特許第5908087号(P5908087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908087
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】ダイヤフラム圧力膨張容器
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/10 20060101AFI20160412BHJP
   F16L 55/04 20060101ALI20160412BHJP
   F15B 1/10 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   F24D3/10 C
   F16L55/04
   F15B1/10
【請求項の数】7
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-528941(P2014-528941)
(86)(22)【出願日】2012年9月3日
(65)【公表番号】特表2015-500971(P2015-500971A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】EP2012067052
(87)【国際公開番号】WO2013034508
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】102011113028.8
(32)【優先日】2011年9月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514057422
【氏名又は名称】ヴィンケルマン・スプウカ・ス・オルガニザツィーノン・オトゥポビエジャルノシチョン
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ・エーゴン
(72)【発明者】
【氏名】ユーナル・ベージム
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−095816(JP,U)
【文献】 特公昭52−009847(JP,B1)
【文献】 実開平04−025085(JP,U)
【文献】 実開平06−063901(JP,U)
【文献】 特表平07−508821(JP,A)
【文献】 特開2004−205048(JP,A)
【文献】 特開昭54−014015(JP,A)
【文献】 特開昭62−093501(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02175205(EP,A1)
【文献】 英国特許出願公開第01200515(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0123912(US,A1)
【文献】 米国特許第00346914(US,A)
【文献】 米国特許第05596772(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/10
F15B 1/10
F16L 55/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの容器部分(2,3)を有し、これら容器部分が、周囲の結合領域(4)において圧力密及び液密に互いに結合され、両容器部分(2,3)によって構成される閉じた容器内室(10)が、ダイヤフラム(5)によって水室(6)とガス室に分離され、水室(6)が、接続管(7)を介してラインネットワークと接続可能であり、ダイヤフラム(5)が、少なくとも一層の合成樹脂から構成され、風船状に形成されている、ラインネットワークに接続するためのダイヤフラム圧力膨張容器(1)において、
ガス室が、ダイヤフラム内室(9)と、ダイヤフラム(5)の水室(6)とは反対の側とこれに隣接する容器部分(2)の間の容器内室(10)とによって構成され、ダイヤフラム(5)の水室(6)とは反対の側が、穿孔部(8)を備えていること、を特徴とするダイヤフラム圧力膨張容器。
【請求項2】
ダイヤフラム(5)が、両容器部分(2,3)の間の周囲の結合領域(4)においてガス密に挟持されていること、を特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム圧力膨張容器。
【請求項3】
周囲の結合領域(4)内にシール要素(5a)が設けられていること、を特徴とする請求項2に記載のダイヤフラム圧力膨張容器。
【請求項4】
シール要素が、ダイヤフラム(5)の環状のシールエッジ(5a)によって構成されていること、を特徴とする請求項3に記載のダイヤフラム圧力膨張容器。
【請求項5】
ダイヤフラム(5)が、水室(6)の側に、水室(6)を画成する容器部分(3)の輪郭に適合させられた輪郭を備えること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイヤフラム圧力膨張容器。
【請求項6】
ダイヤフラム圧力膨張容器が、フラット容器として形成されていること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイヤフラム圧力膨張容器。
【請求項7】
ダイヤフラム圧力膨張容器が、長方形に形成されていること、を特徴とする請求項6に記載のダイヤフラム圧力膨張容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの容器部分を有し、これら容器部分が、周囲の結合領域において圧力密及び液密に互いに結合され、両容器部分によって構成される閉じた容器内室が、ダイヤフラムによって水室とガス室に分離され、水室が、接続管を介してラインネットワークと接続可能であり、ダイヤフラムが、少なくとも一層の合成樹脂から構成され、風船状に形成されている、ラインネットワークに接続するためのダイヤフラム圧力膨張容器に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなダイヤフラムを有する膨張容器は、例えば圧力に依存したポンプの起動及び停止によって又はショックアブソーバによって又は温度に依存して、加熱回路又は給水システムのような閉じた流体回路内で生じる容積変化を吸収するために使用される。
【0003】
本質的に、2つの異なった膨張容器タイプに、即ち2つの容器部分と1つのフラットなもしくはハーフシェル状のダイヤフラムとを有する容器と、風船状のダイヤフラムを有する容器とに区別されるが、この風船状のダイヤフラムは、その開口エッジを、膨張容器の水接続管内に挿入され、水室を構成する。選択的に、このダイヤフラムは、ガス室を構成することもできる。
【0004】
フラットなもしくはハーフシェル状のダイヤフラムを有する膨張容器の場合、異なった容器形態があり、先ず、例えばビルトインボイラにおいて使用されるフラット容器と、シリンダ状もしくは球状の容器との間で区別される。これら両容器タイプには、容器内室が、特にエラストマから成るフラットなもしくはハーフシェル状のダイヤフラムによって水室とガス室に分割され、ダイヤフラムは、同時に、両容器部分の間のシール要素として使用することができる。このような解決策は、例えば独国特許出願公開第28 14 162号明細書(特許文献1)に図示されている。これまでに実績のあるこれら膨張容器における本質的な欠点は、特に、エラストマ材料から成るダイヤフラムの場合、特に長期間にわたってある程度の浸透効果を回避できないので、ガス室からガスが水室に、これによりラインネットワークに侵入することにあり、これは、特に加熱回路の場合には望ましくない。これにより、ガス室内のガス容積も減少し、これが、整備を必要にするが、それは、最充填が必要だからである。これは、相応の費用と結びついている。更に、エラストマから成るダイヤフラムが比較的高価であることも欠点である。
【0005】
欧州特許出願公開第2 175 205号明細書(特許文献2)から、エラストマからではなく、少なくとも一層の弾性的なガス透過性の合成樹脂から成るダイヤフラムが使用される、この種の膨張容器が公知である。
【0006】
実際には、このような合成樹脂ダイヤフラムの場合、特に長方形の構成を有するフラット容器内で使用する場合、特にコーナー領域において交番負荷による破損の危険があることがわかったので、特にこのような容器タイプに対して、合成樹脂ダイヤフラムは、これまで満足すべき結果を伴って使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第28 14 162号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2 175 205号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、交番負荷が与えられた場合に合成樹脂ダイヤフラムに対する破損の危険を明らかに低下させるように、この種のダイヤフラム圧力膨張容器を発展させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、冒頭で示した形式のダイヤフラム圧力膨張容器において、本発明により、ガス室が、ダイヤフラム内室と、ダイヤフラムの水室とは反対の側とこれに隣接する容器部分の間の容器内室とによって構成され、ダイヤフラムの水室とは反対の側が、穿孔部を備えていること、によって解決される。
【0010】
この形成に基づいて、強く負荷を受けるダイヤフラムの側をいわば支持もしくは除荷し、これにより、大きな安定性を得ることが可能である。このため、風船状のダイヤフラムは、ガス側を穿孔されているので、ガス室は、相応の容器部分とダイヤフラムの間の体積と、風船状のダイヤフラムの体積の両方から成る。風船状のダイヤフラムは、相応に、その他はフラットダイヤフラムの場合がそうであるのと同様に、ダイヤフラム圧力膨張容器内に取り付けられおり、付加的に、ガス側に穿孔部を備えている。これにより、水圧がかかっているダイヤフラムの側が、ダイヤフラムの後側を支持され得ること、即ち、明らかに、ダイヤフラムの交番負荷を弾性的に受け止め、破損の危険を明らかに低減する、又は、それどころか排除する風船状のダイヤフラム内のバッファ効果が得られることがわかった。
【0011】
この場合、好ましくは、ダイヤフラムが、両容器部分の間の周囲の結合領域においてガス密に挟持されている。このため、好ましくは、周囲の結合領域内にシール要素が設けられており、このシール要素は、ダイヤフラムの環状のシールエッジによって構成することができる。従って、周囲のダイヤフラムエッジを相応に形成した場合、ダイヤフラム自身が、両容器部分のあのシール要素として使用することができる。これは、当然、容器部分の間の付加的なシール要素を排除するものではないが、ダイヤフラムは、また、両容器部分の間に直接的に挟持する必要があるのではなく、ダイヤフラムは、また、ガス密に一方の容器部分に環状に固定することができる。
【0012】
更に、好ましくは、ダイヤフラムが、水室の側に、水室を画成する容器部分の輪郭に適合させられた輪郭を備える。その場合、静止状態では、ダイヤフラムが、水室を画成する容器部分の内壁に当接し、従って、水室の容積が無視可能であり、実際にデッドスペースがなく、膨張容器の全体の内部容積が、所定の負圧下にあるガスで満たされたガス室によって埋められる。
【0013】
ダイヤフラム圧力膨張容器の本発明による形成は、容器が、公知のように、フラット容器として、特に長方形のフラット容器として、形成されている場合が、特に有利である。このような容器は、特にビルトインボイラにおいて使用される。
【0014】
本発明を、以下で図面に基づいて模範的に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ダイヤフラムが完全に膨張したダイヤフラム圧力膨張容器の断面図
図2】フレームが部分的に押し返された図1によるダイヤフラム圧力膨張容器の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
ダイヤフラム圧力膨張容器は、一般に1で指示されている。このダイヤフラム圧力膨張容器1は、この実施例の場合、特に長方形のフラット容器として形成され、例えばビルトインボイラに挿入するために適している。しかしながらまた、容器は、例えば暖房用ボイラと関係して使用される場合には、他の幾何学的な形成(例えば円形状、シリンダ状、球状)を備えることもできる。
【0017】
ダイヤフラム圧力膨張容器1は、2つのハーフシェル状の容器部分2,3を備え、これら容器部分は、特に金属から成る。これら両容器部分2,3は、4で指示した周囲の結合領域において、ガス密に互いに結合されている。
【0018】
容器内室内に、合成樹脂、例えばポリプロピレン−これは、場合によってはEVOH−コーティングを備えることもできる−から成る風船状のダイヤフラム5が配置され、このダイヤフラムは、両容器部分2,3の間の周囲の結合領域においてガス密に挟持されている。このため、ダイヤフラムは、この実施例の場合、一体的な環状のシールエッジ5aを備える。選択的に、例えば付加的なリング状のシール要素を設けることもできる。
【0019】
ダイヤフラム5は、ダイヤフラム圧力膨張容器1の内室を、水室6と、以下で詳細に説明するガス室に分離し、水室6は、接続管7を介して、図示してないラインネットワークと接続可能である。
【0020】
ダイヤフラム5が、水室6とは反対の側に穿孔部8を備えていることが重要である。これら穿孔部8によって、9で指示したダイヤフラム内室と、これに隣接する容器部分2とダイヤフラム5の水室6とは反対の側との間に構成される容器内室10とが、互いに接続されており、容器充填弁11を介して、ダイヤフラム内室9と容器内室10の両方が、ガス、例えば窒素を充填されており、即ち、これは、ダイヤフラム圧力膨張容器のガス室が、ダイヤフラム内室9と容器内室10によって構成されるということである。
【0021】
最も図1からわかるように、ダイヤフラム5は、水室6の側を、水室6を画成する容器部分の輪郭に適合させられている。図1による静止状態から、水接続管7を経て、ラインネットワークから水が水室6内に流入すると(図2)、ダイヤフラムは、多かれ少なかれ水室6の側を若干内側に押し返され、この押返し工程は、ガス容積によって軽減され、ダイヤフラムが、いわばその後側を支持される。これにより、さもなければ合成樹脂ダイヤフラムの場合に、特にコーナー領域にある破損の危険が、本質的に低減される、又は、それどころか完全に回避される。
【符号の説明】
【0022】
1 ダイヤフラム圧力膨張容器
2,3 ハーフシェル状の容器部分
4 周囲の結合領域
5 ダイヤフラム
5a ダイヤフラムのシールエッジ
6 水室
7 接続管
8 穿孔部
9 ダイヤフラム内室
10 容器内室
11 ガス充填弁
図1
図2