(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用したポータブルトイレについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本発明を適用したポータブルトイレ1は、例えば、高齢者や病人や体が不自由な人等が、ベッドから離れることはできるが、病院や自宅等に常設されたトイレまで行けない、又は、トイレまでの移動が不安定な場合において、病室や部屋等のベッドに隣接するように設置して使用する可搬型簡易トイレである。
【0015】
具体的に、
図3に示すように、ポータブルトイレ1は、椅子型のトイレ本体10と、トイレ本体10に着脱自在に設けられ、排泄物を貯留するバケツ20と、トイレ本体10に回動自在に設けられ、バケツ20上に配置されて使用者が着座する便座30と、トイレ本体10に回動自在に設けられ、トイレ本体10の上部の一部を成す便座30を覆う蓋体40と、バケツ20の上面の開口端部に当接しながらスライドしてバケツ20の開口部20bを開閉するシャッタ50と、シャッタ50が着脱自在に取り付けられ、シャッタ50をスライドさせるホイール60と、蓋体40の回動に連動してホイール60を回転駆動させる駆動機構70と、駆動機構70を覆うカバー部材80とを備えている。
【0016】
このようなポータブルトイレ1は、非使用時には、
図1に示すように、蓋体40が便座30上の閉位置に配置されて便座30を覆っているとともに、
図4に示すように、シャッタ50がバケツ20の上面の開口端部20hに当接した状態でバケツ20の開口部20bの全体を閉塞している。
【0017】
その一方で、ポータブルトイレ1は、使用時には、
図2に示すように、蓋体40が上方側に回動されて開位置に配置されて便座30が露出されるとともに、
図5及び
図6に示すように、この蓋体40の上方側(
図6中の矢印X1側及び矢印Y1側)への回動に連動して、駆動機構70によってホイール60が一方側(
図6中の矢印Z1側)に回転駆動されて、ホイール60の外周にシャッタ50が巻き取られ、シャッタ50が後方側にスライドされることで、
図7及び
図8に示すように、バケツ20の開口部20bが開放される。
【0018】
そして、使用後には、ポータブルトイレ1は、
図5及び
図6に示すように、蓋体40が下方側(
図6中の矢印X2側及び矢印Y2側)に回動されて閉位置に配置されて、
図1に示すように、蓋体40によって便座30が覆われると、
図5及び
図6に示すように、この蓋体40の下方側への回動に連動して、駆動機構70によってホイール60が他方側(
図6中の矢印Z2側)に回転駆動されて、ホイール60の外周に巻き取られていたシャッタ50がバケツ20に向けて排出されて、シャッタ50がバケツ20の上面の開口端部20hに当接しながら前方側にスライドされることで、
図4に示すように、バケツ20の開口部20bの全体が閉塞される。
【0019】
具体的に、トイレ本体10は、木材等で形成され、
図3に示すように、椅子状をなすように設けられている。したがって、トレイ本体10は、樹脂で形成されたものよりも重量があり、安定している。また、トイレ本体10は、中央部に開口部を有する矩形状の本体11と、本体11の上面の後方側から上方に延びる背凭れ部12と、背凭れ部12に設けられた肘掛け部13と、本体11の下面の4隅にそれぞれ下方に向けて設けられた脚部14とを有している。背凭れ部12は、本体11の左側面部11e及び右側面部11fの立上げ部12a,12aの上部を背当て部12bで連結する構成を有し、背当て部12bの下に開口部12cが形成されている。
【0020】
なお、背凭れ部12、肘掛け部13及び脚部14は、任意の高さに調整可能な高さ調整機構を有するようにしても良い。また、肘掛け部13は、使用者がベッドから容易に着座できるように、取り外し可能なものであっても良く、上方に回動自在なものであっても良い。更に、脚部14にキャスタを設けて、より容易に搬送できるようにしても良い。
【0021】
更に、背当て部12bの後方側には、
図9に示すように、蓋体40が上方側に回動されて開位置に配置された際に蓋体40と当接して蓋体40の後方側への回動を規制する蓋体ストッパ部15が設けられている。この蓋体ストッパ部15は、後方側へ折り曲げられた板部材で構成されている。したがって、蓋体40は、
図8に示すように、上方側に回動されて開位置に配置された際に背当て部12bよりもやや後方側に配置することができ、使用者が背当て部12bに寄りかかった際に、使用者の背中等に当接して座り心地が悪くなることを防止することができる。
【0022】
また、蓋体ストッパ部15は、
図9に示すように、ピンやボルト等の回動軸となる回動支持部材15aによって、回動支持部材15aを中心に回転自在に背当て部12bに取り付けられている。したがって、蓋体ストッパ部15は、使用者が自身で臀部等を拭けない等の介助者による後方からの介助が必要な場合に、
図10に示すように、回動支持部材15aを中心に回動させて、蓋体40の回動の規制を解除して、蓋体40を更に後方側へ回動させて後方介助位置に配置可能な状態とすることができる。
【0023】
更に、トイレ本体10には、
図3に示すように、排泄物を貯留するバケツ20を着脱自在に支持するバケツ受け部材16が、本体11の上面に着脱自在に取り付けられている。具体的には、このバケツ受け部材16は、ポリプロピレン等の樹脂材料で矩形板状に形成されている。そして、バケツ受け部材16は、本体11の前面部11cの上面と、後面部11dの上面と、左側面部11eの内面及び右側面部11fの内面に設けられた支持部材11gとに支持されて、本体11に着脱自在に取り付けられている。
【0024】
また、バケツ受け部材16には、バケツ20の本体部20aが挿通される開口部16aと、バケツ20のフランジ部20cが収納されるフランジ収納凹部16bとが設けられている。このフランジ収納凹部16bは、例えばバケツ20のフランジ部20cと略同じ形状で略同じ大きさ又はやや大きく形成された凹部である。更に、フランジ収納凹部16bの開口部16aの周囲には、バケツ20のフランジ部20cと当接してバケツ20を支持するバケツ支持壁16cが設けられている。
【0025】
したがって、バケツ受け部材16は、バケツ20の本体部20aが開口部16aに挿通されてバケツ20のフランジ部20cがフランジ収納凹部16bに収納された際に、バケツ20のフランジ部20cとバケツ支持壁16cとが当接することで、バケツ20を着脱可能に支持する。更に、バケツ支持壁16cは、フランジ収納凹部16bの開口部16aの周囲に上方に立設して設けられているので、使用者が排泄する際に排泄物がバケツ20から外れてバケツ受け部材16(フランジ収納凹部16b)に排泄された場合又はバケツ20に貯留された排泄物がバケツ20からバケツ受け部材16(フランジ収納凹部16b)に飛散された場合に、排泄物を堰き止めて、排泄物がバケツ受け部材16の開口部16aから漏れることを防止する。
【0026】
更に、バケツ受け部材16には、フランジ収納凹部16bと同じ面に、便座30を収納する便座収納凹部16dが設けられている。便座収納凹部16dは、例えば便座30と略同じ形状で略同じ大きさ又はやや大きく形成された凹部である。更に、便座収納凹部16dは、使用者が排泄する際に排泄物がバケツ20から外れてバケツ受け部材16に排泄された場合又はバケツ20に貯留された排泄物がバケツ20からバケツ受け部材16に飛散された場合に、排泄物を堰き止めて、排泄物が本体11等まで拡散することを防止する。
【0027】
なお、バケツ受け部材16は、上述したように、排泄物がバケツ受け部材16に排泄された場合やバケツ20に貯留された排泄物がバケツ20からバケツ受け部材16に飛散された場合には、トイレ本体10から取り外すことができるので、容易に、排泄物の廃棄を行うことができるとともに、廃棄後の洗浄を行うことができる。
【0028】
更に、バケツ受け部材16には、バケツ20の開口部20bを開閉するシャッタ50が挿通されるシャッタ挿通孔16eが形成されている。このシャッタ挿通孔16eは、例えば後面部16fに形成されており、バケツ受け部材16に支持されたバケツ20の上面の開口端部20hに当接しながらスライド可能なように、シャッタ50が挿通される。
【0029】
バケツ20は、
図3に示すように、内部に排泄物が貯留可能な貯留容器であり、ポリプロピレン等の樹脂材料で形成されている。更に、バケツ20は、本体部20aの上部に開口部20bを有している。更に、バケツ20の本体部20aの上部には、側方に突出した平坦なフランジ部20cが設けられている。バケツ20は、シャッタ50が上面の開口端部20h(フランジ部20c)に当接しながらスライドすることで、開口部20bが開閉される。したがって、バケツ20は、高い気密性が確保され、内部に貯留された排泄物の臭気が漏れることを確実に防止することができる。
【0030】
更に、バケツ20は、トイレ本体10に取り付けられたバケツ受け部材16に着脱可能に取り付けられている。したがって、バケツ20は、内部に排泄物が貯留された場合にはバケツ受け部材16から取り外すことで、容易に、内部の排泄物を破棄することができるとともに、破棄後の洗浄を行うことができる。更に、バケツ20には、本体部20aの前方側に他の部分よりも縮径(幅狭)となるように絞られた絞り部20dが設けられている。したがって、バケツ20は、絞り部20dによって内部の排泄物をより簡単に破棄することができる。
【0031】
また、バケツ20には、トイレ本体10から着脱する際又は廃棄場所や洗浄場所まで持ち運ぶ際に把持するための第1の取手部20eが設けられている。この第1の取手部20eは、略逆U字状をなし、例えばフランジ部20cに回動自在に設けられている。したがって、バケツ20は、第1の取手部20eを把持することで、容易に着脱及び持ち運ぶことができる。更に、バケツ20には、
図4に示すように、排泄物を破棄する際に把持する第2の取手部20fが設けられている。この第2の取手部20fは、略C字状をなし、本体部20aの後方側に設けられている。したがって、バケツ20は、第1の取手部20eを把持するとともに第2の取手部20fを把持することで、排泄物を破棄する場合等に容易に傾けることができ、排泄物を容易に破棄することができる。
【0032】
また、
図3に示すように、バケツ20のフランジ部20cには、バケツ20の上面(開口端部20h)に付着した排泄物の拡散を防止する拡散防止壁20gが設けられている。この拡散防止壁20gは、例えばバケツ20のフランジ部20cの前方側に上方に向けて設けられている。したがって、拡散防止壁20gは、バケツ20のフランジ部20cやバケツ20のフランジ部20cと対向するシャッタ50の裏面部が排泄物等で汚れていた場合に、シャッタ50の開閉動作により排泄物等がバケツの前方にしごかれて汚れが拡がることを防止することができる。なお、拡散防止壁20gは、
図3及び
図4に示すように、排泄物を廃棄しやすいように、中央部20g1の部位の壁高さが、その他の部位の壁高さよりも低くなっている。
【0033】
便座30は、ポリプロピレン等の樹脂材料で形成され、
図3に示すように、バケツ受け部材16の後部に回動自在に設けられている。更に、便座30は、上部からバケツ受け部材16を覆うように設けられ、バケツ受け部材16の便座収納凹部16dに収納されている。なお、便座30は、トイレ本体10の本体11の後部に回動自在に設けるようにしても良い。
【0034】
蓋体40は、トイレ本体10の本体11に回動自在に設けられ、非使用時には、
図1に示すように、閉位置に配置されて便座30を覆うように設けられて、ポータブルトイレ1を椅子として用いる場合の座面として使用され、ポータブルトイレ1のトイレ装置としての使用時には、
図2に示すように、上方に回動されて開位置に配置されて便座30を露出するように設けられる。具体的に、蓋体40は、
図6に示すように、前方蓋40aと後方蓋40bとがヒンジ部材41を介して山折りになるように連結されている。更に、蓋体40は、後方蓋40bの後部が本体11の後部にヒンジ機構42を介して回動自在に支持されている。
【0035】
ヒンジ機構42は、
図11(A)に示すように、トイレ本体10の本体11に回動自在に支持される第1の座面ヒンジ部材43と、第1の座面ヒンジ部材43に回動自在に支持され、蓋体40の後方蓋40bに取り付けられる第2の座面ヒンジ部材44とで構成されている。
【0036】
第1の座面ヒンジ部材43は、略矩形状の主面片43aと、主面片43aの長手方向の両端部に主面片43aに対して一方側に略直交するように設けられた一対の側面片43b,43cとを有している。更に、主面片43aには、第2の座面ヒンジ部材44を回転自在に支持する支持片43dが形成されている。この支持片43dは、主面片43aの幅方向の一側面に、主面片43aの長手方向に所定の間隔をあけて2個形成されている。具体的に、支持片43dは、主面片43aに対して側面片43bとは反対側の他方側に略直交するように設けられた第1の支持片43eと、第1の支持片43eの主面片43aの長手方向の中央側の側面に、主面片43aの幅方向の外側に向けて略直交するように設けられた第2の支持片43fとで構成されている。
【0037】
更に、主面片43aには、略中央部に、第1の座面ヒンジ部材43と第2の座面ヒンジ部材44とを一体に保持する保持部材45が取り付けられている。保持部材45は、例えば磁石であり、金属材料等から成る磁気吸着可能な第2の座面ヒンジ部材44を第1の座面ヒンジ部材43に一体に保持する。その一方で、第2の座面ヒンジ部材44は、第1の座面ヒンジ部材43から離間する方向に所定の荷重が付加されると、保持部材45による第1の座面ヒンジ部材43との保持状態を解除することができる。
【0038】
更に、側面片43bには、貫通孔46が形成されている。第1の座面ヒンジ部材43は、側面片43bの貫通孔46にピンやボルト等の回転支持部材(不図示)が挿通されるとともに、側面片43cが後述する駆動機構70の回動自在なヒンジ板75に連結されることで、トイレ本体10の本体11に回動自在に支持されている。
【0039】
第2の座面ヒンジ部材44は、略矩形状の主面片44aと、主面片44aの幅方向の一側面部の主面片44aの長手方向の略中央部に、主面片44aに対して他方側に略直交するように設けられた側面片44bとで構成されている。主面片44aは、
図12に示すように、他方側の一主面部が蓋体40の後方蓋40bの裏面部にボルト等によって締結されている。側面片44bは、
図11(A)に示すように、主面片44aに対して他方側に略直交する第1の側面片44cと、第1の側面片44cの主面片44aの長手方向の外側の両側面部に、主面片44aの幅方向の外側に向けて略直交するように設けられた第2の側面片44dとで構成されている。
【0040】
第2の座面ヒンジ部材44は、
図11(B)に示すように、主面片44aを第1の座面ヒンジ部材43の主面片43aに対向させるとともに、第2の側面片44dと第1の座面ヒンジ部材43の第2の支持片43fとを当接させて、第2の側面片44dの貫通孔44eと第1の座面ヒンジ部材43の第2の支持片43fの貫通孔43gとに、座面ヒンジピン47が挿通されることで、第1の座面ヒンジ部材43に回動自在に支持されている。
【0041】
このような蓋体40は、使用時には、
図13に示すような閉位置に配置されて便座30を覆った状態から、
図14に示すように、第1の座面ヒンジ部材43の側面片43bの貫通孔46と、側面片43cと連結された駆動機構70のヒンジ板75の第1の回動軸74eとを中心に後方側(
図14中の矢印R1側)に回動するとともに、ヒンジ部材41を介して二つ折りにすることで、起立状態とすることができ、開位置に配置されて便座30を露出させることができる。更に、蓋体40は、後方介助が必要な場合には、
図14に示すような起立状態から、所定以上の荷重を付加して、
図15に示すように、座面ヒンジピン47を中心に第2の座面ヒンジ部材44を第1の座面ヒンジ部材43に対して後方側(
図15中の矢印R2側)に回動することで、例えば背凭れ部12よりも更に後方側に回動して後方介助位置に配置することができる。したがって、
図10に示すように、背当て部12bの下の開口部12cが開放されるので、容易に介助者が後方から介助することができる。
【0042】
シャッタ50は、ポリプロピレン等の樹脂材料で形成され、
図3に示すように、可撓性を有するシート状の薄板部材で構成されている。このようなシャッタ50は、バケツ20の上面の開口端部20hに当接しながらスライドして、バケツ20の開口部20bを開閉する。更に、シャッタ50は、
図16に示すように、ホイール60の外周に着脱自在に取り付けられている。
【0043】
具体的に、
図17に示すように、シャッタ50の主面部の基端側には、シャッタ50を巻き取るホイール60に取り付けるための取付孔51が形成されている。この取付孔51は、例えば第1の取付孔51aと第2の取付孔51bとで構成されている。第1の取付孔51a及び第2の取付孔51bは、それぞれ例えば幅方向に所定の長さ切り込まれた切込の中途部に形成された円形状の貫通孔であって、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して対称に設けられている。
【0044】
更に、シャッタ50の主面部の基端側には、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に表裏を逆向きに取り付けることを防止するための逆取付防止孔52が形成されている。この逆取付防止孔52は、例えば第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとで構成されている。第1の逆取付防止孔52a及び第2の逆取付防止孔52bは、それぞれ例えば矩形状の貫通孔であって、第1の逆取付防止孔52aの第1の取付孔51aに対する相対位置と、第2の逆取付防止孔52bの第2の取付孔51bに対する相対位置とが同じとなるように設けられている。ここでは、第1の逆取付防止孔52aは、第1の取付孔51aに対して、シャッタ50の先端側と幅方向の一端側とに偏倚して設けられ、第2の逆取付防止孔52bは、第2の取付孔51bに対して、シャッタ50の先端側と幅方向の一端側とに、第1の逆取付防止孔52aと同様に偏倚して設けられている。すなわち、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとは、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられている。
【0045】
ホイール60は、
図18に示すように、駆動機構70に回転自在に支持されたホイールシャフト61の軸線方向に所定の間隔をあけて複数個、ここでは2個設けられている。このホイール60は、ポリプロピレン等の樹脂材料で形成され、外周にシャッタ50が着脱自在に取り付けられる。そして、ホイール60は、使用時には、蓋体40の上方側への回動に連動して、一方側に回転駆動して、外周にシャッタ50を巻き取り、シャッタ50を後方側にスライドさせる。更に、ホイール60は、蓋体40の下方側への回動に連動して、他方側に回転駆動して、外周に巻き取られていたシャッタ50をバケツ20に向けて排出させる。したがって、ホイール60は、使用時にシャッタ50を巻き取ることで、使用時に、使用者の体や衣服がシャッタ50と触れることがなく、衛生的である。
【0046】
更に、ホイール60は、
図8に示すように、外周の長さがシャッタ50のスライド方向のスライド量(ストローク)よりも長くなるように設けられている。好ましくは、ホイール60は、このスライド量(ストローク)の略1/3よりも長い直径を有する略円環状を成すように設けられている。したがって、ホイール60の外周に巻き取られたシャッタ50は、ホイール60の外周に1巻よりも多く巻き付けられることがなく、シャッタ50同士が重なって巻き取られることがない。よって、シャッタ50の裏面に排泄物が付着していた場合でも、シャッタ50の裏面に付着された排泄物がシャッタ50が巻き取られた際にシャッタ50の表面に付着する虞がなく、衛生的である。
【0047】
また、ホイール60の外周には、
図16及び
図19に示すように、シャッタ50の取付孔51に挿通する取付突起62が形成されている。更に、ホイール60は、
図4に示すように、例えば、非使用時等の蓋体40が閉位置に配置されてシャッタ50がバケツ20の開口部の全体を閉塞している場合に、この取付突起62が最上部に位置するように、ホイールシャフト61に取り付けられている。更に、ホイール60は、
図8に示すように、使用時等の蓋体40が開位置に配置されてシャッタ50がバケツ20の開口部を開放してホイール60に巻き取られている場合に、この取付突起62が最上部の位置から例えば一方側(
図8中の矢印Z1側)に例えば270度回動された位置に配置されるように、外周の長さが設けられている。なお、取付突起62は、270度回動された位置に配置されることに限定されるものではなく、180度、315度等、適宜変更可能である。
【0048】
更に、取付突起62は、
図19に示すように、例えば第1の取付突起62aと第2の取付突起62bとで構成されている。第1の取付突起62a及び第2の取付突起62bは、例えばシャッタ50の取付孔51に対応した円形状の突起であって、シャッタ50が外周に取り付けられた際にシャッタ50の取付孔51に対応する位置に設けられている。更に、取付突起62の先端部には、係止部62cが形成されている。したがって、ホイール60は、取付突起62の係止部62cをシャッタ50の取付孔51に挿通させることで、シャッタ50を取り付けることができる。その一方で、シャッタ50の取付孔51の周囲には切込が形成されているので取付孔51は弾性変形可能であり、シャッタ50をホイール60から離間させるように引き抜くことで、シャッタ50をホイール60から取り外すことができる。以上のようにして、ホイール60は、シャッタ50を着脱可能に取り付けることができる。
【0049】
したがって、ホイール60は、シャッタ50に排泄物が付着した場合、シャッタ50を取り外して、容易に洗浄することができ、シャッタ50を衛生に保つことができる。更に、ホイール60は、シャッタ50が経年変化や外力が加わることによる変形や破損等した場合に、シャッタ50を取り外して、容易に新しいものに交換することができる。
【0050】
更に、ホイール60の外周には、シャッタ50の逆取付防止孔52に嵌合する逆取付防止突起63が形成されている。逆取付防止突起63は、シャッタ50の第1の逆取付防止孔52aに対応する位置に設けられ、第1の逆取付防止孔52aと嵌合する第1の逆取付防止突起63aと、シャッタ50の第2の逆取付防止孔52bに対応する位置に設けられ、第2の逆取付防止孔52bと嵌合する第2の逆取付防止突起63bとで構成されている。
【0051】
したがって、ホイール60は、シャッタ50を取り付ける際に、ホイール60の表裏を間違えて逆向きに取り付けようとしても、逆取付防止突起63を逆取付防止孔52に挿通することができず、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。よって、ホイール60は、シャッタ50にはホイール60の外周に巻き取られるために少なからず巻き癖が付くが、一度取り外したシャッタ50を再度取り付ける際に表裏逆方向に取り付けて巻き癖が逆方向となり、バケツ20の開口部20bを閉塞する際にバケツ20の開口端部20hに密接しないことを防止することができる。すなわち、ホイール60は、バケツ20の内部に貯留された排泄物の臭気が漏れることを確実に防止することができる。
【0052】
更に、ホイールシャフト61の一端側には、駆動機構70のギア群に噛合されるギア部64が設けられている。したがって、ホイール60は、駆動機構70からギア部64を介して回転力が伝達されることで一方側又は他方側に回転駆動されて、シャッタ50を外周に巻き取る又は外周に巻き取ったシャッタ50をバケツ20に向けて排出することができる。
【0053】
駆動機構70は、
図19に示すように、ホイールシャフト61の一端部を回転自在に支持する第1のベース部材71と、第1のベース部材71と対向配置され、ホイールシャフト61の他端部を回転自在に支持する第2のベース部材72と、第1のベース部材71と第2のベース部材72とを連結する連結ベース部材73とで構成されている。
【0054】
第1のベース部材71は、
図20に示すように、板金等を折り曲げ成形して設けられた箱部74aと蓋部74bとを有し、蓋部74bの主面部74cに軸受部(不図示)を介してホイールシャフト61の一端部を回転自在に支持するベース部材74と、ベース部材74の箱部74aの主面部74dに回動自在に設けられ、一片75aが蓋体40と連結されるヒンジ板75と、ベース部材74の箱部74aの主面部74dに回転自在に設けられ、ヒンジ板75の他片75bの第1のギア部75cと噛合するとともにホイールシャフト61のギア部64と噛合する第2のギア部76とが設けられている。
【0055】
ヒンジ板75は、略U字状の薄板部材である。ヒンジ板75は、一片75aが蓋体40の第1の座面ヒンジ部材43の一端側の側面片43cに連結され、他片75bがベース部材74の第1の回動軸74eに回動自在に支持された円弧状の第1のギア部75cに連結されている。第2のギア部76は、ベース部材74の第2の回動軸74fに回動自在に支持され、
図13に示すように、ヒンジ板75の第1のギア部75c及びホイールシャフト61のギア部64と噛合する。
【0056】
第2のベース部材72は、
図19に示すように、板金等を折り曲げ成形して設けられた箱状部材である。第2のベース部材72は、主面部72aに設けられた軸受部77を介してホイールシャフト61の他端部を回転自在に支持している。
【0057】
したがって、駆動機構70では、使用時等に、
図14に示すように、蓋体40が上方側(
図14中の矢印R1側)に回動されて開位置に配置されると、この蓋体40による回転力が、第1のギア部75c、第2のギア部76、ホイールシャフト61のギア部64の順に伝達され、ホイール60を一方向側(
図14中の矢印T1側)に回転駆動させて、ホイール60の外周にシャッタ50を巻き取る。この際、ヒンジ板75は、第1のベース部材71のベース部材74の側面部74gのストッパ部79に当接することで、後方側への回動が規制される。具体的には、ストッパ部79は、ヒンジ板75が略水平状態となると後方側への回動を規制する。
【0058】
その一方で、駆動機構70では、使用後等に、
図13に示すように、蓋体40が下方側(
図13中の矢印R3側)に回動されて閉位置に配置されると、この蓋体40による回転力が、第1のギア部75c、第2のギア部76、ホイールシャフト61のギア部64の順に伝達され、ホイール60を他方向側(
図13中の矢印T2側)に回転駆動させて、ホイール60の外周に巻き取られたシャッタ50をバケツ20に向けて排出する。
【0059】
更に、
図19に示すように、第1のベース部材71の側面部74g及び第2のベース部材72の側面部72bには、それぞれカバー部材80を保持する保持部材78が設けられている。保持部材78は、例えば磁石であり、金属材料等から成る磁気吸着可能なカバー部材80を第1のベース部材71及び第2のベース部材72に一体に保持する。その一方で、カバー部材80は、第1のベース部材71及び第2のベース部材72から離間する方向に所定の荷重が付加されると、保持部材78による第1のベース部材71及び第2のベース部材72との保持状態を解除することができる。なお、保持部材78は、面ファスナー等、カバー部材80を第1のベース部材71及び第2のベース部材に保持可能であるとともに、カバー部材80が第1のベース部材71及び第2のベース部材72から離間する方向に所定の荷重が付加されると、保持状態が解除可能なものであれば、如何なるものでも良い。
【0060】
カバー部材80は、
図18に示すように、トイレ本体10の左側面部11e及び右側面部11f間の後方側に、回動自在に取り付けられている。そして、カバー部材80は、
図4に示すように、ホイール60の外側に配置されている。このようなカバー部材80は、
図21に示すように、半円筒状に設けられている。更に、カバー部材80の長手方向の両端部には、駆動機構70の第1のベース部材71及び第2のベース部材72の保持部材78と当接する保持部材受け部81が設けられている。カバー部材80は、この保持部材受け部81が駆動機構70の保持部材78と当接することで、所定の荷重が付加されるまで第1のベース部材71及び第2のベース部材72に一体に保持される。
【0061】
更に、
図21に示すように、カバー部材80の内面には、ガイドリブ82が形成されている。このガイドリブ82は、カバー部材80の長手方向に所定の幅を有し、ホイール60の外径よりもやや大きな内径を有するように設けられており、例えばカバー部材80の長手方向に所定の間隔をあけて複数個設けられている。例えば、ここでは、ガイドリブ82は、カバー部材80の長手方向の略中央部に1個と両端部に各1個、合計3個設けられている。更に、両端部のガイドリブ82は、それぞれ、ホイール60と対向するように設けられ、中央部のガイドリブ82は、ホイール60,60間の略中央部に設けられている。このようなガイドリブ82は、シャッタ50がスライドする際にホイール60と協働してシャッタ50をガイドする。したがって、シャッタ50は、円滑にスライドすることができる。更に、ガイドリブ82は、カバー部材80の本体部の全体でガイドするよりも接触面積を小さくすることができる。よって、シャッタ50は、より円滑にスライドすることができる。なお、ガイドリブ82の個数及び配置位置は、上述したものに限定されるものではなく、シャッタ50がスライドする際にホイール60と協働してシャッタ50をガイドするものであれば、適宜変更可能である。
【0062】
以上のような構成を有するポータブルトイレ1は、非使用時には、蓋体40が便座30上の閉位置に配置されて便座30を覆っているとともに、シャッタ50がバケツ20の上面の開口端部20hに当接した状態でバケツ20の開口部20bを閉塞している。したがって、ポータブルトイレ1は、バケツ20内は高い気密性を有し、バケツ20の内部に貯留された排泄物の臭気が漏れることを確実に防止することができる。
【0063】
また、使用する場合には、ポータブルトイレ1は、先ず、蓋体40を上方側に回動して、蓋体40の前方蓋40aと後方蓋40bとを、ヒンジ機構42の第1の座面ヒンジ部材43の側面片43bの貫通孔46と、側面片43cと連結された駆動機構70のヒンジ板75の第1の回動軸74eとを中心に、背凭れ部12側(上方側)に回動するとともに、ヒンジ部材41を介して二つ折りにして、起立状態にして開位置に配置して、便座30を露出させる。この際、ポータブルトイレ1は、この蓋体40の上方側への回動に連動して、この蓋体40による回転力が、第1のギア部75c、第2のギア部76、ホイールシャフト61のギア部64の順に伝達され、ホイール60が一方側に回転駆動されて、ホイール60の外周にシャッタ50が巻き取られ、シャッタ50が後方側にスライドされることで、バケツ20の開口部20bが開放される。
【0064】
以上のようにして、ポータブルトイレ1は、使用時に蓋体40の動きに連動して、自動的にバケツ20の開口部20bを開放することができる。更に、ポータブルトイレ1は、ホイール60が使用時にシャッタ50を巻き取ることで、使用時に、使用者の体や衣服がシャッタ50と触れることがなく、衛生的である。更に、ポータブルトイレ1は、ホイール60の外周の長さがシャッタ50のスライド方向のスライド量(ストローク)よりも長くなるように設けられ、ホイール60の外周に巻き取られたシャッタ50がホイール60の外周に1巻よりも多く巻き付けられることがなく、シャッタ50同士が重なって巻き取られることがないので、シャッタ50の裏面に排泄物が付着していた場合でも、シャッタ50に付着した排泄物がシャッタ50が巻き取られた際にシャッタ50の表面に付着する虞がなく、衛生的である。更に、ポータブルトイレ1は、カバー部材80がホイール60の外側に配置され、カバー部材80のガイドリブ82が、シャッタ50がスライドする際にホイール60と協働してシャッタ50をガイドするので、シャッタ50を円滑にスライドさせることができる。
【0065】
更に、使用後には、ポータブルトイレ1は、起立状態の蓋体40を下方側に回動して蓋体40を閉位置に配置して蓋体40によって便座30を覆う。この際、ポータブルトイレ1は、この蓋体40の下方側への回動に連動して、この蓋体40による回転力が、第1のギア部75c、第2のギア部76、ホイールシャフト61のギア部64の順に伝達されて、ホイール60が他方側に回転駆動されて、ホイール60の外周に巻き取られていたシャッタ50がバケツ20に向けて排出されて、シャッタ50がバケツ20の上面の開口端部20hに当接しながら前方側にスライドされることで、バケツ20の開口部20bの全体が閉塞される。
【0066】
以上のようにして、ポータブルトイレ1は、使用後に蓋体40の動きに連動して、自動的にバケツ20の開口部20bの全体を閉塞することができる。更に、ポータブルトイレ1は、バケツ20のフランジ部20cに拡散防止壁20gが設けられているので、バケツ20のフランジ部20cやバケツ20のフランジ部20cと対向するシャッタ50の裏面部が排泄物等で汚れていた場合に、シャッタ50の閉塞動作により排泄物等がバケツ20の前方にしごかれて汚れが拡がることを防止することができる。
【0067】
また、使用後に使用者が自身で臀部等を拭けない等、介助者による後方からの介助が必要な場合には、ポータブルトイレ1は、先ず、蓋体ストッパ部15を回動支持部材15aを中心に回動させて、蓋体ストッパ部15による蓋体40の回動の規制を解除する。次いで、ポータブルトイレ1は、起立状態の蓋体40に更に所定以上の荷重を付加してヒンジ機構42の第1の座面ヒンジ部材43と第2の座面ヒンジ部材44との保持状態を解除して、座面ヒンジピン47を中心に第2の座面ヒンジ部材44を第1の座面ヒンジ部材43に対して後方側に回動させて、蓋体40を、背凭れ部12よりも更に後方側に回動させて後方介助位置に配置して、背当て部12bの下の開口部12cを開放させる。以上のようにして、ポータブルトイレ1は、容易に、介助者が後方から介助することができる。なお、蓋体40は、保持部材45で保持される構成である為、蓋体ストッパ部15は、必ずしも設けられていなくとも良い。
【0068】
また、使用後に排泄物を破棄する場合には、ポータブルトイレ1は、先ず、蓋体40を上方側に回動して二つ折りの起立状態として蓋体40を開位置に配置して便座30を露出させた後に、便座30を上方側に回動させてバケツ20を露出させる。次いで、ポータブルトイレ1は、内部に排泄物が貯留されたバケツ20をバケツ受け部材16から取り外して、バケツ20の内部の排泄物を破棄するとともに、破棄後にバケツ20の洗浄を行う。以上のようにして、ポータブルトイレ1は、使用後に、容易に、バケツ20に貯留された排泄物を破棄するとともに、破棄後にバケツ20の洗浄を行うことができる。
【0069】
また、使用後に、バケツ受け部材16に排泄された排泄物やバケツ20からバケツ受け部材16に飛散された排泄物を破棄する場合には、先ず、蓋体40を上方側に回動して二つ折りの起立状態として蓋体40を開位置に配置した後に、バケツ受け部材16を、トイレ本体10から取り外して、バケツ受け部材16に付着した排泄物を破棄するとともに、破棄後の洗浄を行う。以上のようにして、ポータブルトイレ1は、使用後に、容易に、バケツ受け部材16に付着した排泄物を破棄するとともに、破棄後にバケツ受け部材16の洗浄を行うことができる。
【0070】
また、使用後にシャッタ50を洗浄する場合又は新品と交換する場合には、
図18に示すように、ポータブルトイレ1は、先ず、蓋体40が閉位置に配置されて蓋体40によって便座30が覆われた状態で、カバー部材80をトイレ本体10から取り外す。次いで、ポータブルトイレ1は、シャッタ50をホイール60から離間する方向に引き抜くことで、シャッタ50とホイール60の取付突起62の係止部62cとの係止状態が解除され、ホイール60から取り外すことができる。次いで、ポータブルトイレ1は、シャッタ50を、後方側に引き抜き、バケツ受け部材16のシャッタ挿通孔16eから引き抜くことで、本体11から取り外すことができる。なお、取付突起62は、蓋体40が閉位置に配置されて蓋体40によって便座30が覆われた状態においては、ホイール60の最上部に位置するように形成されており、カバー部材80を取り外した場合、後方から視認可能な位置に配置されているので、容易にシャッタ50の着脱作業を行うことができる。
【0071】
次いで、ポータブルトイレ1は、洗浄した又は新品のシャッタ50を、後方側からバケツ受け部材16のシャッタ挿通孔16eに挿通させた後に、シャッタ50の取付孔51にホイール60の取付突起62を挿通させて、ホイール60の取付突起62の係止部62cをシャッタ50に係合させるとともに、シャッタ50の逆取付防止孔52にホイール60の逆取付防止突起63を挿通させることで、洗浄した又は新品のシャッタ50をホイール60に取り付けることができる。次いで、ポータブルトイレ1は、カバー部材80をトイレ本体10側に近接するように回動させて、トイレ本体10の保持部材78によって、カバー部材80をトイレ本体10に取り付ける。
【0072】
以上のようにして、ポータブルトイレ1は、シャッタ50に排泄物が付着した場合に、シャッタ50を取り外して、容易に、洗浄することができ、シャッタ50を衛生を保つことができる。更に、ポータブルトイレ1は、シャッタ50が経年変化や外力が加わることによる変形や破損等した場合に、シャッタ50を取り外して、容易に新しいものに交換することができる。
【0073】
なお、本発明を適用したポータブルトイレ1は、バケツ受け部材16、バケツ20、便座30、シャッタ50及びホイール60を、ポリプロピレンで形成することに限定されるものではなく、他の樹脂材料、又は、金属や木材等の他の材料で形成するようにしても良い。更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、トイレ本体10を、木材等で形成することに限定されるものではなく、ポリプロピレンや他の樹脂材料等、他の材料で形成するようにしても良い。
【0074】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、便座30を、バケツ受け部材16に回動自在に設けることに限定されるものではなく、トイレ本体10の本体11の後部に回動自在に設けるようにしても良い。更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、バケツ受け部材16を、トイレ本体10の本体11に着脱自在に設けることに限定されるものではなく、トイレ本体10の本体11の上面に一体に設けるようにしても良い。
【0075】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、バケツ受け部材16に、バケツ20の本体部20aが挿通される開口部16aの代わりに、有底でバケツ20の本体部20aと同様の形状を有し、バケツ20の本体部20aが収納される本体収納凹部を設けるようにしても良い。したがって、バケツ受け部材16は、排泄物がバケツ受け部材16に排泄された場合やバケツ20に貯留された排泄物がバケツ20からバケツ受け部材16に飛散した場合に、排泄物を本体収納凹部に収容することができ、より確実に排泄物がバケツ受け部材16から漏れてトイレ本体10の本体11等に拡散することを防止することができる。
【0076】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、シャッタ50の取付孔51及びホイール60の取付突起62を略円形に設け、シャッタ50の逆取付防止孔52及びホイール60の逆取付防止突起63を略矩形状に設けることに限定されるものではなく、他の形状に設けるようにしても良い。
【0077】
更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、
図22(A)に示すように、逆取付防止孔52の第1の逆取付防止孔52aを第1の形状に設け、第2の逆取付防止孔52bを第1の形状とは異なる第2の形状に設け、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとを、それぞれ異なる形状に設けて、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けるようにしても良い。以上のようにしても、ポータブルトイレ1は、逆取付防止孔52がシャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられているので、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。
【0078】
更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、
図22(B)に示すように、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとを、それぞれ異なる形状に設けるとともに、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して対称の位置に設けて、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けるようにしても良い。以上のようにしても、ポータブルトイレ1は、逆取付防止孔52がシャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられているので、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。
【0079】
更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、
図22(C)及び
図22(D)に示すように、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとを、シャッタ50の長手方向に位相を異ならせて設けて、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けるようにしても良い。この際、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとは、
図22(C)に示すように、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称の位置に設けるようにしても良く、
図22(D)に示すように、対称の位置に設けるようにしても良い。以上のようにしても、ポータブルトイレ1は、逆取付防止孔52がシャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられているので、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。
【0080】
更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、シャッタ50に取付孔51及び逆取付防止孔52を設け、ホイール60に取付突起62及び逆取付防止突起63を設けることに限定されるものではなく、
図22(E)〜
図22(H)に示すように、シャッタ50に取付孔51としても機能する逆取付防止孔52だけを設け、ホイール60に取付突起62としても機能する逆取付防止突起63だけを設けるようにしても良い。また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、第1の逆取付防止孔52aを第1の形状に設け、第2の逆取付防止孔52bを第1の形状とは異なる第2の形状に設け、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとを、それぞれ異なる形状に設けて、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けるようにしても良い。以上のようにしても、ポータブルトイレ1は、逆取付防止孔52がシャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられているので、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。
【0081】
更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、シャッタ50に逆取付防止孔52だけを設ける場合に、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとを、
図22(E)に示すように、異なる形状に設けるとともに、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称の位置に設けるようにしても良く、
図22(F)に示すように、異なる形状に設けるとともに、対称の位置に設けるようにしても良い。以上のようにしても、ポータブルトイレ1は、逆取付防止孔52がシャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられているので、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。
【0082】
更に、本発明を適用したポータブルトイレ1は、シャッタ50に逆取付防止孔52だけを設ける場合に、第1の逆取付防止孔52aと第2の逆取付防止孔52bとを、
図22(G)に示すように、シャッタ50の長手方向に位相を異ならせて設けるとともに、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けるようにしても良く、
図22(H)に示すように、シャッタ50の長手方向に位相を異ならせて設けるとともに、シャッタ50の幅方向の中心線Lに対して対称に設けるようにしても良い。以上のようにしても、ポータブルトイレ1は、逆取付防止孔52がシャッタ50の幅方向の中心線Lに対して非対称に設けられているので、シャッタ50をホイール60に取り付ける際に、シャッタ50を表裏間違えて逆向きに取り付けることを防止することができる。
【0083】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、シャッタ50に取付孔51及び逆取付防止孔52を設け、ホイール60に取付突起62及び逆取付防止突起63を設けることに限定されるものではなく、シャッタ50に取付突起62及び逆取付防止突起63を設け、ホイール60に取付孔51及び逆取付防止孔52を設けるようにしても良い。
【0084】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、蓋体40の回動に連動して、ホイール60が駆動機構70によって一方側又は他方側に回転駆動されて、シャッタ50を外周に巻き取る又は外周に巻き取ったシャッタ50をバケツ20に向けて排出することに限定されるものではなく、蓋体40の回動に関係なく、ホイール60が駆動モータ等の駆動部によって回転駆動されて、シャッタ50を外周に巻き取る又は外周に巻き取ったシャッタ50をバケツ20に向けて排出するようにしても良い。
【0085】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、シャッタ50をホイール60に着脱可能に取り付けられていることに限定されるものではなく、シャッタ50がホイール60に固定されて一体となっているようにしても良い。
【0086】
また、本発明を適用したポータブルトイレ1は、トイレ本体10が、
図23に示すように、背凭れ部12、肘掛け部13及び脚部14を設けずに、単に、円形、矩形又は多角形の筒状の本体11から成るようにしても良い。また、この場合、ポータブルトイレ1は、トイレ本体10がポリプロピレン等の樹脂材料で形成されるようにしても良い。