特許第5908094号(P5908094)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5908094医療診断用カートリッジで使用するための封止装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908094
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】医療診断用カートリッジで使用するための封止装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 49/00 20060101AFI20160412BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20160412BHJP
   B65D 51/00 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   B65D49/00
   G01N35/02 B
   B65D51/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-532394(P2014-532394)
(86)(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公表番号】特表2014-532015(P2014-532015A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】EP2012069142
(87)【国際公開番号】WO2013045587
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】11183127.7
(32)【優先日】2011年9月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514263964
【氏名又は名称】ビオキュルティス・エヌ・ヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ロブ・ボスマ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・デ・ギエール
【審査官】 神山 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−525821(JP,A)
【文献】 特開2006−132965(JP,A)
【文献】 特開2008−91298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 49/00
B65D 51/00
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入口(1)を閉止するための封止装置であって、
前記封止装置は、固定支持体(2)と、延出位置と最終引込位置との間で前記固定支持体(2)に対して並進移動可能に設けられたシャッタ(3)と、を備え、
前記シャッタ(3)が前記最終引込位置にあるとき、前記封止装置は最終引込構成にあり、且つ前記シャッタ(3)は前記導入口(1)を閉止しており、
前記シャッタ(3)が前記最終引込位置にあるときに、前記シャッタ(3)のあらゆる移動を防止する固定手段をさらに備える
前記封止装置において、
前記封止装置が中間引込構成を備え、前記封止装置が中間引込位置にあるとき、前記シャッタ(3)が少なくとも部分的に引き込まれており、
前記封止装置は、前記シャッタ(3)の移動を案内する動作案内手段を備えており、前記動作案内手段は、前記シャッタ(3)を前記中間引込位置から前記最終引込位置へと動かすために前記シャッタ(3)の延出が必要とされるように設計されることをさらに特徴とする封止装置。
【請求項2】
前記シャッタ(3)が前記中間引込構成に戻るのを防止するように、前記シャッタ(3)が延出されているときに前記シャッタ(3)の移動を変えるように設計された切換手段を備える、請求項1に記載の封止装置。
【請求項3】
前記切換手段は、前記シャッタ(3)が切換位置(18)を超えて延出されたときに前記中間引込位置への戻りを防止するように設計される、請求項2に記載の封止装置。
【請求項4】
前記動作案内手段は、共に協働する、少なくとも案内ピン(5)と、少なくとも変形可能舌部(7)と、少なくとも案内溝(14、15)とを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項5】
前記切換手段は、変形可能な舌部(7)と第1の案内溝(14)とを備え、前記第1の案内溝(14)は、切換位置(18)を備える前記第1の案内溝(14)の第3の切換部(21)において前記舌部(7)の弾性変形を引き起こすように指定されている、請求項4に記載の封止装置。
【請求項6】
前記延出位置を超える前記シャッタ(3)の延出を防止するように設計された保持手段をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項7】
前記保持手段は第2の限界停止部(24)を備える、請求項6に記載の封止装置。
【請求項8】
前記シャッタ(3)が前記最終引込位置に向かって移動されるとき、前記導入口(1)に挿入されたスワブを切断するように設計された切断手段をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項9】
前記切断手段は、切断スロット(31)に設けられた刃先(30)であって、前記シャッタ(3)の第2の板材(11)の面に置かれた刃先(30)を少なくとも備える、請求項8に記載の封止装置。
【請求項10】
前記シャッタ(3)および/または前記固定支持体(2)は、ポリカーボネートを含む、または、ポリカーボネートから作られる、請求項1から9のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項11】
前記シャッタ(3)は、前記封止装置が前記中間引込構成にあるとき、前記導入口(1)を閉止する、請求項1から10のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の封止装置を備える、医学的検定を実施するためのカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジで使用するための封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、先進のバイオテクノロジー研究は、高い再現性と信頼性とを必要とする多重化生物学的検定(multiplexed biological assays)に力を注いでいる。最近、特許文献1に記載されるような、自動化された医療診断用のカートリッジが、有望でありながら簡単で実用的な解決策となることが分かった。このようなカートリッジは、一般的に、生物試料に上記の診断検定を行うために必要なすべての装備および試薬を備えている。その装備は、具体的には、様々な試薬の区画部と、分析される試料が導入され、区画部に含まれる試薬と接触させられ得る調製室とを備えている。調製室への生物試料の導入を可能とするために、調製室は導入口を通常備えており、その導入口を通じて、使用者はスワブを介して生物試料を導入できる。
【0003】
好ましくは、導入口は、漏洩および/または汚染を回避するために、生物試料が調製室に導入されたら密封されなければならない。通常、閉塞装置は、診断検定の間および/または後に、調製室の不正な開封を防止する密封を確実に行うように指定されており、これは、通常の使用条件においては、使用者は調製室を再び開封できないことを意味している。したがって、これは、使用者、または、調製室に含まれる生物物質を何か直接的に汚染してしまうこと、および、使用者、または、調製室に含まれる生物物質が何か直接的に汚染されてしまうことを、防止する。また、このような不正な開封を防止する方法で密封されるカートリッジは、検定が行われている間に導入開口が不適切なタイミングで再び開けられてしまい、調製室の汚染の可能性のため、生物学的検定の結果を無効とさせてしまわないようにすることも確実に行う。
【0004】
技術的に存在する典型的な閉塞装置は、支持体と閉鎖要素とを備え、前記閉鎖要素は、延出位置と、閉塞装置が引込構成にあるとともに上記の導入口を閉止する引込位置との間で支持体に対して並進移動可能に設けられている。典型的な閉塞装置は、さらに、閉塞要素が引込位置に位置されると閉塞要素の移動を防止する固定手段も備えている。
【0005】
しかしながら、この閉塞装置が搭載されたカートリッジは、不利益を示す。
【0006】
古典的な閉塞装置は、生物試料の導入の前に、不適切なタイミングで閉塞してしまう可能性があり、これは、カートリッジを使用不可能にしてしまう可能性がある。使用者が、生物試料を導入する前に閉塞要素を単に押してしまっただけで、導入口を簡単に不注意で閉止してしまうかもしれないことは、理解されるだろう。不適切なタイミングで閉塞してしまうことは、カートリッジの包装および/または移動の間に発生する可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/004103号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の不利益のすべてまたは一部を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、これらの目的を成就し、導入口を閉止するための封止装置を提供し、その封止装置は、固定支持体と、延出位置と最終引込位置との間で支持体に対して並進移動可能に設けられたシャッタとを備え、シャッタが最終引込位置にあるとき、封止装置は最終引込構成にあり、かつ、シャッタは導入口を閉止しており、シャッタが最終引込位置にあるときにシャッタのあらゆる移動を防止する固定手段をさらに備え、封止装置は中間引込位置を備え、封止装置が中間引込構成にあるとき、シャッタが少なくとも部分的に引き込まれており、封止装置は、シャッタの移動を案内する動作案内手段を備えており、前記動作案内手段は、シャッタを中間引込位置から最終引込位置へと動かすためにシャッタの延出が必要とされるように設計されることをさらに特徴とする。
【0010】
したがって、本発明による封止装置は、不適切なタイミングでの閉塞を防止するために、中間引込位置と動作案内手段とを備える。その中間構成に位置されている本発明による封止装置を備えたカートリッジを保管または持ち運ぶことは、有益である。動作案内手段は、シャッタが中間引込位置から最終引込位置へと直接的に押し進むことによって移動するのを防止する。動作案内手段は、シャッタの中間引込位置から延出位置への延出を含む動作によって、動作案内手段がシャッタを中間引込位置から最終引込位置へと移動させるようになっている。その結果、延出されると、シャッタを最終引込位置に向かって引き込まれることができる。したがって、使用者は、シャッタを単に押す動作だけによって、シャッタを中間引込位置から最終引込位置へと不注意で動かしてしまうことはできない。引き込まれる前に、シャッタが先ず延出位置へと動かされなければならないということが、使用者の意図した動作を含んでいる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、封止装置は、シャッタが中間引込構成に戻るのを防止するように、シャッタが延出されているときにシャッタの移動を変えるように設計された切換手段を備える。有利なことには、切換手段は、シャッタが切換位置を超えて延出されたときに中間引込位置への戻りを防止するように設計される。切換手段は、シャッタが切換位置を超えて延出されたとき、使用者がシャッタを中間引込位置へと押し戻すのを防止する。したがって、使用者は、シャッタが第1の引込位置ではなく最終引込位置に押し戻されていないかどうかについて心配する必要がない
【0012】
本発明の実施形態によれば、封止装置は、延出位置を超えるシャッタの延出を防止するように設計された保持手段をさらに備える。
【0013】
好ましい実施形態では、保持手段は第2の限界停止部を備える。保持手段は、固定支持体からのシャッタの分離を防止する。限界停止部は、一体に組み立てられたシャッタおよび支持体を維持することを可能とし、そのため、操作者は、延出されたシャッタを固定支持体に再び差し込む必要がない。
【0014】
本発明の実施形態によれば、動作案内手段は、共に協働する、少なくとも案内ピンと、少なくとも変形可能舌部と、少なくとも案内溝とを備える。有利なことには、切換手段は、変形可能舌部と第1の案内溝とを備え、第1の案内溝は、切換位置を備える第1の案内溝の第3の切換部において舌部の弾性変形を引き起こすように指定されている。
【0015】
本発明の可能性によれば、封止装置は、シャッタが最終引込位置に向かって移動されるとき、導入口に挿入されたスワブを切断するように設計された切断手段を備える。したがって、切断手段は、スワブを自動的に切断するため、使用者に安全に作業させることができるとともに、使用者に試料を含むスワブの汚染を最小限にさせることができる。有利なことには、切断手段は、切断スロットに設けられた刃先であってシャッタの第2の板材の面に置かれた刃先を少なくとも備える。
【0016】
本発明の実施形態によれば、シャッタおよび/または支持体は、ポリカーボネートを含む、または、ポリカーボネートから作られる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、シャッタは、封止装置が中間引込構成にあるとき、導入口を閉止する。したがって、シャッタは、カートリッジの最適な保管条件を確保し、特に、保管の間の条件の整った空気を維持するのを助け、生物試料の導入前にカートリッジに汚染物が導入されるのを防止する。
【0018】
また、本発明は、本発明による封止装置を備える、医学的検定を実施するためのカートリッジにも関する。
【0019】
本発明は、本発明の非限定的な封止装置の例示的および説明的な実施形態を表す添付の図面を考慮して明記された以下の詳細な説明によって、さらに示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による固定支持体の下方からの斜視図である。
図2】本発明による閉止装置の上方からの斜視図である。
図3】中間引込構成にある封止装置の一部の下方からの斜視図である。
図4】封止装置が延出構成にある図3と同様の図である。
図5】封止装置が最終引込構成にある図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
漏洩および/または汚染を回避するために、本発明による封止装置は、生物試料を導入するために診断カートリッジに設けられた導入口1を閉止するように設計されている。封止装置は、図1に示す固定支持体2と、図2に示すシャッタ3であって、固定支持体2において並進移動可能に設けられるように設計されたシャッタ3とを備えている。封止装置は、シャッタ3が延出されているときに固定支持体2上のシャッタ3の移動を案内するように設計された動作案内手段をさらに備えている。
【0022】
図1に示された固定支持体2は第1の板材4を備えており、前記第1の板材4は、実質的に矩形を有しつつ導入口1の輪郭を作り出している。第1の板材4には、板材4の幅に対応するその端部のうちの一方において、2つの円柱形の案内ピン5が設けられている。2つの案内ピン5は、第1の板材4の長手方向軸に対して対称的に配置されており、第1の板材4の第1の接触側6から突出するように、第1の板材4の面に対して実質的に垂直な方向に延在している。案内ピン5は、弾性変形可能である2つの舌部7の端にそれぞれ配置されている。各舌部7は、第1の板材4のスロット8に配置されており、各舌部7は、第1の板材4の長手方向軸Aと実質的に平行な方向に延在している。有利なことには、第1の板材4は少なくとも2つの先端部9を備えており、当該少なくとも2つの先端部9は、挿入口1の縁に弾性変形可能に位置しており、前記少なくとも2つの先端部9は、前記少なくとも2つの先端部の間の隙間10であって、スワブを挟むように適合された隙間10を画定している。
【0023】
図2に示すシャッタ3は実質的に矩形の第2の板材11を備えており、前記第2の板材11は、シャッタ3および固定支持体2の相対位置に応じて挿入口1を全体的または部分的に覆うように設計されている。シャッタ3は実質的に矩形の形状の把持ハンドル12をさらに備えており、前記把持ハンドル12は、第2の板材11の幅に実質的に対応している長さを有する。把持ハンドル12は、第2の板材11の幅を定めている縁のうちの一方から実質的に垂直に延在しており、使用者によって掴まれるように意図されており、また、使用者がシャッタ3を動かすことができるように意図されている。シャッタ3の第2の板材11は、第2の接触側13において、2対の案内溝を備えており、各対の案内溝は、第1の案内溝14と第2の案内溝15とを備えている。第1の案内溝14および第2の案内溝15の各々は、図2に示す第2の板材11の長手方向軸Bと実質的に平行な方向に延びており、シャッタ3の長さを形成する縁16に沿って配置されている。各第1の案内溝14は、把持ハンドル12の近くに位置した第1の限界停止部17と、把持ハンドル12から離れた切換位置18との間で延びている。第1の案内溝14は3つの部分19、20、21を備えており、3つの部分19、20、21は、第1の限界停止部17から切換位置18へと連続して延在している。第1の部分19は、その端部のうちの一方において第1の限界停止部17を備えており、突起22を形成するようにして湾曲されている。第2の部分20は、実質的に真っ直ぐであり、切換位置18に延びている第3の切換部分21が続いている。第3の切換部分21は、第2の板材11の長手方向軸Bに向かって湾曲されている。第3の切換部分21は、連結領域23において開口している。連結領域23は、切換位置18と面するように配置された第2の限界停止部24によって形成された保持手段を有利に備えている。各第2の案内溝15は、切換位置18から把持ハンドル12に向かって連続して延びる案内溝の3つの部分25、26、27を備えている。第1の部分25は、把持ハンドル12に向かって、且つ第2の板材11の長さを形成する最も近い縁に向かって湾曲されている。第2の部分26は、第1の部分25から延び、実質的に真っ直ぐであり、第2の板材11の最も近い縁16と第1の案内溝14との間で延びている。所与の案内溝の対のうちの第2の部分20および第2の部分26は、互いと実質的に平行である。第3の部分27は、第2の部分26の延出部を形成し、第1の案内溝14の第1の限界停止部17と把持ハンドル12との間で、第2の板材11の長手方向軸Bに対して実質的に垂直に延びている。第3の部分27の壁は、第2および第3の限界停止部28、29を形成している。有利なことには、シャッタ3は、切断手段をさらに備えている。切断手段は、把持ハンドル12の反対の端に位置された切断スロット31に配置された刃先30を備えている。刃先30は、シャッタ3の第2の板材11の面にある。
【0024】
封止装置の動作案内手段は、円柱形の案内ピン5と、舌部7と、第1の案内溝14および第2の案内溝15とを備えている。
【0025】
動作案内手段は、シャッタ3が、第1の経路に沿って中間引込位置と延出位置との間を移動させられ、第2の経路に沿って延出位置と最終引込位置との間を移動させられるように設計されている。切換手段は、第1の経路から第2の経路への切換の間に、動作案内手段の少なくとも一部の弾性変形を生じさせる。
【0026】
シャッタ3および支持体2は、ポリカーボネートから作られている。
【0027】
正常に作動できる状態で、シャッタ3は、固定支持体2の第1の接触側6がシャッタ3の第2の接触側13に向かい合い、各案内ピン5が第1の案内溝14に挿入されるように、固定支持体2に搭載される。案内ピン5が第1の限界停止部17と接触しているとき、封止装置は、図3に示すように中間引込構成となっている。操作者によるシャッタ3の変位は、第1の案内溝14および/または第2の案内溝15にある各案内ピン5の移動を生じさせる。各第1の限界停止部17は、案内ピン5を妨げており、操作者が図3図5に示す矢印Cで指示される方向と反対の方向へとシャッタ3を押すのを防止する。中間引込位置から、挿入口1を開けるためには、操作者は、案内ピン5を案内溝14の第1の部分19に沿って移動させるために、シャッタ3を矢印Cで指示される方向に引っ張る必要がある。突起22は、操作者の介入なしでの案内ピン5の移動を防止するように設計されている。実際、突起22の方向および形態ならびに舌部7の形態および方向は、舌部7の変形を必要とするように選択されており、そのため、操作者は、シャッタ3を中間引込位置から引っ張る間に力を増加させる必要がある。操作者がシャッタ3を矢印Cで指示される方向に引っ張り続けると、案内ピン5は出てきて第1の案内溝14の第2の部分20へと入る。操作者は、シャッタ3を引っ張り続けるとき、案内ピン5の第2の部分20から第3の切換部分21への変位をさらに生じさせる。第3の切換部分21の形態と、第3の切換部分21への案内ピン5の移動とは、シャッタ3が変位されて案内ピン5が切換位置18に到達するまで、案内ピン5を板材11の長手方向軸Aへと近づけるとともに、舌部7の変形を生じさせる。第1の部分19、第2の部分20、および第3の切換位置18での案内ピン5の移動は、矢印Cで指示される方向またはその反対方向において可能である。案内ピン5が、矢印Cによって指示される方向に、切換位置18を超えて移動されるとき、案内ピン5は連結領域23へと入り、舌部7は、切換位置18を過ぎた直後にそれの初期形態へと跳ね返る。舌部7の初期形態は、舌部7が曲げられていないときに、連結領域23中で各案内ピン5が第2の案内溝15の第1の部分25を向くようにして、選択されている。切換位置を過ぎた直後、案内ピン5が矢印Cによって指示された方向に移動されるとき、封止装置は、図4に示すように、展開構成にある。案内ピン5は、連結領域23内で、矢印Cによって指示される方向またはその反対方向に移動させることができる。有利なことには、連結領域23の第2の限界停止部24は、案内ピン5を妨げており、操作者がシャッタ3をさらに引っ張るのを防止し、連結領域23を超えて案内ピン5を移動するのを防止している。したがって、シャッタ3は、それを引っ張ることでは、固定支持体2から取り外すことができない。延出位置において、操作者は、封止装置の挿入口1を通して、分析される生物試料を含んだスワブを挿入できる。適切な条件で試料の検定を開始するために、シャッタ3は固定されなければならない。そのため、操作者は、シャッタ3を、矢印Cで指示される方向と反対の方向へと押さなければならない。そのように押す際、操作者は、円柱形の案内ピン5が連結領域23を離れて切換位置18を過ぎて第2の案内溝15に入るように、円柱形の案内ピン5を導く。実際、舌部7の形態および案内溝14、15の形態を考慮すると、案内ピン5は第1の案内溝14の第3の切換部分21に入ることはできない。第1の部分25は、湾曲されており、シャッタ3を矢印Cで指示される方向と反対の方向へと押す間、案内ピン5が第1の部分25に沿って移動していき、かつ、舌部7が曲げられていくにつれて、操作者に力を増加させるように強いる。第1の部分25および第2の部分26における円柱形の案内ピン5の移動は、矢印Cで指示される方向および反対の方向において可能である。舌部7の形態と、第1の部分25および第2の部分26の形態および位置とは、案内ピン5が第1の部分25および第2の部分26にあるときに舌部7が曲げられるように、選択されている。操作者がシャッタ3を押し続けるとき、案内ピン5は、舌部を直ぐにその初期形態へと跳ね返させる第3の部分27へと入る。案内ピン5が第3の部分27にあるとき、第2および第3の限界停止部28、29は、固定手段を形成し、シャッタ3が移動されるのを防止するために、案内ピン5を妨げる。この構成において、封止装置は、図5に示すように、最終引込構成となっている。最終引込位置にある封止装置は、固定されており、展開することはできず、生物学的検定の間の汚染および漏洩を防止している。有利なことには、スワブが挿入口1内に挿入されて先端部9によって維持されているとき、シャッタ3の最終引込位置に向かう移動の間にスワブを刃先30によって切断するために、切断手段は、スワブが切断スロット31内に導入されるように設計されている。
【0028】
本発明の他の実施形態が、本明細書で開示された本発明の仕様および実施を検討することで、当業者には明らかとなるであろう。使用および例は、例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって述べられることが意図されている。
【符号の説明】
【0029】
1 導入口
2 固定支持体
3 シャッタ
4 第1の板材
6 第1の接触側
7 舌部
8 スロット
9 先端部
10 隙間
11 第2の板材
12 把持ハンドル
13 第2の接触側
14 第1の案内溝
15 第2の案内溝
16 縁
17 第1の限界停止部
18 切換位置
19 第1の部分
20 第2の部分
21 第3の切換部分
22 突起
23 連結領域
24 第2の限界停止部
25 第1の部分
26 第2の部分
27 第3の部分
28 第2の限界停止部
29 第3の限界停止部
30 刃先
31 切断スロット
A 長手方向軸
B 長手方向軸
C 矢印
図1
図2
図3
図4
図5