特許第5907960号(P5907960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5907960
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】検出器
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/02 20090101AFI20160412BHJP
   H04W 8/20 20090101ALI20160412BHJP
【FI】
   H04W4/02
   H04W8/20
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-517062(P2013-517062)
(86)(22)【出願日】2011年6月16日
(65)【公表番号】特表2013-535166(P2013-535166A)
(43)【公表日】2013年9月9日
(86)【国際出願番号】EP2011002970
(87)【国際公開番号】WO2012000613
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2013年2月26日
【審判番号】不服2015-7899(P2015-7899/J1)
【審判請求日】2015年4月28日
(31)【優先権主張番号】10360030.0
(32)【優先日】2010年7月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】クラウセン,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ピヴィット,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ケネディ,アーウィン,オー.
(72)【発明者】
【氏名】ムラニー,フランシス,ジェー.
【合議体】
【審判長】 近藤 聡
【審判官】 佐藤 智康
【審判官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/006556(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/096431(WO,A1)
【文献】 特開2002−133449(JP,A)
【文献】 特開2002−204239(JP,A)
【文献】 特開2004−295583(JP,A)
【文献】 特開2007−124222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて使用するためのユーザ機器識別情報検出器であって、前記ユーザ機器は、前記ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて提供されるネットワーク・ノードと通信するように動作可能であり、前記識別情報検出器は、
所定の検出領域の内部の前記ユーザ機器の配置を検出するように動作可能な近接センサと、
前記所定の検出領域において検出される前記ユーザ機器にIDについての表示を要求するように、またユーザ機器識別情報ユニットに対してIDについての前記表示を通信するように動作可能な問い合わせユニットであって、前記ワイヤレス電気通信ネットワークの周囲の無線状態を検出するように、また前記検出された周囲の無線状態に基づいて、前記検出領域内において前記ユーザ機器と通信すべきパイロット信号を送信する適切なパワー設定を選択するように動作可能な問い合わせユニットと
を備え、
前記問い合わせユニットは、前記ユーザ機器識別情報ユニットを含むワイヤレス電気通信ネットワークと通信するように動作可能であるセルラー方式トランシーバをさらに備える、識別情報検出器。
【請求項2】
前記近接センサは、前記所定の検出領域の内部の前記ユーザ機器の配置の検出のすぐ後に前記問い合わせユニットをアクティブにするように動作可能である、請求項1に記載の識別情報検出器。
【請求項3】
前記近接センサは、前記所定の検出領域の内部の前記ユーザ機器の配置に起因した測定可能な量における変化を測定するように動作可能である、請求項1または請求項2に記載の識別情報検出器。
【請求項4】
前記近接センサは、前記測定を定期的に反復するように動作可能である、請求項3に記載の識別情報検出器。
【請求項5】
前記近接センサは、容量性センサを備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の識別情報検出器。
【請求項6】
前記問い合わせユニットは、所定のカバレッジ領域の内部の前記ユーザ機器と通信するように動作可能なアンテナを備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の識別情報検出器。
【請求項7】
前記所定のカバレッジ領域と、前記所定の検出領域とは、実質的に相互に関連がある、請求項6に記載の識別情報検出器。
【請求項8】
前記アンテナは、前記所定のカバレッジ領域の内部でカバレッジを提供するように、また前記領域の外側ではあまりカバレッジを提供しないように動作可能な指向性アンテナを備える、請求項6または請求項7に記載の識別情報検出器。
【請求項9】
前記アンテナは、コイル・アンテナ、パッチ・アンテナ、伝送線路のうちの1つを備える、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の識別情報検出器。
【請求項10】
IDについての前記表示は、前記ユーザ機器のIMSIを備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の識別情報検出器。
【請求項11】
前記問い合わせユニットは、ユーザ機器キャンピング手順をトリガするように動作可能である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の識別情報検出器。
【請求項12】
前記問い合わせユニットは、前記キャンピング手順の完了の前に、前記開始されたキャンピング手順を終了させるように動作可能である、請求項11に記載の識別情報検出器。
【請求項13】
ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ機器を検出し、また識別する方法であって、前記ユーザ機器は、前記ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて提供されるネットワーク・ノードと通信するように動作可能であり、前記方法は、
問い合わせユニットが前記ワイヤレス電気通信ネットワークの周囲の無線状態を検出するステップと、
前記問い合わせユニットが前記検出された周囲の無線状態に基づいて、前記検出領域内において前記ユーザ機器と通信すべきパイロット信号を送信する適切なパワー設定を選択するステップと、
近接センサが所定の検出領域の内部で前記ユーザ機器の配置を検出するステップと、
前記問い合わせユニットが前記所定の検出領域において検出される前記ユーザ機器にIDについての表示を要求するステップと、
前記問い合わせユニットがIDについての前記表示をユーザ機器識別情報ユニットに対して通信するステップであって、前記問い合わせユニットは、前記ユーザ機器識別情報ユニットを含むワイヤレス電気通信ネットワークと通信するように動作可能であるセルラー方式トランシーバを備える、ステップと
を備える方法。
【請求項14】
コンピュータの上で実行されるときに、請求項13に記載の方法を実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ機器識別情報検出器と、ユーザ機器を検出し、また識別する方法と、コンピュータ・プログラム製品(computer program product)とに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス電気通信システムが、知られている。そのようなシステムにおいては、ユーザ機器は、ワイヤレス電気通信ネットワークを通してローミングする。無線カバレッジのエリアをサポートする基地局が、提供される。いくつかのそのような基地局が、提供され、また地理的に分散されて、ユーザ機器に対する広域のカバレッジを提供する。ユーザ機器が、基地局によってサービスされるエリアの内部にあるときに、通信は、関連する無線リンクの上でユーザ機器と基地局との間に確立されることが可能である。基地局は、一般的に、サービスの地理的エリアの内部のいくつかのセクタをサポートする。
【0003】
ユーザ機器が、現実の世界のオブジェクトと相互作用することを可能にすることが、望ましい。現実の世界のオブジェクトとの相互作用にアクセスするための、モバイル電話(mobile telephones)などのユーザ機器の使用は、エンド・ユーザが、彼らのモバイル電話に親しみがあり、また容易に使いこなすことができるので、特に魅力がある。
【0004】
現実の世界のオブジェクトとの可能性のある相互作用の例は、例えば、モバイル電話を経由した便利な支払いを含んでいる。支払いは、例えば、店のカウンターの上の支払いエリアの上にモバイル電話または他の類似したユーザ機器を置くことにより、実行されることが可能である。さらに、正常な支払いの後に、トランザクションについてのSMSレシートが、ユーザ機器に対して送信されることが可能である。
【0005】
現実の世界のオブジェクトとの相互作用のさらなる例は、ユーザ機器が、コンテンツにタッチすることにより、現実の世界のコンテンツをダウンロードすることを可能にすることを含むことができる。例えば、鉄道の駅にある関連のある切符販売機または時刻表に対して、ユーザ機器にタッチすることにより、ユーザ機器に対して直接に鉄道の時刻表をダウンロードすることを可能にすることができる。ユーザ機器に対するダウンロードは、コンテンツの上に、例えば、鉄道の駅にある切符販売機の上に電話を置くことによりトリガされる。代わりに、SMSメッセージを経由して時刻表に対するリンクを送信することを可能にすることもでき、次いでSMSメッセージからそれは、ユーザによってアクセスされることが可能である。
【0006】
さらに、ユーザ機器は、家、車および仕事場についてのキーレス・エントリ・システム(keyless entry system)として使用されることが可能である。
【0007】
与えられた相互作用の例は、ユーザ機器と現実の世界のオブジェクトとの間の多数の可能性のあるローカルな相互作用についての可能性のうちのわずかを表しているにすぎないことが、理解されるであろう。
【0008】
そのような相互作用を可能にするユーザ機器の検出器を提供することが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて使用するためのユーザ機器識別情報検出器を提供しており、ユーザ機器は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて提供されるネットワーク・ノードと通信するように動作可能であり、その検出器は、所定の検出領域の内部のユーザ機器の配置を検出するように動作可能な近接センサと、その所定の検出領域において検出されるユーザ機器にIDについての表示を要求するように、またユーザ機器識別情報ユニットに対してIDについてのその表示を通信するように動作可能な問い合わせユニット(interrogation unit)とを備える。
【0010】
第1の態様は、ユーザ機器と、現実の世界のオブジェクトとの間で双方向サービスを信頼できるように提供するためには、ユーザ機器と、現実の世界のオブジェクトとの間のローカルな相互作用が、すぐ近くのユーザ機器の通過によってトリガされないことと、現実の世界のコンテンツをダウンロードしたい、またはそうでなければ現実の世界のコンテンツにアクセスしたいと思うユーザ機器だけが、現実の世界のオブジェクトから情報を受信するように構成されることとが、必要とされることを認識するものである。
【0011】
第1の態様は、検出器が、所定の体積の空間の内部でモバイル電話を信頼できるように検出することを可能にしており、またこれらのネットワークに対する外乱を最少にすることにより同じ周波数リソースを再使用しながら、マクロ・セルラー方式のネットワークとの現実の世界の相互作用についての共存を可能にする、近接センサと、問い合わせユニットとを有する、例えば、セルラー方式の短距離センサと、対応するアーキテクチャとを有する信頼できる検出器を提供している。そのようなアプローチは、既存のセルラー方式のネットワーク・インフラストラクチャが、顕著な中断なしに補完されることを可能にし、また新しいサービスが、ユーザ機器と、現実の世界のオブジェクトとの間のローカルな相互作用に基づいて提供されることを可能にする。
【0012】
第1の態様は、検出器と、ユーザ機器との間の相互作用が、例えば、マクロ基地局、またはフェムト基地局によってサービスされるより大きな地理的エリアの内部の小さな領域だけに有利に限定され得ることを認識している。第1の態様による検出器のカバレッジ領域は、一般的に、検出器の周囲の数センチメートルだけ伸びている。
【0013】
第1の態様は、近接センサを提供することにより、検出器のオペレーションが、近接センサが関連のある領域の内部でユーザ機器を検出する状況だけに限定され得ることを認識している。問い合わせユニットは、ユーザ機器が、関連のある領域の内部の近接センサによって検出されるときに、識別子を要求するように動作するだけである。検出器から離れたユーザ機器との望ましくない相互作用は、このようにして最小限にされることが可能である。
【0014】
一実施形態においては、近接センサは、所定の検出領域の内部におけるユーザ機器の配置の検出のすぐ後に、問い合わせユニットをアクティブにするように動作可能である。
【0015】
したがって、問い合わせユニットは、ユーザ機器が、任意の相互作用が起こるのに十分に近くなることが決定されるまで非アクティブである可能性がある。そのような構成は、ユーザ機器が単に検出器を通り過ぎるだけの可能性のある相互作用を制限する。
【0016】
さらに、そのような構成は、問い合わせユニットのハードウェアが、ユーザ機器が近接センサにより検出されるまでオフにされることを可能にし、エネルギーの節約を可能にしている。そのような構成は、検出器が、限られた電源の上で、例えば、バッテリまたは他の動力電池(power cell)の上で動作している場合に、とりわけ有用である可能性がある。
【0017】
一実施形態においては、近接センサは、前記所定の検出領域の内部の前記ユーザ機器の配置に起因した測定可能な量における変化を測定するように動作可能である。
【0018】
したがって、近接センサは、測定可能な量を監視することができ、またその量における所定の変化を、検出器のすぐ近くにあるユーザ機器の物理的配置に起因した変化を監視することができる。
【0019】
一実施形態においては、近接センサは、測定を定期的に反復するように動作可能である。したがって、測定を反復すること、およびこのようにして定期的に検出ステップを反復することにより、近接センサからの測定値を使用して、ユーザ機器が、検出器の検出領域の中にあるままであることを検査することができる。検出器は、例えば、測定可能な量における変化が、ユーザ機器が検出領域の中に存在していることをそれが決定し、またそれが検出を報告する前に、所定の期間にわたって実質的に一定であるように測定されることを必要とする。近接センサは、ある期間にわたって検出のステータスを監視するように、それによってユーザ機器が検出されたままであるかどうかを決定するように動作することができ、このようにして検出器と、ユーザ機器との間の通信が確立されており、または確立されるときには継続している可能性があるかどうかを示している。
【0020】
一実施形態においては、近接センサは、容量性センサを備える。一実施形態においては、近接センサは、圧力センサを備える。一実施形態においては、近接センサは、赤外線ビーム・センサを備える。おのおのが、ユーザ機器が所定の領域に入っていることを示す1組の判断基準が満たされているときに検出を報告するようにプログラムされる様々な検出メカニズムが、利用されることが可能である。
【0021】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、所定のカバレッジ領域の内部でユーザ機器と通信するように動作可能なアンテナを備える。
【0022】
したがって、検出器は、前記ユーザ機器との無線リンクを確立することができ、それによって典型的なワイヤレス通信ネットワークと、ユーザ機器との間の通信と同じようにしてユーザ機器との通信を可能にしている。
【0023】
一実施形態においては、所定のカバレッジ領域と、所定の検出領域とは、実質的に相互に関連がある。したがって、問い合わせユニットは、近接センサの範囲の内部にあることが決定されたこれらのユーザ機器だけと相互作用するように、また通信するように実質的に動作可能である。そのような構成は、望ましくないユーザ機器の相互作用を最小限にする助けを行い、またワイヤレス通信ネットワークにおいてマクロ・セルに対する全般的な中断を最小限にする。
【0024】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、周囲の無線状態を検出するように、また検出された周囲の無線状態に従ってアンテナによって送信される無線チャネルのパワー設定を調整するように動作可能である。したがって、検出器は、それが配置されるワイヤレス通信ネットワークに従って無線の周波数またはチャネルを選択するように動作可能とすることができる。
【0025】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、周囲の無線状態を検出するように、また検出された周囲の無線状態に従ってアンテナによって送信されるべき伝送の周波数またはチャネルを選択するように動作可能である。したがって、周囲を取り巻くワイヤレス通信ネットワークの無線状態を検出することにより、検出器は、検出領域またはカバレッジ領域においてユーザ機器と通信すべきパイロット・チャネルを送信する適切なパワー設定を選択することができる。検出器が、ワイヤレス通信ネットワークにおいて基地局の近くに位置する場合、検出器が、マクロ基地局伝送の上で「聞かれる」ように高パワーで送信することが、必要な可能性がある。
【0026】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、周囲の無線状態を検出するように、またこれらの周波数の上のユーザ機器との通信を中断すべき1つまたは複数の無線周波数の上で妨害電波信号を送信するように動作可能である。したがって、ワイヤレス通信ネットワークにおいてその内部の検出器のロケーションに応じて、検出器は、周囲を取り巻く無線状態を感知し、また周囲を取り巻くネットワークからの信号が、検出領域および/またはカバレッジ領域の内部に位置するユーザ機器に到達しないようにするように動作可能とすることができる。そのような妨害電波信号により、検出器は、効果的に検出ゾーンおよびカバレッジ・ゾーンに位置するユーザ機器と通信することができるようになり、検出器は、周囲を取り巻くワイヤレス電気通信ネットワークにおいて起こる伝送の上で「聞かれる」ことが可能になる。
【0027】
一実施形態においては、妨害電波信号の強度は、検出された周囲の無線状態に従って決定される。
【0028】
一実施形態においては、アンテナは、所定のカバレッジ領域の内部でカバレッジを提供するように、またその領域の外側ではあまりカバレッジを提供しないように動作可能な指向性アンテナを備える。したがって、干渉は、最小限にされることが可能であり、またユーザ機器および検出器との相互作用は、しっかりと制御されることが可能である。
【0029】
一実施形態においては、アンテナは、コイル・アンテナ(coil antenna)を備える。一実施形態においては、アンテナは、パッチ・アンテナ(patch antenna)を備える。一実施形態においては、アンテナは、伝送線路(transmission line)を備える。伝送線路は、適切にマッチングされた負荷によって終端されることが可能である。そのようなアンテナは、一般的に実質的に平面的であり、またそれゆえに実質的に平面的な検出器の中に簡単に含められることが可能である。そのような検出器により、ユーザ機器は、それらに対して簡単に押しつけられることが可能になる。平面的なコンポーネントにより、ユーザ・インターフェース・タッチ・スクリーンや適切な近接センサなど、他の平面的なコンポーネントが、コンパクトなユニットへとアセンブリされることが可能になる。
【0030】
一実施形態においては、IDについての表示は、前記ユーザ機器のIMSIを備える。ユーザ機器のIMSIは、既に、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ機器についての固有の識別子として動作している。その識別子の使用により、エンド・ユーザについてのより深い既に使用可能な情報が、利用されることが可能になる。現実の世界のオブジェクトとユーザ機器との間の相互作用が、特定のエンド・ユーザを対象とすることができるように、IMSIの使用により、ユーザ・データが、ネットワークの上で、他のデータベースから引き込まれることが可能になることができる。
【0031】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、ユーザ機器キャンピング手順(user equipment camping procedure)を開始するように動作可能である。それに応じて、問い合わせユニットは、検出器が位置しているマクロ・セルとは異なるロケーション・アドレスを送信するように動作可能である。ユーザ機器が、問い合わせユニットのカバレッジ領域の中にあり、問い合わせユニットが、アクティブであり、またそれゆえにそのようなロケーション・アドレスを含むパイロット信号を送信するときに、ユーザ機器は、「新しい」ロケーション・アドレスを含むパイロットを検出する。ユーザ機器は、その間に問い合わせユニットが、ユーザ機器にIDを、一般的にはユーザ機器のIMSIを質問するという知られている「キャンピング」手順を開始する。キャンピング手順は、一般的に、ユーザ機器がワイヤレス・ネットワークとの良好な通信リンクを得ることができるように動作し、そのようにしてユーザ機器が、それ自体が妥当な信号強度で(例えば、検出器から)パイロット・チャネルを受信していることを見出す場合に、キャンピング手順を使用して、ユーザ機器と通信することができる。
【0032】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、キャンピング手順の完了の前に開始されたキャンピング手順を終了させるように動作可能である。それに応じて、問い合わせユニットが通信しているユーザ機器は、それ自体を検出器にアタッチせず、検出器それ自体は、ネットワーク・サービスをユーザ機器に対して提供することができない。マクロ・セルは、短期間にわたって、キャンピング手順が検出器によって利用されている間に、ユーザ・データを送信するように、または受信するように動作可能でない可能性があるので、キャンピング手順の使用は、ユーザ機器のネットワーク・オペレーションに対して短期間の中断を引き起こす。キャンピング手順の終了は、どのような中断も最小限にされることを保証する。
【0033】
一実施形態においては、ユーザ機器識別情報検出器は、ユーザ機器識別情報ユニットを備える。例えば、一実施形態においては、ユーザ機器識別情報ユニットは、検出器と一体的に形成される。それに応じて、検出器は、それからユーザ機器を識別すべき内部ルックアップ・ユニットを有することができる。その構成は、それに応じてレイテンシーを低減させることができ、これは、いくつかの相互作用において、例えば、ユーザ機器に応じてドアを開放することにおいて有利な可能性がある。ユーザ機器の内部データベースを保持することは、どれが、ドアが迅速に開けられることを保証するドア開放判断基準を満たすかを識別する。
【0034】
一実施形態においては、問い合わせユニットは、ユーザ機器識別情報ユニットを含むワイヤレス電気通信ネットワークと通信するように動作可能なセルラー方式トランシーバをさらに備える。一実施形態においては、問い合わせユニットは、ユーザ機器識別情報ユニットを含むワイヤレス電気通信ネットワークと通信するように動作可能な有線バックホール・コネクタ(wired backhaul connector)をさらに備える。ユーザ機器識別情報ユニットは、検出器に対してリモートに位置することができる。
【0035】
したがって、検出器は、典型的なマクロ・セル・ネットワーク、または類似したものと通信するように動作可能とすることができ、またIDについてのユーザ機器インジケータは、検出器からネットワークへと伝えられる。識別情報ユニットは、ネットワークの上で提供されることが可能である。そのような構成は、検出器が、オペレーションおよび構成において比較的単純であることを可能にしており、またユーザ機器に関連するエンド・ユーザについての情報が、ネットワークの内部の様々なソースから蓄積されることを可能にする。さらに、ネットワークを通して識別子を受け渡すことは、ユーザ機器の検出に応じて、一連の応答が、実装されることを可能にしており、例えば、SMSメッセージについて送信すること、ユーザ機器料金を経由してエンド・ユーザに課金すること、検出器それ自体ではなくてマクロ・セル・ネットワークから直接に送信されている情報を後の時刻または日付に送信することを可能にする。
【0036】
第2の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ機器を検出し、また識別する方法を提供しており、ユーザ機器は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて提供されるネットワーク・ノードと通信するように動作可能であり、本方法は、所定の検出領域の内部でユーザ機器の配置を検出するステップと、所定の検出領域において検出されるユーザ機器にIDについての表示を要求するステップと、IDについての表示をユーザ機器識別情報ユニットに対して通信するステップとを備える。
【0037】
一実施形態においては、本方法は、所定の検出領域の内部でユーザ機器の配置の検出のすぐ後に問い合わせユニットをアクティブにするステップをさらに備える。
【0038】
一実施形態においては、検出するステップは、所定の検出領域の内部のユーザ機器の配置に起因した測定可能な量における変化を測定するステップをさらに備える。
【0039】
一実施形態においては、本方法は、測定を定期的に反復するステップをさらに備える。
【0040】
一実施形態においては、配置の検出は、容量性センサを備える近接センサによって実行される。一実施形態においては、近接センサは、圧力センサを備える。一実施形態においては、近接センサは、赤外線ビーム・センサを備える。
【0041】
一実施形態においては、IDについての表示を要求するステップは、問い合わせユニットによって実行され、問い合わせユニットは、所定のカバレッジ領域の内部のユーザ機器と通信するように動作可能なアンテナを備える。
【0042】
一実施形態においては、所定のカバレッジ領域と、所定の検出領域とは、実質的に相互に関連がある。
【0043】
一実施形態においては、本方法は、周囲の無線状態を検出するステップと、検出された周囲の無線状態に従ってアンテナによって送信される無線チャネルのパワー設定を調整するステップとをさらに備える。
【0044】
一実施形態においては、本方法は、周囲の無線状態を検出するステップと、検出された周囲の無線状態に従ってアンテナによって送信されるべき伝送の周波数またはチャネルを選択するステップとをさらに備える。
【0045】
一実施形態においては、本方法は、周囲の無線状態を検出するステップと、これらの周波数の上のユーザ機器との通信を中断させるために1つまたは複数の無線周波数の上で妨害電波信号を送信するステップとをさらに備える。
【0046】
一実施形態においては、本方法は、検出された周囲の無線状態に従って妨害電波信号の強度を決定するステップをさらに備える。
【0047】
一実施形態においては、アンテナは、所定のカバレッジ領域の内部でカバレッジを提供するように、またその領域の外側ではあまりカバレッジを提供しないように動作可能な指向性アンテナを備える。
【0048】
一実施形態においては、アンテナは、コイル・アンテナを備える。一実施形態においては、アンテナは、パッチ・アンテナを備える。一実施形態においては、アンテナは、伝送線路を備える。
【0049】
一実施形態においては、IDについての表示は、ユーザ機器のIMSIを備える。
【0050】
一実施形態においては、IDについての表示を要求するステップは、ユーザ機器キャンピング手順の開始を備える。
【0051】
一実施形態においては、本方法は、キャンピング手順の完了の前に、開始されたキャンピング手順を終了させるステップをさらに備える。
【0052】
一実施形態においては、本方法は、前記ユーザ機器識別情報ユニットを含むワイヤレス電気通信ネットワークと通信するステップをさらに備える。
【0053】
一実施形態においては、ワイヤレス電気通信ネットワークと通信するステップは、前記ユーザ機器識別情報ユニットを含むワイヤレス電気通信ネットワークと通信するように動作可能な有線バックホール・コネクタを使用して実行される。一実施形態においては、セルラー方式トランシーバ・バックホールが、利用される。
【0054】
第3の態様は、コンピュータの上で実行されるときに、第2の態様の方法を実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品を提供している。
【0055】
本発明のさらなる特定の態様および好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項の中で詳しく説明される。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立請求項の特徴と結合され、また特許請求の範囲の中で明示的に詳しく説明されるこれら以外の他の特徴と組み合わされることが可能である。
【0056】
本発明の実施形態が、次に、添付の図面を参照してさらに説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1aは一実施形態による検出器についての概略的な側面図である。図1bは図1aに示される検出器についての概略的な正面図である。
図2】一実施形態による検出器の主要なコンポーネントについての概略的な表現である。
図3a】一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図と、そのようなアンテナを含む検出器の一実施形態についての概略的な説明図とである。
図3b】一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図と、そのようなアンテナを含む検出器の一実施形態についての概略的な説明図と、オペレーションの可能性のあるアンテナ帯域についての表示とである。
図3c】一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図である。
図4】さらなる一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図である。
図5】一実施形態において使用するための近接センサについての概略的な説明図である。
図6】一実施形態による検出器を含む電気通信ネットワークについての概略的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ワイヤレス電気通信システムが、知られている。そのようなシステムにおいては、ユーザ機器は、ワイヤレス電気通信ネットワークを通してローミングする。無線カバレッジのエリアをサポートする基地局が、提供される。いくつかのそのような基地局が、提供され、また地理的に分散されて、ユーザ機器に対する広域のカバレッジを提供する。ユーザ機器が、基地局によってサービスされるエリアの内部にあるときに、通信が、関連する無線リンクの上でユーザ機器と、基地局との間で確立されることが可能である。基地局は、一般的に、サービスの地理的エリアの内部でいくつかのセクタをサポートする。
【0059】
説明された実施形態によれば、ユーザ機器が、現実の世界のオブジェクトと相互作用することを可能にすることが可能である。既存の電気通信ネットワークに起因して、現実の世界のオブジェクトとのそのような相互作用が、起こることを可能にするインフラストラクチャのほとんどが、適当な位置に提供される。現実の世界のオブジェクトとの相互作用にアクセスするための、モバイル電話などのユーザ機器の使用は、エンド・ユーザが、彼らのモバイル電話に親しみがあり、容易に使いこなすことができるので、特に魅力がある。
【0060】
現実の世界のオブジェクトとの可能性のある相互作用の例は、例えば、モバイル電話を経由した便利な支払いを含んでいる。支払いは、例えば、店のカウンターの上の支払いエリアの上にモバイル電話または他の類似したユーザ機器を置くことにより、実行されることが可能である。さらに、正常な支払いの後に、トランザクションについてのSMSレシートが、ユーザ機器に対して送信されることが可能である。
【0061】
現実の世界のオブジェクトとの相互作用のさらなる例は、ユーザ機器が、コンテンツにタッチすることにより、現実の世界のコンテンツをダウンロードすることを可能にすることを含むことができる。例えば、鉄道の駅にある関連のある切符販売機または時刻表に対して、ユーザ機器にタッチすることにより、ユーザ機器に対して直接に鉄道の時刻表をダウンロードすることを可能にすることができる。ユーザ機器に対するダウンロードは、コンテンツの上に、例えば、鉄道の駅にある切符販売機の上に電話を置くことによりトリガされる。代わりに、SMSメッセージを経由して時刻表に対するリンクを送信することを可能にすることもでき、次いでSMSメッセージからそれは、ユーザによってアクセスされることが可能である。
【0062】
さらに、ユーザ機器は、家、車および仕事場についてのキーレス・エントリ・システムとして使用されることが可能である。
【0063】
上記で与えられた相互作用の例は、ユーザ機器と現実の世界のオブジェクトとの間の多数の可能性のあるローカルな相互作用についての可能性のうちのわずかを表しているにすぎないことが、理解されるであろう。
【0064】
そのようなサービスを信頼できるように提供するためには、ユーザ機器と、現実の世界のオブジェクトとの間のローカルな相互作用が、すぐ近くのユーザ機器の通過によってトリガされないことと、現実の世界のコンテンツをダウンロードしたい、またはそうでなければ現実の世界のコンテンツにアクセスしたいと思うユーザ機器だけが、現実の世界のオブジェクトから情報を受信するように構成されることとが、必要とされる。
【0065】
本明細書において説明される実施形態は、信頼できるセルラー方式短距離センサと、検出器が、モバイルを信頼できるように検出することを可能にしており、また同じ周波数リソースを再使用しながら、マクロ・セルラー方式のネットワークとの現実の世界の相互作用についての共存を可能にする対応するアーキテクチャとを提供している。そのようなアプローチは、既存のセルラー方式のネットワーク・インフラストラクチャが、顕著な中断なしに補完されることを可能にし、また新しいサービスが、ユーザ機器と、現実の世界のオブジェクトとの間のローカルな相互作用に基づいて提供されることを可能にする。
【0066】
実施形態は、あるオブジェクトに対するユーザ機器の近接近(close proximity)を検出し、次いで、短距離ユーザ機器センサを使用してユーザ機器と通信するデバイスを提供している。
【0067】
一実施形態においては、検出器は、可能性のあるターゲット・デバイスが、例えば、ユーザ機器が、近接センサに対して置かれているかどうかを検出するように動作可能な近接センサ・コンポーネントを、例えば、容量性センサを含んでいる。近接センサ・コンポーネントが、ユーザ機器の存在を検出する場合、それは、短距離ユーザ機器センサを、例えば、無線周波数センシング部をアクティブにするように動作する。
【0068】
ユーザ機器(または「セルラー方式」)センサは、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて提供される典型的な基地局によって送信される信号のタイプと実質的に同一の低パワー無線周波数パイロット信号を送信するように動作する。セルラー方式センサによって送信されるパイロット信号は、セルラー方式センサが位置しているマクロ・セルに対して異なるロケーション・エリア・コードを設定する情報を含んでいる。ユーザ機器が、セルラー方式センサの低パワー・パイロット信号を受信するときに、それは、セルラー方式センサの範囲内にあるアイドリング・モードにあるユーザ機器についてのロケーション・エリア・アップデートを有すると知られている「キャンピング」手順をトリガする。低パワー・パイロット信号の信号強度は、一般的に、セルラー方式センサが動作しているマクロ・セルの内部のロケーションと、とりわけそれが同じキャリア周波数を再使用しているかどうかとに依存することになる。
【0069】
近接センサと、セルラー方式センサとの両方の典型的な範囲は、実質的にオーバーラップすることになり、またそれは、これらのセンサの範囲が、実質的に対応するときには特に有用である。典型的な範囲は、任意のそのようなセンサの前面プレートの前に数センチメートルだけ広がる。良好な近距離フィールドの性能と貧弱な遠距離フィールドの性能とを提供することができ、それによって他のユーザ機器と、より一般的にはワイヤレス・ネットワークとをできるだけ妨害しない指向性アンテナが、提供されることが好ましい。
【0070】
ひとたびユーザ機器が、近接センサとセルラー方式センサとの組み合わされたオペレーションによって検出された後には、セルラー方式センサは、例えば、キャンピング手順を使用して、ユーザ機器に関連する固有の識別子を要求するように、動作可能とすることができる。その固有の識別子は、一般的に、ユーザ機器の「IMSI」または「TMSI」を備えることができる。他のインジケータが使用され得ることが、理解されるであろう。しかしながら、IMSIまたはTMSIの使用により、標準化された信号メッセージが、検出器のセルラー方式センサによって再使用されることが可能になる。
【0071】
ダウンロードすることを意図する、または検出器と相互作用することを意図するユーザ機器だけが、セルラー方式センサと通信することを保証するために、近接センサは、定期的な測定を実行して、ユーザ機器のモビリティを検出することができ、またそれによってセンサの近くに静的に配置されていない、または実質的に静的に配置されていないユーザ機器についてのどのようなアクションも防止することができる。近接センサからの定期的な測定に頼らない可能性のある代替案は、セルラー方式センサが、接続されたユーザ機器に一連のチャネル状態推定値を要求することを可能にすることになり、それによってユーザ機器が検出器の上で静的であるかどうかを検出する。
【0072】
検出器の上のユーザ機器の配置が、感知され、またユーザ機器からの識別子が、受信される場合に、次いで、その識別子は、現実の世界のデバイスによって使用されて、ユーザ機器に対して情報を供給することができる。例えば、識別子は、ワイヤレス・バックホールまたは有線バックホールのいずれかを使用して検出器によってアプリケーション・サーバに対して送信されることが可能である。アプリケーション・サーバは、オペレータのネットワークの内側または外側のいずれかに位置することができる。アプリケーション・サーバは、ユーザ機器に関連する固有の識別子の受信に応じてメッセージを指示するように、または送信するように動作可能とすることができる。
【0073】
識別子の受信をするとすぐに、アプリケーション・サーバは、オペレータのネットワークに記憶されるユーザ機器の情報、例えば、電話番号またはアカウントの詳細を取得し、またその情報を使用して、SMSを経由して電話の請求書またはレシートを通して、支払いなどのサービスを提供することができ、またはユーザ機器に対する情報のダウンロードを可能にすることができる。
【0074】
実施形態により、ユーザ機器は、現実の世界のコンテンツと相互作用することができるようになる。そのアプローチは、既存のユーザ機器を用いて基本的にシームレスに機能することが意図され、またエンド・ユーザについてどのような登録も、または他のセットアップも必要としていない。検出器の短距離で低パワーのオペレーションの結果として、たいした干渉を引き起こすことなく、同じ1つまたは複数のキャリアを既存のセルラー方式ネットワークとして再使用することが可能であることが、考えられる。
【0075】
図1aは、一実施形態による検出器の概略的な側面図であり、図1bは、図1aに示される検出器の概略的な正面図である。図1に示される検出器1は、近接センサ3とアンテナ4とを隠すように構成された前面プレート2を備える。検出器は、検出器制御ロジックをさらに備える。検出器制御ロジック5のオペレーションは、図2に関連してより詳細に説明される。
【0076】
検出器1は、その内部で検出器制御ロジック5に関連する近接センサ3とセルラー方式センサ・アンテナ4とが対象として含むセンサ(近接センサとセルラー方式センサとの両方)のカバレッジ6のエリアを有するように配置される。
【0077】
図2は、一実施形態による検出器の主要コンポーネントについての概略的な表現である。とりわけ、図2は、検出器制御ロジック5をより詳細に示すものである。検出器制御ロジック5は、センシング・アンテナ4aと協力して、パイロット信号を送信するように、パイロット・パワー構成についての測定を実行するように、ユーザ機器の識別子、例えば、IMSIを要求するように、ユーザ機器にチャネル推定値を要求するように、またキャンピングの試みを拒絶するように動作可能なセルラー方式センサおよびモバイルIDリクエスタ(mobile ID requester)100を備える。セルラー方式センサ100は、センシング・アンテナ4aと、また検出器のオペレーションを監視する検出器ロジック200と通信するように動作可能である。
【0078】
検出器制御ロジック5は、近接センシング・ロジック110、例えば容量性センサをさらに備える。容量性近接センシング・ロジック110は、近接センサ3、この場合にはセンシング・キャパシタと通信し、また検出器ロジック200と通信する。近接センサ3と、関連するロジックとは、可能性のあるターゲット・デバイス、例えば、ユーザ機器が、センサ・カバレッジ・エリア6の内部に位置するかどうかを検出するように動作する。
【0079】
示された実施形態において、ターゲット・デバイスが、近接センシング・ロジックによってエリア6の内部に位置することが決定される場合、検出器ロジック200は、他のセンサ機能をアクティブにするように動作する。そのような一構成により、検出器1の処理および送信の大部分は、時間の大部分にわたってスイッチが切られることが可能になり、それによってエネルギーの消費を低減させている。さらに、近接センサ・ロジック110は、近接センサ3によって行われる定期的な容量測定を報告するように動作することができ、またそれによって、検出器ロジック200と協力して、ユーザ機器が、適切に検出器1の上に配置されているかどうかを決定することができる。
【0080】
無線センシング・ロジック5は、バックホール・トランシーバ120をさらに備える。この場合には、バックホール・トランシーバは、GSMなど、ワイヤレス、例えば、セルラー方式であり、またセルラー方式センシング・ロジック100と協力してアンテナ4aを感知することにより得られるユーザ機器識別子をワイヤレスに転送するようにバックホール・アンテナ4および検出器ロジック200と通信するように動作可能である。その識別子は、バックホール・アンテナ4bを経由して標準のワイヤレス・ネットワークに対して送信される。情報は、有線のバックホール、例えば、イーサネットを経由して送信されることも可能である。ほとんどのアプリケーションの場合には、そのような有線のバックホールは、簡単に使用可能にはならないことが想定される。ユーザ機器の識別子は、標準のワイヤレス・ネットワークを経由して、検出器1に関連するアプリケーション・サーバに対して送信される。
【0081】
検出器制御ロジック5は、センサ・コンポーネントとバックホール伝送とを制御するために使用される検出器ロジック200を備える。さらに、検出器ロジック200は、アクチュエータ出力130と協力してある種のアクションを実行するようにプログラムされることが可能である。検出器制御ロジック5は、それゆえに、特定のユーザ機器が、検出されるときに、メッセージを送信するように、またはアクチュエータを制御するように動作可能でもあり、またバックホール・トランシーバ120は、適切なメッセージをワイヤレス・ネットワークから受信する。アクチュエータ出力130は、測定値に反応するように、またはアプリケーション・サーバからのメッセージに応答するように動作可能であり、例えば、確認メッセージを表示するように、ライトをスイッチでオンにするように、またはドアの開放を制御するように動作可能である。
【0082】
検出器制御ロジック5は、検出器ロジック200と、アンテナ4a、4bと、キャパシタ3と、ユニット100、110、120、130とに必要なパワーを供給する電源300をさらに備える。
【0083】
ネットワークの内部の検出器のオペレーションは、図6に関連してより詳細に説明される。
【0084】
上記で述べられるように、実施形態に従って検出器において使用するためのセンシング・アンテナ4aは、それが、強い遠距離フィールドを生成しないように、オペレーションを保証する必要があり、そしてこれは、低利得を与え、それによってアンテナのすぐ近くに位置するユーザ機器と相互作用するだけである。とりわけ、アンテナは、所定のセンサ・エリア6の内部で動作可能であるにすぎないようにすべきである。そのエリアは、プレート2の表面から数センチメートル広がることができるにすぎない。センシング・アンテナ・アプリケーションのために最も適したアンテナは、それゆえに、例えば、妥当なモードのオペレーションを選択することにより、それらが遠距離フィールドの放射または生成を回避するような種類のものである。
【0085】
アンテナの放射効率および受信効率が、低減されるように、またすぐ近くにあるユーザ機器だけが、検出器1との接続を確立することができるように、アンテナを選択すること、およびそれらのチューニングを意図的に外すことが可能である。1つの解決法は、例えば、適切なシールディングの使用により、閉じ込められた空間の内部の放射フィールドを含むようになることであり、それによってユーザ機器とアンテナとの間の相互作用を検出器のすぐ近くのエリアだけに制限することも理解されるであろう。様々なアンテナの可能性は、図3a〜cおよび図4に関連してより詳細に説明される。
【0086】
図3aは、一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図であり、またそのようなアンテナを含む検出器の一実施形態についての概略的な説明図である。アンテナ4aは、プリント回路コイル・アンテナ(printed circuit coil antenna)を備える。そのようなアンテナは、ワイヤを巻き付けることにより形成されることも可能である。プリント回路コイル400は、コイル・アンテナ401と、トランシーバ402とを備える。プリント回路コイルは、通常、非常に損失が多く、または意図的に損失が多くなるように設計されることが可能であり、またそのようにして、それらの利得は、本質的に低い。プリント回路コイルは、共振しないように動作させられることが可能であり、これはまた、利得と、それゆえにワイヤレス通信ネットワークのマクロ・レイアウトとの可能性のある任意の相互作用とを低減させるように動作することもできる。
【0087】
図3aから分かるように、そのようなアンテナは、一般的に平坦であり、また簡単にタッチ・パッドの中へと一体化されることが可能である。図3は、そのようなアンテナを含む検出器の一実施形態のいくつかのコンポーネントについての概略的な説明図を含んでいる。図に示される検出器1は、短距離近接センサ(図示されず)と、コイル・アンテナ400を備えるセルラー方式センサと、タッチ・パッドまたはスクリーン500とを備える。ユーザ機器1000は、コイル・アンテナ400と、近接センサとが動作することができるようにタッチ・パッド500の平坦な表面の上に簡単に配置されることが可能である。プリント回路コイル・アンテナはまた、さらなるユーザ・コマンドについてのタッチ・パッドまたは他の入力デバイスの下に、ディスプレイ画面の中に、または近接センサの一形態の下に配置されることも可能である。
【0088】
図3bは、オペレーションの可能性のあるアンテナ帯域についての表示と一緒の、一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図と、そのようなアンテナを含む検出器の一実施形態についての概略的な説明図とである。参照番号は、必要に応じて再使用されている。図3bは、パッチ・アンテナ400aを示すものである。パッチ・アンテナ400aは、トランシーバ402と、マッチングされた帯域の金属プレート・アンテナ401と、オペレーションの帯域を制限すべきフィルタ403とを備える。
【0089】
パッチ・アンテナは、非常に平坦であり、またそれゆえにセンサの中へと簡単に一体化されることが可能である。パッチ・アンテナは、一般的に、安価であるが、環境とのそれらのアンテナの相互作用を制限するためにチューニングを外される必要があり、それによってその内部でユーザ機器が、そのアンテナとのリンクを確立することができる可能性がある体積を最小にしている。
【0090】
短距離セルラー方式センサとして使用するためのパッチ・アンテナは、パッチ・アンテナのマッチングされた帯域700から意図的に間隔が開けられたオペレーションの典型的な帯域600を示している図3bのグラフに示されるように、チューニングを外される。そのようなアンテナのチューニングを外すことは、その利得を低減させ、また近距離フィールドにおいてだけ検出器とユーザ機器との間の通信を可能にする。そのような効果は、アンテナ出力パワーを十分に低減させること、またはトランシーバ402と、アンテナ401との間に減衰器を配置することにより達成されることも可能であることが、理解されるであろう。
【0091】
減衰器を使用して、検出器の最も近い範囲内にあるユーザ機器だけが接続を確立することができるように、アンテナの感受性を鈍くすることもできる。図3bに示されるモードは、検出器の上に置かれたユーザ機器のチューニングの影響を回避するという利点を有しており、それによって多種多様なデバイスを用いたオペレーションを保証している。トランシーバ402と、アンテナ401との間に設けられる、403として例証されるフィルタなどのフィルタは、マッチングされた帯域における遮断物または干渉物が、検出器のレシーバの感受性を鈍くするように動作しないことを保証する。
【0092】
さらに、パッチ・アンテナを使用して、ユーザ機器が、検出器の上に存在しており、またそれゆえにユーザ機器が、検出器に接続しようと試みている可能性があることを検出することが可能であることが、理解されるであろう。より低い入力の反射減衰量(return loss)についての帯域におけるどのような周波数シフトも、検出するメカニズムとして使用されることが可能である。したがって、パッチ・アンテナが、それ自体、近接センサとして使用されることも可能であることが、理解されるであろう。
【0093】
図3cは、さらなる一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図である。図3cは、伝送線路401と、マッチングされた負荷405と、トランシーバ402とを備えるアンテナ400cを示すものである。伝送線路401は、線路に結びつけられた電界と磁界とを生成する。ある長さのマッチングされ終端された伝送線路401にトランシーバ402を接続することは、アンテナによって放射されているトランシーバ402によって送信される信号をもたらさないが、その信号は、それがマッチングされた負荷405において終端されるまで伝送線路に沿って伝わる。進行波のフィールドは、線路401にしっかりと結びつけられ、また周囲を取り巻く環境へとたいした量のエネルギーを放射しない。その結果として、伝送線路に関連するフィールドは、その線路の非常に近くにないどのようなユーザ機器とも相互作用しない。
【0094】
ユーザ機器が、伝送線路401の十分近くに、例えば、ほぼ数ミリメートル、または数センチメートルの程度に、持って行かれる場合、そのときには伝送線路の周囲に生成されるフィールドは、そのユーザ機器に結合する。波が放射されないが、線路に結びつけられたままであるので、縁取りをなすE−フィールドと、H−フィールドとは、伝送線路401の非常に近くに存在するだけである。したがって、これら2つのコンポーネントが非常に近い場合に、ユーザ機器と終端された伝送線路との間にかなりの相互作用を生成することが可能であるだけである。さらに遠くに置かれたどのようなユーザ機器デバイスも、伝送線路に結合することができなくなり、またそれゆえにセルラー方式センサによって感知されることが可能ではなくなる。リークの多い伝送線路は、近接センサと、無線周波数に結合する能力との両方についての機能を提供するので、図3cに示されるような伝送線路の使用は、検出器の中の別個の近接センサについての必要性を回避することができ、すなわち、リークの多い伝送線路の上に置かれたユーザ機器だけが、認識されることになり、また通過するものが、検出器によって提供される任意のサービスに偶然に結合することになる可能性は、その結果として低くなる。
【0095】
図4は、さらなる一実施形態において使用するためのアンテナについての概略的な説明図である。センサ・プレート550は、アンテナ(図示されず)と、トランシーバ402と、シールディング560とを含む。センサ550の上にシールド560を配置することにより、ユーザ機器1000と、センサ550との間の通信が、シールドの内部で可能であるにすぎないことを保証することが可能である。アンテナによって生成されるフィールドは、シールドの内部のエリア570の中に集中させられる。シールド560は、マクロ・セル環境との検出器の相互作用が、低減されるように、シールドの外側でアンテナのフィールドを減衰させるように機能する。
【0096】
図5は、一実施形態において使用するための近接センサの概略的な説明図である。図5に示される近接センサ3は、キャパシタンス・センサを備える。図5に示される近接センサは、キャパシタンス・プレート610と、プレート630の上にマウントされたインダクタ620とを備える。図5は、近接センサのコンポーネント部を示す概略的な回路図を含んでいる。
【0097】
キャパシタ・プレート610の間に、E−フィールド650が、生成される。ユーザ機器1000が、E−フィールドの内部に置かれる場合、それは、キャパシタと、それゆえに検出器の近傍との共振周波数を変化させるように機能する。そのような検出器を使用して、センサと、ユーザ機器との間の通信についてのアンテナとしての機能を果たすようにすることもできる。キャパシタ・プレート610は、垂直に示されているが、それらは、水平に配列されることが可能であり、その結果、それらは、近接センサ3の前面プレート630からたいして放射しないようになることが、理解されるであろう。
【0098】
図6は、一実施形態による検出器を含む電気通信ネットワークの概略的な説明図である。初期の構成プロセスが、説明されることになり、検出器が、電気通信ネットワークの内部で動作することができる方法についての説明が、それに続いている。
【0099】
ネットワークの内部の図1に示されるような検出器のインストールは、その検出器の構成を必要とする。初期の構成は、一般的に2つの段階を備える。いくつかの動作パラメータがある。これらのパラメータは、その内部で検出器が動作すべき、各ネットワーク・オペレータごとに特有である。情報についてのそのプロビジョニングは、検出器において提供されるセルラー方式バックホール接続を経由してリモートに実行されることが可能である。そのようなバックホール・リンクは、図2においてはトランシーバ120として示される。代わりに、多数の検出器が、単一のオペレータのために生産される場合には、動作パラメータが、製造プロセス中に、検出器の検出器制御ロジック5の中へとプログラムされることも可能であることが、理解されるであろう。
【0100】
第2の段階の構成は、ネットワークの内部の検出器のオペレーションと一体化とをできるだけ簡単にすることである。したがって、検出器が動作するために必要とされる残りのパラメータは、検出器において、また検出器によって行われる測定値に基づいて自動構成される。
【0101】
プロビジョニングされた情報(バックホール・トランシーバ120によってプログラムされることが可能であり、または検出器に対して送信される情報)は、例えば、セルラー方式センシングのために使用すべきキャリア周波数と、オペレータ・ネットワークによって使用されるこれらのキャリア周波数とに関連した情報と、どのネットワークをバックホールのために使用すべきかに関連した情報と、興味のあるアプリケーションをホストするアプリケーション・サーバのアドレスとを含むことができる。
【0102】
マクロ・セル・ネットワークのロケーション・エリア・コードを検出すること、およびユーザ機器1000の中のロケーション・エリア・アップデートをトリガするために新しいロケーション・エリア・コードを検出器に割り付けることを含む残りのパラメータが、自動構成されることが可能である。さらに、検出器のパイロット・パワーは、ターゲット・カバレッジをマッチングするように自動的に構成されることが可能である。パイロット・パワーは、例えば、センシングのために使用されるキャリアの上の測定されたマクロ・セル・パイロット・パワーの自由空間経路(free space path)と、アンテナ利得と、キャンピング・ヒステリシスしきい値とに基づいて算出されることが可能である。
【0103】
実施形態による検出器は、ユーザ機器のキャンピングの試みを使用して動作する。一実施形態においては、検出器は、図5に示されるセンサなどの容量性近接センサを含んでいる。容量性近接センサ3が、可能性のあるターゲット・ユーザ機器が検出器に対して配置されることを検出する場合、それは、検出器制御ロジック5によって制御されるセルラー方式センサ100として図2の中に概略的に示される、検出器のセルラー方式センシング部をアクティブにする。
【0104】
次いで、制御ロジック5は、異なるロケーション・エリア・コードを有するセルラー方式パイロット信号をその内部に検出器が配置されたマクロ・セルのそれに対して送信するようにセルラー方式センサ100に指示する。異なるロケーション・エリア・コードを有するセルラー方式パイロット信号についてのマクロ・セルに対する送信は、アイドリング・モードにおいてユーザ機器についてのロケーション・アップデートをトリガし、それによって検出器が、それらを十分に検出し、また識別することができるようになる。ひとたび検出器の上に置かれたユーザ機器1000が、キャンピング手順を開始した後に、セルラー方式センサ100によりその国際移動電話加入者識別番号(International Mobile Subscriber Identifier)(IMSI)を送信することが、検出器によって要求される。IMSIは、各ユーザ機器に割り当てられた固有の識別子であり、これを使用して、ワイヤレス通信ネットワークの内部で伝統的なルートを経由して任意のコール(ユーザ機器により生成され、またはユーザ機器に由来するもの)を経路指定する。ひとたび検出器1が、ユーザ機器のIMSIを取得した後に、検出器は、検出されたユーザ機器を一意的に識別することができる。
【0105】
代わりに、検出器は、他の一時的な識別子を要求することができ、またコア・ネットワークおよびバックホール・トランシーバ120と協力してモバイルを一意的に識別する。
【0106】
ひとたびIMSIの識別子が知られた後には、ユーザ機器は、規格により認証されたユーザ機器のオペレーションのために使用されるものと同じセキュリティ・メカニズムを使用して、認証されることが可能である。ユーザ機器の中で既に提供されたSIMのセキュリティ保護されたストレージ・デバイスと、オペレータのネットワークとのSIMの確立されたセキュリティ関係とは、それゆえに、検出器によって使用されることが可能である。イベントのこのシーケンスは、それが検出器1によって十分に機能的にサービスされることが可能でないので、ユーザ機器1000が、十分にそのロケーション・エリアをアップデートすることを結果としてもたらさないに違いないことが、理解されるであろう。ひとたびユーザ機器についてのIMSIが、取得された後に、キャンピング手順は、検出器1によって終了される。
【0107】
ユーザ機器の、例えば、検出器をただ通過するだけのユーザ機器の望ましくない検出を防止するために、容量性センサ3は、ユーザ機器が検出器1の上に適切に置かれているかどうか、またそれゆえに移動していないかどうかを決定するために、それが、時間と共に複数の測定を実行するように、構成されていることが可能である。あらかじめ定義された時間にわたってユーザ機器の配置に起因した容量における変化が存在しない場合、検出器は、ユーザ機器が、その期間にわたってセンサの上に適切に置かれることを比較的に確実にすることができる。
【0108】
代わりに、セルラー方式センサ100が、動作している場合、そのセルラー方式センサが接続を確立しているユーザ機器は、チャネルについての定期的なチャネル推定値をセンサに対して報告するように要求されることも可能である。ユーザ機器が、検出器の上に適切に置かれる場合、チャネル状態は、所定の時間間隔にわたって大部分は一定のままであるべきであり、また経路損失は、十分に低いままに留まることになる。
【0109】
オペレータが、複数のキャリア、またはGSMやUMTSなどのエア・インターフェースを使用する場合、すべてのモバイル電話が捕捉されることを保証する異なるアプローチが、可能である可能性がある。複数のキャリアまたはエア・インターフェースが、使用中である場合には、検出器は、パイロットを送信するように、またこれらのパイロットのすべての上で検出プロセスを実行するように動作可能とすることができる。代わりに、検出器は、パイロット信号を送信する好ましいキャリアの上でセンサと連絡を取るようにユーザ機器にさせる妨害電波信号を送信するように動作可能とすることもできる。妨害電波信号のパワーは、カバレッジが、検出器の周囲の単に数センチメートルだけでディスエーブルにされることを保証するように、パイロット信号と同じようにして算出される。
【0110】
図6は、一実施形態に従う、検出器と共に使用するためのネットワーク・アーキテクチャについての一例を示すものである。ユーザ機器1000は、検出器1によって感知され、またそのIDが、取り出され、バックホール・トランシーバ120を経由してネットワークに対して中継される。いくつかのアプリケーションにおいては、センサ・デバイスそれ自体の中に何らかのSMARTSを含めること、例えば、ドアを開放するときに、許可されたユーザ機器のキーについてのIDが、検出器それ自体の一部分を形成するアプリケーション・サーバの内部に記憶されることが可能になるレイテンシーを低減させることは、助けになる可能性がある。その記憶は、許可に対する変更が行われるときに、ネットワークによってアップデートされることが、可能である。そのような場合には、そのたびに、マクロ・セルのワイヤレス・ネットワークに連絡を取る代わりに、検出器1は、ローカルにセキュリティ保護されて調達されたドア・キーのその組を調べ、また有効なキーが存在する場合にはドアを解錠することが、理解されるであろう。
【0111】
ほとんどの場合に、検出器1が、既存のセルラー方式ネットワークを経由して、例えば、最も近いマクロ基地局1010を経由してネットワークに接続することになることが期待され、このマクロ基地局は、ネットワーク・アクセス・ポイントとしての機能を果たす。DSLまたは任意の他の方法を使用してネットワークに対するIP接続を獲得することが可能であることが、理解されるであろう。
【0112】
ユーザ機器1000から取得されるユーザ機器のID(IMSI)は、標準の通信プロトコルを、例えば、インターネット・プロトコルを使用してオペレータ・ネットワーク1020を通してアプリケーション・サーバ1030に対して渡される。ユーザ機器のIDを使用して、オペレータ・ネットワーク1020の加入情報データベースにおけるルックアップ要求を実行し、例えば、エンド・ユーザについての年齢と、支払い計画と、自宅の住所と、類似した詳細とに関する情報を含むことができる顧客の記録に対してユーザ機器のIDをマッチングさせる。特定の顧客についてのオペレータの知識は、異なるデータベースを通して、例えば、課金データベースと顧客の嗜好のデータベースとを通して拡張されることが可能である。しかしながら、すべての供給物は、顧客のより深いピクチャを構築するために、またそれゆえに顧客の対象とするアプリケーションを生成するために相互に参照され得ることが、理解されるであろう。
【0113】
オペレータ・ネットワーク1020によって供給されるオペレータ情報は、ホストされた垂直アプリケーション・サーバの内側に存在する他の供給物のコンテキストにおいては垂直アプリケーション1030によって処理されることが可能である。例えば、そのサーバは、イベントの履歴ログと、検出器およびアクチュエータの能力など、センサ特性およびアクチュエータ特性を記憶するデータベースとを含むことができる。サード・パーティのキーからアプリケーションの準備へのさらなる情報が、アプリケーション・サーバ1030へと引き込まれることもあることが、理解されるであろう。そのさらなる情報は、図6における1040として一般に示されたインターネットによりホストされたウェブ・サービスに対する接続により、アプリケーション・サーバ1030へと引き込まれることが可能である。SMARTリンクは、垂直アプリケーション・サーバ1030が、検出器プラットフォーム1へとフィードバックされる出力1050を生成し、また何らかのアクションを、例えば、支払いを確認すること、ドアを開放すること、サービスを提供することをもたらすときに、完了されることが可能である。他の場合には、検出器プラットフォームに対するフィードバックは存在しない可能性があり、またアプリケーション・サーバ1030は、識別されたユーザ機器1000に対して、ネットワーク・サービスを使用して直接にフィードバックすることができる。
【0114】
当業者なら、様々な上記に説明された方法のステップが、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることを簡単に認識するであろう。本明細書においては、いくつかの実施形態はまた、プログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体を対象として含むようにも意図されており、このプログラム・ストレージ・デバイスは、マシン読取り可能、またはコンピュータ読取り可能であり、また命令のマシン実行可能なプログラム、またはコンピュータ実行可能なプログラムを符号化しており、そこでは前記命令は、前記上記で説明された方法のステップの一部または全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、または光学的に読取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。それらの実施形態はまた、上記で説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされるコンピュータを対象として含むようにも意図される。
【0115】
「プロセッサ」または「ロジック」としてラベル付けされた任意の機能ブロックを含めて、図面の中に示される様々な要素についての機能は、専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連づけてソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通して提供されることが可能である。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一の共用のプロセッサによって、またはそれらのうちのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供されることが可能である。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」、あるいは「ロジック」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また限定することなく、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)(DSP)のハードウェアと、ネットワーク・プロセッサと、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)と、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array)(FPGA)と、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(read only memory)(ROM)と、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory)(RAM)と、不揮発性ストレージとを暗黙のうちに含むことができる。他のハードウェアが、従来および/またはカスタムもまた、含められることも可能である。同様に、図面の中に示される任意のスイッチは、概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラム・ロジックのオペレーションを通して、専用のロジックを通して、プログラム制御と専用のロジックとの相互作用を通して、または手動によってさえも実行されることが可能であり、特定の技法は、文脈からもっと具体的に理解されるように、実装者によって選択可能である。
【0116】
本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を実施する実例となる回路の概念図を表すことが、当業者によって理解されるべきである。同様に、任意のフロー・チャートと、流れ図と、状態遷移図と、擬似コードなどとは、コンピュータ読取り可能媒体の形で実質的に表され、またそのようにしてコンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、実行され得る様々なプロセスを表すことが、理解されるであろう。
【0117】
説明および図面は、単に本発明の原理を示しているにすぎない。したがって、当業者は、本明細書において明示的に説明されても、または示されてもいないけれど、本発明の原理を実施し、また本発明の精神および範囲の内部に含まれる様々な構成を工夫することができるようになることが理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、主として、本発明者(単数または複数)が当技術を推進することに寄与している本発明の原理および概念を理解するに際して、読者を支援する教育上の目的のためにすぎないように明示的に意図され、またそのように具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態を列挙している本明細書におけるすべての記述、ならびにその特定の例は、その同等物を包含するように意図されている。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6