(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記
図13及び
図14に示す例において、シート荷重を支えるクッションフレーム70本来の機能を果たすために必要な強度は、サイドフレーム71及び連結部材72によって確保することが可能である。このため、製造コストの抑制、或いは軽量化等といった観点を考慮するならば、上記補助連結部材73のようなオットマン装置77を取り付けるための付加的な構成は、極力廃することが望ましい。
【0007】
この点、上記特許文献1に示される従来技術によれば、オットマン装置のベースブラケットをクッションフレームの前縁部と一体に固定することによって、その部品点数及び組付工数を削減することが可能である。しかしながら、このような構成では、そのオットマンに対する入力荷重がクッションフレームの前縁部回りに集中することになる。そして、これにより生ずる捩りモーメントや曲げモーメントに対抗すべくクッションフレームの剛性を強化することによって、重量の増加や製造コストの上昇を招くという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、確実にオットマン装置をシートの前縁に支持することのできるオットマン装置の固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、オットマンを支持するリンク機構と、前記リンク機構をシートの前縁に支持するベースブラケットとを備えたオットマン装置の固定構造において、前記ベースブラケットは、クッションフレームの前縁部と該前縁部の下方において前記クッションフレームを支持しつつ該クッションフレームと一体に幅方向移動可能に設けられたサイドスライドレールとに固定されること、を要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、新たな構成を追加することなく、上下に離間した位置にベースブラケットの固定部位を設定することができる。そして、これにより、リンク機構を介してベースブラケットに伝達されるオットマンの荷重負荷を分散させて、その各固定部位に生ずる捩りモーメントや曲げモーメントを小さく抑えることができる。その結果、簡素な構成にて、確実にオットマン装置をシートの前縁に支持することができる。
【0011】
また、サイドスライドレールは、クッションフレームと一体に幅方向移動する。従って、上記ベースブラケットの固定によって、そのサイドスライドレールが形成するシートスライド装置の機能が損なわれることはない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記ベースブラケットは、前記クッションフレームの前縁部に設けられた第1固定ブラケット及び前記サイドスライドレールに設けられた第2固定ブラケットを介して固定されること、を要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、良好な組付け性及び加工性を確保することができる。
請求項3に記載の発明は、前記第1固定ブラケット及び第2固定ブラケットは、同一方向から前記ベースブラケットを締結可能に形成されること、を要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、より良好な組付け性を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、前記ベースブラケットは、前記第1固定ブラケット及び第2固定ブラケットの一方に対しては締結により固定されるとともに、他方に対しては係合部と被係合部との係合により固定されること、を要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、部品点数及び組付工数の低減によって製造コストを低減することができる。そして、より良好な組付け性を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、前記係合により前記ベースブラケットが固定される側の固定ブラケットは、前記締結により前記ベースブラケットが固定される側の固定ブラケットに向かって延びる板状部を有するとともに、該板状部には、前記ベースブラケットの一端に設けられた係合爪が挿入されることにより該係合爪と係合する係合孔が形成されること、を要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、良好な組付け性を確保しつつ、確実にベースブラケットを固定ブラケットに固定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡素な構成にて、確実にオットマン装置をシートの前縁に支持することが可能なオットマン装置の固定構造を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3とを備えている。また、シートバック3の上端には、ヘッドレスト4が設けられている。そして、シートバック3の幅方向両端には、一対のアームレスト5が設けられている。
【0020】
また、
図1及び
図2に示すように、シート1は、シートスライド装置6を介して車両の床部FL上に支持されている。そして、車両の乗員は、このシートスライド装置6の機能を利用することにより、シート1の位置調整を行うことができる。
【0021】
詳述すると、床部FLには、車両の前後方向(
図2中、左右方向)に延びる一対のロアレール7が並列に設けられるとともに、これら各ロアレール7には、当該各ロアレール7上を移動可能なアッパレール8が装着されている。また、各アッパレール8上には、それぞれ、支持ブラケット9が固定されるとともに、これら各支持ブラケット9の前端部及び後端部には、それぞれ、車両の幅方向(
図2中、紙面に直交する方向)に延びる第2ロアレール10が掛け渡されている。そして、シート1の構造体を構成するクッションフレーム11は、これらの各第2ロアレール10に対して移動可能に装着された第2アッパレール12上に固定されている。
【0022】
即ち、各ロアレール7に対する各アッパレール8の相対移動によって、シート1(シートクッション2)は、これらの各アッパレール8上に設けられた支持ブラケット9、第2ロアレール10及び第2アッパレール12と一体に車両の前後方向に移動する。また、各第2ロアレール10に対する各第2アッパレール12の相対移動によって、シート1は、これら各第2アッパレール12と一体に幅方向に移動する。そして、本実施形態のシートスライド装置6は、これより、車両の前後方向及び幅方向におけるシート1の位置調整が可能となっている。
【0023】
さらに、
図1に示すように、シートクッション2とシートバック3との間には、シートクッション2に対するシートバック3の相対回動を規制し、及びその相対回動を許容することが可能なシートリクライニング装置13が介在されている。そして、車両の乗員は、このシートリクライニング装置13の機能を利用することにより、そのシートバック3の傾倒角度を調整することができるようになっている。
【0024】
また、
図2に示すように、本実施形態のシート1は、シートクッション2の前縁2aに設けられたオットマン20と、このオットマン20をシート1(シートクッション2)の前方に展開し、又はそのシートクッション2の前縁2aに格納するオットマン装置21とを備えている。そして、車両の乗員は、このオットマン装置21の機能を利用することにより、そのオットマン20の展開位置を調整することができるようになっている。
【0025】
詳述すると、
図3〜
図5に示すように、本実施形態のオットマン装置21は、左右一対のリンク機構22を備えている。また、これら各リンク機構22は、それぞれ、その一端(基端)がベースブラケット23に連結され、他端(先端)が支持ブラケット24に連結されている。即ち、
図2及び
図4に示すように、各リンク機構22は、各ベースブラケット23がシートクッション2の骨格(シート1の構造体)をなすクッションフレーム11の前縁部11fに固定されることにより、シートクッション2の前縁2aに支持されるように設けられる。そして、本実施形態のオットマン装置21は、これにより、その左右の支持ブラケット24に固定されたオットマン20をシート1の前方で支持することが可能となっている。
【0026】
図3に示すように、各リンク機構22は、その基端31aに設けられた関節J1を回動中心としてベースブラケット23に連結された第1回動リンク31と、同じく基端32aに設けられた関節J2を回動中心としてベースブラケット23に連結された第2回動リンク32と、を備えている。
【0027】
また、各リンク機構22は、第1回動リンク31の先端31bに設けられた関節J3を回動中心として同第1回動リンク31に連結された第1揺動リンク33と、同じく第2回動リンク32の先端32bに設けられた関節J4を回動中心として同第2回動リンク32に連結された第2揺動リンク34と、を備えている。
【0028】
さらに、第2揺動リンク34は、第1回動リンク31における基端31a側の関節J1と先端31b側の関節J3との間に設けられた関節J5を回動中心として同第1回動リンク31と連結されている。また、第2揺動リンク34は、その先端34bに設けられた関節J6を回動中心として支持ブラケット24の後端部24aに連結されている。そして、第1揺動リンク33は、その先端33bに設けられた関節J7を回動中心として支持ブラケット24の前端部24bに連結されている。
【0029】
このように、本実施形態の各リンク機構22は、各リンク(31〜34)が相対回動自在に連結された所謂パンタグラフリンクの構成を有している。また、
図5に示すように、左右のリンク機構22間には、これらの各リンク機構22が一体に動作するように、第1回動リンク31の基端31a及び先端31bにおいて、それぞれ、両者を連結する連結棒35,36が掛け渡されている。そして、本実施形態のオットマン装置21は、これら各リンク機構22の動作に基づいて、当該各リンク機構22の先端に支持するオットマン20(支持ブラケット24)をシート1の前方に展開し、又はそのシートクッション2の前縁2aに格納することが可能となっている。
【0030】
具体的には、
図2に示すように、本実施形態のリンク機構22は、その先端31bを持ち上げるように第1回動リンク31が回動(同図中、時計回り方向に回動)することにより、オットマン20をシート1の前方に展開する展開状態となる。そして、その先端31bを下ろすように第1回動リンク31が回動(同図中、反時計回り方向に回動)することにより、オットマン20をシートクッション2の前縁2a近傍に配置する格納状態になる。
【0031】
また、本実施形態では、
図5及び
図6に示すように、各リンク機構22は、コイルバネ38の弾性力に基づいて、展開方向に付勢されている。更に、各ベースブラケット23と各第1回動リンク31(の基端31a)とが回動可能に連結された関節J1には、その第1回動リンク31の回動を規制可能なロック機構40が形成されている。そして、本実施形態のオットマン装置21は、このロック機構40を操作して、その第1回動リンク31の回動が規制されたロック状態と当該第1回動リンク31の回動が許容されたアンロック状態とを切り替えることにより、シート1の前方にオットマン20を展開し、及びその展開位置を調整することが可能となっている。
【0032】
即ち、ロック機構40による規制を解除して第1回動リンク31の回動を許容することにより、各リンク機構22は、上記コイルバネ38の弾性力(バネ力)に基づいて展開方向に動作する。尚、各リンク機構22を格納方向に動作させる場合には、そのバネ力に抗してオットマン20に荷重を入力する。そして、再びロック機構40をロック状態とすることにより、所望の位置にオットマン20を配置することができるようになっている。
【0033】
(オットマン装置の固定構造)
次に、本実施形態におけるオットマン装置の固定構造について説明する。
図4〜
図6に示すように、本実施形態では、シート1の構造体を構成するクッションフレーム11は、車両の前後方向(
図4中、左右方向)に延びる左右のサイドフレーム41の前端部41bに、パイプ状の連結部材42を架け渡すように固定することにより形成されている。尚、本実施形態では、連結部材42は、各サイドフレーム41の前端部41bに対して溶接されている。そして、
図7に示すように、この連結部材42には、上記オットマン装置21を固定するための第1固定ブラケット45が設けられている。
【0034】
また、
図5〜
図7に示すように、本実施形態では、この連結部材42の下方(
図7中、下側)においてクッションフレーム11を幅方向移動可能に支持する第2アッパレール12にも、オットマン装置21の固定に用いられる第2固定ブラケット46が設けられている。そして、オットマン装置21の各ベースブラケット23は、これら第1固定ブラケット45及び第2固定ブラケット46を介することにより、そのクッションフレーム11の前縁部11fを構成する連結部材42とサイドスライドレールとしての第2アッパレール12とに固定されている。
【0035】
詳述すると、本実施形態の第1固定ブラケット45は、金属板を加工してなるとともに、溶接によって第1固定ブラケット45に固定されている。そして、第1固定ブラケット45には、左右のリンク機構22を固定するためのボルト挿通孔47が形成されている。
【0036】
一方、第2固定ブラケット46は、略L字型に折り曲げられた板状の外形を有している。尚、本実施形態の第2固定ブラケット46は、金属板を加工してなるとともに、その折り曲げ部48の延伸方向(長手方向)に対して略直交する方向(短手方向)に延びる複数のリブ49を有している。そして、第2固定ブラケット46は、その長手方向に直線状に延びる折り曲げ部48が第2アッパレール12の延伸方向と略平行となるように、その短手方向の一端(基端46a、
図5中、下側の端部)側が当該第2アッパレール12に固定されている。
【0037】
尚、本実施形態の第2アッパレール12は、上側(
図7中、上側)に凸となる断面略コ字状の本体部12aを有して第2ロアレール10に装着されている。そして、第2固定ブラケット46は、この本体部12aに対し、リベット50を用いて固定されている。
【0038】
また、その折り曲げ部48を挟んだ第2固定ブラケット46の先端46b側には、上記第1固定ブラケット45側の各ボルト挿通孔47に対応する幅方向位置に、それぞれ、ボルト挿通孔51が形成されている。そして、オットマン装置21の各ベースブラケット23には、上記第1固定ブラケット45側の各ボルト挿通孔47に対応するボルト挿通孔52、及び第2固定ブラケット46側のボルト挿通孔51に対応するボルト挿通孔53が形成されている。
【0039】
即ち、本実施形態では、オットマン装置21の各ベースブラケット23は、第1固定ブラケット45及び第2固定ブラケット46に対し、それぞれ、ボルト54及びナット55を用いて締結される。ここで、
図7に示すように、本実施形態の第2固定ブラケット46は、そのボルト挿通孔51の軸線L2が第1固定ブラケット45側のボルト挿通孔47の軸線L1と略平行となるように、その折り曲げ部48の折曲角θが設定されている。そして、これにより、各ボルト挿通孔47,51及び各ボルト挿通孔52,53に対して同一方向から締結部材としてのボルト54及びナット55を取着可能、即ち各ベースブラケット23を同一方向から締結することが可能となっている。
【0040】
次に、上記のように構成されたオットマン装置の固定構造の作用について説明する。
即ち、オットマン20を下方に押し下げるような入力荷重は、ベースブラケット23の固定部位に捩りモーメントや曲げモーメントを生じさせる。この点、本実施形態の固定構造では、このようなベースブラケット23に伝達されるオットマン20の荷重負荷が、上下方向に離間した第1固定ブラケット45と第2固定ブラケット46とに分散される。そして、これにより、これら第1固定ブラケット45及び第2固定ブラケット46とベースブラケット23との固定部位に生ずる上記各モーメントを小さく抑えることが可能になる。
【0041】
また、既存の第2アッパレール12に第2固定ブラケット46を設けることで、新たな構成を追加することなく、上記のようにベースブラケット23の固定部位を上下に離間した位置に設定することが可能になる。そして、第2ロアレール10は、第1固定ブラケット45が設けられたクッションフレーム11と一体に幅方向移動することから、第2ロアレール10が形成するシートスライド装置6の機能を損なうこともない。
【0042】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)オットマン装置21は、先端にオットマン20を支持するリンク機構22と、当該リンク機構22をシートクッション2の前縁2aに支持するベースブラケット23とを備える。また、シート1の構造体を構成するクッションフレーム11の前縁部11f(連結部材42)には、第1固定ブラケット45が設けられる。更に、その前縁部11fの下方においてクッションフレーム11を支持しつつ当該クッションフレーム11と一体に幅方向移動可能に設けられた第2アッパレール12には、第2固定ブラケット46が設けられる。そして、ベースブラケット23は、これら第1固定ブラケット45及び第2固定ブラケット46を介することにより、上記前縁部11fを構成する連結部材42とサイドスライドレールとしての第2アッパレール12とに固定される。
【0043】
上記構成によれば、新たな構成を追加することなく、上下に離間した位置にベースブラケット23の固定部位を設定することができる。そして、これにより、リンク機構22を介してベースブラケット23に伝達されるオットマン20の荷重負荷を分散させて、その固定部位に生ずる捩りモーメントや曲げモーメントを小さく抑えることができる。その結果、簡素な構成にて、確実にオットマン装置21をシートクッション2の前縁2aに支持することができる。そして、上記連結部材42及び第2アッパレール12に対し、それぞれ、第1固定ブラケット45及び第2固定ブラケット46を介してベースブラケット23を固定する構成を採用することにより、その良好な組付け性及び加工性を確保することができる。
【0044】
(2)第1固定ブラケット45及び第2固定ブラケット46は、同一方向からベースブラケット23を締結可能に形成される。これにより、より良好な組付け性を確保することができる。
【0045】
[第2の実施形態]
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図8〜
図10に示すように、本実施形態は、上記第1の実施形態との比較において、そのオットマン装置21の固定構造が相違する。
詳述すると、本実施形態では、板状の外形を有して第1固定ブラケット45側に延びる第2固定ブラケット56の先端部56bには、上記第1の実施形態における各ボルト挿通孔51に代えて、幅方向(
図8参照、左右方向)に延びる長孔状の係合孔57が形成されている。また、ベースブラケット23の下端(
図10中、下側の端部)23aには、上記各係合孔57に対応する一対の係合爪58が形成されている。尚、本実施形態では、これらの係合爪58は、ベースブラケット23の下端23aに上記各係合孔57の孔径(幅方向の径)と略等しい幅を有して下方側に突出する板状突部59を設け、当該各板状突部59を第2固定ブラケット56の板厚に合わせてクランク状に折り曲げることにより形成される。そして、ベースブラケット23の下端23a側は、これらの係合爪58と上記各係合孔57との係合によって、第2固定ブラケット56に固定されるようになっている。
【0047】
即ち、
図10に示すように、オットマン装置21を組み付ける際には、先ず、第2固定ブラケット56の各係合孔57に対し、その板状部を構成する先端部56bの延伸方向に沿うように第1固定ブラケット45側(同図中、左斜め上側)からベースブラケット23の各係合爪58を挿入する。そして、ベースブラケット23の上端23b側を第1固定ブラケット45に締結することにより、その係合部としての各係合爪58と被係合部としての各係合孔57とが係合し、ベースブラケット23の下端23a側と第2固定ブラケット56とが固定されるようになっている。
【0048】
以上、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、締結箇所を削減することにより更なる構成の簡素化を図ることができる。そして、これによる部品点数及び組付工数の低減によって製造コストを低減することができるとともに、より良好な組付け性を確保することができる。
【0049】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、クッションフレーム11は、左右のサイドフレーム41の前端部41bに、パイプ状の連結部材42を架け渡すように固定することにより形成されることとした。しかし、これに限らず、クッションフレーム11の構成はどのようなものであってもよい。尚、ベースブラケット23との固定部位に生ずる捩りモーメントや曲げモーメントへの耐性を考慮した場合、その前縁部が細いものほど、より顕著な効果が得られる。
【0050】
・上記各実施形態では、第2固定ブラケット46(56)は、第2アッパレール12に対してリベット50を用いて固定されることとした。しかし、これに限らず、その固定方向は任意に変更してもよい。また、例えば、
図11に示すように、第2アッパレール62と一体に第2固定ブラケット66を形成する構成としてもよい。即ち、この例において、第2アッパレール62の本体部62aは、金属板を折り曲げ加工することにより形成される。そして、第2固定ブラケット66は、その本体部62aを構成する金属板の一部を、上方側(同図中、上側)に折り返すことにより形成される。これにより、より一層の構成の簡素化を図ることができる。
【0051】
・また、第2アッパレール12に対して、既に付加的な部品が固定されている場合には、これが第2固定ブラケットとして機能するように構成してもよい。これにより、部品点数の増加を招くことなく、確実にオットマン装置21を固定することができる。また、その加工が容易という利点もある。
【0052】
尚、この場合における「付加的な構成」としては、例えば、第2ロアレール10から第2アッパレール12が外れないように上下方向における当該第2アッパレール12の相対移動を規制する抜け止めプレート67等が挙げられる(
図6及び
図9参照)。
【0053】
・上記第2の実施形態では、ベースブラケット23は、第1固定ブラケット45に対しては締結により固定され、第2固定ブラケット46に対しては係合部と被係合部との係合により固定されることとした。しかし、これに限らず、第2固定ブラケット46に対しては締結により固定され、第1固定ブラケット45に対しては係合により固定される構成であってもよい。
【0054】
・また、上記第2の実施形態では、ベースブラケット23の下端23aに係合部としての各係合爪58を形成し、第2固定ブラケット56の先端部56bに被係合部としての各係合孔57を形成することとした。しかし、これに限らず、その係合部及び被係合部の構成はどのようなものであってもよい。
【0055】
・さらに、
図12に示すように、係合孔57に挿入された係合爪58を板状部としての先端部56bとの間に挟み込む第2の係合部を形成してもよい。例えば、第2固定ブラケット56と同様に略L字型に折り曲げられた板状部材68を第2固定ブラケット56と一体に共締めする。また、板状部材68は、その先端部68bと第2固定ブラケット56の先端部56bとの間に、係合爪58の厚みに相当する隙間Xができるように形成される。そして、この隙間Xに、係合孔57に挿入された係合爪58の先端を挿入する構成とすればよい。このような構成とすることで、そのオットマン20の荷重負荷により生ずる捩りモーメントや曲げモーメントによって、係合孔57と係合爪58との間の係合が緩むことを防ぐことができる。その結果、良好な組付け性を確保しつつ、確実にオットマン装置21を固定することができる。
【0056】
・上記第2の実施形態では、係合孔57は、左右に一個ずつ形成されることとしたが、その数は任意に変更してもよい。そして、例えば、左右共用のベースブラケットを有する場合等には、その係合爪及び係合孔の数は、一つずつであってもよい。
【0057】
・リンク機構22及びロック機構40の構成は任意に変更してもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記係合孔に挿入された前記係合爪を前記板状部との間に挟み込む第2の係合部を備えること、を要旨とする。これにより、良好な組付け性を確保しつつ、確実にオットマン装置を固定することができる。