(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1位置に対して前記第2位置と反対側に、前記切り替え用固定接点と前記可動接点とが接触し、かつ、前記係合凸部と前記係合凹部とが係合して自己保持される第3位置を、備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
前記第1位置に対して前記第2位置と反対側に、前記導電性操作体を前記第1位置に自動復帰させるように前記弾性部が圧縮状態となる第3位置を、備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記スイッチでは、可動接触片の腕部がスライダーの底面から斜め下方に向かって延びているため、接点構造の厚みが大きくなり、製品の薄型化が困難であった。また、クリック感が得られるスイッチを構成するために、ハウジング、可動保持部材(スライダー)、可動接触片、およびクリック用ばね部材を必要とし、部品点数が多いという問題点があった。
【0006】
本発明は、クリック感を損なうことなく、薄型化および部品点数の削減を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、本発明のスイッチは、内側面に複数の切り替え用固定接点を有する凹所が設けられたベースと、前記ベースの凹所に収納され、互いに異なる前記切り替え用固定接点と接続可能な可動接点がそれぞれ設けられた一対の可動接触部、および弾性変形可能な弾性部を有する導電性操作体と、からなり、前記ベースおよび前記導電性操作体のうちの一方に設けられた係合凸部と、前記ベースおよび前記導電性操作体のうちの他方に設けられ、前記係合凸部と係合する係合凹部と、を備え、前記切り替え用固定接点と前記可動接点とが接触し、かつ、前記係合凸部と前記係合凹部とが係合する第1位置と、該第1位置と異なる第2位置との間で、前記係合凸部と前記係合凹部との係合を解除できるように前記導電性操作体の弾性部を弾性変形させるようにした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作体の第1位置および第2位置間の切り替え操作において、係合凹部の端部が係合凸部を、あるいは係合凸部が係合凹部の端部を乗り越えるので、クリック感を得ることができる。また、接点構造とクリック構造とを同一平面上に載置し、導電性操作体をベースの凹所に収納しているので、スイッチの薄型化を実現できる。これにより、スイッチ搭載スペースを削減でき、電子機器等の薄型化が容易となる。
【0009】
また、操作部、可動接触部、および弾性部を一体成形して導電性操作体を構成しているので、部品点数を削減できる。これにより、製造コストや組立工数を削減することができる。
【0010】
実施形態としては、前記導電性操作体の上面が前記ベースの上面と面一であることが好ましい。
【0011】
本実施形態によれば、ベースの厚みに依存した大きさでスイッチを構成することができる。
【0012】
前記第1位置に対して前記第2位置と反対側に、前記切り替え用固定接点と前記可動接点とが接触し、かつ、前記係合凸部と前記係合凹部とが係合して自己保持される第3位置を、備えることが好ましい。
【0013】
本実施形態によれば、第1位置を回動範囲の中間に配置できるので、第1位置からの最大ストロークを短縮可能であり、かつ、3種類のモードを割り当て可能な自己保持型スイッチを構成することができる。
【0014】
前記第1位置に対して前記第2位置と反対側に、前記導電性操作体を前記第1位置に自動復帰させるように前記弾性部が圧縮状態となる第3位置を、備えることが好ましい。
【0015】
本実施形態によれば、第1位置を回動範囲の中間に配置できるので、第1位置からの最大ストロークを短縮可能であり、かつ、3種類のモードを割り当て可能な、一方側が自己保持型で他方側が自動復帰型のスイッチを構成することができる。
【0016】
前記導電性操作体は回動型であることが好ましい。
【0017】
本実施形態によれば、回動操作によってスイッチを切り替えることができる。特に、装置の曲線部分に沿うように配置できる利点を有している。
【0018】
前記弾性部は前記係合凹部を有する円環状の枠であることが好ましい。
【0019】
本実施形態によれば、円環状の枠自体を弾性部として構成するとともに、係合凹部を枠に設けているので、部品点数を削減できる。
【0020】
前記導電性操作体はスライド型であることが好ましい。
【0021】
本実施形態によれば、スライド操作によってスイッチを切り替えることができる。特に、装置の直線部分に沿うように配置できる利点を有している。
【0022】
前記導電性操作体は略矩形状の枠を備え、前記弾性部に前記係合凹部を配置するとともに前記弾性部を前記枠の対向する2辺を繋ぐように配置することが好ましい。
【0023】
本実施形態によれば、枠の内側に係合凹部を有する弾性部を配置することができ、導電性操作体の大型化を回避できる。
【0024】
前記導電性操作体は操作部を備え、前記操作部、前記可動接触部
および前記弾性部
が同一平面上に配置され、前記操作部と、前記可動接触部および前記弾性部と
が一体化されていることが好ましい。
【0025】
本実施形態によれば、操作部、可動接触部、および弾性部を一体成形して導電性操作体を構成しているので、部品点数を削減できる。また、接点構造とクリック構造とを同一平面上に載置し、導電性操作体をベースの凹所に収納しているので、スイッチの薄型化を実現できる。
【0026】
前記導電性操作体は操作部を備え、前記操作部、前記可動接触部
および前記弾性部
が同一平面上に配置され、前記操作部と、前記可動接触部および前記弾性部と
が別体であることが好ましい。
【0027】
本実施形態によれば、操作部に対して可動接触部および弾性部と異なる材質を用いることができる。また、操作部が細長い場合、操作部を別体にすることにより、一定面積を有する型において、導電性操作体の製造個数を増加させることができる。さらに、接点構造とクリック構造とを同一平面上に載置し、導電性操作体をベースの凹所に収納しているので、スイッチの薄型化を実現できる
という効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係るスイッチの実施形態を
図1ないし
図16の添付図面に従って説明する。
【0030】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るスイッチは、
図1ないし
図4に示すように、ベース10と、操作体30と、カバー40とで構成されている。
【0031】
ベース10には、
図3に示すように、その上面に後述する操作体30を嵌合可能な嵌合用凹所(以下、凹所という。)11を設けてある。凹所11の中心には、後述する操作体30の嵌合部33を嵌合する軸部12を設けてある。また、凹所11の対向する内側面に、後述する操作体30の係合凹部35〜37に係合する係合凸部13,13を設けてある。
【0032】
凹所11を形成する外周縁14のうち、長軸の一端側には、操作用切り欠き部15を設けてある。前記外周縁14の両端部は、操作体30の操作部32が後述する第2または第3位置で当接するように形成されている。また、操作用切り欠き部15の反対側に位置する凹所11の内側面には、第1切り替え用固定接点16、第2切り替え用固定接点17、第3切り替え用固定接点18、第4切り替え用固定接点19、および第5切り替え用固定接点20を等間隔でインサート成形してある。特に、第3切り替え用固定接点18は、凹所11の最も奥側に位置している。また、切り替え用固定接点16〜20は、外周縁14の外側面から突出する接続部21〜25をそれぞれ備えている。さらに、ベース10の外周縁14には、後述するカバー40のカシメ孔41に嵌合するカシメ用突起26を設けてある。
【0033】
操作体30は、電気鋳造法で製造され、弾性枠部31、操作部32、嵌合部33、および一対の可動接触片34を備えた導電体である。
【0034】
操作体30は、その上面が外周縁14の上面と面一となる厚さ寸法を有している。
【0035】
弾性枠部31は、略円弧状の領域を備えるように形成され、その円弧長さは半円よりも長い。また、弾性枠部31の半径は、凹所11の中心と係合凸部13との距離より大きく、凹所11の中心と係合凸部13を除く外周縁14との距離よりも小さい。そして、弾性枠部31の前記円弧状とは異なる領域では、内側に折れ曲がって嵌合部33に連結されている。さらに、弾性枠部31は、外周面に負荷が加えられると弾性変形可能な厚みを有している。
【0036】
前記弾性枠部31は、その両側に、第1係合凹部35を間にして第2係合凹部36、第3係合凹部37を左右対称に設けてある。特に、一方の第1、第2、第3係合凹部35,36,37は、他方の第1、第2、第3係合凹部35,36,37と嵌合部33の中心に対して点対称に配置されている。
【0037】
弾性枠部31の円弧の中間位置には、径方向外側に延びる操作部32を設けてある。操作部32の先端は、嵌合部33をベース10の軸部12に嵌合した状態で、ベース10より外側に突出している。
【0038】
嵌合部33は、ベース10の軸部12に嵌合可能な円環状に形成され、弾性枠部31の内側に同心円状に配置されている。
【0039】
可動接触片34は、弾性枠部31のうち、嵌合部33の操作部32から最も離れた位置から対称となるように分岐し、ベース10の凹所11の内側面に対して圧接可能な形状である。そして、可動接触片34の先端には、一対の接点部38a,38bをそれぞれ設けている。また、一方の接点部38aは、他方の接点部38bが接触する固定接点から2つ目の固定接点と接触するように配置されている。
【0040】
そして、操作体30の第1係合凹部35,35がベース10の係合凸部13,13に係合する第1位置では、接点部38a,38bが、第2切り替え用固定接点17および第4切り替え用固定接点19と接触する。
また、操作体30の第2係合凹部36,36がベース10の係合凸部13,13に係合する第2位置では、接点部38a,38bが、第1切り替え用固定接点16および第3切り替え用固定接点18と接触する。
さらに、操作体30の第3係合凹部37,37がベース10の係合凸部13,13に係合する第3位置では、接点部38a,38bが、第3切り替え用固定接点18および第5切り替え用固定接点20と接触する。
【0041】
カバー40は、ベース10を被覆可能な平面形状を有しているとともに、前記ベース10のカシメ用突起26に対応する位置にカシメ孔41を設けてある。
【0042】
したがって、操作体30の嵌合部33をベース10の軸部12に回動可能に嵌合するとともに、操作体30の操作部32をベース10の操作用切り欠き部15の中央に配置し、第1係合凹部35,35をベース10の係合凸部13,13に係合する。そして、カバー40のカシメ孔41をベース10のカシメ用突起26に嵌合し、カシメ用突起26を溶融させることにより、接合一体化する。
【0043】
次に、前述の構成からなるスイッチの動作について説明する。本実施形態に係るスイッチの用途としては、例えば、ビデオカメラの設定モードを切り替える場合が考えられる。
【0044】
まず、
図4(A)に示す第1位置において、操作体30の第1係合凹部35,35は、ベース10の係合凸部13,13に係合している。前記第1位置では、接点部38a,38bは、第2切り替え用固定接点17および第4切り替え用固定接点19にそれぞれ接触し、第2切り替え用固定接点17と第4切り替え用固定接点19とが短絡する。
【0045】
そして、操作部32を介して操作体30を第1位置から時計回りに回転させると、
図4(B)に示すように、弾性枠部31が弾性変形し、第1係合凹部35,35がベース10の係合凸部13,13を乗り越える。そして、操作体30の第2係合凹部36,36が、ベース10の係合凸部13,13に係合し、第2位置に達する。前記第2位置では、接点部38a,38bは、第1切り替え用固定接点16および第3切り替え用固定接点18にそれぞれ接触し、第1切り替え用固定接点16と第3切り替え用固定接点18とが短絡する。
【0046】
また、操作体30を第1位置から反時計回りに回転させた場合も同様である。操作体30の第3係合凹部37,37とベース10の係合凸部13,13とが係合し、第3位置に達する。前記第3位置では、接点部38a,38bは、第3切り替え用固定接点18および第5切り替え用固定接点20にそれぞれ接触し、第3切り替え用固定接点18と第5切り替え用固定接点20とが短絡する。
【0047】
本発明によれば、操作体30の第1,2位置間および第1,3位置間の切り替え操作において、係合凹部35,36,37の端部が係合凸部13,13を乗り越えるので、クリック感を得ることができる。
【0048】
また、弾性枠部31、操作部32、嵌合部33および可動接触片34を一体成形して操作体30を構成しているので、部品点数を削減できる。これにより、製造コストや組立工数を削減することができる。
【0049】
さらに、接点構造とクリック構造とを同一平面上に載置し、薄い弾性枠部31を板状の嵌合用凹所11に嵌合しているので、スイッチの薄型化を実現できる。これにより、スイッチ搭載スペースを削減でき、電子機器等の薄型化が容易となる。
【0050】
そして、第1実施形態のスイッチの操作体30は、
図5に示すように、弾性枠部31から操作部32だけを別体にしてもよい。また、弾性枠部31と操作部32とは、一方に設けられた嵌合凹部と他方に設けられた嵌合凸部との係合によって連結してもよい。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るスイッチは、
図6ないし
図9に示すように、ベース50と、操作体70と、カバー90とで構成されている。以下、“上”“下”“左”“右”という用語は、図を用いて説明するために便宜的に使用するものであり、取り付けの配置を限定するものではない。
【0052】
ベース50には、
図8に示すように、その上面に後述する操作体70を収納する略矩形の収納用凹所(以下、凹所という。)51を設けてある。凹所51の外周には、一方の長辺の中央部分に形成された操作用切り欠き部52を除き、外周縁が形成されている。該外周縁は、操作用切り欠き部52の両側に隣接する上側外周縁部53と、該上側外周縁部53に対向する下側外周縁部54と、これらの両端を連結する左側外周縁部55、右側外周縁部56とを備えている。上側外周縁部53,53は、後述する操作体70の枠部71の上側部分をガイドする。左側外周縁部55、右側外周縁部56と下側外周縁部54とが交差する凹所51の両隅部分には、操作体70の枠部71の下側部分をガイドする下側ガイド部57,57を設けてある。上側外周縁部53と下側ガイド部57との間隔は、操作体70の枠部71の短手方向の長さより僅かに大きい。
【0053】
凹所51には、その上面に中央ガイド部58を設けてある。中央ガイド部58は、凹所51の長手方向の中央に配置され、かつ、短手方向の中央よりも操作用切り欠き部52近傍に配置されている。中央ガイド部58は、正面視で略五角形であり、略正四角形の下側外周縁部54側の一辺を凸状曲線にしたものである。中央ガイド部58の前記凸状曲線により形成された部分は係合凸部58aを構成している。中央ガイド部58の上部と上側外周縁部53の下部との間の間隔は、枠部71の操作部72側の長辺部の厚さより僅かに大きい。
【0054】
下側外周縁部54の内側面には、第1切り替え用固定接点59、第2切り替え用固定接点60、第3切り替え用固定接点61、第4切り替え用固定接点62、および第5切り替え用固定接点63を等間隔でインサート成形してある。特に、第3切り替え用固定接点61は、中央ガイド部58の直下に位置している。また、切り替え用固定接点59〜63は、それぞれ、下側外周縁部54の外側面から突出する接続部64〜68を備えている。さらに、ベース50の外周縁53〜56には、後述するカバー90のカシメ孔91に嵌合するカシメ用突起69を設けてある。
【0055】
操作体70は、電気鋳造法で製造され、枠部71、操作部72、弾性係合部73、および可動接触片74を備えた導電体である。操作体70は、その上面がベース10の上面と面一となるようにベース10の凹所11に収容される。
【0056】
枠部71は、略矩形状に形成され、その長辺部は、前記ベース50の操作用切り欠き部52の長さより長い。また、枠部71の短辺部は、ベース50の上側外周縁部53と下側ガイド部57
との間の間隔より僅かに短い。そして、可動接触片74側の枠部71の長辺部は、外方に湾曲している。
【0057】
操作部72は、枠部71の長辺部の中央から枠部71の外側に延びている。また、操作部72には、操作部72にキャップ(図示せず)を被せる場合にキャップ(図示せず)の抜け止めとして使用できる孔72aを設けてある。
【0058】
弾性係合部73は、枠部71の対向する短辺を繋ぐように連結されている。また、弾性係合部73の中央には、中央ガイド部58の係合凸部58aに係合する第1係合凹部75を設けてあるとともに、前記第1係合凹部75の右側に第2係合凹部77を設ける一方、その左側に第3係合凹部79を設けてある。そして、係合凹部75,77,79間には、狭小部76,78を設けてある。狭小部76,78は、それぞれ中央側から端部に向かって下降するように傾斜している。そして、狭小部76,78と操作部72側の枠部71の長辺部との間隔は、第1係合凹部75と操作部72側の枠部71の長辺部との最大距離より狭い。また、第2係合凹部77および第3係合凹部79は、操作体70の操作部72が上側外周縁部53,53の端部と当接した状態で、中央ガイド部58の係合凸部58aと係合する。
【0059】
可動接触片74は、枠部71の長辺中央部から対称となるように分岐し、その先端には、接点部80a,80bをそれぞれ設けてある。そして、一方の接点部80aは、他方の接点部80bが接触する固定接点から2つ目の固定接点と接触するように配置されている。また、可動接触片74は、ベース50の凹所51の内側面に対して圧接されている。
【0060】
操作体70の第1係合凹部75がベース50の係合凸部58aに係合する第1位置では、接点部80a,80bが、第2切り替え用固定接点60および第4切り替え用固定接点62と接触する。
操作体70の第2係合凹部77がベース50の係合凸部58aに係合する第2位置では、接点部80a,80bが、第1切り替え用固定接点59および第3切り替え用固定接点61と接触する。
操作体70の第3係合凹部79がベース50の係合凸部58aに係合する第3位置では、接点部80a,80bが、第3切り替え用固定接点61、および第5切り替え用固定接点63と接触する。
【0061】
カバー90は、ベース50を被覆可能な平面形状を有しているとともに、前記ベース50のカシメ用突起69に対応する位置にカシメ孔91を設けてある。
【0062】
したがって、第1係合凹部75をベース50の中央ガイド部58の係合凸部58aに係合し、操作体70の操作部72をベース50の操作用切り欠き部52の中央に配置することにより、操作体70を凹所51に収容する。そして、カバー90のカシメ孔91をベース50のカシメ用突起69に嵌合し、カシメ用突起69を溶融させることにより、接合一体化する。
【0063】
次に、前述の構成からなるスイッチの動作について説明する。本実施形態に係るスイッチの用途としては、設定モードを切り替える場合が考えられる。使用例としては、例えばデジタルスチルカメラなどの静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モードの3つのモードを切り替えるようなスイッチとして使用することができる。
【0064】
まず、
図9(A)に示す第1位置において、操作体70の第1係合凹部75は、ベース50の中央ガイド部58の係合凸部58aに係合している。前記第1位置では、接点部80a,80bは、第2切り替え用固定接点60、および第4切り替え用固定接点62にそれぞれ接触している。したがって、第2切り替え用固定接点60と第4切り替え用固定接点62とが短絡する。
【0065】
そして、操作部72を介して操作体70を第1位置から左方向に移動させると、
図9(B)に示すように、弾性係合部73が弾性変形し、第1係合凹部75がベース50の中央ガイド部58の係合凸部58aを乗り越える。そして、操作体70の第2係合凹部77が、ベース50の中央ガイド部58の係合凸部58aに係合し、第2位置に達する。前記第2位置では、接点部80a,80bは、第1切り替え用固定接点59および第3切り替え用固定接点61にそれぞれ接触し、第1切り替え用固定接点59と第3切り替え用固定接点61とが短絡する。
【0066】
操作体70を第1位置から右方向に移動させた場合も同様である。操作体70の第3係合凹部79がベース50の中央ガイド部58の係合凸部58aに係合する位置は、第3位置である。前記第3位置では、接点部80a,80bは、第3切り替え用固定接点61と、第5切り替え用固定接点63とにそれぞれ接触し、第3切り替え用固定接点61と第5切り替え用固定接点63とが短絡する。
【0067】
本発明によれば、操作体70の第1,2位置間および第1,3位置間の切り替え操作において、係合凹部75,77,79の端部が中央ガイド部58の係合凸部58aを乗り越えるので、クリック感を得ることができる。
【0068】
また、枠部71、操作部72、弾性係合部73、および可動接触片74を一体成形して操作体70を構成しているので、部品点数を削減できる。さらに、接点構造とクリック構造とを同一平面上に載置し、薄い枠部71を板状の収納用凹所51に収納しているので、スイッチの薄型化を実現できる。そして、コイルバネを使用しないので、スイッチの厚さの増大を回避しつつ、製造が容易になるという利点を有している。
【0069】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態のスイッチを示す。このスイッチは、第2実施形態とほぼ同様であり、異なる点は、一方側に配置された第2位置では自己保持され、他方側に配置された第3位置では、第1位置に自動復帰する。本実施形態において、第2実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0070】
図10に示すように、スイッチの弾性係合部73には、第1係合凹部75の一方側に狭小部76,第2係合凹部77を設け、第1係合凹部75の他方側に弾性傾斜部(弾性部)81を設けてある。弾性傾斜部81は、右下がりの略S字状に形成されている。前記S字の始点は第1係合凹部75に連結されているとともに、前記S字の終点は枠部71の短辺部とに連結されている。つまり、第1係合凹部75に対する弾性傾斜部81の隣接部分は、第1係合凹部75から遠ざかるにつれて上昇するように傾斜している。
【0071】
このスイッチでは、操作体70を第1位置から左方向に移動させる場合、第2実施形態のスイッチと同様である。
【0072】
一方、操作体70を第1位置から右方向に移動させると、ベース50の中央ガイド部58の係合凸部58aによって、弾性傾斜部81が押圧され圧縮される。そして、操作体70を
第3位置まで移動させると、接点部80a,80bは、
第3切り替え用固定接点
61および
第5切り替え用固定接点
63にそれぞれ接触し、
第3切り替え用固定接点
61と
第5切り替え用固定接点
63とが短絡する。
【0073】
第3位置で操作体70に対する負荷を取り除くと、弾性傾斜部81が弾性復帰することにより、操作体70が第1位置まで押し戻される。
【0074】
本実施形態によれば、第1位置に対して一方側に配置された第2位置で自己保持可能であり、他方側に配置された第3位置で操作体70の操作部72に加えられた負荷が取り除かれると第1位置に自動復帰するスイッチが得られる。使用例としては、自己保持側を電源ONスイッチ、自動復帰側を操作ロックスイッチとした携帯電話やスマートフォン・携帯音楽プレーヤー等が挙げられる。
【0075】
(第4実施形態)
図11(A)および(B)は、本発明の第4実施形態のスイッチを示す。本実施形態において、第2実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0076】
ベース50は、凹所51の左側領域および右側領域に、操作体70の枠部71の下側部分をガイドする下側ガイド部57,57をそれぞれ設けてある。また、前記ベース50の下側ガイド部57,57の間に設けた中央ガイド部58は、正面視で略矩形である。下側外周縁部54には、中央ガイド部58の直下に設けた第1係合凹部82を間にして、第2係合凹部83、第3係合凹部84を設けてある。第1係合凹部82、第2係合凹部83、および第3係合凹部84は等間隔に設けてある。第2係合凹部83の右側に位置する下側外周縁部54の内側面には、共通固定接点85がインサート成形されている。共通固定接点85は、後述する操作体70の係合凸部(弾性部)86が係合凹部82〜84と係合した状態で操作体70の一方の接点部80bが接触できる範囲に配置されている。第3係合凹部84の左側に位置する下側外周縁部54の内側面には、第1切り替え用
固定接点59および第2切り替え用
固定接点60がインサート成形されている。
【0077】
操作体70には、第2実施形態の弾性係合部73に代えて、枠部71の可動接触片74を延在する長辺部の中央から外側に延びる係合凸部86を設けてある。また、係合凸部86は、側面視で、一筆書きで略五角形状に形成され、尖った下端部がベース50の係合凹部82〜84と係合可能になっている。さらに、係合凸部86が第1係合凹部82に係合する第1位置、係合凸部86が第2係合凹部83に係合する第2位置、および、係合凸部86が第3係合凹部84に係合する第3位置の間を操作体70が移動できるようにするために、係合凸部86には蛇行部87とオーバーラップ部88とを設けてある。蛇行部87は、前記一筆書きの中間部分に設けられ、係合凸部86を上下方向に弾性変形可能に支持するものである。また、オーバーラップ部88は、前記略五角形状の尖った部分を形成する一辺を構成している。そして、オーバーラップ部88は、前記一筆書きの先端部分が、前記一筆書きの途中から分岐した部分に上から係止するように構成されている。
【0078】
枠部71をベース50の中央ガイド部58に嵌合し、操作体70の操作部72をベース50の操作用切り欠き部52の中央に配置することにより、操作体70を凹所51に収容する。そして、カバー90のカシメ孔91をベース50のカシメ用突起69に嵌合し、カシメ用突起69を溶融させることにより、接合一体化する。
【0079】
まず、
図11(A)に示す第1位置において、操作体70の係合凸部86は、ベース50の第1係合凹部82に係合している。前記第1位置において、一方の接点部80aは、第1切り替え用固定接点59と第2切り替え用固定接点60との間の下側外周縁部54上に位置し、他方の接点部80bは共通固定接点85と接触している。このとき、一方の接点部80aは、いずれの固定接点59,60とも接触しておらず、共通固定接点85に短絡していない。
【0080】
そして、
図11(B)に示すように、操作部72を介して操作体70を第1位置から右方向に移動させると、操作部72の係合凸部86が弾性変形し、係合凸部86がベース50の第1係合凹部82を乗り越える。さらに、操作体70の係合凸部86が、ベース50の第2係合凹部83に係合し、第2位置に達する。前記第2位置では、接点部80a,80bは、第1切り替え用固定接点59および共通固定接点85にそれぞれ接触し、第1切り替え用固定接点59と共通固定接点85とが短絡する。
【0081】
また、操作体70を第1位置から右方向に移動させた場合も同様である。操作体70の係合凸部86がベース50の第3係合凹部84に係合する位置は、第3位置である。前記第3位置では、接点部80a,80bは、第2切り替え用固定接点60および共通固定接点85にそれぞれ接触し、第2切り替え用固定接点60と共通固定接点85とが短絡する。
【0082】
(第5実施形態)
第5実施形態に係るスイッチは、
図12(A)ないし(C)に示すように、ベース50と、操作体70と、カバー90とで構成されている。
【0083】
ベース50では、上側外周縁部53と左側外周縁部55、右側外周縁部56とが交差する凹所51の両隅部分はR加工され、操作体70の腕部101の先端が凹所51の内側面に沿うように弾性変形可能になっている。上側外周縁部53は、操作体70の腕部101の上側部分をガイドする。
【0084】
また、ベース50では、下側外周縁部54の内側面の右側の領域に、第1切り替え用固定接点59をインサート成形してある。第1切り替え用固定接点59は、いずれにも接続されていないダミー接点である。また、第1切り替え用固定接点59の右側の下側外周縁部54の内側面には、第2切り替え用固定接点60をインサート成形してある。さらに、第1切り替え用固定接点59の左側の下側外周縁部54の内側面には、第3切り替え用固定接点61をインサート成形してある。そして、下側外周縁部54の内側面には、後述の第1〜3位置のいずれにおいても後述の第2可動接触片105の接点部107bが接触可能な共通固定接点85を設けてある。ついで、下側外周縁部54の内側面の中央には、第1係合凹部82を設けてある。第1係合凹部82と第3切り替え用固定接点61との間の下側外周縁部54の内側面には、第2係合凹部83を設けてある。
【0085】
操作体70は、電気鋳造法で製造され、操作部72、一対の腕部101,101、一対の脚部102,102、弾性部103、第1可動接触片104、および第2可動接触片105を備えた導電体である。
【0086】
一対の腕部101,101は、操作部72の基端部から左および右方向のそれぞれに延びている。腕部101の先端部は、腕部101の基端部よりも薄く、弾性変形可能な厚みである。また、一対の脚部102,102は、操作部72の基端部から互いに間隔をあけるように下方向に延びている。そして、一対の脚部102,102間には、下方向に弾性部103が延びている。弾性部103は、上下方向に伸縮可能な蛇腹状に形成され、先端が下向きに延びている。前記弾性部103の先端は、係合凹部82,83に係合する係合凸部106を構成している。そして、前記弾性部103の先端は、負荷が加えられていない状態では、下側外周縁部54の内側面よりも下方に位置している。
第1可動接触片104は、右側の脚部102の上方部分から右方向に延び、その先端で上下方向に弾性変形可能な蛇腹部分を形成して下方向に延びている。第1可動接触片104の先端には、接点部107aを設けてある。
第2可動接触片105は、左側の脚部102の上方部分から左方向に延び、左右方向に弾性変形可能な蛇腹部分(弾性部)108を形成して左方向に延びている。また、第2可動接触片105の先端は、弾性変形しない厚さで上下方向に延びている。そして、第2可動接触片105の蛇腹部分108には、第1〜3位置のいずれにおいても共通固定接点85に接触可能な接点部107bを設けてある。
【0087】
まず、
図12(A)に示す第1位置において、操作体70の弾性部103の係合凸部106は、ベース50の第1係合凹部82に係合している。前記第1位置では、第1可動接触片104の接点部107aは第1切り替え用固定接点59と接触し、第2可動接触片105の接点部107bは共通固定接点85と接触している。第1切り替え用固定接点59は、ダミー接点であるため、スイッチには短絡が生じていない。
【0088】
そして、
図12(B)に示すように、操作部72を介して操作体70を第1位置から右方向に移動させると、弾性部103が弾性変形し、係合凸部106がベース50の第1係合凹部82を乗り越え、ベース50の第2係合凹部83に係合し、第2位置に達する。前記第2位置では、第1可動接触片104の接点部107aが第2切り替え用固定接点60に接触し、第2可動接触片105の接点部107bが共通固定接点85に接触し、第2切り替え用固定接点60と共通固定接点85とが短絡する。
【0089】
操作部72を介して操作体70を第1位置から左方向に移動させると、弾性部103が弾性変形し、係合凸部
106がベース50の第1係合凹部82を乗り越え、共通固定接点85の手前の第3位置に達する(
図12(C))。一方、第1可動接触片104は、第1切り替え用固定接点59から第3切り替え用固定接点61へと移動する。前記第3位置では、第2可動接触片105はベース50の左側外周縁部55に対して付勢されている。そして、前記第3位置では、第1可動接触片104の接点部107aは第3切り替え用固定接点61に接触し、第2可動接触片105の接点部107bは共通固定接点85に接触し、第3切り替え用固定接点61と共通固定接点85とが短絡する。
【0090】
第3位置で操作体70に対する負荷を取り除くと、第2可動接触片105の圧縮された蛇腹部分108の弾性復帰力によって、操作体70は右方向に押し戻される。そして、操作体70の弾性部103の係合凸部106は、第1位置でベース50の第1係合凹部82に係合する。
【0091】
本実施形態によれば、第1位置に対して一方側に配置された第2位置で自己保持可能であり、他方側に配置された第3位置から第1位置に自動復帰するスイッチが得られる。
【0092】
(第6実施形態)
第6実施形態に係るスイッチは、
図13ないし
図15に示すように、ベース110と、操作体130と、導電弾性部材140と、カバー150とで構成されている。以下、“上”“下”“左”“右”という用語は、図を用いて説明するために便宜的に使用するものであり、取り付けの配置を限定するものではない。
【0093】
ベース110には、
図14に示すように、その上面にコの字状の外周縁部を形成して、その内側に後述の導電弾性部材140を収納する収納用凹所(以下、凹所という。)111を形成してある。前記外周縁部は、下側外周縁部112、左側外周縁部113、および右側外周縁部114からなっており、開口115が上側に位置している。
【0094】
開口115の中央には、後述する操作体130の孔132を嵌合する軸部116を設けるとともに、前記軸部116の両側に操作体130の軸部116回りの回動範囲を規制する規制部117,117を設けてある。また、凹所111には、後述する導電弾性部材140の固定接触部141a,141bを位置決めする位置決め部118を設けてある。
【0095】
下側外周縁部112の内側面の両端には、下側固定接点119,119を設けてある。この2つの下側固定接点119,119は、一方が接点の接触不良を生じた場合であっても、他方が接点の接触を確保できるように設けてある。
また、左側外周縁部113の内側面には左側固定接点121を設けてある一方、右側外周縁部114の内側面には右側固定接点122を設けてある。左側固定接点121および右側固定接点122は、後述する導電弾性部材140の可動接触部142a,142bの接点部145a,145bの可動範囲内に配置され、接離可能となっている。
そして、固定接点119,121,122は、外周縁部112〜114の外側面から突出する接続部123,124,125をそれぞれ備えている。
【0096】
さらに、ベース110の外周縁部112〜114には、カバー150のカシメ孔151に嵌合するカシメ用突起126を設けてある。
【0097】
操作体130は、ベース110の軸部116に嵌合する孔132の一方側に操作部131を配置するとともに、他方側に駆動部(係合凸部)133を配置している。操作部131および駆動部133は、それぞれ略二等辺三角形である。孔132は操作体130の長手方向の中心線上に配置されている。駆動部133の先端部分は丸みを帯びている。
【0098】
駆動部133は、操作部131を介して操作体130を第1位置から時計回りに回転させると、後述する導電弾性部材140の左側の被駆動部144aを押圧し、操作体130を第1位置から反時計回りに回転させると、後述する導電弾性部材140の右側の被駆動部144bを押圧する。
【0099】
導電弾性部材140は、電気鋳造法で製造され、一直線状に形成された固定接触部141a,141bと、可動接触部142a,142bとを備え、左右対称に形成してある。
【0100】
前記固定接触部141a,141bの先端には、下側固定接点119と接触するように配置された接点部(固定接点)146a,146bを設けてある。
【0101】
前記可動接触部142a,142bは、前記固定接触部141a,141bから順に伸縮部143a,143bおよび被駆動部144a,144bが配置されている。伸縮部143a,143bは、略U字状に湾曲し、その先端から被駆動部144a,144bが上方に延びている。
被駆動部144a,144bには、後述する第2および第3位置で操作体130の駆動部133が係合する係合凹部147a,147bをそれぞれ設けてある。
可動接触部142a,142bは、被駆動部144a,144bよりも先端側で、外周縁部113,114に設けられた固定接点121,122に向かう方向に延びるように湾曲している。
そして、可動接触部142a,142bの先端には接点部(可動接点)145a,145bを設けてある。
【0102】
カバー150は、ベース110を被覆可能な平面形状を有し、前記ベース110のカシメ用突起126に対応する位置にカシメ孔151を設けてある。
【0103】
ベース110の下側外周縁部112と位置決め部118,118の間に、導電弾性部材140の固定接触部141a,141bを配置して位置決めし、導電弾性部材140をベース110の凹所111に収容する。そして、操作体130の孔132をベース110の軸部116に嵌合し、操作体130の操作部131をベース110の開口115の中央に配置し、操作体130を凹所111に収容する。この状態では、被駆動部144a,144bは、操作体130の駆動部133によって押圧可能に配置されている。被駆動部144a,144bは、後述する第1位置(中立位置)の操作体130の駆動部133と可動接触部142a,142bとがガタツキを生じないように当接している。その後、カバー150のカシメ孔151をベース110のカシメ用突起126に嵌合し、カシメ用突起126を溶融させて一体化する。
【0104】
次に、前述の構成からなるスイッチの動作について説明する。
【0105】
まず、
図14に示す第1位置(中立位置)において、操作体130の駆動部133は、可動接触部142a,142bにガタツキを生じないように可動接触部142a,142bの被駆動部144a,144bに当接している。前記第1位置では、接点部145a,145bは、固定接点121,122のいずれにも接触しておらず、スイッチは短絡していない。
【0106】
そして、操作部131を介して操作体130を第1位置から時計回りに回転させると、操作体130の駆動部133が可動接触部142aの被駆動部144aを押圧し、第1位置と後述する第2位置との間の中間位置で可動接触部142aの接点部145aが左側固定接点121に接触する。前記中間位置では、左側固定接点121と下側固定接点119,119とが短絡する。
そして、前記中間位置で、操作体130に対する負荷を取り除くと、操作体130は、可動接触部142aの弾性復帰力によって第1位置に押し戻される。
一方、前記中間位置で、操作体130をさらに時計回りに回転させると、
図15に示すように、操作体130の駆動部133は、導電弾性部材140の被駆動部144aの係合凹部147aに係合し、操作体130は第2位置に達する。前記第2位置では、可動接触部142aは、第1位置に対して付勢された状態である。また、前記第2位置でも、接点部145aが、左側固定接点121に接触し、左側固定接点121と下側固定接点119,119とが短絡する。
【0107】
操作部131を介して操作体130を第2位置から反時計回りに回転させると、導電弾性部材140の被駆動部144aが弾性変形し、操作体130の駆動部133が被駆動部144aの係合凹部147aの端部を乗り越え、可動接触部142aは、主として伸縮部143aのバネ力で弾性復帰して第1位置に戻る。これにより、接点部145aは左側固定接点121から離間し、左側固定接点121と下側固定接点119,119とが離れる。
【0108】
一方、操作体130を第1位置から反時計回りに回転させた場合も、操作体130は前述と逆の動作を行う。すなわち、操作体130の駆動部133が導電弾性部材140の被駆動部144bの係合凹部147bに係合する位置が第3位置である。前記第3位置、および前記第1位置と前記第3位置との間の中間位置でも、右側固定接点122と下側固定接点119,119とが短絡する。
【0109】
操作体130を第3位置から時計回りに回転させた場合も、操作体130を第2位置から反時計回りに回転させた場合と同様である。
【0110】
本実施形態によれば、第2または第3位置から回転させ、操作体130の駆動部133が導電弾性部材140の被駆動部144a,144bの係合凹部147a,147bの端部を乗り越えた場合、導電弾性部材140の弾性復帰力によって、操作体130を第1位置まで確実に押し戻すことができる。
【0111】
また、固定接触部141a,141bと、可動接触部142a,142bとを一体成形して導電弾性部材140を構成しているので、部品点数、組立工数を削減でき、製造コストを削減することができる。
【0112】
さらに、接点構造とばね構造とを同一平面上に載置し、薄い導電弾性部材140を板状の収納用凹所111に収納しているので、スイッチの薄型化を実現できる。これにより、スイッチ搭載スペースを削減でき、電子機器等の薄型化が容易となる。
【0113】
本実施形態のスイッチは、通常は手を離せば復帰するスイッチとして機能し、さらに終点まで回転したときだけ保持されることにより、操作者が必要とするときだけ手放しでも動作が継続されるスイッチとしても機能する。
【0114】
そして、第1実施形態のスイッチは、
図16に示すように、導電弾性部材140の可動接触部142bの被駆動部144bに係合凹部を設けないようにして、第1位置の一方側に配置された第2位置で操作体130の駆動部133が導電弾性部材140の係合凹部147aに係合して自己保持する一方、第1位置の他方側に配置された第3位置で操作体130の操作部131に加えられた負荷が取り除かれると第1位置に自動復帰するスイッチを構成してもよい。
【0115】
なお、以上において、第1位置の両側に切り替え位置を設けたスイッチを説明したが、第1位置の片側のみに切り替え可能なスイッチ(3つの固定端子を使用し、スイッチがオン状態の第1位置および第2位置を有するスイッチ))を構成してもよい。
【0116】
また、3つの固定端子のうちの1つをダミー端子として使用してもよく、単にオンオフするスイッチに適用してもよい。