特許第5907963号(P5907963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5907963制御デバイス及びその制御デバイスの操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5907963
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】制御デバイス及びその制御デバイスの操作方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/02 20060101AFI20160412BHJP
   A61B 17/00 20060101ALN20160412BHJP
   H01H 25/04 20060101ALN20160412BHJP
【FI】
   A61C1/02 E
   !A61B17/00 320
   !H01H25/04 F
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-521000(P2013-521000)
(86)(22)【出願日】2011年7月13日
(65)【公表番号】特表2013-541348(P2013-541348A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】EP2011003502
(87)【国際公開番号】WO2012013299
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年7月9日
(31)【優先権主張番号】10007954.0
(32)【優先日】2010年7月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513021660
【氏名又は名称】オレンジデンタル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】orangedental GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ルートヴィヒ・ラクスバー
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト・ピエルニツキ
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−058616(JP,A)
【文献】 特表2009−523548(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0001948(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1462906(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/02 − A61C 1/04
A61B 17/00
H01H 13/16
H01H 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御デバイス(10)と通信する器具の少なくとも2つの異なる機能を制御するための前記制御デバイス(10)であって、
前記制御デバイス(10)は、少なくとも2つの異なる方法で作動するよう構成されたアクチュエーション要素(14)を備え、
前記制御デバイス(10)は、前記少なくとも2つの異なる方法によってキャリブレーションモードと作動モードで操作されるよう構成され、
前記キャリブレーションモードにおいて、前記アクチュエーション要素(14)前記少なくとも2つの異なる方法のうちいずれか1つの第1の方法によって、前記器具の少なくとも2つの異なる機能のそれぞれの機能を割り当て、
前記作動モードにおいて、前記アクチュエーション要素(14)前記少なくとも2つの異なる方法のうちいずれか1つの第2の方法によって、前記キャリブレーションモードにおいて割り当てられた前記器具の少なくとも2つの異なる機能のいずれか1つの機能を実行する、制御デバイス(10)
【請求項2】
前記キャリブレーションモードにおいて、前記アクチュエーション要素(14)の前記少なくとも2つの異なる方法のうちいずれか1つの第1の方法によって、前記器具の少なくとも2つの異なる機能のそれぞれの機能を割り当てることが、前記アクチュエーション要素(14)の作動によって達成される、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項3】
前記キャリブレーションモードにおいて、前記アクチュエーション要素(14)の前記少なくとも2つの異なる方法のうちいずれか1つの第1の方法によって、前記器具の少なくとも2つの異なる機能のそれぞれの機能を割り当てることが、前記制御デバイス(10)に対するユーザの足のポジショニングによって達成される、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項4】
前記制御デバイスは、前記アクチュエーション要素(14)をフローティングするように支持するベース要素(12)をさらに備える、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項5】
キャビティが前記ベース要素(12)と前記アクチュエーション要素(14)との間に定義され、複数のアクチュエーションセンサ(18a‐h)が前記キャビティ内に配列され、前記複数のアクチュエーションセンサ(18a‐h)が前記ベース要素(12)に向かう前記アクチュエーション要素(14)の動作となる前記アクチュエーション要素(14)の作動を検出するよう構成されている、請求項4に記載の制御デバイス(10)。
【請求項6】
前記アクチュエーション要素(14)は、ばね要素などの少なくとも1つのサポート要素(16a‐d)によりフローティングするように支持される、請求項4又は5に記載の制御デバイス(10)。
【請求項7】
前記ベース要素(12)は、実質的に平らな円の形状を有している、及び/又は前記アクチュエーション要素(14)は、実質的に上下が逆になった放射状に対称的な皿の形状を有する、請求項4又は5に記載の制御デバイス(10)。
【請求項8】
前記制御デバイス(10)は、ケーブルを介して及び/又はワイヤレスで前記制御デバイス(10)と通信する前記器具と接続される、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項9】
前記アクチュエーション要素(14)は、前記アクチュエーション要素(14)前記少なくとも2つの異なる方法が、作動面(14a)の2つの異なる位置でアクチュエーション要素(14)に力を加えることを含むよう構成された前記作動面(14a)を定義する、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項10】
前記制御デバイス(10)は、前記キャリブレーションモードと前記作動モードを同時又は交互に操作するよう構成される、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項11】
支持面に対して前記制御デバイス(10)のいくつかの動作を検出する手段をさらに備える、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項12】
前記支持面に対して前記制御デバイス(10)のいくつかの動作を検出する手段は、マウスボールを備える、請求項11に記載の制御デバイス(10)。
【請求項13】
前記制御デバイス(10)は、ユーザに前記制御デバイスが前記キャリブレーションモードで操作しているか前記作動モードで操作しているか及び/又はユーザに前記アクチュエーション要素(14)に割り当てられた前記異なる機能を視覚的に示す手段をさらに備える、請求項1に記載の制御デバイス(10)。
【請求項14】
前記視覚的に示す手段は、複数のアクチュエーションセンサ(18a‐h)の数と位置に対応する複数のLEDを備える、請求項13に記載の制御デバイス(10)。
【請求項15】
制御デバイス(10)と通信する器具の少なくとも2つの異なる機能を制御するための前記制御デバイス(10)を操作する方法であって
キャリブレーションモードにおいて、前記器具の少なくとも2つの異なる機能を、アクチュエーション要素(14)を作動する少なくとも2つの異なる方法のうちいずれか1つの第1方法によって割り当てること前記制御デバイス(10)をキャリブレートするステップ、及び
作動モードにおいて、前記アクチュエーション要素(14)前記少なくとも2つの異なる方法のいずれか1つの第2の方法によって、前記キャリブレーションモードにおいて割り当てられた前記器具の少なくとも2つの異なる機能のいずれか1つの機能を実行するよう前記制御デバイス(10)と通信する前記器具を制御するステップ、
を含む、方法
【請求項16】
前記器具の少なくとも2つの異なる機能は、前記アクチュエーション要素(14)の作動によって前記アクチュエーション要素(14)を作動する前記少なくとも2つの異なる方法に割り当てられる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御デバイス、特に医療用又は歯科用の機器若しくは器具の操作及び制御のためのフット制御デバイスに関する。さらに、本発明は、その制御デバイスを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科又は医療の専門家及び医師は、フット制御システムによって、制御された多くの器具を使用している。例えば、手術の切開器具、内視鏡ツール、洗浄及び吸引ツール、歯科用ドリル及び他のハンドピース、超音波歯科用シーラー、及び歯石除去ユニットは、フット制御システムによって作動することができる。フット制御システムは、一般的に医師が容易に届く範囲内で床に置かれたフット制御デバイス又はスイッチを含む。フットスイッチは、歯科/医療器械を作動するために使用され、フットスイッチと通信する操作ベースユニットを含むことができる。フットスイッチは、一般的に“ハードワイヤード”システムでコネクタケーブルによりベースユニットに接続されている。あるいは、コネクタケーブルを使用しない、リモートの、“ワイヤレス”フットシステムが、いくつかの例におけるベースユニットを作動するよう使用することができる。フレキシブルな、器具ケーブルは、歯科/医療器具、例えば、歯科ハンドピースとベースユニットを接続する。歯科医師又は医師は、自分の足でフットスイッチを押すことによって、ベースユニットとそれに接続された歯科/医療器具を作動する。
【0003】
いくつかの従来のフットスイッチは、マルチポジションまたはマルチオペレーションスイッチと呼ばれており、言い換えれば、それらと通信する器具の1以上の機能を制御又はトリガーすることができるスイッチである。オペレータは、フットスイッチのペダルを特定の位置へ押し下げる、そしてこの動作が歯科/医療器具を特定のモードで作動させる。特定の作動モードは、フットスイッチペダルの位置に基づいている。例えば、2つの位置のフットスイッチによって、歯科医は、水が患者の歯を洗浄するためのハンドピースを通って流れるように、ペダルを第1の位置まで押し下げることができる。次に、フットスイッチのペダルは、クリーニングスプレー剤が歯をクリーニングするためのハンドピースを通って流れるように、第2の位置に押し下げることができる。
【0004】
フット制御システムは、いくつかの利点を提供する。第一に、フットスイッチデバイスは使用することが簡単であり、効率が良い。歯科/医療の専門家又は医師は、自分の足でフットスイッチを単に押し下げるだけで、フットスイッチと通信する器具と任意の方法でベースユニットを作動することができる。第二に、歯科医/医師の手は、フットスイッチデバイスを作動している間、自由になる。医師は、このようにして、患者を治療している間、他の器具及び付属品を扱うことができる。したがって、医師は、必要な医療/歯科処置を行うことにさらに集中することができる。
【0005】
フットスイッチデバイスは、幅広い様々な構成を有することができる。例えば、WO2007/084605号公報は、歯科又は医療の器具を作動させるためのフットスイッチデバイスが開示されている。フットスイッチデバイスは、ベースプレート、ベースプレートに取り付けられた中央筐体、筐体に設けられた上部の可動カバー、及びカバーが筐体に対して上方及び下方に移動することができる間、筐体上のカバーを保持するための上部のカバーに取り付けられた接続カラーを含む。中央筐体は、器具に第1の信号を送信するための第1の電気スイッチと、器具に第2の信号を送信するための第2の電気スイッチを有する。オペレータは、自分の足で上部のカバーを押し下げて、スイッチメカニズムをアクティブにして歯科又は医療の器具の作動を制御する。
【0006】
欧州特許出願公開第1462906号明細書は、フットスイッチデバイス又はレギュレータ、特に歯科用機器を開示している。フットレギュレータは、フットレギュレータの制御している一部が半径方向に回転される及び/又は変位させられるのみならず、回転及び/又は変位を検出する手段に関連するベース部分を有する。さらに、フットレギュレータは、レギュレータの瞬時位置を検出する手段、この位置に関連する相対移動を検出する手段と同様に位置及び/又は移動を検出するための検出可能な参照手段を備え、位置及び/又は移動を検出するための検出可能な参照手段は、格子構造の形態を有する、パターン、ダイアグラム又はエレベーションによって形成されている。欧州特許出願公開第1462906号明細書は、さらに、歯科機器を制御する方法を開示しており、制御は、既知のゼロポイントに対してフットレギュレータの瞬時位置の読み取り又は検出に基づいて行われる。制御は、1以上のレギュレータリングの回転及び/又は半径方向の変位により行われる。
【0007】
上記のみならず、1以上の操作モードを提供する他の従来のフットスイッチデバイス、即ち、それと通信する器具の1以上の機能をアクティブにすることができることは、以下の欠点がある。多くの場合、地面の上に立っている又は椅子に座っている歯科/医療の専門家又は医師は、例えば、調べるべき部位の異なる視野を得るため又は患者の別の身体の部分を調べるために、患者に対して自分の位置を変更しなければならないであろう。そうするためには、多くの場合において、歯科/医療の専門家は、床上の特定の位置に配置されたフットスイッチに対して自分の位置もまた変更するであろう。また、フットスイッチにより制御されるいくつかの歯科/医療器具又は機器を操作することを可能にするため、歯科/医療の専門家は、自分の現在の位置からアクセスできるようにフットスイッチの位置を調節しなければならないであろう。多くの場合、歯科/医療の専門家は、自分の足を使って床に沿ってフットスイッチを“ドラッギング”することによりこれを達成している。そうするために、ほとんどの場合、歯科/医療の専門家が、フットスイッチにより提供される全体の機能にアクセスできるようにフットスイッチの相対角度位置を手動で調節するため、歯科/医療の専門家に関連するフットスイッチの相対角度位置は、しばしば変更されるであろう。フットスイッチに対して歯科/医療の専門家が自分の位置を変更するたびにフットスイッチの相対角度位置を調整しなければならないことは、面倒であり、患者から歯科/医療の専門家の注意をそらすものである。
【0008】
本発明の目的は、改良された制御デバイス、特に上記で概説された欠点を有さないフットスイッチデバイスを提供することである。さらに、本発明の目的は、このような改善された制御デバイスを操作する方法を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2007/084605号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第1462906号明細書
【発明の概要】
【0010】
上記目的は、本発明の第一の態様に係る、制御デバイスと通信する器具の少なくとも2つの機能を作動するための請求項1に係る制御デバイスにより達成される。制御デバイスは、少なくとも2つの異なる方法において作動されるよう構成されたアクチュエーション要素を備える。制御デバイスそれ自体は、キャリブレーションモードと作動モードで操作され、キャリブレーションモードで少なくとも2つの機能の各機能がアクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの異なる方法に割り当てられ得るように、そして作動モードでアクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの異なる方法のいずれか1つでキャリブレートされた制御要素のアクチュエーション要素の作動が、アクチュエーション要素を作動するそれぞれの方法に割り当てられた機能を作動する、即ちトリガーするようになっている。本質的には、キャリブレーションモードにおいて、制御デバイスは、ユーザに対するその相対的な(角度)位置を決定する。
【0011】
好ましい実施形態によると、キャリブレーションモードにおいて、少なくとも2つの機能の各機能を、アクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの異なる方法に割り当てることが、作動されるべきアクチュエーション要素によって達成される。あるいは、少なくとも2つの機能の各機能を、アクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの異なる方法に割り当てることが、制御デバイスに対するユーザの足をポジショニングすることによって達成される。
【0012】
好ましくは、制御デバイスは、ベース要素とアクチュエーション要素との間でキャビティが定義されるようにアクチュエーション要素をフローティングするように支持するベース要素を備えている。好ましくは、複数のアクチュエーションセンサがキャビティ内に配列され、そして複数のアクチュエーションセンサは、ベース要素に向かうアクチュエーション要素の動作を引き起こすアクチュエーション要素の作動を検出するよう構成されている。好ましい実施形態によると、アクチュエーション要素は、ベース要素上に配置される少なくとも1つのサポート要素、例えば、ばね要素によって、ベース要素までフローティングするように支持される。好ましくは、ベース要素は実質的に平らな円の形状を有している及び/又はアクチュエーション要素は、実質的に上下が逆になった放射状に対称的な皿の形状を有している。
【0013】
制御デバイスは、ケーブルによって及び/又はワイヤレスで制御デバイスと通信する器具に接続することができる。
【0014】
好ましい実施形態によると、アクチュエーション要素は、アクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの方法が作動面の2つの異なる位置でアクチュエーション要素に力を加えることを含むよう構成された作動面を備える又は定義している。
【0015】
制御デバイスは、同時に又は交互にキャリブレーションモードと制御モードで操作するよう構成され得る。
【0016】
好ましくは、制御デバイスは、支持表面に対する制御デバイスのいくつかの操作を検出する手段をさらに備えており、好ましくは床表面と転がり接触されるよう構成されたマウスボールを備えている。
【0017】
好ましい実施形態によると、制御デバイスは、制御デバイスがキャリブレーションモード又は制御モードのどちらで操作しているのかをユーザに視覚的に示すための手段及び/又はアクチュエーション要素に割り当てられる異なる機能をユーザに視覚的に示すための手段をさらに備える。好ましくは、視覚的に示すための手段は、複数のアクチュエーションセンサの数と位置に対応する複数のLEDを備える。
【0018】
本発明の第二の態様に係る、制御デバイスと通信する器具の少なくとも2つの異なる機能を制御するための制御デバイスを操作する方法が提供される。方法は、キャリブレーションモードにおいて、少なくとも2つの異なる機能を、アクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの異なる方法に割り当てられることによってキャリブレーションを行うステップ、及び制御モードにおいて、アクチュエーション要素の作動によってキャリブレーションモードで定義された少なくとも2つの異なる機能の少なくとも1つを実行するよう制御デバイスと通信する器具を制御するステップ、を含む。好ましくは、少なくとも2つの異なる機能が、アクチュエーション要素の作動によってアクチュエーション要素を作動する少なくとも2つの異なる方法に割り当てられる。
【0019】
本発明の更なる利点及び特徴は、追加の従属請求項で定められる及び/又は以下の詳細な説明と添付図面の参照によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は本発明に係る制御デバイスの好ましい実施形態の上面断面図を示す。
図2図2図1のA−A線に沿った本発明に係る制御デバイスの好ましい実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、上記で概説された発明の異なる態様を定義することによってさらに詳細に記載されるであろう。そのように定義されたそれぞれの態様は、明確に反対に示されない場合を除いて、任意の他の態様又は複数の態様と組み合わされてもよい。特に、好ましい又は有利であると示されるいくつかの特徴が、好ましい又は有利であると示された任意の他の特徴又は複数の特徴と組み合わされてもよい。
【0022】
本発明に係る制御デバイス10の好ましい実施形態は、図1図2に示される。特に医療又は歯科の機器若しくは器具を制御するためにユーザの足によって操作され得る、制御デバイス10は、ベース要素12とアクチュエーション要素14を備えている。図1に示される平面断面図からわかるように、この好ましい実施形態に係る制御デバイス10は、図2に示される中心対称軸Sに対して実質的に円形で、放射状に対称的な形状を有している。ベース要素12は、実質的に平らな円形の形状を有しており、アクチュエーション要素14は、実質的に逆さまになった皿の形状を有している。図2からわかるように、アクチュエーション要素14の上面は、作動面14aを定義する。必要に応じて、ベース要素12の底面は、ベース要素12を保持して、それにより、制御デバイス10を床上の場所に保持することを容易にするよう滑り止めの、ゴムバッキングを備える。
【0023】
ベース要素12とアクチュエーション要素14は、好ましくは、アクチュエーション要素14がベース要素12によってフローティングするように支持されるように、4つのサポート要素16a‐d、例えば、ばね要素の手段によって接続される。このフローティング構成では、アクチュエーション要素14は、例えば、アクチュエーション要素14の作動面14aに力を加えるユーザの足によって、ベース要素12に向かって押し下げることができる。一度この力が加えられなくなると、アクチュエーション要素14は、サポート要素16a‐dのバイアススプリングにより働く復元力によってそのデフォルト位置に戻るであろう。図1に示される平面図からわかるように、好ましい実施形態では、4つのサポート要素16a‐dは、制御デバイス10の中心対称軸Sの周りに対称的に配置される。しかしながら、本発明によると、当業者は4つより多く又は少ないサポート要素だけでなくサポート要素の異なる配置が可能であることも理解するであろう。さらに、当業者は、ばね要素以外の手段が同様にアクチュエーション要素14を支持するようにサポート要素として使用することができることを理解するであろう。
【0024】
図2からわかるように、ベース要素12とサポート要素16a‐dによるアクチュエーション要素14のフローティングサポートにより、ベース要素12とアクチュエーション要素14との間にキャビティが定義される。複数のアクチュエーションセンサ18a‐hが、アクチュエーション要素14のいくつかの作動をセンシングするため、例えばベース要素12に向かってアクチュエーション要素14のいくつかの実質的な動きをセンシングするために、ベース要素12とアクチュエーション要素14との間に定義されたキャビティ内に配設される。好ましくは、アクチュエーションセンサ18a‐hは、それらの周辺端部の近くのベース要素12に配置される。図1に示す平面図からわかるように、好ましい実施形態では、8つのアクチュエーションセンサ18a‐hは、制御デバイス10の中心対称軸Sの周りに対称的に配置される。好ましくは、各アクチュエーションセンサ18a‐hは、バイアスされた、例えば、それぞれのばね要素の手段によって延長された位置に、引き込み式ピンを備えている。この延長された位置では、各アクチュエーションセンサ18a‐hのピンの先端は、好ましくは、アクチュエーション要素14の底面に対して密着している又はほぼ接している。例えば、図2に示される実施形態では、各センサ18a‐hの各ピンの先端は、アクチュエーション要素14の底面によって定義された環状の出っ張り、即ち肩部14bにほぼ接している。さらに、アクチュエーション要素14は、ベース要素12とアクチュエーション要素14との間に定義されたキャビティ内にいくつかのほこりや汚れの蓄積を防止するため、円周の、環状のスカート部14cを備えることができる。
【0025】
当業者が理解するように、アクチュエーション要素14の作動面14aにユーザが加える力によるアクチュエーション要素14の作動は、力を加える正確な位置に応じてアクチュエーション要素14の底面とのそれらの接する関係のためにアクチュエーションセンサ18a‐hの少なくとも1つの、いくつかの、又はすべてのピンが、アクチュエーション要素14の底面が延長された位置からそれらの引き込んだ位置に向かって移動させられるという効果を有するであろう。したがって、この動作は、少なくとも1つの、いくつかの、又はすべてのアクチュエーションセンサ18a‐hによって検出される又は登録されるであろう。この方法におけるアクチュエーションセンサ18a‐hのアクティブ化は、アクチュエーションセンサ18a‐dによって供給される作動信号を処理するため、そして制御デバイス10と通信する器具に生成された制御信号を通信するために、制御デバイス10と通信する器具及び/又は制御デバイス10の内部制御ユニット(図示なし)と通信することができる、対応作動信号をトリガーするであろう。
【0026】
当業者は、好ましい実施形態に対応する上記のアクチュエーションセンサ18a‐hの数、構成及び配置と異なる構成を有する、異なる数の異なるよう配設されたアクチュエーションセンサも同様に使用できることがわかるであろう。例えば、本発明によると、アクチュエーションセンサは、アクチュエーション要素の作動がアクチュエーションセンサによって検出された異なる磁場を生成し、対応作動信号をトリガーするように、アクチュエーション要素の中に又は上に配置された磁気要素によって作り出された磁場を検出するよう構成されている。
【0027】
本発明によると、制御デバイス10は、2つのモード、即ち一方ではキャリブレーション又はゲージモードと他方では作動又は制御モードを操作するよう構成されている。基本的に、キャリブレーション又はゲージモードにおいて、制御デバイス10は、ユーザに対するその相対(角度)位置を決定するよう構成されており、それに応じてそれ自身をキャリブレートする。当業者は、これらの2つの異なる操作モードの詳細が、多くの異なる方法で制御デバイス10により実行可能であることを、以下の詳細な記載から理解するであろう。例えば、本発明のある実施形態によると、制御デバイス10は、アクチュエーション要素14の適切な作動によってキャリブレーション又はゲージモードから作動又は制御モードに変更するよう構成され得る。あるいは、本発明のさらなる実施形態によると、制御デバイス10は同時に両方のモードで操作でき、制御デバイス10のキャリブレーションがアクチュエーション要素14を作動する第1の方法を用いて、例えばアクチュエーション要素を5秒以上押し下げることによって達成され、制御デバイス10の作動がアクチュエーション要素14を作動する第2の異なる方法を用いて、例えばアクチュエーション要素14を5秒未満押し下げることによって達成される。次に1つの好ましい実施形態が図1図2のコンテキストに記載されるであろう。
【0028】
好ましくは、作動又は制御モードにおいて、制御デバイス10は多機能スイッチ、例えば、制御デバイス10と通信する器具の多数の機能を制御する、即ちトリガーすることができるスイッチとして機能しており、制御デバイス10と通信する器具の異なる機能が、個々のアクチュエーションセンサ18a‐h又は隣接するアクチュエーションセンサ18a‐hのグループに割り当てられ、特定のアクチュエーションセンサ18a‐hの位置又は近くでその作動面14aによってアクチュエーション要素14を作動することが、このアクチュエーションセンサ又はこのアクチュエーションセンサが属するアクチュエーションセンサのグループに割り当てられた機能をトリガーするようになっている。例えば、図1図2に示される好ましい実施形態において、8つのアクチュエーションセンサ18a‐hのうち4つ、例えば、アクチュエーションセンサ18a‐dは、第1の機能に割り当てられることができる一方で、8つのうち4つの他のアクチュエーションセンサ、例えば、アクチュエーションセンサ18e‐hが制御デバイス10と通信する器具の第2の機能に割り当てられることが可能であり、制御デバイス10によって制御されるよう割り当てられることができる。言い換えれば、ユーザがアクチュエーション要素14の作動面14aに力を加えることで、アクチュエーションセンサ18a‐dによって定義される半円形領域のある場所でアクチュエーションセンサ18a‐dの少なくとも1つの、いくつかの、又はすべてのピンを作動することが、これらのアクチュエーションセンサ18a‐dに割り当てられる第1の機能をトリガーするであろう。同様に、ユーザがアクチュエーション要素14の作動面14aに力を加えることで、アクチュエーションセンサ18e‐hによって定義される半円形領域のある場所でアクチュエーションセンサ18e‐hの少なくとも1つの、いくつかの、又はすべてのピンを作動することが、これらのアクチュエーションセンサ18e‐hに割り当てられる第2の機能をトリガーするであろう。上記したように、第1と第2の機能が制御デバイス10によって制御された1つの器具の2つの異なる機能に関連することができる。あるいは、第1と第2の機能が制御デバイス10と通信して、制御デバイス10によって制御される第1の器具と第2の器具の操作に関連することができる。
【0029】
キャリブレーション又はゲージモードにおいて、制御デバイス10は、ユーザに対するその相対(角度)位置を決定し、アクチュエーションセンサ18a‐hのそれぞれに特定の制御機能を割り当てるように構成されている。そのようにアクチュエーションセンサ18a‐hを制御デバイス10によって制御されるよう特定の機能に割り当てることは、ユーザとの対話を必要とする。好ましくは、制御デバイス10のキャリブレーション又はゲージモードにおいて、それらの円形端の近くのアクチュエーション要素14の作動面14aにユーザの足で力を加えることによりベース要素12に向かってアクチュエーション要素14を押し下げることは、以下に記載される好ましいキャリブレーションメカニズムによると、アクチュエーションセンサ18a‐hを特定の機能、即ち制御デバイス10のキャリブレーションにそのように割り当てることにつながるであろう。あるいは、制御デバイス10は、ユーザの足の位置、例えば上記したアクチュエーション要素14の作動面14aのユーザの足の配置のみによって、制御デバイス10がキャリブレートできるように(例えば、ユーザの足とのその相対的な位置が決定されて、特定の制御機能がそれに応じてアクチュエーションセンサ18a‐hに割り当てられ得るように)、ユーザの足の位置(及び/又は動作)を検出するための更なるセンサを備えることができる。
【0030】
好ましい実施形態によると、図1図2に示される制御デバイス10は、デュアルファンクションスイッチ、即ち制御デバイス10と通信する器具の少なくとも2つの異なる機能を制御できるスイッチとして機能する。ユーザが図1の平面図における2つのアクチュエーションセンサとの間に位置するポジションで、例えば、アクチュエーションセンサ18aと18bとの間に位置する、クロスによって図1に示される例示のポジションL1で、それらの円形先端の近くのアクチュエーション要素14の作動面14aに力を加える場合、アクチュエーション要素18a‐hは、以下のように異なる器具の機能に割り当てられる、即ちキャリブレートされるであろう。図1の平面図でポイントL1から制御デバイス10の中心を通り抜ける概念的なラインLの片側に位置されるアクチュエーションセンサは、制御デバイス10と通信する器具の第1の機能に割り当てられる一方で、この概念的なラインLの反対側に位置されるアクチュエーションセンサがそれらの第2の機能に割り当てられるであろう。例えば、図1に示される実施形態では、アクチュエーションセンサ18aと18f‐hが制御デバイス10と通信する器具の第1の機能に割り当てられる一方で、アクチュエーションセンサ18b‐eは、それらの第2の機能に割り当てられるであろう。ユーザは、図1の例示の実施形態での概念的なラインLが2つのアクチュエーションセンサを通り抜けるように、直接上記のアクチュエーションセンサに力を加えるであろう見込みがほとんどない場合、これらのアクチュエーションセンサの1つは、制御デバイス10と通信する器具の第1の機能が割り当てられ得て、他の1つがそれらの第2の機能に割り当てられ得る。
【0031】
当業者は、8つのアクチュエーションセンサ18a‐hの放射状の対称的な配列が、好ましい例示の実施形態に対応することを理解するであろう。本発明は、多かれ少なかれアクチュエーションセンサが実装されているだけでなくアクチュエーションセンサを異なる配列で実装している。例えば、図1に示される実施形態における場合のように、アクチュエーションセンサの配列が平面視における1つのアクチュエーションセンサと制御デバイスの中心を通って延びる任意の概念的なラインが、別のアクチュエーションセンサを通って延びないように本発明に従って実装できる。さらに、当業者は、本発明によると、上記と同様のキャリブレーションメカニズムが、制御デバイス10と通信する器具の2以上の機能をそれらのアクチュエーションセンサ18a‐hに割り当てるように使用できることがわかるであろう。例えば、力を加えるポイントと制御デバイス10の中心を通って延びる第1の概念的なラインだけでなく、それに垂直であって、またそれによって制御されるべき器具の4つの異なる機能に対応する制御デバイス10の4つのクォーターセクションを定義するための制御デバイスの中心を通って延びる第2の概念的なラインを使用することが可能である。
【0032】
一度制御デバイス10がキャリブレートされると、例えば上記された好ましいキャリブレーションメカニズムを用いて、特定の好ましい実施形態に係る制御デバイス10は、キャリブレーション又はゲージモードではなく、制御又は作動モードで操作するであろう。例えば、図1に示されるように、即ちポジションL1でアクチュエーション要素14の作動面14aに力を加えることによってキャリブレートされて、そしてそれによってアクチュエーションセンサ18aと18f‐hを制御デバイス10と通信する器具の第1の機能に割り当てられて、アクチュエーションセンサ18b‐eをそれらの第2の機能に割り当てられる制御デバイス10において、図1の平面視での概念的なラインLの“左側”のユーザの視点からアクチュエーション要素14の作動面14aに力を加えることが、制御デバイス10と通信する機器の第1の機能をトリガーすることにつながる一方で、図1の平面視での概念的なラインLの“右側”のアクチュエーション要素14の作動面14aに力を加えることは、制御デバイス10と通信する器具の第2の機能をトリガーすることにつながる。
【0033】
すでに上記したように、本発明の別の好ましい実施形態に係る制御デバイス10は、両方のモード、例えば、一方でキャリブレーション又はゲージモードと、他方で制御又は作動モードで操作でき、同時に、制御デバイス10のキャリブレーションが、アクチュエーション要素14を作動する第1の方法を用いて、例えば、作動面14aの任意の位置でアクチュエーション要素14を5秒以上押し下げることによって達成され、制御デバイス10の作動は、アクチュエーション要素14の作動面を作動する第2の異なる方法を用いて、例えば、アクチュエーション要素14を5秒未満押し下げることによって達成される。当業者は、これらの別の実施形態ではまた、上記のようなキャリブレーションと作動メカニズムが、制御デバイス10内に実装され得ることは理解するであろう。例えば、図1におけるL1がマークされたアクチュエーション要素14の作動面14aの位置で5秒以上力を加えることは、好ましくは、図1の平面視でポイントL1から制御デバイス10を通って延びる概念的なラインLの“左側”に配置されているアクチュエーションセンサ、例えば、アクチュエーションセンサ18aと18f‐h、を制御デバイス10と通信する器具の第1の機能に割り当てることになり、そしてこの概念的なラインLの“右側”に配置されているアクチュエーションセンサ、例えば、アクチュエーションセンサ18b‐e、をそれらの第2の機能に割り当てることになる。そのような方法で制御デバイス10をキャリブレートしてから、図1の平面視での概念的なラインLの“左側”のアクチュエーション要素14の作動面14aで5秒未満力を加えることは、制御デバイス10と通信する器具の第1の機能をトリガーするようになっており、一方で図1の平面視での概念的なラインLの“右側”のアクチュエーション要素14の作動面14a上で5秒未満力を加えることは、制御デバイス10と通信する器具の第2の機能をトリガーすることになっている。アクチュエーション要素14の作動面14aで5秒以上力を加えることは、例えば、上記した好ましいキャリブレーションメカニズムによると、制御デバイスの別のキャリブレーションとなるであろう。
【0034】
好ましい実施形態において、制御デバイス10が一方ではキャリブレーション又はゲージモードと、他方では制御又は作動モードを交互に操作する場合、制御デバイス10は、好ましくは制御デバイス10がユーザに対するその位置を変えず、それからその角度位置を変えない限り制御又は作動モードに保たれるよう構成される。この目的を達成するために、これらの好ましい実施形態における制御デバイス10は、さらに好ましくは制御デバイス10の位置のいくつかの変化を検出する手段を備える。これらの手段によって検出された制御デバイス10の位置のいくつかの実質的な変化は、キャリブレーション又はゲージモードに移行するであろう。制御デバイス10の位置の変化を検出するための好ましい手段は、コンピュータマウスボールのように実質的に機能するベース要素12内で回転可能に支持された少なくとも1つのボールを備える。しかしながら、当業者は、制御デバイス10の位置のいくつかの変化を検出するために使用できる様々な他の手段、例えば、光学式コンピュータマウスに使用される赤外線レーザーダイオード又は任意の他のモーションセンサなどを十分理解できる。
【0035】
好ましい実施形態では、制御デバイス10が一方ではキャリブレーション又はゲージモードで、他方では制御又は作動モードで交互に操作する場合、制御デバイス10は、さらに制御デバイス10が現在キャリブレーション又はゲージモードで操作しているか制御又は作動モードで操作しているかどうかをユーザに視覚的に示す手段を備えることができる。好ましくは、それぞれのLEDがアクチュエーションセンサと対応するように、ベース要素12上のアクチュエーションセンサ18a‐hの位置と対応して整列される位置でアクチュエーション要素14の作動面14aに複数のLEDが備えられる。これらのLEDは、ユーザがベース要素12とアクチュエーション要素14との間に定義されたキャビティ内に配置されたセンサ18a‐hの位置を決定することを可能にするだけでなく、制御デバイス10が現在キャリブレーション又はゲージモードで操作しているか制御又は作動モードで操作しているかどうかを示すことを可能にする。例えば、キャリブレーション又はゲージモードでは、制御デバイス10は、制御デバイス10が未だキャリブレーションを行っておらず、キャリブレーションの準備ができていることをユーザに示すためにすべてのLEDが一定の間隔で同時に点滅するよう構成されてもよい。さらに上記された好ましいキャリブレーションメカニズムによる制御デバイス10のキャリブレーションを行った後、図1においてL1がマークされたアクチュエーション要素14の作動面14aの例示的な位置で力を加えることによって、ポイントL1から制御デバイス10の中心を通る図1の平面視で延びる概念的なラインLの“左側”に置かれるアクチュエーションセンサ、即ち、アクチュエーションセンサ18aと18f‐hが、制御デバイス10と通信する器具の第1の機能に割り当てられ、この概念的ラインLの“右側”に置かれるセンサ、即ち、アクチュエーションセンサ18b‐eが、それらの第2の機能に割り当てられ、概念的なラインLの“左側”に置かれるアクチュエーションセンサ、即ちアクチュエーションセンサ18aとセンサ18f‐hに対応するLEDが、この概念的なラインLの“右側”に置かれたアクチュエーションセンサ、即ちアクチュエーションセンサ18b‐eと対応するLEDと異なる時間的パターンに従って光を放つ。例えば、アクチュエーションセンサ18aと18f‐hに対応するLEDとアクチュエーションセンサ18b‐eに対応するLEDは、光パルスを交互に放ってもよく、又はLEDのこれらのグループの1つが絶えず光を放ってもよく、その一方でLEDの他のグループが光を放っていない。制御又は作動モードでの制御デバイス10のそのような構成は、ユーザが制御デバイス10と通信して、制御デバイス10によって制御される器具の様々な機能をトリガーするため、彼又は彼女が作動しなければならないアクチュエーション要素14の作動面14aの部分を見つけるのに役立つ。
【0036】
この発明の制御デバイス10は、心電図検査機、X線機器、手術用切断器具、内視鏡や腹腔鏡ツール、血液分析装置、診断ツール、歯科用椅子、歯科用イリガートル、歯科用エアーポリッシングと予防システム、歯科用ドリル、歯内と歯周のハンドピース、及び他の歯科用器機などの様々な器具の操作を制御するよう使用されてもよい。
【0037】
好ましくは、制御デバイス10は、ワイヤレス、リモート制御システムで歯科/医療器具を操作するよう使用される。そのようなシステムにおいて、制御デバイス10は、ラジオ周波数(RF)信号を、信号を受信する歯科/医療用器具のオプションのベースユニットにおけるRFレシーバに送信する、トランスミッタ又はトランシーバを含んでもよい。例えば、識別コード、機器の状態、アラームメッセージなどを含むワイヤレス情報は、そのようなRFトランシーバを使用して制御デバイス10と歯科/医療用器具との間を行ったり来たりして送られてもよい。RFシステム以外の、ワイヤレス通信システムが使用されてもよいことがわかる。例えば、赤外線又は超音波通信システムを使用することができる。
【0038】
あるいは、本発明に係る制御デバイス10は、ハードワイヤードシステムにおける歯科/医療用器具を操作するよう使用されてもよい。そのようなシステムにおいて、制御デバイス10は、制御デバイス10から延びるコネクタケーブルによって歯科/医療用のオプションのベースユニットへ接続される。制御信号は、制御デバイス10又はそのオプションの制御ユニットからコネクタケーブルを介して歯科/医療用器具又はそのオプションのベースユニットに送信される。
【0039】
上記で詳細に記載されたような本発明は、これらが変更してもよいように記載された、特定のデバイス、使用、及び技法に限定されるものではない。例えば、本発明はフットスイッチの好ましい実施形態の文脈の上記に記載されているが、ユーザの手などの他の手段によって操作されたスイッチを有利に利用できる。また、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであることを理解すべきであり、特許請求の範囲によってのみ限定されるであろう本発明の範囲を限定することを意図していません。別段の規定がない限り、使用されるすべての技術用語および科学用語は、本明細書中で、一般的に当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。
【0040】
本明細書および文脈上特に断りがない限り、以下の特許請求の範囲を通して、用語“備える”と、バリエーションの“有する”と“含む”は、いくつかの他の整数又はステップ、若しくは整数又はステップのグループを除外するのではなく、定まった整数又はステップ、若しくは整数又はステップのグループを含むことを意味すると理解されるであろう。
【0041】
いくつかの文献が本明細書のテキスト全体に引用されている。本明細書に引用される各文献(全ての特許、特許出願、科学出版物、製造者の仕様書、器具等)は、上記または下記のいずれにせよ、それらの全体における参照によって本明細書に援用される。本明細書は、発明が先行発明によってそのような開示に先行する権利を与えないことを認めると解釈されることはない。
図1
図2