(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のモードが高利得モードに対応し、前記第2のモードが低利得モードに対応し、前記第1および第2の増幅回路が前記高利得モードで第1の利得を与え、前記第1または第2の増幅回路が前記低利得モードで第2の利得を与え、前記第2の利得が前記第1の利得よりも低い、請求項1に記載の装置。
前記第1の増幅回路が、前記第1および第2の増幅回路を備える増幅器の2/3に対応し、前記第2の増幅回路が前記増幅器の1/3に対応する、請求項1に記載の装置。
前記第1のモードで前記第1および第2の増幅回路を用いて、ならびに前記第2のモードで前記第1および第2の増幅回路のうちの前記1つを用いて第1および第2の出力RF信号を生成すること
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0012]以下に示す発明を実施するための形態は、本開示の例示的な設計を説明するものとして意図されたものであり、本開示が実施され得る唯一の設計を表すように意図されたものではない。「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明されるいかなる設計も、必ずしも他の設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。発明を実施するための形態は、本開示の例示的な設計の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。本明細書で説明される例示的な設計はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、本明細書で提示される例示的な設計の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスがブロック図の形式で示される。
【0006】
[0013]構成可能利得と線形化回路とをもつスプリット増幅器が本明細書で開示される。スプリット増幅器は、複数の増幅回路と、線形化回路とを備える増幅器である。1つまたは複数の増幅回路は、スプリット増幅器のための所望の利得を取得するために有効にされ得る。線形化回路は、スプリット増幅器のための所望の線形性を取得するために有効または無効にされ得る。スプリット増幅器は、複数の増幅回路にスプリットされていると見なされ得る。スプリット増幅器は、ワイヤレス通信デバイスなどの様々な電子デバイスのために使用され得る。
【0007】
[0014]
図1は、ワイヤレス通信システム120および122と通信するワイヤレスデバイス110を示す。各ワイヤレスシステムは、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)システム、符号分割多元接続(CDMA)システム、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)システム、または何らかの他のワイヤレスシステムであり得る。CDMAシステムは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、CDMA 1X、時分割同期CDMA(TD−SCDMA:Time Division Synchronous CDMA)、またはCDMAの何らかの他のバージョンを実装し得る。簡単のために、
図1は、2つの基地局130および132ならびに1つのシステムコントローラ140を含むワイヤレスシステム120と、1つの基地局134を含むワイヤレスシステム122とを示す。概して、ワイヤレスシステムは、任意の数の基地局と、ネットワークエンティティの任意のセットとを含み得る。基地局は、ノードB、進化型ノードB(eNB)、アクセスポイントなどと呼ばれることもある。
【0008】
[0015]ワイヤレスデバイス110は、ユーザ機器(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局などと呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110は、セルラーフォン、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスモデム、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイスなどであり得る。ワイヤレスデバイス110はワイヤレスシステム120および/または122と通信し得る。ワイヤレスデバイス110はまた、放送局からの信号、1つまたは複数のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS:global navigation satellite systems)中の衛星(たとえば、衛星150)からの信号などを受信し得る。ワイヤレスデバイス110は、LTE、WCDMA、CDMA 1X、TD−SCDMA、GSM、802.11など、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の無線技術をサポートし得る。
【0009】
[0016]
図2は、
図1中のワイヤレスデバイス110の例示的な設計のブロック図を示す。この例示的な設計では、ワイヤレスデバイス110は、1次アンテナ210に結合されたトランシーバ220と、2次アンテナ212に結合されたトランシーバ222と、データプロセッサ/コントローラ280とを含む。トランシーバ220は、アンテナインターフェース回路224と、複数(K個)のLNA230a〜230kと、受信回路240と、送信回路250と、複数(K個)の電力増幅器(PA)260a〜260kとを含む。トランシーバ222は、アンテナインターフェース回路226と、複数(M個)のLNA232a〜232mと、受信回路242と、送信回路252と、複数(M個)のPA262a〜262mとを含む。トランシーバ220および222は、複数の周波数帯域、キャリアアグリゲーション、複数の無線技術、複数のワイヤレスシステム、受信ダイバーシティ、送信ダイバーシティ、複数の送信アンテナから複数の受信アンテナへのMIMO送信など、またはそれらの任意の組合せをサポートし得る。
【0010】
[0017]データ受信のために、アンテナ210は、基地局および/または他の送信機局から信号を受信し、アンテナインターフェース回路224に受信RF信号を与える。アンテナインターフェース回路224は、1つまたは複数の選択されたLNA230に1つまたは複数の入力RF信号を与える。アンテナインターフェース回路224は、スイッチ、デュプレクサ、ダイプレクサ、送信フィルタ、受信フィルタ、整合回路、方向性結合器(directional couplers)などを含み得る。各選択されたLNA230は、それの入力RF信号を増幅し、受信回路240に1つまたは複数の増幅されたRF信号を与える。受信回路240は、各増幅されたRF信号をRFからベースバンドにダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号をフィルタ処理し、増幅し、データプロセッサ280に入力ベースバンド信号を与える。受信回路240は、ミキサ、フィルタ、増幅器、整合回路、発振器、LO生成器、位相ロックループ(PLL:phase locked loop)などを含み得る。
【0011】
[0018]データ送信のために、データプロセッサ280は、送信されるべきデータを処理(たとえば、符号化および変調)し、送信回路250に1つまたは複数の出力ベースバンド信号を与える。送信回路250は、各出力ベースバンド信号を増幅し、フィルタ処理し、ベースバンドからRFにアップコンバートし、選択されたPA260に得られた被変調信号を与える。送信回路250は、増幅器、フィルタ、ミキサ、整合回路、発振器、LO生成器、PLLなどを含み得る。各選択されたPA260は、それの被変調信号を増幅し、適切な送信電力レベルを有する出力RF信号を与える。各選択されたPA260からの出力RF信号は、アンテナインターフェース回路224を介してルーティングされ、アンテナ210を介して送信される。
【0012】
[0019]トランシーバ222内のLNA232と、受信回路242と、送信回路252と、PA262とは、トランシーバ220内のLNA230と、受信回路240と、送信回路250と、PA260と同様の方法で動作し得る。トランシーバ220および222は、
図2に示されていない他の回路を含み得る。トランシーバ220および222の全部または一部分が、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、混合信号ICなどの上に実装され得る。たとえば、LNA230および受信回路240は、RFICなどであり得る1つのモジュール上に実装され得る。トランシーバ220および222中の回路は他の方法で(in other manners)も実装され得る。
【0013】
[0020]データプロセッサ/コントローラ280は、ワイヤレスデバイス110のための様々な機能を実行し得る。たとえば、データプロセッサ280は、受信機回路240および242を介して受信されているデータと、送信回路250および252を介して送信されているデータとのための処理を実施し得る。コントローラ280は、トランシーバ220および222内の様々な回路の動作を制御し得る。メモリ282は、データプロセッサ/コントローラ280のためのプログラムコードおよびデータを記憶し得る。データプロセッサ/コントローラ280は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上に実装され得る。
【0014】
[0021]
図2は、2つのアンテナ210および212に結合された2つのトランシーバ220および222をもつ、ワイヤレスデバイス110の例示的な設計を示す。概して、ワイヤレスデバイスは、任意の数のアンテナのための任意の数のトランシーバを含み得る。各トランシーバは、任意の数の周波数帯域、任意の数のワイヤレスシステム、任意の数の無線技術などをサポートするために任意の数のLNAと、任意の数のPAとを含み得る。
【0015】
[0022]
図2中のLNA230および232は、ある範囲の(a range of)信号状態を処理するために構成可能利得を有し得る。構成可能利得をもつLNAは、様々な方法でおよび様々なタイプのトランジスタを用いて実装され得る。Nチャネル金属酸化物半導体(NMOS:N-channel metal oxide semiconductor)トランジスタを用いて実装されるLNAのいくつかの例示的な回路設計は以下で説明される。
【0016】
[0023]
図3は、構成可能利得をもつLNA300の概略図を示す。LNA300は、ソースディジェネレーションインダクタ(source degeneration inductor)332と、利得トランジスタ334と、カスコードトランジスタ336とを含む。入力整合回路310は、一端が入力RF信号(RFin)を受け、他端が利得トランジスタ334のゲートに結合される。利得トランジスタ334は、それのソースがインダクタ332の1つの端部に結合され、それのドレインがカスコードトランジスタ336のソースに結合される。インダクタ332の他方の端部は回路接地に結合される。カスコードトランジスタ336は、それのゲートが制御信号(Vcasc)を受け、それのドレインが負荷回路380に結合される。利得トランジスタ334およびカスコードトランジスタ336は、
図3に示されているようにNMOSトランジスタを用いて、または他のタイプのトランジスタを用いて実装され得る。抵抗器314は、一端が利得トランジスタ334のゲートに結合され、他端が利得トランジスタ334のためのバイアス電圧(Vbias)を受ける。
【0017】
[0024]LNA300内で、利得トランジスタ334は、RFin信号を増幅し、増幅された信号を与える。カスコードトランジスタ336は、増幅された信号をバッファし、負荷回路380に出力RF信号(RFout)を与える。ソースディジェネレーションインダクタ332はいくつかの機能を実行する。第1に、インダクタ332は、LNA300が良好なダイナミックレンジ(たとえば、低い雑音指数(noise figure))を取得し、低電力消費とともに受信機のための高い感度を達成することを可能にする。第2に、インダクタ332はLNA300の入力整合を助ける。
【0018】
[0025]利得トランジスタ334は、抵抗器314を介して利得トランジスタ334のゲートに印加されたVbias電圧によって決定され得る、Ibiasのバイアス電流を用いてバイアスされ得る。バイアス電流は、LNA300のための所望の利得と、線形性と、ダイナミックレンジとを取得するように選択され得る。バイアス電圧は、所望の量のバイアス電流が利得トランジスタ334中を流れるように調整され得る。より高いバイアス電流を用いてLNA300のためにより高い利得が取得され得、その逆も同様である。
【0019】
[0026]LNA300に与えられた入力RF信号は、1つまたは複数の所望の信号ならびに干渉信号を含み得る。所望の信号は、ワイヤレスデバイスによって受信されるべき送信信号である。干渉信号は、ワイヤレスデバイスによって受信されていない送信信号である。入力RF信号はジャマー(jammer)を含み得、それは所望の信号の振幅よりもはるかに大きい振幅を有し、周波数が所望の信号に近くに位置する干渉信号である。LNA300の非線形性は、相互変調ひずみ(IMD:intermodulation distortion)を引き起こすジャマーを生じ得る。IMDは、周波数が所望の信号と重複し得、所望の信号の受信に悪影響を及ぼし得る追加の雑音として働き得る。
【0020】
[0027]ソースディジェネレーションインダクタ332のインダクタンスとバイアス電流の量とは、LNA300のための所望の利得と、ダイナミックレンジと、線形性とを取得するように選択され得る。LNA300の線形性は3次インターセプトポイント(IP3:third-order intercept point)によって定量化され得る。強いジャマーが存在するとき、LNA300および/または受信機は飽和し得、それにより信号対雑音比(SNR)が劣化し得る。LNA300は、SNR劣化を緩和するために、ジャマーが存在するときに高い線形性を有すべきである。
【0021】
[0028]LNA300は、異なる信号状態を処理するために構成可能利得を有し得る。LNA300は、(i)入力RF信号中にジャマーが存在しないときに高利得モードで、または(ii)入力RF信号中にジャマーが存在するときに低利得モードで動作し得る。たとえば、LNA300は、低利得モードでは高利得モードでよりも6〜9デシベル(dB)低い利得を有し得る。低利得モードでのLNA300のより低い利得は、受信機がジャマーの存在下で線形性要件を満たすのを助け得る。
【0022】
[0029]概して、強いジャマーが存在するとき、LNAまたは受信機は飽和し得、それにより、SNRを劣化させ得る。飽和を回避する1つの方法は、バイアス電流を低減することによってLNAの利得を低減することである。しかしながら、バイアス電流があまりに多く低減された場合、ソースディジェネレーションインダクタによる入力整合が悪影響を及ぼされ得る。それゆえに、バイアス電流は、入力整合制約によって限定された量だけ低減され得る。バイアス電流を特定の最小量に限定することは、LNAのための限定されたダイナミックレンジを生じるであろう。LNAは、その場合、SNRを過大に劣化することなしに、特定のレベルを超える強いジャマーを処理することができないことがある。
【0023】
[0030]本開示の一態様では、異なる信号状態のために良好な性能を取得するために複数の増幅回路と線形化回路とを備えるスプリット増幅器が使用され得る。1つまたは複数の増幅回路が、所望の利得を取得するために有効にされ得る。線形化回路は、所望の線形性を取得するために有効または無効にされ得る。スプリット増幅器は、良好なダイナミックレンジ、高い線形性、および他の望ましい特性を有し得る。スプリット増幅器の構成可能利得は、飽和から受信機を防ぎ得る。スプリット増幅器の高い線形性は、受信機が高いSNRを取得することを可能にし得る。
【0024】
[0031]
図4Aは、構成可能利得と線形化回路とをもつスプリットLNA400の例示的な設計の概略図を示す。LNA400は、
図2中のLNA230および232のいずれかのために使用され得る。LNA400は、2つの増幅回路430および440と、ソースディジェネレーションインダクタ432と、線形化回路420とを含む。
【0025】
[0032]
図4Aに示されている例示的な設計では、増幅回路430は利得トランジスタ434とカスコードトランジスタ436とを含む。増幅回路440は、利得トランジスタ444とカスコードトランジスタ446とを含む。利得トランジスタ434は、それのソースがインダクタ432の1つの端部に結合され、それのゲートがノードXに結合され、それのドレインがカスコードトランジスタ436のソースに結合される。インダクタ432の他方の端部は回路接地に結合される。カスコードトランジスタ436は、それのゲートが第1の制御信号(Vcasc1)を受け、それのドレインが負荷回路480に結合される。利得トランジスタ444は、それのソースが利得インダクタ434のソースに結合され、それのゲートが利得トランジスタ434のゲートに結合され、それのドレインがカスコードトランジスタ446のソースに結合される。カスコードトランジスタ446は、それのゲートが第2の制御信号(Vcasc2)を受け、それのドレインが負荷回路480に結合される。利得トランジスタ434および444と、カスコードトランジスタ436および446とは、
図4Aに示されているようにNMOSトランジスタを用いて、または他のタイプのトランジスタを用いて実装され得る。
【0026】
[0033]入力整合回路410は、一端が入力RF信号(RFin)を受け、他端がノードXにおいて利得トランジスタ434および444のゲートに結合される。抵抗器414は、一端がノードXに結合され、他端が利得トランジスタ434および444のためのバイアス電圧(Vbias)を受ける。入力整合回路410および抵抗器414は、LNA400の一部として、または、LNA400の外部にあるものとして見なされ得る。
【0027】
[0034]線形化回路420は、利得トランジスタ434および444のゲートと回路接地との間に結合される。線形化回路420は、利得制御信号(Gain Mode)を受け、利得制御信号に基づいて有効または無効にされる。
【0028】
[0035]
図4Aに示されている例示的な設計では、負荷回路480は、1次コイル484と2次コイル486とを備えるトランスフォーマ482を含む。1次コイル484は、カスコードトランジスタ436のドレインと電源電圧(VDD)との間に結合される。2次コイル486はダウンコンバータ(
図4Aに図示せず)に差動出力RF信号(differential output RF signal)を与える。
【0029】
[0036]
図4Aに示されている例示的な設計では、LNA400は、並列に結合された2つのLNAセクションにスプリットされる。第1のLNAセクションは増幅回路430を備え、第2のLNAセクションは増幅回路440を備える。所望の利得および線形性に応じて、1つまたは2つのLNAセクションが有効にされ得る。
【0030】
[0037]LNA400は、2つのLNAセクションについての比の任意の組合せに基づいてスプリットされ得る。第1の例示的な設計では、第1のLNAセクションはLNA400の2/3に対応し得、第2のLNAセクションはLNA400の1/3に対応し得る。この例示的な設計では、LNA400は、W/Lアスペクト比(W/L aspect ratio)を有し得、第1のLNAセクション中の利得トランジスタ434は(2/3)*(W/L)のサイズを有し得、第2のLNAセクション中の利得トランジスタ444は(1/3)*(W/L)のサイズを有し得、ここで、Wは幅を示し、Lはトランジスタの長さを示す。第2の例示的な設計では、各LNAセクションはLNA400の1/2に対応し得る。この例示的な設計では、利得トランジスタ434および444はそれぞれ(1/2)*(W/L)のサイズを有し得る。LNA400はまた、2つのLNAセクションについての比の何らかの他の組合せに基づいてスプリットされ得る。第1のLNAセクションのみまたは第2のLNAセクションのみが低利得モードで有効にされ得る。
【0031】
[0038]LNA400は、高利得モードと低利得モードとを含み得る複数の利得モードをサポートし得る。LNA400は、入力RF信号中にジャマーが存在しないとき、高利得モードで動作し、高利得を与え得る。LNA400は、入力RF信号中にジャマーが存在するとき、低利得モードで動作し得、より低い利得を与え得る。LNA400は、高利得モードでよりも低利得モードでより低い利得を有し得、これは、受信機がジャマーの存在下で線形性要件を満たすのを助け得る。各利得モードは、LNA400のための特定の利得値またはある範囲の利得値に関連し得る。
【0032】
[0039]高利得モードでは、カスコードトランジスタ436および446のゲートにおいて適切な制御電圧を印加することによって、両方の増幅回路430および440が有効にされ得る。利得トランジスタ434および444はそれぞれ、高利得モードでのLNA400ための所望の利得と、線形性と、ダイナミックレンジと、雑音指数とを取得するために十分な量のバイアス電流でバイアスされ得る。利得トランジスタ434および444は、RFin信号を増幅し、増幅された信号を与え、それらはそれぞれカスコードトランジスタ436および446によってバッファされる。カスコードトランジスタ436および446のドレインにおいてバッファされた信号は、RFout信号を取得するために加算される。
【0033】
[0040]高利得モードでは、線形化回路420は、無効にされ、利得トランジスタ434および444のゲートから切断され得る。入力整合回路410は高利得モードでLNA400のために入力整合を与え得る。
【0034】
[0041]低利得モードでは、一方のカスコードトランジスタ436または446のゲートにおいて適切な制御電圧を印加することによって、一方の増幅回路430または440のみが有効にされ得、他方のカスコードトランジスタのゲートにおいて低電圧(たとえば、0ボルト(V))を印加することによって、他方の増幅回路が無効にされ得る。増幅回路はまた、利得トランジスタのゲートにおいて適切な制御電圧(たとえば、0V)を印加することによって無効にされ得る。明快のために、以下の説明では、低利得モードで増幅回路430が有効にされ、増幅回路440が無効にされると仮定する。利得トランジスタ434は、低利得モードでのLNA400ための所望の利得と、線形性と、ダイナミックレンジと、雑音指数とを取得するために十分な量のバイアス電流でバイアスされ得る。利得トランジスタ434は、RFin信号を増幅し、増幅された信号を与える。カスコードトランジスタ436は、増幅された信号をバッファし、RFout信号を与える。利得トランジスタ434は、LNA400の利得を低減するために、低利得モードでより少ないバイアス電流を用いてバイアスされ得る。
【0035】
[0042]低利得モードでは、線形化回路420は、有効にされ、利得トランジスタ434および444のゲートに接続され得る。線形化回路420は利得トランジスタ434のゲートにおいて電圧スイング(voltage swing)を低減し得、それにより、次いでLNA400の線形性(たとえば、IP3)を改善し得る。
【0036】
[0043]
図4Aは、2つのLNAセクションのための2つの増幅回路430および440をもつスプリットLNA400の例示的な設計を示す。概して、スプリットLNAは、任意の数のLNAセクションのための任意の数の増幅回路を含み得る。スプリットLNAは、LNAセクションについての比の任意の組合せに基づいてスプリットされ得る。たとえば、スプリットLNAは、N個のLNAセクションのためのN個の増幅回路を含み得、次のようにスプリットされ得る。
【数1】
【0037】
ここで、Fnは第nのLNAセクションのためのスプリットLNAの小数部分であり、Nは1よりも大きい整数値である。
【0038】
[0044]スプリットLNAはW/Lアスペクト比を有し得る。第nのLNAセクション中の利得トランジスタはFn*(W/L)のサイズを有し得る。
【0039】
[0045]スプリットLNAは任意の数の利得モードをサポートし得る。各利得モードは、有効にされている増幅回路の異なるセットに関連し得る。各有効にされた増幅回路は固定バイアス電流または可変バイアス電流を有し得る。各利得モードは、(1つまたは複数の)有効にされた増幅回路と各有効にされた増幅回路のバイアス電流とに依存し得る、特定の利得値または利得値の特定の範囲に関連し得る。
【0040】
[0046]
図4Aは、構成可能利得と線形化回路とをもつスプリットLNA400の例示的な設計を示す。LNA400はまた、他の方法で実装され得る。別の例示的な設計では、LNAは、(i)少なくとも1つのソースディジェネレーションインダクタに結合された少なくとも1つの利得トランジスタと、(ii)回路接地に直接結合された少なくとも1つの追加の利得トランジスタとを含み得る。たとえば、信号状態に応じて、(1つまたは複数の)利得トランジスタまたは(1つまたは複数の)追加の利得トランジスタが選択され得る。別の例示的な設計では、LNAは、LNAの出力と入力との間に結合されたフィードバック回路を含み得る。フィードバック回路は、抵抗器、キャパシタ、トランジスタ、何らかの他の回路構成要素、またはそれらの組合せを備え得る。フィードバック回路は、入力整合を助け得、また、LNAの線形性を改善し得る。
【0041】
[0047]別の例示的な設計では、LNAは、カスコードトランジスタの代わりにカスコード回路を含み得る。カスコード回路は、(i)利得トランジスタのドレインと中間ノードとの間に結合された第1のカスコードトランジスタと、(ii)中間ノードとLNAの出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタと、(iii)中間ノードと回路接地との間に結合されたシャントトランジスタ(shunt transistor)とを含み得る。カスコード回路が有効にされたとき、第1および第2のカスコードトランジスタは、LNA出力において出力RF信号を与えるためにオンにされ得、シャントトランジスタはオフにされ得る。カスコード回路が無効にされたとき、第1および第2のカスコードトランジスタは、LNA出力において出力RF信号を与えないためにオフにされ得、シャントトランジスタは、中間ノードを回路接地にプルし(pull)、LNA出力と利得トランジスタとの間のより良い絶縁(isolation)を与えるためにオンにされ得る。同じ負荷回路が、たとえば、異なるLNA中の複数の利得トランジスタによって共有されるとき、より良い絶縁が望ましいことがある。
【0042】
[0048]例示的な設計では、ソースディジェネレーションインダクタ432は固定インダクタンスを有し得る。別の例示的な設計では、インダクタ432は、可変またはプログラマブルインダクタンスを有する構成可能インダクタであり得る。たとえば、インダクタ432は、直列に結合された複数のインダクタおよび/または並列に結合された複数のインダクタを用いて実装され得る。異なるインダクタンス値は、(i)1つまたは複数のスイッチを介して1つまたは複数の直列に結合されたインダクタを短絡させること(shorting)、および/または(ii)1つまたは複数のスイッチを介して1つまたは複数の並列に結合されたインダクタを切断することによって取得され得る。
【0043】
[0049]負荷回路480は他の方法で実装され得る。別の例示的な設計では、負荷回路は、インダクタと、場合によってはVDD電源とカスコードトランジスタ436のドレインとの間に結合されたキャパシタとを含み得る。また別の例示的な設計では、負荷回路は、それのソースがVDD電源に結合され、それのドレインがカスコードトランジスタ436のドレインに結合された、Pチャネル金属酸化物半導体(PMOS:P-channel metal oxide semiconductor)トランジスタを含み得る。PMOSトランジスタはカスコードトランジスタ436に能動負荷(active load)を与え得る。
【0044】
[0050]
図4Aに示されている例示的な設計では、線形化回路420は、利得トランジスタ434および444のゲートと回路接地との間に結合される。線形化回路はまた、LNAの他のノードに結合され得る。たとえば、線形化回路は、利得トランジスタのソースまたはドレインと回路接地との間、あるいは利得トランジスタのゲートとソースとの間、あるいはLNAの何らかの他のノードにおいて結合され得る。線形化回路420は様々な方法で実装され得る。線形化回路420のいくつかの例示的な設計は以下で説明される。
【0045】
[0051]
図4Bは、
図2中のLNA230および232のいずれかのためにも使用され得る、スプリットLNA402の例示的な設計の概略図を示す。LNA402は、
図4A中のLNA400中のすべての回路構成要素を含むが、以下の差異がある。LNA402は入力整合回路410xと線形化回路420xとを含み、それらは
図4A中の入力整合回路410と線形化回路420との1つの例示的な設計である。
【0046】
[0052]線形化回路420x内で、トランジスタ424は、それのソースがキャパシタ422の1つの端部に結合され、それのゲートが抵抗器428の1つの端部に結合され、それのドレインが抵抗器426の1つの端部に結合される。キャパシタ422の他方の端部は回路接地に結合される。抵抗器426の他方の端部は利得トランジスタ434および444のゲートに結合される。抵抗器428の他方の端部はGain Mode制御信号を受ける。
図4B中のトランジスタ424と、キャパシタ422と、抵抗器426との構成は、トランジスタ424がオフにされた状態で、線形化回路420が無効にされ/切断されたときに、LNA402が高利得モードで高い感度を達成することを可能にし得る。
【0047】
[0053]線形化回路420x内で、抵抗器426およびキャパシタ422によってRCネットワークが形成される。抵抗器426は、インダクタ412および432と、利得トランジスタ434のゲートとソースとの間の寄生キャパシタンスとによって形成された、入力タンク回路のクオリティファクタ(quality factor)(Q)を低下させ得る。入力タンク回路のより低いQは、利得トランジスタ434のゲートにおける電圧スイングを低減し、それによりLNA402の線形性(たとえば、IP3)を改善する。
図4Bに示されている抵抗器426の位置/ロケーションは、LNA402が高利得モードで高い感度と低い雑音指数とを達成することを可能にする。
【0048】
[0054]
図7は、線形化回路420x内の抵抗器426の異なる値に対する、LNA402の例示的な性能を示す。
図7では、水平軸は、抵抗器426の抵抗を示し、オームの単位で与えられる。垂直軸は、雑音指数を示し、また入力タンク回路のQを示す。プロット710は入力タンク回路のQ対抵抗器426の抵抗を示す。プロット720はLNA402の雑音指数対抵抗器426の抵抗を示す。
図7に示されているように、抵抗器426のより低い抵抗は、より低いQにより線形性を改善し得、より高い抵抗は雑音指数を改善し得る。
【0049】
[0055]再び
図4Bを参照すると、線形化回路420x内で、キャパシタ422は、Vbias電圧の妨害を回避する交流(AC)結合キャパシタとして働く。トランジスタ424は、スイッチとして動作し、(i)RCネットワークを利得トランジスタ434のゲートに接続するためにオンにされるか、または(ii)利得トランジスタ434のゲートからRCネットワークを切断するためにオフにされる。抵抗器428は、トランジスタ424のドレインと抵抗器426との間の中間ノードにおいて接地に対する(to ground)寄生キャパシタンスを低減する。このことは、線形化回路420が使用中でないときに抵抗器428のノイズが漏れることと、高利得モードでのLNA402の感度を劣化させることとを防ぎ得る。
【0050】
[0056]
図4Bは線形化回路の例示的な設計を示す。概して、線形化回路は、1つまたは複数の抵抗器、またはインダクタ、またはキャパシタ、または他の回路構成要素、またはそれらの組合せを備え得る。線形化回路の回路構成要素は並列におよび/または直列に結合され得る。線形化回路はまた、LNAの入力に、またはLNAの何らかの他のノードに結合され得る。
【0051】
[0057]
図4Bに示されている例示的な設計では、入力整合回路410xは、入力整合回路410xの入力と出力との間に結合されたインダクタ412を備える。LNA402のために良好な入力整合を取得するためには単一の回路構成要素(たとえば、インダクタ412のみ)で十分であり得る。
【0052】
[0058]入力整合回路はまた、他の方法で実装され得る。たとえば、入力整合回路は、入力と回路接地との間に結合されたシャントキャパシタ、または出力と回路接地との間に結合されたシャントキャパシタ、または入力整合回路の入力と出力との間に結合されたキャパシタ、または他の方法で結合された何らかの他の回路構成要素、またはそれらの組合せを備え得る。各キャパシタは固定キャパシタまたは構成可能キャパシタであり得る。
【0053】
[0059]概して、LNAの入力整合は、(たとえば、1つまたは複数のトランジスタを備える)能動回路および/または(たとえば、1つまたは複数の抵抗器、インダクタ、キャパシタなどを備える)受動回路を用いて達成され得る。コストと、電力消費と、回路面積とを低減するために、入力整合のために1つの回路構成要素のみ(たとえば、1つのインダクタ)を使用することが望ましいことがある。また、高利得モードと低利得モードの両方で入力整合のために同じ回路構成要素(たとえば、同じインダクタ)を使用することが望ましいことがある。
【0054】
[0060]
図4Cは、
図2中のLNA230および232のいずれかのためにも使用され得る、スプリットLNA404の例示的な設計の概略図を示す。LNA404は、
図4B中のLNA402中のすべての回路構成要素を含むが、以下の差異がある。LNA404は、
図4A中の線形化回路420の別の例示的な設計である、線形化回路420yを含む。LNA404は、利得トランジスタ434のゲートとソースとの間に結合された構成可能整合キャパシタ470をさらに含む。
【0055】
[0061]線形化回路420yは、
図4B中の線形化回路420xについて上記で説明したように結合された、キャパシタ422と、トランジスタ424と、抵抗器426および428とを含む。線形化回路420yは、それのソースがキャパシタ422に結合され、それのゲートが相補利得制御信号(complementary gain control signal)(Gain Mode_b)を受け、それのドレインがVbias電圧に結合された、トランジスタ429をさらに含む。Gain Mode_b信号はGain Mode信号に対して相補的である。
【0056】
[0062]高利得モードと低利得モード間の高速切替えを可能にするためにキャパシタ422をプリチャージするために、トランジスタ429が使用され得る。高利得モードでは、トランジスタ424はGain Mode信号によってオフにされ、トランジスタ429はGain Mode_bによってオンにされる。キャパシタ422は、トランジスタ434のゲートから切断され、高利得モードでトランジスタ429を介してVbias電圧までプリチャージされる。低利得モードでは、トランジスタ424はGain Mode信号によってオンにされ、トランジスタ429はGain Mode_b信号によってオフにされる。キャパシタ422は、トランジスタ434のゲートに接続され、低利得モードで抵抗器426およびトランジスタ424を介してVbias電圧に維持される。高利得モードでトランジスタ429を介してキャパシタ422をプリチャージすることによって、高利得モードから低利得モードへの切替えがより迅速に行われ得る。
【0057】
[0063]
図4Cに示されている例示的な設計では、構成可能整合キャパシタ470はトランジスタ472と調整可能キャパシタ474とを含む。トランジスタ472は、それのソースが利得トランジスタ434のソースに結合され、それのゲートがGain Mode_b制御信号を受け、それのドレインがキャパシタ474の1つの端部に結合される。キャパシタ474の他方の端部は利得トランジスタ434のゲートに結合される。LNA404の入力インピーダンスを調整し、LNA404の入力整合を支援するために、調整可能キャパシタ474が使用され得る。
【0058】
[0064]調整可能キャパシタ474は様々な方法で実装され得る。例示的な設計では、調整可能キャパシタ474は、アナログ電圧によって変化させられ得るキャパシタンスを有する可変キャパシタ(バラクタ(varactor))を用いて実装され得る。別の例示的な設計では、調整可能キャパシタ474は、切替え可能キャパシタのバンク(bank)を用いて実装され得る。各切替え可能キャパシタは、スイッチと直列に結合されたキャパシタを用いて実装され得、直列結合は利得トランジスタ434のゲートとソースとの間に結合され得る。切替え可能キャパシタは、それのスイッチを閉じることによって選択され得るか、またはそれのスイッチを開くことによって選択され得ない。切替え可能キャパシタのバンク中のキャパシタは、(i)サーモメータ復号のための同じキャパシタンス、または(ii)バイナリまたは幾何学的重み付けのための異なるキャパシタンスを有し得る。所望のゲート−ソース間キャパシタンス(Cgs)は、切替え可能キャパシタの適切な数または適切な組合せを選択することによって取得され得る。この例示的な設計では、トランジスタ472は、切替え可能キャパシタのためのスイッチと置き換えられ得、省略され得る。
【0059】
[0065]例示的な設計では、トランジスタ472はオンにされ得、調整可能キャパシタ474は高利得モードで利得トランジスタ434のゲートとソースとの間に結合され得る。トランジスタ472はオフにされ得、調整可能キャパシタ474は低利得モードでバイアス電流のより大きい低減を可能にするために低利得モードで利得トランジスタ434から分離され(be decoupled)得る。また、調整可能キャパシタ474を分離することにより、入力タンク回路のQが増加し得、それにより低利得モードでのバイアス電流のさらなる低減が可能になり得る。
【0060】
[0066]ワイヤレスデバイス110は、異なる周波数において複数の送信信号を同時に受信し得る。これらの複数の送信信号は、キャリアアグリゲーションのための異なる周波数における複数のキャリア上で1つまたは複数の基地局によって送られ得る。これらの複数の送信信号はまた、多地点協調(CoMP:coordinated multi-point)送信、ハンドオーバなどのための異なる基地局によって送られ得る。これらの複数の送信信号はまた、ボイス/データ、またはデータ/データ、または音声/音声などのコンカレントサービス(concurrent services)のための異なるワイヤレスシステムにおける基地局によって送られ得る。たとえば、ワイヤレスデバイス110は、デュアルSIM/デュアルスタンバイ(DSDS:dual SIM/dual standby)および/またはデュアルSIM/デュアルアクティブ(DSDA:dual SIM/dual-active)をサポートし得、同時にTD−SCDMAシステムとGSMシステム、あるいはLTEシステムとGSMシステム、あるいはCDMAシステムとGSMシステムなど、複数のワイヤレスシステムと通信することが可能であり得る。ワイヤレスデバイス110は、キャリアアグリゲーション、CoMP、コンカレントに複数のワイヤレスシステムからのサービスなどをサポートするために、1つまたは複数のSIMO LNAおよび/または1つまたは複数のMIMO LNAを含み得る。
【0061】
[0067]
図5Aは、
図2中のLNA230および232のいずれかのためにも使用され得る、スプリットSIMO LNA500の例示的な設計の概略図を示す。SIMO LNA500は、(1つの帯域のためであり得る)1つの入力RF信号(RFin)を受ける1つのLNA入力と、(キャリアの2つのセットのためであり得る)2つの出力RF信号(RFout1およびRFout2)を与える2つのLNA出力とを含む。SIMO LNA500は、2つの増幅回路530および540と、ソースディジェネレーションインダクタ532と、線形化回路520とを含む。
【0062】
[0068]
図5Aに示されている例示的な設計では、増幅回路530は利得トランジスタ534と、2つのカスコードトランジスタ536および538とを含む。増幅回路540は、利得トランジスタ544と、2つのカスコードトランジスタ546および548とを含む。利得トランジスタ534は、それのソースがインダクタ532の1つの端部に結合され、それのゲートがノードXに結合され、それのドレインがカスコードトランジスタ536および538のソースに結合される。インダクタ532の他方の端部は回路接地に結合される。カスコードトランジスタ536は、それのゲートが第1の制御信号(Vcasc1)を受け、それのドレインが負荷回路580に結合される。カスコードトランジスタ538は、それのゲートが第2の制御信号(Vcasc2)を受け、それのドレインが負荷回路590に結合される。利得トランジスタ544は、それのソースが利得トランジスタ534のソースに結合され、それのゲートが利得トランジスタ534のゲートに結合され、それのドレインがカスコードトランジスタ546および548のソースに結合される。カスコードトランジスタ546は、それのゲートが第3の制御信号(Vcasc3)を受け、それのドレインが負荷回路580に結合される。カスコードトランジスタ548は、それのゲートが第4の制御信号(Vcasc4)を受け、それのドレインが負荷回路590に結合される。利得トランジスタ534および544と、カスコードトランジスタ536、538、546および548とは、
図5Aに示されているようにNMOSトランジスタを用いて、または他のタイプのトランジスタを用いて実装され得る。
【0063】
[0069]
図5Aに示されている例示的な設計では、LNA500は2つのLNAセクションにスプリットされる。第1のLNAセクションは増幅回路530を含み、第2のLNAセクションは増幅回路540を含む。LNA500は、2つのLNAセクションについての比の任意の組合せに基づいてスプリットされ得る。第1の例示的な設計では、第1のLNAセクションはLNA500の2/3に対応し得、第2のLNAセクションはLNA500の1/3に対応し得る。第2の例示的な設計では、各LNAセクションはLNA500の1/2に対応し得る。LNA500はまた、2つのLNAセクションについての比の何らかの他の組合せに基づいてスプリットされ得る。
【0064】
[0070]SIMO LNA500は、所与の瞬間において単出力モードまたは多出力モードで動作し得る。単出力モードでは、LNA500は、(たとえば、キャリアの1つのセット上で)少なくとも1つの送信信号を備える入力RF信号を受け、1つの負荷回路580または590に1つの出力RF信号を与える。多出力モードでは、LNA500は、(たとえば、キャリアの2つのセット上で)少なくとも2つの送信信号を備える入力RF信号を受け、2つの負荷回路580および590に2つの出力RF信号(たとえば、キャリアのセットごとに1つの出力RF信号)を与える。
【0065】
[0071]SIMO LNA500は、単出力モードおよび/または多出力モードで複数の利得モードをサポートし得る。たとえば、LNA500は、多出力モードで高利得モードと低利得モードとをサポートし得る。代替または追加として、LNA500は単出力モードで高利得モードと低利得モードとをサポートし得る。高利得モードでは、各増幅回路中の1つまたは複数のカスコードトランジスタに適切な制御電圧を印加することによって、増幅回路530および540の両方が有効にされ得る。線形化回路520は無効にされ得る。低利得モードでは、有効にされた増幅回路中の1つまたは複数のカスコードトランジスタに適切な制御電圧を印加することによって、一方の増幅回路530または540のみが有効にされ得る。線形化回路520は有効にされ得る。線形化回路520は利得トランジスタ534または544のゲートにおける電圧スイングを低減し、それにより、次いでLNA500の線形性を改善し得る。
【0066】
[0072]高利得を用いた単出力モードでは、利得トランジスタ534および544がオンにされ得る。さらに、負荷回路580にRFout1信号を与えるために、カスコードトランジスタ536および546がオンにされ得る。代替的に、負荷回路590にRFout2信号を与えるために、カスコードトランジスタ538および548がオンにされ得る。
【0067】
[0073]低利得を用いた単出力モードでは、利得トランジスタ534または544のいずれかがオンにされ得る。利得トランジスタ534がオンにされた場合、(i)RFout1信号を与えるためにカスコードトランジスタ536がオンにされ得るか、(ii)RFout2信号を与えるためにカスコードトランジスタ538がオンにされ得るかのいずれかである。利得トランジスタ544がオンにされた場合、(i)RFout1信号を与えるためにカスコードトランジスタ546がオンにされ得るか、(ii)RFout2信号を与えるためにカスコードトランジスタ548がオンにされ得るかのいずれかである。
【0068】
[0074]高利得を用いた多出力モードでは、利得トランジスタ534および544がオンにされ得る。さらに、RFout1およびRFout2信号を与えるために、すべての4つのカスコードトランジスタ536、538、546および548がオンにされ得る。
【0069】
[0075]低利得を用いた多出力モードでは、RFout1およびRFout2信号を与えるために、利得トランジスタ534とカスコードトランジスタ536および538とがオンにされ得る。代替的に、RFout1およびRFout2信号を与えるために、利得トランジスタ544とカスコードトランジスタ546および548とがオンにされ得る。
【0070】
[0076]1つの例示的な設計では、利得トランジスタ534および544はそれぞれ、オンにされたときに固定バイアス電流が印加される。この例示的な設計では、LNA500は各モードで固定利得を与え得る。別の例示的な設計では、利得トランジスタ534および/または544は、オンにされたときに可変バイアス電流を印加され得る。この例示的な設計では、LNA500は各モードである範囲の利得値を与え得る。
【0071】
[0077]
図5Aは、2つのLNAセクションのための2つの増幅回路530および540をもつスプリットSIMO LNA500の例示的な設計を示す。概して、スプリットSIMO LNAは、N個のLNAセクションのためのN個の増幅回路を含み得、ここで、Nは1よりも大きい任意の整数値であり得る。スプリットSIMO LNAは、LNAセクションについての比の任意の組合せに基づいてスプリットされ得る。
【0072】
[0078]
図5Aはまた、各増幅回路が2つのLNA出力のための2つのカスコードトランジスタを含む例示的な設計を示す。概して、増幅回路は、M個のLNA出力における最高M個の出力RF信号を与えるために、M個のカスコードトランジスタを含み得、ここで、Mは1よりも大きい任意の整数値であり得る。
【0073】
[0079]
図5Bは、
図2中のLNA230およびLNA232のいずれかのためにも使用され得る、スプリットSIMO LNA502の例示的な設計の概略図を示す。SIMO LNA502は、
図5A中のSIMO LNA500中のすべての回路構成要素を含むが、以下の差異がある。SIMO LNA500は、
図5A中の線形化回路520の1つの例示的な設計である、線形化回路520yを含む。SIMO LNA502は、利得トランジスタ534のゲートとソースとの間に結合された構成可能整合キャパシタ570をさらに含む。線形化回路520yは、
図5Bに示されているように結合された、キャパシタ522と、トランジスタ524および529と、抵抗器526および528とを含む。構成可能整合キャパシタ570は、
図5Bに示されているように結合されたトランジスタ572とキャパシタ574とを含む。
【0074】
[0080]
図6は、
図2中のLNA230およびLNA232のいずれかのためにも使用され得る、スプリットMIMO LNA600の例示的な設計の概略図を示す。MIMO LNA600は、(2つの帯域のためであり得る)2つの入力RF信号(RFin1およびRFin2)を受ける2つのLNA入力と、(キャリアの2つのセットのためであり得る)2つの出力RF信号(RFout1およびRFout2)を与える2つのLNA出力とを含む。MIMO LNA600は、増幅回路630および650と、ソースディジェネレーションインダクタ632および642と、線形化回路620および621とを含む。
【0075】
[0081]
図6に示されている例示的な設計では、増幅回路630は、利得トランジスタ634および644と、カスコードトランジスタ636、638、646および648とを含む。利得トランジスタ634および644は、それらのゲートがそれぞれノードXおよびYに結合され、それらのソースがそれぞれインダクタ632および642の一方の端部に結合される。インダクタ632および642の他方の端部は回路接地に結合される。カスコードトランジスタ636および638は、それらのソースが利得トランジスタ634のドレインに結合され、それらのゲートがそれぞれVcasc1およびVcasc2制御信号を受け、それらのドレインがそれぞれ負荷回路680および690に結合される。カスコードトランジスタ646および648は、それらのソースが利得トランジスタ644のドレインに結合され、それらのゲートがそれぞれVcasc3およびVcasc4制御信号を受け、それらのドレインがそれぞれ負荷回路680および690に結合される。
【0076】
[0082]
図6に示されている例示的な設計では、増幅回路650は、利得トランジスタ654および664と、カスコードトランジスタ656、658、666および668とを含む。利得トランジスタ654および664は、それらのゲートがそれぞれノードXおよびYに結合され、それらのソースがそれぞれインダクタ632および642の一方の端部に結合される。カスコードトランジスタ656および658は、それらのソースが利得トランジスタ654のドレインに結合され、それらのゲートがそれぞれVcasc5およびVcasc6制御信号を受け、それらのドレインがそれぞれ負荷回路680および690に結合される。カスコードトランジスタ666および668は、それらのソースが利得トランジスタ664のドレインに結合され、それらのゲートがそれぞれVcasc7およびVcasc8制御信号を受け、それらのドレインがそれぞれ負荷回路680および690に結合される。
【0077】
[0083]入力整合回路610は、一端が第1の入力RF信号(RFin1)を受け、他端がノードXに結合される。入力整合回路611は、一端が第2の入力RF信号(RFin2)を受け、他端がノードYに結合される。抵抗器614は、一端がノードXに結合され、他端が利得トランジスタ634および654のための第1のバイアス電圧(Vbias1)を受ける。抵抗器615は、一端がノードYに結合され、他端が利得トランジスタ644および664のための第2のバイアス電圧(Vbias2)を受ける。入力整合回路610および611と抵抗器614および615とは、LNA600の一部またはLNA600の外部として見なされ得る。
【0078】
[0084]線形化回路620はノードXと回路接地との間に結合される。線形化回路621はノードYと回路接地との間に結合される。線形化回路620および621は、Gain Mode制御信号を受け、この制御信号に基づいて有効または無効にされ得る。線形化回路620および621はそれぞれ、
図4B中の線形化回路420xまたは
図4C中の線形化回路420yと同様の方法で実装され得る。
【0079】
[0085]
図6に示されている例示的な設計では、MIMO LNA600は、並列に結合された2つのLNAセクションにスプリットされる。第1のLNAセクションは増幅回路630を備え、第2のLNAセクションは増幅回路650を備える。所望の利得および線形性に応じて、1つまたは2つのLNAセクションが有効にされ得る。
【0080】
[0086]MIMO LNA600は、2つのLNAセクションについての比の任意の組合せに基づいてスプリットされ得る。第1の例示的な設計では、第1のLNAセクションはLNA600の2/3に対応し得、第2のLNAセクションはLNA600の1/3に対応し得る。第2の例示的な設計では、各LNAセクションはLNA600の1/2に対応し得る。LNA600はまた、2つのLNAセクションについての比の何らかの他の組合せに基づいてスプリットされ得る。
【0081】
[0087]MIMO LNA600は、所与の瞬間において単出力モードまたは多出力モードで動作し得る。単出力モードでは、LNA600は、(たとえば、キャリアの1つのセット上で)少なくとも1つの送信信号を備えるRFin1またはRFin2信号を受け、1つの負荷回路680または690に1つの出力RF信号を与える。多出力モードでは、LNA600は、(たとえば、キャリアの2つのセット上で)少なくとも2つの送信信号を備えるRFin1および/またはRFin2信号を受け、2つの負荷回路680および690に2つの出力RF信号(たとえば、キャリアのセットごとに1つの出力RF信号)を与える。
【0082】
[0088]MIMO LNA600は、単出力モードおよび/または多出力モードで複数の利得モード(たとえば、高利得モードおよび低利得モード)をサポートし得る。各利得モードは、(i)利得トランジスタのための固定バイアス電流を用いた固定利得、または(ii)利得トランジスタのための可変バイアス電流を用いた可変利得をサポートし得る。線形化回路620および621は、低利得モードで有効にされ、高利得モードで無効にされ得る。
【0083】
[0089]高利得を用いた単出力モードでは、両方の増幅回路630および650が有効にされ得る。LNA600がRFin1信号を受けた場合、利得トランジスタ634および654がオンにされ得、(i)RFout1信号を与えるためにカスコードトランジスタ636および656がオンにされ得るか、(ii)RFout2信号を与えるためにカスコードトランジスタ638および658がオンにされ得るかのいずれかである。LNA600がRFin2信号を受けた場合、利得トランジスタ644および664がオンにされ得、(i)RFout1信号を与えるためにカスコードトランジスタ646および666がオンにされ得るか、(ii)RFout2信号を与えるためにカスコードトランジスタ648および668がオンにされ得るかのいずれかである。
【0084】
[0090]低利得を用いた単出力モードでは、増幅回路630または650のいずれかが有効にされ得る。LNA600がRFin1信号を受けた場合、RFout1信号を与えるために、(i)利得トランジスタ634およびカスコードトランジスタ636、または(ii)利得トランジスタ654およびカスコードトランジスタ656のいずれかがオンにされ得る。代替的に、RFout2信号を与えるために、(i)利得トランジスタ634およびカスコードトランジスタ638、または(ii)利得トランジスタ654およびカスコードトランジスタ658のいずれかがオンにされ得る。
【0085】
[0091]高利得を用いた多出力モードでは、両方の増幅回路630および650が有効にされ得る。LNA600がRFin1信号を受けた場合、RFout1およびRFout2信号を与えるために、利得トランジスタ634および654と、カスコードトランジスタ636、638、656および658とがオンにされ得る。LNA600がRFin2信号を受けた場合、RFout1およびRFout2信号を与えるために、利得トランジスタ644および664と、カスコードトランジスタ646、648、666および668とがオンにされ得る。LNA600がRFin1およびRFin2信号とを受けた場合、(i)RFout1信号を与えるために、利得トランジスタ634および654と、カスコードトランジスタ636および656とがオンにされ得、(ii)RFout2信号を与えるために、利得トランジスタ644および664と、カスコードトランジスタ648および668とがオンにされ得る。代替的に、(i)RFout2信号を与えるために、利得トランジスタ634および654と、カスコードトランジスタ638および658とがオンにされ得、(ii)RFout1信号を与えるために、利得トランジスタ644および664と、カスコードトランジスタ646および666とがオンにされ得る。
【0086】
[0092]低利得を用いた多出力モードでは、増幅回路630または650のいずれか有効にされ得る。増幅回路630が有効にされると仮定すると、LNA600がRFin1信号を受けた場合、RFout1およびRFout2信号を与えるために、利得トランジスタ634とカスコードトランジスタ636および638とがオンにされ得る。LNA600がRFin2信号を受けた場合、RFout1およびRFout2信号を与えるために、利得トランジスタ644とカスコードトランジスタ646および648とがオンにされ得る。LNA600がRFin1およびRFin2信号を受けた場合、(i)RFout1信号を与えるために、利得トランジスタ634とカスコードトランジスタ636とがオンにされ得、(ii)RFout2信号を与えるために、利得トランジスタ644とカスコードトランジスタ648とがオンにされ得る。代替的に、(i)RFout2信号を与えるために、利得トランジスタ634とカスコードトランジスタ638とがオンにされ得、(ii)RFout1信号を与えるために、利得トランジスタ644とカスコードトランジスタ646とがオンにされ得る。
【0087】
[0093]
図6は、2つのLNAセクションのための2つの増幅回路630および650をもつスプリットLNA600の例示的な設計を示す。概して、スプリットMIMO LNAは、N個のLNAセクションのためのN個の増幅回路を含み得、ここで、Nは1よりも大きい任意の整数値であり得る。スプリットMIMO LNAは、LNAセクションについての比の任意の組合せに基づいてスプリットされ得る。
【0088】
[0094]
図6はまた、各増幅回路が2つのLNA入力のための2つの利得トランジスタならびに2つのLNA入力と2つのLNA出力とのための4つのカスコードトランジスタを含む、例示的な設計を示す。概して、増幅回路は、K個のLNA入力のためのK個の利得トランジスタならびにK個のLNA入力とM個のLNA出力とのための最高K*M個のカスコードトランジスタを含み得、ここで、KおよびMはそれぞれ1よりも大きい任意の整数値であり得る。M個のカスコードトランジスタのセットが、各利得トランジスタとM個のLNA出力との間に結合され得る。K*M個のカスコードトランジスタは、任意のLNA入力における入力RF信号が、任意のLNA出力における出力RF信号を生成するために使用されることを可能にし得る。
【0089】
[0095]MIMO LNAはまた、LNA入力ごとに利得トランジスタのゲートとソースとの間に結合された構成可能整合キャパシタを含み得る。たとえば、MIMO LNA600は、(i)利得トランジスタ634のゲートとソースとの間に結合された第1の構成可能整合キャパシタと、(ii)利得トランジスタ644のゲートとソースとの間に結合された第2の構成可能整合キャパシタとを含み得る。各構成可能整合キャパシタは、
図4C中の構成可能整合キャパシタ470と同様の方法で実装され得る。
【0090】
[0096]スプリット増幅器は、低利得モードで所望の線形性を取得するために増幅器スプリッティングと線形化の組合せを利用する。増幅器スプリッティングは、たとえば、大きいジャマーが存在するときにより低い利得を取得するために1つの増幅回路が有効にされることを可能にし得る。線形化は線形性を改善し得、これは、大きいジャマーが存在するときに特に望ましいことがある。増幅器スプリッティングと線形化とは互いに相補的であり得る。たとえば、増幅器スプリッティングは、ホットICプロセスコーナーにおける線形性を改善する際により効果的であり得、線形化は、コールドICプロセスコーナーにおける線形性を改善する際により効果的であり得る。
【0091】
[0097]増幅器スプリッティングと線形化の両方を用いて取得された改善された線形性は、複数の帯域(たとえば、UMTSにおける帯域12および帯域17)のために単一のデュプレクサが使用されることを可能にし得る。デュプレクサは、複数の帯域間に配置されたジャマーをパスし得る。ジャマーは、増幅器スプリッティングと線形化の両方を用いて取得された改善された線形性によって処理され得る。ICチップ上の入出力(I/O)ポートの数を低減し、オフチップ回路構成要素の数を低減し、回路面積を低減し、ワイヤレスデバイスのコストを低減するために、複数の帯域のために1つのデュプレクサを使用すること(またはコバンディング(co-banding))が望ましいことがある。
【0092】
[0098]例示的な設計では、装置(たとえば、ワイヤレスデバイス、IC、回路モジュールなど)は第1および第2の増幅回路と線形化回路とを含み得、それらは増幅器(たとえば、LNA)の一部であり得る。第1の増幅回路(たとえば、
図4A中の増幅回路430)は増幅器入力に結合され得る。第2の増幅回路(たとえば、
図4A中の増幅回路440)は、増幅器入力に第1の増幅回路と並列に結合され得る。また、線形化回路(たとえば、
図4A中の線形化回路420)は増幅器入力に結合され得る。第1のモード、たとえば、高利得モードで第1および第2の増幅回路が有効にされ得る。第2のモード、たとえば、低利得モードで第1および第2の増幅回路のうちの1つが有効にされ得る。線形化回路は、第2のモードで有効にされ、第1のモードで無効にされ得る。
【0093】
[0099]第1および第2の増幅回路は第1の/高利得モードで第1の利得を与え得る。第1または第2の増幅回路は低利得モードで第2の利得を与え得る。第2の利得は第1の利得よりも低くあり得る。第1および第2の利得はそれぞれ、(i)固定バイアス電流を用いて取得された固定利得、または(ii)可変バイアス電流を用いて取得された可変利得であり得る。
【0094】
[00100]例示的な設計では、第1の増幅回路は増幅器の2/3に対応し得、第2の増幅回路は増幅器の1/3に対応し得る。別の例示的な設計では、第1および第2の増幅回路はそれぞれ増幅器の1/2に対応し得る。第1および第2の増幅回路はまた、増幅器の一部分(fractions)の何らかの他の組合せに対応し得る。
【0095】
[00101]例示的な設計では、第1および第2の増幅回路は増幅器出力にさらに結合され得る。第1の増幅回路(たとえば、
図4A中の増幅回路430)は、(i)増幅器入力に結合された第1の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ434)と、(ii)第1の利得トランジスタと増幅器出力との間に結合された第1のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ436)とを含み得る。第2の増幅回路(たとえば、増幅回路440)は、(i)増幅器入力に結合された第2の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ444)と、(ii)第2の利得トランジスタと増幅器出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ446)とを含み得る。
【0096】
[00102]別の例示的な設計では、第1および第2の増幅回路は、SIMO増幅器の一部であり得、第1および第2の増幅器出力にさらに結合され得る。第1の増幅回路(たとえば、
図5A中の増幅回路530)は、(i)増幅器入力に結合された第1の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ534)と、(ii)第1の利得トランジスタと第1の増幅器出力との間に結合された第1のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ536)と、(iii)第1の利得トランジスタと第2の増幅器出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ538)とを含み得る。第2の増幅回路(たとえば、増幅回路540)は、(i)増幅器入力に結合された第2の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ544)と、(ii)第2の利得トランジスタと第1の増幅器出力との間に結合された第3のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ546)と、(iii)第2の利得トランジスタと第2の増幅器出力との間に結合された第4のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ548)とを含み得る。
【0097】
[00103]また別の例示的な設計では、第1および第2の増幅回路は、MIMO増幅器の一部であり得、第2の増幅器入力と第1および第2の増幅器出力とにさらに結合され得る。第1の増幅回路(たとえば、
図6中の増幅回路630)は、(i)増幅器入力に結合された第1の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ634)と、(ii)第2の増幅器入力に結合された第2の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ644)と、(iii)第1の利得トランジスタと第1の増幅器出力との間に結合された第1のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ636)と、(iv)第2の利得トランジスタと第2の増幅器出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ648)とを含み得る。第2の増幅回路(たとえば、増幅回路650)は、(i)増幅器入力に結合された第3の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ654)と、(ii)第2の増幅器入力に結合された第4の利得トランジスタ(たとえば、利得トランジスタ664)と、(iii)第3の利得トランジスタと第1の増幅器出力との間に結合された第3のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ656)と、(iv)第4の利得トランジスタと第2の増幅器出力との間に結合された第4のカスコードトランジスタ(たとえば、カスコードトランジスタ668)とを含み得る。第1および第2の増幅回路はまた、たとえば、
図6に示されているように、利得トランジスタと増幅器出力との間に結合された追加のカスコードトランジスタを含み得る。
【0098】
[00104]例示的な設計では、線形化回路は、直列に増幅器入力と回路接地との間に結合された抵抗器(たとえば、
図4Bおよび
図4C中の抵抗器426)とスイッチとを含み得る。スイッチはトランジスタ(たとえば、トランジスタ424)を用いて実装され得る。線形化回路は、抵抗器とスイッチとに直列に結合されたキャパシタ(たとえば、キャパシタ422)をさらに含み得る。線形化回路は、バイアス電圧とキャパシタとの間に結合された第2のスイッチをさらに含み得る。第2のスイッチは、別のトランジスタ(たとえば、
図4C中のトランジスタ429)を用いて実装され得、線形化回路が無効にされ、増幅器入力から分離されたときに、バイアス電圧までキャパシタをプリチャージし得る。線形化回路はまた、他の回路構成要素を含み得る。
【0099】
[00105]例示的な設計では、本装置は、第1の増幅回路中の第1の利得トランジスタのゲートとソースとの間に結合された構成可能整合キャパシタをさらに含み得る。構成可能整合キャパシタ(たとえば、
図4C中の構成可能整合キャパシタ470)はキャパシタとスイッチとを含み得る。キャパシタ(たとえば、キャパシタ474)は増幅器の入力整合のために使用され得る。スイッチは、トランジスタ(たとえば、トランジスタ472)を用いて実装され得、キャパシタに結合され得、第1の利得トランジスタのゲートとソースとの間のキャパシタを結合または分離し得る。キャパシタは、増幅器の入力インピーダンスを調整するための調整可能キャパシタンスを有し得る。
【0100】
[00106]例示的な設計では、本装置は、第1の増幅回路中の第1の利得トランジスタのゲートに結合された入力整合回路をさらに含み得る。入力整合回路(たとえば、
図4B中の入力整合回路410x)は、入力整合回路の入力と出力との間に結合されたインダクタ(たとえば、インダクタ412)を含み得る。
【0101】
[00107]
図8は、信号増幅を実行するためのプロセス800の例示的な設計を示す。第1のモードで、たとえば、高利得モードで増幅器入力に結合された第1および第2の増幅回路を用いて入力RF信号が増幅され得る(ブロック812)。第2のモードで、たとえば、低利得モードで第1および第2の増幅回路のうちの1つを用いて入力RF信号が増幅され得る(ブロック814)。線形化回路が増幅器入力に結合され得、第2のモードで有効にされ得(ブロック816)、第1のモードで無効にされ得る(ブロック818)。
【0102】
[00108]第1のモードで第1の増幅回路中の利得トランジスタのゲートとソースとの間にキャパシタが結合され得、入力整合のために使用され得る(ブロック820)。第2のモードで利得トランジスタのゲートおよび/またはソースからキャパシタが切断され得る(ブロック822)。
【0103】
[00109]1つの設計では、たとえば、
図4Aに示されているように、第1のモードでは第1および第2の増幅回路を用いて、第2のモードでは第1または第2の増幅回路を用いて、出力RF信号が生成され得る。別の設計では、たとえば、
図5Aに示されているように、第1のモードでは第1および第2の増幅回路を用いて、第2のモードでは第1または第2の増幅回路を用いて、2つの出力RF信号が生成され得る。
【0104】
[00110]本明細書で説明されるスプリット増幅器は、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント回路板(PCB)、電子デバイスなどの上に実装され得る。スプリット増幅器はまた、相補型金属酸化物半導体(CMOS)、NチャネルMOS(NMOS)、PチャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、シリコンオンインシュレータ(SOI)など、様々なICプロセス技術を用いて作製され得る。
【0105】
[00111]本明細書で説明されるスプリット増幅器を実装する装置は、スタンドアロンデバイスであり得るか、またはより大きいデバイスの一部であり得る。デバイスは、(i)スタンドアロンIC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含み得る1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)などのRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)などのASIC、(v)他のデバイス内に埋め込まれ得るモジュール、(vi)受信機、セルラーフォン、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他であり得る。
【0106】
[00112]1つまたは複数の例示的な設計では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびblu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0107】
[00113]本開示の前述の説明は、いかなる当業者でも本開示を作成または使用することができるように提供される。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義された一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される例および設計に限定されるように意図されるものではなく、本明細書で開示される原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]増幅器入力に結合された第1の増幅回路と、
前記増幅器入力に前記第1の増幅回路と並列に結合された第2の増幅回路と、
増幅器入力に結合された線形化回路と
を備え、
前記第1および第2の増幅回路が第1のモードで有効にされ、前記第1および第2の増幅回路のうちの1つが第2のモードで有効にされ、前記線形化回路が前記第2のモードで有効にされ、前記第1のモードで無効にされる、装置。
[C2]前記第1の増幅回路が、
前記増幅器入力に結合された第1の利得トランジスタと、
前記第1の利得トランジスタと増幅器出力との間に結合された第1のカスコードトランジスタと
を備え、
前記第2の増幅回路が、
前記増幅器入力に結合された第2の利得トランジスタと、
前記第2の利得トランジスタと前記増幅器出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタと
を備える、[C1]に記載の装置。
[C3]前記第1の増幅回路が、
前記増幅器入力に結合された第1の利得トランジスタと、
前記第1の利得トランジスタと第1の増幅器出力との間に結合された第1のカスコードトランジスタと、
前記第1の利得トランジスタと第2の増幅器出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタと
を備え、
前記第2の増幅回路が、
前記増幅器入力に結合された第2の利得トランジスタと、
前記第2の利得トランジスタと前記第1の増幅器出力との間に結合された第3のカスコードトランジスタと、
前記第2の利得トランジスタと前記第2の増幅器出力との間に結合された第4のカスコードトランジスタと
を備える、[C1]に記載の装置。
[C4]前記第1の増幅回路が、
前記増幅器入力に結合された第1の利得トランジスタと、
第2の増幅器入力に結合された第2の利得トランジスタと、
前記第1の利得トランジスタと第1の増幅器出力との間に結合された第1のカスコードトランジスタと、
前記第2の利得トランジスタと第2の増幅器出力との間に結合された第2のカスコードトランジスタと
を備え、
前記第2の増幅回路が、
前記増幅器入力に結合された第3の利得トランジスタと、
前記第2の増幅器入力に結合された第4の利得トランジスタと、
前記第3の利得トランジスタと前記第1の増幅器出力との間に結合された第3のカスコードトランジスタと、
前記第4の利得トランジスタと前記第2の増幅器出力との間に結合された第4のカスコードトランジスタと
を備える、[C1]に記載の装置。
[C5]前記線形化回路が、
直列に前記増幅器入力と回路接地との間に結合された抵抗器およびスイッチ
を備える、[C1]に記載の装置。
[C6]前記線形化回路が、
前記抵抗器および前記スイッチと直列に前記増幅器入力と回路接地との間に結合されたキャパシタ
をさらに備える、[C5]に記載の装置。
[C7]前記線形化回路が、
バイアス電圧と前記キャパシタとの間に結合され、前記線形化回路が無効にされたときに前記キャパシタを前記バイアス電圧までプリチャージするように動作可能な第2のスイッチ
をさらに備える、[C6]に記載の装置。
[C8]前記第1のモードが高利得モードに対応し、前記第2のモードが低利得モードに対応し、前記第1および第2の増幅回路が前記高利得モードで第1の利得を与え、前記第1または第2の増幅回路が前記低利得モードで第2の利得を与え、前記第2の利得が前記第1の利得よりも低い、[C1]に記載の装置。
[C9]前記第1の利得トランジスタのゲートとソースとの間に結合された構成可能整合キャパシタ
をさらに備える、[C2]に記載の装置。
[C10]前記構成可能整合キャパシタが、
前記第1および第2の増幅回路を備える増幅器の入力整合のためのキャパシタと、
前記キャパシタに結合され、前記第1の利得トランジスタの前記ゲートと前記ソースとの間の前記キャパシタを結合または分離するように動作可能なスイッチと
を備える、[C9]に記載の装置。
[C11]前記キャパシタが、調整可能なキャパシタンスを有する、[C10]に記載の装置。
[C12]前記第1の利得トランジスタのゲートに結合された入力整合回路
をさらに備える、[C2]に記載の装置。
[C13]前記入力整合回路が、
前記入力整合回路の入力と出力との間の結合されたインダクタ
を備える、[C12]に記載の装置。
[C14]前記第1の増幅回路が、前記第1および第2の増幅回路を備える増幅器の2/3に対応し、前記第2の増幅回路が前記増幅器の1/3に対応する、[C1]に記載の装置。
[C15]前記第1および第2の増幅回路がそれぞれ、前記第1および第2の増幅回路を備える増幅器の1/2に対応する、[C1]に記載の装置。
[C16]第1のモードで増幅器入力に結合された第1および第2の増幅回路を用いて入力無線周波数(RF)信号を増幅することと、
第2のモードで前記第1および第2の増幅回路のうちの1つを用いて前記入力RF信号を増幅することと、
前記第2のモードで前記増幅器入力に結合された線形化回路を有効にすることと、
前記第1のモードで前記線形化回路を無効にすることと
を備える、方法。
[C17]前記第1のモードで前記第1の増幅回路の中の利得トランジスタのゲートとソースとの間にキャパシタを結合することと、
前記第2のモードで前記利得トランジスタの前記ゲートと前記ソースとの間の前記キャパシタを切断することと
をさらに備える、[C16]に記載の方法。
[C18]前記第1のモードで前記第1および第2の増幅回路を用いて、ならびに前記第2のモードで前記第1および第2の増幅回路のうちの前記1つを用いて第1および第2の出力RF信号を生成すること
をさらに備える、[C16]に記載の方法。
[C19]増幅器入力に結合された増幅するための第1の手段と、
前記増幅器入力に増幅するための前記第1の手段と並列に結合された増幅するための第2の手段と、
前記増幅器入力に結合された線形化するための手段と
を備え、
増幅するための前記第1および第2の手段が第1のモードで有効にされ、増幅するための前記第1および第2の手段のうちの1つが第2のモードで有効にされ、線形化するための前記手段が前記第2のモードで有効にされ、前記第1のモードで無効にされる、装置。
[C20]増幅するための前記第1の手段に結合された容量性整合のための手段
をさらに備える、[C19]に記載の装置。
構成可能利得と線形化回路とをもつスプリット増幅器が開示される。装置は、増幅器の一部であり得る第1(430)および第2(440)の増幅回路と線形化回路(420)とを含む。第1(430)および第2(440)の増幅回路は並列に増幅器入力(X)に結合され得る。線形化回路(420)も増幅器入力(X)に結合される。第1(430)および第2(440)の増幅回路が高利得モードで有効にされる。第1(430)および第2(440)の増幅回路のうちの1つが低利得モードで有効にされる。線形化回路(420)は、第2のモードで有効にされ、第1のモードで無効にされる。増幅器は複数のセクションに分割される。各セクションは、増幅回路を含み、増幅器の一部分である。低利得モードで1つの増幅回路と線形化回路とを使用して、高い線形性が取得され得る。