(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5907802
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】空調制御装置、温度センサの劣化判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/02 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
F24F11/02 103A
F24F11/02 S
F24F11/02 102A
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-111403(P2012-111403)
(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-238351(P2013-238351A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2014年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 一生
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 啓太
(72)【発明者】
【氏名】三浦 健次郎
【審査官】
佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−236297(JP,A)
【文献】
特開2008−256247(JP,A)
【文献】
特開2010−223477(JP,A)
【文献】
特開2005−315564(JP,A)
【文献】
特開2010−242487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、
を有し、
前記劣化判定手段は、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、前記劣化していると判定された温度センサを除いた前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を新たに求め、前記新たに求められた平均値から前記所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記新たに求められた平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項2】
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、
を有し、
前記劣化判定手段は、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、
前記制御手段は、前記劣化していると判定された温度センサによって検出された温度と前記平均値との差分を用いて補正された補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の空調制御装置であって、
前記制御手段は、前記劣化していると判定された温度センサによって検出された温度と前記平均値との差分を用いて補正された補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の空調制御装置であって、
前記制御手段は、前記平均値が基準温度以上となる場合に求められた前記差分を第1の補正値とし、前記平均値が前記基準温度未満となる場合に求められた前記差分を第2の補正値とし、前記劣化していると判定された温度センサによって検出される温度が前記基準温度以上となる場合、前記第1の補正値を用いて補正された第1の補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御し、前記劣化していると判定された温度センサによって検出される温度が前記基準温度未満となる場合、前記第2の補正値を用いて補正された第2の補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において同一の居室に設置されている、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の空調制御装置であって、
前記複数の温度センサのうち前記居室の壁から所定距離内に設置されている複数の温度センサを第1グループとし、前記壁から前記所定距離より離れた位置に設置されている複数の温度センサを第2グループとし、
前記劣化判定手段は、前記第1グループ及び前記第2グループのそれぞれについて温度センサの劣化を判定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項7】
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、
を有し、
前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において同一の居室に設置されており、
前記複数の温度センサのうち前記居室の壁から所定距離内に設置されている複数の温度センサを第1グループとし、前記壁から前記所定距離より離れた位置に設置されている複数の温度センサを第2グループとし、
前記劣化判定手段は、前記第1グループ及び前記第2グループのそれぞれについて温度センサの劣化を判定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項8】
請求項5に記載の空調制御装置であって、
前記居室内における設置場所の高さに応じて前記複数の温度センサをグループ分けし、
前記劣化判定手段は、前記グループごとに温度センサの劣化を判定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項9】
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、
を有し、
前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において同一の居室に設置されており、
前記居室内における設置場所の高さに応じて前記複数の温度センサをグループ分けし、
前記劣化判定手段は、前記グループごとに温度センサの劣化を判定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において異なる居室に設置されている、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記劣化判定手段は、前記空調機が送風運転する前に、前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記空調機が送風運転を開始してから前記所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記送風運転の前及び前記送風運転の後の両方のタイミングで劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項12】
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、
を有し、
前記劣化判定手段は、前記空調機が送風運転する前に、前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記空調機が送風運転を開始してから前記所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記送風運転の前及び前記送風運転の後の両方のタイミングで劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記劣化判定手段は、複数日で温度センサの劣化を判定し、前記複数日において劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定する、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記建物内の在室人数を示す情報又は前記建物の警備状態を示す情報を取得する入退室管理手段を更に備え、
前記制御手段は、前記入退室管理手段によって取得された情報に基づいて、前記建物内の在室人数又は前記建物のロックの有無を検知し、前記建物内の在室人数が0人となっている場合、又は、前記建物がロックされている場合に、前記空調機に送風運転させる、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項15】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記制御手段は、前記空調機による空調が停止してから所定の停止時間が経過した後、前記空調機に送風運転させる、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、
前記制御手段は、夏期及び冬期を除く中間期、かつ、前記複数の温度センサによって検出される温度が前記所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記空調機に送風運転させる、
ことを特徴とする空調制御装置。
【請求項17】
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる第1のステップと、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する第2のステップと、
を含み、
前記第2のステップでは、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、前記劣化していると判定された温度センサを除いた前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を新たに求め、前記新たに求められた平均値から前記所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記新たに求められた平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定する、
ことを特徴とする温度センサの劣化判定方法。
【請求項18】
コンピュータに、
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる第1のステップと、
前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する第2のステップと、
を実行させ、
前記第2のステップでは、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、前記劣化していると判定された温度センサを除いた前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を新たに求め、前記新たに求められた平均値から前記所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記新たに求められた平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の空調制御に用いられる温度センサの劣化を判定する空調制御装置、温度センサの劣化判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空調機は、ビル等の建物内に設置された温度センサによって検出された温度に基づいて建物内の空調を行っている。この温度センサは経年によって劣化し、実際の温度とは異なる値を検出する場合がある。実際の温度とは異なる値を制御値として空調制御を行うと、建物内を適切に空調することができず、その結果、快適性が損なわれ消費電力量の増加を招くおそれがある。従って、劣化した温度センサを特定して温度を校正することが求められている。
【0003】
例えば下記の特許文献1には、可変抵抗器を用いた温度センサに対し、抵抗値が固定の固定抵抗器を追加し、可変抵抗器と固定抵抗器との差分に基づいて温度を算出することで、経年劣化による抵抗値の変化を打ち消す装置が開示されている。
【0004】
また、下記の特許文献2には、空調機の経年劣化と消費電力量の増加との間に相関関係があることを利用し、空調機を設置した直後の消費電力量と、運転開始後の消費電力量とを用いて空調機の劣化度を判定する装置が開示されている。
【0005】
また、下記の特許文献3には、オフセットデータを予め記憶しておき、温度センサが検出したデータとオフセットデータとから誤差を調整する装置が開示されている。
【0006】
また、下記の特許文献4には、外気の温度に応じて温度センサの補正値を変更する装置が開示されている。
【0007】
また、下記の特許文献5には、空調ゾーンに応じて温度センサの補正値を変更する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−216867号公報
【特許文献2】特許第4775338号
【特許文献3】特開平3−177734号公報
【特許文献4】特開2006−258340号公報
【特許文献5】特開2002−144840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、抵抗器や比較回路等を空調機に追加する必要があるため、空調機のコストが増大してしまう。また、特許文献2に記載の発明では、消費電力量に基づいて空調機の劣化度を判定するに過ぎず、劣化した温度センサを特定することができるわけではない。また、上述した特許文献3,4,5に記載された発明も、劣化した温度センサを特定するものではない。
【0010】
本発明の目的は、別の機器を空調機に追加したり空調機を改造したりせずに、温度センサの劣化を判定することが可能な空調制御装置、温度センサの劣化判定方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、前記空調
機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、を有
し、前記劣化判定手段は、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、前記劣化していると判定された温度センサを除いた前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を新たに求め、前記新たに求められた平均値から前記所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記新たに求められた平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定する、ことを特徴とする空調制御装置である。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、
建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、を有し、前記劣化判定手段は、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサが劣化していると判定
し、
前記制御手段は、前記劣化していると判定された温度センサによって検出された温度と前記平均値との差分を用いて補正された補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する、ことを特徴とする
空調制御装置である。
【0014】
また、請求項
3に係る発明は、請求項
1に記載の空調制御装置であって、前記制御手段は、前記劣化していると判定された温度センサによって検出された温度と前記平均値との差分を用いて補正された補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項
4に係る発明は、請求項
2又は請求項3に記載の空調制御装置であって、前記制御手段は、前記平均値が基準温度以上となる場合に求められた前記差分を第1の補正値とし、前記平均値が前記基準温度未満となる場合に求められた前記差分を第2の補正値とし、前記劣化していると判定された温度センサによって検出される温度が前記基準温度以上となる場合、前記第1の補正値を用いて補正された第1の補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御し、前記劣化していると判定された温度センサによって検出される温度が前記基準温度未満となる場合、前記第2の補正値を用いて補正された第2の補正温度に基づいて、前記劣化していると判定された温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項
5に係る発明は、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において同一の居室に設置されている、ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項
6に係る発明は、請求項
5に記載の空調制御装置であって、前記複数の温度センサのうち前記居室の壁から所定距離内に設置されている複数の温度センサを第1グループとし、前記壁から前記所定距離より離れた位置に設置されている複数の温度センサを第2グループとし、前記劣化判定手段は、前記第1グループ及び前記第2グループのそれぞれについて温度センサの劣化を判定する、ことを特徴とする空調制御装置である。
また、請求項7に係る発明は、建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、を有し、前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において同一の居室に設置されており、前記複数の温度センサのうち前記居室の壁から所定距離内に設置されている複数の温度センサを第1グループとし、前記壁から前記所定距離より離れた位置に設置されている複数の温度センサを第2グループとし、前記劣化判定手段は、前記第1グループ及び前記第2グループのそれぞれについて温度センサの劣化を判定する、ことを特徴とする空調制御装置である。
【0018】
また、請求項8に係る発明は、請求項
5に記載の空調制御装置であって、前記居室内における設置場所の高さに応じて前記複数の温度センサをグループ分けし、前記劣化判定手段は、前記グループごとに温度センサの劣化を判定する、ことを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、を有し、前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において同一の居室に設置されており、前記居室内における設置場所の高さに応じて前記複数の温度センサをグループ分けし、前記劣化判定手段は、前記グループごとに温度センサの劣化を判定する、ことを特徴とする空調制御装置である。
【0019】
また、請求項
10に係る発明は、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記複数の室内機及び前記複数の温度センサは、前記建物内において異なる居室に設置されている、ことを特徴とする。
【0020】
また、請求項
11に係る発明は、請求項1から請求項
10のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記劣化判定手段は、前記空調機が送風運転する前に、前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記空調機が送風運転を開始してから前記所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記送風運転の前及び前記送風運転の後の両方のタイミングで劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定する、ことを特徴とする。
また、請求項12に係る発明は、建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる制御手段と、前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する劣化判定手段と、を有し、前記劣化判定手段は、前記空調機が送風運転する前に、前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記空調機が送風運転を開始してから前記所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度に基づいて温度センサの劣化を判定し、前記送風運転の前及び前記送風運転の後の両方のタイミングで劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定する、ことを特徴とする空調制御装置である。
【0021】
また、請求項
13に係る発明は、請求項1から請求項
12のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記劣化判定手段は、複数日で温度センサの劣化を判定し、前記複数日において劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定する、ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項
14に係る発明は、請求項1から請求項
13のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記建物内の在室人数を示す情報又は前記建物の警備状態を示す情報を取得する入退室管理手段を更に備え、前記制御手段は、前記入退室管理手段によって取得された情報に基づいて、前記建物内の在室人数又は前記建物のロックの有無を検知し、前記建物内の在室人数が0人となっている場合、又は、前記建物がロックさ
れている場合に、前記空調機に送風運転させる、ことを特徴とする。
【0023】
また、請求項
15に係る発明は、請求項1から請求項
13のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記制御手段は、前記空調機による空調が停止してから所定の停止時間が経過した後、前記空調機に送風運転させる、ことを特徴とする。
【0024】
また、請求項
16に係る発明は、請求項1から請求項
15のいずれか一項に記載の空調制御装置であって、前記制御手段は、夏期及び冬期を除く中間期、かつ、前記複数の温度センサによって検出される温度が前記所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記空調機に送風運転させる、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項
17に係る発明は、建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる第1のステップと、前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する第2のステップと、を含
み、前記第2のステップでは、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、前記劣化していると判定された温度センサを除いた前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を新たに求め、前記新たに求められた平均値から前記所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記新たに求められた平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定する、ことを特徴とする温度センサの劣化判定方法である。
【0026】
また、請求項18に係る発明は、コンピュータに、建物内に設置されている複数の温度センサによって検出される温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に、前記建物内に設置されている複数の室内機を介して前記建物内を空調する空調機に送風運転させる第1のステップと、前記空調機が送風運転を開始してから所定時間経過した後に前記複数の温度センサによって検出された温度のばらつきに基づいて、温度センサの劣化を判定する第2のステップと、を実行させ
、前記第2のステップでは、前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を求め、前記平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定し、前記劣化していると判定された温度センサを除いた前記複数の温度センサによって検出された温度の平均値を新たに求め、前記新たに求められた平均値から前記所定温度以上外れた温度を検出した温度センサであって前記新たに求められた平均値との差の絶対値が最大となる温度を検出した温度センサが劣化していると判定する、ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、別の機器を空調機に追加したり空調機を改造したりせずに、温度センサの劣化を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係る空調システムの一例を示すブロック図である。
【
図3】各温度センサによって検出された温度のばらつきを示すグラフである。
【
図4】本発明の実施形態に係る空調制御装置による動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】温度センサによって検出された温度を示す表である。
【
図6】温度センサの劣化を判定する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に、本発明の実施形態に係る空調制御システムの一例を示す。本実施形態に係る空調制御システムは、複数の室内機3A〜3D及び室外機4を備えた空調機2と、居室40内に設置された複数の温度センサ1A〜1Dと、居室40の外に設置された温度センサ5と、空調制御部6と、空調管理部10と、ログ情報記憶部20とを含んで構成されている。また、本実施形態に係る空調制御システムは、入退室管理部30を含んでいてもよい。
【0030】
居室40は利用者が利用する建物の空調空間としての部屋であり、例えば、オフィスビル等の執務室や会議室等である。居室40は、利用者の出入口となる扉41が設けられている。なお、居室40は、1つに限らず複数の部屋があってもよい。
【0031】
空調機2は例えばビル用マルチ方式の空調機器であり、空調制御部6の制御の下、送風運転、冷房運転、暖房運転又は除湿運転等を行うことで、居室40内の空間を空調する。空調機2は、一例として、複数の室内機3A〜3Dと室外機4とを備えている。複数の室内機3A〜3Dは居室40内に設置されており、送風運転時には設定された風速で空気(風)を居室40内に送り出し、冷房運転時には冷却された空気を居室40内に送り出し、暖房運転時には加熱された空気を居室40内に送り出す。室外機4は居室40の外に設置されており、図示しない配管を介して室内機3A〜3Dに接続されている。室外機4は、図示しない配管を介して室内機3A〜3Dに熱エネルギーを伝達する冷媒を供給する。なお、複数台の室外機4が設置されていてもよい。
【0032】
複数の温度センサ1A〜1Dは居室40内に設置され、居室40内の温度(室内温度)を検出して検出値を空調制御部6に出力する。例えば、室内機3A〜3Dのそれぞれに対応して温度センサ1A〜1Dが設置されている。具体的には、室内機3Aに対応して温度センサ1Aが設置され、室内機3Bに対応して温度センサ1Bが設置され、室内機3Cに対応して温度センサ1Cが設置され、室内機3Dに対応して温度センサ1Dが設置されている。例えば、各温度センサ1A〜1Dは対応する室内機3A〜3Dに取り付けられていてもよいし、対応する室内機3A〜3Dの近傍に設置されていてもよい。また、室外機4に温度センサ5が設置されている。温度センサ5は、居室40の外部の温度(室外温度)を検出して検出値を空調制御部6に出力する。例えば、温度センサ1A〜1D及び温度センサ5は、予め設定された時間間隔で温度を検出して検出値を空調制御部6に出力する。例えば、温度センサ1A〜1D及び温度センサ5によって検出された各検出値に、温度センサ1A〜1D及び温度センサ5のそれぞれを識別するための機器識別情報(例えば機器ID)が付帯され、機器識別情報が付帯された検出値が空調制御部6に出力される。なお、機器識別情報として、温度センサ1A〜1Dに対応する室内機3A〜3Dを識別するための識別情報を用いてもよい。
図1には一例として4つの温度センサ1A〜1Dが居室40内に設置されているが、温度センサの数は4つに限らず、少なくとも3つ以上の温度センサが居室40内に設置されていればよい。
【0033】
空調制御部6は、空調機2(室内機3A〜3D及び室外機4)の運転開始及び運転停止を制御する。また、空調制御部6は、空調機2による送風運転、冷房運転、暖房運転又は除湿運転等の動作モードを制御することで、室内機3A〜3Dから放出される空気の風向き、風速、温度及び湿度等を制御する。また、空調制御部6は、温度センサ1A〜1Dから出力された検出値(室内温度を示す値)と温度センサ5から出力された検出値(室外温度を示す値)とを含む運転ログ情報を取得する。例えば、空調制御部6は、室内機3A〜3Dのそれぞれを個別に制御することで、居室40内における複数の領域のそれぞれの空調を個別に制御してもよい。一例として、空調制御部6は、温度センサ1A〜1Dによって検出された室内温度に基づいて、温度センサ1A〜1Dのそれぞれに対応する室内機3A〜3Dを介した空調を制御する。例えば、空調制御部6は、温度センサ1Aによって検出された室内温度に基づいて、温度センサ1Aに対応する室内機3Aを介した空調を制御する。その他の室内機3B〜3Dについても、対応する温度センサ1B〜1Dによって検出された室内温度に基づいて空調を制御する。
【0034】
なお、
図1に示す例では、同一の居室40内において、室内機3A〜3Dのそれぞれに対応して温度センサ1A〜1Dが設置されている場合について説明したが、同一の建物内において異なる居室に室内機及び温度センサが設置されていてもよい。例えば
図2に示すように、同一の建物内において複数の階(例えば1階から4階)のそれぞれの居室40A〜40Dに、室内機及び温度センサが設置されていてもよい。例えば、各居室内に、1つ又は複数の室内機と1つ又は複数の温度センサとが設置されていてもよい。
図2に示す例では、居室40A〜40Dのそれぞれに、複数の室内機3と1つの温度センサ1A(1B〜1D)とが設置されており、居室40A〜40Dのそれぞれに設置された複数の室内機3は、室外機4に接続されている。この場合、空調制御部6は、居室40A〜40Dのそれぞれに設置されている温度センサ1A〜1Dの検出値に基づいて、居室40A〜40Dのそれぞれに設置されている空調機(複数の室内機3及び室外機4)の運転を制御することで、各居室の空調を制御する。例えば、空調制御部6は、居室40A内に設置されている温度センサ1Aの検出値に基づいて、居室40Aに設置されている空調機(複数の室内機3及び室外機4)の運転を制御することで、居室40A内の空調を制御する。その他の居室40B〜40Dについても、各居室内に設置された温度センサ1B〜1Dの検出値に基づいて空調を制御する。なお、
図2に示す例では、各居室内に1つの温度センサが設置されているが、各居室内に複数の温度センサが設置されていてもよい。また、同一建物内の同じ階の複数の居室のそれぞれに、1つ又は複数の室内機と1つ又は複数の温度センサとが設置されていてもよい。すなわち、本実施形態においては、同一の建物内に複数の温度センサが設置されていればよい。
【0035】
空調管理部10は、判定制御部11と判定処理部12とを備え、温度センサ1A〜1Dのうち劣化した温度センサを特定する。また、空調管理部10にはログ情報記憶部20が接続されている。空調管理部10は、空調機2が設置されている建物と同一の建物内に設置されていてもよいし、別の建物内に設置されてネットワーク等の通信経路を介して空調制御部6に接続されていてもよい。空調管理部10は空調制御部6に制御信号を送ることで、上述した空調制御部6の機能を利用することが可能となる。本実施形態に係る空調制御装置は、空調管理部10とログ情報記憶部20とを含んで構成されており、空調制御部6を含んでいてもよいし、入退室管理部30を含んでいてもよい。
【0036】
判定制御部11は、温度センサ1A〜1Dの劣化判定を行うために、特定の時間に空調機2に送風運転させ、空調機2が空調運転を開始してから所定時間が経過した後に温度センサ1A〜1Dによって検出された室内温度を示す検出値を、運転ログ情報としてログ情報記憶部20に保存する。
【0037】
判定処理部12は、ログ情報記憶部20に保存されている運転ログ情報(室内温度)に基づいて温度センサ1A〜1Dの劣化を判定する。例えば、判定処理部12は、温度センサ1A〜1Dによって検出された室内温度のばらつきに基づいて温度センサの劣化を判定する。ばらつきによる判定の一例として、判定処理部12は、温度センサ1A〜1Dによって検出された室内温度の平均値を求め、その平均値から所定温度以上外れた温度を検出した温度センサを、劣化した温度センサとして特定する。
【0038】
ここで、劣化判定を実行する時間について説明する。本実施形態では、居室40内の温度が一様となる環境下で検出された室内温度を用いることで、劣化した温度センサを特定する。例えば、温度センサ1A〜1Dによって検出される室内温度が所定範囲内に含まれると予測(想定)される時間に送風運転を行い、送風運転開始から所定時間経過後に検出された室内温度を用いることで、温度センサの劣化を判定する。
【0039】
例えば、あるオフィスの秋期における室内温度は、1週間のどの曜日においても、明け方(例えば5:30〜7:30の間)でほぼ一様となる。例えば、居室内においてある距離(例えば5m)ごとに温度センサを設置して各場所の室内温度を検出した結果、検出された室内温度の最大値と最小値との差である最大温度差は、日中や夜間(例えば10:00頃〜22:00頃)よりも明け方の方が相対的に小さくなり、明け方において所定温度以下(例えば1℃以下)になる。また、最大温度差は、日中や夜間では時間や曜日よって大きく変動するが(例えば1℃程度〜3.5℃程度)、明け方では時間や曜日によっても日中や夜間に比べて変動が小さく、ほぼ一定(例えば1℃以下)となる。このように、明け方の室内温度はほぼ一様になっている。明け方(例えば5:30〜7:30)は、オフィス内が無人となっており、オフィスの空調を止めて人が退室した時間から、室内温度が一様となるために十分な時間が経過していると考えられる。そのため、明け方の室内温度がほぼ一様になっていると考えられる。従って、この明け方のタイミングで送風運転を行うことで、室内温度はさらに一様となり、各温度センサが劣化しておらず正常であれば、各温度センサが検出する室内温度は所定範囲(例えば±1℃)内に収まると考えられる。仮に、温度センサが劣化しているのであれば、その温度センサは、この所定範囲から外れた値を検出すると考えられる。従って、複数の温度センサによって検出される室内温度が所定範囲内に含まれると想定される時間に送風運転を行い、送風運転開始から所定時間経過後に検出される室内温度を用いることで、劣化した温度センサをより正確に特定することが可能となる。
【0040】
図3に、明け方(例えば7:00頃)に複数の温度センサによって検出された室内温度の変化の一例を示す。
図3に示すグラフは、一例として5つの温度センサによって検出された室内温度の分布を示す。グラフ100(黒丸)で示す室内温度、グラフ110(白丸)で示す室内温度、グラフ120(黒四角)で示す室内温度、グラフ130(白四角)で示す室内温度、及び、グラフ140(黒三角)で示す室内温度は、それぞれ異なる温度センサによって検出された温度である。
図3に示す例では、7:10に送風運転を開始している。送風運転開始時(7:10)では、各室内温度は±1.5℃程度の範囲内に収まっており、送付運転を開始してから10分程度が経過した後(7:20頃)では、各室内温度はΔTs(±1.0℃程度)の範囲内に収まる。このように送風運転を行うことで、室内温度を更に一様にすることができるため、送風運転を開始してから所定時間が経過した後に検出された室内温度に基づいて温度センサの劣化を判定することで、より精度良く劣化を判定することができる。
【0041】
なお、本実施形態に係る空調制御装置(温度センサの劣化判定方法)は、一年を通じて適用して温度センサの劣化を判定することができるが、春期(4月頃から6月頃)又は秋期(9月頃から11月頃)においては、夏期及び冬期よりも室内温度が外気の影響を受け難いため、夏期及び冬期を除く中間期(春期又は秋期)に、温度センサの劣化を判定することが好ましい。春期及び秋期では、夏期よりも日射量が相対的に少なく、また、冬期のように放射冷却の影響が少ないため、外気の影響が比較的少ない中間期に温度センサの劣化を判定することが好ましい。
【0042】
入退室管理部30及び読取部31,32については後述する。なお、本実施形態に係る空調システムは、入退室管理部30及び読取部31,32を備えていなくてもよい。
【0043】
次に、
図4に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る空調制御装置による動作の一例を説明する。
【0044】
まず、判定制御部11は、温度センサ1A〜1Dによって検出される室内温度が所定範囲内に含まれると予測される時間(例えば予め設定された時間)に空調機2に送風運転させることで、予め設定された風向き及び風量で、すべての室内機3A〜3Dから風(空気)を居室40内に送り出し、温度センサ1A〜1Dによる検出値(室内温度)を所定時間ごとに(例えば5分ごとに)ログ情報記憶部20に保存する(S01)。例えば、春期又は秋期において、空調機2による空調が停止してから所定の停止時間(例えば8時間程度)が経過した後の明け方に、空調機2に所定時間(例えば30分程度)にわたって送風運転させることで、すべての室内機3A〜3Dから風(空気)を居室40内に送り出す。一例として、5:30〜6:00まで送風運転し、その間に温度センサ1A〜1Dによって検出された室内温度を示す検出値を、ログ情報記憶部20に保存する。
【0045】
次に、判定処理部12は、空調機2による送風運転が開始してから所定時間が経過した後の期間(例えば10分経過後〜30分経過後)に温度センサ1A〜1Dによって検出された室内温度の平均値Tacを、温度センサ1A〜1Dごとに求める(S02)。
【0046】
ここで、
図5に示す表を参照して、判定処理部12の処理を具体的に説明する。
図5に示す表は、温度センサ1A〜1Dが、時刻5:40〜5:55の間にそれぞれ検出した室内温度を示している。一例として、時刻5:30に送風運転が開始した場合、判定処理部12は、送風運転開始時点から10分経過後の時刻5:40〜5:55の間に検出された室内温度の平均値Tacを、温度センサ1A〜1Dごとに求める。例えば、温度センサ1Aによって時刻5:40〜5:55の間に検出された室内温度の平均値Tacは、24.3℃である。同様に、温度センサ1Bによって検出された室内温度の平均値Tacは26.7℃であり、温度センサ1Cによって検出された室内温度の平均値Tacは24.9℃であり、温度センサ1Dによって検出された室内温度の平均値Tacは25.7℃である。
【0047】
そして、複数の温度センサをグループ分けする(S03)。例えば
図1に示すように、同一の居室40内に設置されている複数の温度センサ1A〜1Dを同一のグループに割り当ててもよいし、
図2に示すように、異なる階の居室40A〜40Dにそれぞれ設置されているが、同一の建物内に設置されている複数の温度センサ1A〜1Dを同一のグループに割り当ててもよい。
【0048】
次に、判定処理部12は、同一グループに属する温度センサの平均値Tacの平均値Tavgを求める(S04)。例えば
図5の表に示すように、判定処理部12は、温度センサ1Aの平均値Tac(24.3℃)、温度センサ1Bの平均値Tac(26.7℃)、温度センサ1Cの平均値Tac(24.9℃)及び温度センサ1Dの平均値Tac(25.7℃)の平均値Tavg(25.4℃)を求める。
【0049】
そして、判定処理部12は、すべての温度センサの平均値Tacが、平均値Tavg±dの範囲内に含まれるか否かを判定する(S05)。なお、dは例えば1℃程度の値を用いればよい。
【0050】
平均値Tavg±dの範囲外(例えばTavg±1℃の範囲外)の平均値Tacが存在する場合(S05,Yes)、判定処理部12は、平均値Tacと平均値Tavgとの差の絶対値が最大となる温度センサを、劣化していると判定する(S06)。例えば
図6に示すように、平均値Tavgが25.4℃である場合、24.4℃〜26.4℃の範囲内に、温度センサ1Aの平均値Tac(24.3℃)と温度センサ1Bの平均値Tac(26.7℃)とが含まれない。
図5及び
図6に示す例では、温度センサ1Aの平均値Tac(24.3℃)と平均値Tavg(25.4℃)との差の絶対値は1.1℃であり、温度センサ1Bの平均値Tac(26.7℃)と平均値Tavg(25.4℃)との差の絶対値は1.3℃である。従って、判定処理部12は、平均値Tacと平均値Tavgとの差の絶対値が最大となる温度センサ1Bを、劣化している温度センサであると判定し、温度センサ1Aを、劣化している温度センサであるとは判定しない。平均値Tacが平均値Tavg±dの範囲外となるすべての温度センサを劣化と判定しないのは、劣化している温度センサ1Bの検出値が平均値Tavgの算出の際に含まれることにより、平均値Tavgが高くなっていることを考慮するためである。
【0051】
その後、判定処理部12は、劣化していると判定された温度センサをグループから除外し(S07)、ステップS04〜S07の処理を繰り返し実行する。
【0052】
そして、同一グループに属するすべての温度センサの平均値Tacが、平均値Tavg±dの範囲内に含まれる場合(S05,No)、判定処理は終了する。すなわち、平均値Tavg±dの範囲外(例えばTavg±1℃の範囲外)の平均値Tacが存在しない場合(S05,No)、判定処理は終了する。一方、平均値Tavg±dの範囲外(例えばTavg±1℃の範囲外)の平均値Tacが存在する場合(S05,Yes)、上述したように、判定処理部12は、平均値Tacと平均値Tavgとの差の絶対値が最大となる温度センサを、劣化していると判定する(S06)。以降、同一グループに属するすべての温度センサの平均値Tacが、平均値Tavg±dの範囲内に含まれるか(S05、No)、同一グループに属する残りの温度センサが2台未満になる(S08,No)まで、ステップS04〜S07の処理を繰り返し実行する。
【0053】
そして、判定処理部12は、ステップS04〜S08の処理で最後に求めた平均値Tavgの値をログ情報記憶部20に保存する(S09)。
【0054】
ステップS09にて保存された平均値Tavgは、居室40の真の室内温度であると推定される。判定処理部12は、劣化していると判定された温度センサの平均値Tacと、ステップS09にて保存された平均値Tavgとの差分ΔTを求め、差分ΔTの値を補正値としてログ情報記憶部20に保存する(S10)。
図5及び
図6に示す例では、温度センサ1Bが劣化していると判定されているため、判定処理部12は、温度センサ1Bの平均値Tac(26.7℃)と平均値Tavg(25.4℃)との差分ΔT(1.3℃)を補正値としてログ情報記憶部20に保存する。
【0055】
そして、劣化していると判定された温度センサ(以下、「劣化温度センサ」と称する)に対応する室内機を介して空調を行う場合、空調制御部6は、差分ΔTを用いて、劣化温度センサによって検出された室内温度を補正し、補正された温度(補正温度)に基づいて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。例えば、劣化温度センサの平均値Tacが平均値Tavgよりも大きい場合、空調制御部6は、劣化温度センサによって検出された室内温度から補正値である差分ΔTを減算し、減算によって得られた温度(補正温度)に基づいて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。また、劣化温度センサの平均値Tacが平均値Tavgよりも小さい場合、空調制御部6は、劣化温度センサによって検出された室内温度に補正値である差分ΔTを加算し、加算によって得られた温度(補正温度)を用いて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。
図5及び
図6に示す例では、空調制御部6は、温度センサ1Bによって検出された室内温度から、補正値である差分ΔT(1.3℃)を減算し、減算によって得られた温度(補正温度)に基づいて、温度センサ1Bに対応する室内機3Bを介した空調を制御する。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る空調制御装置によると、複数の温度センサによって検出される室内温度が所定範囲内に含まれると予測される時間に空調機2に送風運転させ、その後に検出された室内温度のばらつきに基づいて温度センサの劣化を判定することで、別の機器を空調機2に追加したり空調機2を改造したりせずに、温度センサの劣化を精度良く判定することが可能となる。また、劣化している温度センサを特定し、その温度センサによって検出される温度を補正して空調を制御することができるため、人による校正の手間が省ける。
【0057】
なお、温度センサの劣化判定を行うときに、居室40内に人が残っていた又は設備が稼働していた等の理由により、居室40の室内温度が一様にならないこともあると考えられる。この場合、温度センサが劣化していないにもかかわらず、劣化していると判定されるおそれがある。従って、本実施形態に係る劣化判定処理を複数日で所定回数実行し、すべての判定処理で劣化していると判定された温度センサを、劣化した温度センサとして判定してもよい。これにより、劣化した温度センサをより確実に特定することが可能となる。
【0058】
また、温度が高い環境と温度が低い環境とでは、温度センサの検出値のずれ方が異なる場合がある。例えば、夏期と冬期とでは、温度センサの検出値のずれ方が異なると考えられる。そこで、判定処理部12は、劣化判定処理を行ったときの室内温度の平均値Tavgが基準温度以上となるときに求められた差分ΔTを第1の補正値としてログ情報記憶部20に保存する。また、判定処理部12は、劣化判定処理を行ったときの室内温度の平均値Tavgが基準温度未満となるときに求められた差分ΔTを第2の補正値としてログ情報記憶部20に保存する。そして、空調制御部6は、劣化温度センサによって検出された室内温度が基準温度以上となる場合、第1の補正値を用いて室内温度を補正し、補正された温度(第1の補正温度)に基づいて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。また、空調制御部6は、劣化温度センサによって検出された室内温度が基準温度未満となる場合、第2の補正値を用いて室内温度を補正し、補正された温度(第2の補正温度)に基づいて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。
【0059】
一例として、判定処理部12は、平均値Tavgが25℃以上のときに求められた差分ΔTを夏期用補正値ΔT1(第1の補正値)としてログ情報記憶部20に保存する。また、判定処理部12は、平均値Tavgが25℃未満のときに求められた差分ΔTを冬期用補正値ΔT2(第2の補正値)としてログ情報記憶部20に保存する。そして、空調制御部6は、劣化温度センサによって検出された室内温度が25℃以上となる場合、夏期用補正値ΔT1を用いて室内温度を補正し、補正された温度(第1の補正温度)に基づいて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。また、空調制御部6は、劣化温度センサによって検出された室内温度が25℃未満となる場合、冬期用補正値ΔT2を用いて室内温度を補正し、補正された温度(第2の補正温度)に基づいて、劣化温度センサに対応する室内機を介した空調を制御する。以上のように、温度が相対的に高い環境と温度が相対的に低い環境とで、異なる補正値を用いて室内温度を補正することで、居室40内の環境により適した補正温度に基づいて空調を制御することが可能となる。
【0060】
また、
図1に示す入退室管理部30を利用することで、劣化判定処理を実行する時間を決定してもよい。入退室管理部30は、居室40に対する利用者の入退室を管理し、利用者の入退室履歴情報を管理する。入退室管理部30は、読取部31,32と、扉41に設置されている図示しない電気錠とに接続されている。読取部31,32は、利用者が所持する記憶媒体に記憶された記憶媒体情報を読み取る。読取部31は、扉41の付近であって居室40の外側に設置されている。読取部32は、扉41の付近であって居室40の内側に設置されている。利用者が所持する記憶媒体は、例えばカードや携帯端末である。記憶媒体に記憶された記憶媒体情報は、記憶媒体を所持するユーザ本人であることを証明する情報(例えばID)である。読取部31,32は、記憶媒体に対し接触又は非接触で記憶媒体情報を読み取り、その記憶媒体情報を入退室管理部30に出力する。なお、ユーザ本人であることを証明する情報であれば、読取部31,32は、指紋又は静脈等の生体情報を読み取り、その生体情報を入退室管理部30に出力してもよい。入退室管理部30は、読取部31,32が読み取った記憶媒体情報と、入退室管理部30に記憶されている個人情報とを照合して、利用者の入退室を管理する。具体的には、利用者の入室時に、入退室管理部30は、居室40の外側の読取部31から記憶媒体情報を受信し、その記憶媒体情報と入退室管理部30に記憶されている個人情報とを照合し、両者が一致する場合、扉41の電気錠を解錠し、両者が一致しない場合、利用者の入室を許可せず、扉41の電気錠は施錠状態のままである。利用者の退室時、入退室管理部30は、居室40の内側の読取部32から記憶媒体情報を受信し、その記憶媒体情報と入退室管理部30に記憶されている個人情報とを照合し、両者が一致する場合、扉41の電気錠を解錠する。入退室管理部30は、上記のように利用者の入退室を管理することで、居室40に在室する人の数を示す在室人数情報を空調管理部10に出力する。これにより、空調管理部10は、居室40に在室する人の数を検知することができる。
【0061】
また、入退室管理部30は、居室40の警備状態を検知し、警備状態を示す情報を空調管理部10に出力してもよい。例えば、居室40の扉41が施錠された場合に警備信号を入退室管理部30に出力する機器や、扉41が施錠されてボタンが押下された場合に警備信号を入退室管理部30に出力する機器を居室40に設置しておく。入退室管理部30は、警備信号に基づいて居室40の警備状態(居室40がロックされた状態)を検知し、その警備状態を示す情報を空調管理部10に出力する。
【0062】
空調管理部10は、劣化判定処理を実行する前に、入退室管理部30から在室人数情報又は警備状態を示す情報を取得することで、居室40に在室する人の数又は警備状態を検知する。そして、居室40に在室する人の数が0人になっている場合又は居室40が警備状態(居室40がロックされた状態)になっている場合、居室40内が無人であると判断して劣化判定処理を実行する。このように、劣化判定処理を実行する前に、居室40内が実際に無人となっているか否かを確認し、居室40内が無人となっている場合に劣化判定処理を実行することで、温度センサの劣化判定の精度を向上させることが可能となる。なお、空調管理部10は、居室40内の照明がオフになっている場合に居室40内が無人であると判断してもよいし、居室40における消費電力量が所定値以下になった場合に居室40内が無人であると判断してもよい。
【0063】
また、同一の居室であっても広い居室であれば、例えば外壁の付近(ペリメーターゾーン)とそれ以外の場所とで温度の不均一が生じる場合がある。そこで、同一の居室内に設置されている複数の温度センサを、設置位置によって別々のグループに分け、グループごとに温度センサの劣化を判定してもよい。例えば、同一の居室40内に設置されている複数の温度センサのうち、居室40の外壁から所定距離(例えば5m)以内に設置されている複数の温度センサを第1グループとし、外壁から所定距離より離れた位置に設置されている複数の温度センサを第2グループとする。そして、空調管理部10は、第1グループ及び第2グループのそれぞれについて温度センサの劣化を判定する。このように、同様の環境に含まれる複数の温度センサを同じグループに割り当てることで、温度センサの劣化をより正確に判定することが可能となる。
【0064】
また、同一の居室であっても高さによって温度が異なる場合がある。そこで、空調管理部10は、居室内における設置場所の高さに応じて複数の温度センサを別々のグループに分け、グループごとに温度センサの劣化を判定してもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では複数の温度センサを対象にして劣化を判定する場合について説明したが、居室内に1台の室内機と1つの室内温度センサとが設置され、居室外に1台の室外機と1つの室外温度センサとが設置されている場合に、室内温度センサの劣化を判定してもよい。室外温度センサは、室外機に設置されていてもよいし、室外機とは別の場所に設置されていてもよい。空調管理部10は、室内温度センサが検出した室内温度と室外温度センサが検出した室外温度との差(内外温度差)を利用することで、室内温度センサの劣化を判定する。例えば、空調管理部10は、空調機の運転初期段階で取得された内外温度差(初期の内外温度差)を示すデータをログ情報記憶部20に保存しておき、劣化判定処理の実行中に取得された内外温度差と初期の内外温度差とを比較し、内外温度差の差が所定値以上ある場合、室内温度センサが劣化していると判定する。この劣化判定処理においても、中間期の明け方に内外温度差を求め、その内外温度差に基づいて室内温度センサの劣化を判定することが好ましい。1つの室内温度センサを対象にして劣化を判定する場合、上述した実施形態に係る劣化判定方法ほど正確に室内温度センサの劣化を判定することは困難であるが、室内温度センサが故障した場合等のように大きく温度がずれている場合に、室内温度センサの故障を検出することができる。
【0066】
なお、判定処理部12は、室内温度が所定範囲内に含まれると予測される時間において、空調機2が送風運転を行う前に劣化判定処理を行い、さらに、送風運転を開始してから所定時間が経過した後に劣化判定処理を行い、送風運転の前及び送風運転の後の両方のタイミングで劣化と判定された温度センサを、劣化した温度センサとして特定してもよい。上述したように、送風運転を行う前であっても明け方においては室内温度が比較的に一様となっているため、送風運転を行う前に劣化判定処理を行い、さらに、送風運転を行うことで室内温度をさらに一様にし、その状態で劣化判定処理を行い、送風運転の前後で劣化していると判定された温度センサを、劣化した温度センサとして判定してもよい。送風運転の前と送風運転の後とでは劣化判定のための環境(条件)が異なることになり、異なる環境(条件)で劣化と判定された温度センサは実際に劣化している可能性が高いと考えられる。従って、このような異なる環境で劣化判定(2段階の判定処理)を行うことで、劣化した温度センサをより高い精度で特定することができる。
【0067】
また、空調管理部10は、室内温度と室外温度との差が所定値以下となる時間に劣化判定処理を行ってもよい。例えば、
図1に示す複数の温度センサ1A〜1Dのそれぞれによって検出された温度の平均値Tavgと、室外に設置されている温度センサ5によって検出された温度との差が、所定値以下となる時間(例えば最も小さくなる時間)に劣化判定処理を行ってもよい。この時間は、居室40内の空気が外気の影響を受け難く一様になっていると想定されるため、この時間に劣化判定処理を行ってもよい。
【0068】
上述した空調制御装置は図示しないCPU等のプロセッサを備えている。プロセッサは、図示しないメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、空調制御部6、判定制御部11及び判定処理部12のそれぞれの機能を実現する。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を介して又はネットワーク等の通信経路を介してハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置に記憶される。なお、上記プログラムはハードディスクドライブ等の記憶装置に予め記憶されていてもよい。ハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶されたプログラムがRAM等のメモリに読み出されてCPU等のプロセッサによって実行されることにより、空調制御部6、判定制御部11及び判定処理部12のそれぞれの機能が実現される。また、入退室管理部30は、図示しないCPU等のプロセッサと、図示しないメモリに記憶されたプログラムとによって実現される。例えばハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶されたプログラムがRAM等のメモリに読み出されてCPU等のプロセッサによって実行されることにより、入退室管理部30の機能が実現される。
【符号の説明】
【0069】
1A,1B,1C,1D,5 温度センサ、2 空調機、3,3A,3B,3C,3D 室内機、4 室外機、6 空調制御部、10 空調管理部、11 判定制御部、12 判定処理部、20 ログ情報記憶部、30 入退室管理部、31,32 読取部、40,40A,40B,40C,40D 居室、41 扉。