【実施例1】
【0010】
図1は第1の実施例を示すシステム構成図で、図において1は監視カメラ、2は(Digital Video Recorder)等の記憶装置、3は蓄積サーバ、4は閲覧PCであり、前記記憶装置2、動画保官装置としての蓄積サーバ3、閲覧PC4はネットワーク(通信回線)5に接続されていて、互いに通信可能になっている。
【0011】
監視カメラ1は店舗や建造物内の所定の監視位置に設置されていて、記憶装置2に接続されている。この監視カメラ1で撮影された動画(映像)は監視カメラ1を特定するため識別子(以下、カメラ番号)及び撮影日時のデータと共に記憶装置2に送られる。尚、撮影日時のデータは動画の1コマの画像ごとに付加されている。また、監視カメラ1は、図では1台のみを示しているが、同一店舗内や建造物内に複数設置されていてもよい。
記憶装置2は監視カメラ1で撮影された動画(映像)をカメラ番号及び撮影日時のデータと共に一時的に記憶する装置である。
【0012】
図2は蓄積サーバ3の構成を示すブロック図で、この図に示すように蓄積サーバ3は制御部31、記憶部32及び動画保管部33を有し、制御部31は記憶部32に記憶された制御プログラムに基づいて記憶装置2に記憶されている動画とカメラ番号及び撮影日時のデータを定期的に取得し、動画保管部33に蓄積保管する機能を有している。
【0013】
図3は閲覧PC4の構成を示すブロック図で、この閲覧PC4は、蓄積サーバに蓄積保管された動画を視聴する端末装置であり、マウスやキーボード等の入力部41、蓄積サーバ3から動画を取得するための操作画面や取得した動画等を表示する表示部(モニタ)42、動画をCD等の媒体に記録(出力)するための記録部43、本発明に必要な画面データや制御プログラム等を記憶すると共に後述するマーキングデータとカメラ番号及び撮影日時を対応付けた画像検索用の一覧表データ等を記憶する記憶部44、これらを制御する制御部45等を備えている。
【0014】
上述した構成の作用について説明する。尚、以下に説明するカメラ1及び記憶装置2の動作は、それぞれに具備された図示しない記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて図示しない各々の制御部により制御されるものとする。
また、閲覧PC3及び蓄積サーバ4の動作は、それぞれの記憶部32及び44に格納されている制御プログラムに基づいて各々の制御部31及び45により制御されるものとする。
【0015】
まず、監視カメラ1で撮影された動画(映像)はカメラ番号及び撮影日時のデータと共に記憶装置2に送られ、記憶装置2は監視カメラ1から送られてきた動画をカメラ番号及び撮影日時のデータと共に一時的に記憶する。蓄積サーバ3は記憶装置2に対して未収集の動画の要求を定期的に送り、その要求に対して記憶装置2から送られてくる動画とカメラ番号及び撮影日時のデータを動画保管部33に蓄積保管する。
【0016】
閲覧PC4の操作者は、閲覧PC4の入力部41を操作して、マーキング処理していない動画を蓄積サーバ3に要求する。この場合、マーキング処理していない動画を指定するデータとしては撮影日時等を用いることができる。この要求に対して蓄積サーバ3の制御部31は該当する動画を動画保管部33から読みだして閲覧PC4に転送し、閲覧PC4では蓄積サーバ3から送られてきた動画を表示部42に表示する。それを見て操作者は後で再生や媒体への記録が必要な画像、例えば不審者が写っている画像に対して入力部41の操作によりマーキング処理を行う。
【0017】
例えば、不審者が現れた箇所で「開始位置」であることを画面上のメニューやボタン等から指示することにより、動画の当該フレームに対して開始のマークを指定する。同様に不審者がいなくなった箇所で「終了位置」であることを指示することにより、動画の当該フレームに対して終了のマークを指定する。指定されたマークは、マーキングデータとして記憶部44に記憶される。マーキングデータは、対応する動画ファイル名と、開始または終了の区別、および、当該動画ファイルの何フレーム目であるか、また先頭からの経過時間、撮影時の実時間、等からなるものとする。マーキングデータを参照することにより、当該ファイルのどの位置から、どの位置までが指定された範囲であるのかを特定することができる。またさらに、1対の開始および終了のマーキング操作に対してシーケンシャルな番号を付与し、マーキングデータとして記憶する。これにより、1つのファイルに対して複数のマーキングを行うことが可能となっている。
【0018】
図4は画像のマーキング例を示す図で、ここでは同一店舗内や建造物内の別々の場所、例えば、銀行の入り口付近を撮影する場所とATMブースを撮影する場所に設置された2台の監視カメラ1(以下、カメラ1a、1bとする)の動画の場面(画像)に対してマーキング処理した例を示しており、図中の各場面は動画の1コマ毎の画像である。
図4の例では、カメラ1aで撮影した動画(連続画像)に対して、“場面2”から“場面n”にマーク1をマーキング(付与)するものとして、その先頭の“場面2”に開始の「マーク1 Start」を、後尾の“場面n”に終了の「マーク1 End」をそれぞれマーキングしている。
【0019】
また、カメラ1bで撮影した動画(連続画像)に対しては、“場面4”から“場面n+1” にマーク2をマーキング(付与)するものとして、その先頭の“場面4”に開始の「マーク2 Start」を、後尾の“場面n+1”に終了の「マーク2 End」をそれぞれマーキングしている。
この場合のマーク1とマーク2のマーク番号である「1」と「2」はシーケンシャルな番号(連続番号)で、例えばカメラ1aや1bで撮影した動画の他の場面に対して次にマーキングする場合は、その先頭の場に「マーク3 Start」が、後尾の場面に終了の「マーク3 End」がそれぞれマーキングされることになる。
【0020】
このように、随時マーキングが行われると、閲覧PC4の制御部31は、「マーク1 Start」、 「マーク1 End」のマーキングデータにカメラ番号及び撮影日時のデータを対応付け、また「マーク2 Start」、 「マーク2 End」のマーキングデータにカメラ番号及び撮影日時のデータを対応付けて、記憶部44の画像検索用一覧表に登録する。他の場面に「マーク3 Start」、「マーク3 End」がマーキングされた場合も同様である。
【0021】
次に、画像の再生や媒体への記録を行う場合、閲覧PC4の操作者は、閲覧PC4の入力部41を操作して、画像検索用一覧表の表示を指示し、これにより制御部45が画像検索用一覧表の表示部42に表示すると、操作者は画像検索用一覧表の中から先頭と後尾の少なくとも2つのマーキングデータを選択する。これにより選択されたマーキングデータに対応付けられたカメラ番号と撮影日時のデータが画像指定データとして画像転送要求と共に閲覧PC4から蓄積サーバ3に送られ、蓄積サーバ3の制御部31は、前記2つの先頭と後尾のマーキングデータ間の画像を動画保管部33を検索して、検索した画像を閲覧PC4に転送し、閲覧PC4の制御部45はその画像を表示部42に表示する。
【0022】
例えば、マーク番号と先頭を示す「マーク1 Start」、マーク番号と後尾を示す「マーク1 End」のマーキングデータを選択すると、それに対応するカメラ番号と撮影日時のデータが画像転送要求と共に蓄積サーバに送られる。蓄積サーバ3からカメラ1aで撮影した動画の “場面2”から“場面n”までの画像が転送されてきて、表示部42に表示される。同様に「マーク2 Start」、「マーク2 End」のマーキングデータを選択した場合は、それに対応するカメラ番号と撮影日時のデータが画像指定データとして画像転送要求と共に蓄積サーバに送られ、蓄積サーバ3はカメラ番号と撮影日時のデータを基にカメラ1bで撮影した動画の “場面4”から“場面n+1”までの画像を検索する。検索した画像は蓄積サーバ3から閲覧PC4に転送され、閲覧PC4の表示部42に表示される。
【0023】
また、マーク1とマーク2の2種類について、マーク1の先頭を示す「マーク1 Start」と、マーク2の後尾を示す「マーク2 End」のマーキングデータを選択した場合は、「マーク1 Start」、「マーク1 End」に対応するカメラ番号と撮影日時のデータ及び「マーク2 Start」、「マーク2 End」に対応するカメラ番号と撮影日時のデータが画像指定データとして画像転送要求と共に蓄積サーバ3に送られ、これにより蓄積サーバ3は前記と同様にカメラ1aで撮影した動画の “場面2”から“場面n”までの画像と、カメラ1bで撮影した動画の “場面4”から“場面n+1”までの画像を検索して、蓄積サーバ3から閲覧PC4に転送され、閲覧PC4の表示部42に表示される。この場合もカメラ1aで撮影した動画の “場面2”から“場面n”までの画像と、カメラ1bで撮影した動画の “場面4”から“場面n+1”までの画像が表示部の同一画面に表示される。
【0024】
あるいは、カメラ1a、b両方の動画を撮影時の実時間を同期させつつ再生し、両方の動画について場面2から場面N+1までを再生してもよい。この場合、一方の動画についてはマークした範囲外も再生されることになるが、それにより不審者に関し新たな情報を得られる可能性がある。すなわち、他方の動画で不審者がいると判断されている時間帯の動画であるので、その動画を単独で確認した場合は気づかなかった重要情報が記録されていた場合に、それと気づくことが期待される。
【0025】
また、この他にも、カメラ1aで撮影した動画の「マーク1 Start」、「マーク1 End」の場面以外の場面に、例えば「マーク3 Start」、「マーク3 End」が付与された場合、「マーク1 Start」と「マーク3 End」のマーキングデータを選択した場合は、「マーク1 Start」、「マーク1 End」に対応するカメラ番号と撮影日時のデータ、「マーク2 Start」、「マーク2 End」に対応するカメラ番号と撮影日時のデータ、及び「マーク3 Start」、「マーク3 End」に対応するカメラ番号と撮影日時のデータが画像指定データとして画像転送要求と共に蓄積サーバ3に送られ、その画像指定データに対応する場面間の画像が蓄積サーバ3から転送されてきて、閲覧PC4の表示部42に表示される。この場合も画像指定データに対応する各画像は表示部42の同一画面に表示される。
【0026】
つまり、本実施例では、シーケンシャルなマーク番号及び開始と終了を選択することで、複数の監視カメラ1で撮影した動画の内、選択されたマーク番号とそのマーク番号の先頭と後尾のデータに該当する画像及びその画像間の画像が送られてくるように転送方法が閲覧PC4に設定されていて記憶部44に保存されており、この転送方法により閲覧PC4で蓄積サーバ3から必要な画像を取得して表示部に再生表示するようにしている。表示部に表示された画像は閲覧PC4の入力部の操作により繰り返して再生可能である。
【0027】
あるいは、選択された複数のマーク番号について、マーク番号ごとの開始と終了の範囲が重なっている場合は連続したマークとして扱い、指定されたマークが複数のファイルに対応するものである場合は、それら複数のファイルをいずれも、前記連続したマークの範囲について再生表示する。
また、表示部に表示された画像をCDなどの媒体に出力して記録する場合は、媒体を閲覧PC4の記録部44にセットし、入力部41を操作して記録を指示すると、記録部44により媒体に画像を記録することができる。この場合、記録する画像は、入力部41でマーク番号を指定することで選択可能である。
【0028】
以上説明した第1の実施例によれば、閲覧PC4で動画内の必要画像の先頭と後尾の画像にマーク1、マーク2等の複数のマーク番号(マークの種類)と先頭と後尾を示すデータによるマーキングデータを付与し、そのマーキングデータにカメラ番号及び撮影日時のデータを対応付けて、画像検索用一覧表に登録しておき、必要に応じて閲覧PC4の表示部42に画像検索用一覧表を表示させてマーキングデータを指定することで、マーキングデータに該当する先頭と後尾の画像及びその画像間の画像を蓄積サーバ3から取得することができるようにしているため、マーキングデータを指定するだけの簡単な操作により目的とする画像の検索、表示を短時間で行うことが可能になるという効果が得られ、マーキングデータ間の画像を所望の時に再生したり、媒体に記録することが容易になる。
【0029】
また、複数のマーク番号(マークの種類)と先頭と後尾を示すデータを指定することで、目的とする画像をジャンプして取得することも可能になるという効果も得られる。
また、マーク番号及び先頭を示すマーキングデータと、そのマーク番号と異なるマーク番号及び後尾を示すマーキングデータを指定した場合、それぞれのマーキングデータに該当する先頭と後尾の画像及びその画像間の画像を蓄積サーバ3から取得できるので、複数台の監視カメラ1で撮影した動画に対しても、簡単な操作により目的とする画像の検索、取得を短時間で行うことが可能になるという効果が得られる。
また、複数のファイルに指定された複数のマークを選択し、選択されたマークに応じて複数のファイルを再生することで、不審者の情報をより確認しやすくなるという効果が得られる。
【0030】
上述した第1の実施例では、2台の監視カメラ1で撮影した動画に対してマーキング処理を施す場合を例にして説明したが、3台以上の監視カメラ1で撮影した動画に対してマーキング処理を施し、それを画像検索用の一覧表データに登録することで、第1の実施例と同様に目的とする画像の検索、取得、再生、媒体への記録を行うことができる。
例えば、3台の監視カメラ1をカメラ1a、1b、1cとして、カメラ1aを銀行の入り口付近を撮影するように設置し、カメラ1bを銀行の入り口から特定の場所(例えばATMブース)に続く通路を撮影するように設置し、カメラ1cを特定の場所内を撮影するように設置する。
【0031】
このように3台のカメラ1a、1b、1cを複数個所設定して、これら3台のカメラ1a、1b、1cで撮影した動画を記憶装置2に一時記憶した後、蓄積サーバ3の動画保官部33に蓄積保管し、蓄積された動画を第1の実施例と同様に閲覧PC4の表示部42に表示して目的場面の画像に入力部の操作でマーキング処理を施す。
この場合、カメラ1aで撮影した動画に銀行の人物が入ってきた場面が記録され、カメラ1bで撮影した動画に通路を通って人物が特定の場所に向かう場面が記録され、カメラ1cで撮影した動画に特定の場所の中で人物が動いている場面が記録されているものとする。
【0032】
このようなケースで、動画中の人物の全般の行動を確認する場合、カメラ1aの動画の内の人物が写っている最初の場面(画像)に「マーク1 Start」を、最後の場面(画像)に「マーク1 End」を付与し、カメラ1bの動画の内の人物が写っている最初の場面(画像)に「マーク2 Start」を、最後の場面(画像)に「マーク2 End」を付与し、カメラ1cの動画の内の人物が写っている最初の場面(画像)に「マーク3 Start」を、最後の場面(画像)に「マーク3 End」を付与する。
【0033】
このように3台のカメラ1a、1b、1cで撮影した動画に対してマーキング処理すると、閲覧PC4の制御部45は、「マーク1 Start」、 「マーク1 End」のマーキングデータにカメラ番号及び撮影日時のデータを対応付け、また「マーク2 Start」、 「マーク2 End」のマーキングデータにカメラ番号及び撮影日時のデータを対応付け、「マーク3 Start」、 「マーク3 End」のマーキングデータにカメラ番号及び撮影日時のデータを対応付けこれを画像検索データとして、記憶部44の画像検索用一覧表に登録する。
【0034】
画像の再生や媒体への記録を行う場合、第1の実施例と同様に、閲覧PC4の操作者は、閲覧PC4の入力部41を操作して、画像検索用一覧表の表示を指示し、これにより画像検索用一覧表が表示部42に表示されるので、操作者は画像検索用一覧表の中からマーク1、2、3の「Start」、「End」のマーキングデータを選択する。これにより選択されたマーキングデータに対応付けられたカメラ番号と撮影日時のデータが画像指定データとして画像転送要求と共に蓄積サーバ3に送られ、蓄積サーバ3で前記と同様に画像の検索が行われて画像指定データに該当する画像が蓄積サーバ3から閲覧PC4に転送され、閲覧PC4の表示部42にカメラ1a〜1cで撮影された動画が同時に表示される。つまり、カメラ1a〜1cで撮影された動画中の人物の全般の行動の場面の画像が同時に表示されるので、人物の行動を確認することができる。無論、リピート(繰り返し)再生も可能であり、CD等の媒体に記録することもできる。
【0035】
尚、以上の説明において、マーキングはとりあえず目的画像と思われる場面に施し、後から不要なマークを削除するなど操作が容易に出来る。
また、マークの選択はそれぞれ「Start」、「End」を選択するとしたが、マーク番号の指定により選択するようにしても良い。この場合、例えば「マーク1」を選択すると、「マーク1 Start」と「マーク1 End」が選択されたのと同じ状態となる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、動画作成の分野に適用することで、オーサリング作成を行うことも可能である。