特許第5907977号(P5907977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5907977基板の表面をコーティングする装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5907977
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】基板の表面をコーティングする装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/00 20060101AFI20160412BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20160412BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20160412BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   C23C14/00 B
   C23C16/44 J
   H01L21/205
   H01L21/31 B
   H01L21/31 D
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-534204(P2013-534204)
(86)(22)【出願日】2011年10月21日
(65)【公表番号】特表2013-544967(P2013-544967A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】EP2011005322
(87)【国際公開番号】WO2012052182
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2013年8月2日
(31)【優先権主張番号】102010049017.2
(32)【優先日】2010年10月21日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502239900
【氏名又は名称】ビューラー アルツェナウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Buehler Alzenau GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】イェンス エルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】エメリッヒ マンフレート ノヴァク
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス カスパリ
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0085121(US,A1)
【文献】 特開平11−354495(JP,A)
【文献】 特開2007−297704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00
C23C 16/44
H01L 21/205
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングプロセス中に基板(20)を収容する処理室(2)と、
コーティング粒子(19)を発生させる粒子源(3)と、を備える、基板(20)の表面(21)をコーティングする装置(1)であって、
前記処理室(2)の内室(17)内に遮蔽格子(10,10′)が設けられていて、該遮蔽格子(10,10′)は、前記粒子源(3)と、前記処理室(2)の、前記内室(17)に向いた表面(5,5′)との間に配置されていて、かつ開口(14)を有し、該開口(14)は、コーティング粒子(19)の平均直径よりも大幅に大きいが、前記表面(5,5′)からの堆積物(6)の剥離によって生じる鱗状片(7)よりも小さく設定されており、
前記剥離した鱗状片(7)は、前記遮蔽格子(10,10′)と前記表面(5,5′)との間の空間(12)において下方に落下することを特徴とする、基板の表面をコーティングする装置。
【請求項2】
前記遮蔽格子(10,10′)は、平面状の構造を有する、請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
前記遮蔽格子(10,10′)は、前記表面(5,5′)に対してほぼ平行に配置されている、請求項2記載の装置(1)。
【請求項4】
前記遮蔽格子(10,10′)は、前記表面(5,5′)に対して間隔をおいて配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項5】
前記遮蔽格子(10,10′)と前記表面(5,5′)との間の間隔(13)は、2〜10mmである、請求項4記載の装置(1)。
【請求項6】
前記遮蔽格子(10)は、前記粒子源(3)と、前記処理室(2)の前記内室(17)に向いた、前記処理室(2)の内壁(5)との間に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項7】
前記遮蔽格子(10′)は、前記処理室(2)の前記内室(17)内に位置する平面状の遮蔽装置(4′)の、前記粒子源(3)に向いた表面(5′)上に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項8】
前記遮蔽格子(10,10′)はスペーサ(11,11′)を用いて前記表面(5,5′)に固定されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項9】
前記装置(1)は、前記遮蔽格子(10,10′)と前記表面(5,5′)との間において集められた剥離した堆積物(7)を収容する捕集室(24)を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項10】
前記遮蔽格子(10,10′)は、展伸格子から成っており、該展伸格子は、該展伸格子のウェブ(15)が該展伸格子の平面に対して傾けられているように、成形されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項11】
基板(20)の表面(21)をコーティングする方法であって、
コーティングプロセス中に処理室(2)内に基板(20)を収容し、
粒子源(3)を用いてコーティング粒子(19)を発生させ、
前記粒子源(3)と、前記処理室(2)の、前記内室(17)に向いた表面(5,5′)との間に配置された遮蔽格子(10,10′)と、前記表面(5,5′)との間の領域に、コーティング粒子(19)を進入させ、
前記表面(5,5′)から剥離した堆積物(6)を、前記遮蔽格子(10,10′)と前記表面(5,5′)との間の領域において前記遮蔽格子(10,10′)を用いて、捕捉し、
前記剥離した堆積物(6)より生じる鱗状片(7)は、前記遮蔽格子(10,10′)と前記表面(5,5′)との間の空間(12)において下方に落下することを特徴とする、基板の表面をコーティングする方法。
【請求項12】
前記遮蔽格子(10)を展伸格子として形成し、該展伸格子は、該展伸格子のウェブ(15)が該展伸格子の平面に対して傾けられるように、成形されている、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部に記載した、基板の表面をコーティングする装置及び方法、すなわち、コーティングプロセス中に基板を収容する処理室と、コーティング粒子を発生させる粒子源と、を備える、基板の表面をコーティングする装置及び方法に関する。
【0002】
光学及び光電子工業における基板表面のコーティングは、典型的には、化学蒸着法(CVD)及び/又は物理蒸着法(PVD)を用いて行われ、このような蒸着法では、単数又は複数の粒子源において、粒子蒸気又はガスである所望のコーティング材料が生ぜしめられ、基板表面に析出される。コーティングプロセスは通常、処理室内において真空下又は保護ガス雰囲気において行われる。コーティングプロセス中にコーティング材料は基板表面に析出され、そこで所望のコーティング層を形成する。しかしながらコーティング材料の一部は、コーティング室の壁や、コーティング室内における別の遮蔽装置に達し、回避不能な不都合な堆積物を形成する。コーティング装置の運転時間が長くなるに連れて、堆積物の層厚さは増大し、堆積物は終にはその内部応力に基づいて剥離又は剥落する。このような場合に、コーティングされる基板表面が汚染されるおそれがあり、これにより、欠陥のあるコーティング層及び/又は基板材料の破損が発生することがあり、ひいては廃棄物が増える。
【0003】
このような問題を回避するために、コーティング室の内室における、粒子蒸気にさらされる表面(室壁、遮蔽装置等)を、特別な方法(例えばラフビーム(Raustrahlen)、プラズマコーティング)によって前処理することが公知であり、これにより、堆積するコーティング材料の特に良好な固着を保証し、かつ剥離を阻止することができる。さらに、場合によっては剥離するコーティング粒子が、コーティングすべき基板表面から遠ざけられるように、遮蔽装置を位置決め及び形成することも、試みられた。しかしながら両解決策は、不十分であることが判明している。
【0004】
ゆえに本発明の課題は、コーティングプロセス中における基板汚染のおそれが減じられるように、基板表面のコーティング作業を改善することである。
【0005】
この課題は、独立請求項に記載された特徴的な構成によって解決される。
【0006】
すなわち、前記課題を解決する本発明による装置では、コーティングプロセス中に基板を収容する処理室と、コーティング粒子を発生させる粒子源と、を備える、基板の表面をコーティングする装置において、前記処理室の内室内に遮蔽格子が設けられていて、該遮蔽格子は、前記粒子源と、前記内室に向いた表面との間に配置されていて、かつ開口を有し、該開口は、蒸気粒子の平均直径よりも大幅に大きいが、前記表面からの堆積物の剥離によって生じる鱗状片よりも小さく設定されている。
【0007】
また前記課題を解決する本発明による方法では、基板の表面をコーティングする方法において、コーティングプロセス中に処理室内に基板を収容し、粒子源を用いてコーティング粒子を発生させ、前記粒子源と、前記内室に向いた表面との間に配置された遮蔽格子の間の領域に、コーティング粒子を進入させ、前記表面から剥離した堆積物を、前記遮蔽格子と前記表面との間の領域において前記遮蔽格子を用いて、捕捉するようにした。
【0008】
本発明の他の好適な変化形は、従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明によれば、処理室の内室内には、好ましくは平面状の遮蔽格子が設けられていて、この遮蔽格子は、コーティングすべき基板を、堆積したコーティング材料が集まる表面に対して遮蔽する。遮蔽格子は、堆積したコーティング材料が集まる表面の前に配置されていて、粒子源(例えばスパッタターゲット)から生ぜしめられたガス状又は蒸気状のコーティング材料が、遮蔽格子の開口を通って、遮蔽格子の後ろに位置する表面に達し、そこで堆積できるように、配置されている。遮蔽格子の開口は、剥離する堆積物が遮蔽格子を通って逃げることができないように、そして遮蔽格子と対応する表面との間に押し留められ、そこから所望のように排出され得るように、寸法設定されている。開口は、蒸気粒子の平均直径よりも大幅に大きく、つまり少なくとも2倍の大きさの内幅を有しているが、表面からの堆積物の剥離によって生じる鱗状片よりも小さく寸法設定されている。
【0010】
このようにして、剥離した堆積物は、コーティングすべき基板から確実に遠ざけられ、その結果基板表面の汚染は効果的に回避される。
【0011】
遮蔽格子は好ましくは、処理室の内壁の選択された領域の前に、及び/又は処理室内に設けられた遮蔽金属薄板の前に配置されている。別の遮蔽格子は直に、つまり遮蔽金属薄板を迂回して、処理室に設けられた別の部材、機器等の壁に配置することができる。
【0012】
保護装置を可能な限りコンパクトに構成するために、遮蔽格子は好ましくは、遮蔽すべき表面に対してほぼ平行にかつ僅かな間隔をおいて延在している。遮蔽格子と遮蔽すべき表面との間には、スペースが存在し、このスペース内には剥離した堆積物を集めることができ、もしくはこのスペースを通して剥離した堆積物を排出することができる。このスペースの高さは、典型的には2〜10mm、好ましくは約5mmである。安定した構造を保証するために、遮蔽格子は好ましくは、スペーサを用いて対応する表面に固定されている。
【0013】
本発明の好適な構成では、コーティング装置は捕集室を有し、この捕集室内に、表面から剥離した堆積物が集められ、これによってこれらの堆積物は一緒に除去することができる。
【0014】
本発明による、基板の表面をコーティングする方法では、
コーティングプロセス中に処理室内に基板を収容し、
粒子源を用いてコーティング粒子を発生させ、
前記粒子源と、前記処理室の内室に向いた表面との間に配置された遮蔽格子の間の領域に、コーティング粒子を進入させ、
前記表面から剥離した堆積物を、前記遮蔽格子と前記表面との間の領域において前記遮蔽格子を用いて、捕捉する。
【0015】
遮蔽格子は好ましくは、少なくとも部分的に、展伸格子から、特にエキスパンデッドメタルから成っている。公知のように展伸格子は、表面に開口を備えた材料であり、この場合開口は、ずらして入れられた切込みと、薄板を同時に展伸変形させることによって生ぜしめられる。開口は本発明によれば、一方ではガス状又は蒸気状の粒子がエキスパンデッドメタルを通って、その後ろに位置する壁に達することができるが、他方では、場合によっては壁から剥離した堆積物がもはやコーティング領域内に戻ることができないような、寸法を有する。開口は好ましくは0.05mm〜5mmの内幅、特に好適には0.1mm〜1mmの内幅を有する。このようになっていると、剥離した材料を、コーティングすべき基板から特に確実に遠ざけることができる。展伸格子、特にエキスパンデッドメタルは、簡単かつ安価に製造可能である。エキスパンデッドメタル製の遮蔽格子は、消耗品として形成されていてもよいし、又はサンドビームによってクリーニングして、再び使用されてもよい。エキスパンデッドメタルのための材料としては、例えば合金鋼又は非鉄金属が挙げられ、これらの合金鋼又は非鉄金属は、表面処理されていても、かつ/又はコーティングされていてもよい。
【0016】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1a】遮蔽格子を有する遮蔽装置と内壁とを備える、基板をコーティングする装置を示す断面図である。
図1b図1aに示した装置の、図1aにおいて一点鎖線で示した部分1bにおける内壁領域を、拡大して示す図である。
図2】エキスパンデッドメタルとして形成された遮蔽格子を示す平面図である。
【0018】
図面において、互いに対応するエレメントは同一符号で示されている。図面は、本発明の1実施形態を略示するものであって、本発明の特殊なパラメータを再現するものではない。さらに図面は単に、本発明の好適な1実施形態を説明するためのものであり、図示の実施形態が本発明の保護範囲を狭めるというように解釈すべきものではない。
【0019】
図1aには、スパッタリングプロセスによって基板20の表面21をコーティングする装置1が、断面図で示されている。コーティング装置1は処理室2を有し、この処理室2の内室17には、コーティングのために使用される蒸気状のコーティング粒子19を生ぜしめる単数又は複数の粒子源3が配置されている。蒸気粒子19は例えば化学蒸着法(CVD)によって生ぜしめることができ、この場合複数のガス状の出発材料が互いに反応して、粒子19を所望の化学組成で生成することができる。さらに、蒸気粒子19は、物理蒸着法(PVD)によっても生ぜしめることができる。この場合蒸気粒子19内にレーザビームを用いて、磁気によって変向されたイオン又は電子が、アーク放電等によって、コーティング材料から成るターゲットから叩き出され、処理室2を通って移動して、該処理室2の内部において基板2及び/又は他の表面5,5′において堆積し、そしてこの基板20及び/又は他の表面5,5′において層が形成される。コーティングプロセスは真空内において行われ、従って処理室2の壁4には、真空ポンプ26用の接続部25が設けられている。
【0020】
基板20は例えば、フォーマットの大きいガラス基板であってよく、このようなガラス基板にはコーティング装置1内において、ソーラアプリケーション用の多層システム22が設けられる。基板20は供給装置30に載置されて、粒子源3から生ぜしめられた、蒸気状のコーティング粒子19の流れを横切るように案内され、この際に、基板20の、粒子源3に向けられた表面21がコーティングされる。図1aの実施形態では、供給装置30は回転可能なコンベヤローラ31によって形成され、これらのコンベヤローラ31は、基板20を、処理室2を通して移動させるために、モータ(図示せず)によって駆動される。
【0021】
基板表面21における(所望の)粒子堆積の他に、蒸気粒子19は特に処理室2の内壁5にも堆積する。コーティング装置1の連続運転時に、これらの内壁5に集められた堆積物6は、大きな層厚に達し、鱗状片(Schuppen)7として剥離する(図1b参照)。これらの鱗状片7は典型的には、扁平なプレートの形をしているが、コンパクトな粒もしくはブロックとして生じることもある。鱗状片7のサイズ8は、典型的には、1/10mm〜数mmの間であり、従って鱗状片7は、粒子源3によって生ぜしめられた蒸気粒子19に比べて大幅に大きい。鱗状片7が基板20に達し、基板20及び/又は該基板20に被着されたコーティング層22の汚染を惹起することを、阻止するために、処理室2の内壁5の選択された領域9(又は全面)には、遮蔽格子10が設けられている。この遮蔽格子10は、内壁5に対してほぼ平行に延びていて、つまり内壁5の輪郭に追従しており、スペーサ11を用いて壁4に固定されているので、遮蔽格子10と内壁5との間には幅13の空間12が形成される。
【0022】
遮蔽格子10は、エキスパンデッドメタルから成っている。エキスパンデッドメタルは、金属薄板又はプラスチック製の平面状材料であって、複数の開口14を備え、これらの開口14は、複数の切込みをずらして形成しかつ出発金属薄板を伸ばし変形させることによって、生ぜしめられる。遮蔽格子10として使用するために、エキスパンデッドメタルは好ましくは、薄い鋼板から又は非鉄金属製の金属薄板から成っている。エキスパンデッドメタルは、表面処理され、かつ/又は表面コーティング層を備えていてよい。
【0023】
図2には、ウェブ(接続部片)15の間に形成された菱形の開口14を備える、エキスパンデッドメタル製の遮蔽格子10が平面図で示されている。開口14の幅16及び高さ16′は、蒸気粒子19の平均直径よりも大幅に大きいが、堆積物からの剥離によって生ぜしめられる鱗状片7よりも小さい。これにより、粒子源3から室壁5に向かって送られた蒸気粒子19(図1bにおける矢印18参照)は、大きな障害なしに遮蔽格子10を通過することができる。しかしながら内壁5の堆積物6から剥離した鱗状片7は、壁5と遮蔽格子10との間の空間12において捕捉され、遮蔽格子10の反対側に位置する、処理室2の内室17の領域内に逃げることができない(ひいては基板20の汚染を回避することができる)。重力によって鱗状片7は、壁5と遮蔽格子10との間の空間12において、下方に向かって捕集室24に落下し、この捕集室24から鱗状片7は排出することができる。空間12の幅13は、典型的には数mmであり、つまり中空室12は、壁表面5から剥離した鱗状片7が妨げられることなく下方に向かって捕集室24内に達することができるのに、十分な幅を有する。
【0024】
蒸気粒子19を、可能な限り妨げられることなく、遮蔽格子10と壁4との間の空間12内に進入させるために、エキスパンデッドメタルは、そのウェブ15が、図1bに示すように、遮蔽格子10の平面に対して傾けられているように、成形されていてよい。さらにエキスパンデッドメタルは、遮蔽格子10の固有剛性を高めるために、剛性を高める構造(押込み成形部等)を備えていてよい。
【0025】
蒸気粒子19は、基板表面21及び室壁5に堆積するのみならず、保護されずに粒子流にさらされるすべての表面5′において堆積する。コンベヤローラ31及びその軸受32を、コーティング粒子19の流れに対して遮蔽するために、基板20の側部に位置する、コンベヤローラ31の領域は、金属薄板製の遮蔽装置4′によって保護されており、このような遮蔽装置4′は、蒸気粒子がこの領域内に達して供給装置30の機能を損なうことを阻止する。これらの遮蔽装置4′においても、コーティング運転においてコーティング材料の堆積物6が集まり、これらの堆積物6は、剥離して基板20に達することがある。基板20のこのような汚染を回避するために、遮蔽装置4′にも同様にエキスパンデッドメタル製の遮蔽格子10′が設けられており、これらの遮蔽格子10′はスペーサ11′を用いて遮蔽装置4′に固定されている。
【0026】
追加的に、処理室2内に存在するその他の組込み装置、機器等にも遮蔽格子が設けられていてよく、これらの遮蔽格子は、組込み装置、機器等の外壁に直に固定されていても、又は所属の遮蔽装置に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 コーティング装置、 2 処理室、 3 粒子源、 4 壁、 4′ 遮蔽装置、 5 表面(内壁)、 5′ 表面、 6 堆積物、 7 鱗状片、 8 サイズ、 9 領域、 10,10′ 遮蔽格子、 11 スペーサ、 12 空間、 13 幅、 14 開口、 15 ウェブ、 16 幅、 16′ 高さ、 17 内室、 18 内室、 19 蒸気粒子(コーティング粒子)、 20 基板、 21 基板表面、 22 多層システム、 24 捕集室、 25 接続部、 26 真空ポンプ、 30 供給装置、 31 コンベヤローラ、 32 軸受
図1a
図1b
図2