特許第5908166号(P5908166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェムアルト エスアーの特許一覧

特許5908166ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置
<>
  • 特許5908166-ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置 図000002
  • 特許5908166-ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置 図000003
  • 特許5908166-ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置 図000004
  • 特許5908166-ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置 図000005
  • 特許5908166-ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置 図000006
  • 特許5908166-ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908166
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】ワイヤレス・ネットワーク・システムにおける多重優先順位アクセスのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/00 20090101AFI20160412BHJP
   H04W 8/04 20090101ALI20160412BHJP
   H04W 72/10 20090101ALI20160412BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20160412BHJP
【FI】
   H04W74/00
   H04W8/04
   H04W72/10
   H04W72/04 150
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-511558(P2015-511558)
(86)(22)【出願日】2013年5月6日
(65)【公表番号】特表2015-516778(P2015-516778A)
(43)【公表日】2015年6月11日
(86)【国際出願番号】US2013039621
(87)【国際公開番号】WO2013169615
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2015年1月5日
(31)【優先権主張番号】13/468,616
(32)【優先日】2012年5月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516008305
【氏名又は名称】ジェムアルト エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】カサティ,アレシオ
(72)【発明者】
【氏名】バークレー,デボラ
【審査官】 石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−505446(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0182607(US,A1)
【文献】 Qualcomm Incorporated,Discussion on dual priority devices and CT1 issues,S2-121517,2012年 4月11日
【文献】 Hyawei, HiSilicon, Nokia Siemans Networks, CATT, Ericsson, ST-Ericsson,Handling of NAS signalling low priority overriding indication,C1-122493(本願の優先日以降に提案された寄書),2012年 5月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス・ネットワーク(100)にアクセスするための方法であって、
低アクセス優先順位を有するように指定されるデバイス(120)からの登録要求を送信するステップであって、前記登録要求は、前記デバイスが、多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含んでおり、前記多重アクセス優先順位は、前記低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含む、送信するステップと、
前記登録要求に対する応答に基づいて前記ワイヤレス・ネットワークに対してアクセスを要求するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記登録要求に対する前記応答が、前記ワイヤレス・ネットワークにより、前記デバイスが、多重アクセス優先順位を有することが可能になることを示す場合に、前記デバイスによって、前記より高いアクセス優先順位でサービス接続を選択的に要求するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ワイヤレス・ネットワーク(100)に対する優先順位アクセスを制御するための方法であって、
低アクセス優先順位を有するように指定されるデバイス(120)からの登録要求を受信するステップであって、前記登録要求は、前記デバイスが、多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含んでおり、前記多重アクセス優先順位は、前記低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含む、受信するステップと、
前記のより高いアクセス優先順位の下で前記デバイスに対するサービス接続を可能にすべきかどうかを決定するステップと、
前記決定するステップに基づいて前記登録要求に対する応答を送信するステップと
を含む方法。
【請求項4】
前記決定するステップは、前記ワイヤレス・ネットワークの少なくとも1つのセルの混雑状態レベルに基づいている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記決定するステップは、前記ワイヤレス・ネットワークのコア・ネットワーク混雑状態レベルに基づいている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記より高いアクセス優先順位で、サービスを要求するサービス要求を受信するステップと、
前記サービス要求に応答することを必要とされる少なくとも持続時間にわたって、前記より高いアクセス優先順位を選択的に認可するステップと、
前記サービス要求に応答することを必要とされる前記持続時間にわたって価格制御を実施するステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス・ネットワーク(100)にアクセスするためのデバイス(120)であって、
プロセッサと、関連するメモリと
を備え、前記プロセッサは、
前記デバイスが、低アクセス優先順位を有するように指定されること、および前記デバイスが、前記低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含む多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含む登録要求を送信し、また
前記登録要求に対する応答に基づいて前記ワイヤレス・ネットワークに対してアクセスを要求するように構成されている、デバイス。
【請求項8】
前記登録要求に対する前記応答が、前記ワイヤレス・ネットワークにより、前記デバイスが多重アクセス優先順位を有することができるようになることを示す場合に、前記プロセッサは、さらに、前記より高いアクセス優先順位で、前記ワイヤレス・ネットワークにサービス接続を選択的に要求するように構成されている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
ワイヤレス・ネットワーク(100)に対する優先順位アクセスの使用を制御するための装置(110、130)であって、
プロセッサと、関連するメモリとを備えており、前記プロセッサは、
低アクセス優先順位を有するように指定されるデバイス(120)から、前記デバイスが、前記低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含む多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含む登録要求を受信し、
前記より高いアクセス優先順位の下で前記デバイスに対するサービス接続を可能にすべきかどうかを決定し、また
前記決定に基づいて応答を送信するように
構成されている、装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、さらに、
前記より高いアクセス優先順位でサービスを要求するサービス要求を受信し、
前記サービス要求に応答することを必要とされる少なくとも持続時間にわたって前記より高いアクセス優先順位を選択的に認可し、また
前記サービス要求に応答することを必要とされる前記持続時間にわたって価格制御を実施するように
構成されている、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特に、マシン・ツー・マシン(M2M:Machine to Machine)通信のためのワイヤレス技術の使用とともに、モバイル・ブロードバンド・アクセスについての要求が、増大し続けているので、それだけには限定されないが、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)技術やユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)技術などのワイヤレス技術において、さらなる改良についての必要性が存在している。第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)リリース11は、これらのさらなる改良を提供するワイヤレス産業界の努力の一部分である。
【0002】
3GPP LTEの現在のリリースと、以前のリリースとにおいては、モバイル・デバイスは、低アクセス優先順位用に構成されているものとして分類される可能性がある。低アクセス優先順位用に構成されるデバイスは、より高いアクセス優先順位を有する他のデバイスと比較して、ワイヤレス・ネットワークにアクセスするときに、低下された優先順位で動作する。混雑状態の期間中に、ネットワークは、通常優先順位要求と、高優先順位要求とに対してアクセスを依然として可能にしながら、低アクセス優先順位デバイスからのネットワーク・アクセスについての要求を拒絶し、または制限することもある。低アクセス優先順位用に構成されるデバイスは、特別な通常優先順位アクセスまたは高優先順位アクセスが、認可されない限り、低アクセス優先順位の下で動作する。例えば、特別な優先順位アクセスが、緊急呼出しまたはモバイル優先順位サービス(MPS:Mobile Priority Service)の場合に、低アクセス優先順位デバイスに対して認可される可能性がある。
【0003】
いくつかの低アクセス優先順位デバイスが、ある種の追加の状況において、通常アクセス優先順位モードで動作することができることは、望ましい可能性がある。例えば、低アクセス優先順位で一般的に動作するデバイスが、通常アクセス優先順位モードを使用してアプリケーション・サーバに報告される必要があるアプリケーションまたはイベントを有する可能性がある。例えば、時間ごとの使用報告、または日ごとの使用報告を送信するデバイスの上のアプリケーションは、低アクセス優先順位を使用してそれらの報告を送信することができ、またユニット(例えば、ユーティリティ・ボックスまたは自動販売機)が、改ざんされているという情報や、リソースが、少なくなっている(例えば、キャンディまたはソーダ)という情報など、高優先順位情報を送信すべき通常アクセス優先順位を使用することになる。通常アクセス優先順位を可能にするために、これらの低アクセス優先順位デバイスは、デュアル・アクセス優先順位能力用に構成されている必要がある。
【0004】
他の機能強化のうちでも、3GPP Rel 11は、デバイスと、ネットワークとについてのデュアル・アクセス優先順位能力を提供することが、提案されてきている。しかしながら、低アクセス優先順位デバイスが、デュアル・アクセス優先順位能力を乱用する可能性があるという心配がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)リリース11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、ワイヤレス・ネットワークにアクセスするための方法および/またはデバイスと、ワイヤレス・ネットワークに対する優先順位アクセスの使用を制御するための方法および/または装置とに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態においては、ワイヤレス・ネットワークにアクセスするための方法は、低アクセス優先順位を有するものとして指定されるデバイスから登録要求を送信するステップを含んでいる。登録要求は、デバイスが、多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含んでいる。多重アクセス優先順位は、低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含む。本方法は、登録要求に対する応答に基づいて、ワイヤレス・ネットワークに接続するときに、アクセスを要求するステップをさらに含んでいる。
【0008】
一実施形態においては、登録要求に対する応答は、ワイヤレス・ネットワークが、多重アクセス優先順位を可能にするかどうかを示す。
【0009】
本方法は、登録要求に対する応答が、ワイヤレス・ネットワークがデバイスについての多重アクセス優先順位を可能にしないことを示す場合に、デバイスによって、ワイヤレス・ネットワークに低アクセス優先順位サービス接続を要求するステップをさらに含むことができる。
【0010】
一実施形態においては、本方法は、登録要求に対する応答が、ワイヤレス・ネットワークが多重アクセス優先順位を可能にすることを示す場合に、デバイスによって、より高いアクセス優先順位でサービス接続を選択的に要求するステップをさらに含んでいる。
【0011】
少なくとも1つの実施形態においては、本方法は、登録要求に対する応答を受信するステップをさらに含んでいる。
【0012】
一実施形態においては、ワイヤレス・ネットワークに対する優先順位アクセスを制御するための方法は、低アクセス優先順位を有するものとして指定されるデバイスから登録要求を受信するステップを含んでいる。登録要求は、デバイスが、多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含んでいる。多重アクセス優先順位は、低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含む。本方法は、より高いアクセス権限の下でデバイスに対するサービス接続を可能にすべきかどうかを決定するステップをさらに含んでいる。本方法は、決定するステップに基づいて登録要求に対する応答を送信するステップをさらに含んでいる。
【0013】
一実施形態においては、サービス接続についての決定するステップは、ワイヤレス・ネットワークの少なくとも1つのセルの混雑状態レベルに基づいている。
【0014】
一実施形態においては、サービス接続を決定するステップは、ワイヤレス・ネットワークのコア・ネットワーク混雑状態レベルに基づいている。
【0015】
一実施形態においては、応答は、決定するステップが、より高いアクセス優先順位の下でデバイスに対するサービス接続を可能にしないことを決定する場合に、より高いアクセス優先順位が、デバイスのために可能にされないことを示している。
【0016】
本方法は、より高いアクセス優先順位でサービスを要求するサービス要求を受信するステップをさらに含むことができる。本方法は、サービス要求に対して応答することを必要とされる少なくとも持続時間にわたって、より高いアクセス優先順位を選択的に認可するステップをさらに含むことができる。本方法は、サービス要求に対して応答することを必要とされる持続時間にわたって価格制御を実施するステップをさらに含むことができる。
【0017】
一実施形態においては、ワイヤレス・ネットワークに登録するためのデバイスは、プロセッサと、関連するメモリとを含んでいる。プロセッサは、登録要求を送信するように構成されている。登録要求は、デバイスが、低アクセス優先順位を有するように指定されること、およびデバイスが、多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含んでいる。多重アクセス優先順位は、低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含んでいる。プロセッサは、さらに、登録要求に対する応答に基づいて、ワイヤレス・ネットワークに対してアクセスを要求するように構成されている。
【0018】
一実施形態においては、登録要求に対する応答は、ワイヤレス・ネットワークが、多重アクセス優先順位を可能にするかどうかを示している。
【0019】
一実施形態においては、登録要求に対する応答が、ワイヤレス・ネットワークがデバイスについて多重アクセス優先順位を可能にしないことを示す場合に、プロセッサは、さらに、ワイヤレス・ネットワークに低優先順位サービスだけを要求するように構成されている。
【0020】
一実施形態においては、登録要求に対する応答が、ワイヤレス・ネットワークによりデバイスが多重アクセス優先順位を有することができるようになることを示す場合に、プロセッサは、さらに、より高いアクセス優先順位レベルでワイヤレス・ネットワークからのサービス接続を選択的に要求するように構成されている。
【0021】
一実施形態においては、プロセッサは、さらに、登録要求に対する応答を受信するように構成されている。
【0022】
一実施形態においては、ワイヤレス・ネットワークに対する優先順位アクセスの使用を制御するための装置は、プロセッサと、関連するメモリとを含んでいる。プロセッサは、低アクセス優先順位を有するように指定されるデバイスから登録要求を受信するように構成されている。登録要求は、デバイスが、多重アクセス優先順位をサポートすることを示す値を含んでいる。多重アクセス優先順位は、低アクセス優先順位と、少なくとも1つのより高いアクセス優先順位とを含んでいる。プロセッサは、さらに、より高いアクセス優先順位の下でデバイスに対するサービス要求を可能にすべきかどうかを決定するように構成されている。プロセッサは、さらに、その決定に基づいて応答を送信するように構成されている。
【0023】
一実施形態においては、決定は、ワイヤレス・ネットワークの少なくとも1つのセルの混雑状態レベルに基づいている。
【0024】
一実施形態においては、決定は、ワイヤレス・ネットワークのコア・ネットワーク混雑状態レベルに基づいている。
【0025】
一実施形態においては、決定が、より高いアクセス優先順位の下でデバイスに対するサービス接続を可能にしないことを決定する場合に、応答は、より高いアクセス優先順位のサービス接続が、デバイスのために可能にされないことを示している。
【0026】
一実施形態においては、プロセッサは、さらに、より高いアクセス優先順位でサービスを要求するサービス要求を受信するように構成されている。プロセッサは、さらに、サービス要求に対して応答することを必要とされる少なくともある持続時間にわたってより高いアクセス優先順位を選択的に認可するように構成されている。プロセッサは、さらに、サービス要求に応答することを必要とされるその持続時間にわたって価格制御を実施するように構成されている。
【0027】
例示の実施形態は、以下で本明細書において与えられる詳細な説明と、添付の図面とから、より十分に理解されるようになり、そこでは、同様な要素は、同様な参照番号によって表され、これらの参照番号は、例証としてだけ与えられ、またそれゆえに本開示を限定してはいない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示の実施形態が、実施され得るシステムを示す図である。
図2】少なくとも1つの例示の実施形態による方法を実施するためのネットワーク要素またはモバイル・デバイスの構造を示す図である。
図3】例示の一実施形態による方法を実施するための信号フローを示す図である。
図4】いくつかの例示の実施形態による方法を実施するためのメッセージの構造を示す図である。
図5A】いくつかの例示の実施形態による方法を実施するためのメッセージの構造を示す図である。
図5B】いくつかの例示の実施形態による方法を実施するためのメッセージの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の様々な実施形態は、次に、添付の図面を参照してより十分に説明されるであろう。図面の上の同様な要素は、同様な参照番号によってラベル付けされる。
【0030】
詳細な実例となる実施形態が、本明細書において開示される。しかしながら、本明細書において開示される特定の構造的な、また機能的な詳細は、例示の実施形態を説明する目的のための単に代表的なものにすぎない。しかしながら、本発明は、多数の代替的な形態で実施されることもあり、また本明細書において説明される実施形態だけに限定されるように解釈されるべきではない。
【0031】
それに応じて、例示の実施形態は、様々な修正形態と、代替的な形態とを可能とすることができるが、それらの実施形態は、図面において例として示され、また本明細書において詳細に説明されることになる。しかしながら、開示される特定の形態だけに例示の実施形態を限定する意図がないことを理解すべきである。それとは逆に、例示の実施形態は、本開示の範囲内に含まれるすべての修正形態と、同等形態と、代替形態とを包含すべきである。同様な番号は、図面の説明全体を通して、同様な要素を意味している。
【0032】
第1の、第2のなどの用語は、本明細書において使用されて、様々な要素を説明することができるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語を使用して、1つの要素を別の要素から区別するだけである。例えば、本開示の範囲を逸脱することなく、第1の要素は、第2の要素と名付けられる可能性があり、また同様に、第2の要素は、第1の要素と名付けられる可能性がある。本明細書において使用されるように、用語「および/または」は、1つまたは複数の関連するリストアップされた項目についての任意の組合せおよびすべての組合せを含んでいる。
【0033】
ある要素が、別の要素に「接続されている(connected)」または「結合されている(coupled)」と称されるときに、その要素は、他の要素に直接に接続され、または結合される可能性もあり、あるいは介在する要素が存在していてもよい。対照的に、ある要素が、別の要素に「直接に(directly)接続されている」、または「直接に結合されている」と称されるときには、介在する要素は存在していない。要素の間の関係を説明するために使用される他の言葉も、同様にして(例えば、「間に(between)」に対して「直接に間に」、「隣接して(adjacent)」に対して「直接に隣接して」など)解釈されるべきである。
【0034】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためであり、また限定することを意図してはいない。本明細書において使用されるように、単数形の形式「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が、明らかにそうでない場合を示していない限り、同様に複数形の形式を含むことを意図している。用語「備える/含む(comprises)」、「備えている/含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、本明細書において使用されるときに、述べられた機能、整数、ステップ、オペレーション、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0035】
いくつかの代替的な実装形態においては、指摘される機能/動作は、図面の中で指摘される順序と異なる順序で起こり得ることにも注意すべきである。例えば、逐次的に示される2つの図面は、関与する機能/動作に応じて、実際には、実質的には並行して実行されることもあり、または時として逆の順序で実行されることもある。
【0036】
特定の詳細は、例示の実施形態の完全な理解を提供するように、以下の説明において提供される。しかしながら、例示の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実行され得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、システムは、不必要な詳細で例示の実施形態をあいまいにすることのないように、ブロック図の形で示されることもある。他の例では、よく知られているプロセス、構造、および技法は、例示の実施形態をあいまいにすることを回避するために、不必要な詳細なしに示されることもある。
【0037】
以下の説明においては、実例となる実施形態は、特定のタスクを実行し、または特定の抽象データ型を実施し、また既存のネットワーク要素において、既存のハードウェアを使用して実施され得るルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むプログラム・モジュールまたは機能プロセスとして実施され得る(例えば、フロー・チャート、流れ図、データ・フロー図、構造図、ブロック図などの形式の)動作とオペレーションのシンボリック表現とを参照して説明されるであろう。そのような既存のハードウェアは、1つまたは複数の中央演算処理装置(CPU:Central Processing Units)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processors)、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate arrays)、あるいはコンピュータなどを含むことができる。
【0038】
フロー・チャートは、それらのオペレーションを逐次的なプロセスとして説明することができるが、それらのオペレーションの多くは、並列に、並行して、または同時に実行されることもある。さらに、オペレーションの順序は、並べ替えられることもある。プロセスは、そのオペレーションが、完了されるときに終了されることもあるが、図面の中に含まれない追加のステップを有することもできる。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応する可能性がある。プロセスが、関数に対応するときに、その終了は、呼出し関数またはメイン関数に対する関数のリターンに対応することもある。
【0039】
本明細書において開示されるように、用語「ストレージ媒体」または「コンピュータ読取り可能ストレージ媒体」は、リード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、磁気RAM、コア・メモリ、磁気ディスク・ストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュ・メモリ・デバイス、および/または情報を記憶するための他の有形のマシン読取り可能媒体を含めて、データを記憶するための1つまたは複数のデバイスを表すことができる。用語「コンピュータ読取り可能媒体」は、それだけには限定されないが、ポータブル・ストレージ・デバイスまたは固定ストレージ・デバイスと、光ストレージ・デバイスと、命令(単数または複数)および/またはデータを記憶し、含み、または搬送することができる様々な他の媒体とを含むことができる。
【0040】
さらに、例示の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの組合せによって実施されることもある。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードの形で実施されるときに、必要なタスクを実行すべきプログラム・コードまたはコード・セグメントは、コンピュータ読取り可能ストレージ媒体など、マシン読取り可能媒体またはコンピュータ読取り可能媒体に記憶されることもある。ソフトウェアの形で実施されるときに、1つまたは複数のプロセッサは、必要なタスクを実行することになる。
【0041】
コード・セグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、あるいは命令、データ構造、またはプログラム・ステートメントの任意の組合せを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引き数、パラメータまたはメモリ内容を渡すこと、および/または受信することにより、別のコード・セグメントまたはハードウェア回路に結合されることもある。情報、引き数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ・パッシング、トークン・パッシング、ネットワーク伝送などを含む任意の適切な手段を経由して、渡され、転送され、または送信されることもある。
【0042】
例示の実施形態は、マイクロ波アクセスのためのワールドワイド・インターオペラビリティ(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB:ultra mobile broadband)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト・ロング・ターム・エボリューション(3GPP LTE:Generation Partnership Project Long Term Evolution)などの無線アクセス・ネットワーク(RAN:Radio Access Networks)に関連して利用されることもある。
【0043】
現在のワイヤレス・ネットワークにおいては、デバイスは、低アクセス優先順位通信について可能にされるにすぎないものとして分類される可能性がある。低アクセス優先順位通信だけをサポートするデバイスは、そのワイヤレス・ネットワークの少なくとも1つのセルの上の混雑状態、またはワイヤレス・ネットワークのコア・ネットワークの上の混雑状態の期間中に、ワイヤレス・ネットワークにアクセスすることができない可能性がある。しかしながら、低アクセス優先順位デバイスは、特別な状況の下で、例えば、緊急の場合に、より高い優先順位アクセスを認可されることもある。
【0044】
モバイル・ネットワーク・オペレータ(MNO:Mobile network operators)は、デバイスが、何らかの状況においては通常アクセス優先順位ステータスの下で動作する可能性があるが、たいていの状況においては低アクセス優先順位ステータスの下で動作する可能性があるという意味で、デバイスが、デュアル・アクセス優先順位能力を提供されることを要求している。しかしながら、デュアル・アクセス優先順位を可能にすることは、ある種の状況において乱用をもたらす可能性があり、またこれは、サービス攻撃の拒絶に起因してネットワーク混雑状態またはネットワーク障害の悪化をもたらす可能性がある。
【0045】
例えば、ネットワークが、デュアル・アクセス優先順位能力を可能にするようにアップグレードされていないが、デュアル・アクセス優先順位をサポートするデバイスが、それにもかかわらず使用可能であり、またアップグレードされていないネットワークの中で動作している場合、アップグレードされたデバイスは、認可されていない優先順位ステータスの下でネットワークにアクセスしようと試みているように見えることもある。アップグレードされたデバイスは、それゆえに、アップグレードされていないネットワークの観点から「誤った振る舞いを行う」デバイスであるように見えることもあり、またこれらのデバイスは、それゆえに、アップグレードされていないネットワークから、低優先順位サービスを含めてどのようなサービスも拒絶される可能性がある。例えば、アップグレードされたデバイスが、それらのホーム・ネットワークにおいてデュアル・アクセス優先順位モードでサポートされるが、デュアル・アクセス優先順位をサポートしないアップグレードされていないネットワークの中へとローミングする場合に、この状況が起こる可能性がある。
【0046】
そのようなデバイスは、より高いアクセス優先順位接続をあまりにもしばしば要求し、またそれによって関連のあるネットワークに過負荷をかける可能性があるので、さらに、いくつかのMNOは、それらのネットワークのうちの少なくともいくつかの上でデュアル・アクセス優先順位デバイスにサービスを提供しないことを選択する可能性がある。知られているように、低アクセス優先順位デバイスは、一般的に、混雑状態の期間が、ネットワークにおいて存在しているときに、サービスを拒絶されるだけである。それゆえに、非常に多数の低アクセス優先順位デバイスが、デュアル・アクセス優先順位デバイスとして登録し、またより高いアクセス優先順位接続を取得する場合に、ネットワークの混雑状態は、悪化させられる可能性がある。
【0047】
例示の実施形態においては、デュアル・アクセス優先順位をサポートするユーザ・デバイスが、デュアル・アクセス優先順位が、デバイスが登録を要求しているネットワークの上で、可能にされ、またはサポートされるかどうかをチェックする方法が、提供される。例示の実施形態においては、そのようなチェックは、デバイスがネットワークの上で通信を試みる前に行われ、その結果、それらのデバイスは、ネットワークの観点から、「誤った振る舞いをする」デバイスであるようには見えない。デバイスが、ネットワークからデュアル・アクセス優先順位サポートについての表示を受信しない場合、そのときにはデバイスは、低アクセス優先順位モードのままに留まり、また低アクセス優先順位を伴うだけのサービスを要求する必要がある。
【0048】
図1は、例示の実施形態が実施されるシステムを示すものである。図1を参照すると、通信ネットワーク100は、少なくとも1つの基地局110を含んでいる。少なくとも1つのユーザ機器(UE:user equipment)120が、その少なくとも1つの基地局110に接続される。少なくとも1つの基地局110は、さらに、コア・ネットワーク(CN:Core Network)130に接続される。CN要素は、例えば、1つまたは複数のモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entities)を含んでいる。簡単にする目的のために、通信ネットワーク100は、たった1つの基地局110を有するように示されるが、通信ネットワーク100は、任意の数の基地局を有することもできる。基地局110は、地理的領域にサービスする。隣接した地理的領域にサービスする追加の、隣接する基地局が存在する可能性があることを理解すべきである。
【0049】
システム100は、1つまたは複数のUE 120を含むことができる。
【0050】
図2は、少なくとも1つの例示の実施形態による方法を実施するためのUE 120の構造を示す図である。UE 120は、ワイヤレス・ネットワークに接続される基地局110またはCN 130に対してブロードキャストする任意の要素とすることができる。
【0051】
送信ユニット210と、受信ユニット220と、メモリ・ユニット230と、処理ユニット240とは、データ・バス260を使用して互いに対してデータを送信し、かつ/または互いからデータを受信することができる。送信ユニット210は、ワイヤレス通信ネットワーク100において、ネットワーク要素に、1つまたは複数の有線接続および/またはワイヤレス接続を経由して、例えば、データ信号と制御信号とを含む有線信号および/またはワイヤレス信号を送信するためのハードウェアと任意の必要なソフトウェアとを含むデバイスである。例えば、送信ユニット210によって送信されるデータ信号は、ワイヤレス・ネットワークの上で登録するための、基地局110にサービスを要求するための、あるいはロケーション・アップデートおよび他のメッセージをCN 130に提供するための登録メッセージまたはサービス要求メッセージを含むことができる。
【0052】
受信ユニット220は、ワイヤレス通信ネットワーク100において、ネットワーク要素との、1つまたは複数の有線接続および/またはワイヤレス接続を経由して、例えば、データ信号と制御信号とを含む有線信号および/またはワイヤレス信号を受信するためのハードウェアと任意の必要なソフトウェアとを含むデバイスである。
【0053】
メモリ・ユニット230は、磁気ストレージ、フラッシュ・ストレージなどを含めて、データを記憶することができる任意のデバイスとすることができる。メモリ・ユニット230は、さらに、コンピュータ読取り可能コードを記憶することができる。
【0054】
処理ユニット240は、例えば、入力データに基づいて特定のオペレーションを実行するように構成されたマイクロプロセッサを含めて、データを処理することができ、またはメモリ・ユニット230の上に記憶されるコンピュータ読取り可能コードの中に含まれる命令を実行することができる任意のデバイスとすることができる。
【0055】
基地局110と、CN 130など、他のネットワーク要素は、互いに対して、またはUE 120に、信号を送信するための、またUE 120から送信される信号を受信するための類似した対応する構造を含むことが、理解されるであろう。例えば、基地局110と、CN 130とは、少なくとも1つの例示の実施形態による、UE 120に登録要求またはモビリティ・アップデートに対する応答を送信するための送信ユニット210を含んでいる。基地局110と、CN 130とは、少なくとも1つの例示の実施形態による、UE 120から登録要求またはモビリティ・アップデートを受信するための受信ユニット220をさらに含んでいる。
【0056】
例示の実施形態の態様は、ネットワーク要素110、130が、より高いアクセス優先順位、または「通常」アクセス優先順位を使用してデュアル・アクセス優先順位をサポートする低アクセス優先順位のUE 120がネットワーク・サービスを取得することができないようにするための方法を提供する。ネットワーク要素110、130が、デュアル・アクセス優先順位をサポートしないこともあるか、またはMNOが、対応するネットワークの上でデュアル・アクセス優先順位を可能にしないように望むこともあるかのいずれかである。
【0057】
例示の実施形態のさらなる態様は、ネットワーク要素110、130が、デュアル・アクセス優先順位をサポートする通常アクセス優先順位から低アクセス優先順位のUE 120の下で、ネットワーク・サービスを提供する方法を提供する。低アクセス優先順位のUE 120が、通常アクセス優先順位の下でサービスを受信することができなくするための、またサービスを受信することを可能にするための例示の実施形態が、図3を参照して以下で説明される。
【0058】
図3を参照すると、少なくとも1つの実施形態において、UE 120は、ネットワークに登録を要求するメッセージ1を送信する。登録メッセージは、アタッチ要求(AttachRequest)メッセージとすることができる。少なくとも1つの実施形態においては、UE 120は、アタッチ要求メッセージを基地局110に送信する。アタッチ要求メッセージは、図4を参照して以下でより詳細に説明される。
【0059】
少なくとも1つの他の実施形態においては、UE 120は、CN 130にメッセージ1を送信して、モビリティ管理プロシージャを実行する。少なくともこの実施形態においては、UE 120は、ネットワーク100において使用される3GPPアクセス技術に応じて、CN 130に、トラッキング・エリア・アップデート・メッセージ、ルーティング・エリア・アップデート・メッセージ、またはロケーション・エリア・アップデート・メッセージを送信する。
【0060】
図4を参照すると、アタッチ要求メッセージは、少なくとも1つのパラメータ、デバイスIDを含んでおり、このデバイスIDは、登録要求を行うUE 120の識別子である。アタッチ要求メッセージは、パラメータ、低アクセス優先順位(LowAccessPriority)をさらに含んでおり、この低アクセス優先順位は、UE 120が低アクセス優先順位デバイスであることを示している。さらに、アタッチ要求メッセージは、少なくとも1つのパラメータ、デュアル・アクセス優先順位を含んでおり、このデュアル・アクセス優先順位は、UE 120が、デュアル・アクセス優先順位をサポートすることを示している。デュアル・アクセス優先順位は、UE 120が、さらに、より高い「通常」アクセス優先順位モードをサポートする低アクセス優先順位デバイスであることを示している。メッセージ1が、トラッキング・エリア・アップデート・メッセージ、ルーティング・エリア・アップデート・メッセージ、ロケーション・エリア・アップデート・メッセージ、または他のモビリティ・アップデート・メッセージのうちの1つである場合に、類似したパラメータが含まれることになることが、理解されるであろう。
【0061】
もう一度図3を参照すると、ワイヤレス・ネットワークにおけるネットワーク側要素は、少なくとも基地局110とCN 130とである。例えば、CN 130は、アタッチ要求を処理し、またその応答を基地局110に送信し、また基地局110は、メッセージ2の中の応答をアタッチ要求メッセージに送信する。少なくとも1つの実施形態においては、応答は、アタッチ応答(AttachResponse)メッセージである。少なくとも1つの他の実施形態においては、ネットワーク側要素は、応答メッセージ2をトラッキング・エリア・アップデート・メッセージ、ルーティング・エリア・アップデート・メッセージ、ロケーション・エリア・アップデート・メッセージ、または他のモビリティ・アップデート・メッセージに送信する。
【0062】
応答メッセージ2は、2つの形態のうちの1つを取ることができる。ネットワークが、デュアル・アクセス優先順位を伴う低アクセス優先順位のUE 120をサポートすることを可能にしておらず、またはサポートするようにアップグレードされていない場合に、基地局110と、CN 130とは、UE 120が、デュアル・アクセス優先順位を使用することを可能にしていることを示さずに、デバイスを用いて登録プロシージャまたはモビリティ管理プロシージャを完了する。これが起こる場合には、応答メッセージは、図3においてメッセージ2aの形態を取る。ネットワークにより、低アクセス優先順位のUE 120がデュアル・アクセス優先順位を使用することができるようになる場合に、基地局110と、CN 130とは、UE 120が、登録応答メッセージまたはモビリティ管理応答メッセージにおいてデュアル・アクセス優先順位を使用することが可能にされることを示すことにより、UE 120を用いて登録プロシージャまたはモビリティ管理プロシージャを完了する。この場合には、応答メッセージは、図3に示されるメッセージ2bの形態を取る。
【0063】
登録プロセス、またはモビリティ・アップデート・プロセスの完了の後に、UE 120は、メッセージ3に従って低アクセス優先順位モードを使用して、任意の数のサービス接続を行うことができる。UE 120は、より高い優先順位アクセスが望ましくなるまで、メッセージ3に従って低アクセス優先順位モードを使用してサービス要求を行い続けることになる。
【0064】
UE 120が、通常優先順位を使用してネットワークにアクセスしたいと望むときに、UE 120は、そのメモリ・ユニット230に記憶される登録応答(アタッチ、トラッキング・エリア・アップデート...からの応答)をチェックして、ネットワークが、デュアル・アクセス優先順位についてのサポートを示したかどうかを決定する。例えば、UE 120は、メモリ・ユニット230に記憶される値をチェックすることができ、ここで、UE 120は、登録プロシージャまたはモビリティ・アップデート・プロシージャの結果を保存し、またはここで、UE 120は、メッセージ2のアタッチ応答、またはモビリティ管理応答の中で戻されるパラメータを保存した。
【0065】
ネットワーク要素110、130が、デュアル・アクセス優先順位についてのサポートを示さなかった場合に、UE 120は、低アクセス優先順位モードを使用して、ネットワーク・アクセスを継続しなければならない。それゆえに、UE 120は、UE 120が、低アクセス優先順位の下でサービスを受信したいと望むことを示すメッセージ4aを送信することになる。例示の一実施形態によるメッセージ4aは、図5Aに示されるようなサービス要求メッセージとすることができる。図5Aに示されるように、サービス要求メッセージ4aは、サービス要求を行うUE 120を識別する、少なくとも1つのパラメータ、デバイスIDを含んでいる。さらに、サービス要求メッセージ4aは、UE 120が、低アクセス優先順位で動作しながら、少なくともこのサービス要求を行っていることを示す、パラメータ、低アクセス優先順位(LowAccessPriority)を含んでいる。
【0066】
ネットワーク100は、ネットワークが、そうでなければ、UE 120からの低アクセス優先順位サービス要求を拒絶していることになる高められたネットワーク混雑状態レベルを経験する可能性がある。この場合には、例示の一実施形態において、メッセージ4aによるサービス要求は、ネットワーク100によって拒絶される。少なくとも1つの実施形態においては、基地局110は、セル・レベル混雑状態レベルを決定することができる。少なくとも1つのさらなる実施形態においては、CN 130は、コア・ネットワーク混雑状態レベルを決定することができる。セル・レベル混雑状態レベルまたはコア・ネットワーク混雑状態レベルのいずれかを使用して、ネットワーク100が、高められた混雑状態レベルを経験しているかどうかを示すことができる。
【0067】
もう一度、図3を参照すると、ネットワーク要素110または130が、デュアル・アクセス優先順位についてのサポートを示し、またUE 120が、通常アクセス優先順位の下で、サービス要求を送信したいと望む場合、UE 120は、メッセージ4bを送信する。例示の一実施形態においては、UE 120は、図5Bに示されるようにサービス要求メッセージを送信する。示されるように、サービス要求メッセージ4bは、少なくともパラメータ、デバイスIDを含んでおり、このデバイスIDは、現在のサービス要求を行っているUE 120を識別する。しかしながら、図5Aに示されるメッセージ4aとは対照的に、メッセージ4bは、UE 120が、例えば、通常アクセス優先順位の下でアクセスを要求しているので、パラメータ、低アクセス優先順位を含んではいない。この場合には、アクセスは、低アクセス優先順位ではなくて、通常アクセス優先順位に従ってネットワーク100に提供されることになる。さらに、通常アクセス優先順位を使用したUE 120は、アクセスを可能にされる可能性があるが、低アクセス優先順位を使用した他のUE 120は、ネットワークに対するどのようなアクセスも可能にされない。UE 120は、その後に、メッセージ5に従って、低アクセス優先順位で将来のサービス要求を行うことができる。さらに、UE 120は、UE 120の必要性に従って、通常アクセス優先順位要求と、低アクセス優先順位要求との間を行ったり来たりする可能性がある。UE 120が、サービス接続を要求するたびごとに、ネットワーク要素110、130は、ネットワークの上で混雑状態のレベルを決定することになり、また1件ごとに、アクセスを認可し、または拒絶することになる。
【0068】
例示の実施形態においては、デュアル・アクセス優先順位デバイスがサポートされないことになることを示すことにより、ネットワーク側の要素110、130が、登録要求またはモビリティのアップデート・メッセージ1に対して応答するときに、UE 120は、それにもかかわらずに、メッセージ4bに従って、通常アクセス優先順位を使用して接続を試みる可能性がある。この場合には、少なくとも1つの実施形態において、ネットワーク側要素110、130は、UE 120が、アクセスをプレミアム・サービス料金で可能にされるように価格制御を実施することができる。
【0069】
例示の実施形態によれば、それゆえに、通常は低アクセス優先順位だけを受信するユーザ・デバイスからの通常アクセス優先順位メッセージングを可能にするための方法が、提供される。通常アクセス優先順位は、したがって、ネットワーク混雑状態あるいはモバイル・ネットワーク・オペレータの好みまたはポリシーに基づいた制約条件に従って、ユーザ・デバイスの必要性に従うある種のタイプの伝送のために使用されることもある。通常アクセス優先順位が、さらに、プレミアム・サービス料金で低アクセス優先順位デバイスに提供されることもある。
【0070】
本明細書において説明される実例となる実施形態は、2つのアクセス優先順位が、すなわち、低アクセス優先順位と、通常アクセス優先順位とが、サポートされる方法を対象としている。しかしながら、2つよりも多いアクセス優先順位が、追加の例示の実施形態においてサポートされ得ることが、理解されるであろう。例えば、高アクセス優先順位が、サービス要求についてサポートされることもある。
【0071】
例示の実施形態についての変形形態は、例示の実施形態の精神および範囲からの逸脱として見なされるべきではなく、また当業者にとって明らかになるようなすべてのそのような変形形態は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B