(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908021
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】ワイヤレス電気通信ネットワークにおける隣接セルの自己設定および最適化
(51)【国際特許分類】
H04W 16/18 20090101AFI20160412BHJP
【FI】
H04W16/18
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-99699(P2014-99699)
(22)【出願日】2014年5月13日
(62)【分割の表示】特願2012-248121(P2012-248121)の分割
【原出願日】2007年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-161113(P2014-161113A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2014年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】513144419
【氏名又は名称】アンワイヤード プラネット エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】モエ、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】カリン、ヘラルド
【審査官】
石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2005/101890(WO,A1)
【文献】
国際公開第2007/010304(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0252377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信セルを定めるワイヤレス通信システムにおける方法であって、前記複数の通信セルの中では非一意性セルアイデンティティ及び一意のセルアイデンティティが送信され、
前記方法は、
移動局から、第1の通信セルにサービスを提供する無線基地局に通信するステップと、
前記無線基地局から前記移動局に対し、前記複数の通信セルの中の第2の通信セルの一意のセルアイデンティティを取得する要求を送信するステップ(111)と、
前記移動局において、前記要求に応答して前記第2の通信セルの前記一意のセルアイデンティティを取得するステップ(115)と、
前記移動局から前記無線基地局に、取得した前記第2の通信セルの前記一意のセルアイデンティティを前記第1の通信セルの無線基地局に報告するステップ(117)と、を含み、
前記第2の通信セルの前記一意のセルアイデンティティは、前記第2の通信セル内で、前記第2の通信セルの非一意性セルアイデンティティよりも低い頻度で送信され、各々の非一意性セルアイデンティティは物理層アイデンティティであり、各々の一意のセルアイデンティティは物理層アイデンティティではない、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記要求を送信するステップに先行して行われる、
前記移動局において、前記第2の通信セルの非一意性セルアイデンティティを決定するステップ(101)と、
前記移動局から前記無線基地局に、前記第2の通信セルの前記非一意性セルアイデンティティを報告するステップ(103)と、を含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記移動局において、前記第2の通信セルに対するパラメータ測定値を決定するステップと、
前記移動局から前記無線基地局に、測定情報を前記非一意性セルアイデンティティと共に報告するステップと、をさらに含み、
前記パラメータ測定値には、信号強度測定値、信号品質測定値、およびタイミング情報のうちの1つ以上が含まれる、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、
前記第2の通信セルは、前記第1の通信セルに隣接する、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、
前記無線基地局において、前記第2の通信セルの前記一意のセルアイデンティティと、前記第2の通信セルにサービスを提供する無線基地局のネットワークアドレスとのマッピングをルックアップマップの中で見つけることにより、トランスポート接続を確立するステップをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記ネットワークアドレスはIPアドレスである、方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、
前記無線基地局において、前記第2の通信セルを隣接セルリストに追加するステップをさらに含む、方法。
【請求項8】
複数の通信セルを定めるワイヤレス通信ネットワークであって、前記複数の通信セルの中では非一意性セルアイデンティティ及び一意のセルアイデンティティが送信され、
前記ネットワークは、
ネットワーク資源と、
少なくとも1つの移動局とを備え、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法を実行するよう動作可能な、ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおける隣接セルの自己設定および最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
添付図面の
図1はワイヤレス電気通信ネットワークを示している。ここで、このワイヤレス電気通信ネットワークにより多くの通信セル(A、B、C、D)が定められ、それぞれに無線基地局2がサービスを提供する。各通信セルは地理的範囲をカバーしており、多くのセルを組み合わせることで広い範囲をカバーすることができる。図示した移動端末4は、セルAにおいて通信中であり、システム1をあちこち移動できるものである。
【0003】
基地局2は多くの受信部と送信部とを備え、1または2以上のセルに無線カバーエリアを与えるものである。各基地局2はネットワーク「バックボーン(backbone)」、つまりコアネットワークインフラストラクチャ(図示せず)に接続されており、それにより基地局と他のネットワークとの間の通信が可能になっている。
図1のシステム例では、セルごとに1つの基地局が示されている。
【0004】
このようなネットワークにおける重要な概念として、セルと、そしてその隣接セルというものがある。電話中には移動端末4がセルの間を動き回るというのが典型的であり、あるセルからその隣接セルの1つへ、繰り返し移動する。ネットワーク1、移動端末4の両方にとって、セル間のハンドオーバを信頼性のあるものとするためには、既知の隣接セルのリスト、いわゆる「隣接セル集合(neighbour cell set)」というものが重要である。ネットワーク1は、移動端末ごとの隣接セル集合に関する情報を格納することができる。隣接セル集合を用いて、移動端末がセル境界を越える際、あるセルから別のセルへの移動端末の評価およびハンドオーバを行う。セル境界ははっきり決まっているものではなく、実際にはいくらかぼやけたものであり、基地局の範囲は互いに重複することになるということは、容易に了解されることであろう。
【0005】
既存のシステムにおいては、移動端末4は、周りから信号を受信することで、隣接セルに対するセルオペレーティングパラメータの検出および測定を行う。測定したオペレーティングパラメータは物理層識別子であるのが典型的であり、例えば、セルに対して一意に割り当てられるものではないスクランブルコード、信号強度、信号品質、タイミング情報がある。移動端末は、各隣接セルのオペレーティングパラメータを測定し、それをネットワーク1に報告する。ある隣接セルの品質が目下のサービス中のセルより良いと判断されると、サービス中のセルから選択した隣接セルへのハンドオーバをネットワークが実行する。そうして、隣接セルが移動端末に対してサービス中のセルになる。
【0006】
典型的にWCDMA(登録商標)(wideband code division multiple access:広帯域符号分割多元アクセス)システムにおいては、id(スクランブルコード)およびタイミング情報を決定するために、周辺セルからの共通パイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)送信を移動端末が検出する。
【0007】
モバイルがネットワークに隣接セル信号品質測定を報告する際には、セル各自のアイデンティティが重要になる。現在では、セルアイデンティティ(スクランブルコード)は複数のセルで再利用されるものである。アイデンティティを再利用するということは、サービス中のセルが隣接セルと同一のアイデンティティ情報を有することがあるため、セルが互いに区別がつかなくなる場合もあるということである。
【0008】
セルの物理層識別子は一意に決められるものではないため、近隣セル集合の導入および維持を完全に自動化することはできない。サービス中のセルと同一の非一意性識別子を用いる隣接セルが複数あるというコンフリクトを解消するには、人の手で作業を行うことが必要なのである。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、隣接セル集合の設計および維持のコストを削減することを目的とする。移動端末が追加作業を行い、無線ネットワークにおける隣接セルを一意的に識別することを要求し、アイデンティティを移動端末からネットワークに報告させる、というステップを追加することに基づく。本発明の実施形態は、人の手の介入を削減することを意図している。その方法は、オペレーションサポートシステムおよび基地局の一部として実施することも可能であり、またはRBSにおいてのみ実施することも可能である。この方法は、GSM(登録商標)、WCDMA(登録商標)、LTEのようなワイヤレス電気通信技術に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】セルラーワイヤレス電気通信ネットワークを示す。
【
図3】本発明の一観点を実施する方法のステップを示す。
【
図4】本発明の一観点を実施する方法のステップを示す。
【
図5】本発明の一観点を実施する方法のステップを示す。
【
図6】本発明の一観点を実施する方法のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
先行の解決手段の短所に対し、本発明は、移動体セルラーネットワーク内で隣接セル集合を維持する方法およびアーキテクチャを提供する。
【0012】
図2は、エアーインターフェース6を介して通信する移動端末4と基地局2とを示す概略図である。基地局2は、制御部22と、入力/出力(I/O)インターフェース24と、無線送受信部26と、アンテナ28とを備える。制御部は、エアーインターフェース6を通じて、送受信部26とアンテナ28とを介して移動端末と通信する。制御部22は、I/Oインターフェース24を介してその他の電気通信ネットワークとも通信する。
【0013】
移動端末4は、制御部42と、マンマシンインターフェース(MMI:man machine interface)44と、無線送受信部46と、アンテナ48とを備える。移動端末4の制御部は、エアーインターフェース6に通じる送受信部46とアンテナ48とを介した基地局2との通信を制御するようにはたらく。装置のユーザとのやり取りはマンマシンインターフェース44を用いて行われる。マンマシンインターフェース44としては、キーパッド、マイクロフォン、ラウドスピーカ、表示装置などが挙げられる。移動端末は、マシン対マシンのインターフェースしかもたない通信機器であってもよい。基地局および移動端末のかかる態様は、慣用にしたがって動作するように設計されるものである。
【0014】
しかしながら、本発明によって動作する基地局2および移動端末4は、
図3〜6を参照しながら以下で説明する本発明の方法を実行するようにしたものである。制御部、または装置における他の特定部、またはネットワーク1によって様々な機能単位を提供することができるということは了解されるところであろう。
【0015】
ここで、
図3〜6のフローチャートおよび
図2を参照しながら、本発明を実施する方法を説明する。
図3は、移動端末4が実行するステップを示している。この方法の第1のステップはステップ101であり、ここで移動端末4は周辺セルについてのパラメータ測定を決定する。次に、移動端末は測定情報を基地局に報告する(ステップ103)。
【0016】
図4を見ると、基地局2は移動端末4から測定情報を受信する(ステップ107)。ここで、測定情報は、移動端末4が検出したセルアイデンティティ(一意ではない)にそれぞれ関連している。以前は隣接セル集合のメンバではなかったセルアイデンティティからの測定が移動端末4からの情報に含まれている場合、移動端末4は一意のセルアイデンティティを検索することも要求されることがある(ステップ113)。一意のセルアイデンティティは、物理層アイデンティティよりもずっと頻度の低い周期で基地局から送信される。この情報を受信して復号するには、移動端末4はサービス中のセルとの通信を少しの間中断しなければならないこともある。一意のセルアイデンティティが検索されたら(ステップ115)、この情報をサービス中のセルへ送信する(ステップ117)。サービス中のセルが一意のセルアイデンティティを受信すると(ステップ119)、新しく発見された隣接セルを隣接セル集合へここで追加して(ステップ121)、その隣接セルへの送信接続を確立してもよい。いくつかの移動端末が新しい隣接セルを識別するセルラーネットワークでは、測定データに対して何らかのフィルタリングを行い、それにより、例えば移動端末4が飛行機のなかにあるなど、例外的な伝播条件の下で検出された遠くのセルを追加してしまうことを防ぐことが望ましい場合があることは明らかである。
【0017】
別の例においては、移動端末4は、基地局2へ一意のアイデンティティ情報を提供することが、その旨の命令を基地局2から受信する必要もなく可能である。
【0018】
図6を見ると、基地局2は一意のアイデンティティ情報を受信し(ステップ119)、それから隣接セル集合を更新する。このように、隣接セル集合は、そのセルについて一意のアイデンティティ情報を含んでおり、かかるセルは、移動端末4のハンドオーバのための候補セルである隣接セルとして判断されることとなる。
【0019】
一意のセル識別子(UCID:unique cell identifier)を利用するということは、隣接セルのアイデンティティに関して明白な情報があるということであり、それにより隣接セルに関する混同は解消される。ほとんどの測定について高速で必要な資源の量が少ない非一意性セルアイデンティティは、移動端末4のうちで資源を効率良く利用し、隣接セルへ急にハンドオーバするのを容易にするものである。新しい隣接セルが検出された場合、または一意でないセルアイデンティティと一意のセルアイデンティティとの間の関係の監査が適切であると思われる場合にのみ、移動端末4は、より扱いにくい一意のセル識別子を検索することを要求される。
【0020】
全てのセルの関係は連続的に評価可能である。この評価への入力は、移動端末の報告、移動端末のイベント、ネットワークのイベント、オペレータの入力である。評価の結果は、セル(またはセルの関係)は色々な性質を保持するであろうというものである。これを、セル(の関係)は色々な状態にあると見ることもできる。
【0021】
本発明の実施形態の主要な効果は、隣接セル集合を維持する処理に人の手が関与する必要性を解消するということである。オペレータは、隣接セルのことを完全に放って置くことにして、隣接セルを定めることはシステムに任せてしまうことが可能である。
【0022】
セルルックアップは、一意のセルアイデンティティ(UCID:unique cell identity)をそのセルを実現するノードのアドレスに対応付ける。例えば、LTEにおいては、通常DNSにあたり、セルアイデンティティをIPアドレスに対応付ける。するとIPアドレスは、セルを実現するRBSを指す。