(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態において、本明細書中に記載されているのは、一つ以上の置換ペルヒドロピロロピリジンを含む薬学的に許容可能な組成物である。置換ペルヒドロピロロピリジン及びそれらを含む薬学的に許容可能な塩は、HCVなどのウィルス性疾患の治療において有用である。
【0013】
別の実施形態において、本明細書中で記載されているのは、置換ペルヒドロピロロピリジン及びそれらを含む薬学的に許容可能な組成物のウィルス性疾患の治療のための使用方法である。例示的に、これらの方法は、ウィルス感染からの救済を必要とする患者へ、治療上有効量の一つ以上の置換ペルヒドロピロロピリジン及び/又はそれらを含む薬学的に許容可能な組成物を投与することを含む。一変化形において、本明細書に記載の方法はまた、HCVを含むウィルス感染症の治療に有用であることが知られている他の治療剤との併用療法も含む。従って、本明細書に記載の、化合物、組成物、製剤、使用及び方法は、HCV感染などのウィルス性疾患の治療のために知られている、一つ以上の任意のそのような化合物又は剤と組み合わせ得る。従って、別の実施形態において、併用療法は、本明細書に記載の一つ以上の化合物及び、HCVを含むウィルス感染症の治療において有用であることが知られている既知の化合物又は剤を併用投与することを含む。
【0014】
本明細書において使用されるように、用語「アルキル」は、炭素原子の鎖を含み、これは任意に分岐していてもよい。本明細書において使用されるように、用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、炭素原子の鎖を含み、これは任意に分岐していてもよく、少なくとも一つの二重結合又は三重結合をそれぞれ含む。アルキニルはまた、一つ以上の二重結合を含み得ると理解されている。更に、特定の実施形態において、アルキルは、C
1−C
24、C
1−C
12、C
1−C
8、C
1−C
6及びC
1−C
4を含む、限られた長さで有利であると理解されている。更に、特定の実施形態において、アルケニル及び/又はルキニルは、それぞれ、C
2−C
24、C
2−C
12、C
2−C
8、C
2−C
6及びC
2−C
4を含む、限られた長さで有利であり得ることが理解されている。本明細書において、より短いアルキル、アルケニル及び/又はアルキニル基は、化合物にほとんど親油性を与えることなく、従って、異なる薬物動態学的挙動を有することが明らかである。例示的なアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどを含むがそれらに限定されない。
【0015】
本明細書において使用されるように、用語「ヘテロアルキル」は、炭素及び少なくとも一つのヘテロ原子の両方を含む原子の鎖を含み、任意に分岐していてもよい。例示的なヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄を含む。特定の変化形において、例示的なヘテロ原子はまた、リン及びセレンも含む。
【0016】
本明細書において使用されるように、用語「シクロアルキル」は炭素原子鎖を含み、これは任意に分岐していてもよく、鎖の少なくとも一部が環状である。シクロアルキルアルキルは、シクロアルキルのサブセットであると理解されている。シクロアルキルは多環状であり得ることが理解されている。例示的なシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロプロピル、シクロペンチルエーテル−2−イル(cyclopentyleth−2−yl)、アダマンチルなどを含むがそれらに限定されないことが理解されている。本明細書において使用されるように、用語「シクロアルケニル」は、炭素原子の鎖を含み、これは任意に分岐していてもよく、少なくとも一つの二重結合を含み、少なくとも鎖の一部は環状である。一つ以上の二重結合は、シクロアルケニルの環状部分及び/又はシクロアルケニルの非−環状部分に存在し得ることが理解されている。シクロアルケニルアルキル及びシクロアルキルアルケニルは、それぞれシクロアルケニルのサブセットである。シクロアルキルは、多環状であり得ることが理解されている。例示的なシクロアルケニルは、シクロペンテニル、シクロヘキシルエテン−2−イル、シクロヘプテニルプロペニルなどを含むがそれらに限定されないことが理解されている。シクロアルキル及び/又はシクロアルケニルは、C
3−C
24、C
3−C
12、C
3−C
8、C
3−C
6、及びC
5−C
6を含む、限定された長さが有利であることが更に理解されている。本明細書において、より短いアルキル並びに/又は、シクロアルキル及び/若しくはシクロアルケニルを形成するアルケニル鎖が、それぞれ、化合物にほとんど親油性を与えず、従って、異なる薬学導体挙動を有するであろうことが理解されている。
【0017】
本明細書において使用されるように、ヘテロシクリル及びヘテロ環を含む用語「シクロヘテロアルキル」は、炭素及び、ヘテロアルキルなどの少なくとも一つのヘテロ原子を両方含み、任意に分岐していてもよく、少なくとも鎖の一部が環状である。例示的なヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄を含む。特定の変化形において、例示的なヘテロ原子はまた、リン及びセレニウムを含む。例示的なシクロヘテロアルキルは、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、テテオラヒドロピラニル、ピペリジニル、モノホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、キノクリジニルなどを含むがそれらに限定されない。
【0018】
本明細書において使用されるように、用語「アリール」は、単環又は多環芳香族炭素環基を含み、それぞれは、任意に置換されていてもよい。本明細書中に記載の例示的な芳香族炭素環基は、フェニル、ナフチルなどを含むがそれらに限定されない。本明細書中で使用されるように、用語「ヘテロアリール」は、芳香族ヘテロ環基を含み、それぞれは任意に置換されていてもよい。例示的な芳香族ヘテロ環基は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンジミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリルなどを含むがそれらに限定されない。
【0019】
本明細書において使用されるように、用語「アシル」は、ホルミル、及びアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアルケニルカルボニル、ヘテロアルキニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルケニルカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シクロヘテロアルケニルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールアルケニルカルボニル、アリールアルキニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルキニルカルボニル、ヘテロアリールアルケニルカルボニル、ヘテロアリールアルキニルカルボニル、アシルカルボニル、などを含み、それぞれは任意に置換されていてもよい。
【0020】
本明細書において使用されるように、用語「カルボニル及びその誘導体」は、C(O)、C(S)、C(NH)基及びそれらの置換アミノ誘導体を含む。
【0021】
本明細書において使用されるように、用語「任意に置換されていてもよい」は、任意に置換されていてもよいラジカル上の他の官能基との水素原子の置換を含む。そのような他の官能基は、例示的に、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテルアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体などを含むがそれらに限定されない。例示的に、任意のアミノ、ヒドロキシル、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル及び/又はスルホン酸は任意に置換されていてもよい。
【0022】
本明細書において使用されるように、用語「任意に置換されていてもよいアリール」及び「任意に置換されていてもよいヘテロアリール」は、水素原子と、任意に置換されていてもよいアリール又はヘテロアリール上の他の官能基との置換を含む。そのような他の官能基は、例示的に、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、などを含むがそれらに限定されない。例示的に、任意のアミノ、ヒドロキシ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、及び/又はスルホン酸は任意に置換されていてもよい。
【0023】
本明細書において使用されるように、用語「プロドラッグ」は一般的に、生体系に投与された場合、一つ以上の自発的な化学反応、酵素−触媒による化学反応、及び/又は代謝による化学反応、若しくはそれらの組み合わせの結果として、生物学的に活性な化合物を生成する任意の化合物をさす。生体内で、プロドラッグは一般的に酵素(エステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼなど)、単純な生物化学、又は、生体内でより薬理学的に活性な剤を解放又は再構成する任意の他のプロセスによって作用されている。この活性化は、プロドラッグの投与前、後、又は投与の間に宿主に投与される内因性の宿主酵素又は非内因性酵素の作用によって発生する可能性がある。プロドラッグの使用の更なる詳細は、米国特許第5,627,165号明細書及びPathalkらのEnzymic protecting group techniques in organic synthesis,Stereosel.Biocatal.775−797(2000)に記載されている。プロドラッグは、標的送達、安全性、安定性、などが達成されるという目標に到達するとすぐに、有利にオリジナルの薬剤に変換され、その後、プロドラッグを形成する基の放出された残基を、急速に除去することが理解されている。
【0024】
プロドラッグは、−OH−、−SH、−CO
2H、−NR
2などの、化合物上に存在する一つ以上の官能基へ、生体内で最終的に開裂する基を結合することによって、本明細書において記載されている化合物から調製され得る。例示的なプロドラッグは、ヒドロキシル、チオール及び結合した基がアシル基であるアミンのエステル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、リン酸エステル又は硫酸エステルと同様に、基がアルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルであるカルボン酸エステルを含むがそれらに限定されない。例示的なエステルは、また、活性エステルを指し、1−インダニル、N−オキシスクシンイミド;アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、β−アセトキシエチル、β−ピバロイルオキシエチル、1−(アイクロヘキシルカルボニルオキシ)プロプ−1−イル、(1−アミノエチル)カルボニルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;エトキシカルボニルオキシメチル、α−エトキシカルボニルオキシエチル、β−エトキシカルボニルオキシエチルなどのアルコキシカルボニルオキシアルキル基;ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチルなどのジ−低級アルキルアミノアルキル基を含むジアルキルアミノアルキル基;2−(イソブトキシカルボニル)ペント−2−エニル、2−(エトキシカルボニル)ブト−2−エニルなどの2−(アルコキシカルボニル)−2−アルケニル基;フタリジル、ジメトキシフタリジルなどのラクトン基を含むがそれらに限定されない。
【0025】
プロドラッグ自身は、顕著な生物学的活性を有さないが、その代わりに、本明細書に記載の生物学的に活性な化合物か、又は生物学的に活性な化合物の前駆体を生成するために生体内に投与した後、一つ以上の自発的な化学反応、酵素触媒化学反応、及び/又は代謝化学反応、若しくは、それらの組み合わせを受けることが理解されている。しかしながら、いくつかの例において、プロドラッグは生物学的に活性である。また、プロドラッグは、しばしば、改良された経口生物学的利用能、薬物動態半減期などを介して薬効や安全性を向上させるために役立ち得る。プロドラッグはまた、単に望ましくない薬特性をマスクしたり、薬物送達を改善したりする基を含む、本明細書中に記載の化合物の誘導体も指す。例えば、本明細書中に記載の一つ以上の化合物は、低い経口薬物吸収、サイト特異性の欠如、化学的不安定性、毒性、患者にとっての受け入れにくさ(悪い味、臭気、注射部位の痛みなど)などの、有意にブロックされるか最小化されており、臨床薬物適用における薬理学、医薬品、又は薬物動態学的障壁となり得る、望ましくない特性を呈し得る。本明細書において、プロドラッグ又は可逆的誘導体を用いる他のストラテジが、薬剤の臨床応用の最適化に有用であり得ることが理解されている。
【0026】
本明細書中で使用されるように、用語「治療上有効量」は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医によって求められている、組織系、動物又はヒトにおける生物学的、又は薬学的反応を引き出す活性化合物又は医薬品の量を指し、治療を受けている疾患又は障害の症状の緩和を含む。一態様において、治療上有効量は、任意の治療に適用される合理的な利益/リスク比で、疾患又は疾患の症状を治療又は緩和し得る量である。しかしながら、本明細書中に記載の化合物及び組成物の総一日使用量は、医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得る。任意の特定の患者に対する特定の治療上有効な用量レベルは、治療を受けている障害と疾患の重症度、採用される特定の化合物の活性、採用される特定の組成物、年齢、体重、一般的な健康状態、患者の性別及び常食、投与時間、投与経路、及び採用される特定の化合物の排出速度、治療期間、組み合わせて使用される薬剤、又は偶然一緒に使用される特定の化合物及び、研究者、獣医師、医師、又は当業者の他の臨床医に知られている要因などを含む、様々な要因に依存するであろう。
【0027】
治療上有効量は、また、単剤療法又は併用療法を指していようといまいと、本明細書中に記載の一つ以上の化合物の投与中に生じ得る、任意の毒性、又は他の望ましくない副作用を参照して、有利に選択される。更に、本明細書中に記載の併用療法は、そのような毒性又は他の望ましくない副作用を示す化合物の低い容量の投与を可能にし得、そのような低い投与量は毒性の閾値以下であるか、又は、そうでなければ、治療のウィンドウで、併用治療をしない場合よりも低い。
【0028】
本明細書において使用されるように、「組成物」は一般的に、指定された量における指定された成分を含む任意の生成物、及び、指定された量における指定された成分の組み合わせから直接的又は間接的に生成される任意の生成物を指す。本明細書中に記載の組成物は、本明細書中に記載の分離された化合物、または、本明細書に記載の化合物の塩、溶液、水和物、溶媒和物及びその他の形態から調製され得ることが理解されている。また、組成物は、本明細書中に記載の化合物の様々なアモルファス、非アモルファス、部分的結晶体、結晶体、及び/又は他の形態学的な形態からも調製し得ることを理解すべきである。また、組成物は、本明細書に記載の化合物の様々な水和物及び/又は溶媒和物から調製し得る。従って、本明細書に記載の化合物を列挙する医薬組成物は、本明細書中に記載の化合物の様々な形態学的形態、及び/又は水和物、又は溶媒和物の形態のそれぞれ、又は任意の組み合わせを含むことを理解すべきである。例示的に、組成物は、一つ以上の担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含み得る。本明細書中に記載の化合物又はそれらを含む組成物は、本明細書中に記載の方法に適切な任意の従来の投与量形態で、治療上有効な量で製剤し得る。本明細書中に記載の化合物又はそれらを含む組成物(そのような製剤を含む)は、本明細書中に記載の方法について、多種多様な従来の経路で、且つ、多種多様な投与形態で、既知の手順を利用して投与され得る(一般的に、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,(21
st ed.,2005)を参照されたい)。
【0029】
本明細書において使用されるように、用語「投与する」は、経口(po)、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮、吸入、口腔、眼、舌下、膣、直腸などを含むがそれらに限定されない、本明細書に記載の化合物及び組成物を患者へ導入する全ての手段を含む。本明細書に記載の化合物及び組成物は、単位投薬形態及び/又は、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含む製剤形態で投与され得る。
【0030】
一実施形態において、本明細書に記載されているのは、C型肝炎に罹患した患者の治療のための化合物であり、前述の化学式Iの化合物
【化1】
又はその薬学的に許容可能な塩は、式中、
R
1はアリールアルキル又はアリールアシルであり、それぞれは任意に置換されていてもよく;
R
2は水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、又はアリールアルキルであり、それぞれは任意に置換されていてもよく;
R
3はアリールアルキル又はアリールアシルであり、それぞれは任意に置換されていてもよく;且つ、
R
4は水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アロール、又はアリールアルキルであり、それぞれは任意に置換されていてもよい。
【0031】
別の実施形態において、本明細書中に記載されているものは、上記の化学式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、薬学的組成物である。
【0032】
別の実施形態において、化学式Iの化合物の環状融合体の立体化学は、synである。別の実施形態において、化学式Iの化合物の環状融合体の立体化学は、以下の通りであり:
【化2】
薬学的に許容可能なその塩を含む。別の実施形態において、化学式Iの化合物の環状融合体の立体化学は、以下の通りであり:
【化3】
薬学的に許容可能なその塩を含む。別の実施形態において、化学式Iの化合物の環状融合体の立体化学及び化学式Iの化合物のC−3は以下の通りであり:
【化4】
薬学的に許容可能なその塩を含む。別の実施形態において、化学式Iの化合物の環状融合体の立体化学は以下の通りであり:
【化5】
薬学的に許容可能なその塩を含む。
【0033】
別の実施形態において、本明細書中に記載される化合物の全ての立体化学の変化形を含む、本明細書中に記載される化学式Iの化合物の置換基R
1、R
2、R
3、及びR
4は、それぞれ、本明細書中の以下から独立的に選択される。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
1は、任意に置換アリールアシルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
1は、任意に置換アリールカルボニルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
1は、任意に置換ベンゾイルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
1は、任意にベンゾイルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
1は、任意に置換ピコリノイルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
1は、ピコリノイルである。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
2は、任意に置換アリールであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
2は、任意に置換フェニルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
2は、ハロ、アルコキシ、又はそれらの組み合わせで置換されたフェニルである。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
3は、任意に置換アリールアルキルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
3は、任意に置換アリールメチレンであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
3は、任意に置換ベンゾイルであってもよい。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
3は、電子吸引基で置換されたベンジルである。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
3は、ハロ置換ベンジルである。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
4は、水素又はアルキルである。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
4は水素である。別の実施形態において、本明細書中に記載の化学式Iの化合物の置換基R
2は、C−3において存在する。
【0034】
別の実施形態において、本明細書中に記載されているのは、本明細書中に記載の一つ以上の化合物の、ウィルス性疾患に罹患した患者を治療するための薬剤の製造における使用である。例示的に、ウィルス性疾患はC型肝炎である。
【0035】
別の実施形態において、本明細書中に記載されているのは、ウィルス性疾患、例示的にはC型肝炎などに罹患する患者を治療するための方法であり、前述の方法は、本明細書に記載の一つ以上の化合物のみ、又は、一つ以上の担体、希釈剤、又は賦形剤、若しくはそれらの組み合わせの治療上有効量を患者へ投与するステップを含む。
【0036】
上述のR
1、R
2、R
3、及びR
4の選択のそれぞれは、化学式Iの立体化学的な実施形態のそれぞれについて、本明細書中に記載されていると理解されるべきである。上述のR
1、R
2、R
3、及びR
4の選択のそれぞれは、全ての可能性のある組み合わせにおいて、お互いに組み合わせ得、それぞれは、本発明のさらなる例示的な実施形態の説明を形成することが、更に理解されるべきである。例えば、そのような一組み合わせにおいて、本明細書中に記載されているのは、式中R
1が任意に置換アリールアシルであってもよく、且つ、R
2が任意に置換アリールであってもよい、化学式Iの化合物任意の立体化学的実施形態を含む、化学式Iの化合物である。そのような別の組み合わせにおいて、本明細書中に記載されているのは、式中、R
1は任意に置換ベンゾイルであってもよく、R
2は任意に置換アリールであってもよく、且つ、R
3は任意に置換アリールアルキルであってもよい、化学式Iの化合物の任意の立体化学的実施形態を含む、化学式Iの化合物である。そのような別の組み合わせにおいて、本明細書中に記載されているのは、式中、R
1はベンゾイルであり、R
2は任意に置換アリールであってもよく、R
3は電子吸引基と置換されたベンゾイルであり、且つ、R
4は水素である、化学式Iの化合物の任意の立体化学的実施形態を含む、化学式Iの化合物である。
実施例
【0037】
以下の実施例は、更に、本発明の特定の実施形態を説明するが、しかしながら、以下の実施例は本発明を如何なる方法においても制限するものと解釈するべきではない。
【0038】
実施例 試験化合物。本明細書に記載の置換ペルヒドロピロロピリジン(>90%純度)は、商業的供給業者から得て、そのまま使用する。
【0039】
方法例 キメラマウスモデル。本明細書において使用するマウスモデルは、KnetemanらのHepatology,2006,43,1346 and Kneteman et al.,Hepatology,2009,49,745.において従来説明されているものと同じである。使用される動物は、ホモ接合体アルブミン(Alb)−ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)/重症複合免疫不全(SCID)マウスであり、使用直前までウィルスフリー/抗体フリー環境に収容する。
【0040】
方法例 ヒト肝細胞の単離及び移植。ヒト肝組織のセグメント(〜20cm
3)を、冷温リン酸緩衝生理食塩水で洗い流し、急速に組織分離実験室に輸送した。肝細胞は、0.38mg/mlのリベラーゼCI溶液(Boehringer Mannheim)を用いたコラーゲナーゼベースの還流を使用して、MercerらのHepatitis C virus replication in mice with chimeric human livers,Nat.Med.2001,7,927−933に記載の方法を使用して分離し、精製する。レイシピエントマウス(生後5〜14日、uPA/SCIDマウス)は、ハロタン/02で麻酔し、1×106生肝細胞を、脾臓の下極に注入する。肝細胞を、次に、移植して拡張した自身の肝臓へ移行する。
【0041】
方法例 ヒトα−1抗トリプシン分析。ヒトα−1抗トリプシン(hAAT)分析は、ヒト肝細胞移植の安定した継続的な機能を確認するため、及び、HCV抗体価の変化は、肝細胞死や傷害に起因するものであるかどうかを決定するために使用する。マウス血清は、KnetemanらによるHepatology,2006,43,1346に記載のように、サンドイッチ酵素免疫測定法によって分析する。簡単に言えば、マウス血清サンプル(2μl)をブロッキングバッファーで1/100に希釈し、サンドイッチELISAによってポリクローナルヤギ抗ヒトα1−アンチトリプシン(hAAT)抗体(#81902,Diasorin,Stillwater MN)を捕捉抗体として使用して分析する。同じ抗体の一部は、ホースラディッシュペルオキシダーゼにクロスリンクされており(#31489,Pierce,Rockford,IL)、二次抗体として使用され、3,3’−5,5’−テトラメチルベンジジンによってシグナル検出される(Sigma,St.Louis,MO)。
【0042】
方法例 HCV単離及び定量化。マウス血清分析は、リコアコバスアンプHCVモニターシステム(Roche Diagnostics社)を用いて盲検で行う。定量下限は600IU/mlである。ウィルスのRNAは、製造元の指示に従ってQiagen(19073)からバッファAVLを使用して抽出する。RNAは、製造元の指示に従って、高容量RNA to cDNAキット(Applied Biosystem、#4369016)を用いて、HCV特異的プライマー(5’−AGGTTTAGGAT CGTGCTCAT(配列番号:1))でcDNAに転写される。RT−PCRは、ABI 7300リアルタイムPCRシステム及びTaqman chemistryを使用して実施し、行った全ての測定はドュプリケートで行った。6−FAM−CACCCTATCAGGCAGTACCACAAGGCC−TAMRA(配列番号:2)を、HCV特異的検出プローブ及び、HCVの保存的5’UTR領域(5’−TGCGGAACCGGTGAGTACA(配列番号:3)、5’−AGGTTTAGGATTCGTGCTCAT(配列番号:4))を検出するプライマーセットとして使用する。絶対定量のために、HCVバリアントh77C(PCV−H77C)の配列を含む、プラスミドの既知の希釈液の標準曲線を、Optiquant HCV RNA high control(Optiquant社)を用いて作成する。
【0043】
方法例 実験の実施。肝細胞移植六週間後、マウスは、血清hAATについてスクリーニングされ、100μg/mL以上のカットオフ値の動物に、100μgの遺伝子1aHCVを含んだヒト血清(約2×10
5コピー/mL)を腹腔内注射により接種する。ベースラインのHCVレベルは、接種後1及び2週間後に得、力価2×10
4コピー/mL以上のマウスを、実験群へ割り当てる。割り当ては、優先度の低下とともにHCV抗体価、HAATレベル、性別、体重についての、群のバランスをとることが求められている。
【0044】
方法例 以下のプロトコルは、PKパラメータ及び試験化合物についての動物の耐久力を評価するために使用される。プロトコルは、腹腔内(IP)注射により一日一回5mL/kgの量で投与された化合物のそれぞれの3つの段階的用量レベルを含む。許容差は、14日間の治療経過を介して決定される。試験動物は、3つの5匹のマウスの群を含む。また、5mLのビヒクルを注射された一つの5匹のマウスの対照群も含む。マウスの群は、体重の範囲≧12.0gのmurine KMT mice(商標)などの、オス及びメスの両方の生後3ヶ月のマウスを含む。血液サンプルを、化合物投与(投与後7日の24時間のトラフサンプル)直前の8日目の朝(投与後最後の14日の24時間のトラフサンプル)及び15日目の朝に、置換ペルヒドロピロロピリジンの血清中濃度の測定のための動物の中央の尾動脈を経由して引き抜く。およそ100μLの量をチューブに収集し、2〜8℃で凝固させ、遠心分離し、上述の血栓ペレットから血清を取り除き、濃度測定の準備ができるまで、−80℃で凍結保存した。
【0045】
方法例 以下のプロトコルは、HCV感染に対する置換ペルヒドロピロロピリジンの効果的評価のために使用される。プロトコルは、本明細書中に記載の研究からの耐性及びPK結果に基づいて選択される3つの用量を含む。各置換ペルヒドロピロロピリジンの効果は、14日以上の治療過程及び、腹腔内注射による1日1回の5mL/kgの容積での薬剤投与の3つの用量レベルを採用した7日間のフォローアップ期間に渡って決定する。ベースラインの動物の受入基準は、以下の通りである:最小hAAT値=80;最小HCV値=1×10
4IU/mL;健康状態カットオフ値≦1〜2。研究動物は、3つの5匹のマウスの群を含む。また、5mL/kgのビヒクルを接種した、一つの5のマウスの対照群を含む。マウスの群は、体重範囲≧12.0gのmurine KMT mice(商標)などの、オス及びメスの両方の生後3ヶ月のマウスを含む。血液サンプルを、3日目のhAAT及びHCVのベースラインの血清中濃度を測定するために、中央の尾動脈を経由して引き抜く。その後の血液は、化合物の投与直前に7日目の朝、及び、前日のおよそ0800時に最終用量の化合物を投与した24時間後に14日目の朝、及び、最終化合物投与の7日後の21日目に引き抜いた。およそ100μLの量をチューブに収集し、2〜8℃で凝固させ、遠心分離し、上述の血栓ペレットから血清を取り除き、濃度測定の準備ができるまで、−80℃で凍結保存した。
【0046】
方法例 抗HCV効果についてのアッセイ。従来、HCV研究は主に感染患者及びチンバンジーを含んでいた。現在、強固なHCV感染システムは、Huh−7ヒト肝癌細胞株に由来する細胞で開発された(例えば、成長ウィルス株、Huh−7細胞の維持、感染パラメータ、及びHCV抗体価の決定に関する詳細については、Yuらの、「Development of a cell−based hepatitis C virus infection fluorescent resonance energy transfer assay for high−throughput antiviral compound screening Antimicrob Agents Chemother. 2009 53:4311−4319」及び、Yu&Uprichardの「Cell−based hepatitis C virus infection fluorescence resonance energy transfer (FRET)assay for antiviral compound screening Curr Protoc Microbiol.2010;Chapter 17:Unit 17.5」を参照されたい)。簡単に言えば、このアッセイは、HCV患者由来のユニークなJFH−1 HCVのコンセンサスのcDNAに基づいている。逆遺伝学を使用して、このHCVクローンから感染ウィルスを解放することができる。回復生存JFHウィルスは、Huh−7細胞に連続的に継代することができる。この理由のために、このシステムは、それらの抗HCV効果の潜在的な薬剤の活性を試験するために適している。本明細書に記載の化合物の抗ウィルス活性は、このシステムにおいて試験する。
【0047】
最初に、6×10
3個のHuh7−1細胞を、10%胎児ウシ血清を添加したダルベッコ変法イーグル培地から構成される0.2mLの10%の培地中で、コラーゲンコートしたBioCoat96−ウェルプレート(BD Biosciences,Bedford,MA)の各ウェル中で一晩中インキュベートする。その後、2日間隔で、培養は、新鮮な0.2mL、10%培地を補充する。一旦培養が周密的になると、絶えず1%のジメチルスルホキシド(DMSO)も含む、0.2mL、10%の新鮮な培地を2日間の間隔で補充する。これらの補充の20日後、Huh7−1培養を、0.05フォーカス形成単位(ffu)/細胞の感染多重度(MOI)のHCVを含む、新鮮な1%培地(血清レベルが1%であることを除き10%培地と同じ)でインキュベートする。HCV(JFH−1wt Huh7)株力価は、1.5×10
5ffu/mLである。翌日(注射後1日)及び2日後(注射後3日)に、培地へDMSOに溶解した試験化合物を含有する新鮮な1%の培地を補充する。化合物を用いた処理の5日目に、細胞溶解物をRNAの分離とリアルタイム定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−QPCR)のために収集し、培地を細胞毒性分析のために収集する。
【0048】
全RNAは、標準プロトコルを使用してチオシアン酸グアニジン法により細胞から分離する。1μgのRNAを、TaqMan逆転写試薬を用いてcDNA合成に使用し(Applied Biosystems,Foster City,CA)、その後、アプライドバイオシステムズ7300リアルタイムサーマルサイクラーを用いてリアルタイムPCRを行う。例示的なサーマルサイクルは、95℃で10分間の初期変性の後、変性を40サイクル(95℃で15秒)、及びアニーリング/伸長(60℃で1分)から成る。HCV及びヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)RNAレベルは、JFH−1 HCV又はGAPDHcDNAを含む、プラスミドの希釈系列の検量線に対して決定する。GAPDH及びHCVを検出するために使用したPCRプライマーの例示は次の通りである:GAPDH(NMX002046)5’−GAAGGTGAAGGTCGGAGTC−3’(配列番号:5)(センス)及び、5’−GAAGATGGTGATGGGATTTC−3’(配列番号:6)(アンチセンス)JFH−1 HCV(AB047639)5’−TCTGCGGAACCGGTGAGTA−3’(配列番号:7)(センス)及び、5’−TCAGGCAGTACCACAAGGC−3’(配列番号:8)(アンチセンス)。
【0049】
試験化合物はまた、従来の細胞毒性アッセイにおいて評価した。それぞれの場合において、試験化合物は5μMで細胞毒性を呈さなかった。細胞毒性の欠損は、ウィルス力価を減少させる試験化合物の活性は、ウィルス性疾患に固有のものであることをサポートしている。
【0050】
図1〜7は、培養が示された容量での選択された試験化合物でインキュベートする場合、細胞内のHCV RNAレベルを示す。HCV RNAレベルをサンプル間で比較すると、データは、モック処理(化合物追加せず)HCV感染制御に対して化合物が、HCV RNA濃度の用量依存性の減少を引き起こすことを含み得る。
【0051】
化合物実施例1
以下の化合物を本明細書に記載する:
【化6】
【表1】
【0052】
化合物実施例2
以下の化合物を本明細書中に記載する:
【化7】
【表2】