(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908083
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】定置型ガスタービンの外部または内部で部品を組立ておよび取外す装置、ならびに定置型ガスタービンの部品を組立ておよび取外す方法
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20160412BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20160412BHJP
F02C 7/20 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F01D25/00 X
F02C7/20 B
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-527645(P2014-527645)
(86)(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公表番号】特表2014-525542(P2014-525542A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】EP2012066772
(87)【国際公開番号】WO2013030230
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2014年7月17日
(31)【優先権主張番号】11007152.9
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、ディルク
(72)【発明者】
【氏名】グリーゼ、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】プルシュケ、ジモン
【審査官】
橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−168931(JP,A)
【文献】
特開平9−79577(JP,A)
【文献】
特開2003−4233(JP,A)
【文献】
特開平09−108961(JP,A)
【文献】
米国特許第6141862(US,A)
【文献】
特開平09−210361(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/077270(WO,A2)
【文献】
欧州特許出願公開第02236939(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P19/00−19/02
19/04−19/08
21/00
F01D13/00−15/12
23/00−25/36
F02C1/00−9/58
F23R3/00−7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定置型ガスタービンの外部または内部で部品を組立ておよび取外す装置(22)であって、1つのレールシステム(23)を備え、このレールシステムはそれに沿って走行可能な1つのフレーム台車(30)を有し、このフレーム台車には1つの挿入ユニット(36)が設けられ、前記挿入ユニットは変位軸に沿って変位可能な1つの部品用キャリングユニット(40)を有しており、前記レールシステム(23)は2軌道式である装置(22)において、
前記レールシステム(23)の両レール(25、26)が、挿入開口部(18)を有するガスタービンの壁部(21)に固定できるように構成されており、前記変位軸が前記両レール(25、26)の間に前記両レールによって画定される面に対して直角に前記両レール(25、26)の間を通って延びていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記レールシステム(23)が周回円軌道または円弧として形成されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レールシステム(23)が、このレールシステム(23)をガスタービンに固定するための複数のレール保持器(28)をそれぞれのレール(25、26)毎に備える請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記フレーム台車(30)が前記レールシステム(23)の各レール(25、26)毎にそれぞれのレール上を同期して走行可能な少なくとも2つのローラー台車(32)を備える請求項1、2または3の1つに記載の装置。
【請求項5】
前記ローラー台車(32)が少なくとも2つのローラー(34)を備える請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記両レール(25、26)が、それぞれ他方のレール(25、26)に面した1つの内側面を有し、この内側面上を前記ローラー台車の複数のローラー(34)が回転走行可能である請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のローラー(34)が与圧下で両レール(25、26)に接している請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記挿入ユニット(36)が、複数の搬送レール(42)を有する少なくとも2つの直線レールを備え、これらの直線レールに沿って前記キャリングユニット(40)が変位可能である請求項1から7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
複数のガスタービン構成部品の組立のための複数の挿入開口部(18)が1つの壁部(21)に配置されたガスタービンであって、
前記複数のレール(25、26)が前記壁部(21)に固定されており、前記複数のレール(25、26)が、前記請求項1〜8のいずれか1つに記載された装置(22)のレール(25、26)として形成されていることを特徴とするガスタービン。
【請求項10】
ガスタービンの部品の組立ておよび取外し方法であって、次のステップを含む方法:
請求項1〜8の1つに記載の装置(22)をガスタービンのハウジング(10)に、両レール(25、26)の間に当該部品用の開口部(18)が設けられるように配置するステップと、
前記装置(22)を使用して、ガスタービンの部品をガスタービンの外部または内部で組立てる、または、ガスタービンの部品を取外すステップ。
【請求項11】
前記当該部品がガスタービンのバーナ(50)または移行管として形成されており、前記開口部(18)がガスタービンの複数のバーナ開口部の1つである請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定置型ガスタービンの外部または内部で部品を組立ておよび取外す装置ならびにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
定置型ガスタービンは広範な従来技術によって古くから知られている。公知の定置型ガスタービンの1つの型式は周囲にわたり均等に分布された複数の燃焼器を備えており、これらの燃焼器はそれぞれ円筒形燃焼器または缶形燃焼器とも呼ばれる。これらの各々の円筒形燃焼器は常に、ガスタービンハウジング内に設置されて1つの燃焼管を有する1つのバーナを含み、これに(英語では「Transition」とも呼ばれる)1つの移行管が接続されている。これらの移行管は個々の円筒形の燃焼管内に生じた高温ガスを1つの環状流路に移す。このためにこれらの移行管はバーナ側で1つの円形断面を有し、この断面が出口側で1つの扇形の断面に移行する。全ての移行管のこれらの扇形断面は通常は円周方向において互いに隣接しているので、個々の円筒形燃焼器で発生された高温ガスを少ない損失でガスタービンの環状流路に移行することができる。この環状流路内に、タービンに配置された複数のタービン翼が段階的に設置されている。
【0003】
保守に際して、複数のバーナ、複数の燃焼管または複数の移行管の内の1つの交換が必要な場合には、これまでは組立工がガスタービンの当該部品の固定部を取外さなければならず、こうして、次にハウジング内のバーナ開口部を通してこの部品を手で、または吊上げ工具を用いて、ハウジング内部から取り出すことができた。
【0004】
その後、そして、ガスタービンの組立て中においても、使用可能となった設置されるべき部品が同様に吊上げ工具を用いてガスタービンに近づけられ、次いでこの中に移動される。
【0005】
特にハウジングの下半部で、あるいは下半部の内部で取外される、あるいは固定される部品を吊上げ工具でその固定場所に適切に移動することは困難である。
ガスタービンハウジングが吊上げ工具あるいはそのロープまたはチェーンの通り道を部分的に邪魔するからである。
【0006】
この作業を楽にする為に、特許文献1でバーナ交換システムが知られている。このシステムでは軸方向に隣接するガスタービンハウジングの2つの部分の円周フランジ結合部に1つのレールが固定され、このレールに沿って、組立てるべきバーナの移動のための複雑に構成された1つのスライド台車が走行可能となっている。このスライド台車は、ガスタービンの個々のバーナをその指定位置に移送するために、1つの関節と、併進してずらすことができる1つのバーナキャリアとを備えている。この既知のバーナ交換システムを使用して移行管もガスタービンの内部から取り外し、あるいはガスタービンの内部に設置することができる。
【0007】
しかしこの既知の装置は、非常に場所をとり、且つ、ガスタービンハウジングの周りに比較的大きな移動空間を要するという欠点がある。この自由な移動空間は、その一番外側の半径がガスタービンハウジングの一番外側の半径よりもはるかに大きい。しかし、この移動空間はいつも利用できるわけではない。この既知の装置のもう一つの欠点は、スライド台車のロッドが比較的長い自由端となっており、また、バーナや移行管のような交換すべき部品の重量が非常に重いので、これらの部品をガスタービンに取り付けるのに通す部品開口部に対して、これらの部品を十分正確には位置決めできないことである。
【0008】
特許文献1の装置の発展形が特許文献2に示されている。従来は自由に突き出ていたスライド台車の端部をさらに支えるために、圧縮機の中央部に無端で周回する2つ目のレールが備えられている。しかし、この代案は、場所をとる構成が欠点である。このために、バーナ取外し装置を組立てる前に、環状の燃料分配器を撤去する必要があった。
【0009】
さらに、特許文献3からガスタービンの燃焼器コンポーネントを取外すための工具が知られている。この工具は複数の燃焼器コンポーネントをガスタービン内部へ移動するための1つのテレスコープユニットを含む。しかし、この工具は各々の挿入開口部に固定しなければならないので、相対的に複雑になる。
【0010】
さらに、特許文献4から、ガスタービンの燃焼器コンポーネントの組立および取外しのためにクレーンを利用する解決法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5921075号明細書
【特許文献2】米国特許第6141862号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2236939A1号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2070663A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで本発明の課題は、定置型ガスタービンの外部または内部で部品を組立てる、あるいは、部品を取外すための装置を提供することにあり、この装置は一方では比較的コンパクトな構造であり、他方、定置型ガスタービンの外部または内部で当該部品を正確に位置決めできるものである。本発明のもう一つの課題は、定置型ガスタービンの部品の組立て、および取外しのための方法を提供することにあり、この方法は特に大きな組立空間を必要とせずに、比較的短時間で実施できる方法である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
装置に関する課題は請求項1の特徴を備えた装置により解決される。方法に関する課題は請求項11による方法で解決される。本装置および本方法の有利な形態は各下位請求項に記載されている。特に記述されていない限り、異なる下位請求項の諸特徴は互いに組合わせることができる。
【0014】
本発明によれば、定置型ガスタービンの外部または内部で部品を組立てる、あるいは、取外すための装置は、1つのレールシステムを備え、このレールシステムはそれに沿って走行可能な1つのフレーム台車を有し、このフレーム台車には1つの挿入ユニットが設けられ、この挿入ユニットはその変位軸に沿って変位可能な1つの部品用キャリングユニットを有し、ここで、前記
レールシステムは2軌道式であり、すなわち、2つのレールを有し、このレールシステムの両方のレールは挿入開口部を有するガスタービン壁部に固定できるように構成され、前記変位軸は両レール間の面に対して直角方向に、好ましくは垂直に、両レールの間を通って延びている。このフレーム台車、挿入ユニットおよび、一時的に固定された部品付きの、または一時的固定部品なしのキャリングユニットは以降では走行可能なユニットとも呼ばれる。
【0015】
本発明は、従来技術で知られたレールシステムのガスタービンハウジングフランジへの固定が有利ではないという知見に基づく。レールシステムを挿入開口部の近くに固定することは構造的にずっと有利である。しかし、ハウジングのこの部分には限られたスペースしかないので、本発明は、複数の挿入開口部が配置されている同じ壁部に固定される、2軌道のレールシステムを使用することを提案する。この場合には、両レールと、その上を滑るまたは車輪が回転する複数のコンポーネントは、1レールだけの構成よりも構造的に小さくすることができる。ここで全体として特に構造的に小さい装置を得るために、両レールは当該部品用の挿入開口部の両側で、すなわち、ガスタービンの機械軸を基準にしてさらに内側とさらに外側で、ガスタービンのハウジングに固定できるように構成されている。こうして、両レール間の面に対して直角方向に、好ましくは垂直に、両レールの間を通って延びている変位軸に沿ってキャリングユニットが変位可能であることによって、組立てるべき部品または取外すべき部品を、両レールの間を通って組立てることができる。従って、両レールは、この装置がガスタービンに固定された状態で挿入開口部が完全にフリーとなるような幅だけ互いに離れている。しかしながら、両レールは挿入開口部の直近に設置されている。こうして当該部品は変位軸に沿って両レールの間を通ってガスタービンの内部へ、またはガスタービンから外部へ容易に移動することができる。さらに、2軌道のレールシステムによってこの装置の非常に高い剛性と強度とが同時に得られることが分かった。当該部品とこの装置自身の重量がキャリングユニット、両搬送レールおよびフレーム台車を介して、次いで多くの作用点を介して、このレールシステムに、そしてそこからさらにガスタービンハウジングに分散して伝達されるからである。
【0016】
さらなる利点は、ガスタービンの中心軸を基準にして、組立装置の移動スペースのために従来技術のような大きな直径が必要でないことである。このレールシステムの外側レール自身がガスタービンハウジングの最外直径の内側にあるからである。
【0017】
本発明の有利な形態は下位請求項に記載されている。
【0018】
本レールシステムは周回円軌道あるいは円弧として形成されている。しかしこのレールシステムは、この周回円軌道によってフレーム台車ならびにその上に配置されている挿入ユニットとキャリングユニットがガスタービンに設けられている各挿入開口部に近づくことができるように、特に周回円軌道として形成されている。円弧として形成されたレールシステムの場合には、これを何度も取外し、かつ、別の円周上の位置に改めて組立てなければならないであろう。両方の形態によって、部品を定置型ガスタービンの外部または内部で組立てる、あるいは取外す準備のための段取り時間が短縮される。
【0019】
他の有利な形態では、このレールシステムはガスタービンにこのレールシステムを固定するためにそれぞれのレールに対して複数のレール保持器を有している。これらのレール保持器は、これらをバーナの複数の挿入開口部に固定するために、モジュール式に構成することができる。しかしこのレールシステムは複数の挿入開口部の脇に、例えばボルトによっても、固定することもできる。
【0020】
他の有利な形態では、フレーム台車はこのレールシステムの1つのレール当たり少なくとも2つの、それぞれのレール上を同期して走行するローラー台車を有し、これらのローラー台車は特にそれぞれ2つのローラーを有している。合計4台のローラー台車、すなわち、合計8個のローラーによって、2軌道式レールシステムにローラー台車を確実に固定することが可能となり、その際にガスタービンの円周に沿って走行可能なフレーム台車の脱線を防ぐために他の手段は必要ない。各ローラー台車が4つのローラーを有し、その結果、このフレーム台車が全部で16のローラーを有することにより、このフレーム台車がその4隅それぞれにおいて両側から該当するレールで支持されると特に有利である。これによって、この走行可能なユニットと組立てられるべき部品の重量をフレーム台車の4隅の点を介して、より正確に言えば、8つのローラーを介して、従来技術の場合よりも著しく広い範囲にこのレールシステム、そしてガスタービンハウジングに分散することができる。これにより、より大きなコンポーネントが本装置に要求するであろう点荷重を避けることができる。
【0021】
これらのローラーが特に、レールの、それぞれ他方のレールを向いた側を回転できると有利である。換言すると:これらのローラーの回転面がそれぞれのレールの内側に向かって押しつけられ、その結果、原理的には両方のレールはこれらのローラーにより互いに離れる方向に僅かに押される。特にこれらのローラーは、原理的にその回転面が両側で1つの車輪フランジにより画成されるように、ガイドローラーとして形成されている。これによって、同時にそれぞれのレールとこれに関係する複数のローラーとの間に嵌め合い結合が生じ、その結果、このレールシステムにおけるフレーム台車のすべての円周上の位置に対して、フレーム台車のレールシステムからの脱線を確実に防ぐことができる。
【0022】
他の有利な形態では、挿入ユニットは直線レールを備えた少なくとも2つの搬送レールを有し、これらの搬送レールに沿ってキャリングユニットが変位可能である。これによって、当該部品をガスタービンの内部へ持ち込む、あるいは、ガスタービンから取り出す際の当該部品のガイドされた移動が保証される。これによって部品とハウジングとの望ましくない偶発的な接触を避けることができ、このことによって両方の要素が損傷から守られる。
【0023】
本発明の更なる実施形態、更なる特徴ならびにこれらの特徴に伴って得られる利点を以下の図により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】ハウジングに固定されたレールシステムとこのレールシステムに沿 って走行可能なユニットとを備えたガスタービンのハウジング部の 模式的斜視図
【
図4】ガスタービン部品の組立および取外しのための装置がガスタービン ハウジングに固定された状態を示す側面図
【
図5】フレーム台車へのローラー台車の固定を示す図
【
図6】フレーム台車へのローラー台車の
図5とは異なる固定を示す図
【
図7】レールシステムなしに、フレーム台車がガスタービンハウジングに 直接固定された代案 全ての図において同一部品には同一符号が付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には定置型ガスタービンのハウジング10の一部が斜視図で示されている。このハウジング部は下半部12と上半部14とを含み、これらは分割面16でフランジ合わせされており、これらのフランジがねじ止めされている。それぞれの半部は同心的な壁部17とこれに急傾斜して当接する壁部21とを有する。各半部12、14の壁部21には複数の開口部18が設けられており、これらの開口部は全て、機械軸19に対して同心的な1つの仮想円上に配置されている。これらの開口部18はバーナ開口部あるいは挿入開口部である。下半部12において複数の開口部18の1つにバーナ20が設置されており、これによりこの開口部18は閉鎖されている。ハウジング10の上半部14の吊上げが面倒すぎる場合には、開口部18を通ってガスタービンの他の部品を内部に持ち込むこともできる。これらの部品は、従来技術で知られているバーナ管または移行管でもある。
【0026】
バーナ20、バーナ管、さらには移行管の、もっと簡単で危険性も小さい取外しを可能とし、同時に省スペースの構造を提供すべく、これらガスタービン部品の組立あるいは取外しのための装置22(
図2)が使用される。以下に述べる実施例はガスタービンのバーナの組立てについてのみ記載しているが、これに限定されるものではない。当然ながら、この装置22はバーナの取外しにも適している。さらに、バーナではなく移行管もこの装置22を使って組立または取外すことができる。
【0027】
図2では分かり易くするために、ハウジングとガスタービンの、本発明にとって重要でない部分は示されていない。複数の開口部18がガスタービンハウジング10の壁部21に設けられており、これは機械軸19の半径方向に対して僅かに傾いている。
【0028】
本装置22は2つのレール、すなわち、1つの外側レール25と1つの内側レール26、を備えた1つのレールシステム23を含む。「内側」と「外側」という定義はガスタービンの機械軸19を基準にしている。各レール25、26は複数のレール保持器28により壁部21に固定されている。内側レール26は同心的壁部17にも付加的に、あるいは代替として固定することができる。装置22はさらにレール25、26に沿って走行可能な1つのユニット35を含む。このユニット35は1つのフレーム台車30、このフレーム台車30に固定された1つの挿入ユニット36およびこの挿入ユニット上でこれに沿って変位可能な1つのキャリングユニット40を有する。このキャリングユニット40にはガスタービンの円筒形燃焼器のために組立てるべき部品、
図2では1つのバーナ50、がねじ止めされている。複数の開口部18の1つには他のバーナ50が既に固定されている。
【0029】
図3は
図2とは異なる装置22の代案を示す。この代案装置が
図2の装置と本質的に異なるのは、レールシステム23がガスタービンハウジング10の周囲の円弧にわたって延びており、
図2のようなエンドレスの周回円軌道としては構成されていないことである。
【0030】
特に
図3から分かるように、フレーム台車30の各コーナー27に、それぞれが2つのローラーを有する1つのローラー台車32が設けられている。これらのローラー34はガイドローラーの形で、すなわち、1つの両面車輪フランジを有して形成されているので、これらのローラー34がレール25、26から横滑りして外れることはない。フレーム台車30と、従って挿入ユニット36も、キャリングユニット40と共にレール25、26に沿ってガスタービンハウジング10の円周方向に変位可能であり、このことが両方向矢印52で示されている。同時に、キャリングユニット40は
搬送レール42に沿って変位可能であり、このことが両方向矢印54で示されている。したがって、フレーム台車30の走行路とキャリングユニット40の変位軸は互いに直交している。
【0031】
図2〜4に示された装置22を使って、部品、例えばバーナ50を定置型ガスタービンの外部または内部で比較的簡単に、かつ、正確に組立てる、あるいは取外すことが可能となる。バーナ50をガスタービンのハウジング10に組立てるためには、先ず、レール25、26を備えたレールシステム23をガスタービンのハウジング10に取り付ける。次いで、フレーム台車30をこれに設置された挿入ユニット36およびその変位軸にそって変位可能なキャリングユニット40と共にレールシステム23に設置する。同時に、変位可能なユニット35のフック56に1本のワイヤロープが固定され、このワイヤロープにユニット35が掛けられる。このワイヤロープのお陰で、組立工がユニット35とバーナ50の重量を支える必要なしに、ユニット35を任意の位置に移動することができる。12時の位置でバーナ50は搬送路の最後の部分に対してキャリングユニット40に仮止めされる。ワイヤロープの長さを変える事によって、走行可能なユニット35により、固定すべき開口部18にバーナ50を搬送することができる。その場所で、ユニット35はそれ以上動かないように安全ロックされるが、このことは一方ではワイヤロープの負荷を解除し、他方では開口部18に対するバーナ50の特に正確なアラインメントを可能とする。次に、キャリングユニット40がその変位軸に沿って変位し、これによって、その間にバーナ50は開口部18を通ってガスタービンの内部へ、部品を損傷させるような接触なしに入り込むことができる。最終位置に達すると、バーナ50に取り付けられているフランジ51が開口部18の周りに設置されているフランジ58とねじ止めされる。その後、バーナ50はキャリングユニット40から解放され、こうして当該バーナ50の組立が終了する。引き続き、走行可能なユニット35は装荷位置に戻り、そこでその次に組立てられるべき部品をキャリングユニット40に固定することができる。
【0032】
ここで特に有利なのは、組立てられるべき部品を「装荷」位置のアクセスし易い場所で走行可能なユニット35に組立てることができ、かつ、レボルバー式にアクセスしにくい組立位置に移送できることである。特にその際に、ハウジングの下半部に配置された複数の開口部18は、このような装置22がなければ装荷用クレーンではバーナ50を正確には装着できないので、相対的にアクセスしにくいと考えられる。この装置22の別の利点は、複数の組立工程を部分的に並行して実行できるという事にある。例えば、フレーム台車30の助けで位置決めされた1つのバーナ50が先ずその開口部18に仮止めされ、次にキャリングユニット40での固定が解放される。次にフレーム台車30はキャリングユニット40と共に、その次に組立てられるべきバーナ50の挿着に供される。その間に、最初に仮止めされたバーナ50は、次のバーナ50をフレーム台車30に装荷している間に、同時に、規定どおりにハウジング10に固定される。
【0033】
レール保持器28は1つのスペーサ29ならびに1つの平面部および1つの収納部33を含む。このスペーサ29を使用することは、まだ複数のバーナが開口部18に固定されているガスタービンにレール保持器28を組み付ける時に特に有利である。この場合、1つのスペーサ29の使用は不要であり、このことによって、1つの開口部18に1つのバーナ50が固定されているか否かに関わらずレール25あるいは26は壁部21と常に同一間隔を有することになる。
【0034】
しかし、これらのレール保持器28がフランジ58の端面側ではなく、フランジの側面側で壁部21の側面側か、あるいは壁部17自身にも固定されていると有利である。これによって、どの開口部18にもバーナ50を装着することができ、万が一にもこれらのレール保持器28で邪魔されない。
【0035】
図5、6は、ローラー台車34の2つの異なる形態の断面図であり、それぞれに2つのローラー34が設置されている。これらは2つのローラー軸受60を有する1つの固定軸受を介してシャフト62に支承されており、軸方向の安全は、1つの方向へはシャフトの肩によって、反対の方向へは溝付きナットによって保証されている。両方のシャフト62はシャフト保持部64において1つのナット65により固く締付けられている。両方のローラーが常にレールと接していることを保証すべく、シャフト保持部64は回転可能に支承されている。このために、1つの半径方向すべり軸受66とこれに適合する2つの軸方向すべり軸受とを有する1つの軸受装置が設けられており、これは取付け部に押し付けられた溝付きナット67により軸方向に固定されている。この場合、内側と外側の複数の長手方向の支柱に支承されたシャフト保持部64の軸受装置は、異なった態様で行われる。レール方向にローラー台車32がシフトされるようにした1つの偏心輪69(
図5)が、内側の長手方向の支柱に取付けられる。同時に、この偏心輪によって、走行可能なユニット35の複数の開口部18に対するアラインメントが調整可能である。このために偏心輪69の上部軸部は適正な遊びを持って軸受収容部の内部に挿入される。偏心輪69の上部軸部68の端面およびその雄ねじとに取り付けられた1つの内部六角穴によって、この偏心輪は決められた力で内側レールに対して押し付けられ、これら部品の締め付けによって固定される。
【0036】
図7に示すように、フレーム台車30をローラ台車32なしに構成し、これを中間冶具60の助けによってガスタービンハウジング10に直接固定することも勿論可能である。
【0037】
総括すると本発明は定置型ガスタービンの外部または内部でのガスタービン部品、特にバーナ50または移行管の組立ないし取外し装置22に関し、この装置は1つのレールシステム23を備え、このレールシステムは、これに沿って走行可能な1つのフレーム台車30を有し、このフレーム台車には1つの挿入ユニット36が設けられ、この挿入ユニットはその変位軸に沿って変位可能な1つの部品用キャリングユニット40を有している。ガスタービン部品を比較的簡単、かつ、短時間で組立て、あるいは取外すことができる、特に省スペースで、且つ、特に剛性に富む構造を提供すべく、このレールシステム23は2軌道式に構成され、前記変位軸はレール25と26の間の面に対して直角に両レール25、26の間を通って延びている。上記の面は環状であり、機械軸19の半径方向に対して僅かに傾斜している。
【符号の説明】
【0038】
10 ハウジング
17 壁部
18 開口部
20 バーナ
21 壁部
22 装置
23 レールシステム
25、26 レール
28 レール保持器
30 フレーム台車
32 ローラー台車
34 ローラー
36 挿入ユニット
40 キャリングユニット
50 バーナ