特許第5908641号(P5908641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908641
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】調整可能な固定機構
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/06 20060101AFI20160412BHJP
   B23B 31/12 20060101ALI20160412BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   B23Q3/06 303A
   B23B31/12 H
   B25J15/08 C
【請求項の数】27
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-157998(P2015-157998)
(22)【出願日】2015年8月10日
(65)【公開番号】特開2016-41467(P2016-41467A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2015年10月16日
(31)【優先権主張番号】14/459,626
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502190874
【氏名又は名称】アロボテック・システムズ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】リチャード レスウェイ
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0260779(US,A1)
【文献】 米国特許第06699113(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/06
B23B 31/12
B25B 25/00
B25J 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを保持する固定機構であって、
協働して間にキャビティを形成する第1の外板および第2の外板と、
前記キャビティ内に配置され、前記第1および第2の外板と直接摺動可能に係合する中央板と、
第1および第2のガイド部材と
を含み、
前記第2の外板は、前記第1の外板に対向する第1の面と、前記第1の外板との間の位置関係が固定された第1および第2のガイドチャネルと、前記第1の面に形成され、前記キャビティに露出したガイド部材リセスとを有し、
前記中央板は第1および第2の把持アームと摺動可能に係合し、前記第1及び第2の把持アームは、クランプ位置と引き込み位置の間で前記第1および第2の外板に対して可動であり、
前記第1および第2のガイド部材は、前記ガイド部材リセスに受容され、互いに直接的に接触しており、前記第2の外板に対して可動であり、かつ前記ガイド部材リセス内で互いに可動であり、前記第1および第2の把持アームが前記クランプ位置にあるとき、前記ワークピースがクランプされる前記第1および第2の外板に対して位置を調整する、固定機構。
【請求項2】
請求項1に記載の固定機構であって、
前記第2の外板の第1および第2の取付孔にそれぞれ螺合され、前記ガイド部材リセスに延びる第1の調整用部材および第2の調整用部材をさらに含み、
前記第1の調整用部材は、前記第1のガイド部材と当接しており、前記第2の外板に対して回転可能で、前記ガイド部材リセス内で前記第1のガイド部材の位置を調整し、
前記第2の調整用部材は、前記第2のガイド部材と当接しており、前記第2の外板に対して回転可能で、前記ガイド部材リセス内で前記第2のガイド部材の位置を調整する、固定機構。
【請求項3】
請求項2に記載の固定機構であって、
前記第1および第2のガイド部材を前記第1および第2の調整用部材と接触するように付勢する第1のスプリングおよび第2のスプリングをさらに含む、固定機構。
【請求項4】
請求項3に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセスに延び、前記第2の部材を前記第1のガイド部材方向へ付勢する第3のスプリングをさらに含む、固定機構。
【請求項5】
請求項4に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセス内に配置される部品は、前記第1および第2のガイド部材、前記第1、第2および第3のスプリング、前記第1および第2の調整用部材のみである、固定機構。
【請求項6】
請求項4に記載の固定機構であって、
前記第2の外板に設けられた第3の取付孔に受容されるロッドをさらに含み、前記第3のスプリングは、前記第3の取付孔に少なくとも部分的に受容され、前記ロッドの軸端に当接している、固定機構。
【請求項7】
請求項1に記載の固定機構であって、
前記第1のガイド部材は、平坦な第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の平坦な第2の側部とを有し、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して垂直でない角度で延びており、前記ガイド部材リセスの平坦な壁に摺動可能に当接している、固定機構。
【請求項8】
請求項7に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセスの壁および前記第1のガイド部材の第1の側部は、前記中央板が前記第1および第2の外板に対して動く軸に対して垂直でない角度で配置されている、固定機構。
【請求項9】
請求項8に記載の固定機構であって、
前記第2のガイド部材は、第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の第2の側部とを有し、前記第2のガイド部材の前記第1の側部は、前記第1のガイド部材の前記第2の側部に摺動可能に当接し、前記第2のガイド部材の前記第2の側部は、第1の表面、第2の表面および第3の表面を有し、前記第1および第3の表面が平坦、かつ、互いに、そして前記軸に対して角度をなしており、前記第2の表面が前記第1の表面と前記第3の表面の間に配置されている、固定機構。
【請求項10】
請求項9に記載の固定機構であって、
前記第1および第2の把持アームは、当該第1および第2の把持アームから延び、前記第1および第2のガイドチャネルに摺動可能に受容されたピンを有しており、前記ピンは、前記ピンが動く範囲の一部に沿って前記第2のガイド部材の前記第1および第3の表面と接触している、固定機構。
【請求項11】
請求項1に記載の固定機構であって、
前記第1および第2の把持アームは、第1のピンおよび第2のピンをそれぞれ有し、当該第1および第2のピンは、前記第1および第2のガイドチャネルに可動式に受容されるブッシングを有し、前記第1および第2のピンの遠心端は、前記第1および第2のガイドチャネルに形成されたリセスに受容される、固定機構。
【請求項12】
請求項1に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセスは、前記第1および第2のガイドチャネルと連通している、固定機構。
【請求項13】
固定機構であって、
協働して間にキャビティを形成する第1の外板および第2の外板と、
前記キャビティ内に配置された中央板と、
第1および第2のガイド部材と
を含み、
前記第2の外板は、前記第1の外板に対向する第1の面と、第1および第2のガイドチャネルと、前記第1の面に形成され、前記キャビティに露出したガイド部材リセスとを有し、
前記中央板は第1および第2の把持アームと摺動可能に係合し、前記把持アームは、クランプ位置と引き込み位置の間で前記第1および第2の外板に対して可動であり、前記把持アームは、当該把持アームから延び、前記ガイドチャネルに可動式に受容されるピンを有しており、
前記第1および第2のガイド部材は、ガイド部材リセスに受容され、互いに直接的に接触しており、前記第2の外板に対して、かつ前記ガイド部材リセス内で互いに可動であり、
前記第2のガイド部材は、前記把持アームが動く範囲の一部に沿って前記把持アームの前記ピンと直接接触し、前記把持アームを前記クランプ位置にガイドする、固定機構。
【請求項14】
請求項13に記載の固定機構であって、
前記ピンは、前記第2のガイド部材と直接接触するブッシングを有する、固定機構。
【請求項15】
請求項13に記載の固定機構であって、
前記第1および第2のガイド部材の動きは、前記第1および第2の把持アームが前記クランプ位置にあるとき、前記ワークピースがクランプされる前記第1および第2の外板に対して位置を調整する、固定機構。
【請求項16】
請求項13に記載の固定機構であって、前記第2の外板の第1および第2の取付孔にそれぞれ螺合され、前記ガイド部材リセスに延びる第1の調整用部材および第2の調整用部材をさらに含み、
前記第1の調整用部材は、前記第1のガイド部材と当接しており、前記第2の外板に対して回転可能で、前記ガイド部材リセス内で前記第1のガイド部材の位置を調整し、
前記第2の調整用部材は、前記第2のガイド部材と当接しており、前記第2の外板に対して回転可能で、前記ガイド部材リセス内で前記第2のガイド部材の位置を調整する、固定機構。
【請求項17】
請求項16に記載の固定機構であって、
前記第1および第2のガイド部材を前記第1および第2の調整用部材と接触するように付勢する第1のスプリングおよび第2のスプリングをさらに含む、固定機構。
【請求項18】
請求項17に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセスに延び、前記第2の部材を前記第1のガイド部材方向へ付勢する第3のスプリングをさらに含む、固定機構。
【請求項19】
請求項18に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセス内に配置される部品は、前記第1および第2のガイド部材、前記第1、第2および第3のスプリング、前記第1および第2の調整用部材のみである、固定機構。
【請求項20】
請求項18に記載の固定機構であって、
前記第2の外板に設けられた第3の取付孔に受容されるロッドをさらに含み、前記第3のスプリングは、前記第3の取付孔に少なくとも部分的に受容され、前記ロッドの軸端に当接している、固定機構。
【請求項21】
請求項13に記載の固定機構であって、
前記第1のガイド部材は、平坦な第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の平坦な第2の側部とを有し、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して垂直でない角度で延びており、前記ガイド部材リセスの平坦な壁に摺動可能に当接している、固定機構。
【請求項22】
請求項21に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセスの壁および前記第1のガイド部材の第1の側部は、前記中央板が前記第1および第2の外板に対して動く軸に対して垂直でない角度で配置されている、固定機構。
【請求項23】
請求項22に記載の固定機構であって、
前記第2のガイド部材は、第1の側部と、前記第1の側部とは反対側の第2の側部とを有し、前記第2のガイド部材の前記第1の側部は、前記第1のガイド部材の前記第2の側部に摺動可能に当接し、前記第2のガイド部材の前記第2の側部は、第1の表面、第2の表面および第3の表面を有し、前記第1および第3の表面が平坦、かつ、互いに、そして前記軸に対して角度をなしており、前記第2の表面が前記第1と第3の表面の間に配置されている、固定機構。
【請求項24】
請求項23に記載の固定機構であって、
前記ピンは、当該ピンが動く範囲の一部に沿って前記第2のガイド部材の前記第1および第3の表面と接触している、固定機構。
【請求項25】
請求項24に記載の固定機構であって、
前記第1および第2のガイドチャネルは、前記第1の外板に対して固定されている、固定機構。
【請求項26】
請求項13に記載の固定機構であって、
前記第1および第2のピンは、前記第1および第2のガイドチャネルに可動式に受容されるブッシングを有し、前記第1および第2のピンの遠心端は、前記第1および第2のガイドチャネルに形成されたリセスに受容される、固定機構。
【請求項27】
請求項13に記載の固定機構であって、
前記ガイド部材リセスは、前記第1および第2のガイドチャネルと連通している、固定機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調整可能な固定機構に関する。
【0002】
本開示に関連する背景についての情報であり、必ずしも先行技術ではない。
【0003】
固定具は、一般的に、例えば、研削、回転、ミリング、ボーリング等の機械加工操作中、ワークピース(加工対象物)を固定するのに用いられている。固定具の把持アームは、ブレードやビット等の切削工具が、ワークピースから材料を除去している間、ワークピースを固定する。公知の固定具は、ワークピースに対する機械加工操作の精度を確保するために、把持アームの位置や場所を調整するための調整機構を有している。エンドユーザーは、調整機構が、正確で再現性があり、かつ信頼性のあるものを期待している。部品の数、特に、可動部品の数が減ると有利であり、機構の信頼性が増し、可動部品が汚染物質と接触する可能性が減じる。さらに、部品の数が減ると、製造コストおよび複雑度が減じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の概要を示すが、全範囲および全特徴の包括的な開示ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一形態において、本開示は、ワークピースを保持する固定機構を提供する。固定機構は、第1および第2の外板、中央板ならびに第1および第2のガイド部材を有していてよい。第1および第2の外板は協働して間にキャビティを形成する。第2の外板は、第1の外板に対向する第1の面を有する。第2の外板は、第1および第2のガイドチャネルと、第1の面に形成され、キャビティに露出したガイド部材リセスとを有していてよい。第1および第2のガイドチャネルは、第1の外板に対して固定されていてよい。中央板は、キャビティ内に配置され、第1および第2の外板と直接または間接的に摺動可能に係合してよい。中央板は、第1および第2の把持アームと摺動可能に係合してよい。第1および第2の把持アームは、クランプ位置と引き込み位置の間で第1および第2の外板に対して可動である。第1および第2のガイド部材は、ガイド部材リセスに受容されてよく、互いに直接または間接的に接触してよい。第1および第2のガイド部材は、第2の外板に対して可動であり、かつガイド部材リセス内で互いに可動であってよく、第1および第2の把持アームがクランプ位置にあるとき、ワークピースがクランプされる第1および第2の外板に対して位置を調整する。
【0006】
ある実施形態において、固定機構は、第2の外板の第1および第2の取付孔にそれぞれ螺合される第1の調整用部材および第2の調整用部材を含む。第1の調整用部材および第2の調整用部材は、ガイド部材リセスに延びている。第1の調整用部材は、第1のガイド部材と当接しており、第2の外板に対して回転可能で、ガイド部材リセス内で第1のガイド部材の位置を調整する。第2の調整用部材は、第2のガイド部材と当接しており、第2の外板に対して回転可能で、ガイド部材リセス内で第2のガイド部材の位置を調整する。
【0007】
ある実施形態において、固定機構は、第1および第2のガイド部材を第1および第2の調整用部材と接触するように付勢する第1のスプリングおよび第2のスプリングを含む。
【0008】
ある実施形態において、固定機構は、ガイド部材リセスに延び、第2のガイド部材を第1のガイド部材方向へ付勢する第3のスプリングを含む。
【0009】
ある実施形態において、ガイド部材リセス内に配置される部品は、第1および第2のガイド部材、第1、第2および第3のスプリング、第1および第2の調整用部材のみである。
【0010】
ある実施形態において、固定機構は、第2の外板に設けられた第3の取付孔に受容されるロッドを含む。第3のスプリングは、第3の取付孔に少なくとも部分的に受容され、ロッドの軸端に当接している。
【0011】
ある実施形態において、第1のガイド部材は、平坦な第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の平坦な第2の側部とを有している。第1の側部は、第2の側部に対して垂直でない角度で延びていてよい。第1の側部は、ガイド部材リセスの平坦な壁に摺動可能に当接していてよい。
【0012】
ある実施形態において、ガイド部材リセスの壁および第1のガイド部材の第1の側部は、中央板が第1および第2の外板に対して動く軸に対して垂直でない角度で配置されている。
【0013】
ある実施形態において、第2のガイド部材は、第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の第2の側部とを有し、第2のガイド部材の第1の側部は、第1のガイド部材の第2の側部に摺動可能に当接している。第2のガイド部材の第2の側部は、第1の表面、第2の表面および第3の表面を有していてよく、第1および第3の表面は、平坦、かつ、互いに、そして軸に対して角度をなしている。第2の表面は、第1の表面と第3の表面の間に配置されている。
【0014】
ある実施形態において、第1および第2の把持アームは、当該第1および第2の把持アームから延び、第1および第2のガイドチャネルに摺動可能に受容されたピンを有する。ピンは、ピンが動く範囲の一部に沿って第2のガイド部材の第1および第3の表面と直接または間接的に接触していてよい。
【0015】
ある実施形態において、第1および第2のピンは、第1および第2のガイドチャネルに可動式に受容されるブッシングを有する。第1および第2のピンの遠心端は、第1および第2のガイドチャネルに形成されたリセスに受容されていてもよい。
【0016】
ある実施形態において、ガイド部材リセスは、第1および第2のガイドチャネルと連通している。
【0017】
他の形態において、本開示は、第1の外板および第2の外板と、中央板と、第1および第2のガイド部材とを含む固定機構を提供する。第1の外板および第2の外板は、協働して間にキャビティを形成する。第2の外板は、第1の外板に対向する第1の面を有する。第2の外板は、第1および第2のガイドチャネルと、第1の面に形成され、キャビティに露出したガイド部材リセスとを有していてもよい。中央板はキャビティ内に配置されていてもよく、第1および第2の把持アームと摺動可能に係合してよい。把持アームは、クランプ位置と引き込み位置の間で第1および第2の外板に対して可動であってよい。把持アームは、当該把持アームから延び、ガイドチャネルに可動式に受容されるピンを有していてよい。第1および第2のガイド部材は、ガイド部材リセスに受容され、互いに直接または間接的に接触していてよい。第1および第2のガイド部材は、第2の外板に対して可動であり、かつガイド部材リセス内で互いに可動であってよい。第2のガイド部材は、把持アームが動く範囲の一部に沿って把持アームのピンと直接または間接的に接触してもよく、把持アームをクランプ位置にガイドしてもよい。
【0018】
ある実施形態において、ピンは、第2のガイド部材と直接または間接的に接触するブッシングを有する。
【0019】
ある実施形態において、第1および第2のガイド部材の動きは、第1および第2の把持アームがクランプ位置にあるとき、ワークピースがクランプされる第1および第2の外板に対して位置を調整する。
【0020】
ある実施形態において、固定機構は、第2の外板の第1および第2の取付孔にそれぞれ螺合され、ガイド部材リセスに延びる第1の調整用部材および第2の調整用部材を含む。第1の調整用部材は、第1のガイド部材と当接していてもよく、かつ、第2の外板に対して回転可能で、ガイド部材リセス内で第1のガイド部材の位置を調整してもよい。第2の調整用部材は、第2のガイド部材と当接していてもよく、第2の外板に対して回転可能で、ガイド部材リセス内で第2のガイド部材の位置を調整してもよい。
【0021】
ある実施形態において、固定機構は、第1および第2のガイド部材を第1および第2の調整用部材と接触するように付勢する第1のスプリングおよび第2のスプリングを含む。
【0022】
ある実施形態において、固定機構は、ガイド部材リセスに延び、第2のガイド部材を第1のガイド部材方向へ付勢する第3のスプリングを含む。
【0023】
ある実施形態において、ガイド部材リセス内に配置される部品は、第1および第2のガイド部材、第1、第2および第3のスプリング、第1および第2の調整用部材のみである。
【0024】
ある実施形態において、固定機構は、第2の外板に設けられた第3の取付孔に受容されるロッドを含む。第3のスプリングは、第3の取付孔に少なくとも部分的に受容されていてよく、ロッドの軸端に当接している。
【0025】
ある実施形態において、第1のガイド部材は、平坦な第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の平坦な第2の側部とを有し、第1の側部は、第2の側部に対して垂直でない角度で延びている。第1の側部は、ガイド部材リセスの平坦な壁に摺動可能に当接していてもよい。
【0026】
ある実施形態において、ガイド部材リセスの壁および第1のガイド部材の第1の側部は、中央板が第1および第2の外板に対して動く軸に対して垂直でない角度で配置されている。
【0027】
ある実施形態において、第2のガイド部材は、第1の側部と、当該第1の側部とは反対側の第2の側部とを有し、第2のガイド部材の第1の側部は、第1のガイド部材の第2の側部に摺動可能に当接している。第2のガイド部材の第2の側部は、第1の表面、第2の表面および第3の表面を有していてよい。第1および第3の表面は、平坦、かつ、互いに、そして軸に対して角度をなしていてよい。第2の表面は、第1と第3の表面の間に配置されていてよい。
【0028】
ある実施形態において、ピンは、当該ピンが動く範囲の一部に沿って第2のガイド部材の第1および第3の表面と直接または間接的に接触している。
【0029】
ある実施形態において、第1および第2のガイドチャネルは、第1の外板に対して固定されている。
【0030】
ある実施形態において、第1および第2のピンは、第1および第2のガイドチャネルに可動式に受容されるブッシングを有する。第1および第2のピンの遠心端は、第1および第2のガイドチャネルに形成されたリセスに受容されていてもよい。
【0031】
ある実施形態において、ガイド部材リセスは、第1および第2のガイドチャネルと連通している。
【0032】
適用可能なさらなる領域については、本明細書の記載により明らかとなるであろう。説明および特定の実施例は、例証のためであり、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0033】
図面は選択した実施形態についてのみ例示するためのものであり、可能な実施形態を網羅しているわけではなく、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の原理による調整可能な固定機構の平面図である。
図2図1の線2−2に沿った固定機構の断面図である。
図3】固定機構の部分分解立体図である。
図4】固定機構の部分分解立体図である。
図5】固定機構の部分分解立体図である。
図6】クランプ位置にある固定機構の平面図である。
図7】引き込み位置にある固定機構の平面図である。
図8】第1の水平位置にある固定機構の平面図である。
図9】第2の水平位置にある固定機構の平面図である。
図10】第1の垂直位置にある固定機構の平面図である。
図11】第2の垂直位置にある固定機構の平面図である。
図12】第1の直径のワークピースをクランプする固定機構の平面図である。
図13】第2の直径のワークピースをクランプする固定機構の平面図である。
【0035】
いくつかの図面において同じ部品については同じ参照番号を伏してある。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して例示としてのみ説明する。
【0037】
実施形態は、本開示を詳細に説明し、当業者にその範囲を十分に伝えるものである。数多くの具体的な詳細は、本開示の実施形態を詳細に理解するために、特定の部品、装置および方法の例等を規定するものである。当業者であれば、具体的な詳細は必要なく、例示の実施形態は、多くの異なる形態で実施でき、本開示の範囲を限定すべく解釈されないものであることが分かるであろう。ある実施形態において、周知のプロセス、周知の装置構造および周知の技術については詳細に記載していない。
【0038】
本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明するためであり、限定しようとするものではない。特に断りのない限り、単数には複数も含まれるものとする。「含む」、「有する」等の用語は包括的であり、記載した特徴、整数、工程、操作、要素および/または部品の存在を指定はするが、1つ以上のその他特徴、整数、工程、操作、要素、部品および/またはグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載した方法、工程、プロセスおよび操作は、実施の順番が具体的に特定されていない限りは、記載または例証した特定の順番で行われることを必ずしも必要とするものではない。また、追加あるいは代わりの工程を用いてもよいものと考えられる。
【0039】
要素または層が、他の要素または層に「係合」、「接続」または「結合」するとされる場合、他の要素または層に直接、係合、接続または結合していても、あるいは、介在要素または層が存在していてもよい。対照的に、要素または層が、他の要素または層に「直接ある」、「直接係合する」、「直接接続する」または「直接結合する」とされる場合は、介在要素または層はない。要素間の関係を説明する他の用語も同様に解釈するものとする(例えば、「間」と「の間に直接」、「近接」と「直接近接」等)。本明細書で用いる「および/または」という用語には、関連して挙げた項目の1つ以上のあらゆる組み合わせが含まれる。
【0040】
第1、第2、第3等の用語は、様々な要素、部品、領域、層および/またはセクションを説明するために本明細書において用いられるが、これらの要素、部品、領域、層および/またはセクションは、これらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、ある要素、部品、領域、層またはセクションを、他の要素、部品、領域、層またはセクションから区別するために用いられるだけである。「第1」、「第2」およびその他数字の表現は、ここで用いるとき、特に内容により明白に示されない限り、順序や順番を意味するものではない。このように、後述する第1の要素、部品、領域、層またはセクションは、実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、部品、領域、層またはセクションと呼んでもよい。
【0041】
「内」、「外」、「下」、「上」等といった空間的に相対的な用語は、図示するある要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明するのを容易にするために用いられている。空間的に相対的な用語は、図示した向きに加え、使用する装置または操作の異なる向きが包含されるものとする。例えば、図示した装置を回転させると、他の要素または特徴の「下」と記載された要素が、他の要素または特徴の「上」向きになる。このように、「下」という用語は、上と下の向きの両方を包含しうる。装置は、他の向き(90度回転させた向きやその他の向き)になり得、本明細書で用いる空間的に相対的な記載は、それに従って解釈される。
【0042】
図1〜13を参照すると、調整可能な固定機構10は、ワークピース12をクランプして、機械操作(例えば、研削や回転)中、固定機構10に対して固定するものである。固定機構10は、第1の外板14、第2の外板16、中央板18、第1および第2の把持アーム20、22ならびに作動機構24を有する。下記に詳述するとおり、作動機構24は、固定機構10がワークピース12を把持するクランプ位置(図6)とワークピース12が解放されて、把持アーム20、22が固定機構10に引き込まれる引き込み位置(図7)との間で中央板18および把持アーム20、22を動かす動作をするようになっている。固定機構10を調整して、クランプされたワークピースの位置を二次元(例えば、水平と垂直)で動かすことができる。
【0043】
図3に示すとおり、第1の外板14は、通常、複数のねじ式および非ねじ式の取付穴26を有する中空でない平板である。第1および第2のレール28、30(図2および3)が、第1の外板14に(直接または間接的に)取り付けられる。第1および第2のレール28、30は、第1の外板14の穴26と位置合わせされたねじ式および/または非ねじ式の穴32を有している。図2に示すとおり、第1のレール28の外側端面34は、第1の外板14の外側端面36および第2の外板14の外側端面37と実質的に面一である。
【0044】
第2の外板16は、レール28、30の穴32および第1の外板14の穴26と位置合わせされた複数の穴を有している。図1に示すとおり、ボルト40またはその他締結具が、穴26、32、38のいくつかまたは全てに受容され、レール28、30ならびに中央板18を中に挟んだ状態で、第1および第2の外板14、16を互いに固定する(図2に図示)。第1および第2の外板14、16ならびにレール28、30は協働してキャビティ43を画定し、そこでは中央板18および把持アーム20、22が移動可能に受容される。図2に示すとおり、第2の外板16の第1の面42は、レール28、30および中央板18に直接当接していている。
【0045】
図4に示すとおり、第2の外板16は、第1の面42に形成された第1および第2のガイドチャネル44、46ならびにガイド部材リセス48を有している。例えば、ガイドチャネル44、46およびリセス48は、第1の面42に機械加工(例えば、ミリングおよび/または研削)により形成することができる。各ガイドチャネル44、46は、細長い第1の脚50と比較的短い第2の脚52とを有する。第1および第2のガイドチャネル44、46の第1の脚50は、たがいに平行かつ長手軸A1(図6)に対して平行に延びている。各第2の脚52は、ワークピース12から横方向外側に離れる方向で、第1の脚50の対応する端部から延びている(すなわち、各ガイドチャネル44、46の第1の脚50と第2の脚52の間は鋭角となる)。図2および4に示すとおり、各ガイドチャネル44、46に溝54が形成される。溝54は、第1および第2の脚50、52に沿って延びており、第1および第2の脚50、52と実質的に同じ形状を有している。このようにして、ガイドチャネル44、46および溝54は、段差のあるリセスを形成し、溝54は、ガイドチャネル44、46よりも深く第2の外板16の厚み方向に延びている(図2に図示)。
【0046】
第2の外板16に形成されたガイド部材リセス48は、第1および第2のガイドチャネル44、46間に横方向に延びており、第1および第2のガイドチャネル44、46と連通している(すなわち、第1および第2のガイドチャネル44、46は、ガイド部材リセス48へ延びている)。ガイド部材リセス48の第1の壁56は、長手方向軸A1に対して垂直でない角度で伸びている。図1および3に示すとおり、第1および第2のガイド部材58、60は、ガイド部材リセス48に移動可能に受容される。ガイド部材58、60の厚さは、ガイド部材リセス48の深さに実質的に等しいか、またはそれより薄く、ガイド部材58、60は、第2の外板16の第1の面42と面一またはほぼ面一となっている。
【0047】
第1のガイド部材58は、ガイド部材リセス48の第1の壁56と平らに当接する第1の側部62を有する(図3および4)。従って、第1の側部62は、長手方向軸A1に対して垂直でない角度で配置される。第1のガイド部材58の第2の側部64(図4)は、第1の側部62に対して鋭角に伸びており、長手方向軸A1に垂直である。第1のガイド部材58の第3および4の側部66、68は、第2の側部64に実質的に垂直(すなわち、長手方向軸A1に平行)である。
【0048】
第2のガイド部材60は、第1のガイド部材58の第2の側部64と直接または間接的に平らに当接する第1の側部70を有する。従って、第1の側部70は、長手方向軸A1に垂直である。第2のガイド部材60の第2の側部72は、第1、第2および第3の表面74、76、78を有する。第2の表面76は、第1および第3の表面74、78の間に配置され、第1の側部70に実質的に並行である。第1および第3の表面74、78は、互いに角度をなしており、両表面共、第2の表面76と鈍角をなす。第2のガイド部材60の第3および第4の側部80、82は、長手方向軸A1に実質的に平行である。
【0049】
第1および第2のガイド部材58、60は、互いに独立して、ガイド部材リセス48内で動く。第1のガイド部材58の第1の側部62は、ガイド部材リセス48の第1の側部と摺動可能に係合する。第2のガイド部材50の第1の側70は、第1のガイド部材58の第2の側64と摺動可能に係合する。
【0050】
第2の外板16は、長手方向軸A1に沿って、または平行に延びてガイド部材リセス48と連通している細長い穴84(図4)を有する。ロッド86は、例えば、穴84に受容されて、穴84と螺合するプラグ88により保持される。スプリング90は、ロッド86の軸端と、第2のガイド部材60の第2の表面76との間に配置される。スプリング90は、第2のガイド部材60を、第1のガイド部材58と係合するように付勢する。
【0051】
図4に示すとおり、第2の外板16は、長手方向軸A1に対して垂直に延びてガイド部材リセス48と連通している第1および第2のねじ穴92、94を有する。第1および第2のねじ式調整用ロッド96、98は、ねじ穴92、94とそれぞれ螺合し、ガイド部材リセス48に延びている。第1の調整用ロッド96の軸端100は、第1のガイド部材58の第3の側66と当接している。第2の調整用ロッド98の軸端102は、第2のガイド部材60の第3の側80と当接している。一対のスプリング104は、ガイド部材リセス48の第2の壁106と第1および第2のガイド部材58、60の対応部分との間に配置される。スプリング104は、ガイド部材58、60を、調整用ロッド96、98の軸端100、102と接触するように付勢する。このようにして、調整用ロッド96、98がねじ穴92、94に沿って、ガイド部材リセス48を出入りしながら動くので、ガイド部材58、60は、第2の壁106に向かって、そして、離れるように(図8〜11に示す方向に)動く。
【0052】
第1の調整用ロッド96の位置をねじ式調整すると、第1のガイド部材58が、ガイド部材リセス48の第1の壁56に沿って摺動する。第2のガイド部材60の第1の壁56と第1の側70との間の相対角度により、第1のガイド部材58の第1の壁56に沿った動きによって、第2のガイド部材60が、長手方向軸A1に沿って、または平行な方向に第1の壁56に向かって、そして、離れるように動く。すなわち、ガイド部材リセス48の第2の壁106に向かう第1のガイド部材58の動きによって、第2のガイド部材60が、第1の壁56から離れるように動く(図9に図示)。ガイド部材リセス48の第2の壁106から離れる第1のガイド部材58の動きによって、第2のガイド部材60が、第1の壁56に向かって動く(図8に図示)。第2の調整用ロッド98の位置をねじ式調整すると、第2のガイド部材60が、第1のガイド部材58を動かすことなく、第2の壁106に向かって、そして、離れるように第1のガイド部材58の第2の側64に沿って摺動する(図10および11に図示)。
【0053】
中央板18は、第1の側108と、第1の側108に対向する第2の側110を有する(図2)。図2に示すとおり、中央板108の厚さは、レール28、30の厚さに実質的に等しく、中央板18第2の外板16の第1の面42に直接当接し、摺動可能に係合し、第1の外板14の第1の面41に摺動可能に係合するようになっている。図3および5に示すとおり、第1のチャネル112が第1の側108に形成され、第2のチャネル114が第2の側110に形成される。スロット116は、第1の側108から第2のチャネル114に延びている。スロット116の長手方向軸は、第2のチャネル114の長手方向軸に平行に延びている。第1および第2のチャネル112、114は、長手方向軸A1に対して互いに角度をなしている。第1および第2のチャネル112、114は互いに交差しており(互いに干渉することなく)、略X形のパターンを形成する。以下に詳述するとおり、第1の把持アーム20は、第1のチャネル112と摺動し、第2の把持アーム22は、第2のチャネル114と摺動する。
【0054】
把持フィンガー118は、第1および第2のチャネル112、114の間の中央板18の第1の端部120から延びている。中央板18の把持フィンガー118は、第1および第2の把持アーム20、22の把持フィンガー119と協働して、固定機構10がクランプ位置にあるとき、ワークピース12を把持する(図6、12および13)。
【0055】
中央板18の第2の端部122は、略T形穴124を有する。図3に示すとおり、T形穴124は、作動機構24のラムロッド128の同様の形状の端部126を受ける。
【0056】
各第1および第2の把持アーム20、22は、細長い第1の部分130と、比較的短い第2の部分132を有する(図3)。第1および第2の部分130、132は、互いに角度をなしている。把持フィンガー119は、第2の部分130、132から互いに向いて延びている。把持アーム20、22の第1の部分130は、そこから突出し、第2の外板16の第1および第2のガイドチャネル44、46の対応する部分に延びるピン134、135を有する。すなわち、図2に示すとおり、第1の把持アーム20のピン134は、第2のガイドチャネルに延びていて、ピン134の軸端136が、第2のガイドチャネル46の溝54と摺動可能に係合するようになっている。第2の把持アーム22のピン135は、中央板18のスロット116から第1のガイドチャネル44へ延びていて、ピン135の軸端138が第1のガイドチャネル44の溝54と摺動可能に係合するようになっている。ピン134、135は、第2および第1のガイドチャネル46、44とそれぞれ摺動するブッシング140、142を有している。
【0057】
図1に示すとおり、作動機構24は、筐体144、ピストン146およびラムロッド128を含む。筐体144は、第1の14および/または第2の外板16にボルト締めされたフランジ145を有する。筐体144およびピストン146は協働して、第1および第2のポート152、154とそれぞれ流通する第1および第2の流体室148、150を画定する。ピストン146は、ラムロッド128に取り付けられて、第1および第2の流体室148、150を互いに分離している。ポート152、154は、作動流体源(例えば、圧縮空気源または作動液源)と流体連通している。流体制御デバイス(図示せず)は、ポート152、154の出入りする作動流体のフローを制御する動作をする。
【0058】
ピストン146およびラムロッド128をワークピース12から離すように動かすと、制御デバイスは、作動流体を第1の流体室148から排出しながら、流体を第2の流体室150へ流す。ピストン146およびラムロッド128をワークピース12の方へ動かすと、制御デバイスは、作動流体を第2の流体室150から排出しながら、流体を第1の流体室148へ流す。ラムロッド128は中央板18に接続されているため、ピストン146およびラムロッド128をワークピース12へ向けて、そしてワークピース12から離れるように動かすことによって、ラムロッド128による中央板18のワークピース12へ向ける、そしてワークピースから離すという対応の動きにつながる。作動機構24は流体動作デバイスとして上述したが、あらゆる種類のアクチュエータ(例えば、電気モータまたはその他電気化学デバイス)を用いることができるものと考えらえる。
【0059】
図1〜13の参照を続けて、固定機構10の操作を詳細に説明する。上述した通り、作動機構24は、中央板18および把持アーム20、22を、固定機構10がワークピース12を把持するクランプ位置(図6)とワークピース12が解放される引き込み位置(図7)の間で動かすように動作し、把持アーム20、22は、固定機構10に引き込まれる。固定機構10を調整して、固定機構10がクランプ位置にあるときは、固定機構10に対するワークピース12の位置を動かす(図8〜11参照)。
【0060】
固定機構10を引き込み位置(図7)からクランプ位置(図6)へ動かすために、作動流体を作動機構24の第1の室に注入し、作動流体を第2の室150から排出することによって、ピストン146およびラムロッド128が、ワークピース12に向かって第1のおよび第2の外板14、16に対して(すなわち、図7を参照すると、枠に対して右に動く。
【0061】
上述したとおり、中央板18および把持アーム20、22は、第1および第2の外板14、16に対して、長手方向軸A1に沿ってラムロッド128と共に動く。中央板18および把持アーム20、22がクランプ位置に向かって動くにつれて(図6)、ピン134、135およびブッシング140、142が、第2の外板16の対応するガイドチャネル44、46の第1の脚50に沿って摺動する。ラムロッド128および中央板18のワークピース12に向かった長手方向軸A1に沿った連続的な動きによって、ブッシング142、140が、第2のガイドチャネル部材60の第1および第3の表面74、78とそれぞれ接触する。ブッシング142、140が第1および第3の表面74、78と接触すると、ワークピース12に向かった長手方向軸A1に沿ったラムロッド128および中央板18の連続的な動きによって、ピン134、135およびブッシング140、142がガイドチャネル44、46の第2の脚52に沿って横方向外側に摺動する。ピン134、135およびブッシング140、142がガイドチャネル44、46の第2の脚52に沿って横方向外側に摺動するにつれて、把持アーム20、22の把持フィンガー119と中央板18の把持フィンガー118が接触し、ワークピース12を確実にクランプする(図6に図示)まで、把持アーム20、22の突出端(すなわち、第2の部分132)が、長手方向軸A1に垂直な方向に互いに横方向に動く(すなわち、把持アーム20、22が、中央板18に対して、チャネル112、114にそれぞれ摺動する)。
【0062】
図12および13を比較すると、比較的直径の大きいワークピース12については(図12に図示)、把持アーム20、22は、ワークピース12と接触する前に、互いに比較的短い距離(長手方向軸A1に垂直な方向に)動く必要があるだけである。一方、比較的直径の小さいワークピース12については(図13に図示)、把持アーム20、22は、ワークピース12と接触する前に、互いに比較的長い距離(長手方向軸A1に垂直な方向に)動く。
【0063】
クランプ位置(図6)から引き込み位置(図7)まで固定機構10を動かすには、作動流体を、作動機構24の第2の室150へ注入し、作動流体を第1の室148から排出することによって、ピストン146、ラムロッド128および中央板18が、ワークピース12から離れるように第1および第2の外板14、16に対して(すなわち、図6を参照して枠に対して左に)動く。中央板18のかかる動きによって、上述した把持アーム20、22の動きが反転する。すなわち、ワークピース12から離れる中央板18の動きによって、中央板18が引き込み位置に向かって、把持アーム20、22が第1および第2の外板14、16の間で引き込まれる前に、把持アーム20、22の第2の部分132が互いに離れるように、かつワークピース12から離れるように横方向に動く(図7)。
【0064】
上述したとおり、調整ロッド96、98を回転させて、ワークピース12が把持フィンガー118、119によりクランプされる位置を(第1および第2の外板14、16に対して)調整することができる。図8に示すとおり、把持フィンガー118、119が第1および第2の外板14、16から離れる第1の位置D1(例えば、長手方向軸A1に沿った水平方向の位置)にワークピース12を把持する位置を動かすために、ユーザーは、長手方向軸A1に垂直な第2の方向D2において、壁106から離れる方向に、ガイド部材リセス48内で第1のガイド部材58を動かす方向に第1の調整ロッド96を回転させる。リセス48の壁56および第1のガイド部材58の第1の62の角度、および、第2のガイド部材60を第1のガイド部材58と接触させるように付勢するスプリング90の作用により、第2の方向D2における第1のガイド部材58の動きによって、第2のガイド部材60が、第1の方向D1においてガイドチャネル44、46に対してガイド部材リセス48内で動く。第1の方向D1において第2のガイド部材60を動かすことによって、ブッシング140、142が第2のガイド部材60の表面74、78と接触するガイドチャネル44、46に沿った位置が、第1の方向D1に動いて、第2のガイド部材60の表面74、78が、ガイドチャネル44、46の第2の脚52に沿ってブッシング140、142をガイドする前に、中央板18および把持アーム20、22が、第1の方向D1においてさらに動く。上述したとおり、ガイドチャネル44、46の第2の脚52に沿って摺動するブッシング140、142の動きは、把持アーム20、22の部分132を、ワークピース12に対してクランプする互いに向かう方向に動かすものである。
【0065】
図9に示すとおり、把持フィンガー118、119が、第1および第2の外板14、16に向かって第3の方向に(例えば、長手方向軸A1に沿った第1の方向D1の反対の方向に)ワークピース12を把持する位置を動かすために、ユーザーは、ガイド部材リセス48内で第1のガイド部材58が、長手方向軸A1に垂直な第4の方向D4に壁106に向かって動く方向に、第1の調整ロッド96を回転する。第4の方向D4における第1のガイド部材58の動きによって、第2のガイド部材60が、第3の方向D3におけるガイドチャネル44、46に対してガイド部材リセス48内に動く。第3の方向D3に第2のガイド部材60を動かすことによって、ブッシング140、142が第2のガイド部材60の表面74、78と接触するガイドチャネル44、46に沿った位置が第3の方向D3に動き、ブッシング140、142が、中央板18のストロークに速やかに沿って表面74、78と接触する。このようにして、把持フィンガー118、119が、第1および第2の外板14、16に近い位置でワークピース12を把持する。
【0066】
図10に示すとおり、把持フィンガー118、119が、第5の方向D5(例えば、長手方向軸A1に垂直な方向)でワークピース12を把持する位置に動かすには、ユーザーは、ガイド部材リセス48内で第2のガイド部材60が、長手方向軸A1に垂直な第2の方向D2に壁106から離れて、ガイド部材リセス48内で第2のガイド部材60を動かす方向に、第2の調整ロッド98を回転する。第2のガイド部材60のかかる動きによって、第1のガイドチャネル44の第1の脚50に沿って経路を長くし、ブッシング142は、第2のガイド部材60の第1の表面74と接触するように移動することになる。第2のガイド部材60のこの動きによってまた、第2のガイドチャネル46の第1の脚50に沿って経路が短くなり、ブッシング140は、第2のガイド部材60の第3の表面78と接触するように移動することになる。
【0067】
従って、第2の方向D2に第2のガイド部材60を動かすことによって、第1の把持アーム20のブッシング140は、第2の把持アーム22のブッシング142が、第1のガイドチャネル44の第2の脚52に沿って動き始めたらすぐ、第2のガイドチャネル46の第2の脚52に沿って動き始める。従って、第1の把持アーム20の第1の部分132(すなわち、把持フィンガー119のある部分)は、第2の把持アーム22の部分132がワークピース12に対して横方向に動く距離よりもワークピース12に向かう横方向に大きく動く。その結果、ワークピース12は、第5の方向D5に垂直に低い位置で把持フィンガー119によりクランプされる。
【0068】
図11に示すとおり、把持フィンガー118、119が第6の方向D6(例えば、第5の方向D5と反対の垂直方向)にワークピース12を把持する位置に動かすには、ユーザーは、長手方向軸A1に垂直な第4の方向に壁106に向かってガイド部材リセス48内で第2のガイド部材60を動かす方向に第2の調整ロッド98を回転させる。第2のガイド部材60のかかる動きによって、第2のガイドチャネル46の第1の脚50に沿って経路が長くなり、ブッシング140は、第2のガイド部材60の第3の表面78と接触するように移動することになる。第2のガイド部材60のこの動きによってまた、第1のガイドチャネル44の第1の脚50に沿って経路が短くなり、ブッシング142は、第2のガイド部材60の第1の表面74と接触するように移動することになる。
【0069】
従って、第4の方向D4に第2のガイド部材60を動かすことによって、第2の把持アーム22のブッシング142は、第1の把持アーム20のブッシング140が、第2のガイドチャネル46の第2の脚52に沿って動き始めたらすぐ、第1のガイドチャネル44の第2の脚52に沿って動き始める。従って、第2の把持アーム22の部分132(すなわち、把持フィンガー119のある部分)は、第1の把持アーム20の部分132がワークピース12に対して横方向に動く距離よりもワークピース12に向かう横方向(長手方向軸A1に垂直)に大きく動く。その結果、ワークピース12は、第6の方向D6に垂直に高い位置で把持フィンガー119によりクランプされる。
【0070】
図示する固定機構10は、研削操作のためにワークピース12を保持するために用いられている。ただし、本開示の原理は、当然のことながら、回転操作および/または機械加工または製造操作用に構成された固定機構に適合させることができる。
【0071】
上述した実施形態の説明は、例証のためであり、包括的なものではなく、開示内容を限定しようとするものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、特定の実施形態に限定されるものでなく、適用できる場合には、交換可能であり、特に図示または説明されていなくても、選択した実施形態で用いることができる。同じく、様々に変形できる。かかる変形は、開示内容から離れるものとはみなされず、かかる修正は、開示の範囲内に含まれるものと考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13