(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基準領域の一側にある一側限界領域と基準領域の他側にある他側限界領域との間を移動する遊技機用可動部材がいずれの領域に位置するのかを検出するための遊技機用位置検出装置であって、
遊技機用可動部材に設けられた第一被検知部を検知するための二値出力式の第一検知手段と、
遊技機用可動部材に設けられた第二被検知部を検知するための二値出力式の第二検知手段と、
を備え、
遊技機用可動部材を検出する領域として、基準領域、一側限界領域、他側限界領域、基準領域と一側限界領域との間の一側中途領域、及び、基準領域と他側限界領域との間の他側中途領域を含む5以上の所定領域が設定され、
各領域に、第一検知手段及び第二検知手段の出力結果の組み合わせからなる最大4つの検出パターンのうちいずれかを割り当てて、少なくとも1つの検出パターンが複数の領域において重複して割り当てられるとともに、
同じ検出パターンが重複して割り当てられたそれぞれの領域から遊技機用可動部材を安全方向に移動させたときに達する別の領域における検出パターンが重複しないようにした
ことを特徴とする遊技機用位置検出装置。
可動部材を検出する領域として、さらに、一側限界領域と一側中途領域との間の一側警戒領域、及び/又は、他側限界領域と他側中途領域との間の他側警戒領域が設定された請求項2記載の遊技機用位置検出装置。
【背景技術】
【0002】
遊技機に組み込まれる可動部材(遊技機用可動部材)には、演出用のものを始め、様々な種類がある。遊技機用可動部材は、その移動態様も様々であるが、基準領域から両側(一側及び他側)に移動できるようにしたものがある。例えば、特許文献1には、遊技機筺体の前扉に組み込む液晶ディスプレイ(同文献の
図2における可変表示装置14を参照。)を、初期領域(基準領域)から時計回り方向に回転した位置(一側の領域)と反時計回り方向に回転した位置(他側の領域)との両方に回動させることができるようにした遊技機(同文献の
図17〜19を参照。)が記載されている。このように、液晶ディスプレイを回動可能な状態で遊技機に組み込むことによって、インパクトのある演出を実行することが可能になる。
【0003】
特許文献1には、液晶ディスプレイとともに回転する回転板(同文献の
図8における符号23を参照)に2つの遮光壁(同図における符号37a,37bを参照。)を設けるとともに、前記2つの遮光壁をそれぞれ検知するための第1のフォトセンサ及び第2のフォトセンサ(同文献の
図20〜22における符号25,26を参照。)を支持ベース(同文献の
図3における符号22を参照。)に取り付け、これら2つのフォトセンサの出力結果の組み合わせによって、液晶ディスプレイが、どの領域に位置するのかを検出できるようにすることも記載されている(同文献の
図23を参照。)。
【0004】
ところが、特許文献1の構成では、初期領域(基準領域)と、時計回り方向に回転した位置(一側の領域)と、反時計回り方向に回転した位置(他側の領域)との3領域でしか、液晶ディスプレイの位置を判別することができない。すなわち、特許文献1の構成では、液晶ディスプレイが時計回り方向の限界領域(同文献の
図18に示すように、回転板23の平坦部23cがストッパ突起27に当接する領域)にあるときや、液晶ディスプレイが反時計回り方向の限界領域(同文献の
図19に示すように、回転板23の平坦部23cがストッパ突起28に当接する領域)にあるときを検出することができない。このため、特許文献1の構成では、液晶ディスプレイが限界領域に達しているにもかかわらず、液晶ディスプレイを回転駆動するためのモーターが液晶ディスプレイをそれまでと同じ向きに移動させようとし続ける虞があるが、制御側ではそのことを検知できない。この場合には、モーターに過大な負荷が掛かり、モーターが故障したり、発火したりする原因ともなり得る。
【0005】
上記の不具合は、初期領域(基準領域)と、時計回り方向に回転した位置(一側の領域)と、反時計回り方向に回転した位置(他側の領域)と、時計回り方向の限界領域と、反時計回り方向の限界領域とを含む5以上の所定領域で液晶ディスプレイが位置する領域を検出するようにすることによって、解消することができる。しかし、上記のフォトセンサは、通常、二値出力式(いわゆるオンオフ式)となっているため、2つのフォトセンサによる出力結果の組み合わせは、最大で4通りである。すなわち、2つのフォトセンサの検出パターンによって5以上の所定領域を検出しようとしても、検出パターンが不足することになる。この不具合は、3つ以上のフォトセンサを使用すれば、解消することができる。しかし、この場合には、フォトセンサの数が増加した分、コストが嵩むし、フォトセンサを取り付けるスペースの確保が難しくなるという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、遊技機用可動部材が位置する領域を検出する手段として、2つの二値出力式の検知手段しか用いないにもかかわらず、5以上の所定領域で遊技機用可動部材の位置を検出することが可能な遊技機用位置検出装置を提供するものである。また、この遊技機用位置検出装置を備えた遊技機を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、
基準領域の一側にある一側限界領域と基準領域の他側にある他側限界領域との間を移動する遊技機用可動部材がいずれの領域に位置するのかを検出するための遊技機用位置検出装置であって、
遊技機用可動部材に設けられた第一被検知部を検知するための二値出力式の第一検知手段と、
遊技機用可動部材に設けられた第二被検知部を検知するための二値出力式の第二検知手段と、
を備え、
遊技機用可動部材を検出する領域として、基準領域、一側限界領域、他側限界領域、基準領域と一側限界領域との間の一側中途領域、及び、基準領域と他側限界領域との間の他側中途領域を含む5以上の所定領域が設定され、
各領域に、第一検知手段及び第二検知手段の出力結果の組み合わせからなる最大4つの検出パターンのうちいずれかを割り当て(必ずしも4つの検出パターンの全てを使用する必要はなく、使用しない検出パターンがあってもよい。)て、少なくとも1つの検出パターンが複数の領域において重複して割り当てられるとともに、
同じ検出パターンが重複して割り当てられたそれぞれの領域から遊技機用可動部材を安全方向に移動させたときに達する別の領域における検出パターンが重複しないようにした
ことを特徴とする遊技機用位置検出装置
を提供することによって解決される。
【0009】
かかる構成によって、遊技機用可動部材が位置する領域を検出する手段として、2つの二値出力式の検知手段しか用いないにもかかわらず、遊技機用可動部材が位置する領域を上記の5以上の所定領域の中から一義的に判別することが可能になる。すなわち、第一検知手段及び第二検知手段によって得られた検出パターンが複数の領域で重複したものであり(説明の便宜上、領域A
1及び領域A
2に重複して検出パターンαが割り当てられているものとする。)、それだけでは、領域A
1と領域A
2のいずれに遊技機用可動部材があるかを判別できない場合であっても、領域A
1から遊技機用可動部材を安全方向に移動させたときに得られる検出パターンと、領域A
2から遊技機用可動部材を前記安全方向と同じ向きに移動させたときに得られる検出パターンとが異なったものとなるため、遊技機用可動部材を最初に検出された領域から安全方向に移動させることによって、当該最初に検出された領域が領域A
1と領域A
2のいずれであったのかを判別することが可能になる。この判別は、遊技機の電源投入時等、遊技機用可動部材が移動した履歴(第一検知手段及び第二検知手段の検出パターンの履歴)がリセットされて分からない場合や、遊技機の運転が中断されている間に遊技機用可動部材の位置がずれてしまった後に遊技機の運転を再開するとき等、遊技機用可動部材が本来あるべき位置から移動してしまって遊技機用可動部材が移動した履歴を使用することができない場合に、特に好適に実行することが可能である。
【0010】
ここで、「安全方向」とは、一側方向又は他側方向のうち、遊技機用可動部材を現在の領域からそれ以外の他の領域へと確実に移動させることができる方向(向き)のことを云う。現在の領域が一側限界領域である場合(得られた検出パターンが一側限界領域のみに割り当てられたものである場合)、又は、現在の領域が一側限界領域である可能性がある場合(得られた検出パターンが一側限界領域にも重複して割り当てられたものである場合)には、「安全方向」は、他側方向のみとなる。また、現在の領域が他側限界領域である場合(得られた検出パターンが他側限界領域のみに割り当てられたものである場合)、又は、現在の領域が他側限界領域である可能性がある場合(得られた検出パターンが他側限界領域にも重複して割り当てられたものである場合)には、「安全方向」は、一側方向のみとなる。なお、当然のことながら、一側限界領域と他側限界領域とに同じ検出パターンが割り当てられていると、安全方向が決められなくなるため、一側限界領域と他側限界領域は、必ず、異なる検出パターンが割り当てられる。さらに、上記以外の場合、すなわち、現在の領域が一側限界領域でも他側限界領域でもなく、且つ、現在の領域が一側限界領域である可能性も他側限界領域である可能性もない場合には、「安全方向」は、一側方向及び他側方向の両方があり得る。ただし、安全方向としてより好ましい(より安全である)のは、基準領域に向う側であることに加えて、遊技機用可動部材を基準領域に速やかに復帰させることができる(遊技機の電源投入時や中断された運転の再開時等、遊技機用可動部材の位置を喪失しているときには、通常、遊技機用可動部材を基準領域に復帰させる動作が行われる。)のも基準領域に向う側であるため、安全方向として一側方向と他側方向との両方があり得る場合には、基準領域に向う側を安全方向として選択すると好ましい。
【0011】
本発明の遊技機用位置検出装置においては、互いに隣り合う領域に割り当てられた一対の検出パターンが補数関係を満たさないように設定することも好ましい。換言すると、一の領域に割り当てられた一の検出パターンと、当該一の領域の隣の他の領域に割り当てられた他の検出パターンとの間で、第一検知手段の出力結果及び第二検知手段の出力結果の両方が同時に切り替わらない(第一検知手段の出力結果及び第二検知手段の出力結果のうちいずれか一方のみが切り替わり、他方が切り替わらない)ようにすると好ましい。
【0012】
かかる構成によって、遊技機用可動部材が位置する領域をより確実に検出することが可能になる。というのも、前記一対の検出パターンが補数関係を満たすように設定する、すなわち、前記一の検出パターンと前記他の検出パターンとの間で、第一検知手段の出力結果と第二検知手段の出力結果とがいずれも切り替わるようにしていると、遊技機用可動部材が前記一の領域から前記他の領域に移動する際には、第一検知手段の出力が切り替わる瞬間と第二検知手段の出力が切り替わる瞬間とが完全に一致して検知されるべきであるにもかかわらず、遊技機用可動部材や第一検知手段や第二検知手段に生じた僅かな振動等によって、第一検知手段の出力が切り替わる瞬間と第二検知手段の出力が切り替わる瞬間との間にタイムラグが生じ、このタイムラグが原因で前記一の検出パターン又は前記他の検出パターンのいずれでもない検出パターンが誤検出され、遊技機用可動部材が位置する領域を誤って判別する虞があるところ、前記一対の検出パターンが補数関係を満たさないように設定していれば、そのような不具合が生じないようにすることが可能だからである。
【0013】
本発明の遊技機用位置検出装置においては、遊技機用可動部材を検出する領域として、さらに、一側限界領域と一側中途領域との間の一側警戒領域、及び/又は、他側限界領域と他側中途領域との間の他側警戒領域を設定すると好ましい。
【0014】
かかる構成によって、6領域(一側警戒領域と他側警戒領域のうち一方のみを追加設定した場合)又は7領域(一側警戒領域及び他側警戒領域の両方を追加設定した場合)で遊技機用可動部材の位置を検出することが可能になる。このため、基準領域と一側限界領域との間や、基準領域と他側限界領域との間等、中途半端な位置で遊技機用可動部材を停止させること等が可能になり、遊技機用可動部材の移動態様のバリエーションを増やすことが可能になる。この構成は、遊技機用可動部材が演出用のものである場合に好適に採用することができる。
【0015】
本発明の遊技機用位置検出装置においては、一側警戒領域を挟んだ一側限界領域と一側中途領域とにおける検出パターンが、補数関係を満たすように設定し、及び/又は、他側警戒領域を挟んだ他側限界領域と他側中途領域とにおける検出パターンが、補数関係を満たすように設定することも好ましい。
【0016】
かかる構成によって、遊技機用可動部材が一側警戒領域よりも他側から一側限界領域に移動する場合や、遊技機用可動部材が他側警戒領域よりも一側から他側限界領域に移動する場合に、第一検知手段と第二検知手段のうちいずれか一方の検知手段が作動しない不具合が生じていても、遊技機用可動部材が一側限界領域や他側限界領域に達するまでの間に、他方の検知手段からの出力が必ず1回は切り替わるようにすることが可能になる。したがって、第一検知手段と第二検知手段のうちいずれか一方の検知手段に異常が生じた場合であっても、一側限界領域にある遊技機用可動部材がさらに一側へ移動しようするのを防ぐことや、他側限界領域にある遊技機用可動部材がさらに他側へ移動しようするのを防ぐことが可能になり、駆動手段に過大な負荷が掛からないようにすることが可能になる。
【0017】
本発明の遊技機用位置検出装置においては、基準領域を挟んだ一側中途領域と他側中途領域とにおける検出パターンが、補数関係を満たすように設定することも好ましい。
【0018】
かかる構成によって、遊技機用可動部材が基準領域よりも一側の領域から基準領域よりも他側の領域に移動する場合やその逆方向に移動する場合、換言すると、遊技機用可動部材が基準領域を越えて移動する場合に、第一検知手段と第二検知手段のうちいずれか一方の検知手段が作動しない不具合が生じていても、遊技機用可動部材が基準領域を越えて反対側の領域に達するまでの間に、他方の検知手段からの出力が必ず1回は切り替わるようにすることが可能になる。したがって、第一検知手段と第二検知手段のうちいずれか一方の検知手段に異常が生じた場合であっても、遊技機用可動部材を基準領域に移動させることが可能になる。基準領域は、通常、最も使用頻度の高い領域であるため、上記不具合が生じた場合であっても、そのような使用頻度の高い基準領域に遊技機用可動部材を復帰させることができるのであれば、遊技に支障をきたさないようにすることも可能になる。この構成は、上述した、一側警戒領域を挟んだ一側限界領域と一側中途領域とにおける検出パターン、及び/又は、他側警戒領域を挟んだ他側限界領域と他側中途領域とにおける検出パターンが、補数関係を満たすように設定した場合に特に好適に採用することができる。
【0019】
また、上記課題は、上記の本発明の遊技機用位置検出装置を備えた遊技機を提供することによっても解決される。
【0020】
かかる構成によって、バリエーションに富んだ可動体演出を実行することができ、演出効果に優れた遊技機を低コストで提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の遊技機用位置検出装置の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、説明の便宜上、本発明の遊技機用位置検出装置を回胴式遊技機に組み込む場合について説明するが、本発明の遊技機用位置検出装置は、回胴式遊技機に組み込む場合に限定されない。本発明の遊技機用位置検出装置は、パチンコ遊技機等、回胴式遊技機以外の遊技機においても好適に採用することができる。
【0023】
1. 回胴式遊技機
まず、回胴式遊技機の概要について説明する。
図1は、回胴式遊技機10の正面図である。
図1に示す回胴式遊技機10は、その筺体における前扉10aの前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13,14,15と、演出画像を表示するためのメイン表示ユニット16及びサブ表示ユニット17と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー18等を備えたものとなっており、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン19と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン20と、リール13,14,15の回転を開始するためのスタートレバー21と、リール13,14,15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン22,23,24と、演出を切り替えるためのチャンスボタン25と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン26等を有するものとなっている。
【0024】
この回胴式遊技機10は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー21が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13,14,15が一斉に回転を開始し、ストップボタン22,23,24がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン22,23,24に対応するリール13,14,15の回転が停止していき、全てのリール13,14,15が停止したときにリール窓10a
1の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)に、その役に応じた枚数のメダルが払い出され、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、筺体内に格納されたホッパーユニット(図示省略)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。メダルのクレジット枚数は、メダルのクレジット枚数が上限値に達していないときに、メダル投入口11にメダルが投入される、又は、入賞によってメダルが払い出されると増加するようになっている。
【0025】
本実施態様において、メイン表示ユニット16の画像表示部(表示装置16a)及びサブ表示ユニット17の画像表示部(表示装置17a)には、遊技の進行に応じた演出画像が表示されるようになっている。表示装置16a,17aには、通常、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイやプラズマディスプレイ等の薄型ディスプレイが用いられる。本実施態様において、メイン表示ユニット16及びサブ表示ユニット17の表示装置16a,17aには、いずれも液晶ディスプレイを採用している。
【0026】
ところで、本発明の遊技機用位置検出装置は、遊技機において、可動部材の位置を検出する必要のある各種の可動装置(遊技機用可動装置)に組み込むことができる。本発明の遊技機用位置検出装置を組み込むことのできる可動装置としては、可動部材を移動させることによって演出(可動体演出)を行う演出用可動装置が例示される。本実施態様においては、後述するように、サブ表示ユニット17が可動体演出を行うようになっており、このサブ表示ユニット17に遊技機用位置検出装置を組み込んでいる。本発明の遊技機用位置検出装置を詳しく説明する前に、サブ表示ユニット17の概要について説明する。
【0027】
2.サブ表示ユニット(演出用可動装置)
サブ表示ユニット17は、通常時においては、遊技者から見えない隠れた位置にある一方、特定の演出を行うときには、遊技者から見える位置に出現するようになっている。具体的には、サブ表示ユニット17は、支持アーム27によって昇降可能な状態で支持されており、通常時においては、
図1における破線部αに示すように、前扉10aの上枠部10a
2の後面側に隠れた位置にある一方、特定の演出を行うときには、
図1における実線部βに示すように、メイン表示ユニット16の画像表示部の前面側に重なる位置まで下降するようになっている。サブ表示ユニット17を下降させる時期は、特に限定されない。サブ表示ユニット17を下降させる時期としては、ボーナス遊技時やフリーズ演出時等が例示される。
【0028】
図2は、サブ表示ユニット17(可動装置)における表示装置17aの動作を説明する正面図である。サブ表示ユニット17は、
図2に示すように、その表示装置17aが軸L
1を中心として回動できるようになっている。具体的には、表示装置17aは、略水平となる基準領域(
図2(b))を基準として、基準領域よりも一側(本実施態様においては時計回り方向。
図2(b)における矢印CWを参照。)の限界位置である一側限界領域(同図(a))と、基準領域よりも他側(本実施態様においては反時計回り方向。
図2(b)における矢印CCWを参照)の限界位置である他側限界領域(同図(c))との間で回動することができるようになっている。すなわち、サブ表示ユニット17は、遊技機用可動部材(後述する可動ベース17c)を有する可動装置となっている。このように、サブ表示ユニット17における表示装置17aを回動(移動)させることで、変化に富んだ演出を実行することが可能となっている。
【0029】
図3は、サブ表示ユニット17(可動装置)における取付ベース17bと可動ベース17cとを分解した状態を示した後方斜視図である。
図4は、サブ表示ユニット17(可動装置)における取付ベース17bと可動ベース17cとを組み付けた状態を示した後方斜視図である。
図3及び
図4においては、第一被検知部17c
1及び第二被検知部17c
2を目立つように網掛けハッチングで示している。サブ表示ユニット17は、上記の動作が可能であればその具体的な構造を特に限定されないが、本実施態様においては、
図3及び
図4に示すように、取付ベース17bと、取付ベース17bの前面(y軸方向負側を向く面。以下同じ。)側に配された可動ベース17cとを備えたものとなっている。
【0030】
取付ベース17bには、上記の支持アーム27(
図1)の下端部が固定される。可動ベース17cの前面側には、表示装置17a(
図2)が動かない状態で固定される。この可動ベース17cは、取付ベース17bに対して移動可能な状態で取り付けられる。具体的には、取付ベース17bの中央部に設けた軸穴17b
0に対して、可動ベース17cの中央部から後側(y軸方向正側)に突出して設けた軸部17c
0を挿入することで、取付ベース17bに対して可動ベース17cを回動可能に支持させている。可動ベース17cは、後述する遊技機用可動部材として機能する部分となっている。軸部17c
0は、その内部が中空に形成されており、その後面(y軸方向正側を向く面。以下同じ。)側に開口部が設けられている。この開口部は、表示装置17a(
図2)に接続される配線を可動ベース17cの後方に引き出すための部分となっている。
【0031】
可動ベース17c(遊技機用可動部材)は、図示省略の可動部材駆動手段によって駆動される。可動部材駆動手段は、可動ベース17cに所望の動作(本実施態様においては、軸L
1を中心とした回転動作)をさせることができるものであれば、その種類を特に限定されないが、通常、正逆回転が可能なステッピングモーターが用いられる。可動部材駆動手段を設ける場所も、特に限定されないが、本実施態様においては、取付ベース17bの後面側に可動部材駆動手段を取り付けるようにしている。可動部材駆動手段の駆動力は、図示省略の動力伝達機構(歯車機構、カム機構又はリンク機構等)を介して、可動ベース17cに伝達されるようになっている。
【0032】
取付ベース17bには、
図3に示すように、軸L
1を中心とした円弧状に第一被検知部挿入穴17b
1と第二被検知部挿入穴17b
2とが設けられている。第一被検知部挿入穴17b
1は、可動ベース17cの後面側から突出して設けられた第一被検知部17c
1を挿入するための部分となっており、第二被検知部挿入穴17b
2は、可動ベース17cの後面側から突出して設けられた第二被検知部17c
2を挿入するための部分となっている。第一被検知部17c
1及び第二被検知部17c
2は、本発明の遊技機用位置検出装置を構成するものとなっている。本実施態様においては、第一被検知部挿入穴17b
1と第二被検知部挿入穴17b
2とをそれぞれ独立して設けたが、第一被検知部挿入穴17b
1と第二被検知部挿入穴17b
2は1つに集約してもよい。
【0033】
第一被検知部挿入穴17b
1の近傍には、二値出力式の第一検知手段17dが設けられており、第二被検知部挿入穴17b
2の近傍には、二値出力式の第二検知手段17eが設けられている。第一検知手段17dは、第一被検知部17c
1を検知するためのものとなっており、第二検知手段17eは、第二被検知部17c
2を検知するためのものとなっている。第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られた出力結果の組み合わせからなる検出パターンを、後述する領域判別処理によって判別することによって、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が一側限界領域(
図2(a))と他側限界領域(
図2(c))との間のいずれの領域に位置するのかを判別する。第一検知手段17d及び第二検知手段17eは、本発明の遊技機用位置検出装置を構成するものとなっている。本実施態様において、第一検知手段17dと第二検知手段17eは、可動ベース17cの回動方向に対して位置を揃えて設けているが、可動ベース17cの回動方向に対して位置をずらして設けてもよい。
【0034】
図5〜11は、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が各領域にあるときのサブ表示ユニット17(可動装置)を示した背面図である。
図5は、可動ベース17cが一側限界領域にあるときを、
図6は、可動ベース17cが一側警戒領域にあるときを、
図7は、可動ベース17cが一側中途領域にあるときを、
図8は、可動ベース17cが基準領域にあるときを、
図9は、可動ベース17cが他側中途領域にあるときを、
図10は、可動ベース17cが他側警戒領域にあるときを、
図11は、可動ベース17cが他側限界領域にあるときをそれぞれ示している。
図5〜11においては、第一被検知部17c
1及び第二被検知部17c
2を目立つように網掛けハッチングで示している。
【0035】
第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られた検出パターンによって判別する領域の数は、既に述べた一側限界領域(
図5及び
図2(a))と、基準領域(
図8及び
図2(b))と、他側限界領域(
図11及び
図2(c))との3領域に、少なくとも2つの領域を加えた5以上の所定領域とされる。ここでいう「少なくとも2つの領域」とは、基準領域と一側限界領域との間にある一側中途領域(
図7)と、基準領域と他側限界領域との間にある他側中途領域(
図9)である。このように、一側限界領域と一側中途領域と基準領域と他側中途領域と他側限界領域とを含む少なくとも5領域で可動ベース17c(遊技機用可動部材)の位置を検出することによって、可動ベース17cを一側限界領域と他側限界領域との間で動作させるとともに、一側限界領域に切り替わるタイミング(以下において、「一側限界領域突入時」と呼ぶことがある。)や他側限界領域に切り替わるタイミング(以下において、「他側限界領域突入時」と呼ぶことがある。)を検出することが可能になる。このため、可動ベース17cが一側限界領域や他側限界領域に達しているにもかかわらず、上記の可動部材駆動手段(モーター)がそれらの限界領域を越えて可動ベース17cを移動させ続けようとする自体が生じないようにすることが可能になる。したがって、可動部材駆動手段に過大な負荷が掛からないようにして、可動部材駆動手段が故障したり、発火したりしないようにすることが可能となる。
【0036】
また、本実施態様においては、上述した5つの領域に加えて、さらに2つの領域を判別できるようにしている。具体的には、一側限界領域と一側中途領域との間の一側警戒領域(
図6)と、他側限界領域と他側中途領域との間の他側警戒領域(
図10)との2領域も判別できるようにしている。このため、一側中途領域から一側警戒領域に切り替わるタイミング(以下において、「一側警戒領域突入時」と呼ぶことがある。)と、他側中途領域から他側警戒領域に切り替わるタイミング(以下において、「他側警戒領域突入時」と呼ぶことがある。)も検出することが可能となっており、そのタイミングで可動ベース17c(遊技機用可動部材)の回動(移動)を停止させたり、可動ベース17cの回動方向(移動方向)を反転させたりすることが可能となっている。したがって、可動ベース17cの回動態様(移動態様)のバリエーションを増やし、より趣向に富んだ可動体演出を行うことが可能となっている。
【0037】
基準領域の中心にある可動ベース17cが一側限界領域突入時又は他側限界領域突入時となるまでに回動する角度(以下において、「限界領域突入角度」と呼ぶことがある。)や、基準領域の中心にある可動ベース17cが一側警戒領域突入時又は他側警戒領域突入時となるまでに回動する角度(以下において、「警戒領域突入角度」と呼ぶことがある。)は、特に限定されない。本実施態様においては、限界領域突入角度を20°としており、警戒領域突入角度を16°としている。ところで、基準領域は、可動ベース17c(遊技機用可動部材)の移動方向に対して実質的に幅を有さない微小区間として設けてもよいが、ある程度幅を持たせると好ましい。例えば、基準領域の中心にある可動ベース17cが一側中途領域又は他側中途領域に入るまでの回動角度(以下において、「基準領域脱出角度」と呼ぶことがある。)を、1〜3°程度に設定すると好ましい。これにより、基準領域にある可動ベース17cを基準領域の近傍で微振動させるといった可動体演出を行うことも可能になる。本実施態様において、限界領域突入角度、警戒領域突入角度、及び、基準領域脱出角度は、一側と他側で等しく設定したが、一側と他側とで異なる値に設定してもよい。
【0038】
第一検知手段17d及び第二検知手段17eは、それぞれ第一被検知部17c
1及び第二被検知部17c
2を検知できる二値出力式のセンサであれば特に限定されず、接触式センサを用いてもよい。しかし、検知の安定性等を考慮すると、第一検知手段17d及び第二検知手段17eには、非接触式センサを用いると好ましい。非接触式センサとしては、光センサや近接センサ等が例示される。なかでも、光センサは、被検知部が非金属(樹脂等)であっても検知でき、コストが安く、小型のものが充実していて省スペース化も容易であるために好ましい。光センサは、透過型と反射型のものとに大別されるが、検知の安定性等を考慮すると透過型のものが好ましい。本実施態様においても、第一検知手段17d及び第二検知手段17eには、透過型の光センサを用いている。第一検知手段17dは、
図3に示すように、検知光を出射する発光部17d
1と、発光部17d
1からの検知光を受光する受光部17d
2とで構成されている。第一検知手段17dは、発光部17d
1と受光部17d
2との間に第一被検知部17c
1が移動してきて受光部17d
2が検知光を受光しなくなったときに、検知信号を出力するものとなっており、第二検知手段17eは、発光部17e
1と受光部17e
2との間に第二被検知部17c
2が移動してきて受光部17e
2が検知光を受光しなくなったときに、検知信号を出力するものとなっている。
【0039】
また、取付ベース17bには、
図3に示すように、軸L
1を中心とした円弧状にガイド穴17b
3が設けられている。ガイド穴17b
3は、
図4に示すように、可動ベース17cの後面側から突出して設けられたガイド凸部17c
3を挿入するための部分となっている。可動ベース17cが回動する際にガイド凸部17c
3がガイド穴17b
3に案内されることによって、可動ベース17cが安定して回動するようになっている。ガイド凸部17c
3の先端部(後端部)には、図示省略の抜止手段が取り付けられており、可動ベース17cが取付ベース17bから分離しないようになっている。ガイド穴17b
3及びガイド凸部17c
3は、それぞれ1つずつ設けてもよいが、本実施態様においては、軸L
1を中心とした回転対称な位置に計2つずつ設けている。ガイド穴17b
3及びガイド凸部17c
3は、3個以上ずつ設けてもよい。
【0040】
ところで、ガイド穴17b
3は、可動ベース17c(遊技機用可動部材)のストッパとしても機能するようになっている。すなわち、時計回り方向CW(一側)に回動(移動)する可動ベース17cが一側限界領域(
図2(a))に達したときには、ガイド穴17b
3における時計回り方向CW側(一側)の端部E
1(
図3)でガイド凸部17c
3を掛止して(
図5を参照。)、可動ベース17cがそれ以上は時計回り方向CW側(一側)へ回動(移動)できない状態とする機能を有している。一方、反時計回り方向CCW(他側)に回動(移動)する可動ベース17cが他側限界領域(
図2(c))に達したときには、ガイド穴17b
3における反時計回り方向CCW側(他側)の端部E
2(
図3)でガイド凸部17c
3を掛止して(
図11を参照。)、可動ベース17cがそれ以上は反時計回り方向CCW側(他側)へ回動(移動)できない状態とする機能も有している。
【0041】
3.遊技機用位置検出装置
続いて、遊技機用位置検出装置について説明する。遊技機用位置検出手段は、一側限界領域(
図2(a))と他側限界領域(
図2(c))との間を回動(移動)する可動ベース17c(遊技機用可動部材)がいずれの領域に位置するのかを検出するためのものとなっている。遊技機用位置検出装置は、
図3に示した、第一検知手段17dと、第二検知手段17eと、第一被検知部17c
1と、第二被検知部17c
2とを有している。本実施態様においては、既に述べた通り、第一検知手段17d及び第二検知手段17eを取付ベース17bに取り付け、第一被検知部17c
1及び第二被検知部17c
2を可動ベース17cに設けたが、第一検知手段17dと第一被検知部17c
1との配置や、第二検知手段17eと第二被検知部17c
2との配置は、逆にしてもよい。すなわち、第一検知手段17dを可動ベース17cに取り付けるとともに、第一被検知部17c
1を取付ベース17bに設けてもよいし、第二検知手段17eを可動ベース17cに取り付けるとともに、第二被検知部17c
2を取付ベース17bに設けてもよい。
【0042】
また、遊技機用位置検出手段は、領域判別手段も有している。ここで、「領域判別手段」とは、第一検知手段17d及び第二検知手段17eの検出パターンから、可動ベース17c(遊技機用可動部材)がいずれの領域にあるのかを判別するためのものである。すなわち、第一検知手段17dと第二検知手段17eはいずれも二値出力式のセンサであるため、検知手段が被検知部を検知して検知信号を出力している状態を「1」(オン)とし、検知手段が被検知部を検知しておらず検知信号を出力していない状態を「0」(オフ)とすると、第一検知手段17d及び第二検知手段17eの出力結果の組み合わせは、下記表1に示す検出パターンA,B,C,Dの4通りとなる。領域判別手段は、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから実際に得られた検出パターンがこれらの検出パターンA,B,C,Dのうちいずれであるのかを判定することによって、可動ベース17cが位置する領域を判別するようになっている。
【表1】
【0043】
ところが、本発明の遊技機用位置検出装置は、上述したように、少なくとも5つの領域(一側限界領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域及び他側限界領域)を判別する必要がある。しかし、第一検知手段17d及び第二検知手段17eによって得られる検出パターンは、上記表1における検出パターンA,B,C,Dの4つのみであり、5以上の所定領域のそれぞれに固有の検出パターンを割り当てることができない(一の領域の検出パターンと他の領域の検出パターンとが重複しないように割り当てることができない)。このため、本発明の遊技機用位置検出装置では、上記表1における検出パターンA,B,C,Dのうち少なくとも1つの検出パターンを複数の領域において重複して割り当てられるとともに、同じ検出パターンが重複して割り当てられたそれぞれの領域から可動ベース17c(遊技機用可動部材)を安全方向に移動させたときに達する別の領域における検出パターンが重複しないようにしている。これにより、第一検知手段17d及び第二検知手段17eによって得られた検出パターンが、複数の領域に重複して割り当てられたものであったとしても、可動ベース17cを安全方向に移動させた後に第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られる検出パターンを組み合わせることで、遊技機の電源投入時等、可動ベース17cが移動した履歴がリセットされて分からない場合や、中断された遊技を再開する際(遊技機の前扉を開けてメダルの詰まりを解消する等の作業を行う際に作業者の身体等が可動ベース17cに当たって可動ベース17cが動いてしまった後に遊技機の運転を再開する際)等、可動ベース17cの位置が本来あるべき位置から移動してしまって可動ベース17cが移動した履歴を使用することができない場合であっても、5以上の所定領域の中から、可動ベース17cが位置する領域を判別することができるようにしている。
【0044】
本実施態様においては、上述したように、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が位置する領域として、7つの領域(一側限界領域、一側警戒領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域、他側警戒領域及び他側限界領域)を定義しているが、これらの7つの領域に対して検出パターンA,B,C,Dを下記表2に示すように割り当てている。具体的には、
図12に示すように、第一被検知部17c
1を、長さの異なる複数の分割片17c
1.1,17c
1.2で構成するとともに、第二被検知部17c
2を、長さの異なる複数の分割片17c
2.1,17c
2.2で構成することにより、第一被検知部17c
1を構成する分割片17c
1.1,17c
1.2及び第二被検知部17c
2を構成する分割片17c
2.1,17c
2.2が、それぞれ第一検知手段17d及び第二検知手段17eに
図5〜11に示す順番で検知されるようにしている。
図12は、サブ表示ユニット17(可動装置)における第一検知手段17d及び第二検知手段17eの周辺を拡大して示した後方斜視図である。
【表2】
【0045】
上記表2を見ると、検出パターンAは、他側警戒領域のみに割り当てられているものの、他の検出パターンB,C,Dは、複数の領域で重複して割り当てられていることが分かる。すなわち、検出パターンBは、一側警戒領域と基準領域とに重複して割り当てられており、検出パターンCは、一側限界領域と他側中途領域とに重複して割り当てられており、検出パターンDは、一側中途領域と他側限界領域とに重複して割り当てられている。このため、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られた検出パターンが検出パターンAである場合には、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が位置する領域を「他側警戒領域」であると一義的に判別できるものの、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られた検出パターンが検出パターンB,C,Dである場合には、それだけの情報では、可動ベース17cが位置する領域を一義的に判別することができないようになっている。したがって、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られた検出パターンが検出パターンB,C,Dである場合には、可動ベース17cを上述したように安全方向に移動した後の検出パターンを見ないと、可動ベース17cが位置する領域を一義的に判別することができないようになっている。
【0046】
以下、本実施態様において、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が位置する領域を一義的に判別する方法を具体的に説明するが、その前に、安全方向について説明する。上記表2における「移動可能方向」とは、可動ベース17cをその領域からそれ以外の他の領域へと確実に移動させることができる方向(向き)のことを云う。すなわち、一側限界領域では、それよりも一側方向に領域が存在しないため、「移動可能方向」は、「他側」方向のみとなっており、他側限界領域では、それよりも他側方向に領域が存在しないため、「移動可能方向」は、「一側」方向のみとなっている。それ以外の領域においては、可動ベース17cを一側方向及び他側方向の両側に移動させることができるため、「移動可能方向」は、「両側」となっている。
【0047】
また、上記表2における「安全方向」とは、その検出パターンが得られたときに、可動ベース17c(遊技機用可動部材)を現在の領域からそれ以外の他の領域へとより安全に移動させることができる方向(向き)のことを云う。すなわち、得られた検出パターンが検出パターンBである場合には、可動ベース17cが位置する領域は、一側警戒領域である場合と基準領域である場合との2つの可能性がある。この2つの領域からは、可動ベース17cを一側方向及び他側方向の両側に移動させることができるため、「移動可能方向」は、「両側」となっているが、一側警戒領域にある可動ベース17cは、一側方向に移動させるよりも、他側方向に移動させる方(基準領域に近づく側に移動させる方)がより安全であることに加えて、遊技機の電源投入時や運転再開時等、可動ベース17cの位置を喪失してしまったときに可動ベース17cを基準領域に速やかに復帰させることができるのも他側方向(基準領域に近づく側に移動させる向き)であるため、「安全方向」は、「他側」となっている。また、得られた検出パターンが検出パターンCである場合には、可動ベース17cが位置する領域は、一側限界領域である場合と他側中途領域である場合との2つの可能性があり、他側中途領域であった場合には、一側方向及び他側方向の両側に移動させることができるものの、一側限界領域であった場合には、他側方向にしか移動させることができないため、検出パターンCが得られた場合の「安全方向」は、「他側」のみとなっている。さらに、得られた検出パターンが検出パターンDである場合には、可動ベース17cが位置する領域は、一側中途領域である場合と他側限界領域である場合との2つの可能性があり、一側中途領域であった場合には、一側方向及び他側方向の両側に移動させることができるものの、他側限界領域であった場合には、一側方向にしか移動させることができないため、検出パターンDが得られた場合の「安全方向」は、「一側」のみとなっている。
【0048】
図13は、遊技機用位置検出装置における領域判別手段による領域判別処理の一例を示したフロー図である。領域判別手段は、
図13に示すように、領域判別処理を開始(ステップS
1)すると、まず、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから出力信号を受け取り、その検出パターンが検出パターンA,B,C,Dのうち、いずれであるかを判定(ステップS
2)する。
【0049】
ステップS
2で得られた検出パターンが検出パターンAであった場合には、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が現在位置している領域を他側警戒領域と判別(ステップS
3.1)し、可動ベース17cを基準領域に移動(ステップS
7)させた後、領域判別処理を終了(ステップS
8)する。
【0050】
また、ステップS
2で得られた検出パターンが検出パターンBであった場合には、可動ベース17c(遊技機用可動部材)を安全方向に移動させる。本実施態様においては、検出パターンBが得られた場合における検出パターン基準の安全方向は、他側方向であるため、他側方向に移動(ステップS
4.1)させる。可動ベース17cが他側方向に移動すると、可動ベース17cは、もといた領域の隣の領域に移動し、その結果、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られる検出パターンが検出パターンBから検出パターンC,Dのいずれかに切り替わる(上記表2を参照。)。領域判別手段は、この切り替わった検出パターンを判定(ステップS
4.2)する。ステップS
4.2で判定された検出パターンが検出パターンCであった場合には、領域判別手段は、ステップS
4.1で他側方向に移動した後の可動ベース17cが位置している領域を他側中途領域と判断し、ステップS
4.1で他側方向に移動する前の可動ベース17cが位置していた領域を、他側中途領域よりも1つ一側に位置する基準領域と判別(ステップS
4.3)する。これに対し、ステップS
4.2で判定された検出パターンが検出パターンDであった場合には、領域判別手段は、ステップS
4.1で他側方向に移動した後の可動ベース17cが位置している領域を一側中途領域と判断し、ステップS
4.1で移動する前の可動ベース17cが位置していた領域を、一側中途領域よりも1つ一側に位置する一側限界領域と判別(ステップS
4.4)する。ステップS
4.3,S
4.4のいずれかで領域を判別すると、可動ベース17cを基準領域に移動(ステップS
7)させた後、領域判別処理を終了(ステップS
8)する。
【0051】
また、ステップS
2で得られた検出パターンが検出パターンCであった場合には、可動ベース17c(遊技機用可動部材)を安全方向に移動させる。本実施態様においては、検出パターンCが得られた場合における検出パターン基準の安全方向は、他側方向であるため、他側方向に移動(ステップS
5.1)させる。可動ベース17cが他側方向に移動すると、可動ベース17cは、もといた領域の隣の領域に移動し、その結果、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られる検出パターンが検出パターンCから検出パターンA,Bのいずれかに切り替わる(上記表2を参照。)。領域判別手段は、この切り替わった検出パターンを判定(ステップS
5.2)する。ステップS
5.2で判定された検出パターンが検出パターンAであった場合には、領域判別手段は、ステップS
5.1で他側方向に移動した後の可動ベース17cが位置している領域を他側警戒領域と判断し、ステップS
5.1で他側方向に移動する前の可動ベース17cが位置していた領域を、他側警戒領域の1つ一側に位置する他側中途領域と判別(ステップS
4.3)する。これに対し、ステップS
5.2で判定された検出パターンが検出パターンBであった場合には、領域判別手段は、ステップS
5.1で他側方向に移動した後の可動ベース17cが位置している領域を一側警戒領域と判断し、ステップS
5.1で移動する前の可動ベース17cが位置していた領域を、一側警戒領域よりも1つ一側に位置する一側限界領域と判別(ステップS
5.4)する。ステップS
5.3,S
5.4のいずれかで領域を判別すると、可動ベース17cを基準領域に移動(ステップS
7)させた後、領域判別処理を終了(ステップS
8)する。
【0052】
また、ステップS
2で得られた検出パターンが検出パターンDであった場合には、可動ベース17c(遊技機用可動部材)を安全方向に移動させる。本実施態様においては、検出パターンDが得られた場合における検出パターン基準の安全方向は、一側方向であるため、一側方向に移動(ステップS
6.1)させる。可動ベース17cが一側方向に移動すると、可動ベース17cは、もといた領域の隣の領域に移動し、その結果、第一検知手段17d及び第二検知手段17eから得られる検出パターンが検出パターンDから検出パターンA,Bのいずれかに切り替わる(上記表2を参照。)。領域判別手段は、この切り替わった検出パターンを判定(ステップS
6.2)する。ステップS
6.2で判定された検出パターンが検出パターンAであった場合には、領域判別手段は、ステップS
6.1で一側方向に移動した後の可動ベース17cが位置している領域を他側警戒領域と判断し、ステップS
6.1で移動する前の可動ベース17cが位置していた領域を、他側警戒領域の1つ他側に位置する他側限界領域と判別(ステップS
6.3)する。これに対し、ステップS
6.2で判定された検出パターンが検出パターンBであった場合には、領域判別手段は、ステップS
6.1で移動した後の可動ベース17cが位置している領域を一側警戒領域と判断し、ステップS
6.1で移動する前の可動ベース17cが位置していた領域を、一側警戒領域の1つ他側に位置する一側中途領域と判別(ステップS
5.4)する。ステップS
6.3,S
6.4のいずれかで領域を判別すると、可動ベース17cを基準領域に移動(ステップS
7)させた後、領域判別処理を終了(ステップS
8)する。
【0053】
本実施態様の遊技機用位置検出装置は、上記の領域判別処理を実行することによって、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が位置する領域を、7つの領域の中から一義的に判別することができるようになっている。この領域判別処理は、回胴式遊技機10の電源投入時等、可動ベース17cが移動した履歴(第一検知手段17d及び第二検知手段17eの検出パターンの履歴)がリセットされて分からない場合や、回胴式遊技機10の運転が中断されている間に可動ベース17cの位置がずれてしまった後に回胴式遊技機10の運転を再開するとき等、可動ベース17cが本来あるべき位置から移動してしまって可動ベース17cが移動した履歴を使用することができない場合に、特に好適に実行することができる。本実施態様の遊技機用位置検出装置においても、上記の領域判別処理を、回胴式遊技機10の電源を投入する際と、中断された回胴式遊技機10の運転を再開する際に実行するようにしている。これに対し、回胴式遊技機10の運転中(遊技中)には、通常、可動部材駆動手段(モーター)のステップ数管理を実行しているため、上記の領域判別処理を実行する必要は特にない。
【0054】
ところで、上記表1における検出パターンA,B,C,Dのうち、検出パターンAと検出パターンB、及び、検出パターンCと検出パターンDは、互いに補数関係(第一検知手段17d及び第二検知手段17eの両方の出力が反転する関係)を満たしており、検出パターンAと検出パターンC、検出パターンAと検出パターンD、検出パターンBと検出パターンC、及び、検出パターンBと検出パターンDは、互いに補数関係を満たしていない。本実施態様においては、上記表2に示すように、互いに隣り合う領域に割り当てられた一対の検出パターンが補数関係を満たさないようにしている。換言すると、検出パターンAが割り当てられた領域の隣の領域には、検出パターンBを割り当てておらず、検出パターンCが割り当てられた領域の隣の領域には、検出パターンDを割り当てていない。このため、可動ベース17c(遊技機用可動部材)や第一検知手段17dや第二検知手段17e等に振動が生じたような場合等であっても、可動ベース17cが位置する領域をより確実に検出することが可能となっている。
【0055】
また、本実施態様においては、上記表2に示すように、一側限界領域に割り当てられた検出パターン(検出パターンC)と、一側中途領域に割り当てられた検出パターン(検出パターンD)とが、補数関係を満たすようにするとともに、他側限界領域に割り当てられた検出パターン(検出パターンD)と他側中途領域に割り当てられた検出パターン(検出パターンC)とが、補数関係を満たすようにしている。このため、第一検知手段17dと第二検知手段17eのうちいずれか一方の検知手段が作動しない不具合が生じていても、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が一側警戒領域よりも他側から一側限界領域に移動する場合や、他側警戒領域よりも一側から他側限界領域に移動する場合に、可動ベース17cが一側限界領域や他側限界領域に達するまでの間で、他方の検知手段からの出力が必ず1回は切り替わるようになっている。したがって、第一検知手段17dと第二検知手段17eのうちいずれか一方の検知手段に異常が生じた場合であっても、一側限界領域にある可動ベース17cがさらに一側へ移動しようするのを防ぐことや、他側限界領域にある可動ベース17cがさらに他側へ移動しようするのを防ぎ、上述した可動部材駆動手段に過大な負荷が掛からないようにすることが可能となっている。
【0056】
さらに、本実施態様においては、上記表2に示すように、一側中途領域に割り当てられた検出パターン(検出パターンD)と、他側中途領域に割り当てられた検出パターン(検出パターンC)とが、補数関係を満たすようにしている。このため、第一検知手段17dと第二検知手段17eのうちいずれか一方の検知手段が作動しない不具合が生じていても、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が基準領域を越えて移動する場合に、可動ベース17cが基準領域を越えて反対側の領域に達するまでの間に、他方の検知手段からの出力が必ず1回は切り替わるようになっている。したがって、第一検知手段17dと第二検知手段17aのうちいずれか一方の検知手段に異常が生じた場合であっても、可動ベース17cを基準領域に正確に移動させることが可能となっている。また、第一検知手段17dと第二検知手段17aのうちいずれか一方の検知手段に異常が生じた場合であっても、可動ベース17cが一側限界領域や他側限界領域に達するよりも前に遊技機用可動部材を停止させ、上述した可動部材駆動手段に過大な負荷が掛からないようにすることも可能となっている。
【0057】
以上のように、本実施態様の遊技機用位置検出装置は、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が位置する領域を検出する手段として、2つの二値出力式の検知手段(第一検知手段17d及び第二検知手段17e)しか用いないにもかかわらず、5以上の所定領域で可動ベース17cの位置を検出することが可能となっている。また、本実施態様の遊技機用位置検出装置は、第一検知手段17dと第二検知手段17aのうちいずれか一方の検知手段に異常が生じた場合であっても、可動ベース17cを基準領域に正確に移動させたり、可動ベース17cが一側限界領域や他側限界領域に達するよりも前に可動ベース17cを停止させて上述した可動部材駆動手段に過大な負荷が掛からないようにしたりすることが可能となっている。
【0058】
4.その他の実施態様
上記の「3.遊技機用位置検出装置」では、可動ベース17c(遊技機用可動部材)の取り得る領域として、一側限界領域、一側警戒領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域、他側警戒領域、及び、他側限界領域の7つの領域を定義した場合について説明したが、本発明の遊技機用位置検出装置は、領域の数が5つである場合や、6つである場合についても採用可能である。
【0059】
例えば、可動ベース17c(遊技機用可動部材)の取り得る領域として、一側限界領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域、及び、他側限界領域の5つの領域を定義した場合には、「同じ検出パターンが重複して割り当てられたそれぞれの領域から遊技機用可動部材を安全方向に移動させたときに達する別の領域における検出パターンが重複しない」という条件(以下において、「第一条件」と呼ぶことがある。)を満たす割り当て例は、多数存在する。例えば、一側限界領域と基準領域とに同じ検出パターンを割り当てた例としては、下記表3における割り当て例1〜24が挙げられる。
【表3】
【0060】
上記表3における割り当て例1〜24のうち、下線付き太字で記載した割り当て例4,6,10,12,13,15,19,21は、「互いに隣り合う領域に割り当てられた一対の検出パターンが補数関係を満たさない」という条件(以下においては、「第二条件」と呼ぶことがある。)を満たしていることに加えて、「基準領域を挟んだ一側中途領域と他側中途領域とにおける検出パターンが補数関係を満たす」という条件(以下においては、「第三条件」と呼ぶことがある。)をも満たしているため、本発明の遊技機用位置検出装置において好適に採用できる。また、同様の理由で、上記表3における割り当て例4,6,10,12,13,15,19,21の一側と他側を反転させた割り当ても好適に採用することができる。
【0061】
また、可動ベース17c(遊技機用可動部材)の取り得る領域として、6つの領域(一側限界領域、一側警戒領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域及び他側限界領域の6つの領域か、若しくは、一側限界領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域、他側警戒領域及び他側限界領の6つの領域)を定義した場合にも、上記の第一条件を満たす割り当て例は、多数存在する。また、検出パターンA,B,C,Dは、その全てをいずれかの領域に割り当てる必要はなく、検出パターンA,B,C,Dの中には使用しないものがあってもよい。
【0062】
下記表4に示す割り当て例25は、一側限界領域、一側警戒領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域及び他側限界領域の6つの領域に3つの検出パターンB,C,Dを、上記の第一条件を満たすように割り当てた例である。下記表4における割り当て例25は、第一条件だけでなく、第二条件と第三条件をも満たしているため、本発明の遊技機用位置検出装置において好適に採用することができる。
【表4】
【0063】
さらに、可動ベース17c(遊技機用可動部材)の取り得る領域として、一側限界領域、一側警戒領域、一側中途領域、基準領域、他側中途領域、他側警戒領域及び他側限界領域の7つの領域を定義した場合には、上記の第一条件を満たす割り当て例は、上記表2に示した以外にも、多数存在する。下記表5に示す割り当て例26は、上記の7つの領域が定義されている場合における、上記表2に示した以外の例である。下記表5に示す割り当て例26は、第一条件に加えて、第二条件と第三条件をも満たしているため、本発明の遊技機用位置検出装置において好適に採用することができる。
【表5】
【0064】
さらにまた、上記の「3.遊技機用位置検出装置」では、可動ベース17c(遊技機用可動部材)が回動する場合について説明したが、遊技機用可動部材の移動態様は、回動に限定されない。本発明の遊技機用位置検出装置は、遊技機用可動部材がスライド移動等をする場合であっても、好適に採用することができる。例えば、
図1に示したサブ表示ユニット17(可動装置)が昇降することについては、既に述べた通りであるが、昇降動作をする可動ベース17cにおける上下位置を検出するために、本発明の遊技機用位置検出装置を採用することも可能である。遊技機用可動部材をスライド移動させる場合には、直線状にスライド移動させる態様に限定されず、曲線状(折線状を含む。)にスライド移動させる態様であってもよい。
【0065】
また、上記の「3.遊技機用位置検出装置」では、サブ表示ユニット17を例に挙げて本発明の遊技機用位置検出装置を説明したが、本発明の遊技機用位置検出装置を採用できる可動装置は、サブ表示ユニット17に限定されない。本発明の遊技機用位置検出装置は、回胴式遊技機10等の遊技機において、回動やスライド移動等を行う各種の役物や、その他の可動装置に好適に採用することができる。
遊技機用位置検出装置を、二値出力式の第一検知手段17d及び第二検知手段17eを備えたものとする。遊技機用可動部材17cを検出する領域としては、基準領域、一側限界領域、他側限界領域、一側中途領域及び他側中途領域を含む5以上の所定領域を設定する。各領域には、第一検知手段17d及び第二検知手段17eの出力結果の組み合わせからなる最大4つの検出パターンA,B,C,Dのうちいずれかを割り当て、少なくとも1つの検出パターンを複数の領域において重複して割り当てる。同じ検出パターンが重複して割り当てられたそれぞれの領域から遊技機用可動部材17cを安全方向に移動させたときに達する別の領域における検出パターンを重複しないようにしたことによって、遊技機用可動部材17cの領域を一義的に判別できるようにした。