(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、パネル側コネクタハウジングにドア側コネクタハウジングを嵌合させるための構成として、パネル側コネクタハウジングにカムピンが設けられ、ドア側コネクタハウジングにカム溝を有するレバーが設けられている。そして、レバーを回動操作することによりカムピンにカム溝を係合させて、パネル側コネクタハウジングにドア側コネクタハウジングを接続している。このため、パネル側コネクタハウジングとドア側コネクタハウジングとは、コネクタ自身の接続構造のみで接続されていた。
【0007】
そこで、本発明は、貫通孔部に応じた専用コネクタを新たに設計、製造する手間を省略しつつ、より確実に一対のコネクタを貫通孔部に保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様は、パネルに形成された貫通孔部を通じて一対のコネクタを接続するコネクタ保持部材であって、一方のコネクタを保持可能な第1保持部と、前記第1保持部の外周側に設けられて前記貫通孔部の内周側に配設可能な第1本体部と、前記第1本体部から外周側に張り出して前記貫通孔部の開口縁部に対して少なくとも貫通方向一方側から係止可能な第1係止構造部とを含
み、貫通方向他方側から前記貫通孔部に挿入される第1部材と、他方のコネクタを保持可能な第2保持部と、前記第2保持部の外周側に設けられて前記貫通孔部の内周側に配設可能な第2本体部と、前記第2本体部から外周側に張り出して前記貫通孔部の開口縁部に対して少なくとも
前記貫通方向他方側から係止可能な第2係止構造部とを含
み、前記貫通方向一方側から前記貫通孔部に挿入される第2部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材とにより前記貫通孔部の貫通方向両側から前記パネルを挟んだ前記貫通孔部に対する取り付け状態で、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタと前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタとを接続可能に構成され
、前記第1係止構造部は、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタの外周周りに部分的に設けられ、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタの前記他方のコネクタに対する接続方向後方側に係止面を有すると共に前記貫通孔部の開口縁部に対して前記貫通方向一方側から係止可能な第1係止部を含み、前記第2係止構造部は、前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタの外周周りに部分的に設けられ、前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタの前記一方のコネクタに対する接続方向後方側に係止面を有すると共に前記貫通孔部の開口縁部に対して前記貫通方向他方側から係止可能な第2係止部を含み、前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1部材及び前記第2部材の前記貫通孔部に対する取り付け状態で、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタ及び前記第2保持部に支持される前記他方のコネクタの外周回りにおいて互いに重複しない位置に設けられ、前記第1係止部の係止面は、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタと前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタとが接続された状態で、前記貫通孔部の開口縁部に対して前記貫通方向一方側から接触して係止することが可能に構成され、前記第2係止部の係止面は、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタと前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタとが接続された状態で、前記貫通孔部の開口縁部に対して前記貫通方向他方側から接触して係止することが可能に構成されている。
【0010】
第
2の態様は、第
1の態様に係るコネクタ保持部材であって、前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1部材及び前記第2部材の前記貫通孔部に対する取り付け状態で、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタ及び前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタの外周回りにおいて交互に位置するように設けられている。
【0011】
第
3の態様は、
第1の態様又は第2の態様に係るコネクタ保持部材であって、前記第1本体部と前記第2本体部とは、前記第1部材及び前記第2部材の前記貫通孔部に対する取り付け状態において、前記一方のコネクタの接続方向前方側部分と前記他方のコネクタの接続方向前方側部分とが内外方向に重なる形状に形成されている。
【0012】
第
4の態様は、第1から第
3のいずれか一態様に係るコネクタ保持部材であって、前記一方のコネクタが前記他方のコネクタより先に前記パネルに保持される待受けコネクタであり、前記第1部材及び前記第2部材の前記貫通孔部に対する取り付け状態において、前記第1本体部の前方側部分が前記第2本体部の前方側部分の外周側に重なる形状に形成されている。
【0013】
第5の態様は、第1から第4のいずれか一態様に係るコネクタ保持部材であって、前記第2係止構造部は、前記貫通孔部の開口縁部に対して貫通方向一方側から対向可能な第2抜止め部を含み、前記第2抜止め部と前記貫通孔部の開口縁部との間に介在して前記貫通孔部の開口縁部に密着する密着部と、前記第2部材内から前記貫通孔部の反対側へ引き出されるワイヤーハーネスの外周を覆う筒状部とを含む止水部材をさらに備える
。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様に係るコネクタ保持部材によると、一方のコネクタを保持可能な第1保持部と、第1保持部の外周側に設けられて貫通孔部の内周側に配設可能な第1本体部と、第1本体部から外周側に張り出して貫通孔部の開口縁部に対して少なくとも貫通方向一方側から係止可能な第1係止構造部とを含む第1部材と、他方のコネクタを保持可能な第2保持部と、第2保持部の外周側に設けられて貫通孔部の内周側に配設可能な第2本体部と、第2本体部から外周側に張り出して貫通孔部の開口縁部に対して少なくとも貫通方向他方側から係止可能な第2係止構造部とを含む第2部材とを備えている。そして、第1部材及び第2部材の貫通孔部に対する取り付け態で、第1保持部に保持される一方のコネクタと第2保持部に保持される他方のコネクタとを接続可能に構成されている。このため、貫通孔部に応じた専用コネクタを新たに設計、製造する手間を省略しつつ、より確実に一対のコネクタを貫通孔部に保持することができる。
【0015】
第
1の態様に係るコネクタ保持部材によると、第1係止構造部は、前記第1保持部に保持される前記一方のコネクタの外周周りに部分的に設けられ、第1保持部に保持される一方のコネクタの他方のコネクタに対する接続方向後方側に係止面を有すると共に貫通孔部の開口縁部に対して貫通方向一方側から係止可能な第1係止部を含んでいる。また、第2係止構造部は、前記第2保持部に保持される前記他方のコネクタの外周周りに部分的に設けられ、第2保持部に保持される他方のコネクタの一方のコネクタに対する接続方向後方側に係止面を有すると共に貫通孔部の開口縁部に対して貫通方向他方側から係止可能な第2係止部を含んでいる。そして、第1係止部と第2係止部とは、第1部材及び第2部材の貫通孔部に対する取り付け状態で、第1保持部に保持される一方のコネクタ及び第2保持部に保持される他方のコネクタの外周回りにおいて互いに重複しない位置に設けられている。このため、第1部材及び第2部材の貫通孔部に対する取り付け状態でより確実に一対のコネクタを接続状態に維持することができる。
【0016】
第
2の態様に係るコネクタ保持部材によると、第1係止部と第2係止部とは、第1部材及び第2部材の貫通孔部に対する取り付け状態、第1保持部に保持される一方のコネクタ及び第2保持部に保持される他方のコネクタの外周回りにおいて交互に位置するように設けられている。このため、第1部材及び第2部材を貫通孔部に対してより安定して取り付けることができる。
【0017】
第
3の態様に係るコネクタ保持部材によると、第1本体部と第2本体部とは、第1部材及び第2部材の貫通孔部に対する取り付け状態において、一方のコネクタの接続方向前方側部分と他方のコネクタの接続方向前方側部分とが内外方向に重なる形状に形成されている。これにより、貫通孔部の内側に配設される第1本体部及び第2本体部において内外方向の強度の向上に寄与する。
【0018】
第
4の態様に係るコネクタ保持部材によると、一方のコネクタが他方のコネクタより先にパネルに保持される待受けコネクタであり、第1部材及び第2部材の貫通孔部に対する取り付け状態において、第1本体部の前方側部分が第2本体部の前方側部分の外周側に重なる形状に形成されている。すなわち、待受けコネクタである一方のコネクタが保持される第1部材を先に貫通孔部に取り付けた状態で、貫通孔部内に第1本体部の内周側に重なる形状の第2本体部が挿入されるため、第1部材だけを貫通孔部に取り付けた状態における第1部材の貫通孔部に対するがたつきを抑制し、第2部材の貫通孔部に対する取り付けをより安定して行うことができる。
【0019】
第
5の態様に係るコネクタ保持部材によると、貫通孔部の開口縁部に対して貫通方向一方側から対向可能な抜止め部が第2保持部に保持される他方のコネクタの接続方向において第2係止部の後方側に間隔をあけて設けられ、第2抜止め部と貫通孔部の開口縁部との間に介在して貫通孔部の開口縁部に密着する密着部と、ドア側ワイヤーハーネスの外周を覆う筒状部とを含む止水部材を備えるため、貫通孔部における止水を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態に係るコネクタ保持部材10について説明する(
図1、
図13参照)。コネクタ保持部材10は、パネル90に形成された貫通孔部92を通じて一対のコネクタ14、16を接続する部材である。
【0022】
<コネクタ>
説明の便宜上、一対のコネクタ14、16について説明しておく。一対のコネクタ14、16は、複数の雄端子又は雌端子を備え、相互に接続される雄コネクタ又は雌コネクタである。ここでは、一方のコネクタ14が雄コネクタであり、他方のコネクタ16が雌コネクタである。そして、この一対のコネクタ14、16は、パネル90に形成された貫通孔部92を通じて接続される。
【0023】
ここでは、一対のコネクタ14、16は、自動車の車体とドアとの間に配索されるワイヤーハーネス12に含まれるコネクタである例で説明する。すなわち、自動車の車体には、乗員が乗り降りするための乗降口が形成され、車体に対してドアがヒンジ等により乗降口を開閉可能に連結されている。また、車体側からドア側にワイヤーハーネス12を挿通配索するために、車体のフロントピラーを構成するパネル90には、貫通孔部92が形成されている。例えば、パネル90は、厚さ6.5mmの金属パネルである。また、ここでは、貫通孔部92は、略楕円形(より具体的には一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ形状)に形成されている。以下、貫通孔部92の貫通方向における向きについて、ドア側を一方側、その反対側を他方側と呼ぶことがある。
【0024】
そして、ワイヤーハーネス12は、貫通孔部92を通じて、車体側からドア側に配索される。このワイヤーハーネス12は、貫通孔部92を通じて接続される車体側ワイヤーハーネス13とドア側ワイヤーハーネス15とを有している。すなわち、車体に配索される車体側ワイヤーハーネス13には一方のコネクタ14が設けられ、ドアに配索されるドア側ワイヤーハーネス15には一方のコネクタ14に接続される他方のコネクタ16が設けられている。なお、ここでは、一方のコネクタ14及び他方のコネクタ16は、ワイヤーハーネス12を構成する回路の数、貫通孔部92の径及びパネル90の板圧ごとに専用に設計される専用品ではなく、一律に用いられる汎用品であるものとする。
【0025】
そして、本コネクタ保持部材10は、一方のコネクタ14と他方のコネクタ16とを保持した状態で貫通孔部92に取り付けられ、双方を接続するように構成されている。
【0026】
<コネクタ保持部材の構成>
コネクタ保持部材10は、第1部材20と、第2部材40とを備えている。概略的には、コネクタ保持部材10は、第1部材20に一方のコネクタ14を保持すると共に第2部材40に他方のコネクタ16を保持した状態で、第1部材20及び第2部材40を貫通孔部92に取り付けることにより、一方のコネクタ14と他方のコネクタ16とを接続するように構成されている。
【0027】
第1部材20は、第1本体部22と、第1保持部26と、第1係止構造部30とを有している(
図3参照)。また、第2部材40は、第2本体部42と、第2保持部46と、第2係止構造部50とを有している(
図4参照)。
【0028】
第1本体部22は、貫通孔部92の内周側に配設可能な形状に形成された部分である。また、第1本体部22は、ワイヤーハーネス12と貫通孔部92の開口縁部との間に介在して、該開口縁部からワイヤーハーネス12を保護する部分である。この第1本体部22は、後述する第1保持部26の外周側に設けられて筒状に形成されている。ここでは、第1本体部22は、略楕円筒状(より具体的には、一対の弧状部の両端部を一対の直線部が結ぶ形状)に形成されている。また、第1本体部22は、貫通孔部92と同じかそれより小さい(ここでは僅かに小さい)外周形状に形成されている。以下、第1部材20の方向を説明する際に、第1本体部22の貫通方向を基準に説明することがあり、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14の接続方向前方を貫通方向前方、接続方向後方を貫通方向後方ということがある。
【0029】
第1保持部26は、第1本体部22の内周側に設けられ、一方のコネクタ14を保持可能に形成されている(
図6、
図7参照)。より具体的には、第1保持部26は、一方のコネクタ14を他方のコネクタ16に対する接続方向が第1本体部22の中心軸方向に沿う姿勢で保持可能に形成されている。より具体的には、第1保持部26は、一方のコネクタ14を第1本体部22の中心軸方向(他方のコネクタ16との接続方向)に直交する方向においてなるべくがたつきなく(好ましくは移動不能に)保持可能に形成されている。ここでは、第1保持部26は、支持部24によって第1本体部22の内周側に保持される筐状部分を有している。この筐状部分は、第1本体部22の中心軸方向に貫通する略矩形筒状を成している。そして、第1保持部26は、一方のコネクタ14の側面に面接触可能な対向する一対の壁部(筐状部分の内壁部)を有している。また、筐状部分のうちの一対の壁部に連続する一方の壁部も、一方のコネクタ14の連結部146の外面に接触する位置に設けられている。また、第1保持部26は、一方のコネクタ14に対して第1本体部22の中心軸方向(他方のコネクタ16との接続方向)両側から係止可能に形成されている。より具体的には、第1保持部26は、一方のコネクタ14のうちの接続方向に望む端面(好ましくは接続方向に直交する端面)に対して係止可能に形成されている。この端面とは、一方のコネクタ14の前端面、後端面及び側部における凹凸によって形成される端面である。例えば、第1保持部26は、第1本体部22の中心軸方向に張り出すリブ、係止爪等を有しているとよい。そして、第1保持部26は、一方のコネクタ14の接続方向における両端部又は側部における端面に対して接続方向両側から面接触することにより係止し、一方のコネクタ14を接続方向に移動規制する。
【0030】
第2本体部42は、貫通孔部92の内周側に配設可能な形状に形成された部分である。また、第2本体部42は、ワイヤーハーネス12と貫通孔部92の開口縁部との間に介在して、該開口縁部からワイヤーハーネス12を保護する部分である。この第2本体部42は、第2保持部46の外周側に設けられて筒状に形成されている。ここでは、第2本体部42は、略楕円筒状(より具体的には、一対の弧状部の両端部を一対の直線部が結ぶ形状)に形成されている。また、第2本体部42は、貫通孔部92と同じかそれより小さい(ここでは小さい)外周形状に形成されている。以下、第1部材20の方向を説明する際に、第1本体部22の貫通方向を基準に説明することがあり、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14の接続方向前方を貫通方向前方、接続方向後方を貫通方向後方ということがある。
【0031】
第2保持部46は、第2本体部42の内周側に設けられ、他方のコネクタ16を保持可能に形成されている(
図6、
図7参照)。より具体的には、第2保持部46は、他方のコネクタ16を一方のコネクタ14に対する接続方向が第2本体部42の中心軸方向に沿う姿勢で保持可能に形成されている。より具体的には、第2保持部46は、他方のコネクタ16を第2本体部42の中心軸方向(一方のコネクタ14との接続方向)に直交する方向においてなるべくがたつきなく(好ましくは移動不能に)保持可能に形成されている。ここでは、第2保持部46は、第2本体部42の内周部のうちの中心軸方向後端側部分に、他方のコネクタ16の外周面に対して挿入途中で接触可能な部分環状の内周面を有する。この内周面は、他方のコネクタ16の接続方向における投影形状に対応した形状(投影形状より僅かに大きい略相似形状)に形成されている。この内周面によって、他方のコネクタ16を第2部材40に挿入する際のガイドが行われる。また、この内周面は、第2本体部42の中心軸方向後端部で外周側に拡がる形状に形成されている。また、第2保持部46は、他方のコネクタ16の接続方向に延在する4つの角部において隣接する外面の一部分にそれぞれ面接触可能な断面視L字状の内面を有している。また、第2保持部46は、他方のコネクタ16に対して第2本体部42の中心軸方向(一方のコネクタ14との接続方向)両側から係止可能に形成されている。より具体的には、第2保持部46は、他方のコネクタ14のうちの接続方向に望む端面(好ましくは接続方向に直交する端面)に対して係止可能に形成されている。この端面とは、他方のコネクタ16の前端面、後端面及び側部における凹凸によって形成される端面である。例えば、第2保持部46は、第2本体部42の中心軸方向に張り出すリブ、係止爪等を有しているとよい。そして、第2保持部46は、他方のコネクタ16の接続方向における両端部又は側部における端面に対して接続方向両側から面接触することにより係止し、他方のコネクタ16を接続方向に移動規制する。
【0032】
ここで、第1本体部22と第2本体部42との関係について説明しておく。第1本体部22と第2本体部42とは、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態で、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14と第2保持部46に保持される他方のコネクタ16との接続状態において、一方のコネクタ14と他方のコネクタ16との接続方向の各前方側部分が内外方向に重なるように形成されている(
図11、
図12参照)。すなわち、第1本体部22と第2本体部42とは、一方が他方の内周側に挿入される。これにより、内外方向に重なった第1本体部22及び第2本体部42の内外方向における強度を向上させることができる。
【0033】
ここでは、一方のコネクタ14が、他方のコネクタ16より先にパネル90に保持される待受けコネクタである。このため、車体側ワイヤーハーネス13に設けられた一方のコネクタ14を予め貫通孔部92に対して所定の位置に保持しておいた状態で、ドア側ワイヤーハーネス15に設けられた他方のコネクタ16を一方のコネクタ14に接続する。すなわち、第1部材20を貫通孔部92に取り付けてから、貫通孔部92に第2部材40を取り付けて第1部材20と第2部材40とを組み合わせる。このため、貫通孔部92に対して第1部材20だけが取り付けられた状態でも安定した取り付け状態を維持することができるようになっていることが好ましい。
【0034】
このため、第1部材20及び第2部材40は、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態において、第1本体部22の前方側部分が第2本体部42の前方側部分の外周側に重なる形状に形成されている。すなわち、先に貫通孔部92に取り付けられる第1部材20の第1本体部22を第2本体部42の外周側に配設することにより、第1本体部22の外周形状を貫通孔部92に対応した形状(貫通孔部92と同じかそれより僅かに小さい形状)に形成できる。そして、第2本体部42の前方側部分が第1本体部22の前方側部分の内周側に挿入される。好ましくは、第1本体部22及び第2本体部42は、第2本体部42の外周形状が第1本体部22の内周形状に対応した形状で該内周形状と同じかそれより僅かに小さく設定されているとよい。
【0035】
また、第1本体部22は、内周側に配設される第2本体部42の前方側部分から外周側に張り出す第2係止部52を避ける形状に形成されている。より具体的には、第1本体部22は、第1部材20と第2部材40との組み合わせ状態において一対の第2係止部52に対応する位置(内外方向に重複する位置)に前方側に開口する第1凹部23を有している(
図8、
図9参照)。すなわち、第1部材20と第2部材40との組み合わせ状態において、一対の第2係止部52は一対の第1凹部23の内側にそれぞれ配設される。
【0036】
また、第1本体部22と第1保持部26とは、一対の支持部24によって連結されている。より具体的には、一対の支持部24は、第1本体部22の各弧状部分から内周側に延出して第1保持部26(筐状部分)の外周部に連なっている。そして、第2本体部42は、第1本体部22の内周側に位置する一対の支持部24を避ける形状に形成されている。より具体的には、第2本体部42は、第1部材20と第2部材40との組み合わせ状態において一対の支持部24に対応する位置(内外方向に重複する位置)に前方側に開口する第2凹部43を有している。すなわち、第1部材20と第2部材との組み合わせ状態において、一対の支持部24は一対の第2凹部43の内側にそれぞれ配設される。
【0037】
第1係止構造部30は、第1本体部22の外周部から外周側に張り出して、貫通孔部92の開口縁部に対して少なくとも貫通方向一方側から係止可能に形成された部分である。この第1係止構造部30は、第1係止部32と、第1抜止め部36とを有している(
図5参照)。
【0038】
第1係止部32は、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14の外周周りに部分的に設けられ、一方のコネクタ14の接続方向後方側に係止面を有すると共に貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向一方側から係止可能に形成されている。より具体的には、第1係止部32は、第1本体部22の外周部から周方向において部分的に外周側に張り出している(
図6参照)。この第1係止部32は、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14と第2部材40の第2保持部46に保持される他方のコネクタ16とが接続される接続方向において第1本体部22のうちの前方側部分に設けられている。より具体的には、第1係止部32は、第1本体部22の外周部のうちの前端部から外周側に張り出しつつ後方に向けて延在し、後端側部分が自由端となる形状に形成されている。そして、第1係止部32は、前方側且つ外周側を向く傾斜面を有し、内周側に弾性変形可能となっている。また、第1係止部32は、第1本体部22の貫通方向に直交して後方を向く係止面を有している。好ましくは、第1係止部32は、第1本体部22の周方向において等間隔に複数設けられているとよい。ここでは、第1係止部32は、第1本体部22の周方向において一対の弧状部の各中間部分に、すなわち等間隔に2箇所に設けられている。
【0039】
第2係止構造部50は、第2本体部42の外周部から外周側に張り出して貫通孔部92の開口縁部に対して少なくとも貫通方向他方側から係止可能に形成された部分である(
図5参照)。この第2係止構造部50は、第2係止部52と、第2抜止め部56とを有している。
【0040】
第2係止部52は、第2保持部46に保持される他方のコネクタ16の外周周りに部分的に設けられ、他方のコネクタ16の接続方向後方側に係止面を有すると共に貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向他方側から係止可能に形成されている。より具体的には、第2係止部52は、第2本体部42の外周部から周方向において部分的に外周側に張り出している。この第2係止部52は、第2保持部46に保持される他方のコネクタ16と第2部材40の第2保持部46に保持される他方のコネクタ16とが接続される接続方向において第2本体部42のうちの前方側部分に設けられている。より具体的には、第2係止部52は、第2本体部42の外周部のうちの前端部から外周側に張り出しつつ後方に向けて延在し、後端側部分が自由端となる形状に形成されている。そして、第2係止部52は、前方側且つ外周側を向く係止面を有し内周側に弾性変形可能となっている。また、第2係止部52は、第2本体部42の貫通方向後方を向く係止面を有している。好ましくは、第2係止部52は、第2本体部42の周方向において等間隔に複数設けられているとよい。ここでは、第2係止部52は、第2本体部42の周方向において一対の直線部の各中間部分に、すなわち等間隔に2箇所に設けられている。
【0041】
ここで、第1係止部32と第2係止部52との関係について説明しておく。第1係止部32と第2係止部52とは、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態で、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14及び第2保持部46第1本体部22及び第2本体部42の周方向において互いに重複しない位置に設けられている(
図8、
図9参照)。また、第1係止部32と第2係止部52とは、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態で、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14及び第2保持部46に保持される他方のコネクタ16の外周回りにおいて交互に位置するように設けられている。第1本体部22又は第2本体部42の周方向において交互に位置するように設けられている。さらに、第1係止部32と第2係止部52とは、第1本体部22及び第2本体部42の周方向においてそれぞれ等間隔で設けられている。
【0042】
第1係止部32及び第2係止部52は、第1保持部26に保持された一方のコネクタ14と第2保持部46に保持された他方のコネクタ16との接続状態において、貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向両側から係止する位置に設けられている(
図11〜
図13参照)。すなわち、第1係止部32及び第2係止部52は、一方のコネクタ14と他方のコネクタ16との接続状態で、第1係止部32と第2係止部52とがそれぞれの係止面間にパネル90の厚さ寸法と同じかそれより僅かに大きい間隔をあけて位置するように設定されている。そして、第1本体部22の第1凹部23及び第2本体部42の第2凹部43の深さ寸法(接続方向の寸法)は、第1係止部32と第2係止部52とが上記位置関係となるまで第1部材20と第2部材40とを近接させることが可能な大きさに設定されている。
【0043】
第1抜止め部36は、第1本体部22の外周部から外周側に張り出し、貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向他方側から係止可能に形成されている。第1抜止め部36は、第1本体部22の中心軸方向において、第1係止部32の係止面に対して少なくともパネル90の厚さ寸法より大きい間隔をあけた位置に設けられる。ここでは、第1抜止め部36は、第1本体部22の外周部のうちの接続方向後端部から外周側に鍔状に張り出す形状に形成されている。
【0044】
第2抜止め部56は、第2本体部42の外周部から外周側に張り出し、貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向一方側から係止可能に形成されている。第2抜止め部56は、第2本体部42の中心軸方向において、第2係止部52の係止面に対して少なくともパネル90の厚さ寸法より大きい間隔をあけた位置に設けられる。ここでは、第2抜止め部56は、第2本体部42の外周部のうちの接続方向後端部から外周側に鍔状に張り出す形状に形成されている。
【0045】
<コネクタ保持部材の取り付け>
次に、コネクタ保持部材10の貫通孔部92に対する取り付けについて説明する。予め、第1部材20に対して一方のコネクタ14を保持すると共に、第2部材40に対して他方のコネクタ16を保持しておく(
図7、
図10参照)。
【0046】
まず、第1部材20を貫通孔部92に取り付ける(
図10参照)。すなわち、第1部材20の第1本体部22を貫通孔部92の貫通方向他方側(車体側)から一方側(ドア側)に向けて挿入する。この際、第1係止部32が貫通孔部92の開口縁部に当接して内周側に弾性変形する。そして、第1係止部32の係止面が貫通孔部92の開口縁部を乗り越える位置まで第1本体部22が挿入されると、第1係止部32は元の形状に弾性復帰する。これにより、第1部材20は、第1係止部32によって貫通孔部92の貫通方向他方側への移動を規制されると共に、第1抜止め部36によって貫通方向一方側への抜け落ちを規制される。この状態で、第1本体部22は、外周部が貫通孔部92の内周部に接触しつつ延在している。
【0047】
次に、第2部材40を貫通孔部92に取り付ける(
図11〜
図13参照)。すなわち、第2部材40の第2本体部42を貫通孔部92の一方側から他方側に向けて挿入する。より具体的には、第2部材40は、第2本体部42の前方側部分が第1部材20の第1本体部22の前方側部分の内周側に挿入される。この際、第2係止部52が貫通孔部92の開口縁部に当接して内周側に弾性変形する。そして、第2係止部52の係止面が貫通孔部92の開口縁部を乗り越える位置まで第2本体部42が挿入されると、第2係止部52は元の形状に弾性復帰する。また、第2本体部42の前方側部分は第1本体部22の前方側部分と第1保持部26との間に配設されると共に、第2係止部52は第1部材20に形成された第1凹部23の内側に配設される。また、第1部材20の支持部24は、第2部材40の第2凹部43の内側に配設される。これにより、第2係止部52によって貫通孔部92の貫通方向一方側への移動を規制されると共に、第2抜止め部56によって貫通方向他方側への抜け落ちを規制される。そして、第2部材40が貫通孔部92に取り付けられるのに伴って、第1部材20と第2部材40とが組み合わせられると共に一方のコネクタ14と他方のコネクタ16とが接続されていく。
【0048】
以上のように、コネクタ保持部材10は、第1部材20と第2部材40とにより貫通孔部92の貫通方向両側からパネル90を挟んだ貫通孔部92に対する取り付け状態で、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14と第2保持部に保持される他方のコネクタ16とを接続できる。そして、第1部材20がパネル90に対して貫通孔部92の貫通方向他方側への移動を規制されると共に、第2部材40がパネル90に対して貫通孔部92の貫通方向一方側への移動を規制される。すなわち、第1部材20と第2部材40とは、貫通孔部92の貫通方向に離間移動不能となり、組み合わせ状態に維持される。換言すると、第1部材20の第1保持部26に保持された一方のコネクタ14と第2部材40の第2保持部46に保持された他方のコネクタ16とは、接続された状態に維持される。
【0049】
上記実施形態に係るコネクタ保持部材10によると、一方のコネクタ14を保持可能な第1保持部26と、第1保持部26の外周側に設けられて貫通孔部92の内周側に配設可能な第1本体部22と、第1本体部22から外周側に張り出して貫通孔部92の開口縁部に対して少なくとも貫通方向一方側から係止可能な第1係止構造部30とを含む第1部材20と、他方のコネクタ16を保持可能な第2保持部46と、第2保持部46の外周側に設けられて貫通孔部92の内周側に配設可能な第2本体部42と、第2本体部42から外周側に張り出して貫通孔部92の開口縁部に対して少なくとも貫通方向他方側から係止可能な第2係止構造部50とを含む第2部材40とを備えている。そして、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け態で、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14と第2保持部46に保持される他方のコネクタ16とを接続可能に構成されている。このため、貫通孔部92に応じた専用コネクタを新たに設計、製造する手間を省略しつつ、より確実に一対のコネクタ14、16を貫通孔部92に保持することができる。
【0050】
また、第1部材20により一方のコネクタ14を保持すると共に、第2部材40により他方のコネクタ16を保持する構成を採用しているため、各コネクタ14、16をそれぞれより確実にパネル90に対して固定しておくことができる。
【0051】
また、第1保持部26及び第2保持部46が、一方のコネクタ14又は他方のコネクタ16のうちの接続方向に臨む端面に係止可能に形成されているため、コネクタ14、16を第1保持部26又は第2保持部46に対する係止構造を持った専用品として新たに設計、製造する手間及びコストを削減することができる。
【0052】
また、第1係止構造部30は、前記第1保持部26に保持される一方のコネクタ14の外周周りに部分的に設けられ、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14の他方のコネクタ16に対する接続方向後方側に係止面を有すると共に貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向一方側から係止可能な第1係止部32を含んでいる。また、第2係止構造部50は、第2保持部46に保持される他方のコネクタ16の外周周りに部分的に設けられ、第2保持部46に保持される他方のコネクタ16の一方のコネクタ14に対する接続方向後方側に係止面を有すると共に貫通孔部92の開口縁部に対して貫通方向他方側から係止可能な第2係止部52を含んでいる。そして、第1係止部32と第2係止部52とは、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態で、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14及び第2保持部46に保持される他方のコネクタ16の外周回りにおいて互いに重複しない位置に設けられている。このため、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態でより確実に一対のコネクタを接続状態に維持することができる。また、より簡易な構造で第1部材20及び第2部材40を貫通孔部92に対して取り付けることができる。
【0053】
また、第1係止部32と第2係止部52とは、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態、第1保持部26に保持される一方のコネクタ14及び第2保持部46に保持される他方のコネクタ16の外周回りにおいて交互に位置するように設けられている。このため、第1部材20及び第2部材40を貫通孔部92に対してより安定して取り付けることができる。
【0054】
また、第1本体部22と第2本体部42とは、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態において、一方のコネクタ14の接続方向前方側部分と他方のコネクタ16の接続方向前方側部分とが内外方向に重なる形状に形成されている。これにより、貫通孔部92の内側に配設される第1本体部22及び第2本体部42において内外方向の強度の向上に寄与する。
【0055】
また、一方のコネクタ14が他方のコネクタ16より先にパネル90に保持される待受けコネクタであり、第1部材20及び第2部材40の貫通孔部92に対する取り付け状態において、第1本体部22の前方側部分が第2本体部42の前方側部分の外周側に重なる形状に形成されている。すなわち、待受けコネクタである一方のコネクタ14が保持される第1部材20を先に貫通孔部92に取り付けた状態で、貫通孔部92内に第1本体部22の内周側に重なる形状の第2本体部42が挿入されるため、第1部材20だけを貫通孔部92に取り付けた状態における第1部材20の貫通孔部92に対するがたつきを抑制し、第2部材40の貫通孔部92に対する取り付けをより安定して行うことができる。
【0056】
これまで、第1部材20と第2部材40との組み合わせ状態において、2つの第1係止部32と2つの第2係止部52とが第1本体部22及び第2本体部42の周方向において交互に等間隔で設けられている例で説明してきたが、第1係止部32及び第2係止部52の配設形態は上記形態に限られるものではない。すなわち、第1係止部32及び第2係止部は、それぞれ3以上の複数設けられていてもよいし、交互でない並び方で設けられていてもよい。また、第1係止部32及び第2係止部52は、第1本体部22及び第2本体部42の周方向においてそれぞれ異なる間隔で設けられていてもよい。
【0057】
また、第1本体部22と第2本体部42とは、第1部材20と第2部材40との組み合わせ状態において第1本体部22が第2本体部42の外周側に重なる形状に限られるものではない。すなわち、第2本体部42が第1本体部22の外周側に重なる形状に形成されていてもよい。また、第1本体部22と第2本体部42とは、内外に重なる形状に形成されていなくてもよい。すなわち、第1本体部及び第2本体部の前方側部分が周方向に並ぶ凹凸形状に形成され、この第1本体部と第2本体部との前方側部分を凹凸嵌合する形態で突き合わせることにより第1部材と第2部材とを組み合わせる構成であってもよい。
【0058】
また、貫通孔部92における止水を図るための止水部材70を備えるコネクタ保持部材110を採用することもできる(
図14、
図15参照)。止水部材70は、密着部72と、嵌合部74と、筒状部76とを有している。この止水部材70は、エラストマー、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等を射出成型して形成されるとよい。
【0059】
密着部72は、貫通孔部92の貫通方向において、第2抜止め部56と貫通孔部92の開口縁部との間に介在して貫通孔部92の開口縁部に密着する部分である。この密着部72は、貫通孔部92の開口縁部に対して周方向全体に亘って接触可能な環状に形成されている。また、密着部72は、環状の中心軸方向において第2係止部52が貫通孔部92の開口縁部に係止した状態におけるパネル90と第2抜止め部56との間隔より大きい寸法に設定されている。すなわち、密着部72は、貫通孔部92の開口縁部と第2抜止め部56との間に挟まれた状態で、第2抜止め部56により貫通孔部92の開口縁部に押し付けられて密着する。ここでは、密着部72は、内外方向において2つの環状接触部分を有している。例えば、密着部72は、内周側でより強く貫通孔部92の開口縁部に対して押し付けられる部分と、外周側でより広い範囲に面接触する部分とを有しているとよい。
【0060】
嵌合部74は、第2抜止め部56の外周部に嵌合して第2部材40に対する止水部材70の位置決めをする部分である。この嵌合部74は、密着部72に連続して環状に形成され、周方向全体に亘って内周側に開口する溝部75を有している。嵌合部74の溝部75は、内側に第2部材40の第2抜止め部56を配設可能に形成されている。そして、嵌合部74の溝部75の内側に第2抜止め部56が配設されることにより、止水部材70が第2部材40に取り付けられる。
【0061】
筒状部76は、ドア側ワイヤーハーネス15の外周を覆う形状に形成された部分である。この筒状部76は、嵌合部74に連続した筒状に形成されている。また、筒状部76は、ドア側ワイヤーハーネス15のうちの車体からドアの間で配索される部分全体を覆う範囲に設けられているとよい。
【0062】
このコネクタ保持部材110によると、貫通孔部92における止水を図ることができる。
【0063】
以上のように、コネクタ保持部材10、110は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。