(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5906949
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】電球用アダプタ
(51)【国際特許分類】
H01R 31/06 20060101AFI20160407BHJP
H01R 33/22 20060101ALI20160407BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20160407BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20160407BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160407BHJP
【FI】
H01R31/06 A
H01R33/22 A
F21S8/02 410
F21V19/02 300
F21V19/02 500
F21Y101:02
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-127404(P2012-127404)
(22)【出願日】2012年6月4日
(65)【公開番号】特開2013-251239(P2013-251239A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年3月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成23年12月6日〜平成24年4月6日にかけて卸問屋5社に対してE17LED電球専用可変ソケット DS17−10を卸す
(73)【特許権者】
【識別番号】000137915
【氏名又は名称】株式会社ムサシ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】岡本 博晶
【審査官】
楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−129356(JP,A)
【文献】
実開昭62−191085(JP,U)
【文献】
特開2011−108383(JP,A)
【文献】
特開2011−181379(JP,A)
【文献】
実開昭62−191084(JP,U)
【文献】
特開2007−307510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 33/05〜33/46
F21S 8/02
F21V 19/02
H01R 31/06
H01R 33/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電球用の電源ソケットに着脱自在に接続される電源接続用口金を有する電源接続部と、
電球の口金が接続される電球接続用ソケットを有する電球接続部と、
前記電源接続用口金の中心線に沿った第1軸回りに回転自在に電源接続部に支持した可動支持部であって、前記電球接続部を前記第1軸に立体的或いは平面的に交差する第2軸回りに回動自在で且つ第1及び第2軸に交差する第3軸方向に位置調整可能に支持する可動支持部と、
を備え、
前記可動支持部に第3軸方向に貫通する開口部を有する環状部を設けるとともに、前記環状部における第2軸の軸線上の両側部に第3軸方向に細長い1対の案内スリットを設け、前記電球接続部の途中部に両案内スリットに内嵌する第2軸方向の1対の軸部を設け、前記電球接続部を開口部内において可動支持部に、前記軸部を中心に回動自在に且つ前記案内スリットに沿って第3軸方向に位置調整可能に取り付けた、
ことを特徴とする電球用アダプタ。
【請求項2】
前記案内スリットの第3軸方向の途中部に、前記軸部を第3軸方向に位置調整可能に保持する幅狭部を形成した請求項1記載の電球用アダプタ。
【請求項3】
前記案内スリットの少なくとも一方の側方に案内スリットに沿った細長い補助スリットを形成し、前記案内スリットと補助スリット間の中間壁部の素材の弾性を利用して、前記軸部を第3軸方向に位置調整可能に保持する請求項1又は2記載の電球用アダプタ。
【請求項4】
前記電源接続用口金と電球接続用ソケットとを配線コードで電気的に接続した請求項1〜3のいずれか1項記載の電球用アダプタ。
【請求項5】
前記電源ソケットが、ダウンライトの電源ソケットであり、前記第3軸方向が上下方向であり、前記電球接続用ソケットに接続される電球がLED電球である請求項1〜4のいずれか1項記載の電球用アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウンライトに好適に使用可能な電球用アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの観点から、一般家庭においても、照明器具の白熱電球を発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたLED電球に交換する交換作業が広く実施されている。
【0003】
ところで、LED電球は、白熱電球と比較して、消費電力が少なく、寿命も長いという利点を有するが、光の照射方向に指向性があり、白熱電球にように全方位に光を照射できないことから、次のような問題がある。
【0004】
即ち、玄関の天井に設置されるダウンライトとしては、白熱電球を鉛直方向に対して斜め下側へ向けて傾斜状に取り付けたものが広く採用されているが、このダウンライトにおける白熱電球をLED電球に交換すると、ダウンライトの真下を十分に照明できず、使用に耐えないものになるという問題が発生する。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、白熱電球用のソケットに着脱自在に取り付けられるLED電球用アダプタであって、電球用の電源ソケットに着脱自在に螺合される電源接続用口金を有する電源接続部と、電球の口金が螺合される電球接続用ソケットを有する電球接続部と、電源接続部に対して回転自在に且つ電源接続部の軸方向に沿って移動自在に支持された可動支持部であって、前記電球接続部を電源接続部の軸方向と直交する軸回りに回動自在に支持する可動支持部とを備えたLED電球用アダプタが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この特許文献1記載のLED電球用アダプタでは、可動支持部を電源接続部に対して回転させるとともに、電球接続部を可動支持部に対して回動させることで、利用者の好みに応じて光の照射方向を調整でき、また可動支持部を電源接続部の軸方向に沿って移動させることで、ダウンライトの下面を開口させた半球状や円錐台状や有底な円筒状のランプケースの中心線上にLED電球の中心を配置して、電球用ソケットを効果的に使用できるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−181379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、前記特許文献1記載のLED電球用アダプタでは、斜めに配置された電源ソケットに対して、電源接続部及び可動支持部を接続し、更にLED電球が縦向きに配置されるように、電球接続部及びLED電球を可動支持部に支持するので、LED電球の下端部が、電源ソケットに対して白熱電球を取付けた場合における白熱電球の下端部よりも低い位置に配置され、LED電球の下部がランプケースから下方へ突出して、ダウンライトの見栄え性が低下するという問題があった。
【0009】
また、特許文献1記載のLED電球用アダプタでは、導電性を有する金属板を可動部分において繋ぎ合わせて、通電回路を構成していたので、部品点数が多く構造が複雑で、しかも組立性の良くないものであった。しかも、LED電球用アダプタは一度角度調整を行うと、基本的には角度調整する必要のないものなので、通電回路を複雑にすることによるメリットも殆どなく、反対に接触不良の発生が懸念されるという問題がある。
【0010】
更に、本発明者は、特許文献1記載のLED電球用アダプタでは、可動支持部を電源接続部の軸方向に沿って移動させることで、LED電球の中心をダウンライトのランプケースの底面の中心線上に配置できるように構成しているが、LED電球の中心がダウンライトのランプケースの中心線から多少ずれたとしても、LED電球の角度を調整することで、照明としての機能は殆ど低下しないことを見出した。
【0011】
本発明の目的は、白熱電球用のダウンライトの白熱電球をLED電球に交換するときに採用可能な電球用アダプタであって、LED電球による照明の向きを任意に調整でき、しかもLED電球をできるだけ上側に配置して、LED電球の下端がランプケースから下側へ突出することによる外観低下を極力防止可能な電球用アダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る電球用アダプタは、電球用の電源ソケットに着脱自在に接続される電源接続用口金を有する電源接続部と、電球の口金が接続される電球接続用ソケットを有する電球接続部と、前記電源接続用口金の中心線に沿った第1軸回りに回転自在に電源接続部に支持した可動支持部であって、前記電球接続部を前記第1軸に立体的或いは平面的に交差する第2軸回りに回動自在で且つ第1及び第2軸に交差する第3軸方向に位置調整可能に支持する可動支持部とを備えたものである。
【0013】
この電球用アダプタでは、電球用アダプタの電源接続部を電球用の電源ソケットに取り付けてから、電球用アダプタの電球接続部に電球を取り付け、その後電球の向きを第1軸回り及び第2軸回りに調整して、電球の向きを調整できる。また、電球接続部を第3軸方向に位置調整することで、例えば電球の高さを調整できる。このため、この電球用アダプタを用いて、例えば玄関の天井等に設置されるダウンライトの白熱電球をLED電球に交換する場合には、電球接続部がランプケース内のできるだけ上部側に位置するように、電球用アダプタの可動支持部に対する電球接続部の第3軸方向(高さ方向)の位置を調整した後、電球用アダプタの電源接続用口金を電源ソケットに接続して、電球用アダプタの電球接続用ソケットにLED電球を取り付け、その後LED電球の向きを第1軸回り及び第2軸回りに調整して、LED電球からの光の照射方向を調整でき、白熱電球を用いた場合と同様に、ダウンライトの真下を照明することができる。また、ランプケースの深さに応じて電球接続部の高さ位置を調整して、LED電球をランプケースのできるだけ上部側へ配置させることで、LED電球の下端部がランプケースから下方へ突出することを極力防止することができ、LED電球の下端部がランプケースから下方へ突出することによる、ダウンライトの見栄え性の低下を防止できる。
【0014】
ここで、前記可動支持部に第3軸方向に貫通する開口部を有する環状部を設けるとともに、前記環状部における第2軸の軸線上の両側部に第3軸方向に細長い1対の案内スリットを設け、前記電球接続部の途中部に両案内スリットに内嵌する第2軸方向の1対の軸部を設け、前記電球接続部を開口部内において可動支持部に、前記軸部を中心に回動自在に且つ前記案内スリットに沿って第3軸方向に位置調整可能に取り付けることが好ましい実施の形態である。この場合には、簡単な構成により、可動支持部に対して電球接続部を、第2軸回りに回動自在で且つ第3軸方向に位置調整可能に取付けることができる。
【0015】
前記案内スリットの第3軸方向の途中部に、前記軸部を第3軸方向に位置調整可能に保持する幅狭部を形成することも好ましい実施の形態である。この場合には、幅狭部を形成するという簡単な構成により、可動支持部に対して電球接続部を第3軸方向に、2位置以上の複数位置に位置調整可能に保持できる。
【0016】
前記案内スリットの少なくとも一方の側方に案内スリットに沿った細長い補助スリットを形成し、前記案内スリットと補助スリット間の中間壁部の素材の弾性を利用して、前記軸部を第3軸方向に位置調整可能に保持することも好ましい実施の形態である。この場合には、案内スリットと補助スリット間の中間壁部の素材の弾性を利用するという簡単な構成により、部品点数を増やすことなく、前記軸部を第3軸方向に位置調整可能に安定性良く保持できる。
【0017】
前記電源接続用口金と電球接続用ソケットとを配線コードで電気的に接続することも好ましい実施の形態である。本発明では、電球用アダプタにより、電球の向きを調整するだけなので、第1軸回り及び第2軸回りに対する電球の回転や回動の範囲は極限られて範囲であるので、電源接続用口金と電球接続用ソケットとを配線コードで直接的に電気的に接続しても、配線コードに対して無理な力が作用することはないので、このように構成することで、電源接続用口金と電球接続用ソケットの通電回路を大幅に簡素に構成できる。
【0018】
前記電源ソケットが、ダウンライトの電源ソケットであり、前記第3軸方向が上下方向であり、前記電球接続用ソケットに接続される電球がLED電球であることが好ましい実施の形態である。電球用アダプタには、白熱電球を取り付けることも可能であるが、光の照射方向を調整できるので、LED電球を取り付けることが好ましい。また、この電球用アダプタは、ダウンライトに好適である。即ち、前述のようにダウンライトでは、鉛直方向に対して斜めに白熱電球を取り付けるので、LED電球に交換するとダウンライトの真下を照明できないが、本発明の電球用アダプタを用いると、白熱電球をLED電球に交換した場合でも、ダウンライトの真下を照明することができ、しかもダウンライトのランプケースから下側へLED電球の下端部が突出することを極力防止できるので好ましい。ただし、この電球用アダプタは、ランプケース以外の照明器具に対しても適用できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電球用アダプタによれば、電球用アダプタの電源接続部を電球用の電源ソケットに取り付けてから、電球用アダプタの電球接続部に電球を取り付け、その後電球の向きを第1軸回り及び第2軸回りに調整して、電球の向きを調整できる。また、電球接続部を第3軸方向に位置調整することで、例えば電球の高さを調整できる。このため、この電球用アダプタを用いて、例えば玄関の天井等に設置されるダウンライトの白熱電球をLED電球に交換する場合には、電球接続部がランプケース内のできるだけ上部側に位置するように、電球用アダプタの可動支持部に対する電球接続部の第3軸方向(高さ方向)の位置を調整した後、電球用アダプタの電源接続用口金を電源ソケットに接続して、電球用アダプタの電球接続用ソケットにLED電球を取り付け、その後LED電球の向きを第1軸回り及び第2軸回りに調整して、LED電球からの光の照射方向を調整でき、白熱電球を用いた場合と同様に、ダウンライトの真下を照明することができる。また、ランプケースの深さに応じて電球接続部の高さ位置を調整して、LED電球をランプケースのできるだけ上部側へ配置させることで、LED電球の下端部がランプケースから下方へ突出することを極力防止することができ、LED電球の下端部がランプケースから下方へ突出することによる、ダウンライトの見栄え性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】LED電球を組付けた状態での電球用アダプタの斜視図
【
図4】LED電球を組付けた状態での電球用アダプタの正面図
【
図5】LED電球を組付けた状態での電球用アダプタの平面図
【
図6】LED電球を組付けた状態での電球用アダプタの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態は、ダウンライトの白熱電球をLED電球に交換するために、ダウンライトに対して電球用アダプタを適用した場合のものである。
【0022】
図1に示すように、ダウンライト1は、下側へ向けて開口する円錐台状のランプケース2と、白熱電球用の電源ソケット3と、電源ソケット3をランプケース2の斜め上側に固定支持する取付金具4とを備え、玄関等の天井5に形成した開口部6を通じて埋め込み施工されている。電源ソケット3は、それに取り付けた白熱電球(図示略)の発光部がランプケース2の上部中央部内に配置されるように、取付金具4により鉛直方向に対して傾斜状に支持されている。
【0023】
本発明に係る電球用アダプタ20は、このようなダウンライト1において、白熱電球に代えてLED電球10を電源ソケット3に取り付ける場合に用いるものである。ただし、LED電球10に代えて白熱電球を電球用アダプタ20に取り付けることも可能であるし、この電球用アダプタ20は、白熱電球を用いるダウンライト1以外の照明器具に対しても適用できる。
【0024】
LED電球10は、円錐台状の基体部11と、基体部11の小径側の端部に絶縁部材12を介して固定した口金13と、基体部11の大径側の端部に固定した基板14と、該基板14を覆うように基体部11の大径側の端部に取り付けた透明な半球状のグローブ15と、基板14のグローブ15側の面に取り付けたLED素子16と、LED素子16の図示外の点灯回路とを備え、LED素子16を発光させて、その光をグローブ15を通じて外部に照射する周知の構成のものである。
【0025】
電球用アダプタ20は、
図1〜
図7に示すように、電球用の電源ソケット3に着脱自在に接続される電源接続用口金31を有する電源接続部30と、LED電球10の口金13が接続される電球接続用ソケット41を有する電球接続部40と、電源接続用口金31の中心線に沿った第1軸L1回りに回転自在に電源接続部30に支持した可動支持部50であって、電球接続部40を前記第1軸L1に立体的或いは平面的に交差する第2軸L2回りに回動自在で且つ第1及び第2軸L1、L2に交差する第3軸L3方向に位置調整可能に支持する可動支持部50とを備えている。ただし、第1軸L1は、電源接続用口金31の中心線上に配置することも可能であるし、電源接続用口金31の中心線と平行に配置することも可能であるし、電源接続用口金31の中心線に対して多少の角度を付けて配置することも可能である。また、第2軸L2は、第1軸L1に間隔をあけて立体的に交差するように構成してもよいし、第1軸L1と同一平面内に配置させて交差するように構成してもよい。更に、第1軸L1と第2軸L2とは直交させることが好ましいが、90°以外の角度で交差するように配置してもよい。また、第3軸L3は、電球用アダプタ20をダウンライト1に組み付けた状態で、上下方向となるように配置することが好ましい。
【0026】
電源接続部30は、絶縁材料からなる円筒状の支持部材32と、支持部材32の外側端部に外嵌状に取り付けたネジ式の電源接続用口金31と、電源接続用口金31の底面の中央部に絶縁材を介して外部へ突出状に設けた中心電極33とを備えている。
【0027】
電球接続部40は、有底円筒状の外ケース42と、外ケース42に内嵌される有底円筒状の内ケース43と、内ケース43に内嵌されるネジ式の電球接続用ソケット41と、内ケース43の奥端面の中央部に取り付けた中央端子44とを備え、電球接続用ソケット41及び中央端子44は内ケース43とともに2本の固定ネジ45により外ケース42に固定されている。
【0028】
電球接続部40にはLED電球10がその口金13を電球接続用ソケット41に螺合して取付けられ、これによりLED電球10の中心電極17と電球接続部40の中央端子44が電気的に接続されるとともに、LED電球10の口金13と電球接続部40の電球接続用ソケット41が電気的に接続される。電球接続部40の電球接続用ソケット41及び中央端子44には2本の配線コード21の一端部がそれぞれ電気的に接続され、両配線コード21は外ケース42と内ケース43間の隙間を通って外部へ導出され、その他端部は電源接続部30の電源接続用口金31と中心電極33とにそれぞれ電気的に接続されている。このように、電球接続用ソケット41と中央端子44とを2本の配線コード21により電源接続用口金31と中心電極33とにそれぞれ電気的に接続しているので、電球用アダプタ20の通電回路を極めて簡単に構成できる。
【0029】
可動支持部50は、電源接続用口金31の中心線を含む上下方向の面内において分割可能な1対の分割体50A、50Bで構成され、一方の分割体50Aの先端部側には係合爪51が形成され、他方の分割体50Bの先端部側には係合爪51に係合可能な凹部52が形成され、両分割体50A、50Bは係合爪51を凹部52に係合させて先端部を結合するとともに、基端部を2本の固定ネジ53にて固定することで組み立てられている。
【0030】
電源接続部30に対して可動支持部50を回転自在に支持するため、電源接続部30の支持部材32の基端部には小径筒部34が形成され、小径筒部34の途中部には環状溝35が形成されている。また、1対の分割体50A、50Bを組み合わせた状態で、可動支持部50の基端部には電源接続部30の小径筒部34に外嵌される筒部54が形成され、筒部54には環状溝35に嵌合する環状突部55が内側へ向けて形成され、可動支持部50は、環状溝35と環状突部55との凹凸嵌合により、第1軸L1方向に移動不能で且つ第1軸L1回りに回転自在に電源接続部30に取り付けられている。
【0031】
図7に示すように、小径筒部34の先端外周部には1つの係止突部36が外方へ突出状に形成され、可動支持部50の筒部54には係止突部36に係合して可動支持部50の回転を規制する回転規制突部56が内側へ向けて突出状に形成され、可動支持部50は第1軸L1を中心に電源接続部30に対して約330度の範囲で回転できるように構成されている。なお、係止突部36と回転規制突部56とは、LED電球10を真下に向けた状態で、第1軸L1を挟んで反対側の周方向位置に配置されるように構成され、これによりLED電球10を真下へ向けた状態から、第1軸L1回りの両側へできるだけ広範囲にLED電球10を回動できるように構成されている。また、第1軸L1回りにLED電球10を回転させたときにおける配線コード21の捩じれを極力防止するため、係止突部36と回転規制突部56とが第1軸L1を挟んで反対側の周方向位置に配置された状態で、配線コード21に捩じれが発生しないように、該配線コード21を接続することが好ましい。
【0032】
1対の分割体50A、50Bを組み合わせた状態で可動支持部50には上下方向に貫通する開口部57を有する環状部58が形成され、分割体50A、50Bの長さ方向の途中部には第3軸L3方向(略上下方向)に細長い1対の案内スリット59がそれぞれ設けられ、電球接続部40の外ケース42の高さ方向の途中部には両案内スリット59に沿って上下方向に移動可能に内嵌する1対の軸部46が第2軸L2方向に突出状に形成されている。案内スリット59には軸部46を案内スリット59の上部に保持する1対の上部保持突部60と案内スリット59の下部に保持する1対の下部保持突部61が内側へ向けてそれぞれ突出状に形成され、上部保持突部60間と下部保持突部61間には軸部46よりも小径の幅狭部62が形成されている。案内スリット59の少なくとも一方の側方には案内スリット59に沿った細長い補助スリット63が形成され、案内スリット59と補助スリット63間の中間壁部64の素材の弾性を利用して、軸部46を案内スリット59の上部又は下部に位置切替可能に保持できるように構成されている。なお、案内スリット59の高さ方向に間隔をあけて複数の保持突部を形成して複数の幅狭部62を形成し、隣接する幅狭部62間に軸部46を保持できるように構成して、電球接続部40の高さを上下方向に多段階に切替可能に構成することも可能である。また、補助スリット63を設けると、案内スリット59の上部又は下部に軸部46を安定性良く保持することができるが、補助スリット63は、案内スリット59の片側のみに形成することも可能であるし、省略することも可能である。また、案内スリット59に代えて、環状部58の内側に上下方向に延びる案内溝を環状部58の内側へ向けて開口するように形成し、該案内溝に軸部46の端部を嵌合させて、電球接続部40を高さ方向に位置切替可能に支持することも可能である。更に、外ケース42側にスリットや溝を形成し、可動支持部50側に該スリットや溝に嵌合する軸部を形成することも可能である。
【0033】
この電球用アダプタ20を用いてダウンライト1にLED電球10を取り付ける際には、案内スリット59に沿って軸部46を移動させて、可動支持部50に対する電球接続部40の第3軸L3の方向(高さ方向)の位置をランプケース2の深さに応じて切替えた状態で、電源ソケット3に電球用アダプタ20の電源接続部30の電源接続用口金31を螺合させて、ダウンライト1の電源ソケット3に電球用アダプタ20を取り付ける。この状態で、電球接続用ソケット41にLED電球10を螺合して、LED電球10を取り付けてから、LED電球10の向きを第1軸L1回り及び第2軸L2回りに調整して、例えばダウンライト1の真下をLED電球10で照明することになる。
【0034】
このように、この電球用アダプタ20では、LED電球10の向きを第1軸L1回り及び第2軸L2回りに調整して、LED電球10による光の照射方向を調整できるので、例えばダウンライト1の真下へ向けて光を照射することができる。また、ランプケース2の深さに応じて電球接続部40の高さ位置を調整できるので、
図1に仮想線で示すように、LED電球10をランプケース2の奥部側へ配置させて、LED電球10の下端部がランプケース2から下方へ突出することを極力防止することができ、LED電球10の下端部がランプケース2から下方へ突出することによる、ダウンライト1の見栄え性の低下を防止できる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1 ダウンライト 2 ランプケース
3 電源ソケット 4 取付金具
5 天井 6 開口部
10 LED電球 11 基体部
12 絶縁部材 13 口金
14 基板 15 グローブ
16 LED素子 17 中心電極
20 電球用アダプタ 21 配線コード
30 電源接続部 31 電源接続用口金
32 支持部材 33 中心電極
34 小径筒部 35 環状溝
36 係止突部
40 電球接続部 41 電球接続用ソケット
42 外ケース 43 内ケース
44 中央端子 45 固定ネジ
46 軸部
50 可動支持部 50A 分割体
50B 分割体 51 係合爪
52 凹部 53 固定ネジ
54 外嵌筒部 55 環状突部
56 回転規制突部 57 開口部
58 環状部 59 案内スリット
60 上部保持突部 61 下部保持突部
62 幅狭部 63 補助スリット
64 中間壁部
L1 第1軸 L2 第2軸
L3 第3軸