【実施例】
【0102】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0103】
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。
【0104】
NMRデータは特に記載しない限り、
1H−NMRのデータである。
【0105】
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
【0106】
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標)またはACD/Nameバッチ(登録商標)を用いるか、または、IUPAC命名法に準じて命名したものである。例えば、
【化28】
で示される化合物は、メチル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアートと命名された。
【0107】
実施例1:(3aR,4S,5R,6aS)−4−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(化合物1)
(3aR,4S,5R,6aS)−4−(ヒドロキシメチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(CAS登録番号:69222-61-3)(47.5g)とイミダゾール(16.3g)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(125mL)溶液に、冷水浴中でt−ブチルジメチルシリルクロリド(30.5g)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(82.5mL)溶液を滴下して加えた。室温に昇温して2時間撹拌した後、反応混合物にエタノール(1.25mL)を加えてさらに1時間撹拌した。反応混合物を冷水(500mL)に注ぎ、ヘキサン(200mL)と酢酸エチル(100mL)を加えて撹拌した。二層を分離し、有機層を1M塩酸(100mL)、水(100mL×2 回)、飽和重曹水(100mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、以下の物性値を有する標題化合物(68.4g)を得た。
TLC : Rf 0.75(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
NMR (CDCl
3) : δ 5.05-4.9 (m, 1H), 4.7-4.6 (m, 1H), 4.25-4.0 (m, 1H), 4.0-3.75 (m, 1H), 3.56 (t, J=7Hz, 2H), 3.6-3.4 (m, 1H), 2.9-2.0 (m, 6H), 1.9-1.4 (m, 6H), 0.89 (s, 9H), 0.04 (s, 6H)。
【0108】
実施例2:(3aR,4S,5R,6aS)−4−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール(化合物2)
化合物1(68.4g)の無水トルエン(315mL)溶液を、ドライアイス−メタノール浴で−60℃付近に冷却したのち、ジイソブチルアルミニウムヒドリド/トルエン溶液(0.99M、209mL)を33分間かけて滴下した。2時間撹拌した後、反応混合物にメタノール(3.2mL)を−65℃で3分間かけて滴下して反応を停止した。反応液を0℃付近まで昇温した後、攪拌しながら水(18.5mL+18mL)を2回に分けて滴下した。ここに無水硫酸ナトリウム(7.4g)を加えて室温で1時間撹拌し、セライト(商品名)でろ過した。ろ別した固体をテトラヒドロフラン(160mL)で洗浄し、濃縮して、以下の物性値を有する標題化合物(70.7g)を得た。
TLC : Rf 0.60(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 5.7-5.35 (m, 1H), 5.3-5.0 (br), 4.8-4.55 (m, 2H), 4.3-3.75 (m, 2H), 3.7-3.3 (m, 2H), 2.7-1.4 (m, 12H), 0.89 (s, 9H), 0.04 (s, 6H)。
【0109】
実施例3:メチル (5Z)−7−[(1R,2S,3R,5S)−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]−5−ヘプテノアート(化合物3)
(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウム ブロミド(180.3g)の無水テトラヒドロフラン(1370mL)懸濁液に、水浴上で撹拌しながらカリウムt−ブトキシド(91.4g)を6分間かけて加えた。3時間撹拌したのち、反応混合物に化合物2(70.7g)の無水テトラヒドロフラン(130mL)溶液を5分間かけて滴下した。さらに室温で1時間撹拌したのち反応混合物を氷水(4.2L)に注ぎ、10%シュウ酸2水和物水溶液(約195mL)を加えてpH5〜6に調整した。反応混合物をヘキサン(500mL)と酢酸エチル(500mL)の混合液で抽出(1L×3回)し、有機層を合わせて飽和食塩水(500mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた粗生成物(161.1g)をアセトン(260mL)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(34.0g)およびヨウ化メチル(20mL)を加え、室温で14時間撹拌し、さらに1時間還流した。室温に放冷後、不溶固体を濾去し、ろ液を約1/2まで減圧濃縮した。この溶液に水(750mL)を加え、ヘキサン(250mL)と酢酸エチル(250mL)の混合液で抽出した。抽出液を飽和食塩水(500mL)で洗浄し、洗浄水と水層を合わせて酢酸エチル(200mL)で再度抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製して、以下の物性値を有する標題化合物(79.6g)を得た。
TLC : Rf 0.76(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 5.6-5.3(m, 2H), 4.7-4.65 (m, 1H), 4.25-4.2 (m, 1H), 4.15-4.05 (m, 1H), 3.95-3.3 (m, 7H), 2.4-1.4 (m, 19H), 0.90 (s, 9H), 0.05 (s, 6H)。
【0110】
実施例4:メチル (5Z)−7−[(1R,2S,3R,5R)−5−アセトキシ−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]−5−ヘプテノアート(化合物4)
化合物3(79.6g)およびトリフェニルホスフィン(57.6g)の無水テトラヒドロフラン(482mL)溶液を、ドライアイス−メタノール浴で−40℃付近に冷却した。この溶液に酢酸(12.6mL)を加えたのち、40%アゾジカルボン酸ジエチル/トルエン溶液(100mL)を15 分間かけて滴下した。室温で4.5時間撹拌したのち、反応混合物を水(1600mL)に注ぎ、ヘキサン(550mL)と酢酸エチル(550mL)の混合溶液を加えて撹拌した。二層を分離した後、有機層を水(540mL)および飽和食塩水(540mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、以下の物性値を有する標題化合物(69.7g)を得た。
TLC : Rf 0.70(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
NMR (CDCl
3) : δ 7.4-7.1 (m, 4H), 6.0-5.8 (m, 1H), 5.78 (dd, J = 16, 6Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 16, 8Hz, 1H), 5.4-5.25 (m, 2H), 4.7-4.6 (m, 4H), 4.5-4.4 (m, 3H), 4.0-3.85 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.0-2.8 (m, 2H), 2.72 (dd, J = 19, 10Hz, 1H), 2.65-2.5 (m, 6H), 2.4-2.1 (m, 4H), 2.0-1.6 (m, 5H)。
【0111】
実施例5:
(6R)−6−{2−[(1R,2S,3R,5R)−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]−1−ヨードエチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(高極性化合物:化合物5a)
(6S)−6−{2−[(1R,2S,3R,5R)−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]−1−ヨードエチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(低極性化合物:化合物5b)
化合物4(34.9g)のテトラヒドロフラン(140mL)溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(140mL)を加えて室温で18時間、50℃で3時間撹拌した。氷−メタノール浴にて−4℃に冷却してから、反応混合物に2M塩酸(111mL)を12分間かけて2℃以下を保ちながら滴下した(pH5〜6)。冷却浴を氷浴に変更し、反応混合物に炭酸水素ナトリウム(28.5g)およびヨウ素(17.5g)を加えて撹拌した。2時間後にヨウ素(34.2g)を加え、さらに2.5時間撹拌した後、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(1380mL)を加えた。ヨウ素の色が大部分消失したところで酢酸エチル(600mL)を加えて撹拌し、二層を分離した。有機層を水(150mL)および飽和食塩水(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→5:6)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(低極性化合物8.0g;高極性化合物20.8g)をそれぞれ得た。
【0112】
高極性化合物(化合物5a)
TLC : Rf 0.45(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 4.65-4.5 (m, 2H), 4.25-3.6 (m, 5H), 3.55-3.45 (m, 1H), 2.7-2.2 (m, 3H), 2.2-1.5 (m, 16H), 0.95 (s, 9H), 0.12 and 0.11 (each are s, 3H)。
【0113】
低極性化合物(化合物5b)
TLC : Rf 0.50(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 4.65-4.55 (m, 1H), 4.4-3.6 (m, 6H), 3.55-3.45 (m, 1H), 2.7-2.25 (m, 3H), 2.1-1.5 (m, 16H), 0.93 (s, 9H), 0.12 and 0.10 (each are s, 3H)。
【0114】
実施例6:(6R)−6−{2−[(1R,2S,3R,5R)−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]エチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(化合物6)
化合物5a(41.8g)の無水ベンゼン(195mL)溶液に、水素化トリn−ブチルスズ(18.5mL)およびアゾビス(イソブチロニトリル)(198mg)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1→2:3)で精製して、以下の物性値を有する標題化合物(29.9g)を得た。
TLC : Rf 0.50(酢酸エチル:ヘキサン=2:1);
NMR (CDCl
3) : δ 4.65-4.5 (m, 1H), 4.3-3.8 (m, 4H), 3.7-3.4 (m, 3H), 2.65-2.35 (m, 2H), 2.0-1.4 (m, 17H), 0.90 (s, 9H), 0.10 and 0.09 (each are s, 3H)。
【0115】
実施例7:メチル (5R)−7−[(1R,2S,3R,5R)−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]−5−ヒドロキシヘプタノアート(化合物7)
化合物6(33.2g)の無水メタノール(306mL)溶液に、トリエチルアミン(25.5mL)を加えて5時間加熱還流した。放冷後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をトルエン共沸(2回)して、以下の物性値を有する標題化合物(38.0g)を得た。
TLC : Rf 0.62(酢酸エチル:ジクロロメタン=2:1);
NMR (CDCl
3) : δ 4.65-4.5 (m, 1H), 4.3-4.1 (m, 1H), 4.0-3.8 (m, 3H), 3.7-3.4 (m, 4H), 3.67 (s, 3H), 2.35 (t, J = 7Hz, 2H), 2.0-1.4 (m, 18H), 0.90 (s, 9H), 0.09 and 0.08 (each are s, 3H)。
【0116】
実施例8:メチル (5R)−7−[(1R,2S,3R,5R)−2−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)オキシ]−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル]−5−[(メチルスルホニル)オキシ]ヘプタノアート(化合物8)
化合物7(38.0g)およびトリエチルアミン(44mL)の無水ジクロロメタン(323mL)溶液をドライアイス−メタノール浴で−60℃付近に冷却し、メシルクロリド(15mL)を約20分間かけて滴下した。氷浴に換えて2時間撹拌した後、反応混合物を冷水(600mL)に加え、ヘキサン(600mL)と酢酸エチル(600mL)の混合溶液で抽出した。有機層を1M塩酸(290mL)および飽和食塩水(300mL×3 回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、以下の物性値を有する標題化合物(44.7g)を得た。
TLC : Rf 0.82(酢酸エチル:ジクロロメタン=2:1)。
【0117】
実施例9:メチル 4−[(2S,4aR,5S,6R,7aS)−5−({[ジメチル(2−メチル−2−プロパニル)シリル]オキシ}メチル)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタノアート(化合物9)
70%水硫化ナトリウムn水和物(14.9g)をメタノール(123mL)に加え、室温で15分間撹拌して大部分を溶解させた。ここに炭酸水素ナトリウム(15.9g)、および化合物8(44.7g)のメタノール(200mL)溶液を加えて、室温で20分、50℃で10時間撹拌し、さらに室温で約4時間撹拌した。その後60℃まで昇温し、4時間撹拌したのち室温まで冷却した。反応混合物を冷水(1200mL)に加え、ヘキサン(600mL)と酢酸エチル(600mL)の混合溶液で抽出した。有機層を水(300mL)および飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して、以下の物性値を有する標題化合物(13.7g)を得た。
TLC : Rf 0.60(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
NMR (CDCl
3) : δ 4.65-4.6 (m, 1H), 4.0-3.8 (m, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.65-3.4 (m, 3H), 3.1-2.9 (m, 1H), 2.85-2.7 (m, 1H), 2.4-2.2 (m, 3H), 2.1-1.4 (m, 16H), 0.87 (s, 9H), 0.04 (s, 6H)。
【0118】
実施例10:メチル 4−[(2S,4aR,5S,6R,7aS)−5−(ヒドロキシメチル)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタノアート(化合物10)
化合物9(7.3g)のテトラヒドロフラン(74mL)溶液に、1Mテトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液(27mL)を加えて3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(380mL)で希釈し、水(740mL)および飽和食塩水(380mL)で洗浄した。さらに水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製した。得られた化合物を再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1→酢酸エチル)で精製して、以下の物性値を有する標題化合物(3.24g)を得た。
TLC : Rf 0.28(酢酸エチル:ヘキサン=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 - 2.19 (m, 17 H), 2.24 - 2.40 (m, 3 H), 2.69 - 2.82 (m, 1 H), 2.92 - 3.02 (m, 1 H), 3.44 - 3.73 (m, 6 H), 3.82 - 4.07 (m, 2 H), 4.55 - 4.74 (m, 1 H)。
【0119】
実施例11:メチル 4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−ホルミル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタノアート(化合物11)
化合物10(200mg)を酢酸エチル(1.7mL)とジメチルスルホキシド(0.84mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.39mL)を加えて氷浴中で冷却した。三酸化硫黄−ピリジン(256mg)を加えて10分間攪拌した後、水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、以下の物性値を有する標題化合物(200mg)を得た。
TLC : Rf 0.51(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)。
【0120】
実施例12:メチル 4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E)−3−オキソ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタノアート(化合物12)
ジメチル (2−オキソ−3−フェノキシプロピル)ホスホナート(194mg)の無水テトラヒドロフラン(2.7mL)溶液に、氷浴中で水素化ナトリウム(24.8mg)を加えて室温で1.5時間撹拌した。ここに化合物11(200mg)の無水テトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下し、室温で4.5時間反応させた。酢酸を少量加えてから反応液を酢酸エチルで希釈した。この溶液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、以下の物性値を有する標題化合物(250mg)を得た。
TLC : Rf 0.61(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)。
【0121】
実施例13:メチル 4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタノアート(化合物13)
化合物12(250mg)と(R)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン(1Mトルエン溶液,0.135mL)を無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体(0.323mL)を室温で加えた。10分間攪拌した後にメタノールを加えて数分間攪拌した。この反応液を酢酸エチルで希釈した。この溶液を、1M塩酸、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、以下の物性値を有する標題化合物(220mg)を得た。
TLC : Rf 0.47(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)。
【0122】
実施例14:メチル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物14)
【化29】
化合物13(220mg)をメタノール(1.1mL)に溶解し、室温でp−トルエンスルホン酸一水和物(20mg)を加えて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→酢酸エチル)で精製することで、以下の物性値を有する標題化合物(82mg)を得た。
TLC : Rf 0.62(酢酸エチル);
NMR (CDCl
3) : δ 1.35 - 1.96 (m, 11 H), 2.09 - 2.17 (m, 1 H), 2.28 - 2.47 (m, 3 H), 2.65 - 2.79 (m, 1 H), 3.27 - 3.36 (m, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 3.82 - 3.94 (m, 1 H), 3.94 - 4.19 (m, 3 H), 4.48 - 4.60 (m, 1 H), 5.66 (dd, J=15.37, 5.67 Hz, 1 H), 5.78 (dd, J=15.37, 8.42 Hz, 1 H), 6.85 - 7.04 (m, 3 H), 7.20 - 7.38 (m, 2 H)。
【0123】
実施例14(1)〜実施例14(3)
実施例6において化合物5aを用いるか、その代わりに化合物5bを用いて、実施例12においてジメチル [2−オキソ−3−(フェニルオキシ)プロピル]ホスホナートを用いるか、その代わりにジメチル (2−オキソ−4−フェニルブチル)ホスホナートを用いて、実施例6→実施例7→実施例8→実施例9→実施例10→実施例11→実施例12→実施例13→実施例14と同様の操作を行い、以下の化合物を得た。
【0124】
実施例14(1):メチル 4−{(2R,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−ペンテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物14(1))
TLC : Rf 0.20 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.39 - 1.99 (m, 13 H), 2.25 - 2.50 (m, 4 H), 2.60 - 2.79 (m, 3 H), 2.85 - 3.01 (m, 1 H), 3.33 - 3.44 (m, 1 H), 3.66 (s, 3 H), 3.93 - 4.05 (m, 1 H), 4.07 - 4.18 (m, 1 H), 5.51 (dd, J=15.37, 8.42 Hz, 1 H), 5.63 (dd, J=15.37, 6.40 Hz, 1 H), 7.11 - 7.33 (m, 5 H)。
【0125】
実施例14(2):メチル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−ペンテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物14(2))
TLC : Rf 0.19 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.33 - 2.10 (m, 14 H), 2.27 - 2.47 (m, 3 H), 2.59 - 2.78 (m, 4 H), 3.22 - 3.38 (m, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 3.88 - 4.01 (m, 1 H), 4.05 - 4.19 (m, 1 H), 5.46 - 5.70 (m, 2 H), 7.08 - 7.34 (m, 5 H)。
【0126】
実施例14(3):メチル 4−{(2R,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物14(3))
TLC : Rf 0.61 (酢酸エチル);
NMR (CDCl
3) : δ 1.37 - 1.94 (m, 11 H), 2.23 - 2.50 (m, 4 H), 2.62 - 2.76 (m, 1 H), 2.90 - 3.04 (m, 1 H), 3.36 - 3.44 (m, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 3.82 - 3.94 (m, 1 H), 3.95 - 4.07 (m, 2 H), 4.48 - 4.60 (m, 1 H), 5.61 - 5.82 (m, 2 H), 6.87 - 7.01 (m, 3 H), 7.22 - 7.34 (m, 2 H)。
【0127】
実施例15:4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15)
【化30】
化合物14(6.9mg)をメタノール(0.4mL)に溶解し、室温で2M水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL)を加えて終夜攪拌した。反応液に希塩酸を加えてから酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1→10:1)で精製することで、以下の物性値を有する標題化合物(4.8mg)を得た。
TLC : Rf 0.41(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.36 - 2.12 (m, 12 H), 2.31 - 2.46 (m, 3 H), 2.65 - 2.79 (m, 2 H), 3.27 - 3.37 (m, 1 H), 3.84 - 3.95 (m, 1 H), 3.96 - 4.06 (m, 2 H), 4.49 - 4.59 (m, 1 H), 5.67 (dd, J=15.92, 5.67 Hz, 1 H), 5.79 (dd, J=15.92, 7.87 Hz, 1 H), 6.88 - 7.03 (m, 3 H), 7.23 - 7.36 (m, 2 H)。
【0128】
実施例15(1)〜実施例15(20)
化合物14の代わりに化合物14(1)〜(3)または相当するエステル体を用いて、実施例15と同様の操作を行い、以下の化合物を得た。
【0129】
実施例15(1):4−{(2R,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−ペンテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(1))
TLC : Rf 0.25 (クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.42 - 2.01 (m, 13 H), 2.27 - 2.54 (m, 4 H), 2.62 - 2.81 (m, 3 H), 2.87 - 3.03 (m, 1 H), 3.34 - 3.43 (m, 1 H), 3.94 - 4.05 (m, 1 H), 4.06 - 4.19 (m, 1 H), 5.52 (dd, J=15.37, 8.42 Hz, 1 H), 5.64 (dd, J=15.37, 6.40 Hz, 1 H), 7.08 - 7.38 (m, 5 H)。
【0130】
実施例15(2):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−ペンテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(2))
TLC : Rf 0.25 (クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.28 - 2.14 (m, 14 H), 2.31 - 2.48 (m, 3 H), 2.62 - 2.81 (m, 4 H), 3.25 - 3.38 (m, 1 H), 3.91 - 4.03 (m, 1 H), 4.07 - 4.19 (m, 1 H), 5.47 - 5.72 (m, 2 H), 7.12 - 7.37 (m, 5 H)。
【0131】
実施例15(3):4−{(2R,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(3))
TLC : Rf 0.34 (酢酸エチル);
NMR (CDCl
3) : δ 1.40 - 1.66 (m, 7 H), 1.67 - 1.94 (m, 6 H), 2.29 - 2.49 (m, 3 H), 2.63 - 2.77 (m, 1 H), 2.90 - 3.05 (m, 1 H), 3.35 - 3.44 (m, 1 H), 3.85 - 3.94 (m, 1 H), 3.95 - 4.07 (m, 2 H), 4.49 - 4.59 (m, 1 H), 5.62 - 5.71 (m, 1 H), 5.71 - 5.80 (m, 1 H), 6.86 - 7.01 (m, 3 H), 7.22 - 7.34 (m, 2 H)。
【0132】
実施例15(4):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(4))
TLC : Rf 0.37 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.18 - 1.93 (m, 11 H), 1.95 - 2.13 (m, 1 H), 2.24 - 2.54 (m, 3 H), 2.62 - 2.81 (m, 2 H), 3.19 - 3.44 (m, 1 H), 3.78 - 3.91 (m, 1 H), 3.91 - 4.04 (m, 2 H), 4.45 - 4.58 (m, 1 H), 5.58 - 5.70 (m, 1 H), 5.70 - 5.87 (m, 1 H), 6.76 - 6.91 (m, 2 H), 6.91 - 7.04 (m, 2 H)。
【0133】
実施例15(5):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(3−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(5))
TLC : Rf 0.37 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.15 - 1.93 (m, 11 H), 1.96 - 2.17 (m, 1 H), 2.31 - 2.51 (m, 3 H), 2.66 - 2.82 (m, 2 H), 3.23 - 3.37 (m, 1 H), 3.79 - 4.08 (m, 3 H), 4.47 - 4.61 (m, 1 H), 5.59 - 5.71 (m, 1 H), 5.72 - 5.84 (m, 1 H), 6.74 - 6.86 (m, 1 H), 6.87 - 7.01 (m, 2 H), 7.19 (t, J=8.05 Hz, 1 H)。
【0134】
実施例15(6):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(3−メチルフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(6))
TLC : Rf 0.42 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.12 - 2.16 (m, 10 H), 2.28 - 2.49 (m, 6 H), 2.64 - 2.82 (m, 2 H), 3.25 - 3.36 (m, 1 H), 3.86 (dd, J=9.33, 7.87 Hz, 3 H), 3.92 - 4.05 (m, 2 H), 4.43 - 4.61 (m, 1 H), 5.52 - 5.72 (m, 1 H), 5.72 - 5.86 (m, 1 H), 6.61 - 6.85 (m, 3 H), 7.17 (t, J=7.78 Hz, 1 H)。
【0135】
実施例15(7):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(2−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(7))
TLC : Rf 0.36 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.13 - 1.93 (m, 11 H), 1.96 - 2.14 (m, 1 H), 2.27 - 2.49 (m, 3 H), 2.60 - 2.81 (m, 2 H), 3.31 (q, J=5.67 Hz, 1 H), 3.80 - 4.18 (m, 3 H), 4.43 - 4.66 (m, 1 H), 5.58 - 5.72 (m, 1 H), 5.72 - 5.95 (m, 1 H), 6.75 - 7.20 (m, 4 H)。
【0136】
実施例15(8):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(3−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(8))
TLC : Rf 0.36 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.17 - 2.11 (m, 12 H), 2.24 - 2.55 (m, 3 H), 2.59 - 2.82 (m, 2 H), 3.31 (q, J=5.61 Hz, 1 H), 3.73 - 4.11 (m, 3 H), 4.46 - 4.60 (m, 1 H), 5.59 - 5.86 (m, 2 H), 6.52 - 6.85 (m, 3 H), 7.08 - 7.33 (m, 1 H)。
【0137】
実施例15(9):4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−{(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ブテン−1−イル}オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタン酸(化合物15(9))
TLC : Rf 0.46 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.04 - 2.18 (m, 12 H), 2.23 - 2.51 (m, 3 H), 2.59 - 2.81 (m, 2 H), 3.24 - 3.41 (m, 1 H), 3.86 - 4.14 (m, 3 H), 4.41 - 4.72 (m, 1 H), 5.56 - 5.73 (m, 1 H), 5.74 - 5.92 (m, 1 H), 6.99 - 7.19 (m, 2 H), 7.20 - 7.32 (m, 1 H), 7.40 (t, J=8.05 Hz, 1 H)。
【0138】
実施例15(10):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(2−メトキシフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(10))
TLC : Rf 0.46 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.15 - 2.23 (m, 12 H), 2.29 - 2.49 (m, 3 H), 2.59 - 2.78 (m, 2 H), 3.21 - 3.40 (m, 1 H), 3.80 - 4.21 (m, 6 H), 4.44 - 4.61 (m, 1 H), 5.54 - 5.68 (m, 1 H), 5.68 - 5.85 (m, 1 H), 6.84 - 7.02 (m, 4 H)。
【0139】
実施例15(11):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(11))
TLC : Rf 0.46 (ジクロロメタン:メタノール=10:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.03 - 2.16 (m, 12 H), 2.24 - 2.49 (m, 3 H), 2.59 - 2.92 (m, 2 H), 3.30 (q, J=5.73 Hz, 1 H), 3.79 (s, 3 H), 3.83 - 3.91 (m, 1 H), 3.93 - 4.09 (m, 2 H), 4.44 - 4.66 (m, 1 H), 5.54 - 5.93 (m, 2 H), 6.29 - 6.59 (m, 3 H), 7.18 (t, J=8.14 Hz, 1 H)。
【0140】
実施例15(12):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(12))
TLC : Rf 0.36 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.10 - 1.94 (m, 11 H), 1.95 - 2.12 (m, 1 H), 2.28 - 2.53 (m, 3 H), 2.62 - 2.81 (m, 2 H), 3.24 - 3.36 (m, 1 H), 3.77 (s, 3 H), 3.78 - 3.86 (m, 1 H), 3.89 - 4.15 (m, 2 H), 4.37 - 4.61 (m, 1 H), 5.46 - 5.70 (m, 1 H), 5.70 - 5.93 (m, 1 H), 6.57 - 6.96 (m, 4 H)。
【0141】
実施例15(13):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(2−メチルフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(13))
TLC : Rf 0.32 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.16 - 2.16 (m, 12 H), 2.24 (s, 3 H), 2.31 - 2.51 (m, 3 H), 2.60 - 2.83 (m, 2 H), 3.32 (q, J=5.55 Hz, 1 H), 3.85 - 3.95 (m, 1 H), 3.97 - 4.10 (m, 2 H), 4.49 - 4.63 (m, 1 H), 5.60 - 5.92 (m, 2 H), 6.76 - 6.99 (m, 2 H), 7.10 - 7.21 (m, 2 H)。
【0142】
実施例15(14):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(4−メチルフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(14))
TLC : Rf 0.34 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.29 - 1.91 (m, 11 H), 1.94 - 2.11 (m, 1 H), 2.29 (s, 3 H), 2.32 - 2.47 (m, 3 H), 2.62 - 2.84 (m, 2 H), 3.23 - 3.35 (m, 1 H), 3.64 - 3.89 (m, 1 H), 3.90 - 4.11 (m, 2 H), 4.38 - 4.60 (m, 1 H), 5.53 - 5.70 (m, 1 H), 5.71 - 5.86 (m, 1 H), 6.80 (d, J=8.05 Hz, 2 H), 7.07 (d, J=8.05 Hz, 2 H)。
【0143】
実施例15(15):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(4−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(15))
TLC : Rf 0.36 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.04 - 2.14 (m, 12 H), 2.29 - 2.56 (m, 3 H), 2.61 - 2.78 (m, 2 H), 3.19 - 3.44 (m, 1 H), 3.75 - 3.91 (m, 1 H), 3.91 - 4.11 (m, 2 H), 4.42 - 4.60 (m, 1 H), 5.57 - 5.70 (m, 1 H), 5.72 - 5.89 (m, 1 H), 6.81 - 6.88 (m, 2 H), 7.14 - 7.27 (m, 2 H)。
【0144】
実施例15(16):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(2−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(16))
TLC : Rf 0.48 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.14 - 1.92 (m, 11 H), 1.93 - 2.15 (m, 1 H), 2.31 - 2.49 (m, 3 H), 2.63 - 2.79 (m, 2 H), 3.30 (q, J=5.61 Hz, 1 H), 3.82 - 4.20 (m, 3 H), 4.50 - 4.63 (m, 1 H), 5.56 - 5.70 (m, 1 H), 5.72 - 5.84 (m, 1 H), 6.82 - 6.99 (m, 2 H), 7.17 - 7.24 (m, 1 H), 7.35 (dd, J=8.14, 1.19 Hz, 1 H)。
【0145】
実施例15(17):4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−{(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ブテン−1−イル}オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタン酸(化合物15(17))
TLC : Rf 0.48 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.18 - 1.94 (m, 11 H), 1.94 - 2.17 (m, 1 H), 2.30 - 2.47 (m, 3 H), 2.64 - 2.83 (m, 2 H), 3.24 - 3.37 (m, 1 H), 3.85 - 4.16 (m, 3 H), 4.48 - 4.59 (m, 1 H), 5.54 - 5.72 (m, 1 H), 5.73 - 5.88 (m, 1 H), 6.88 - 7.09 (m, 2 H), 7.48 (t, J=7.96 Hz, 1 H), 7.56 (d, J=7.68 Hz, 1 H)。
【0146】
実施例15(18):4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−{(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ブテン−1−イル}オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタン酸(化合物15(18))
TLC : Rf 0.48 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.20 - 1.94 (m, 11 H), 1.95 - 2.19 (m, 1 H), 2.28 - 2.50 (m, 3 H), 2.62 - 2.83 (m, 2 H), 3.16 - 3.43 (m, 1 H), 3.80 - 4.13 (m, 3 H), 4.44 - 4.63 (m, 1 H), 5.59 - 5.71 (m, 1 H), 5.72 - 5.91 (m, 1 H), 6.97 (d, J=8.60 Hz, 2 H), 7.54 (d, J=8.60 Hz, 2 H)。
【0147】
実施例15(19):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(フェニルチオ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(19))
TLC : Rf 0.48 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.13 - 1.94 (m, 11 H), 1.93 - 2.13 (m, 1 H), 2.27 - 2.48 (m, 3 H), 2.57 - 2.80 (m, 2 H), 2.90 - 3.07 (m, 1 H), 3.08 - 3.23 (m, 1 H), 3.27 (q, J=5.43 Hz, 1 H), 3.85 - 3.99 (m, 1 H), 4.10 - 4.27 (m, 1 H), 5.31 - 5.74 (m, 2 H), 7.02 - 7.51 (m, 5 H)。
【0148】
実施例15(20):4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(化合物15(20))
TLC : Rf 0.48 (ジクロロメタン:メタノール=9:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.34 - 2.15 (m, 17 H), 2.21 - 2.34 (m, 1 H), 2.39 (t, J=6.95 Hz, 2 H), 2.64 - 2.84 (m, 1 H), 3.12 - 3.31 (m, 1 H), 3.69 - 4.25 (m, 4 H), 6.79 - 7.10 (m, 3 H), 7.21 - 7.45 (m, 2 H)。
【0149】
実施例16:2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16)
【化31】
【0150】
アルゴン雰囲気下、化合物15(20)(42.8mg)のジメチルホルムアミド(0.4mL)溶液に、炭酸セシウム(68mg)およびヨウ化イソプロピル(0.016mL)を加え、50℃にて90分間撹拌した。室温に冷却してから、酢酸エチルを加え水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3→1:1)で精製し、以下の物性値を有する標題化合物(34 mg)を得た。
TLC : Rf 0.57 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2)
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.36 - 2.11 (m, 15 H), 2.14 - 2.53 (m, 5 H), 2.65 - 2.81 (m, 1 H), 3.19 (q, J=6.10 Hz, 1 H), 3.65 - 4.34 (m, 4 H), 5.00 (tt, J=6.27 Hz, 1 H), 6.65 - 7.06 (m, 3 H), 7.21 - 7.40 (m, 2 H)。
【0151】
実施例16(1)〜実施例16(9)
化合物15(20)の代わりに相当するカルボン酸を用いて、実施例16と同様の操作を行い、以下の化合物を得た。
【0152】
実施例16(1):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(1))
TLC : Rf 0.41 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.33 - 1.92 (m, 9 H), 1.95 - 2.21 (m, 2 H), 2.24 - 2.33 (m, 2 H), 2.33 - 2.43 (m, 1 H), 2.45 (d, J=3.48 Hz, 1 H), 2.63 - 2.84 (m, 2 H), 3.26 - 3.38 (m, 1 H), 3.82 - 3.95 (m, 1 H), 3.95 - 4.07 (m, 2 H), 4.46 - 4.65 (m, 1 H), 4.93 - 5.07 (m, 1 H), 5.57 - 5.71 (m, 1 H), 5.71 - 5.85 (m, 1 H), 6.82 - 7.03 (m, 3 H), 7.21 - 7.34 (m, 2 H)。
【0153】
実施例16(2):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(3−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(2))
TLC : Rf 0.40 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR (CDCl
3) : δ 1.22 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.35 - 1.89 (m, 9 H), 1.90 - 2.14 (m, 1 H), 2.19 - 2.58 (m, 4 H), 2.61 - 2.84 (m, 3 H), 3.18 - 3.34 (m, 1 H), 3.83 - 3.92 (m, 1 H), 3.92 - 4.05 (m, 2 H), 4.43 - 4.64 (m, 1 H), 4.91 - 5.09 (m, J=6.27, 6.27, 6.27, 6.27 Hz, 1 H), 5.59 - 5.69 (m, 1 H), 5.70 - 5.82 (m, 1 H), 6.80 (ddd, J=8.37, 2.42, 0.91 Hz, 1 H), 6.88 - 7.02 (m, 2 H), 7.19 (t, J=8.05 Hz, 1 H)。
【0154】
実施例16(3):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(3−メチルフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(3))
TLC : Rf 0.43 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.34 - 2.11 (m, 10 H), 2.20 - 2.49 (m, 7 H), 2.53 - 2.81 (m, 3 H), 3.22 - 3.41 (m, 1 H), 3.77 - 3.94 (m, 1 H), 3.91 - 4.08 (m, 2 H), 4.31 - 4.61 (m, 1 H), 4.82 - 5.09 (m, 1 H), 5.49 - 5.70 (m, 1 H), 5.71 - 5.95 (m, 1 H), 6.49 - 6.87 (m, 3 H), 7.16 (t, J=7.78 Hz, 1 H)。
【0155】
実施例16(4):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(3−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(4))
TLC : Rf 0.33 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.33 - 1.95 (m, 9 H), 1.96 - 2.08 (m, 1 H), 2.21 - 2.46 (m, 4 H), 2.49 - 2.57 (m, 1 H), 2.65 - 2.85 (m, 2 H), 3.23 - 3.42 (m, 1 H), 3.78 - 3.93 (m, 1 H), 3.93 - 4.08 (m, 2 H), 4.42 - 4.67 (m, 1 H), 4.85 - 5.15 (m, 1 H), 5.47 - 5.71 (m, 1 H), 5.73 - 6.03 (m, 1 H), 6.49 - 6.95 (m, 3 H), 7.03 - 7.27 (m, 1 H)。
【0156】
実施例16(5):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−5−[(1E,3R)−4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシ−1−ブテン−1−イル]−6−ヒドロキシオクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(5))
TLC : Rf 0.41 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.34 - 1.94 (m, 9 H), 1.97 - 2.11 (m, 1 H), 2.20 - 2.47 (m, 4 H), 2.55 - 2.86 (m, 3 H), 3.32 (q, J=5.85 Hz, 1 H), 3.74 - 4.05 (m, 3 H), 4.47 - 4.57 (m, 1 H), 4.90 - 5.15 (m, 1 H), 5.52 - 5.71 (m, 1 H), 5.71 - 5.88 (m, 1 H), 6.81 - 6.91 (m, 2 H), 6.93 - 7.06 (m, 2 H)。
【0157】
実施例16(6):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(6))
TLC : Rf 0.32 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.35 - 1.91 (m, 9 H), 1.93 - 2.09 (m, 1 H), 2.18 - 2.55 (m, 4 H), 2.57 - 2.82 (m, 3 H), 3.22 - 3.36 (m, 1 H), 3.78 (s, 3 H), 3.82 - 3.90 (m, 1 H), 3.92 - 4.07 (m, 2 H), 4.45 - 4.55 (m, 1 H), 4.88 - 5.08 (m, 1 H), 5.59 - 5.69 (m, 1 H), 5.70 - 5.82 (m, 1 H), 6.29 - 6.58 (m, 3 H), 7.17 (t, J=8.14 Hz, 1 H)。
【0158】
実施例16(7):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(2−メトキシフェノキシ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(7))
TLC : Rf 0.26 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.40 Hz, 6 H), 1.34 - 1.91 (m, 9 H), 1.93 - 2.09 (m, 1 H), 2.21 - 2.51 (m, 4 H), 2.62 - 2.77 (m, 2 H), 3.16 - 3.42 (m, 2 H), 3.90 (dd, 5 H), 4.06 (dd, J=9.88, 3.11 Hz, 1 H), 4.44 - 4.58 (m, 1 H), 4.92 - 5.08 (m, 1 H), 5.49 - 5.67 (m, 1 H), 5.68 - 5.88 (m, 1 H), 6.79 - 7.11 (m, 4 H)。
【0159】
実施例16(8):2−プロパニル 4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−(フェニルチオ)−1−ブテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタノアート(化合物16(8))
TLC : Rf 0.46 (ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.40 Hz, 6 H), 1.32 - 1.89 (m, 9 H), 1.93 - 2.09 (m, 1 H), 2.17 - 2.45 (m, 3 H), 2.49 - 2.79 (m, 3 H), 2.79 - 3.05 (m, 2 H), 3.09 - 3.18 (m, 1 H), 3.22 - 3.35 (m, 1 H), 3.83 - 4.04 (m, 1 H), 4.11 - 4.25 (m, 1 H), 4.87 - 5.15 (m, 1 H), 5.49 - 5.68 (m, 2 H), 7.16 - 7.26 (m, 1 H), 7.28 - 7.33 (m, 2 H), 7.35 - 7.48 (m, 2 H)。
【0160】
実施例16(9):2−プロパニル 4−[(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−{(1E,3R)−3−ヒドロキシ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−ブテン−1−イル}オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル]ブタノアート(化合物16(9))
TLC : Rf 0.54 (ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR (CDCl
3) : δ 1.23 (d, J=6.22 Hz, 6 H), 1.38 - 1.91 (m, 9 H), 1.95 - 2.11 (m, 1 H), 2.20 - 2.48 (m, 4 H), 2.50 - 2.59 (m, 1 H), 2.62 - 2.83 (m, 2 H), 3.25 - 3.39 (m, 1 H), 3.85 - 4.14 (m, 3 H), 4.48 - 4.64 (m, 1 H), 4.91 - 5.08 (m, J=6.27, 6.27, 6.27, 6.27 Hz, 1 H), 5.61 - 5.72 (m, 1 H), 5.74 - 5.87 (m, 1 H), 6.97 - 7.17 (m, 2 H), 7.18 - 7.29 (m, 1 H), 7.39 (t, J=8.05 Hz, 1 H)。
【0161】
[薬理実験例]
(1)インビトロ(in vitro)試験
【0162】
(1−1)各種マウスプロスタノイド受容体に対するアゴニスト活性の測定
各種マウスプロスタノイド受容体をそれぞれ強制発現させたCHO細胞(それぞれFP−CHO、EP2−CHO、EP4−CHOおよびIP−CHO)を用いて、FPについては細胞内カルシウム濃度、IP、EP2およびEP4については細胞内サイクリックAMP(以下、cAMPと略記する。)産生量を指標に、各種プロスタノイド受容体に対する被験化合物のアゴニスト活性を検討した。
【0163】
<化合物処理>
被験化合物および対照物質(PGE
2、PGF
2αおよびイロプロスト)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)にて溶解し、10mmol/L溶液を調製した。調製した10mmol/L溶液は、使用時に10mmol/L溶液を解凍し、DMSOを用いて段階希釈を行い、測定用緩衝溶液もしくは測定用緩衝溶液2にて希釈して実験に供した。
【0164】
<細胞培養>
各種マウスプロスタノイド受容体強制発現細胞は、非働化(56℃、30分)した9.8vol% 透析FBS(dialysed-FBS)(Invitrogen社)およびペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(penicillin-streptomycin-glutamine)(GIBCO-BRL社)を含むα−MEM培地(Sigma社)(FP−CHO、EP2−CHOおよびEP4−CHO培養用)、もしくは非働化(56℃、30分)した9.8vol% dialysed-FBS(Invitrogen社)およびペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(penicillin-streptomycin-glutamine)(Invitrogen社)を含む核酸含有α−MEM(Sigma社)(IP−CHO培養用)を用いて、5%CO
2存在下、37℃で静置培養した。継代培養は以下の方法で行なった。
【0165】
培地を除去し、Ca
2+およびMg
2+を含まないリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。適量のトリプシン−EDTA(Invtrogen社)を加え、37℃で約3分間インキュベーションし、細胞を剥離後、トリプシン−EDTAの10倍容量の培地を加え酵素反応を停止させた。遠心管に細胞を回収し120g、3分間室温で遠心分離した後、上清を除去した。細胞を適量の培地に懸濁し、培養フラスコに播種した。
【0166】
(1−2)FPアゴニスト活性測定(細胞内カルシウム濃度測定)
FP−CHOは、継代培養と同様の方法にて細胞を剥離および懸濁し、測定の2日前に、96穴UVプレートに、1ウェルあたり1.0×10
4個の細胞数となるよう播種し、5%CO
2存在下、37℃で静置培養した。測定日に、96穴UVプレートの各ウェルから培地を除去した後、各ウェルをCa
2+およびMg
2+を含まないリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。各ウェルに5μmol/L fura 2−AM(DOJINDO社)、2.5mmol/L プロベネシド(Sigma社)、20μmol/L インドメタシン(Sigma社)および10mmol/L HEPES(Invitrogen社)を含む培地を100μL加え、CO
2インキュベーター内で約60分間インキュベーションした。インキュベーション終了後、培地を除去し、測定用緩衝溶液(0.1w/v% ウシ血清アルブミン、2μmol/L インドメタシン、2.5mmol/L プロベネシドおよび20mmol/L HEPES(Invitrogen社)を含有したハンクス液(Hank’s balanced salt solution)(Invitrogen社))にて2回洗浄した。各ウェルに測定用緩衝溶液を120μL添加し、室温暗所で30分静置し安定化させ、実験に供した。
【0167】
96穴UVプレートを蛍光分光光度計(FDSS−3000、浜松ホトニクス社)にセットし、細胞内カルシウム濃度の測定をした。種々の濃度のアゴニストを含む測定用緩衝溶液を30μL添加し、反応させた。細胞内カルシウム濃度測定は、細胞に340nm、380nmの励起光を交互に照射し、500nmの蛍光強度を測定し、2波長励起の蛍光強度比を求めることで行った。
【0168】
(1−3)EP2、EP4およびIPアゴニスト活性測定(cAMP濃度の測定)
EP2−CHO、EP4−CHOおよびIP−CHOは、測定日に、培地を除去し、2mmol/L EDTAを含有するCa
2+およびMg
2+を含まないリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。適量の2mmol/L EDTAを含有するCa
2+およびMg
2+を含まないリン酸緩衝生理食塩水を加え、室温で約5分間インキュベーションし、細胞を剥離後、遠心管に細胞を回収し550g、3分間室温で遠心分離した後、上清を除去した。適量の測定用緩衝溶液1(1.0w/v% ウシ血清アルブミン(Sigma社)および2μmol/L ジクロフェナク(Sigma社)を含有したMEM培地(Invitrogen社))にて懸濁し、500g、3分間室温で遠心分離し、上清を除去した。測定用緩衝溶液2(1.0w/v% ウシ血清アルブミン(Sigma社)、2μmol/L ジクロフェナク(Sigma社)および1mmol/L 3−イソブチル−1−メチルキサンチンを含有したMEM培地(Invitrogen社))にて懸濁し、96穴1/2エリアプレートに1ウェル当たり5.0×10
4個の細胞数となるように25μLずつ分注した。種々の濃度のアゴニストを含む測定用緩衝溶液2を25μL添加し、室温で30分間反応させた。cAMP濃度の測定は、cAMP HTRF HiRangeキット(CIS bio International社)を用いて行った。キット説明書のTwo step protocolに従い、ライシス緩衝液(Lysis Buffer)にて希釈したcAMP−D2およびクリプターゼ(Cryptase)を25μLずつ添加し、1時間室温にてインキュベーションした。1時間のインキュベーション後に、Analyst GT(Molecular Device社)を用いて337nmにて励起した時の620nmおよび665nmにおける時間分解蛍光を測定し、その比(TRF ratio)を求めることで、検量線よりcAMP濃度を算出した。
【0169】
<結果>
以上の方法から得られた測定値を用いて、本発明化合物のマウスFP、マウスEP2、マウスEP4およびマウスIP受容体に対するアゴニスト活性の指標としてEC
50値を算出した。
【0170】
例えば、実施例15記載の化合物、および比較化合物として下記の構造式
【化32】
で示される特許文献2記載の実施例12の化合物(以下、比較化合物Aと略記することがある。)、および下記の構造式
【化33】
で示される特許文献1記載の実施例1(F)記載の化合物の光学活性体(2S体)かつカルボン酸体である、4−{(2S,4aR,5R,6R,7aS)−6−ヒドロキシ−5−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−1−オクテン−1−イル]オクタヒドロシクロペンタ[b]チオピラン−2−イル}ブタン酸(以下、比較化合物Bと略記することがある。)の結果を表1に示す。
【表1】
【0171】
以上の結果から、比較化合物AはFP受容体に対するアゴニスト活性を有するだけでなく、IP受容体に対するアゴニスト活性をも有しており、さらに比較化合物BはFP受容体に対するアゴニスト活性に加えて、EP2、EP4およびIP受容体に対するアゴニスト活性をも有している。これらに対して、本発明化合物は、EP2、EP4およびIP受容体に対するアゴニスト活性が低く、かつFP受容体に対する選択的なアゴニスト活性を有することがわかった。
【0172】
(2)インビボ(in vivo)試験
インビボ(in vivo)試験においては、当業者には容易に理解できることではあるが、いずれの被験化合物についても、活性本体であるカルボン酸は角膜透過性が悪いことから、エチルエステル体、イソプロピルエステル体等のエステル体に変換した化合物を点眼投与することによって、活性本体の薬理作用を評価した。なお、本願化合物群において、エステル体は、下記で薬理作用を確認する実験動物(ウサギ、イヌ等)において、点眼投与した後、房水中におけるカルボン酸の薬物濃度を測定することによって、当該エステル体が速やかに相当するカルボン酸に変換されることを確認した。
【0173】
(2−1)眼圧下降作用
予め十分に馴化を行った雄性イヌ(TOYO Beagle)に、基剤(クエン酸緩衝液pH6.5、0.5%ポリソルベート80、1%プロピレングリコール、0.01%塩化ベンザルコニウム含)で0.003%(w/v)に調製した実施例16(1)の化合物を、それぞれ片眼に30μL点眼した。対眼は無処置とした。陽性対照化合物として、公知化合物であるラタノプロストを用いた。
【0174】
その後、眼科用表面麻酔剤(ベノキシール点眼液0.4%、参天製薬株式会社)を点眼して局所麻酔し、各被験化合物の点眼前および点眼2、4、6、8、24時間後の眼圧を測定した。眼圧は空圧式平式眼圧計(Model 30 Classic、ライカート社)を用いて測定した。眼圧下降率(%)は、以下の式により算出した。
【数1】
各ポイントでの測定値のうち、最大作用を示した結果を表2に示す。実施例16(1)の化合物を点眼投与したイヌの眼圧は、陽性対照化合物であるラタノプロストと比較して強い眼圧下降作用を示した。
【表2】
【0175】
(2−2)眼刺激性および房水タンパク質濃度評価
雄性ウサギ(NewZealandWhite、2.0〜3.0kg)に、基剤(クエン酸緩衝液pH6.5、0.5%ポリソルベート80、1%プロピレングリコール、0.01%塩化ベンザルコニウム含)で0.1%(w/v)に調製した実施例16(1)の化合物を、それぞれ片眼に30μL点眼した。その後、点眼0、1、2、4、6および8時間後の前房中の眼房水を採取し、房水中のタンパク質濃度を測定した。比較化合物として、上記した特許文献2記載の実施例12の化合物のメチルエステル体(すなわち、特許文献2記載の実施例10の化合物)(以下、比較化合物Cと略記することがある。)、および上記した比較化合物Bのメチルエステル体(すなわち、特許文献1記載の実施例1(F)の化合物の光学活性体(2S体))(以下、比較化合物Dと略記することがある。)を用いた。
【0176】
眼一般状態の観察は、点眼0、1、2、4、6および8時間後に行い、角膜、虹彩および結膜の肉眼的所見を公知のドレーズ(Draize)法の判定基準に従い観察した。得られた各項目の評価点の合計点(=A
1×B
1×5+A
2×5+(A
3+B
3+C
3)×2)をDraize評点として評価した。Draize評点の分類基準は、「生物学的安全性試験の基本的な考え方に関する参考資料について、平成15年3月19日付け事務連絡医療機器審査No.36、医薬品医療機器総合機構」を参照に作成した。分類基準は、Draize評点0以上5以下を無刺激物、5より大きく15以下を軽度刺激物、15より大きく30以下を刺激物、30より大きく60以下を中等度刺激物、60より大きく80以下を中〜強度刺激物、80より大きく110以下を強度刺激物とした。
【0177】
いずれの被験化合物についても、1000μg/mLの用量を投与し、各活性本体の作用を評価した。
【0178】
結果を以下の
図1および
図2に示す。比較化合物Cおよび比較化合物Dは、そのIP受容体に対するアゴニスト活性、またはIP、EP2およびEP4アゴニスト活性に基づき、Draize評点の最大値からいずれも軽度刺激物と分類された。さらに、両化合物とも房水中タンパク質濃度も上昇させることから、眼に対する副作用を誘発することがわかった。それに対して、本発明化合物である実施例16(1)の化合物は、Draize評点では無刺激物であり、かつ房水中タンパク質濃度を上昇させる作用もないことがわかった。
【0179】
以上より、本発明化合物は、EP2、EP4およびIP受容体に対するアゴニスト活性が低く、かつFP受容体に対する選択的なアゴニスト活性を有することから、EP2、EP4およびIP受容体アゴニスト活性に基づく充血等の眼刺激性および房水タンパク質上昇等の眼に対する副作用を回避できることが示唆された。
【0180】
(2−3)覚醒下サルにおける眼圧下降作用
覚醒下の雄性サル(カニクイザル)の左眼に、被験物質を上記と同様の基剤を用いて調製した溶液と、右眼には対照として基剤のみの溶液をそれぞれ30μL点眼投与した。投与後の眼圧を経時的に投与開始から24時間後まで測定した。眼圧測定の際には、カニクイザルをモンキーチェアーに保定後、眼科用表面麻酔剤(ベノキシール点眼液0.4%、参天製薬株式会社)を点眼投与して麻酔した。開瞼器(株式会社はんだや)を装着後、空圧圧平式眼圧計(モデル30クラシック、ライカート社)を用いて、両眼の眼圧を測定した(各群5〜8例)。対照眼と被験物質を投与した眼との眼圧値の差を、以下の式を用いて眼圧下降率として算出し、測定中の最大眼圧下降率と24時間後の眼圧下降率を用いて、眼圧下降作用の持続性を評価した。被験物質の投与用量は、比較化合物Cは10μg/mL、および実施例16(1)は30μg/mLとした。
【数2】
【0181】
結果を以下の表3に示す。比較化合物Cは最大眼圧下降率が不十分であることに加え、24時間後にはその下降率は10%未満に低下し、眼圧下降作用を十分に維持できないことがわかった。それに対して、本発明化合物はいずれも、最大眼圧下降率も高く、24時間後でも約20%以上の眼圧下降率を維持できる化合物であり、強力かつ持続的な眼圧下降作用を有することがわかった。
【表3】
以上より、本発明化合物は、EP2、EP4およびIP受容体に対するアゴニスト活性が低く、かつFP受容体に対する選択的なアゴニスト活性を有することから、強い眼圧下降作用を持続的に有することだけでなく、EP2、EP4およびIP受容体アゴニスト活性に基づく充血等の眼刺激性および房水タンパク質上昇等の眼に対する副作用を回避できることが示唆された。
【0182】
[製剤例]
製剤例1
本発明に用いられる代表的な製剤例を以下に示す。
1.点眼剤
以下の処方の点眼剤を汎用される方法を用いて調製した。
【0183】
滅菌精製水にグリセリン(2.5g)およびポリソルベート80(500mg)を加えた後、実施例16(1)の化合物(1mg)を加え溶解し、滅菌精製水で全量100mLとし、メンブランフィルターで滅菌濾過した後、所定の容器に充填し、下記処方の点眼液を得た。
【0184】
上記と同様にして、実施例16(1)の化合物を100mL中に0.1mgおよび0.5mg含有する点眼剤等を調製することができる。また、実施例16(1)の化合物に代えて、他の本発明化合物を用いることができる。
【0185】
2.眼軟膏
以下の処方の眼軟膏を汎用される方法を用いて調製した。
【0186】
流動パラフィンと白色ワセリンをあらかじめ加熱滅菌した。実施例16(1)の化合物(1mg)を流動パラフィン(10g)と十分研和後、白色ワセリンを加えて全量100gとし、十分練り合わせ、眼軟膏を得た。