。
【0024】
第
3の発明は、第1
又は第2の発明において、上記冷媒流路(60)は、上記2つの吸着熱交換器(61,62)を閉ループ状に接続していることを特徴とする。
【0025】
第
3の発明では、2つの吸着熱交換器(61,62)が冷媒流路(60)において閉ループ状に接続される。このため、2つの調湿空間(37,38)のうちの一方の吸着熱交換器(61,62)で冷媒が凝縮し、他方の吸着熱交換器(62,61)で冷媒が蒸発した場合に、冷媒流路(60)内で冷媒を円滑に移動させることができる。
【0026】
第
4の発明は、第1
又は第2の発明において、上記冷媒流路(60)は、上記各吸着熱交換器(61,62)の両端部のうち一方の端部のみを互いに接続していることを特徴とする。
【0027】
第
4の発明では、2つの吸着熱交換器(61,62)の端部同士のみが連通するように冷媒流路(60)が構成される。
【0028】
第
5の発明は、第1乃至第
4のいずれか1つの発明において、上記各吸着部(51,52)は、各々が吸着剤を担持して該吸着剤を加熱又は冷却する熱媒体が流れる主吸着熱交換器(51,52)であることを特徴とする。
【0029】
第
5の発明では、吸着部(51,52)が、吸着剤を担持した主吸着熱交換器(51,52)で構成される。熱媒体が吸着剤を加熱した状態では、吸着剤から水分を放出させることができる。従って、例えば夏季の除湿運転では、主吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を再生できる。また、冬季の加湿運転では、主吸着熱交換器(51,52)で加湿した空気を室内へ供給できる。熱媒体が吸着剤を冷却した状態では、空気中の水分を吸着剤に吸着させることができる。従って、例えば夏季の除湿運転では、主吸着熱交換器(51,52)で除湿した空気を室内へ供給できる。また、冬季の加湿運転では、主吸着熱交換器(51,52)に水分を付与させることができる。
【発明の効果】
【0030】
第1及び第2の発明では、各調湿空間(37,38)に配置した吸着部(51,52)の上流側にそれぞれ吸着熱交換器(61,62)を配置し、これらの吸着熱交換器(61,62)を冷媒流路(60)に接続している。そして、各調湿空間(37,38)を流れる空気の流通経路を切換機構(40)によって切り換えるようにしている。これにより、室外空気と室内空気の温度差を利用して、2つの吸着熱交換器(61,62)の間で冷媒を交互に蒸発又は凝縮させることができる。その結果、冷媒流路(60)にポンプや圧縮機等の冷媒の搬送源を用いることなく、2つの吸着熱交換器(61,62)の間で冷媒を往き来させて空気を除湿又は加湿できる。その結果、この調湿装置の運転動力を増大させることなく、調湿能力を向上できる。
【0031】
また、第
3の発明では、冷媒流路(60)を閉ループ状としているため、2つの吸着熱交換器(61,62)の間で冷媒を円滑に往き来させることができる。
【0032】
また、第
4の発明では、各吸着熱交換器(61,62)の端部同士のみを接続する冷媒流路(60)としているので、この冷媒流路(60)の簡素化を図ることができる。
【0033】
第
5の発明では、冷媒流路(60)に接続した吸着熱交換器(61,62)の下流側において、更に主吸着熱交換器(51,52)を利用して空気を除湿又は加湿することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0036】
《発明の実施形態1》
実施形態1の調湿装置(10)は、室内空間の湿度調節と共に室内空間の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内空間へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外空間へ排出する。
【0037】
〈調湿装置の全体構成〉
調湿装置(10)について、
図1を参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
【0038】
調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、主冷媒回路(50)と補助冷媒回路(60)とが収容されている。主冷媒回路(50)には、第1主吸着熱交換器(51)、第2主吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。主冷媒回路(50)及び補助冷媒回路(60)の詳細は後述する。
【0039】
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。このケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。
【0040】
外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、ケーシング(11)の背面パネル部(13)に設けられている。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に設けられている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に設けられている。給気口(22)は、ケーシング(11)の第1側面パネル部(14)に設けられている。第1側面パネル部(14)において、給気口(22)は、ケーシング(11)の前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、ケーシング(11)の第2側面パネル部(15)に設けられている。第2側面パネル部(15)において、排気口(21)は、前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
【0041】
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)とが設けられている。これらの仕切板(71〜73)は、何れもケーシング(11)の底板に起立した状態で設置されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
【0042】
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。中央仕切板(73)の配置については、後述する。
【0043】
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内空間と連通している。外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間と連通している。
【0044】
内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と、内気温度センサ(91)と、内気湿度センサ(92)とが設置されている。内気温度センサ(91)は、内気側通路(32)を流れる室内空気の温度を計測する。内気湿度センサ(92)は、内気側通路(32)を流れる室内空気の相対湿度を計測する。一方、外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と、外気温度センサ(93)と、外気湿度センサ(94)とが設置されている。外気温度センサ(93)は、外気側通路(34)を流れる室外空気の温度を計測する。外気湿度センサ(94)は、外気側通路(34)を流れる室外空気の相対湿度を計測する。なお、
図3〜6では、内気温度センサ(91)、内気湿度センサ(92)、外気温度センサ(93)、及び外気湿度センサ(94)の図示を省略している。
【0045】
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)は、第1の調湿空間を構成し、第2熱交換器室(38)は、第2の調湿空間を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1補助吸着熱交換器(61)と第1主吸着熱交換器(51)とが収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2補助吸着熱交換器(62)と第2主吸着熱交換器(52)とが収容されている。第1補助吸着熱交換器(61)は、第1熱交換器室(37)において、第1主吸着熱交換器(51)の上流側に配置されている。第2補助吸着熱交換器(62)は、第2熱交換器室(38)において、第2主吸着熱交換器(52)の上流側に配置されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、主冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
【0046】
各主吸着熱交換器(51,52)及び各補助吸着熱交換器(61,62)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものである。これらの吸着熱交換器(51,52,61,62)は、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。そして、これらの吸着熱交換器(51,52,61,62)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に起立した状態で設置されている。
【0047】
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
【0048】
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が四つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。上流側仕切板(71)に設けられた四つのダンパ(41〜44)は、空気の流通経路を切り換える切換機構(40)を構成している。
【0049】
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が四つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。下流側仕切板(72)に設けられた四つのダンパ(45〜48)は、空気の流通経路を切り換える切換機構(40)を構成している。
【0050】
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
【0051】
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
【0052】
給気ファン室(36)には、主冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
【0053】
〈主冷媒回路の構成〉
図2に示すように、主冷媒回路(50)は、第1主吸着熱交換器(51)、第2主吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この主冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。即ち、主冷媒回路(50)には、各主吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を加熱又は冷却する熱媒体が循環する。また、図示しないが、主冷媒回路(50)には、複数の温度センサ及び圧力センサが取り付けられている。
【0054】
主冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、主冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1主吸着熱交換器(51)と、電動膨張弁(55)と、第2主吸着熱交換器(52)とが配置されている。
【0055】
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(
図2(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(
図2(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
【0056】
圧縮機(53)は、圧縮機構とそれを駆動する電動機とが一つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。この圧縮機(53)の電動機には、インバータを介して交流電力が供給される。インバータの出力周波数(即ち、圧縮機の運転周波数)を変更すると、電動機とそれによって駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、圧縮機(53)の運転容量が変化する。
【0057】
〈補助冷媒回路の構成〉
図2に示すように、補助冷媒回路(60)は、第1補助吸着熱交換器(61)及び第2補助吸着熱交換器(62)が接続された閉回路である。補助冷媒回路(60)は、冷媒が充填された冷媒流路を構成している。補助冷媒回路(60)は、主冷媒回路(50)と異なり、冷媒を循環させるための圧縮機が設けられていない。補助冷媒回路(60)では、各補助吸着熱交換器(61,62)を通過する空気の温度差を利用して冷媒が自然に移動する(詳細は後述する)。本実施形態の補助冷媒回路(60)は、各補助吸着熱交換器(61,62)を閉ループ状に接続している。補助冷媒回路(60)には、第1配管(63)と第2配管(64)とが接続されている。第1配管(63)は、各補助吸着熱交換器(61,62)の両端部のうち近い側の端部同士を接続している。第2配管(64)は、各補助吸着熱交換器(61,62)の両端部のうち遠い側の端部同士を接続している。第1配管(63)は、第2配管(64)よりも配管の長さが短くなっている。また、第1配管(63)及び第2配管(64)は、毛管現象により冷媒を移送できるような毛細管構造となっている。
【0058】
〈コントローラの構成〉
調湿装置(10)には、制御器であるコントローラ(90)が設けられている(
図2を参照)。コントローラ(90)には、内気湿度センサ(92)、内気温度センサ(91)、外気湿度センサ(94)、及び外気温度センサ(93)の計測値が入力されている。また、コントローラ(90)には、主冷媒回路(50)に設けられた温度センサや圧力センサの計測値が入力されている。コントローラ(90)は、入力されたこれらの計測値に基づいて、調湿装置(10)の運転制御を行う。
【0059】
コントローラ(90)は、調湿装置(10)の運転を、後述する除湿運転と加湿運転と低能力運転と単純換気運転とに切り換える。また、コントローラ(90)は、これらの運転中において、各ダンパ(41〜48)、各ファン(25,26)、圧縮機(53)、電動膨張弁(55)、及び四方切換弁(54)の動作を制御する。
【0060】
−運転動作−
本実施形態の調湿装置(10)は、除湿運転と、加湿運転とを選択的に行う。除湿運転および加湿運転は、圧縮機(53)が作動し且つ切換機構(40)が空気の流通経路を切り換える運転である。
【0061】
除湿運転及び加湿運転のそれぞれでは、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が作動する。そして、調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を供給空気(SA)として室内空間へ供給し、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外空間へ排出する。
【0062】
〈除湿運転〉
除湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。また、主冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。そして、除湿運転中の調湿装置(10)は、後述する第1バッチ動作と第2バッチ動作を3分間ずつ交互に繰り返し行う。
【0063】
先ず、除湿運転の第1バッチ動作について説明する。
【0064】
図3に示すように、除湿運転の第1バッチ動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第2経路に設定する。具体的には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1バッチ動作では、主冷媒回路(50)が第1冷凍サイクル動作を行う。つまり、主冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(
図2(A)に示す状態)に設定され、第1主吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2主吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。また、第1バッチ動作では、第1補助吸着熱交換器(61)が凝縮器となって第2補助吸着熱交換器(62)が蒸発器となる。
【0065】
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した室外空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入する。同時に、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した室内空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入する。
【0066】
第2熱交換器室(38)では、まず、室外空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過する。第2補助吸着熱交換器(62)には、液冷媒が残存している。室外空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過すると、第2補助吸着熱交換器(62)に存在する液冷媒は、室外空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室外空気から吸熱して蒸発する。
【0067】
一方、第1熱交換器室(37)には、室外空気よりも温度と絶対湿度とが低い室内空気が流れている。このため、第2補助吸着熱交換器(62)において蒸発した冷媒は、補助冷媒回路(60)の第1配管(63)を流れて第1補助吸着熱交換器(61)に移動して凝縮する。第1補助吸着熱交換器(61)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離して室内空気へ付与される。また、第1補助吸着熱交換器(61)では、冷媒によって第2補助吸着熱交換器(62)から搬送されてきた熱が、室内空気へ放出される。
【0068】
その後、第2熱交換器室(38)では、第2補助吸着熱交換器(62)で除湿及び冷却された第1空気が、第2主吸着熱交換器(52)を通過する。第2主吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸収される。第2主吸着熱交換器(52)において更に除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
【0069】
また、第1熱交換器室(37)では、第1補助吸着熱交換器(61)において水分が付与され且つ加熱された第2空気が、第1主吸着熱交換器(51)を通過する。第1主吸着熱交換器(51)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1主吸着熱交換器(51)において水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
【0070】
次に、除湿運転の第2バッチ動作について説明する。
【0071】
図4に示すように、除湿運転の第2バッチ動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路に設定する。具体的には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2バッチ動作では、主冷媒回路(50)が第2冷凍サイクル動作を行う。つまり、主冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(
図2(B)に示す状態)に設定され、第1主吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2主吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。また、第2バッチ動作では、第2補助吸着熱交換器(62)が凝縮器となって第1補助吸着熱交換器(61)が蒸発器となる。
【0072】
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入する。同時に、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入する。
【0073】
第1熱交換器室(37)では、まず、室外空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過する。第1補助吸着熱交換器(61)には、上述した第1バッチ動作において、第2補助吸着熱交換器(62)側から移動して凝縮した液冷媒が溜まっている。室外空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過すると、第1補助吸着熱交換器(61)に存在する液冷媒は、室外空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室外空気から吸熱して蒸発する。
【0074】
一方、第2熱交換器室(38)には、室外空気よりも温度と絶対湿度とが低い室内空気が流れている。このため、第1補助吸着熱交換器(61)において蒸発した冷媒は、補助冷媒回路(60)の第1配管(63)を流れて第2補助吸着熱交換器(62)に移動して凝縮する。第2補助吸着熱交換器(62)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離して室内空気へ付与される。また、第2補助吸着熱交換器(62)では、冷媒によって第1補助吸着熱交換器(61)から搬送されてきた熱が、室内空気へ放出される。
【0075】
その後、第1熱交換器室(37)では、第1補助吸着熱交換器(61)で除湿及び冷却された第1空気が、第1主吸着熱交換器(51)を通過する。第1主吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸収される。第1主吸着熱交換器(51)において更に除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
【0076】
また、第2熱交換器室(38)では、第2補助吸着熱交換器(62)において水分が付与され且つ加熱された第2空気が、第2主吸着熱交換器(52)を通過する。第2主吸着熱交換器(52)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2主吸着熱交換器(52)において水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
【0077】
その後、第2バッチ動作から第1バッチ動作へ切り換わると、第2補助吸着熱交換器(62)で蒸発した冷媒が、第1補助吸着熱交換器(61)に移動して凝縮し、上述のように第1動作が再び行われる。
【0078】
〈加湿運転〉
加湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。また、主冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。そして、加湿運転中の調湿装置(10)は、後述する第1バッチ動作と第2バッチ動作を4分間隔で交互に繰り返し行う。
【0079】
先ず、加湿運転の第1バッチ動作について説明する。
【0080】
図5に示すように、加湿運転の第1バッチ動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路に設定する。具体的には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1バッチ動作では、主冷媒回路(50)が第1冷凍サイクル動作を行う。つまり、主冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(
図2(A)に示す状態)に設定され、第1主吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2主吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。また、第1バッチ動作では、第1補助吸着熱交換器(61)が凝縮器となって第2補助吸着熱交換器(62)が蒸発器となる。
【0081】
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入する。同時に、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入する。
【0082】
第2熱交換器室(38)では、まず、室内空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過する。第2補助吸着熱交換器(62)には、液冷媒が残存している。室内空気が第2補助吸着熱交換器(62)を通過すると、第2補助吸着熱交換器(62)に存在する液冷媒は、室内空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室内空気から吸熱して蒸発する。
【0083】
一方、第1熱交換器室(37)には、室内空気よりも温度と絶対湿度とが低い室外空気が流れている。このため、第2補助吸着熱交換器(62)において蒸発した冷媒は、補助冷媒回路(60)の第1配管(63)を流れて第1補助吸着熱交換器(61)に移動して凝縮する。第1補助吸着熱交換器(61)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離して室外空気へ付与される。また、第1補助吸着熱交換器(61)では、冷媒によって第2補助吸着熱交換器(62)から搬送されてきた熱が、室外空気へ放出される。
【0084】
その後、第2熱交換器室(38)では、第2補助吸着熱交換器(62)の吸着剤に水分を奪われて冷却された第1空気が、第2主吸着熱交換器(52)を通過する。第2主吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸収される。第2主吸着熱交換器(52)において水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
【0085】
また、第1熱交換器室(37)では、第1補助吸着熱交換器(61)で加湿及び加熱された第2空気が、第1主吸着熱交換器(51)を通過する。第1主吸着熱交換器(51)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1主吸着熱交換器(51)において加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
【0086】
次に、加湿運転の第2バッチ動作について説明する。
【0087】
図6に示すように、加湿運転の第2バッチ動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第2経路に設定する。具体的には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2バッチ動作では、主冷媒回路(50)が第2冷凍サイクル動作を行う。つまり、主冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(
図2(B)に示す状態)に設定され、第1主吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2主吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。また、第2バッチ動作では、第2補助吸着熱交換器(62)が凝縮器となって第1補助吸着熱交換器(61)が蒸発器となる。
【0088】
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入する。同時に、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入する。
【0089】
第1熱交換器室(37)では、まず、室内空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過する。第1補助吸着熱交換器(61)には、上述した第1バッチ動作において、第2補助吸着熱交換器(62)側から移動して凝縮した液冷媒が溜まっている。室内空気が第1補助吸着熱交換器(61)を通過すると、第1補助吸着熱交換器(61)に存在する液冷媒は、室内空気中の水分が吸着剤に吸着される際に生じる吸着熱を吸収し、更には室内空気から吸熱して蒸発する。
【0090】
一方、第2熱交換器室(38)には、室内空気よりも温度と絶対湿度とが低い室外空気が流れている。このため、第1補助吸着熱交換器(61)において蒸発した冷媒は、補助冷媒回路(60)の第1配管(63)を流れて第2補助吸着熱交換器(62)に移動して凝縮する。第2補助吸着熱交換器(62)では、冷媒から放出された凝縮熱によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水分が脱離して室外空気へ付与される。また、第2補助吸着熱交換器(62)では、冷媒によって第1補助吸着熱交換器(61)から搬送されてきた熱が、室外空気へ放出される。
【0091】
その後、第1熱交換器室(37)では、第1補助吸着熱交換器(61)の吸着剤に水分を奪われて冷却された第1空気が、第1主吸着熱交換器(51)を通過する。第1主吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸収される。第1主吸着熱交換器(51)において水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
【0092】
また、第2熱交換器室(38)では、第2補助吸着熱交換器(62)で加湿及び加熱された第2空気が、第2主吸着熱交換器(52)を通過する。第2主吸着熱交換器(52)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2主吸着熱交換器(52)において加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
【0093】
その後、第2バッチ動作から第1バッチ動作へ切り換わると、第2補助吸着熱交換器(62)で蒸発した冷媒が、第1補助吸着熱交換器(61)に移動して凝縮し、上述のような第1動作が再び行われる。
【0094】
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、除湿運転時において、室外空気を補助吸着熱交換器(61,62)で除湿及び冷却してから主吸着熱交換器(51,52)で更に除湿するようにしている。従って、この調湿装置(10)の除湿能力を向上できる。また、加湿運転時において、室外空気を補助吸着熱交換器(61,62)で加湿及び加熱してから主吸着熱交換器(51,52)で更に加湿するようにしている。従って、この調湿装置(10)の加湿能力を向上できる。
【0095】
また、上述した除湿運転や加湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とを交互に切り換えることで、室外空気と室内空気の温度差を利用して、冷媒を移動させることができる。即ち、本実施形態では、高温側の空気が流れる補助吸着熱交換器(61,62)で冷媒を蒸発させ、同時に低温側の空気が流れる補助吸着熱交換器(62,61)で冷媒を凝縮させることで、両者の補助吸着熱交換器(61,62)の間で冷媒を相互に移動させることができる。従って、この調湿装置(10)の運転動力を低減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
【0096】
また、実施形態1では、補助冷媒回路(60)において、2つの補助吸着熱交換器(61,62)を閉ループ状に接続している。このため、2つの補助吸着熱交換器(61,62)の間において、冷媒を円滑に移動させることができる。その結果、各補助吸着熱交換器(61,62)での冷媒の蒸発及び凝縮を促すことができ、調湿能力を向上できる。
【0097】
〈実施形態1の変形例〉
図7に示す変形例は、上述した実施形態1において、補助冷媒回路(60)の構成が異なるものである。この変形例の補助冷媒回路(60)では、各補助吸着熱交換器(61,62)の両端部のうち近い側の端部が第1配管(63)を介して互いに接続される一方、該両端部のうち遠い側の端部は閉塞部(66,67)によって封止されている。つまり、この補助冷媒回路(60)は、各補助吸着熱交換器(61,62)の両端部のうち一方の端部のみが互いに接続されている。これにより、この変形例では、補助冷媒回路(60)の簡素化を図ることができる。
【0098】
この変形例においても、上述した実施形態1と同様にして、除湿運転や加湿運転が行われる。つまり、除湿運転の第1バッチ動作では、室外空気から吸熱して第2補助吸着熱交換器(62)で蒸発した冷媒が、第1配管(63)を経由して第1補助吸着熱交換器(61)へ移動し、室内空気へ放熱して凝縮する。また、除湿運転の第2バッチ動作では、室外空気から吸熱して第1補助吸着熱交換器(61)で蒸発した冷媒が、第1配管(63)を経由して第2補助吸着熱交換器(62)へ移動し、室内空気へ放熱して凝縮する。
【0099】
また、加湿運転の第1バッチ動作では、室内空気から吸熱して第2補助吸着熱交換器(62)で蒸発した冷媒が、第1配管(63)を経由して第1補助吸着熱交換器(61)へ移動し、室外空気へ放熱して凝縮する。また、加湿運転の第2バッチ動作では、室内空気から吸熱して第1補助吸着熱交換器(61)で蒸発した冷媒が、第1配管(63)を経由して第2補助吸着熱交換器(62)へ移動し、室外空気へ放熱して凝縮する。
【0100】
《
参考形態》
参考形態の調湿装置(10)は、室内空間の湿度調節と共に室内空間の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内空間へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外空間へ排出する。
【0101】
図8及び
図9に示すように、
参考形態に係る調湿装置(10)は、上記実施形態1の補助冷媒回路(60)が省略された構成となっている。一方、
参考形態では、第1熱交換器室(37)に第1吸着素子(81)が収容され、第2熱交換器室(38)に第2吸着素子(82)が収容されている。第1吸着素子(81)は、第1熱交換器室(37)において、第1主吸着熱交換器(51)の上流側に配置されている。第2吸着素子(82)は、第2熱交換器室(38)において、第2主吸着熱交換器(52)の上流側に配置されている。各吸着素子(81,82)は、空気が流通可能な基材の表面に水分を吸着及び放出する吸着剤が担持されて構成される。
【0102】
参考形態の除湿運転では、実施形態1と同様にして、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に行われる。つまり、除湿運転の第1バッチ動作では、空気の流通経路が第2経路に設定されると同時に、
図9(A)に示す第1冷凍サイクル動作が行われる。また、除湿運転の第2バッチ動作では、空気の流通経路が第1経路に設定されると同時に、
図9(B)に示す第2冷凍サイクル動作が行われる。
【0103】
除湿運転の第1バッチ動作では、第1空気である室外空気が第2熱交換器室(38)へ流入する。同時に、第2空気である室内空気が第1熱交換器室(37)へ流入する。
【0104】
第2熱交換器室(38)では、室外空気が第2吸着素子(82)を通過する。第2吸着素子(82)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着されるとともに、室外空気の熱が第2吸着素子(82)に付与される。第2吸着素子(82)で除湿及び冷却された第1空気は、蒸発器の状態の第2主吸着熱交換器(52)で更に除湿されて室内空間へ供給される。
【0105】
一方、第1熱交換器室(37)では、室内空気が第1吸着素子(81)を通過する。第1吸着素子(81)では、吸着剤の水分及び熱が室内空気へ放出される。第1吸着素子(81)を通過した第2空気は、凝縮器の状態の第1主吸着熱交換器(51)の吸着剤から水分を奪った後、室外空間へ排出される。
【0106】
次いで、除湿運転の第2バッチ動作では、第1空気である室外空気が第1熱交換器室(37)へ流入する。同時に、第2空気である室内空気が第2熱交換器室(38)へ流入する。
【0107】
第1熱交換器室(37)では、室外空気が第1吸着素子(81)を通過する。この第1吸着素子(81)は、上述した第1バッチ動作において、水分及び熱が室内空気へ奪われた状態となっている。このため、第1吸着素子(81)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着されるとともに、室外空気の熱が第1吸着素子(81)に付与される。第1吸着素子(81)で除湿及び冷却された第1空気は、蒸発器の状態の第1主吸着熱交換器(51)で更に除湿されて室内空間へ供給される。
【0108】
一方、第2熱交換器室(38)では、室内空気が第2吸着素子(82)を通過する。第2吸着素子(82)は、上述した第1バッチ動作において、室外空気の水分及び熱が付与された状態となっている。このため、第2吸着素子(82)では、水分及び熱が室内空気へ放出される。第2吸着素子(82)を通過した第2空気は、凝縮器の状態の第2主吸着熱交換器(52)の吸着剤から水分を奪った後、室外空間へ排出される。
【0109】
参考形態の加湿運転では、実施形態1と同様にして、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に行われる。つまり、加湿運転の第1バッチ動作では、空気の流通経路が第1経路に設定されると同時に、
図9(A)に示す第1冷凍サイクル動作が行われる。また、加湿運転の第2バッチ動作では、空気の流通経路が第2経路に設定されると同時に、
図9(B)に示す第2冷凍サイクル動作が行われる。
【0110】
加湿運転の第1バッチ動作では、第1空気である室内空気が第2熱交換器室(38)へ流入する。同時に、第2空気である室外空気が第1熱交換器室(37)へ流入する。
【0111】
第2熱交換器室(38)では、室内空気が第2吸着素子(82)を通過する。第2吸着素子(82)では、室内空気中の水分が吸着剤に吸着されるとともに、室内空気の熱が第2吸着素子(82)に付与される。第2吸着素子(82)に水分及び熱が奪われた第1空気は、蒸発器の状態の第1主吸着熱交換器(51)で更に水分が奪われた後、室外空間へ排出される。
【0112】
一方、第1熱交換器室(37)では、室外空気が第1吸着素子(81)を通過する。第1吸着素子(81)では、吸着剤の水分及び熱が室外空気へ放出される。第2吸着素子(82)で加湿及び加熱された第2空気は、凝縮器の状態の第1主吸着熱交換器(51)で更に加湿された後、室内空間へ供給される。
【0113】
次いで、加湿運転の第2バッチ動作では、第1空気である室内空気が第1熱交換器室(37)へ流入する。同時に、第2空気である室外空気が第2熱交換器室(38)へ流入する。
【0114】
第1熱交換器室(37)では、室内空気が第1吸着素子(81)を通過する。この第1吸着素子(81)は、上述した第1バッチ動作において、吸着剤の水分及び熱が室外空気へ奪われた状態となっている。このため、第1吸着素子(81)では、室内空気中の水分が吸着剤に吸着されるとともに、室内空気の熱が第1吸着素子(81)に付与される。第1吸着素子(81)で水分及び熱が奪われた第1空気は、蒸発器の状態の第1主吸着熱交換器(51)で更に水分が奪われた後、室外空間へ排出される。
【0115】
一方、第2熱交換器室(38)では、室外空気が第2吸着素子(82)を通過する。第2吸着素子(82)は、上述した第1バッチ動作において、室内空気の水分及び熱が付与された状態となっている。このため、第2吸着素子(82)では、水分及び熱が室外空気へ放出される。第2吸着素子(82)を通過した第2空気は、凝縮器の状態の第2主吸着熱交換器(52)で更に加湿された後、室内空間へ供給される。
【0116】
−
参考形態の効果−
上記
参考形態によれば、除湿運転時において、上述した第1バッチ動作と第2バッチ動作とを切り換えることで、室外空気の水分や熱を吸着素子(81,82)に付与した後、これらの水分や熱を室外へ排出できる。その結果、この調湿装置(10)の除湿能力を向上できる。また、加湿運転時において、上述した第1バッチ動作と第2バッチ動作とを切り換えることで、室内空気の水分や熱を吸着素子(81,82)に付与した後、これらの水分や熱を室内へ供給できる。これにより、この調湿装置(10)の加湿能力を向上できる。
【0117】
また、
参考形態においても、主冷媒回路(50)とは別に圧縮機やポンプ等を設ける必要がないため、調湿装置(10)の運転動力を低減できる。従って、この調湿装置(10)の省エネ性を向上できる。
【0118】
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、水分を吸着及び放出して空気を調湿するための吸着部として、主吸着熱交換器(51,52)を用いている。しかしながら、このような吸着部として、空気の加熱機構と吸着ロータとを組み合わせた方式等の他の方式を採用してもよい。