特許第5908695号(P5908695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5908695摺動部材及び電子写真画像形成装置に用いられるトナー介在下で使用される機構部品
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  • 特許5908695-摺動部材及び電子写真画像形成装置に用いられるトナー介在下で使用される機構部品 図000025
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908695
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】摺動部材及び電子写真画像形成装置に用いられるトナー介在下で使用される機構部品
(51)【国際特許分類】
   C08L 59/00 20060101AFI20160412BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   C08L59/00
   G03G15/00 550
【請求項の数】6
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2011-224052(P2011-224052)
(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公開番号】特開2013-82818(P2013-82818A)
(43)【公開日】2013年5月9日
【審査請求日】2014年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046314
【氏名又は名称】旭化成ケミカルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】茶谷垣内 良一
(72)【発明者】
【氏名】小口 哲平
【審査官】 大▲わき▼ 弘子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−053229(JP,A)
【文献】 特開2003−020408(JP,A)
【文献】 特開2006−089625(JP,A)
【文献】 特開2000−129081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 59/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアセタール樹脂100質量部と、動架橋エラストマー0.01〜10質量部と、潤滑剤0.01〜10質量部とを含むポリオキシメチレン樹脂組成物を含有する、トナー型電子写真画像形成装置用機構部品。
【請求項2】
前記ポリアセタール樹脂が、
(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー、
(A2)片末端に下記一般式(1)で表される1価の基及び下記一般式(2)で表される1価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基(x)を有し、該基(x)を除いた部分の数平均分子量が10000〜500000であるポリオキシメチレンの線状重合体、並びに
(A3)下記一般式(3)で表される数平均分子量が10000〜500000であるポリオキシメチレンブロック共重合体
からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する、請求項1に記載の機構部品。
【化1】
【化2】
(式(1)及び(2)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
3は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
mは、それぞれ独立に2〜6の整数を示し、
nは、それぞれ独立に1〜1000の整数を示す。)
【化3】
(式(3)中、
Gは、下記一般式(3a)で表される2価の基を示し、ヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合を有してもよく、
Eは、それぞれ独立に下記一般式(4)で表される1価の基を示し、2つのEの平均の数平均分子量は5000〜250000である。
【化4】
(式(3a)中、
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
pは、それぞれ独立に2〜6の整数を示し、
q及びrは、それぞれ独立に正の数を示し、
qとrとの合計100%に対してqは2〜98%、rは2〜98%であり、
−(CH(CH2CH3)CH2)−単位及び−(CH2CH2CH2CH2)−単位はそれぞれランダム又はブロックで存在する。)
【化5】
(式(4)中、
5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
tは、それぞれ独立に2〜6の整数を示し、
s及びuは、それぞれ独立に正の数を示し、
sとuとの合計100%に対してsは95〜99.9%、uは5〜0.1%であり、
−((C(R52tO)−単位は−(CH2O)−単位に対してランダムに存在する。))
【請求項3】
前記ポリアセタール樹脂が、前記(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体と、前記(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び/又は前記(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体とからなり、
前記ポリアセタール樹脂において、(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体の含有割合と、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体の合計含有割合との比((A3)/((A1)+(A2)))が、(95/5)〜(5/95)(質量%)の範囲である、請求項2に記載の機構部品。
【請求項4】
前記エラストマーの圧縮永久歪(C−Set、100℃)が90〜10%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の機構部品。
【請求項5】
前記潤滑剤が、アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸とのエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーン化合物及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の機構部品。
【請求項6】
軸受け、歯車、カム、ローラー、アーム、レバー、リンク、ハンドル、取っ手及びガイドからなる群より選ばれるいずれかである請求項1〜のいずれか1項に記載の機構部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置におけるトナーが存在する部位に使用される機構部品(トナー型電子写真画像形成装置用機構部品)、例えば、軸受け、歯車、カム、ローラー、アーム、レバー、リンク、ハンドル、取っ手及びガイド等に代表される機構部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は機械的強度、耐薬品性及び摺動性のバランスに優れ、且つその加工性が容易であることから、代表的エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品及びその他の機構部品を中心に広範囲に亘って用いられている。またポリアセタール樹脂は近年、その利用分野が拡大するに伴い、さまざまな機構部品に使用されている。
【0003】
従来、複写機やプリンタ、ファクシミリ等で代表される電子写真画像形成装置で用いられるトナーは、帯電性を持ったプラスチック粒子に黒鉛・顔料等の色粒子を付着させたミクロサイズの粒であるため、摺動界面に存在すると、該摺動界面の部位の摩擦摩耗性を損なわせる性質がある。このトナー介在下で使用される機構部品として、強化材、潤滑剤、柔軟剤等を添加して摺動性向上をうたっているものが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−20408号公報
【特許文献2】特開2006−89625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、自材及び摺動相手双方の摩耗性を満足させる材料は提案されておらず、電子写真画像形成装置として長期性能維持の観点から樹脂製機構部品及び相手部材双方の摩耗性が良好な機構部品が望まれている。
本発明は、電子写真画像形成装置のトナーが介在する部位に設置される機構部品において、従来成し得なかった自材及び摺動相手材双方の摺動性向上及び摺動音の抑制を実現し、更に電子写真画像形成装置用として好適な成形性(剥離性)を有する機構部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ポリオキシメチレン樹脂組成物を含有する機構部品において、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール樹脂が有する優れた機械的性能及び成形性の低下を抑制しつつ、例えば、トナーが介在する雰囲気下で使用される機構部品の摺動性の向上を果たすべく鋭意検討した。その結果、ポリアセタール樹脂とエラストマー及び潤滑剤とを特定の割合で混合したポリオキシメチレン樹脂組成物を用いることで、トナーが介在する雰囲気下での摺動性が優れた機構部品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、以下に関する。
〔1〕ポリアセタール樹脂100質量部と、エラストマー0.01〜10質量部と、潤滑剤0.01〜10質量部とを含むポリオキシメチレン樹脂組成物を含有する、トナー型電子写真画像形成装置用機構部品。
【0008】
〔2〕ポリアセタール樹脂が、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー、(A2)片末端に下記一般式(1)で表される1価の基及び下記一般式(2)で表される1価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基(x)を有し、該基(x)を除いた部分の数平均分子量が10000〜500000であるポリオキシメチレンの線状重合体、並びに(A3)下記一般式(3)で表される数平均分子量が10000〜500000であるポリオキシメチレンブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する、〔1〕に記載の機構部品。
【化1】
【化2】
(式(1)及び(2)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
3は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
mは、それぞれ独立に2〜6の整数を示し、
nは、それぞれ独立に1〜1000の整数を示す。)
【化3】
(式(3)中、
Gは、下記一般式(3a)で表される2価の基を示し、ヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合を有してもよく、
Eは、それぞれ独立に下記一般式(4)で表される1価の基を示し、2つのEの平均の数平均分子量は5000〜250000である。
【化4】
(式(3a)中、
4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
pは、それぞれ独立に2〜6の整数を示し、
q及びrは、それぞれ独立に正の数を示し、
qとrとの合計100%に対してqは2〜98%、rは2〜98%であり、
−(CH(CH2CH3)CH2)−単位及び−(CH2CH2CH2CH2)−単位はそれぞれランダム又はブロックで存在する。)
【化5】
(式(4)中、
5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、
tは、それぞれ独立に2〜6の整数を示し、
s及びuは、それぞれ独立に正の数を示し、
sとuとの合計100%に対してsは95〜99.9%、uは5〜0.1%であり、
−((C(R52tO)−単位は−(CH2O)−単位に対してランダムに存在する。))
【0009】
〔3〕前記ポリアセタール樹脂が、前記(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体と、前記(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び/又は前記(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体とからなり、前記ポリアセタール樹脂において、(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体の含有割合と、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体の合計含有割合との比((A3)/((A1))+(A2)))が、(95/5)〜(5/95)(質量%)の範囲である、〔2〕に記載の機構部品。
【0010】
〔4〕前記エラストマーの圧縮永久歪(C−Set、100℃)が90〜10%である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の機構部品。
【0011】
〔5〕前記エラストマーが動架橋エラストマーである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の機構部品。
【0012】
〔6〕前記潤滑剤が、アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸とのエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーン化合物及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の機構部品。
【0013】
〔7〕軸受け、歯車、カム、ローラー、アーム、レバー、リンク、ハンドル、取っ手およびガイドからなる群より選ばれるいずれかである〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の機構部品。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子写真画像形成装置のトナーが介在する部位に設置される場合において、摺動性に優れ、摺動音の抑制できる機構部品を提供することができる。更に本発明によれば、電子写真画像形成装置用として好適な成形性(剥離性)を有する機構部品を提供することができる。このような特性を有する機構部品を用いた電子写真画像形成装置は、長期使用における画質及び精度の維持が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施例で作成した軸受け試験片の断面を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
【0017】
≪トナー型電子写真画像形成装置用機構部品≫
本実施形態のトナー型電子写真画像形成装置用機構部品(以下、単に「機構部品」とも記す。)は、ポリアセタール樹脂100質量部と、エラストマー0.01〜10質量部と、潤滑剤0.01〜10質量部とを含むポリオキシメチレン樹脂組成物を含有する。
【0018】
<ポリオキシメチレン樹脂組成物>
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部と、エラストマー0.01〜10質量部と、潤滑剤0.01〜10質量部とを含有するものである。
[ポリアセタール樹脂]
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を含む。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂は、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー、(A2)特定のポリオキシメチレンの線状重合体、及び(A3)特定のポリオキシメチレンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでいることが好ましい。ポリアセタール樹脂が(A1)、(A2)及び(A3)成分からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有することにより、得られる機構部品は、成形性(剥離性)に優れ、また、トナーが介在する雰囲気下で使用する場合、摺動性に優れ、摺動音の発生が抑制される。
【0019】
(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー
ポリオキシメチレンホモポリマーは、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、又はその3量体であるトリオキサン若しくは4量体であるテトラオキサンなどの環状オリゴマーを常法により重合し、得られた重合体の両末端をエーテル基又はエステル基により封鎖したものが挙げられる。好適なポリオキシメチレンホモポリマーの数平均分子量は、10000〜500000である。
【0020】
(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体
本実施形態に用いる特定のポリオキシメチレンの線状重合体は、オキシメチレン単位の繰返しよりなる線状重合体の片末端が、下記一般式(1)で表される1価の基(すなわち、アルコールへのアルキレンオキシド付加物残基)、
【化6】
及び、下記一般式(2)で表される1価の基(すなわち、カルボン酸へのアルキレンオキシド付加物残基)
【化7】
からなる群より選ばれる少なくとも1種の基(末端基)で封鎖された変性オキシメチレン重合体である。この変性オキシメチレン重合体は、末端基を除いた部分の数平均分子量が10000〜500000である。
【0021】
ここで、式(1)及び(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示す。
【0022】
3は、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示す。mは、それぞれ独立に、2〜6の整数を示し、2〜5の整数が好ましい。また、nは、それぞれ独立に、1〜1000の整数を示し、10〜250の整数が好ましい。上記一般式(1)で表される基は、アルコールのアルキレンオキシド付加物から水素原子を脱離した残基であり、上記一般式(2)で表される基は、カルボン酸のアルキレンオキシド付加物から水素原子を脱離した残基である。
【0023】
ポリオキシメチレンの線状重合体は、その片末端がアルコールのアルキレンオキシド付加物残基及びカルボン酸のアルキレンオキシド付加物残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で封鎖されたものであり、特開昭57−31918号公報に開示されたブロックポリマーが例示される。より具体的には、C1837O(CH2CH2O)401837、C1123CO2(CH2CH20)30H、C1837O(CH2CH2O)70H、C1837O(CH2CH2O)40Hなどが挙げられる。
【0024】
本実施形態に用いるポリオキシメチレンの線状重合体の数平均分子量は、成形加工、耐久性の観点から10000〜500000であり、より好ましくは10000〜200000である。
ここで、本明細書において、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」とも記す。)測定(ポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」とも記す。)換算)により測定される。
【0025】
(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体
ポリオキシメチレンブロック共重合体は、下記一般式(3)で表される数平均分子量10000〜500000の共重合体であり、具体的には、国際公開第01/09213号パンフレットに開示されたポリオキシメチレンブロック共重合体が挙げられ、その公報に記載の方法により調製される。
【化8】
【0026】
ここで、式(3)中、Gは下記一般式(3a)で表される2価の基を示し、ヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合を有してもよい。
Eは、それぞれ独立に下記一般式(4)で表される1価の基を示し、2つのEの平均の数平均分子量は5000〜250000であり、好ましくは20000〜100000である。
【化9】
上記一般式(3a)で表される2価の基は、両末端をヒドロキシアルキル化された水素添加液状ポリブタジエンの両末端の水素原子を脱離した2価の基である。上述の両末端をヒドロキシアルキル化された水素添加液状ポリブタジエンの数平均分子量は500〜10000である。また、上記不飽和結合としては、例えば炭素−炭素二重結合が挙げられる。
【0027】
上記一般式(3a)中、R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示す。
【0028】
また、pは、それぞれ独立に2〜6の整数を示す。q及びrは、それぞれ独立に正の数を示し、qとrとの合計100%に対してqは2〜98%、rは2〜98%であり、−(CH(CH2CH3)CH2)−単位及び−(CH2CH2CH2CH2)−単位はそれぞれランダム又はブロックで存在する。
【0029】
【化10】
式(4)中、R5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を示す。
【0030】
tは、それぞれ独立に2〜6の整数を示す。また、s及びuは、それぞれ独立に正の数を示し、sとuとの合計100%に対してsは95〜99.9%、uは5〜0.1%であり、−((C(R52tO)−単位は−(CH2O)−単位に対してランダムに存在する。
【0031】
本実施形態に用いる上記ポリオキシメチレンブロック共重合体の数平均分子量は、成形加工、耐久性の観点から10000〜500000であり、より好ましくは10000〜200000である。
【0032】
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂は、下記のポリオキシメチレンコポリマーや分岐ポリマーを含有してもよい。そのようなポリマーとしては、例えば、ホルムアルデヒド又はその3量体であるトリオキサン若しくは4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を、オキシメチレン100モル%に対して0.1〜40モル%含有するオキシメチレンコポリマー、並びに、分岐状分子鎖を有するポリオキシメチレンポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0033】
本実施形態においては、ポリオキシメチレンホモポリマーと特定のポリオキシメチレン共重合樹脂とを併用した樹脂組成物が好ましい。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂は、前記(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体と、前記(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び/又は前記(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体とからなることが好ましい。
このようなポリアセタール樹脂における、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー、(A2)特定のポリオキシメチレンの線状重合体及び(A3)特定のポリオキシメチレンブロック共重合体の含有割合について、(A3)特定のポリオキシメチレンブロック共重合体の含有割合と、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び(A2)特定のポリオキシメチレンの線状重合体の合計含有割合との比(((A1)+(A2))/(A3))が、95/5〜5/95(質量%)であると好ましく、95/5〜20/80(質量%)であるとより好ましく、95/5〜30/70(質量%)であるとさらに好ましく、90/10〜50/50(質量%)であると特に好ましい。((A1)+(A2))/(A3)が、95/5(質量%)以下であることにより、樹脂組成物の二次収縮性の改良効果が十分となり、5/95(質量%)以上であることにより、得られる機構部品の耐摩擦摩耗性が十分に良好となる。また、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマーに対する(A2)特定のポリオキシメチレンの線状重合体の配合割合((A2)/(A1))も、本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物から得られる機構部品の機械的特性(剛性)と耐摩擦摩耗性とに影響を与える。この配合割合((A2)/(A1))は、各ポリマーの種類や物性、あるいはその成形体に必要とされる特性を考慮して、100/0〜0/100(質量%)の範囲で任意で選択すればよい。すなわち、本実施形態に用いるポリアセタール樹脂は、(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー及び(A2)特定のポリオキシメチレンの線状重合体のいずれか一方のみを含有してもよく、それらの両方を含有してもよい。
【0034】
また、本実施形態に用いるポリアセタール樹脂のメルトフローレイト(ISO 1133 Dに準拠)は、成形加工の面から0.5g/10分以上であると好ましく、耐久性の面から100g/10分以下であると好ましく、より好ましくは1.0g/10分〜80g/10分、更に好ましくは5g/10分〜60g/10分、特に好ましくは7g/10分〜50g/10分の範囲である。さらに、本実施形態に用いる(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー、(A2)特定のポリオキシメチレンの線状重合体及び(A3)特定のポリオキシメチレンブロック共重合体の各々のメルトフローレイトも、同様の観点から上記と同じ範囲であることが好ましい。
【0035】
[エラストマー]
本実施形態に用いるエラストマーは、圧縮永久歪(C−セット、100℃、以下同様。)が90〜10%であることが好ましい。さらに本実施形態に用いるエラストマーは、動架橋エラストマーであることが好ましい。エラストマーがこのような動架橋エラストマーであると、得られる機構部品は、成形性(剥離性)に優れ、また、トナーが介在する雰囲気下で使用する場合、摺動性に優れ、摺動音の発生が抑制される。
【0036】
本実施形態に用いるエラストマーは、ポリオレフィン系及び/又はスチレン系の動架橋エラストマーであることがより好ましく、上記圧縮永久歪が90〜10%の範囲であることが好ましい。この圧縮永久歪は、より好ましくは80〜20%の範囲であり、さらに好ましくは70〜30%の範囲である。圧縮永久歪が10%以上であることにより、ポリオキシメチレン樹脂組成物から得られる機構部品の耐衝撃性が十分となり、90%以下であることにより、樹脂組成物の二次収縮が良好となる。なお、圧縮永久歪は、JIS K6301に準拠して測定される。
エラストマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0037】
本実施形態に用いる動架橋エラストマーは、例えば、ラジカル架橋性エラストマーとラジカル架橋性を示さない樹脂とをラジカル開始剤の存在下で溶融混練しながら、ラジカル架橋性エラストマーを架橋することにより製造される。より具体的には、この動架橋エラストマーは、下記(1)〜(5)に代表される方法で製造され得る。また、柔軟性の指標である動架橋エラストマーの硬度(ASTM D2240タイプAに準拠)はその目的にもよるが、30〜90であると好ましい。この硬度が30以上であることにより、本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物から得られる機構部品は機械的性能、特に耐衝撃性や伸度が良好となり、90以下であることにより、本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物の硬度が良好なものとなる。
【0038】
(1)特開昭59−006236号公報に記載されている、オレフィン系ゴム及びオレフィン系樹脂を有機パーオキサイドで部分架橋せしめ、これにA−(B−A)n型のブロック共重合体を配合して動架橋エラストマーを得る方法。
(2)特開平03−292342号公報に記載されている、油添オレフィン共重合体ゴムと、オレフィン樹脂と、軟化剤とを有機過酸化物で架橋した後に水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを添加して動架橋エラストマーを得る方法。
(3)特開平07−11067号公報に記載されている、架橋ゴム含有熱可塑性エラストマーとスチレン系ブロック共重合体と軟化剤とポリオレフィン系樹脂とを混合して動架橋エラストマーを得る方法。
(4)特開平10−287775号公報に記載されている、特定のエチレン−αオレフィン共重合体、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなり水素添加してなるブロック共重合体、プロピレン系重合体、及び、ゴム用オイルからなる混合物をラジカル開始剤及び架橋助剤により架橋して、低硬度熱可塑性エラストマー組成物である動架橋エラストマーを得る方法。
(5)国際公開第2000/61681号パンフレットに記載されている、メタロセン触媒を用いて製造したエチレン−αオレフィン共重合体とオレフィン系樹脂とからなり、架橋度が50%以上であるエチレン−αオレフィン共重合体に、後から熱可塑性エラストマーを添加してゴム組成物である動架橋エラストマーを得る方法。
これらの中では、架橋度を高く制御できる(5)の方法が、動架橋エラストマーを得る方法としてより有効である。
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物において、エラストマーの含有割合は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、1〜10質量部であることが好ましく、2〜5質量部であることがより好ましい。エラストマーを前記範囲で含有すると、得られる機構部品は、成形性(剥離性)に優れ、また、トナーが介在する雰囲気下で使用する場合、摺動性に優れ、摺動音の発生が抑制される。
【0039】
[(C)潤滑剤]
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は、(C)潤滑剤を含有する。これにより、得られる機構部品は、トナーが介在する雰囲気下で使用する場合、摺動性に優れる。この潤滑剤は、アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸とのエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーン化合物及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であると好ましい。(C)潤滑剤がこのような成分であると、得られる機構部品は、成形性(剥離性)に優れ、また、トナーが介在する雰囲気下で使用する場合、摺動性に優れ、摺動音の発生が抑制される。
【0040】
アルコールとしては、例えば、1価アルコール及び多価アルコールが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。1価アルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコールなどの飽和若しくは不飽和の1価アルコールが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0041】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0042】
脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸、及びこれらの混合物が挙げられる。あるいは、これらの脂肪酸を含有する1種又は2種以上の天然に存在する脂肪酸であってもよく、上記例示した脂肪酸とこの天然に存在する脂肪酸との混合物であってもよい。
【0043】
あるいは、これらの脂肪酸の水素原子がヒドロキシ基で置換されたものであってもよい。さらには、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。
【0044】
アルコールと脂肪酸とのエステルとしては、例えば、下記に示すアルコールと脂肪酸とのエステルが挙げられる。アルコールとしては、例えば、1価アルコール及び多価アルコールが挙げられる。1価アルコールとして、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和若しくは不飽和の1価アルコールが挙げられる。
【0045】
多価アルコールとしては、2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールが挙げられ、より具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールが挙げられる。
【0046】
脂肪酸としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸、及びこれらの混合物が挙げられる。あるいは、これらの脂肪酸を含有する1種又は2種以上の天然に存在する脂肪酸であってもよく、上記例示した脂肪酸とこの天然に存在する脂肪酸との混合物であってもよい。
【0047】
あるいは、これらの脂肪酸の水素原子がヒドロキシ基で置換されたものであってもよい。さらには、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。
【0048】
上記アルコール、脂肪酸、及び、アルコールと脂肪酸とのエステルの中では、炭素数12以上の脂肪酸とアルコールとのエステルが好ましく、炭素数12以上の脂肪酸と炭素数10以上のアルコールとのエステルがより好ましく、炭素数12〜30の脂肪酸と炭素数10〜30のアルコールとのエステルが更に好ましい。
【0049】
アルコールとジカルボン酸とのエステルとしては、例えば、下記のアルコールとジカルボン酸とのモノエステル及びジエステル並びにそれらの混合物が挙げられる。アルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和若しくは不飽和の第1級アルコールが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカニン酸、ブラシリン酸、マレイン酸、フマール酸、グルタコン酸が挙げられる。これらのアルコールとジカルボン酸とのエステルの中では、炭素数10以上のアルコールとジカルボン酸とのエステルが好ましい。
【0050】
ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、下記の3種類の化合物が挙げられる。まず、第1のポリオキシアルキレングリコールとして、アルキレングリコールをモノマーとする重縮合物が挙げられる。その具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロックコポリマーが挙げられる。これらの重縮合物1分子当たりで重合したモノマーの数の好ましい範囲は5〜1000であり、より好ましい範囲は10〜500である。
【0051】
次に、第2のポリオキシアルキレングリコールとして、第1のポリオキシアルキレングリコールと脂肪族アルコールとのエーテル化合物が挙げられる。第2のポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:5〜50)、ポリエチレングリコールセチルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:5〜50)、ポリエチレングリコールステアリルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:5〜30)、ポリエチレングリコールラウリルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:5〜30)、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:5〜30)、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数2〜100)、ポリエチレングリコールオキチルフェニルエーテル(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:4〜50)が挙げられる。
【0052】
第3のポリオキシアルキレングリコールとして、第1のポリオキシアルキレングリコールと高級脂肪酸とのエステル化合物が挙げられる。第3のポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:2〜30)、ポリエチレングリコールモノステアレート(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:2〜50)、ポリエチレングリコールモノオレート(1分子当たりで重合したエチレンオキサイドの数:2〜50)が挙げられる。
【0053】
平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
【化11】
ここで、式(5)中、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はエーテル基である。vは平均重合度であり、10〜500を示す。アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−オクチルフェニル基、p−ノニルフェニル基、ベンジル基、p−ブチルベンジル基、トリル基、キシリル基が挙げられる。エーテル基としては、例えば、エチルエーテル基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基が挙げられる。
【0054】
上記オレフィン化合物を構成するモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、4−メチル−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
【0055】
また、上記オレフィン化合物を構成するモノマーとしては、例えば、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、シクロペンタジエン等のジオレフィン系モノマーも挙げられる。さらには、上記オレフィン化合物は、これらのオレフィン系モノマー及びジオレフィン系モノマーのうちの2種以上を共重合して得られる化合物であってもよい。上述のオレフィン化合物がジオレフィン系モノマーを重合して得られる化合物である場合、熱安定性向上の観点から、慣用の水素添加法を用いて炭素−炭素不飽和結合を極力少なくしたオレフィン化合物を用いる方が好ましい。
【0056】
オレフィン化合物を構成するオレフィン単位の平均重合度vは10〜500であり、好ましくは15〜300であり、更に好ましくは15〜100である。平均重合度vが前記範囲内であると、得られる機構部品は、初期の摺動特性や長期の摺動特性が向上する傾向にあると共に、金型汚染性への影響が抑制される。
【0057】
シリコーン化合物としては、例えば、シリコーンガム、並びに、ポリオレフィン系樹脂にシリコーンガムをグラフト反応させた樹脂が挙げられる。
【0058】
シリコーンガムとしては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。かかるシリコーンガムを、ポリオキシメチレン樹脂、ポリエチレン樹脂などの樹脂に予め高濃度に配合したマスターバッチも市販されており、これを用いてもよい。
【化12】
ここで、式(6)中、メチル基は、水素原子、アルキル基、フェニル基、エーテル基、エステル基、反応性置換基であるヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基、ビニル基、アリル基、ポリエーテル基、フッ素含有アルキル基で置換されてもよく、あるいは、これらの基を有する置換基で置換されてもよい。xは平均重合度であり、1000〜10000を示す。平均重合度xが前記範囲内であると、得られる機構部品は摺動性に優れる傾向にある。
【0059】
ポリオレフィン系樹脂にシリコーンガムをグラフト反応させた樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系樹脂にビニル基やアリル基を含有するシリコーンガムをグラフトさせたものが挙げられる。そのような樹脂として、東レダウコーニング(株)から、BY27−201、BY27−202、BY27−213、BY27−218、BY27−219、BY27−220(以上、いずれも商品名)などのグレードが市販されており、入手可能である。
【0060】
これらシリコーン化合物は、電気接点汚染の観点より、環状低分子モノマーやオリゴマー(D4〜D20)の含有量を極力少なくしたものが好ましい。
【0061】
潤滑剤としてのポリオレフィン系樹脂は、下記一般式(7)で表されるオレフィン系化合物の単独重合体、又は2種以上のそのオレフィン系化合物の共重合体、あるいは、それらの変性体であると好ましい。
【化13】
ここで、式(7)中、R8は水素原子又はメチル基を示し、R9は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、2〜5個の炭素原子を含むアルキルカルボキシル基、2〜5個の炭素原子を有するアシルオキシ基、又はビニル基を示す。
【0062】
かかるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、ポリプロピレン−ブテン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエンの水添物、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。また、上記共重合体としては、例えば、他のビニル化合物の一種以上をグラフトさせたグラフト共重合体、より具体的には、ポリエチレン−g−ポリスチレン、エチレングリシジルメタアクリレート共重合体−g−ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体−g−ポリスチレン、低密度ポリエチレン−g−アクリロニトリルスチレン共重合体、ポリプロピレン−g−アクリロニトリルストレン共重合体、エチレングリシジルメタアクリレート共重合体−g−アクリロニトリルスチレン共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体−g−アクリロニトリルスチレン共重合体が挙げられる。あるいは、上記変性体としては、上述のオレフィン系樹脂をα,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸等)又はその酸無水物で、必要により過酸化物を併用して変性したものが挙げられる。さらには、ポリオレフィン系樹脂として、上記オレフィン系化合物と酸無水物とを共重合したものであってもよい。
【0063】
これらの中では、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、低密度ポリエチレン−g−ポリスチレン、低密度ポリエチレン−g−アクリロニトリルスチレン共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体−g−アクリロニトリルスチレン共重合体が好ましい。これらポリオレフィン系樹脂は、特に制限されないが、メルトフローレイト(JIS K7210−4に準拠)が0.01g/10分〜150g/10分であると好ましく、さらに好ましくは0.1g/10分〜120g/10分であり、特に好ましくは0.5g/10分〜100g/10分である。当該メルトフローレイトが0.01g/10分以上であることにより、得られる機構部品は摺動性が良好となり、150g/10分以下であることにより、得られる機構部品は剥離が生じ難い。
【0064】
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物において、潤滑剤の含有割合は、上述のポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、好ましくは0.05〜10質量部であり、より好ましくは0.1〜7質量部であり、特に好ましくは0.1〜5質量部である。これらの潤滑剤が必要に応じて2種以上を組み合わせて用いられると、機構部品は摺動相手材に対応した性能が得られやすくなる。
【0065】
[無機充填剤]
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は、更に無機充填剤を含有することが好ましい。この無機充填剤は、体積平均粒子径が10μm以下であると好ましい。無機充填剤の形状としては、例えば針状、粒子状、板状が挙げられる。針状の無機充填剤としては、例えば、チタン酸カリ、酸化亜鉛、酸化チタン等のウイスカー、針状ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、微細カーボン繊維、カーボンナノチューブが挙げられる。粒子状の無機充填剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、導電性カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ネフェリンサイナイト、クリストバライト、ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、金属(好ましくは、Ti、Cr、Sb、Ni、Zn、Fe、Co、Al及びCuからなる群より選ばれる2種以上)の複合酸化物、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられる。板状の無機充填剤としては、例えば、マイカ、グラファイトが挙げられる。これらの無機充填剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0066】
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物に無機充填剤を添加する目的は、表面硬度の改良、導電性の付与、剛性の改良及び着色などが挙げられる。所望の目的を達成すべく無機充填剤を選択し、ポリオキシメチレン樹脂組成物に添加すればよい。無機充填剤は表面処理されたもの、又は表面処理されていないもののいずれも用いられる。ただし、機構部品表面の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施された無機充填剤が好ましい場合がある。表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。表面処理剤としては、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が挙げられる。より具体的には、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネートが挙げられる。また、無機充填剤をポリオキシメチレン樹脂組成物中により良好に分散するために、無機充填剤を予め高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩などで分散処理したもの、あるいは、無機充填剤をポリアセタール樹脂や他の樹脂と予め混練して得られるマスターバッチを用いることも当然可能である。
【0067】
本実施形態に用いる無機充填剤は、機構部品の耐摩擦摩耗性の観点から、その体積平均粒子径が10μm以下のものであると好ましく、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。無機充填剤の体積平均粒子径はレーザー回折法により測定される。
【0068】
無機充填剤を本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物に含有させる場合、その含有割合は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であると好ましく、より好ましくは0.1〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。無機充填剤の含有割合が前記範囲内であると、無機充填剤による機械的特性の向上効果が発揮され、得られる機構部品は、耐摩擦摩耗性や外観に優れる傾向にある。
【0069】
[安定剤]
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は、従来のポリオキシメチレン樹脂組成物に含まれる安定剤、例えば、熱安定剤、耐候(光)安定剤等の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて含有してもよい。熱安定剤としては、例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒドの捕捉剤、ギ酸の捕捉剤、並びにこれらの併用が、その効果をより有効に発揮するので好ましい。
【0070】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、具体的には、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)が挙げられる。
【0071】
また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、例えば、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミドも挙げられる。
【0072】
これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤のなかでも、トリエチレングリコールービス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0073】
ホルムアルデヒドの捕捉剤、ギ酸の捕捉剤としては、(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体、(ロ)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、及びカルボン酸塩が挙げられる。(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体としては、例えば、ジシアンジアミド、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドとの共縮合物、ポリアミド樹脂(例えばナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等)、ポリ−β−アラニン、ポリアクリルアミドが挙げられる。これらの中では、メラミンとホルムアルデヒドとの共縮合物、ポリアミド樹脂、ポリ−β−アラニン、ポリアクリルアミドが好ましく、ポリアミド樹脂及びポリ−β−アラニンが更に好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0074】
(ロ)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、及びカルボン酸塩としては、例えば、マグネシウム、カルシウム又はバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。より具体的には、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、硼酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、硼酸マグネシウム、及び上記金属の脂肪酸塩が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0075】
耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質及び(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。(イ)ベンゾトリアゾール系物質としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0076】
これらの中で、好ましくは2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。
【0077】
(ロ)シュウ酸アニリド系物質としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリドが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0078】
(ハ)ヒンダードアミン系物質としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。
【0079】
また、ヒンダードアミン系物質として、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレンも挙げられる。
【0080】
さらに、ヒンダードアミン系物質として、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレートも挙げられる、これらの中で好ましくは、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートである。上記ヒンダードアミン系物質は1種を単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0081】
耐候(光)安定剤としては、上記ベンゾトリアゾール系物質とシュウ酸アニリド系物質とヒンダードアミン系物質の組合せが特に好ましい。
【0082】
上記安定剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物における安定剤の好ましい組合せは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、特にトリエチレングリコールービス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)及び/又はテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン)と、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体、特にポリアミド樹脂及び/又はポリ−β−アラニンとの組合せである。この場合、安定剤の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1〜0.5質量部、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体0.1〜0.5質量部であると好ましい。
【0083】
[その他の添加剤]
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来のポリオキシメチレン樹脂組成物に用いられる各種の添加剤、例えば、潤滑材、耐衝撃改良材、他樹脂、結晶核剤、離型剤、染料、顔料などを含有してもよい。
【0084】
<ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に用いるポリオキシメチレン樹脂組成物は、例えば、上述の各成分を一般的に使用されている溶融混練機を用いて溶融混練することで製造される。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機が挙げられる。溶融混練時の加工温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のために不活性ガスによる置換や、一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
【0085】
<機構部品の製造方法>
本実施形態の機構部品は、上述のポリオキシメチレン樹脂組成物を所望の形状に成形することによって得られる。その成形方法としては、射出成形法、ホットランナー射出成形法、アウトサート成形法、インサート成形法、ガスアシスト中空射出成形法、金型の高周波加熱射出成形法、圧縮成形法、インフレーション成形、ブロー成形、押出成形、あるいは、押出成形品の切削加工等の成形法が挙げられる。本実施形態の機構部品は、上述のポリオキシメチレン樹脂組成物を用いる以外は従来と同様の成形方法によって得られるものであり、その用途に応じて、上述の成形方法を用いて所望の形状に成形して得られる。
【0086】
<用途>
以上説明した本実施形態の機構部品は、機械的性能に優れたポリオキシメチレンホモポリマー等の特徴を保持しつつ、トナー介在下での摺動性を向上させたものである。したがって、上述のポリオキシメチレン樹脂組成物を含有する機構部品は、ポリオキシメチレンホモポリマー等の用途拡大に寄与するものであり、トナーが介在するOA機器の機構部品に好適である。
【0087】
本実施形態の機構部品は、摺動する部品に用いることが好ましく、より具体的には、本実施形態の機構部品としては、例えば、軸受け、歯車、軸、ギア、カム、スライダー、レバー、リンク、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、リール、シャフト、関節、ハンドル、取っ手及びガイド等である。中でも、本実施形態の機構部品は、軸受け、歯車、カム、ローラー、アーム、レバー、リンク、ハンドル、取っ手及びガイドからなる群より選ばれるいずれかであることが好ましく、特に、電子写真画像形成装置におけるトナーが介在する部位に設置される機構部品であることが好ましい。
【0088】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【実施例】
【0089】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。始めに、実施例及び比較例で用いた各成分及び評価方法について説明する。
【0090】
[A.ポリアセタール樹脂]
(A1)ポリオキシメチレンホモポリマー
(A1)ポリオキシメチレンホモポリマーとして、メルトフローレイトが35.0g/10分(ISO 1133 Dに準拠)である両末端がアセチル基で封鎖されたポリオキシメチレンホモポリマー(旭化成ケミカルズ社製、商品名「テナック7010」、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」とも記す。)測定(ポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」とも記す。)換算)による数平均分子量:54000)を準備した。
【0091】
(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体
(A2)ポリオキシメチレンの線状重合体を下記のようにして調製した。まず、十分に脱水乾燥されたパラホルムアルデヒドを150℃で熱分解させ、冷却トラップを数回通すことにより、純度99.9%のホルムアルデヒドガスを得た。このホルムアルデヒドガスと、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加したC1837O(CH2CH2O)70H(ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物)及び触媒であるテトラブチルアンモニウムアセテートのトルエン溶液とを、それぞれ同時に3時間連続して重合機に供給し、重合体を製造した。この際の重合温度は60℃に維持した。なお、ホルムアルデヒドガスの供給量を1時間当たり110質量部として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを微量添加したC1837O(CH2CH2O)70H(ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物)及びテトラブチルアンモニウムアセテートのトルエン溶液の供給量を1時間当たり500質量部とした。また、トルエン溶液中におけるテトラブチルアンモニウムアセテートの濃度は1.0×10-4モル/リットル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加したC1837O(CH2CH2O)70Hの濃度は5.0×10-3モル/リットルとした。得られた重合体を含むトルエン溶液を供給量に見合って連続的に抜き出し、重合体をろ過によりトルエン溶液から分離した。
【0092】
ろ過後の重合体をアセトンで十分洗浄した後60℃にて真空乾燥し、289質量部の白色の重合体を得た。こうして得られた重合体のうち50質量部を、無水酢酸500質量部、酢酸カリウム0.1質量部と混合して139℃にて3時間加熱し、冷却した。その後、上述と同様にアセトンで重合体を十分に洗浄し、同様に60℃にて真空乾燥して、ポリオキシメチレンの線状重合体49質量部を回収した。
回収した重合体100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であるトリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)(チバガイギー社製、商品名「IRGANOX245」)0.5質量部、ポリ−β−アラニン0.5質量部を添加混合して、ベント付き単軸押出機で溶融混錬してすることにより、重合体組成物((A2)成分)を得た。得られた重合体組成物は、そのメルトフローレイトが17.0g/10分(ISO 1133 Dに準拠)、GPC測定(PMMA換算)による数平均分子量が67000であった。
【0093】
(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体
(A3)ポリオキシメチレンブロック共重合体を下記のようにして調製した。まず、熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸のパドル型連続重合機を80℃に調整した。該重合機に、水及びギ酸を合わせて4ppm添加したトリオキサンを40モル/時間で供給し、同時にコモノマーである環状ホルマールとして1,3−ジオキソランを2モル/時間で供給した。それと同時に、前記重合機に、重合触媒として、シクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対して5×10-5モルになるように連続的に供給し、また、連鎖移動剤として、下記式(8)
【化14】
で表される両末端ヒドロキシル基水素添加ポリブタジエン(数平均分子量(Mn)=2330)をトリオキサン1モルに対し1×10-3モルになるように連続的に供給し重合を行った。
【0094】
次いで、重合機から排出されたポリマーをトリエチルアミン1質量%水溶液中に投入し重合触媒の失活を完全に行った。その後、そのポリマーをろ過、洗浄して粗ポリオキシメチレン共重合体を得た。得られた粗ポリオキシメチレン共重合体の全量に対し、第4級アンモニウム化合物として、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムギ酸塩を窒素の量に換算して20質量ppmになるよう添加し、均一に混合した後、120℃で乾燥した。
【0095】
次に、乾燥後の粗ポリオキシメチレン共重合体100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.5質量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融している粗ポリオキシメチレン共重合体に必要に応じて水及びトリエチルアミンを添加し、押出機の設定温度を200℃、押出機における滞留時間を5分間に設定して粗ポリオキシメチレン共重合体の不安定末端部を分解した。不安定末端部を分解して得られたポリオキシメチレン共重合体は、ベント真空度20Torrの条件下で脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出されペレット化された。得られた(A3)ポリオキメチレンブロック共重合体はメルトフローレイト9.3g/10分(ISO 1133 Dに準拠)、GPC測定(PMMA換算)による数平均分子量が79000であった。
【0096】
(A4)ポリオキシメチレンコポリマー
メルトフローレイト9.1g/10分(ISO 1133 Dに準拠)であるポリオキシメチレンコポリマー(旭化成ケミカルズ社製、商品名「テナック−C 4520」、GPC測定(PMMA換算)による数平均分子量:83000)を準備した。
【0097】
[B.動架橋エラストマー]
(B1)ラジカル架橋性エラストマーとしてエンゲージ8180(商品名、デュポンダウエラストマーズ社製、エチレンとオクテンとの共重合体、αオレフィンの共重合体比率28重量%、密度0.863g/cm3、ショアA硬度66)100質量部と、ラジカル架橋性エラストマーとしてブロック共重合体(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン構造を有する共重合体(以下「SBS」と表記する。)、スチレン含有量20質量%、数平均分子量51000、ポリブタジエン部分の水素添加率99%)30質量部、ラジカル架橋性を示さない樹脂としてアイソタクチックホモポリプロピレン(日本ポリケム社製、商品名「MA2」、ASTM D1238に準拠したメルトインデックス15g/10分)40質量部を十分に混合した。
得られた混合物を、バレル中央部に注入口を有する2軸押出機(40mmφ、L/D=47、混練部をバレル中央部の両側に配置、シリンダー温度220℃)のホッパーに投入した。次いで、押出機の中央部の両側の注入口より、ラジカル開始剤(2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日本油脂(株)製、商品名「パーヘキサ25B」)0.4質量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼン1.3質量部とをポンプで注入した後、加熱混練して架橋反応させ、更にペレット化して組成物ペレットを得た。この得られた組成物ペレット170質量部を再び2軸押出機(シリンダー温度220℃)のホッパーに投入し、押出機の中央部にある注入口よりオイル(パラフィン系)110質量部を注入した。これらを加熱溶融混練し、さらにペレット化して、動架橋エラストマーを得た。得られた動架橋エラストマーを200℃での圧縮成形により2mm厚のシート状に成形し、各種機械特性を測定した。その結果を下記、及び表1に示す。
1) 引張破断強度(JIS K6251に準拠、23℃で測定):6.3MPa
2) 引張破断伸度(JIS K6251に準拠、23℃で測定):360%
3) 圧縮永久歪(JIS K6301に準拠、100℃×22時間で測定):34%
4) 表面硬度(2mm厚のシートを4枚重ね、ASTM D2240に準拠して測定):66
【0098】
(B2〜B4)表1に示す組成に代えた以外はB1と同様にして動架橋エラストマーを製造し、同様にして各種機械的特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0099】
[C.潤滑剤]
潤滑剤として下記のものを準備した。
(C1)エチレンプロピレン液状コポリマー(分子量600)
(C2)エチレンブテン共重合体(三井化学社製、商品名「タフマーA70090」)
(C3)ミリスチン酸セチルエステル
(C4)アジピン酸ジラウレート
(C5)シリコーングラフト化ポリオレフィン樹脂(東レダウコーニング社製、商品名「BY27−219」)
【0100】
[D.無機充填剤]
無機充填剤として下記のものを準備した。
(D1)レーザー回折法(日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分析計MT3200II)で測定した体積平均粒子径が3μmであるウォラストナイト。
(D2)レーザー回折法(日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分析計MT3200II)で測定した体積平均粒子径が200nmである炭酸カルシウム。
【0101】
[評価方法]
(1)成形性(剥離)評価
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した。その後、シリンダー温度200℃に設定された5オンス成形機(東芝機械(株)製、商品名「IS−100GN」)を用いて、金型温度90℃、冷却時間30秒間の条件で、乾燥した上記ペレットから剥離評価用歯車試験片を成形した。この歯車試験片を用いてNTカッターで2mm間隔で縦横6本づつ溝を形成することで25個の升目を形成した。その升目上に住友スリーエム(株)社製24mm幅テープを貼り付け、引き剥がすことにより剥離試験を行った。剥離した升目の数から下記の基準でランク付けした。
◎:剥がれ升目 0個
○:剥がれ升目 1〜5個
△:剥がれ升目 6〜12個
×:剥がれ升目 13個以上
【0102】
(2)トナー介在下での軸受け摺動性
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した。その後、シリンダー温度200℃に設定されたファナック(株)製、商品名「α50iA」を用いて、金型温度80℃、冷却時間15秒間の条件で、乾燥した上記ペレットから軸受け試験片を成形した。図1は、該軸受け試験片の断面を示した概略図である。
この軸受け試験片を用いて、ヤマテコーポレーション社製、商品名「軸受材 耐異物噛み込み性 測定装置」を、荷重1kg、回転数239rpm、間欠on/off=4/1秒、及び環境温度23℃の条件下で120時間稼動させて摺動試験を行った。当該試験にはトナーとして、市販の下記1)〜3)を用いた。
1)キヤノン社レーザービームプリンタLBP5050に用いられている黒、シアン、マゼンタ及びイエローのカラートナーを取り出し、ポリエチレン袋に各色100gを混合した混合物。
2)富士ゼロックス社カラー複合機DocuCentre−IIC4300に
用いられている黒、シアン、マゼンタ及びイエローのカラートナーを取り出し、ポリエチレン袋に各色100gを混合した混合物。
3)富士ゼロックス社カラー複合機DocuCentre−IIC4300で回収された
廃棄トナー(トナーと磁性体との混合物)。
自材(軸受け試験片)の摩耗量(mg)を測定し、摺動相手材として用いたステンレス鋼SUS416製軸及びメッキ処理した金属軸に発生した摺動痕を下記の基準でランク付けした。
1:摺動痕 なし
2:摺動痕 僅か(薄く、少なく)
3:摺動痕 あり(薄く、多く。又は深く、少なく)
4:摺動痕 多く(深く、多く)
5:摺動痕 無数(全面に深く)
【0103】
(3)トナー介在下での摺動音
上記(2)の摺動試験時に発生する摺動音を下記の基準でランク付けした。
◎:摺動試験終了まで摺動音の発生なし
○:摺動試験開始から96時間まで摺動音の発生なし
△:摺動試験開始から48時間以内に摺動音が発生
×;試験開始直後から摺動音発生
【0104】
(実施例1)
(A1)成分100質量部からなる(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B1)成分2質量部と、(C1)成分2質量部とをブレンダーで均一に混合してポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、210℃に設定されたL/D=42の26mmφ二軸押出機を用いて、スクリュー回転数100rpm、10kg/時間の条件で溶融混練しつつ押し出した。押し出された樹脂組成物はストランドカッターでペレットに成形した。このペレットについて上記評価を行った。その結果を表2に示す。
【0105】
(実施例2)
(A1)成分85質量部と(A2)成分10質量部と(A3)成分5質量部とからなる(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B1)成分2質量部と、(C1)成分2質量部とをブレンダーで均一に混合してポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、210℃に設定されたL/D=42の26mmφ二軸押出機を用いて、スクリュー回転数100rpm、10kg/時間の条件で溶融混練しつつ押し出した。押し出された樹脂組成物はストランドカッターでペレットに成形した。このペレットについて上記評価を行った。その結果を表2に示す。
【0106】
(実施例3〜15)
ポリオキシメチレン樹脂組成物の組成を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得、そのペレットについて上記評価を行った。その結果を表2に示す。
【0107】
(実施例16〜29)
ポリオキシメチレン樹脂組成物の組成を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得、そのペレットについて上記評価を行った。その結果を表3に示す。
【0108】
(比較例1〜12)
ポリオキシメチレン樹脂組成物の組成を表4に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得、そのペレットについて上記評価を行った。その結果を表4に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の機構部品は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置におけるトナーが介在する部位に設置される機構部品として有用である。
また、本発明の機構部品は、例えば、電子写真画像形成装置でのトナーが介在する機構部品において、自材及び摺動相手材双方の摺動性向上を実現し、長期使用における画質及び精度の維持並びに作動音発生の低減を実現し、更に電子写真画像形成装置用機構部品として好適な成形性(剥離性)を有し、かつ機械的物性に優れることから、軸受け、歯車、カム、ローラー、アーム、レバー、リンク、ハンドル、取っ手及びガイド等に有用である。
図1