特許第5908058号(P5908058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5908058焼灼規模を監視するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908058
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】焼灼規模を監視するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   A61B17/36 340
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-258573(P2014-258573)
(22)【出願日】2014年12月22日
(62)【分割の表示】特願2010-241881(P2010-241881)の分割
【原出願日】2010年10月28日
(65)【公開番号】特開2015-91346(P2015-91346A)
(43)【公開日】2015年5月14日
【審査請求日】2015年1月14日
(31)【優先権主張番号】12/607,268
(32)【優先日】2009年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513109016
【氏名又は名称】コビディエン エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ,ディー.ブラナン
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−000528(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0319434(US,A1)
【文献】 特開平02−185267(JP,A)
【文献】 特開平09−117456(JP,A)
【文献】 特開2001−037775(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/090484(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータソフトウェアにより、焼灼を受ける組織の温度を監視するためのシステムを自動的に操作する方法であって、前記方法は、
前記システムにより、組織の焼灼域を形成するために、電力源からマイクロ波アンテナへ、マイクロ波エネルギーを伝達するステップと、
前記システムにより、前記組織の焼灼域が形成する際に、前記マイクロ波アンテナと関連する反射力を監視するステップと、
前記システムにより、前記マイクロ波アンテナで所定の反射力に到達する場合、制御信号を前記電力源に伝えるステップと、
前記システムにより、前記電力源から前記マイクロ波アンテナへのマイクロ波エネルギーの量を調節するステップと、
前記システムにより、前記マイクロ波アンテナの接続器および内部ケーブルのうち1つと関連する線損失を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、前記システムにより、前記電力源と関連する記憶装置と操作的に連通する焼灼域の制御モジュールを設けるステップをさらに含み、前記記憶装置が、時間とともに変化する制御曲線に関連するデータを含む少なくとも1つのデータ参照表を含み、前記制御曲線が、前記マイクロ波アンテナと関連する少なくとも1つの電気的パラメータを表し、前記制御曲線に沿った点が、前記少なくとも1つの電気的パラメータの値および前記焼灼域の半径に対応し、
前記少なくとも1つの電気的パラメータの所定の閾値が測定される場合、前記焼灼域の制御モジュールが前記電力源に信号を送る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記焼灼域の制御モジュールを設けるステップが、前記システムにより、インピーダンス、電力、電圧、および電流から成る群から選択される少なくとも1つの電気的パラメータを提供するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記焼灼域の制御モジュールを設けるステップが、前記マイクロ波アンテナが焼灼された組織の近接場内にある場合、前記電力は、マイクロ波エネルギーの前記マイクロ波アンテナへの伝達の最中に、前記マイクロ波アンテナと関連する前記電力源により生成された反射信号と関連することを、前記システムにより条件付けるステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの制御アルゴリズムが、前記マイクロ波アンテナと関連する前記反射力を計算する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの制御アルゴリズムが、前記マイクロ波アンテナと関連する反射力に対応する反射力制御曲線に沿った点における微分係数を計算する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記微分係数が前記反射力信号の上昇部分および下降部分を示し、前記微分係数が前記反射力信号の上昇部分の最中に取られる場合、前記測定された反射力は正の値を割り当てられ、かつ、前記微分係数が前記反射力信号の下降部分の最中に取られる場合、前記測定された反射力は負の値を割り当てられ、前記反射力信号の正および負の値は、前記焼灼域の近接場内の前記マイクロ波アンテナおよび組織が、それぞれの定常状態条件または前記近接場内の前記マイクロ波アンテナと組織との間のインピーダンス整合にいつ近づくかを示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マイクロ波アンテナが、球形である焼灼域を生み出すように構成される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組織の焼灼処置で用いることができるシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、実時間における組織の焼灼処置の最中に焼灼規模を監視するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌等の疾患の治療において、特定の種類の癌細胞が昇温(健康細胞に通常は有害な温度よりわずかに低い温度)で変性することが分かっている。一般に温熱治療として知られるこうした種類の治療は、罹患細胞を41℃超過の温度に加熱するために電磁放射を典型的に利用し、一方で、不可逆的な細胞破壊が起こることのない、より低い温度に隣接する健康細胞を維持する。組織を加熱するために電磁放射を利用する処置としては、組織の焼灼を挙げることができる。
【0003】
マイクロ波焼灼処置、例えば、月経過多症に対して実施されるもの等の処置は、標的組織を焼灼し、その組織を変性または死滅させるために典型的に行われる。電磁放射療法を利用する多くの処置および多種の機器が、当該技術分野で知られている。このようなマイクロ波療法は、前立腺、心臓、および肝臓等の組織および器官の治療で典型的に用いられる。
【0004】
1つの非侵襲的処置は一般的に、マイクロ波エネルギーの使用を通じて、皮膚の下にある組織(例えば、腫瘍)の治療を伴う。マイクロ波エネルギーは、皮膚に非侵襲的に浸透し、下にある組織に達することができる。しかしながら、この非侵襲的処置は、健常組織の不要な加熱をもたらし得る。従って、マイクロ波エネルギーの非侵襲的使用は、多大な制御が要求される。
【0005】
現在、焼灼域の規模を監視するための何種かのシステムおよび方法がある。場合によっては、1種以上のセンサ(または他の適切な機器)が、マイクロ波焼灼機器と操作可能に関連付けられる。例えば、単極アンテナ構成を含むマイクロ波焼灼機器において、伸長したマイクロ波導体が、そのマイクロ波導体の端で露出したセンサと操作的に連通し得る。この種類のセンサは時々、誘電性の軸鞘により包囲される。
【0006】
典型的には、前述の種類の1つまたは複数のセンサは、マイクロ波焼灼機器が作動しない、すなわち、放射していない場合に機能する(例えば、電力源の出力を制御するための制御装置に帰還を提供する)ように構成される。つまり、前述のセンサは実時間で機能しない。典型的には、センサが、電力源を制御するように構成された制御装置および/または他の1つまたは複数の機器に帰還(例えば、組織温度)を提供している時に、電力源は電力が切れる(またはパルスが止まる)。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、実時間における焼灼規模を監視するためのシステムを提供する。当該システムは、1つ以上の制御アルゴリズムを実行するためのマイクロプロセッサを含む電力源を含む。マイクロ波アンテナは、焼灼域を形成するために、電力源から組織へマイクロ波エネルギーを運搬するように構成される。焼灼域の制御モジュールは、電力源と関連する記憶装置と操作的に連通する。当該記憶装置は、時間とともに変化する制御曲線に関連するデータを含み、かつ、マイクロ波アンテナと関連する1つ以上の電気的パラメータを表す、1つ以上のデータ参照表を含む。制御曲線に沿った点はその電気的パラメータの値に対応し、1つまたは複数の電気的パラメータの所定の閾値が焼灼域の半径に対応して測定される場合、焼灼域の制御モジュールが信号を引き起こす。
【0008】
本開示は、焼灼処置を実施するために構成された、電力源に接続するように適合されたマイクロ波アンテナも提供する。マイクロ波アンテナは、電力源から組織へマイクロ波エネルギーを運搬し、焼灼域を形成するように構成された放射部を含む。焼灼域の制御モジュールは、電力源と関連する記憶装置と操作的に連通する。当該記憶装置は、時間とともに変化する制御曲線に関連するデータを含み、かつ、マイクロ波アンテナと関連する1つ以上の電気的パラメータを表す、1つ以上のデータ参照表を含む。制御曲線に沿った点は1つまたは複数の電気的パラメータの値に対応し、少なくとも1つの電気的パラメータの所定の閾値が焼灼域の半径に対応して測定される場合、焼灼域の制御モジュールは信号を引き起こす。
【0009】
本開示は、焼灼を受ける組織の温度を監視するための方法も提供する。当該方法は、組織の焼灼域を形成するために、電力源からマイクロ波アンテナにマイクロ波エネルギーを伝達する最初のステップを含む。当該方法の一ステップとしては、組織の焼灼域が形成する際に、マイクロ波アンテナと関連する反射力を測定することが挙げられる。当該方法の一ステップとしては、マイクロ波アンテナで所定の反射力に到達する場合、制御信号を電力源に伝えることが挙げられる。電力源からそのマイクロ波アンテナへのマイクロ波エネルギーの量を調節することは、当該方法の別のステップである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による、焼灼規模を監視するためのシステムの斜視図である。
図2図1で描写されているシステムを伴う使用のための電力源の機能ブロック図である。
図3A】球形の構成を有する放射焼灼域を例示する、図1で描写されているマイクロ波アンテナの先端の略平面図である。
図3B】楕円形の構成を有する放射焼灼域を例示する、図1で描写されているマイクロ波アンテナの先端の略平面図である。
図4A】反射力(P)対時間(t)曲線のグラフ描写である。
図4B】対応する反射力(P)対焼灼半径(A)曲線のグラフ描写である。
図4C】反射力(P)対時間(t)曲線の微分係数(dP/dt)のグラフ描写である。
図5】本開示に従う、焼灼を受ける組織の温度を監視するための方法を例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の上述および他の態様、特徴、および利点は、以下の添付図面と併用すれば、以下の発明を実施するための形態に鑑みてより明白になるだろう。
【0012】
ここで開示されるシステムおよび方法の実施形態は、同様の参照番号が同様または同一の要素を特定する作図を参照して詳細に記載される。本明細書で用いられるように、かつ従来のように、用語「遠位(の)」は使用者から最も遠い部分を指し、用語「近位(の)」は使用者に最も近い部分を指す。加えて、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」などのような用語は、図の位置付けまたは構成部の方向を指し、描写の便宜のためにのみ用いられる。
【0013】
ここで図1を参照すると、焼灼規模を監視するためのシステムが10と指定されている。システム10は、電気外科的電力源、例えば、1つ以上の制御装置300、および、場合によっては、流体供給ポンプ40を含むか操作的に連通する、RFおよび/またはマイクロ波(MW)の発生器200に接続するように適合されるマイクロ波アンテナ100を含む。簡潔には、マイクロ波アンテナ100は、細長い心棒112と、細長い心棒112の内部に操作可能に配置された放射性または伝導性の部分または先端114とを有する導入器116、冷却鞘121を有する冷却組立体120、取手118、冷却流体供給装置122と冷却流体回帰装置124、および電気外科的エネルギーの接続器126を含む。接続器126は、マイクロ波アンテナ100を電気外科的電力源200、例えば、無線周波数エネルギーおよび/またはマイクロ波エネルギーの発生器または源に接続し、かつ、電気外科的エネルギーをマイクロ波アンテナ100の遠位部分に供給するように構成される。伝導性の先端114および細長い心棒112は、マイクロ波アンテナ100の近位端から延在し、かつ、心棒112の内部にかつ伝導性または放射性の先端114(例えば、図3Aを参照されたい)に隣接して動作可能に配置された放射部138に操作的に連結される内部伝導体の先端を含む内部同軸ケーブル126a(例えば、図3Aを参照されたい)を通じて、接続器126と電気的に連通する。当該技術分野では一般的であるように、内部同軸ケーブル126aは、誘電性材料と、内部伝導体の先端および誘電性材料のそれぞれを囲む外部伝導体とを含む。マイクロ波アンテナ100の近位端に配置された接続ハブ(図示せず)は、接続器126を内部同軸ケーブル126aに、かつ、冷却流体供給装置122と冷却流体回帰装置124を冷却組立部120に操作可能に連結する。伝導性の先端114を経由する(または、場合によっては、伝導性の先端114を有しない)放射部138は、(双極モードまたは単極モードのうち何れかの)無線周波数エネルギー、あるいは、(約500MHz〜約10GHzの周波数を有する)マイクロ波エネルギーを標的組織部位に運搬するように構成される。銅、金、銀、または、同様の伝導性値を有する他の伝導性金属を含むが、これらに限定されない適切な伝導性材料から、細長い心棒112および伝導性の先端114を形成することができる。代替的には、細長い心棒112および/または伝導性の先端114をステンレス鋼から構成することができ、あるいは、他の材料、例えば、金または銀等の他の伝導性材料で鍍金して、特定の特性を改善し、例えば、伝導性を改善し、エネルギー損失を減少させることなどができる。一実施形態では、伝導性の先端は、細長い心棒112から展開可能であり得る。1つの具体的な実施形態では、マイクロ波アンテナ100が、細長い心棒112と、非伝導性である先端114とを有する導入器116を含み得る。この場合、例えば、セラミック、プラスチックなどのような非伝導性材料から、先端114を作成することができる。
【0014】
図2を参照すると、発生器200の略ブロック図が例解されている。発生器200は、1つ以上のモジュール(例えば、焼灼域の制御モジュール332(AZCM332)、電力供給装置237、およびマイクロ波出力段238)を有する制御装置300を含む。この場合、発生器200はマイクロ波エネルギーの運搬に関して記載される。電力供給装置237は、DC力をマイクロ波エネルギーに変換し、そのマイクロ波エネルギーをマイクロ波アンテナ100の放射部138に運搬するマイクロ波出力段238にDC力を提供する。制御装置300は、AZCM332により提供された感知値を処理し、マイクロプロセッサ335を通じて発生器200および/または供給ポンプ40に送られる制御信号を測定するためのアナログ回路および/または論理回路を含み得る。制御装置300(または、当該制御装置と操作可能に関連する構成部)は、マイクロ波アンテナがエネルギーを放射している時に、マイクロ波アンテナ100と関連する反射力Pを示す、1つ以上の測定信号を受け入れる。
【0015】
制御装置300の1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332は、その測定信号を分析し、閾値の反射力P、例えば、Pr1が満たされているかどうかを判定する。その閾値の反射力Pr1が満たされている場合、その時、AZCM332、マイクロプロセッサ335、および/または制御装置は、マイクロ波出力段238および/または電力供給装置237を適宜に調節するように、発生器200に指示する。加えて、制御装置300は、マイクロ波アンテナ100および/または周囲の組織に対する冷却流体の量を調節するように、供給ポンプにも信号を送り得る。制御装置200は、揮発性型記憶装置(例えば、RAM)および/または不揮発性型記憶装置(例えば、フラッシュ媒体、ディスク媒体など)であり得る記憶装置336を有するマイクロプロセッサ335を含む。例解されている実施形態では、マイクロプロセッサ335は、開いたおよび/または閉じた制御ループ配列の何れかに従い、マイクロプロセッサ335が発生器300の出力を制御することを可能にする、電力供給装置237および/またはマイクロ波出力段238と操作的に連通する。マイクロプロセッサ335は、AZCM332により受信されるデータを処理するためのソフトウェア命令、および、制御信号を発生器300および/または供給ポンプ40に適宜に出力するためのソフトウェア命令を実行することができる。制御装置300により実行可能であるソフトウェア命令は、記憶装置336内に記憶される。
【0016】
発生器200により生成された信号(またはパルス)に関連する、1つ以上の電気的特性(例えば、電圧、電流、電力、インピーダンスなど)を監視および測定することができる。より具体的には、発生器200により生成された信号の前方部分および反射部分と関連する電気的特性が監視および測定される。例えば、1つの具体的な実施形態では、組織を焼灼するための信号の前方電力および反射電力、PおよびPはそれぞれ、AZCM332、制御装置300、マイクロプロセッサ337、あるいは、発生器200および/または制御装置300と関連する他の適切なモジュールにより測定される。
【0017】
組織の焼灼規模を予測するための1つ以上の制御アルゴリズムは、制御装置300により実行される。より具体的には、特定のマイクロ波アンテナ、例えば、マイクロ波アンテナ100と関連する反射力Pを、半径「r」を有する焼灼域「A」と相関させる概念を用い、組織の死滅または壊死を示すことができる。より具体的には、マイクロ波アンテナ100と関連する反射力Pは、温度増加により引き起こされた組織の複合的な浸透性の変化が原因で、焼灼周期にわたって変化する(例えば、図4Aおよび4Bを参照されたい)。図4Aで例解されている制御曲線により、時間の関数としての反射力Pの関係が表される。同様に、図4Bで例解されている制御曲線により、焼灼規模の関数としての反射力Pの関係が表される。図4Aおよび4Bで表される制御曲線は、マイクロ波アンテナ100、制御装置300、および/または発生器200を用いて実施される焼灼処置の最中に取り込まれた、モデル関数f(t)および反射力Pの既知の測定値に基づく。本開示に従い、図4Aおよび4Bで描写される制御曲線(および/または、それに数学的に関連する方程式)を利用し、特定の閾値の反射力P(例えば、反射力Pr1−ss)がtssを超えない特定の時間範囲内(例えば、t〜tss)にある時、すなわち、マイクロ波アンテナ100および焼灼された組織が定常状態条件にある時間を計算および/または検証することができ、例えば、図4Aまたは図4Bを参照されたい。マイクロ波アンテナ100および焼灼された組織が定常状態条件にある時の意義は、以下により詳細に記載される。
【0018】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、最初に、マイクロ波アンテナ100が加熱されていない組織内に挿入される場合、マイクロ波アンテナ100と組織との間にインピーダンスの不整合が存在する。このインピーダンスの不整合は、放射部118および/または伝導性の先端114のインピーダンスと整合しない、内部ケーブル126aと関連する50Ωのインピーダンスが原因である。インピーダンスの不整合は、焼灼処置の開始時に非零反射力Priを結果的にもたらす(例えば、図4Aおよび4Bを参照されたい)。焼灼処置の過程において、マイクロ波アンテナ100と組織との間の最適なインピーダンスの整合に到達するまで(2cmに等しい半径「r」を有する焼灼規模にある図4Bと組み合わせて、時間tに等しい時間における図4Aを参照されたい)、「近接場」内の組織は温まり、(非線形速度における)反射力Pの減少を結果的にもたらす(例えば、図4Aを参照されたい)。つまり、「近接場」内のマイクロ波アンテナ100および組織の合計のインピーダンスZは50Ωにほぼ等しい。「近接場」内のマイクロ波アンテナ100および組織は、少しの間この最適なインピーダンスのままである。時間tの後の時間において、近接場内のマイクロ波アンテナ100および組織は、(非線形速度における)その最適なインピーダンスの整合から発散する。最終的に、マイクロ波アンテナ100が最大の到達可能な温度に組織を加熱していた場合、対応する半径「r」(例えば、rss)を有する焼灼域「A」が形成される(例えば、図4Aおよび4Bと組み合わせて図3Aを参照されたい)。この最大温度において、焼灼された組織と関連する誘電定数および伝導度は、マイクロ波アンテナ100と関連する定常状態の反射力Prss(以後、単にPrssと呼ばれる)に対応する定常状態条件(この定常状態条件は、時間tssに起こる)に到達する。つまり、焼灼された組織がマイクロ波アンテナ100の「近接場」内にあるので、焼灼された組織が本質的にマイクロ波アンテナ100の一部となる。従って、焼灼された組織と関連する誘電定数および伝導度が定常状態条件に到達する時、マイクロ波アンテナ100での反射力Pも定常状態条件、例えば、図4AのPrssに到達する。
【0019】
上述したように、前述の制御アルゴリズムは、図4Aおよび4Bで例解されるモデル曲線を表す1つ以上のモデル関数f(t)を含む。モデル関数f(t)、図4Aおよび4Bで描写されるモデル曲線、および/または反射力Pの既知の測定値は、焼灼域の実時間監視を実現することができるように、反射力Pに関連する情報を得るために利用される。より具体的には、制御曲線のうち何れか(例えば、図4Aで例解される曲線)に沿った点における接線の勾配の測定結果は、その点における曲線の微分係数(dP/dt)に等しい。1つまたは複数の曲線に沿った特定の点における微分係数の計算結果は、反射力Pに関する情報を提供する。より具体的には、時間に対する反射力Pの変化率、より具体的には、反射力Pの変化率のベクトル量(すなわち、方向(正方向または負方向)およびその変化率の大きさ)が、図4A〜4Cで描写される1つまたは複数の制御曲線から計算される。時間に対する反射力Pに関連するこの変化率を利用して、例えば、反射力Pの上昇と下降とを区別することができる。より具体的には、図4Aおよび4Bで描写される制御曲線に沿った点は、反射力P、例えば、反射力Pr1およびPr3の値に対応し、これは、対応する時間t、例えば、時間tおよびtで半径「r」、例えば、半径rおよびrを有する焼灼域「A」に対応する。反射力の値、例えば、Pr1は、焼灼域の1つより多い半径、例えば、rおよびrに対応することに留意されたい。
【0020】
より具体的には、図4Aおよび4Bで描写される反射力Pの代表的な制御曲線は、焼灼処置の開始時において、初期値、例えば、Pを有する反射力Pを例解する。反射力Pがほぼ0に等しくなるまで、すなわち、「近接場」内のマイクロ波アンテナ100および組織の合計のインピーダンスが50Ωにほぼ等しくなる時、反射力Pは減少する。「近接場」内のマイクロ波アンテナ100および組織の合計のインピーダンスが50Ωに等しくない場合、時間tの後の時間に、反射力Pは増加する。従って、制御曲線に沿った反射力Pの測定値は、対応する半径「r」を有する1つ以上の焼灼域「A」を示す、反射力Pの1つ以上の数値を提供する。例えば、時間tにおける反射力Pの測定値、例えば、Pr1は、1cmにほぼ等しい半径rを有する焼灼域「A」に対応する(図4Aおよび4Bをまとめて参照されたい)。同様に、時間tにおける反射力Pの測定値、例えば、Pr1は、2.2cmにほぼ等しい半径rを有する焼灼域「A」に対応し、図4Aおよび4Bをまとめて参照されたい。
【0021】
本開示に従い、当該制御曲線に沿った選択点(例えば、半径rおよびrに対応する点、および/または、時間tおよびtに対応する点)で取られた微分係数の標本は、制御曲線に対する反射力Pの正確な位置(例えば、制御曲線の上昇部分または下降部分)に関連する情報を提供する。
【0022】
より具体的に、かつ例えば、図4Cで最良に見られるように、反射力Pの勾配が下がっているので、反射力PがPr1にほぼ等しい時間tにおける制御曲線に沿った点で取られた微分係数は負である。この場合、反射力Pr1を負の値を有すると考えてよく、かつ、負の値を割り当てられ、制御装置300および/または発生器200と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332に、反射力Pr1のこの値が半径rを有する焼灼域「A」を示しかつ対応することを示す。同様に、図4Cで最良に見られるように、反射力Pの勾配が増加しているので、反射力PがPr1にほぼ等しい時間tにおける制御曲線に沿った点で取られた微分係数の標本は正である。この場合、反射力Pr1を正の値を有すると考えてよく、かつ、正の値を割り当てられ、制御装置300および/または発生器200と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332に、反射力Pr1のこの値が半径rを有する焼灼域「A」を示しかつ対応することを示す。
【0023】
制御曲線上の点において取られた微分係数の計算結果を利用する制御アルゴリズムを実行することにより、焼灼域「A」の正確な規模を決定することが容易になる。つまり、制御装置300および発生器200と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332は、どの焼灼域の半径「r」、例えば、半径rまたはrが、反射力P、例えば、測定された反射力Pr1に対応するかを識別することができる。さらに、多数の焼灼域「A」が互いに隣接して配置される場合、焼灼域「A」の近接場における加熱されていない組織の組織インピーダンスは、反射力Prの測定値をもたらし得る。より具体的には、近接場における加熱されていない組織の組織インピーダンスは、わずかにより高くてもより低くてもよく(特定の隣接する焼灼域「A」に依存する)、これは、同様に、予想される以上に、反射力Pを焼灼処置の開始時により高くまたはより低くし得る。従って、初期の反射力PがPr4にほぼ等しい場合、制御曲線上の点で取られた微分係数の計算結果は、マイクロ波アンテナ100が加熱または焼灼された組織に隣接して配置されることを示す。つまり、Pr4という正の初期値は、反射力Pが増加しており、それ故、定常状態条件が近づいていることを示し、すなわち、微分係数の計算結果は、測定された反射力Pが制御曲線の上昇部分内にあり、かつ、反射力Pが0、すなわち、マイクロ波アンテナ100および近接場に隣接する組織に関連する合計のインピーダンスが50Ωにほぼ等しい制御曲線上の点に近づくことはないことを示す。
【0024】
例えば、球形(図3A)、半球形、楕円形(焼灼域が「A−2」と指定される図3B)などのような任意の適切な構成(例えば、幅「w」および長さ「l」)を有する焼灼域「A」を創出するように、本開示のマイクロ波アンテナ100を構成することができる(例えば、図3を参照されたい)。1つの具体的な実施形態では、マイクロ波アンテナ100が、球形(図3A)である焼灼域「A」を創出するように構成される。上述の通り、マイクロ波アンテナ100が「近接場」内にある組織を最大温度に加熱した場合、焼灼された組織と関連する誘電定数および伝導度は、マイクロ波アンテナ100と関連する定常状態の反射力Prssに対応する定常状態に到達する。焼灼された組織(すなわち、誘電定数および伝導度が定常状態条件にある焼灼された組織)を伴う、マイクロ波アンテナ100と関連するPrssを相関させることにより、焼灼域「A」の特定の規模(例えば、半径rss)および形状(例えば、球形)が示される。従って、マイクロ波アンテナ100と関連するPrssの測定値は、半径r、例えば、rssを有する焼灼域「A」に対応する。本開示の制御アルゴリズムは、特定の半径の特定のマイクロ波アンテナと関連する既知の定常状態の反射力を用い、焼灼域を予測する。つまり、特定のマイクロ波アンテナ、例えば、マイクロ波アンテナ100と関連する反射力P、例えば、Prss、および、対応する半径、例えば、rssは、1つ以上の参照表「D」内に編集され、記憶装置、例えば、記憶装置336内に記憶され、マイクロプロセッサ335および/またはAZCM332により呼び出し可能である。従って、特定のマイクロ波アンテナ、例えば、マイクロ波アンテナ100の測定された反射力がPrssに到達する時、制御装置300と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332は、マイクロ波アンテナ100に対する出力を適宜に調節するように制御装置200に命令する。この事象の組み合わせは、rssにほぼ等しい半径を有する焼灼域「A」を提供することになる。
【0025】
一実施形態では、与えられたマイクロ波アンテナ、例えば、マイクロ波アンテナ100に関しては、tssより前の時間、例えば、時間t〜tで反射力測定を開始することができる。この場合、マイクロ波アンテナ100と関連する反射力、例えば、Pr1〜Pr4を、焼灼域「A」の中心から測定される場合、半径r〜r(半径rと集合的に呼ばれる)を有する複数の同心焼灼域により画定される焼灼域「A」と相関させることができる。より具体的には、反射力Pr1〜Pr4および対応する半径「r」を、Prssおよびrssに関して上記のような方法で互いに相関させることができる(例えば、図4Aおよび4Bと組み合わせて図3Aを参照されたい)。この場合、特定の反射力、例えば、Pが満たされる場合、制御装置300と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332は、マイクロ波アンテナ100に対する出力を適宜に調節するように制御装置200に命令する。
【0026】
マイクロ波アンテナ100に関連する反射力Pは、与えられたマイクロ波アンテナにより変化し得るということに留意されたい。与えられたマイクロ波アンテナに対する特定の反射力Pに寄与し得る要因としては、マイクロ波アンテナと関連する寸法(例えば、長さ、幅など)、銅、銀などのような、マイクロ波アンテナ(またはそれと関連する部分、例えば、放射部)を作製するために用いられる材料の種類、および、放射部の構成(双極、単極など)、および/または、マイクロ波アンテナと関連する伝導性の先端(例えば、鋭い、鈍い、曲がったなど)が挙げられるが、これらに限定されない。与えられたマイクロ波アンテナに対する特定の反射力Pに寄与し得る他の要因としては、例えば、マイクロ波アンテナの種類(例えば、肺、腎臓、肝臓などを治療する際の使用のために構成されたマイクロ波アンテナ)、治療される組織の種類(例えば、肺、腎臓、肝臓、心臓など)、腫瘍の規模などを挙げることができる。
【0027】
AZCM332はマイクロプロセッサ335から分離したモジュールであってよく、あるいは、AZCM332はマイクロプロセッサ335を含んでよい。一実施形態では、マイクロ波アンテナ100上にAZCM332を動作可能に配置することができる。AZCM332は、1つ以上の制御モジュールおよび/または1つ以上のインピーダンスセンサ(図示せず)から情報を受信し、制御装置300および/またはマイクロプロセッサ335にその情報を提供する制御回路を含み得る。この場合、AZCM332、マイクロプロセッサ335、および/または制御装置300は、参照表「D」を呼び出し、特定の焼灼域、(例えば、半径rssを有する特定の焼灼域)に対応する、マイクロ波組立体100と関連する特定の反射力(例えば、Prss)が満たされていることを確認し、その後、マイクロ波アンテナに運搬されるマイクロ波エネルギーの量を調節するように発生器200に指示することができる。1つの具体的な実施形態では、マイクロ波アンテナ100と関連する記憶保存機器(図示せず)内に参照表「D」を保存することができる。より具体的には、参照表「D」を、マイクロ波アンテナ100の取手118および/または接続器126と操作的に関連する記憶保存機器内に保存することができ、マイクロプロセッサ335および/または記憶装置336内にダウンロードし、読み取り、保存し、その後、上記方法で呼び出して利用することができる。これは、特定のマイクロ波アンテナのために発生器200および/または制御装置300を再プログラムすることをなくすだろう。マイクロ波アンテナ100に関連する情報を含むように、記憶保存機器を構成することもできる。例えば、マイクロ波アンテナの種類、マイクロ波アンテナが治療するように構成される組織の種類、所望される焼灼域の種類などのような情報を、マイクロ波アンテナと関連する保存機器内に保存することができる。この場合、焼灼域「A」を創出するように構成されるマイクロ波アンテナ100のそれとは異なる焼灼域、例えば、焼灼域「A−2」を創出するように構成されたマイクロ波アンテナを伴う使用のために、システム10の発生器200および/または制御装置300を適合させることができる。
【0028】
図1〜4で例解されている実施形態では、発生器は流体供給ポンプ40に操作可能に連結されて示される。供給ポンプ40は、同様に、供給槽44に操作可能に連結される。実施形態では、マイクロプロセッサ335は、1つ以上の適切な種類のインターフェース、例えば、発生器200上に操作的に配置されたポート240を通じて供給ポンプ40と操作的に連通し、これにより、開いたおよび/または閉じた制御ループ配列の何れかに従い、マイクロプロセッサ335が供給ポンプ40からマイクロ波アンテナ100への冷却流体の出力を制御することが可能になる。制御装置300は、供給槽44からマイクロ波アンテナ100まで冷却流体の出力を制御するように供給ポンプ40に信号を送ることができる。このようにして、冷却流体42は自動的に、マイクロ波アンテナ100に循環され、供給ポンプ40に還流される。特定の実施形態では、臨床医は供給ポンプ40を手動で制御し、マイクロ波アンテナ100から周囲組織の中および/または付近へ冷却流体42を放出することができる。
【0029】
システム10の操作がここで記載される。次の記載では、接続器126および/またはケーブル126aと関連する損失は無視できるものであり、それ故、焼灼処置の最中にその焼灼域に隣接するマイクロ波アンテナ100の反射力を計算および/または決定する際に必要とされないことが想定される。最初に、マイクロ波アンテナ100は発生器200に接続される。1つの具体的な実施形態では、発生器200および/または制御装置300と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332は、アンテナ100と関連する保存機器からのデータ、例えば、マイクロ波アンテナの種類、治療されるべき組織の種類などを読み取り、および/またはダウンロードする。その後、マイクロ波アンテナ100を組織に隣接して配置することができる(図3A)。その後、組織を焼灼することができるように、発生器200を作動させ、マイクロ波アンテナ100の放射部138にマイクロ波エネルギーを供給することができる。組織の焼灼の最中に、マイクロ波アンテナ100において所定の反射力、例えば、Prssに到達する時、AZCM332はマイクロ波エネルギーを適宜に調節するように発生器200に指示する。前述の事象の順序では、AZCM332は実時間で機能し、適切な割合の均一な焼灼域(例えば、半径rssを有する焼灼域「A」)が、隣接する組織に対して最小の損傷を伴い、あるいは全く損傷を伴わずに形成されるように、焼灼域に対するマイクロ波エネルギーの量を制御する。
【0030】
図5を参照すると、焼灼を受ける組織の温度を監視するための方法400が例解されている。ステップ402では、発生器200からのマイクロ波エネルギーが、組織の焼灼部位に隣接するマイクロ波アンテナ100に伝達される。ステップ404では、マイクロ波アンテナと関連する反射力Pが監視される。ステップ406では、所定の反射力Pにマイクロ波アンテナ100で到達する時、検出信号が発生器200に伝えられる。ステップ408では、発生器200からマイクロ波アンテナ100へのマイクロ波エネルギーの量を調節することができる。
【0031】
前述の内容から、かつ、様々な作図を参照すると、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対して特定の修正を行うこともできることを十分理解するだろう。例えば、1つ以上の方向性結合器(図示せず)を、発生器200、制御装置300、および/またはAZCM332と操作的に関連付け、標本化出力信号(またはパルス)の前方電力、反射電力、および/または負荷電力の部分をAZCM332に向けるように構成することができる。より具体的には、方向性結合器は、発生器200により生成された前方信号および反射信号(またはパルス)の標本を提供する。1つ以上の適切な方程式を使用する従来のアルゴリズムにより測定された前方信号および反射信号から、生成された出力信号の電力、大きさ、および位相を取得または計算することができる。
【0032】
出力パルスのエネルギーの値またはパラメータ(例えば、電力、電圧、電流、インピーダンス、大きさ、または位相)は、発生器200の出力において有効であることに留意されたい。つまり、上で示唆したように、接続器126および/または内部ケーブル126aは、伝達線損失を含む場合がある。従って、マイクロ波アンテナ100に運搬され、および/または、反射して発生器200に戻るエネルギーの値またはパラメータのより正確な解釈および/または測定を得るために、接続器126および/または内部ケーブル126aと関連する実際の伝達線損失を知る必要があるだろう。従って、一実施形態では、接続器126および/または内部ケーブル126aの損失情報を決定し、その後、記憶装置336内に記憶され、例えば、較正モジュール(600)、または後で使用するための他の適切なモジュール(例えば、AZCM332)等の1つ以上のモジュールにより呼び出すことができる。任意の適切な機器および/または方法により、接続器126および/または内部ケーブル126aの損失情報を決定することができる。例えば、ネットワーク分析器602を通じて、接続器126および/または内部ケーブル126aの損失情報を決定することができる。1つの具体的な実施形態では、ネットワーク分析器602は発生器200の一体部分(例えば、較正モジュール600の一部)であり得、あるいは代替的に、ネットワーク分析器602は発生器200と操作的に連通する別個の手持ち式機器であり得る。ネットワーク分析器602を用い、接続器126および/または内部ケーブル126aの診断試験を実施することができる。ネットワーク分析器602は、利用可能な技術分野で知られているほとんどの従来のネットワーク分析器と同様の様式で機能することができる。つまり、ネットワーク分析器602は、接続器126および/または内部ケーブル126aと関連する特性、より具体的には、例えば、接続器126および/または内部ケーブル126aの特徴的なインピーダンスZ等の、出力信号の反射および/または伝達に影響を及ぼす、接続器126および/または内部ケーブル126aと関連するそうした特性を決定することができる。
【0033】
接続器126および/または内部ケーブル126aと関連する既知の線損失情報を、記憶装置336内に記憶し、制御装置300および/または発生器200と関連する1つ以上のモジュール、例えば、AZCM332により焼灼処置の最中に呼び出し、その後、反射力Prの所定の閾値、例えば、Pr1−ssが満たされているかどうかを判定する際に用いることができる。より具体的には、接続器126および/または内部ケーブル126aと関連する特徴的なインピーダンスを使用し、より正確または包括的な反射力Pの測定値を決定することができる。例えば、以下の方程式を用いて、より正確または包括的な反射力Pの測定値を決定することができる:
【数1】
式中、Zは、接続器126および/または内部ケーブル126aと関連する特徴的なインピーダンスであり、Z1−ssは、マイクロ波アンテナ100が時間t1−ssにて「近接場」内の組織に隣接して配置される場合のマイクロ波アンテナ100のインピーダンスであり、Pswrは、以下の等式を用いて計算することができる電力定在波比(Pswr)である:
【数2】
式中、Pは、生成された信号(すなわち、前方信号)と関連する電力であり、Pは、反射された信号と関連する電力である。特徴的なインピーダンスZは、接続器126および/または内部ケーブル126aのインピーダンスの正確な測定値であり、接続器126および/または内部ケーブル126aと関連する線損失を考慮に入れる。この場合、全ての必要な計算が行われた後、反射力Pの正確な描写をAZCM332(または、制御装置300または発生器200のうち何れかと関連する他の適切なモジュール)に伝達し、かつこれにより測定することができる。
【0034】
本開示のいくつかの実施形態が図面で示され、および/または本明細書で検討されているものの、本開示は当該技術が許容するほど範囲が広範であり、かつ本明細書が同様に解釈されることを目的とするので、本開示を当該実施形態に限定することを目的としない。それ故、上の記載を制限としてではなく、単に具体的な実施形態の例示として解釈されたい。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲および趣旨の範囲内にある他の修正を構想するだろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5