(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908689
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】間柱の固定構造
(51)【国際特許分類】
E04B 1/348 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
E04B1/348 K
E04B1/348 L
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-207344(P2011-207344)
(22)【出願日】2011年9月22日
(65)【公開番号】特開2013-67999(P2013-67999A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】高林 雅人
【審査官】
渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−060765(JP,A)
【文献】
実開昭56−000802(JP,U)
【文献】
特開平09−195514(JP,A)
【文献】
特開2001−040777(JP,A)
【文献】
特開2001−220847(JP,A)
【文献】
特開平11−107376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と梁を接合して構成される建物ユニットの上下梁間に取付けられるとともに、外壁が固定される間柱の固定構造において、
間柱に固定金具が溶接され、この固定金具が取付具により柱の内側面に取付けられるものであり、
固定金具がL字状のアングル材からなり、固定金具におけるL字の一片の平面と間柱の平面とが密着して溶接され、
固定金具がL字の他片の外縁を折曲げた引き寄せ片を備えてなることを特徴とする間柱の固定構造。
【請求項2】
前記固定金具は、引き寄せ片に係合する引き寄せ工具により柱に対する該固定金具の取付位置を調整可能にされる請求項1に記載の間柱の固定構造。
【請求項3】
前記固定金具におけるL字の他片が取付具により柱の内側面に取付けられてなる請求項1又は2に記載の間柱の固定構造。
【請求項4】
前記間柱がアングル材からなる請求項1〜3のいずれかに記載の間柱の固定構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の間柱の固定構造を構成するための固定金具であって、L字状のアングル材からなり、L字の一片が間柱に溶接される溶接片とされ、L字の他片が柱の内側面に取付けられる取付片とされ、取付片の外縁を折曲げて引き寄せ片とした固定金具が溶接されてなる間柱。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の間柱の固定構造が適用された建物ユニットを用いて構築されてなるユニット建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は間柱の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載の如く、柱と梁を接合して構成される建物ユニットの上下梁間に間柱を取付け、この間柱に外壁を固定してなるものがある。
【0003】
特許文献1に記載の間柱の固定構造では、固定金具の1つの中間片の両側に突出片を設け、固定金具の一方の突出片が間柱にボルト止めされ、固定金具の中間片と他方の突出片が柱の相交差する2つの側面に添設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-107376
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の間柱の固定構造では、柱の相交差する2つの側面に添設されている固定金具の他方の突出片は柱の1つの側面の局部域だけに単に引掛け状態で添設しているに過ぎない。従って、固定金具の中間片と他方の突出片を柱の2つの側面に添設したとき、他方の突出片の先端が柱の側面から浮き上がり、当該柱の側面に対し隙間なく添設しないおそれがある。このため、間柱に荷重が加わったときに、固定金具が間柱を安定的に支持できず、間柱のねじれ変形による外壁取付面の面精度の悪化、ひいては外壁の変形を生ずるおそれがある。
【0006】
尚、間柱の固定構造の他の従来技術として、柱に固定金具を溶接し、この固定金具に間柱をリベット止めするものがある。しかしながら、柱の上下端に上梁と下梁を溶接して構築される建物ユニットでは、固定金具を柱の上下端寄りに溶接することに困難がある。即ち、建物ユニットの構築後にあっては、柱の上下端に既に溶接されている上梁と下梁の存在が、固定金具を柱の上下端寄りに溶接することの障害になる。また、建物ユニットの構築前の柱の上下端寄りに固定金具を溶接しておくときには、この柱に設けられた固定金具の存在が、該柱の上下端に上梁と下梁を溶接することの障害になる。従って、間柱が固定される固定金具を柱の上下端寄りに溶接できず、柱の中間部に溶接するものになるから、間柱に荷重が加わったときに、間柱のねじれ変形を十分に防止できない。
【0007】
本発明の課題は、間柱の固定構造において、間柱に荷重が加わっても間柱をねじれ変形させず、間柱の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁の変形を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、柱と梁を接合して構成される建物ユニットの上下梁間に取付けられるとともに、外壁が固定される間柱の固定構造において、間柱に固定金具が溶接され、この固定金具が取付具により柱の内側面に取付けられるものであり、固定金具がL字状のアングル材からなり、固定金具におけるL字の一片の平面と間柱の平面とが密着して溶接され
、固定金具がL字の他片の外縁を折曲げた引き寄せ片を備えてなるようにしたものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記固定金具
は、引き寄せ片に係合する引き寄せ工具により柱に対する
該固定金具の取付位置を調整可能にされるようにしたものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記固定金具におけるL字の他片が取付具により柱の内側面に取付
けられてなるようにしたものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明において更に、前記間柱がアングル材からなるようにしたものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の
間柱の固定構造を構成するための固定金具
であって、L字状のアングル材からなり、L字の一片が間柱に溶接される溶接片とされ、L字の他片が柱の内側面に取付けられる取付片とされ、取付片の外縁を折曲げて引き寄せ片とした固定金具が溶接されてなる間柱である。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の
間柱の固定構造が適用された建物ユニットを用いて構築されてなるユニット建物である。
【発明の効果】
【0014】
(請求項1)
(a)間柱に固定金具が溶接され、この固定金具が取付具により柱に取付けられる。
従って、間柱に溶接された固定金具を柱の側面に隙間なく、正しく位置決めして取付けできる。このため、柱に対して正しく位置決めされた固定金具により間柱を安定的に支持し、間柱に荷重が加わっても、間柱のねじれ変形を防止し、間柱の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁の変形を防止できる。
【0015】
(b)間柱に溶接された固定金具は、柱に取付具を用いて取付けられるものであるから、柱の上下端に接合される上梁と下梁の存在に関係なく、柱の上下端寄りに取付けできる。即ち、間柱が固定される固定金具を柱の上下端寄りに取付けでき、該固定金具を柱の中間部だけに取付けるものに比し、間柱に作用する荷重による該間柱のねじれ変形を十分に防止できる。
【0016】
また、間柱に溶接される固定金具は、該固定金具の溶接片になる部分の平面と間柱の平面の平面同士を密着させて溶接でき、該固定金具の転びの懸念がなく、正確に溶接できる。
【0017】
尚、従来技術では、本発明の固定金具と同様の機能を持たせる金具を柱側に溶接していたが、柱の角部には比較的大きな曲げRがあり、その近傍で金具を取付ける事になる為、曲げRの部分で金具が転んだりして正確な取付位置を出しにくい。
【0018】
また、固定金具がL字の他片の外縁を折曲げた引き寄せ片を備える。固定金具に備えた引き寄せ片を用いることにより、簡易に柱に対する固定金具の取付位置を調整可能にされる。これにより、建物ユニットの上梁と下梁に取付けられている間柱に溶接済の固定金具を、柱に対する取付位置に容易に位置付けできる。
(請求項2)
(c)前記固定金具
が、引き寄せ片に係合する引き寄せ工具により柱に対する固定金具の取付位置を調整可能にされる。これにより、建物ユニットの上梁と下梁に取付けられている間柱に溶接済の固定金具を、柱に対する取付位置に容易に位置付けできる。
【0019】
(請求項3)
(d)前記固定金具
におけるL字の他片が取付具により柱の内側面に正しく位置決めされて取付けられる。
【0020】
(請求項4)
(e)前記間柱がアングル材からなるとき、上述(a)〜(d)の固定金具によりアングル材からなる間柱のねじれ変形を確実に防止し、ひいては外壁の変形を防止できる。
【0021】
(請求項5)
(f)上述(a)〜(e)の固定金具を用いることにより、間柱に荷重が加わっても間柱をねじれ変形させず、間柱の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁の変形を防止できる。
【0022】
(請求項6)
(g)上述(a)〜(e)の建物ユニットを用いて構築されてなるユニット建物において、間柱に荷重が加わっても間柱をねじれ変形させず、間柱の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁の変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は柱と固定金具付間柱を示す断面図である。
【
図2】
図2は柱に固定金具を取付けた状態を示す断面図である。
【
図3】
図3は柱と間柱に外壁を取付けた状態を示す断面図である。
【
図4】
図4は柱と固定金具付間柱を示す斜視図である。
【
図5】
図5は引き寄せ片を備えた固定金具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のユニット建物は、複数の建物ユニットを左右上下に隣接設置して構築されるものであり、建物ユニットは、例えば特開2001-40777に記載される如くに、柱と上梁と下梁を接合して構成された箱形骨組構造体である。
【0025】
図3、
図4は建物ユニット10のコーナー部を示したものであり、柱11の上端部にジョイントピース12A(不図示)を介して上梁12(不図示)を接合し、柱11の下端部にジョイントピース13Aを介して下梁13を接合している。そして、上梁12と下梁13の間にコーナー間柱14、標準間柱15(不図示)を取付け、コーナー間柱14、標準間柱15にコーナー外壁パネル16、標準外壁パネル17を固定している。
【0026】
コーナー間柱14は、柱11に近接するコーナー間柱であり、概ねL字状の形鋼等のアングル材からなる。他の標準間柱15(不図示)は角鋼管からなる。
【0027】
コーナー外壁パネル16は、
図2に示す如く、標準外壁パネル17よりも幅狭の木片セメント板等からなる面材16Aの裏面に金属フレーム16Bを設けたものであり、金属フレーム16Bの一端を該外壁パネル16の一側縁より側方に延出させた延出部16Cとし、金属フレーム16Bの他端を該外壁パネル16の他側縁より面材16Aの裏面に直交する前方に延出させた延出部16Dとしている。標準外壁パネル17は木片セメント板等からなる面材17Aの裏面の側縁部に角筒状の金属フレーム17Bを設けたものである。
【0028】
建物ユニット10は、間柱14に荷重が加わっても間柱14をねじれ変形させず、間柱14の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいてはコーナー外壁パネル16、標準外壁パネル17の変形を防止するため、間柱14の長手方向において少なくとも上下両端寄りを含む複数位置に以下の固定金具20が取付けられる。
【0029】
固定金具20は、
図1、
図4に示す如く、概ねL字状の形鋼等のアングル材からなる。固定金具20は、L字の一片を間柱14の内側面(建物ユニット10の内部に臨む面)に溶接される溶接片21とされ、L字の他片を柱11の内側面(建物ユニット10の内部に臨む面)にドリルビス等の取付具23により取付けられる取付片22とされる。固定金具20の取付片22は取付具23のための下孔24Aが設けられ、柱11の内側面には下孔24Aに対応する下孔24Bが設けられる。尚、間柱14における固定金具20の上記下孔24Aに相対する位置には、取付具23を取付ける工具のためのドライバー用孔14Bが設けられている。
【0030】
間柱14及び固定金具20の溶接片21は、両者が溶接された状態で、間柱14及び固定金具20の溶接片21に標準外壁パネル17の金属フレーム17Bを取付けるデイジーリベット27のためのリベット固定用下孔25と、間柱14及び固定金具20の溶接片21にコーナー外壁パネル16の金属フレーム16Bの延出部16Cを取付けるポップリベット28のためのリベット固定用下孔26を備える。
【0031】
固定金具20を用いた間柱14の固定手順は以下の通りである。
(1)柱11に近接する位置で、間柱14がその上下端部を建物ユニット10の上梁12と下梁13のそれぞれに仮取付けされる。
図4は、間柱14の下端に設けた下取付片14Aが下梁13のジョイントピース13Aにボルト止めされる状態を示している(ボルトは図示省略)。同様に、間柱14の上端に設けた上取付片が上梁12のジョイントピース12Aにボルト止めされる。
【0032】
(2)間柱14の長手方向の複数位置に溶接されている各固定金具20の取付片22を柱11の内側面(建物ユニット10の内部に臨む面)に押し付けて添設する。
【0033】
間柱14を柱11、上梁12及び下梁13に対する正しい取付位置に位置決めした状態で、間柱14の上下の取付片14Aを上梁12、下梁13のジョイントピース12A、13Aにボルト止めして本固定し、同時に
図2に示す如く、固定金具20の取付片22の下孔24Aに刺通される取付具23を柱11の下孔24Bに締結する。
【0034】
(3)標準外壁パネル17を柱11の側傍の間柱14、15の外側面(建物ユニット10の外部に臨む面)まわりに持ち込み、標準外壁パネル17の金属フレーム17Bを間柱14、15の外側面に添設する。このとき、間柱14、15の外側面の全面に防水シート18が貼着される。
【0035】
標準外壁パネル17を間柱14、15に対して正しく位置決めし、
図3に示す如く、間柱14及び固定金具20の溶接片21に設けてあるリベット固定用下孔25に溶接片21の内側面(建物ユニット10の内部に臨む面)から刺通されるデイジーリベット27により、それらの間柱14、溶接片21に対し標準外壁パネル17の金属フレーム17Bをリベットする。標準外壁パネル17の他の金属フレーム17Bも他の間柱15にリベット止めされる。
【0036】
(4)コーナー外壁パネル16を柱11の外側面(建物ユニット10の外部に臨む面)まわりに持ち込み、コーナー外壁パネル16の金属フレーム16Bを柱11の外側面に添設し、金属フレーム16Bの一端の延出部16Cを間柱14の外側面(建物ユニット10の外部に臨む面)に添設するとともに、金属フレーム16Bの他端の延出部16Dを柱11の固定金具20が取付けられている面に対する反対面に添設する。このとき、柱11の外側面の全面には防水シート19が貼着され、間柱14の外側面には上述(3)の防水シート18が貼着されている。
【0037】
コーナー外壁パネル16を柱11と間柱14に対して正しく位置決めし、
図3に示す如く、間柱14及び固定金具20の溶接片21に設けてあるリベット固定用下孔26に溶接片21の内側面から刺通されるポップリベット28により、それらの間柱14、溶接片21に対しコーナー外壁パネル16の金属フレーム16Bの延出部16Cをリベット止めする。また、コーナー外壁パネル16の金属フレーム16Bの延出部16Dを、柱11の固定金具20が取付けられている面に対する反対面にタッピングねじ29で固定する。
【0038】
(5)コーナー外壁パネル16と標準外壁パネル17の目地にシール部材30を装填する。
【0039】
本
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)間柱14に固定金具20が溶接され、この固定金具20が取付具23により柱11に取付けられる。
【0040】
従って、間柱14に溶接された固定金具20を柱11の側面に隙間なく、正しく位置決めして取付けできる。このため、柱11に対して正しく位置決めされた固定金具20により間柱14を安定的に支持し、間柱14に荷重が加わっても、間柱14のねじれ変形を防止し、間柱14の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁パネル16、17の変形を防止できる。
【0041】
(b)間柱14に溶接された固定金具20は、柱11に取付具23を用いて取付けられるものであるから、柱11の上下端に接合される上梁12と下梁13の存在に関係なく、柱11の上下端寄りに取付けできる。即ち、間柱14が固定される固定金具20を柱11の上下端寄りに取付けでき、該固定金具20を柱11の中間部だけに取付けるものに比し、間柱14に作用する荷重による該間柱14のねじれ変形を十分に防止できる。
【0042】
また、間柱14に溶接される固定金具20は、該固定金具20の溶接片21になる部分の平面と間柱の平面の平面同士を密着させて溶接でき、該固定金具20の転びの懸念がなく、正確に溶接できる。
【0043】
(c)前記固定金具20をアングル材により簡易に構成できる。
【0044】
(d)前記間柱14がアングル材からなるとき、上述(a)〜(c)の固定金具20によりアングル材からなる間柱14のねじれ変形を確実に防止し、ひいては外壁パネル16、17の変形を防止できる。
【0045】
(e)上述(a)〜(d)の固定金具20を用いることにより、間柱14に荷重が加わっても間柱14をねじれ変形させず、間柱14の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁パネル16、17の変形を防止できる。
【0046】
(f)上述(a)〜(e)の建物ユニット10を用いて構築されてなるユニット建物において、間柱14に荷重が加わっても間柱14をねじれ変形させず、間柱14の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁パネル16、17の変形を防止できる。
【0047】
図5は固定金具20の取付片22の外縁を直角に折曲げて引き寄せ片22Aとしたものである。固定金具20の取付片22を取付具23により柱11の内側面に取付けるために、取付片22の下孔24Aが柱11の下孔24Bに合致する取付位置に位置決めするとき、L字プレート41の一端を引き寄せ片22Aに係合させるとともに、引き寄せレバー42の中間部をL字プレート41の他端側に係合させる。そして、引き寄せレバー42の先端部を柱11のコーナー外壁パネル16の金属フレーム16Bが添設される面と反対面に衝合させた状態で、引き寄せレバー42の基端操作部42Aに操作力を加えることにより、間柱14及び固定金具20を柱11に対する上述の取付位置に位置決めできる。この位置決め状態で、固定金具20の取付片22の下孔24Aに刺通される取付具23を柱11の下孔24Bに締結するものになる。
【0048】
これによれば、建物ユニット10の上梁12と下梁13に取付けられている間柱14に溶接済の固定金具20を、柱11に対する取付位置に容易に位置付けできる。
【0049】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、柱と梁を接合して構成される建物ユニットの上下梁間に取付けられるとともに、外壁が固定される間柱の固定構造において、間柱に固定金具が溶接され、この固定金具が取付具により柱に取付けられる。これにより、間柱の固定構造において、間柱に荷重が加わっても間柱をねじれ変形させず、間柱の外壁取付面の面精度を安定化し、ひいては外壁の変形を防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 建物ユニット
11 柱
13 下梁
14 間柱
16、17 外壁パネル
20 固定金具
21 溶接片
22 取付片
22A 引き寄せ片
23 取付具
41 L字プレート(引き寄せ工具)
42 引き寄せレバー(引き寄せ工具)