(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態である情報処理装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、入力部5、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)インターフェース(I/F)6、ネットワークインターフェース(I/F)7及びHDD(Hard
Disc Drive)等の大容量記憶媒体8を備えており、これらはバスにより互いに接続されている。
【0019】
CPU2は、後述するROM3内に格納されたファームウェア等のプログラムが実行されることにより、情報処理装置1全体の制御を行う。ROM3には、ファームウェア等のプログラムが格納され、このプログラムが情報処理装置1の起動時に読み出され、RAM4において展開された後で実行されることで、CPU2による情報処理装置1全体の制御が行われる。
【0020】
RAM4は情報処理装置1のワークメモリとして機能し、CPU2を含めた情報処理装置1の動作時に一時的に使用されるプログラム、データ等が格納される。また、このRAM4には、ユーザにより提供される音楽ファイル10、画像ファイル11及び情報処理装置1の動作により作成/更新される日付ファイル12が格納されている。この音楽ファイル10及び画像ファイル11の一部には、それぞれこれら音楽ファイル10及び画像ファイル11のそれぞれに関連付けられた音楽メタデータ10a及び画像メタデータ11aが設けられている。音楽ファイル10、画像ファイル11及び日付ファイル12のより詳細な構成については後述する。なお、
図1においては音楽ファイル10、画像ファイル11及び日付ファイル12はそれぞれ1つずつ図示されているが、本実施例においては少なくとも画像ファイル11は複数個RAM4内に格納されている。そして、音楽ファイル10及び日付ファイル12についても1つのみRAM4内に格納されている構成に限定されない。
【0021】
入力部5は、入力インターフェース(I/F)5a、カードインターフェース(I/F)5b及びUSB(Universal Serial Bus)インターフェース(I/F)5cを備える。入力インターフェース5aには入力機器13が接続され、ユーザが入力機器13を操作することにより入力される入力信号を受信する。入力機器13としては、例えばリモコン、キーボード、マウス、画像取り込み指示ボタン等が挙げられる。カードインターフェース5bはカードスロット(図略)を備え、このカードスロットに挿入されたメモリーカード14に対してデータの読み出し/書き込みを行う。メモリーカード14の形式に限定はなく、一例としてmini、microを含むSDメモリーカード、メモリースティック(ソニー株式会社の登録商標)が好適に挙げられる。USBインターフェース5cはUSBコネクタ(図略)を備え、このUSBコネクタに直接、あるいはUSBケーブル(図略)を介して接続されたUSB機器15に対してデータの読み出し/書き込みを行う。USB機器15としては、USBフラッシュメモリ、USBコネクタを備えたデジタルカメラ等が挙げられる。
【0022】
HDMIインターフェース6はHDMIコネクタ(図略)を備え、このHDMIコネクタにHDMIケーブル(図略)を介して接続されたHDMI出力機器16に対してAVストリーム(映像信号及び音声信号)を出力する。HDMI出力機器16としては、例えばTVやモニタ等が挙げられる。ネットワークインターフェース7はネットワークコネクタ(図略)を備え、このネットワークコネクタにネットワークケーブル(図略)を介してルータ17が接続され、このルータ17がWAN(Wide Area Network)18に接続されることで、外部ネットワークとの間でデータの送受信がされる。このネットワークインターフェース7は、例えばIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.3規格に基づく有線通信を行うものである。あるいは、ネットワークインターフェース7は、IEEE802.11規格に基づく無線通信を行うものであってもよく、あるいは、有線/無線通信のいずれも行うものであってもよい。
【0023】
また、CPU2は、情報処理装置1全体の制御を行うと共に、ROM3内に格納されたプログラムが実行されることにより、音楽・画像再生部2a及びメタデータ更新部2bとしても動作する。音楽・画像再生部2aは、ユーザの指示等により音楽ファイル10が選択されると、この音楽ファイル10と、音楽ファイル10に関連付けられた画像ファイル11とを再生し、スライドショー機能を実現する。また、メタデータ更新部2bは、音楽ファイル10及び画像ファイル11がこの情報処理装置11に取り込まれた際に、所定の条件に従って音楽ファイル10の音楽メタデータ10aを作成/更新し、さらに、関連付けられた音楽ファイル10及び画像ファイル11が音楽・画像再生部2aにより再生されたことをトリガとして、音楽ファイル10の音楽メタデータ10aを更新する。そして、このメタデータ更新部2bは、音楽ファイル10及び画像ファイル11が取り込まれ、再生された際に、日付ファイル12を参照してこの日付ファイル12を作成/更新する。音楽・画像再生部2a及びメタデータ更新部2bの動作の詳細については後述する。
【0024】
(音楽ファイル及び画像ファイルのデータ構造)
次に、
図2は、本実施形態の情報処理装置1のRAM4内に格納されている音楽ファイル10のデータ構造の一例を示す図である。既に説明したように、本実施形態の音楽ファイル10は音楽メタデータ10aを備えている。より詳細には、音楽ファイル10は音楽データ10bの先頭または末尾(
図2に示す例では先頭)に設けられた管理領域に音楽メタデータ10aが記述されている。このようなデータ構造を有する音楽ファイル10は既知であり、例えばmp3(MPEG Audio Layer-3)等において用いられるID3タグなどがある。特に、ID3v2においては、ユーザが定義可能なフレームが用意されており、後述する本実施形態に独特な音楽メタデータ10aの記述に好適である。
【0025】
図2において、音楽メタデータ10aは、音楽データ10bのタイトルが記述されるタイトル領域10c、音楽データ10bを演奏したアーティスト名が記述されるアーティスト領域10d、音楽データ10bのアルバム名が記述されるアルバム領域10e、音楽データ10bのリリース年月日が記述されるリリース年月日領域10f、画像ファイル11に関連付けられた関連度値が記述される関連度値領域10g、及び、個々の画像ファイルに係る関連度値が更新された日付が記述されるメタデータ更新日領域10hを備える。
【0026】
ここに、関連度値領域10gには、この音楽ファイル10に関連付けられた画像ファイル11毎に関連度値が記述される。同様に、メタデータ更新日領域10hには、この音楽ファイル10に関連付けられた画像ファイル11毎に関連度値を更新した日付及び更新の態様が記述される。ここに、更新の態様とは、関連度値が何をトリガとして更新されたかについての情報である。これら関連度値領域10g及びメタデータ更新日領域10hに記述される内容は、メタデータ更新部2bにより作成/更新される。
【0027】
なお、
図2において、音楽ファイル10の先頭には、この音楽ファイル10を特定するためのIDが記述されたID領域10iが設けられている。また、
図2の例では、音楽メタデータ10aには6つの領域10c〜10hが設けられていたが、本実施形態においては、リリース年月日領域10f、関連度値領域10g及びメタデータ更新日領域10h以外の領域は任意であり、これ以上、あるいはこれ以下の数の領域が設けられてよい。
【0028】
さらに、
図3は、本実施形態の情報処理装置1のRAM4内に格納されている画像ファイル11のデータ構造の一例を示す図である。既に説明したように、本実施形態の画像ファイル11は画像メタデータ11aを備えている。より詳細には、画像ファイル11は画像データ11bの先頭にまたは末尾(
図3に示す例では先頭)に設けられた管理領域に画像メタデータ11aが記述されている。このようなデータ構造を有する画像ファイル11は既知であり、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等において用いられるExif(Exchangeable image file format)などがある。
【0029】
図3において、画像メタデータ11aは、画像ファイル11bの撮影日付が記述される撮影日付領域11c及び画像ファイル11bが撮影された時点における、画像ファイル11を生成したデジタルカメラ等の撮影機器が所在する位置のGPS情報が記述されるGPS情報領域11dを備える。
【0030】
なお、
図3において、画像ファイル11の先頭には、この画像ファイル11を特定するためのIDが記述されたID領域11eが設けられている。また、
図3の例では、画像メタデータ11aには2つの領域11c〜11dが設けられていたが、本実施形態においては、撮影日付領域11c以外の領域は任意であり、これ以上、あるいはこれ以下の数の領域が設けられてよい。
【0031】
(日付ファイルのデータ構造)
次に、
図4は、本実施形態の情報処理装置1のRAM4内に格納されている日付ファイル12のデータ構造の一例を示す図である。
図4に示す日付ファイル12は、後述する音楽ファイル10の取り込み、再生動作に伴って生成/更新され、その取り込み等がされた日付毎に新たな日付ファイル12が生成されるものであり、音楽ファイル10の音楽メタデータ10a及び画像ファイル11の画像メタデータ11aと同様のメタデータである。
【0032】
図4において、日付ファイル12は、音楽ファイル10が再生された日付、または音楽ファイル10の音楽データ10bのリリース年月日を示す日付が記載される日付領域12aと、取り込みまたは再生がされた音楽ファイル10のID(その音楽ファイル10のID領域10hに記載されるIDに対応するID)と、日付領域12aに記載された日付においてこの音楽ファイル10が再生されたか、あるいはリリースされたかを示す情報とが記載される音楽ファイル情報領域12b、12cとを備える。同一の日付において、複数の音楽ファイル10が再生され、あるいはリリースされた場合は、対応する音楽ファイル10の数だけ音楽ファイル情報領域12b、12cが設けられる。
図4に示す例では、音楽ファイル領域12b、12cは2つ設けられているが、この数に限定はない。なお、以下の説明において、複数の音楽ファイル情報領域12b、12cについて言及する場合でも、符号は代表して音楽ファイル情報領域12bについてのみ示す。
【0033】
(情報処理装置の動作)
次に、
図5〜
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の情報処理装置の動作について説明する。
【0034】
図5は、音楽ファイル取り込み動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS1において、情報処理装置1に音楽ファイル10の取り込みが指示される。音楽ファイル10取り込み指示は、例えばユーザが入力機器13を操作することで開始してもよく、あるいは、USBインターフェース5cのUSBコネクタにUSB機器15が接続され、情報処理装置1がUSB機器15の接続を認識したことにより開始してもよい。情報処理装置1に音楽ファイル10の取り込み指示がされると、CPU2は、入力部5のカードインターフェース5bのカードスロットに挿入されたメモリーカード14、USBインターフェース5cのUSBコネクタに接続されたUSB機器15から音楽ファイル10を取り込み、これをRAM4に格納する。あるいは、ネットワークインターフェース7を介して外部ネットワークから音楽ファイル10を取得してもよい。
【0035】
次に、ステップS2において、CPU2のメタデータ更新部2bは、取り込まれた音楽ファイル10の音楽メタデータ10aを解析する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、音楽メタデータ10aのうちリリース年月日領域10fに記述された音楽データ10bのリリース年月日データを取得する。
【0036】
そして、ステップS3において、メタデータ更新部2bは、ステップS1において取り込まれた音楽ファイル10の音楽メタデータ10aに基づいて、日付ファイル12を作成/更新する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、音楽メタデータ10aのリリース年月日領域10fに記載されたリリース年月日と同一の日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12を検索し、リリース年月日領域10fに記載されたリリース年月日と同一の日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12が既に存在する場合は、その日付ファイル12の音楽ファイル情報領域12bに、この音楽データ10のIDと、日付領域12aに記載された日付にこの音楽ファイル10がリリースされたことを示す情報とを記載する。一方、リリース年月日領域10fに記載されたリリース年月日と同一の日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12が存在しない場合は、新しく日付ファイル12を生成し、この日付ファイル12の日付領域12aに、音楽メタデータ10aのリリース年月日領域10fに記載されたリリース年月日と同一の日付を記載するとともに、その日付ファイル12の音楽ファイル情報領域12bに、この音楽データ10のIDと、日付領域12aに記載された日付にこの音楽ファイル10がリリースされたことを示す情報とを記載する。
【0037】
図6は、画像ファイル取り込み動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS11において、情報処理装置1に画像ファイル11の取り込みが指示される。画像ファイル11取り込み指示は、例えばユーザが入力機器13を操作することで開始してもよく、あるいは、USBインターフェース5cのUSBコネクタにUSB機器15が接続され、情報処理装置1がUSB機器15の接続を認識したことにより開始してもよい。情報処理装置1に画像ファイル11の取り込み指示がされると、CPU2は、入力部5のカードインターフェース5bのカードスロットに挿入されたメモリーカード14、USBインターフェース5cのUSBコネクタに接続されたUSB機器15から画像ファイル11を取り込み、これをRAM4に格納する。あるいは、ネットワークインターフェース7を介して外部ネットワークから画像ファイル11を取得してもよい。
【0038】
次に、ステップS12において、CPU2のメタデータ更新部2bは、取り込まれた画像ファイル11の画像メタデータ11aを解析する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、画像メタデータ11aのうち撮影日付領域11cに記述された画像ファイル11の撮影日付データを取得する。
【0039】
次に、ステップS13において、メタデータ更新部2bは、ステップS12において取得した画像ファイル11の撮影日データを検索条件として、日付ファイル12を検索し、この検索結果に基づいて音楽ファイル10と画像ファイル11との関連付けが行えるかどうかを検討する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、日付ファイル12の日付領域12aに記載された日付データを取得し、画像ファイル11の撮影日付と日付ファイル12の日付とを比較して、これら撮影日付及び日付が近接する日付ファイル12を抽出する。ここで、「近接」とは、撮影日付と日付とが一致する場合、一定の期間内に撮影日付と日付とが共に存在する場合、撮影日付の月と日付の月とが一致する場合、撮影日付の年と日付の年とが一致する場合などを含む。
【0040】
そして、ステップS14において、ステップS13による検索の結果、画像ファイル11の撮影日付に近接する日付を有する日付ファイル12が存在したかどうかを判定し、存在した場合(ステップS14においてYES)はステップS15に進み、存在しなかった場合(ステップS14においてNO)は
図6のフローチャートに示す動作を終了する。
【0041】
そして、ステップS15において、メタデータ更新部2bは、ステップS13において検索された日付ファイル12の音楽ファイル情報領域12bに記載されたIDを有する音楽ファイル10の音楽メタデータ10aを作成/更新する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、検索された日付ファイル12の音楽ファイル情報領域12bに記載された音楽データ10のIDを参照して音楽データ10を検索し、この音楽データ10の音楽メタデータ10aの関連度値領域10gに、ステップS11において取り込まれた画像ファイル11のIDとともに画像ファイル11毎の関連度値を記述する。さらに、メタデータ更新部2bは、関連度値が更新された画像ファイル11について、その更新日及び更新の態様(ここではリリース年月日と撮影年月日との近接、またはリリース年月日と再生日付との近接)をメタデータ更新日領域10hに記述する。
【0042】
ここに、日付ファイル12が作成/更新される契機は、音楽データ10の取り込みまたは再生であり、取り込みの際に作成/更新される日付ファイル12は、音楽データ10のリリース年月日に基づくものである。ユーザにとって、リリース年月日は自身の思い入れがかなり高いことが予想され、しかも、撮影日と近接する可能性は低いので、リリース年月日と撮影日付とが近接する場合の関連度値は例えば「10」なる値に設定される。一方、音楽データ10の再生日はユーザの嗜好に基づくものであり、リリース年月日と撮影日との近接の可能性よりは近接する可能性が高いものの、ユーザの嗜好を尊重する観点から、リリース年月日との一致よりも低い値であるが、十分高い関連度値である「5」なる値に設定される。
【0043】
次に、
図7は音楽ファイル手動再生動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS21において、情報処理装置1に音楽ファイル10の再生が指示される。音楽ファイル10の再生は、例えばユーザが入力機器13を操作することで開始される。音楽ファイル10の再生指示方法について限定はなく、例えば、情報処理装置1がHDMIインターフェース6を介してHDMI出力機器16に音楽ファイル10のリスト画面またはアイコン画面を表示させ、入力機器13によりユーザが再生を希望する音楽ファイル10を選択指示させるような方法が挙げられる。そして、ステップS22において、CPU2の音楽・画像再生部2aは、ステップS21において再生指示がされた音楽ファイル10を再生する。
【0044】
次に、ステップS23において、ステップS21において再生指示された音楽ファイル10との同時再生をユーザが希望する、画像ファイル11の再生が情報処理装置1に指示される。画像ファイル11の再生は、音楽ファイル10の再生と同様に、例えばユーザが入力機器13を操作することで開始される。画像ファイル11の再生指示方法についても限定はなく、例えば、情報処理装置1がHDMIインターフェース6を介してHDMI出力機器16に画像ファイル11のリスト画面またはアイコン画面を表示させ、入力機器13によりユーザが再生を希望する画像ファイル11を選択指示させるような方法が挙げられる。なお、ステップS23において、複数の画像ファイル11が選択されてもよい。そして、ステップS24において、CPU2の音楽・画像再生部2aは、ステップS23で再生指示がされた画像ファイル11を再生する。
【0045】
これら音楽ファイル10及び画像ファイル11は、例えば、音楽・画像再生部2aがHDMIインターフェース6を介してHDMI出力機器16にAVストリームを送出することで、このHDMI出力機器16において再生される。音楽ファイル10の再生及び画像ファイル11の再生の態様には限定はなく、例えば、ユーザが希望するタイミングで画像ファイル11を切り替えて再生してもよく、あるいは、ユーザが任意で選択した複数の画像ファイル11を一定時間毎に再生タイミングを一部重複させながら再生する、いわゆるスライドショー機能を実現してもよい。このような演出効果については特段の限定はない。
【0046】
そして、ステップS25において、メタデータ更新部2bは、ステップS22において再生された音楽ファイル10の音楽メタデータ10aを作成/更新する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、音楽メタデータ10aの関連度値領域10gに、ステップS24において再生された画像ファイル11に係る関連度値を記述する。このステップS25において記載される関連度値は、ユーザが個別指定した音楽ファイル10及び画像ファイル11が互いに関連づけられたことに基づくものであり、ユーザが特定の音楽ファイル10及び画像ファイル11を指定して再生し続けると関連度値が大幅に上昇してしまうので、例えば「1」といった、ステップS15において加算される関連度値よりも低い値とされる。また、メタデータ更新部2bは、関連度値が更新された画像ファイル11について、その更新日及び更新の態様(ここでは音楽ファイルと画像ファイルとの同時再生)をメタデータ更新日領域10hに記述する。
【0047】
さらに、メタデータ更新部2bは、説明を省略したCPU2の内部タイマーから現在の日付を取得し、あるいは、ネットワークインターフェース7を介して外部ネットワークから現在の日付を取得し、この日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12を検索し、検索の結果、現在の日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12があればこれを抽出し、なければ新たに作成する。そして、検索の結果抽出/作成された日付ファイル12において、日付領域12aに日付の記載がなければ現在の日付を記載し、そして、音楽ファイル情報領域12bに、ステップS21において選択され、ステップS22において再生された音楽ファイル10のIDとともに再生されたことを示す情報を記載する。
【0048】
次に、
図8は音楽ファイル自動再生動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS31において、情報処理装置1に音楽ファイル10の再生が指示される。音楽ファイル10の再生は、例えばユーザが入力機器13を操作することで開始される。音楽ファイル10の再生指示方法について限定はなく、例えば、情報処理装置1がHDMIインターフェース6を介してHDMI出力機器16に音楽ファイル10のリスト画面またはアイコン画面を表示させ、入力機器13によりユーザが再生を希望する音楽ファイル10を選択指示させるような方法が挙げられる。
【0049】
次に、ステップS32において、CPU2のメタデータ更新部2bは、選択された音楽ファイル10の音楽メタデータ10aを解析する。具体的には、本実施形態では、メタデータ更新部2bは、音楽メタデータ10aのうち関連度値領域10gに記述された画像ファイル11毎の関連度値を取得する。そして、CPU2のメタデータ更新部2bは、関連度値領域10gに記述された関連度値をキーとして、この関連度値に関する、より正確には、関連度値に記載されたIDを有する画像ファイル11を検索する。
【0050】
あるいは、CPU2のメタデータ更新部2bは、説明を省略したCPU2の内部タイマーから現在の日付を取得し、あるいは、ネットワークインターフェース7を介して外部ネットワークから現在の日付を取得し、次いで、画像ファイル11の画像メタデータ11aのうち撮影日付領域11cに記述された画像ファイル11の撮影日付データを取得し、画像ファイル11の撮影日付と現在の日付とを比較して、これら撮影日付及び現在の日付とが近接する画像ファイル11を抽出する。ここで、「近接」とは、撮影日付と現在の日付とが一致する場合、一定の期間内に撮影日付と現在の日付とが共に存在する場合、撮影日付の月と現在の日付の月とが一致する場合、撮影日付の年と現在の日付の年が一致する場合などを含む。
【0051】
なお、ステップS32において、関連度値に基づく画像ファイル11の検索、及び現在の日付に基づく画像ファイル11の抽出は同時に行われてもよく、また、いずれか一方のみ行ってもよい。
【0052】
次に、ステップS33において、CPU2の音楽・画像再生部2aは、ステップS31において再生指示がされた音楽ファイル10を再生するとともに、ステップS34において、ステップS32で検索がされた画像ファイル11を表示する。これら音楽ファイル10及び画像ファイル11は、例えば、音楽・画像再生部2aがHDMIインターフェース6を介してHDMI出力機器16にAVストリームを送出することで、このHDMI出力機器16において再生される。音楽ファイル10の再生及び画像ファイル11の再生の態様には限定はなく、例えば、一定時間毎に1つの画像ファイル11を切り替えて再生してもよく、あるいは、複数の画像ファイル11を再生タイミングを一部重複させながら再生してもよい。このような演出効果については特段の限定はない。このステップS33及びS34の動作により、いわゆるスライドショー機能が実現される。なお、音楽ファイル10は、後述するユーザからのスライドショー機能終了指示があるまで繰り返し再生される。
【0053】
ここに、画像ファイル11の再生は、再生指示された音楽ファイル10の音楽メタデータ10aのうち関連度値領域10gに関連度値の記述がある全ての画像ファイル11を再生してもよく、あるいは、関連度値が高い順、低い順に順次画像ファイル11を再生してもよい。加えて、関連度値が高い順、低い順に並べて上位/下位から一定数の画像ファイル11のみ再生してもよい。
【0054】
図9は、ステップS33及びS34において実行される音楽ファイル10及び画像ファイル11の再生動作の概略を説明するための図である。
図9において、再生指示されたID_Aの音楽ファイル10の音楽メタデータ10aの関連度値領域10gには、ID_A〜ID_Cの画像ファイル11についての関連度値が記述されている。
図9に示す例では、関連度値領域10gに関連度値の記述がある画像ファイル11を全て再生し、かつ、関連度値の高い順に画像ファイルを再生する。すなわち、ID_Aの音楽ファイル10が再生されている間、ID_B、ID_C、ID_Aの順に画像ファイル11が再生される。
【0055】
次に、ステップS35において、ユーザからスライドショー機能の終了が指示されたか否かが判定され、終了が指示された場合(ステップS35においてYES)はステップS36に移行し、終了が指示されていない場合(ステップS35においてNO)はステップS33に戻り、スライドショー機能を引き続き実行する。スライドショー機能終了の指示は、例えば、ユーザが入力機器13を操作することで行われる。
【0056】
そして、ステップS36において、メタデータ更新部2bは、説明を省略したCPU2の内部タイマーから現在の日付を取得し、あるいは、ネットワークインターフェース7を介して外部ネットワークから現在の日付を取得し、この日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12を検索し、検索の結果、現在の日付が日付領域12aに記載された日付ファイル12があればこれを抽出し、なければ新たに作成する。そして、検索の結果抽出/作成された日付ファイル12において、日付領域12aに日付の記載がなければ現在の日付を記載し、そして、音楽ファイル情報領域12bに、ステップS31において選択され、ステップS33において再生された音楽ファイル10のIDとともに再生されたことを示す情報を記載する。
【0057】
以上詳細に説明したように、本実施形態の情報処理装置1においては、音楽ファイル10または画像ファイル11が操作されることをトリガに、音楽メタデータ10aの関連度値領域10gの記述が適宜作成/更新されるので、この関連度値領域10gに記述された関連度値に基づいて音楽ファイル10及び画像ファイル11を再生することで、音楽ファイル10または画像ファイル11の操作を反映したスライドショー機能が実現できる。これにより、スライドショー機能を実行するユーザの嗜好や行動を反映したスライドショー機能を実現することが可能になる。
【0058】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態である情報処理装置の動作を説明するための図であり、より詳しくは、情報処理装置の音楽メタデータ更新動作を説明するためのフローチャートである。本実施形態の情報処理装置の構成は上述した第1の実施形態の情報処理装置1と略同一であり、第2の実施形態の情報処理装置は第1の情報処理装置1に加えて、
図10に示す動作を行うことのみが異なる。従って、同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0059】
図10のフローチャートに説明する音楽メタデータ更新動作は、所定期間毎に起動される。この
図10において、ステップS41では、CPU2のメタデータ更新部2bは、説明を省略したCPU2の内部タイマーから現在の日付を取得し、あるいは、ネットワークインターフェース7を介して外部ネットワークから現在の日付を取得する。次いで、ステップS42において、メタデータ更新部2bは、音楽ファイル10の音楽メタデータ10aのうちメタデータ更新日領域10hに記述された画像ファイル11毎のメタデータ更新日を検索する。
【0060】
次いで、ステップS43において、メタデータ更新部2bは、ステップS42において検索された、メタデータ更新日領域10hに記述された画像ファイル11毎のメタデータ更新日のうち、同様にメタデータ更新日領域10hに記述された更新の態様が音楽ファイルと画像ファイルとの同時再生であるメタデータ更新日と、ステップS41において取得された現在の日付とを比較し、現在の日付からメタデータ更新日を減算した値を算出する。次いで、ステップS44において、ステップS43にて算出した値が所定値より大きい(例えば1ヶ月)かどうかを判定する。その結果、現在の日付からメタデータ更新日を減算した値が所定値より大きい(ステップS44においてYES)場合はステップS45に移行し、現在の日付からメタデータ更新日を減算した値が所定値以下である(ステップS44においてNO)場合はステップS46に移行する。
【0061】
ステップS45においては、現在の日付からメタデータ更新日を減算した値が所定値より大きい画像ファイル11に係る音楽メタデータ10aの関連度値領域10gに記述された関連度値を一定値(例えば1)減算して記述する。ステップS46においては、全ての画像ファイル11に係るメタデータ更新日についてステップS44による判定が行われたどうかが判定され、全ての画像ファイル11に係るメタデータ更新日についてステップS44による判定が行われた(ステップS46においてYES)場合は
図10のフローチャートに示す動作を終了し、全ての画像ファイル11に係るメタデータ更新日についてステップS44による判定が行われていない場合(ステップS46においてNO)は、ステップS43に戻って、別の画像ファイル11に係るメタデータ更新日について判定を行う。
【0062】
以上詳細に説明したように、本実施形態の情報処理装置によれば、更新の態様が音楽ファイル10と画像ファイル11との同時再生である音楽ファイル10について、現在の日付からメタデータ更新日を減算した値が所定値より大きい、すなわち、音楽ファイル10と画像ファイル11との同時再生によりメタデータが更新されてから所定期間を経過した関連度値に係る画像ファイル11については、この関連度値が一定値減算される。これにより、長期間関連度値が更新されていない、すなわち再生されていない画像ファイル11についてはその関連度値を減算することができ、よりユーザの嗜好を反映したスライドショー機能を実現することができる。
【0063】
つまり、上記第1の実施形態で説明したように、音楽ファイル手動再生によっても関連度値は加算されてゆくので、音楽ファイル手動再生を多数回実行すると、撮影日付とリリース年月日とが近接する、あるいは撮影日付と現在の日付とが近接することによる音楽ファイル10と画像ファイル11との関連付けが薄くなり、多数回音楽ファイル手動再生を実行したことによる音楽ファイル10と画像ファイル11との関連付けが優先されてしまう。ユーザとしては、画像ファイル11の撮影日付に関する思い入れを強く持っていることが予想されるので、多数回音楽ファイル手動再生を実行することによる音楽ファイル10と画像ファイル11との関連付けよりも、撮影日付とリリース年月日とが近接する、あるいは撮影日付と現在の日付とが近接することによる音楽ファイル10と画像ファイル11との関連付けを優先することが、ユーザの嗜好に叶っていると考えられる。
【0064】
(変形例)
なお、本発明の情報処理装置は、その詳細が上述した各実施形態に限定されず、種々の変形例が可能である。
一例として、上述の各実施形態では、音楽ファイル10及び画像ファイル11はRAM4内に格納されていたが、これに限定されず、例えばHDD等の大容量記憶媒体8内に格納されてもよく、さらには、情報処理装置1にUSBインターフェース5cを介して接続されるUSB機器15であるUSB HDDなどの外部記憶装置に格納されてもよい。また、上述の各実施形態では、HDMIインターフェース6を介してHDMI出力機器16に画像及び音声出力をしていたが、これに限定されず、一例として、画像出力についてはコンポジット出力インターフェース、コンポーネント出力インターフェースを介して出力し、音声出力についてはアナログ音声出力インターフェースを介して出力するなど、他の周知の画像、音声出力インターフェース及び出力端子を用いることも可能である。当然、画像表示装置及び音声出力装置を情報処理装置内に備えるとしてもよい。
【0065】
また、上述の各実施形態では、音楽ファイル10の音楽メタデータ10aのうち、関連度値領域10g及びメタデータ更新日領域10h以外の領域については既に記述されているものとして説明をしたが、
図5に示す音楽ファイル取り込み動作時、詳細にはステップS11における音楽ファイル取り込み指示によって取り込まれた時点では音楽メタデータ10aに何も記述されておらず、その後、関連度値領域10g及びメタデータ更新日領域10h以外の領域についての記述がされてもよい。具体的には、関連度値領域10g及びメタデータ更新日領域10h以外の領域についての記述は、ユーザが入力機器13を用いて行ってもよく、あるいは、音楽データ10bの特徴量に基づいて、外部ネットワーク上にあるデータベースを検索し、このデータベースから記述すべきデータを取得してもよい。特に、音楽ファイル10がCD(Compact Disc)から取り込まれる場合、このCDのTOC(Table Of Contents)はCD毎にほぼ一意的に定まるので、このTOCを用いて外部ネットワークにあるデータベースを検索し、このデータベースから記述すべきデータを取得してもよい。
【0066】
なお、TOCを用いて外部ネットワークにあるデータベースを検索し、このデータベースから記述すべきデータを取得した場合等において、リリース年月日領域10fに記述されるリリース年月日は単にリリース年であることもある。この場合は、撮影日付または現在の日付との「近接」は単純に年単位での近接を意味する。
【0067】
また、
図2及び
図3に示す音楽ファイル10及び画像ファイル11のデータ構造において、音楽メタデータ10aのうち関連度値領域10g及びメタデータ更新日領域10h以外の領域、及び画像メタデータ11aのうち撮影日付領域11c以外の領域については、
図2及び
図3に示した例に限定されず、音楽ファイル10及び画像ファイル11の再生及び管理に必要なメタデータ領域が設けられてよい。あるいは、
図2及び
図3に示した音楽メタデータ10a及び画像メタデータ11aのうち、関連度値領域10g、メタデータ更新日領域10h及び撮影日付領域11c以外の領域については、
図2及び
図3に示した例より少ない領域が設けられてもよい。
【0068】
さらに、
図10に示した音楽メタデータ更新動作において、上述した実施形態では定期的に音楽メタデータ更新動作が実行されていたが、例えば
図4〜
図6に示すような音楽メタデータ10aの作成/更新があったことをトリガとして、現在の日付から更新日データが一定期間経過している関連度値を一定値減算する、あるいは、メタデータ更新日領域10hに記述された更新日データを新しいまたは古い順に配列し、更新日データが古い所定個の関連度値を一定値減算してもよい。所定期間毎に音楽メタデータ更新動作が実行されると、暫く情報処理装置1によって音楽ファイル手動再生を実行しないと、音楽メタデータ更新動作により一律に関連度値が減少される可能性があるため、実際に音楽ファイル10または画像ファイル11が操作されたことのみをトリガとすることのメリットはある。さらに、
図10に示した音楽メタデータ更新動作においても、所定期間毎にメタデータ更新日領域10hに記述された更新日データを新しいまたは古い順に配列し、更新日データが古い所定個の関連度値を一定値減算してもよい。
【0069】
なお、上述の各実施形態においては、情報処理装置1はROM3内に格納されたプログラムが実行することにより各種機能が実現される構成であったが、かかるプログラムはDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM、USB等の記録媒体に格納され、あるいは外部ネットワーク上にある記憶媒体に格納され、必要に応じてプログラムが情報処理装置1に読み込まれて実行される構成であってもよい。