(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
分散型治験システムおよび方法を、本明細書に開示する。以下の記載において、説明のために、多くの特別の詳細な記述が、実施形態例を十分に理解するために説明される。しかしながら、実施形態例が開示されたすべての特別の詳細な記述なしで実施されてもよいことは、当業者にとって明白だろう。
【0022】
図1は、少なくとも1つの治験をデザインし、シミュレートし、かつ実行するように構成された治験システム100の例のブロック図を示す。簡潔さおよび簡明さのために、以下の記載では、治験例のデザイン、シミュレーションおよび実行を記載する。同時であろうと順次であろうと、以下に記載される同じような方式で、複数の治験をデザインし、シミュレートし、実行することができることに留意するべきである。
【0023】
治験システム100は、治験投与システム104と、無作為化および治験供給管理(RTSM)システム120と、少なくとも1つの電子データ収集システム(EDC)176、190とを含む。治験システムは、また、治験プランナ110と、研究マネージャ111と、供給マネージャ112と、少なくとも1つの輸送マネージャ113
を備える少なくとも1つのデポ115と、複数の治験実施施設114、116、118とを含むことができる。治験プランナ110、研究マネージャ111、供給マネージャ112、輸送マネージャ113、治験実施施設114、118、118は、それぞれのコンピュータ装置により実現または操作することができる。通信網102は、前述のシステム104、120、176と、治験システム100におけるコンピュータ装置110〜118とを相互に接続する。
【0024】
通信網102は、治験システム100に関連する1つ以上のメッセージを伝送するように構成される。
通信網102上の伝送は、従来のプロトコルまたは今後展開されるプロトコルの任意の組み合わせに加えて、例えば、転送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)/IP、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)を介して達成することができる。
【0025】
コンピュータ装置110〜118は、治験に関する情報を送受信するために、通信網102を介して通信するように構成されたパーソナルコンピュータを含むことができる。コンピュータ装置
110〜118は、1つ以上のアプリケーションを実行し、治験システム100に関連する1つ以上のウェブページを表示することができるクライアント(例えばインターネット・エクスプローラー(登録商標))を含むことができる。ウェブページは、現在使用可能または今後展開される他の技術に加えて、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、エクステンシブルマークアップランゲージ(XML)、拡張可能HTML、および/または他のマークアップ言語を介して表示することができる。
【0026】
治験投与システム104は、治験実施施設114、116、118に関連する施設およびユーザに加えて、治験を設定および管理する治験プランナ(例えば開発業務受託機関)110を可能にするように構成される中央集権システムである。複数の治験およびそれらの関連する施設およびユーザのセットアップおよび管理に加えて、複数の治験プランナ110をサポートするように、治験システム100が構成されることに留意するべきである。
【0027】
治験投与システム104は、施設セットアップモジュール105と、ユーザセットアップモジュール106と、治験セットアップおよび管理モジュール107と、在庫デポセットアップモジュール109と、ユーザデータベース108とを含む。(RTSMシステム120およびEDCシステム176に関して以下でより詳細に記載されるように)RTSMシステム120および/またはEDCシステム176における治験システム100の治験を治験プランナ110が生成し管理することを可能にするように、治験セットアップおよび管理モジュール107を構成する。セットアップにおいては、治験に関連した治験IDを生成し、かつ、RTSMシステム120およびEDCシステム176に治験ID、施設ID(施設セットアップ105を介してセットアップ)を送信するように、治験セットアップおよび管理モジュール107を構成する。
【0028】
治験システム100を用いるユーザを認証し、一定のユーザが一定の治験にアクセスすること、かつこれらの治験の範囲内で治験システム100における一定のリソース(例えばシステムまたはサブシステム)にアクセスすることを認可し、治験のセットアップおよびランタイムの間に通信網102を介して、構成システム、コンピュータ装置120、176、110〜118を相互に接続するように、治験投与システム104をさらに構成する。
【0029】
治験実施施設114、116、118(施設ID)の例を設定し、かつユーザセットアップモジュール106を介して治験および1つ以上のユーザセットアップにこれらの治験実施施設を、治験プランナ110が関連づけることを可能にするように施設セットアップモジュール105を構成する。
【0030】
治験システム100における以下のものの認証に加えて、治験プランナ110、少なくとも1つ輸送マネージャ113、治験実施施設114、116、118に関連するユーザ、治験における他の役割のユーザを、治験プランナ110が設定することを可能にするように、ユーザセットアップモジュール106を構成する。治験システム100におけるユーザのユーザ名、パスワードおよび認証は、ユーザデータベース108における治験投与システム104により保存することができる。
【0031】
治験システム100における治験実施施設114〜118および輸送マネージャ113に関連する1つ以上のデポ115を、治験プランナ110が設定することを可能にするように、在庫デポセットアップモジュール109を構成する。各デポ115は、1つ以上の治験実施施設および1つ以上の輸送マネージャ113に関連することができる。明瞭さおよび簡潔さのために、1つのデポ115は、1つの輸送マネージャ113および治験実施施設114〜118に関連する。
【0032】
選択された無作為化デザインをシミュレートすることに加えて、治験のための無作為化および治療デザインを、治験プランナ110が選択しデザインすることを可能にするように、RTSMシステム120を構成する。RTSMシステム120は、治験投与インタフェース121と、ユーザインタフェース122と、EDCインタフェース123と、
ロジスティクスインタフェース125と、デザインおよびシミュレーションサブシステム124と、ランタイムサブシステム156とを含む。
【0033】
RTSMシステム120を治験投与システム104に相互連結させ、治験投与システム104から治験のための治験IDおよび施設IDを受信するように、治験投与インタフェース121を構成する。さらに、治験に関連する無作為化デザインおよび治療デザインを選択/構成し、かつ無作為化デザインをシミュレートするために、治験プランナ110がデザインおよびシミュレーションサブシステム124にアクセスすることを可能にするように、ユーザインタフェース122を構成する。治験のために必要な被験者の数を低減するために、デザインをシミュレートし構成することができる。無作為化デザインおよび治療デザインの選択/構成の後、ランタイムサブシステム156のランタイムデータベース158に、受信された治験ID、選択または構成された無作為化デザインの指示および治療デザインを格納するように、ユーザインタフェース122を構成する。
【0034】
ユーザインタフェース122を介して、治験(治験ID)のための無作為化デザインおよび治療デザインを選択し構成し、かつ無作為化デザインを、治験プランナ110がシミュレートすることを可能にするように、デザインおよびシミュレーションサブシステム124を構成する。デザインおよびシミュレーションサブシステム124は、無作為化デザイナ126と、無作為化シミュレータ138と、治療デザイナ148と、無作為化および物品データベース154とを含む。
【0035】
治験(治験ID)のための無作為化デザイン(複数の無作為化メトリクスを含む)を、治験プランナ110が構成し保存することを可能にするように、無作為化デザイナ126を構成する。
図11は、治験のための無作為化デザインの構成を可能にするために無作為化デザイナ126により生成されたウェブページ例を示す。無作為化デザイナ126は、治療群および治療群−被験者比率モジュール128と、無作為化因子モジュール130と、因子重みモジュール132と、無作為化の次善の確率(randomization−second−best−probability)モジュール134と、階層モジュール136とを含む。
【0036】
治験における治療群、および治験の治療群の間の被験者の比率の指定を可能にするように、治療群および治療群−被験者比率モジュール128を構成する。例えば、それぞれ1:2の比率をもつ2つの治療群があれば、RTSMシステム120は、被験者のうちの1/3を第1の治療群に割り当て、被験者のうちの2/3を第2の治療群に割り当てられるように、これらの治療群に被験者を割り当てることを試みるだろう。
【0037】
治験のための無作為化/均衡化因子の指定を可能にするように、無作為化因子モジュール130を構成する。例えば、年齢、性別、代謝率などのような無作為化因子、および/または治験で治療群に被験者の割り当てに関連した他の因子を指定することができる。
【0038】
無作為化因子モジュール130により示された無作為化因子のための無作為化重みの指定を可能にするように、因子重みモジュール132を構成する。
【0039】
以下でより詳細に
図7に記載されるように、確定的割り当てを緩和する、次善の治療群への被験者の割り当てに関連する確率のパーセンテージを示すように、無作為化の次善の確率モジュール134を構成する。
【0040】
各無作為化因子につき2つ以上の状態の指定を可能にするように、階層モジュール136を構成する。例えば、「性別」の無作為化因子に対して、2つ状態(すなわち「男性」および「女性」)が規定されるだろう。別の例として、「年齢」の無作為化因子に対して、複数の状態(25−35、35−45、45−55、55−65、および65を超えるなど)を指定することができるかもしれない。
【0041】
モジュール128−136を用いて無作為化デザインが一旦構成されれば、治験プランナ110は、無作為化および物品データベース154に、無作為化デザイナ126を介して(「保存」指示などを介して)、治験(治験ID)のための無作為化デザインを保存することができる。
【0042】
治験のために保存された無作為化デザインを、治験プランナ110がシミュレートすることを可能にするように、無作為化シミュレータ138を構成する。1つ以上のシミュレーションを、生成し、保存し、実行することができる。シミュレーションおよびそれらの結果は、無作為化および物品データベース
154に保存することができる。
図12は、治験のための無作為化デザインを設定しシミュレートするために、無作為化シミュレータ138により生成されたウェブページ例を示す。治験に登録されるように要求される被験者数を最小限にすることを含む治験の要件を無作為化デザインが満たすことを確認するために、シミュレーションを用いることができる。無作為化シミュレータ138は、シミュレーションセットアップモジュール140と、実行モジュール142と、結果モジュール144と、分析モジュール146とを含む。
【0043】
シミュレーションセットアップモジュール140は、無作為化シミュレーションのために治験プランナ110から、シミュレーション実行数、被験者数、施設数、および階層構成比率などのシミュレーションメトリクス(シミュレートされた被験者が階層に属するように生成される確率をまとめて示す)を受信するように構成される。
【0044】
受信されたシミュレーションメトリクスに従ってシミュレーションを実行するように実行モジュール142を構成する。実行モジュール142は、受信されたシミュレーション実行番号により示されるようにシミュレーション実行を生成し、生成された各シミュレーション実行の範囲内で、受信された被験者番号により示されるようにシミュレートされる被験者を生成する。シミュレートされる各被験者は、治験実施施設、および残りの受信されたシミュレーションメトリクスにより制御された確率的プロセスにおける階層に属するようにそれぞれ生成される。例えば、それぞれ構成比率1:2をもつ2つの階層があれば、プロセスは、第1の階層に属するシミュレートされる被験者を生成する1/3の確率と、第2の階層に属するようにシミュレートされる被験者を生成する2/3の確率を与えるだろう。
【0045】
一旦シミュレートされた被験者が生成されれば、実行モジュール142は、上記の無作為化デザイナ126を介して構成された無作為化デザインの無作為化メトリクスに従って、シミュレートされる被験者を治療群に無作為化するためにアルゴリズム的インタフェース160を用いて、
図1のランダマイザ162と通信する。
【0046】
実行されたシミュレーションの結果を表示するように、結果モジュール144を構成する。表示された結果は、実行された各シミュレーションに対して、そのシミュレーションメトリクス、開始時刻および終了時刻、合計の実行時間を含むことができる。シミュレーション結果ウェブページ例を
図13に示す。表示されたシミュレーション結果は、シミュレーションの実行の各々に対して、以下の被験者グループの各々の治験治療群にわたる被験者の分布を示すことができる。(i)特定の実行におけるすべての被験者、(ii)各施設に対して、その施設に属する被験者、(iii)各因子の各状態に対して、その因子のその状態に属する被験者、(iv)各階層に対して、その階層に属する被験者。
【0047】
各々の実行のために実行モジュール142により生み出された結果、および平均、標準偏差、被験者の最小数、およびシミュレートされた被験者の特定グループの均衡が保たれていない回数などのような現在の統計的有意量を集約し分析するように、分析モジュール146を構成する。
【0048】
治験プランナ(デザイナ)110が最近の研究に既存の研究のデザインをインポートする、または最近の研究を既存の研究のデザインにリンクすることを可能にするように、デザインセレクタ147を構成する。デザインセレクタ147は、複製デザインモジュール151と、共有デザインモジュール153とを含む。複製デザインモジュール151は、既存の研究のデザインを最近の研究にインポートするための機能を提供する。最近の研究のデザインへの変更は、既存の研究に影響を与えないし、逆もまた同様である。共有デザインモジュール153は、既存の研究デザインのあらゆる変更が最近の研究のデザインに影響を与えるように(逆もまた同様)、最近の研究を既存の研究のデザインにリンクするための機能を提供する。
【0049】
治験(治験ID)のための治療デザインを治験プランナ110が構成し保存することを可能にするように、治療デザイナ148を構成する。
図15および
図16は、治験のための治療デザインを構成するために治療デザイナ148により生成されたウェブページ例を示す。治療デザイナ148は、物品モジュール150と、治療群処理モジュール152とを含む。
【0050】
治験プランナ110または研究マネージャ111に現在の研究デザインに関する詳細報告を提供するように、デザイン報告モジュール149を構成する。そのレポートは、研究の治療群および比率、無作為化の因子および階層、無作為化の重み、無作為化の確率、および物品のタイプおよび治療を列挙し説明する。本明細書に記載されるような研究デザインに関連する他の因子、特徴または態様を、レポートに含むことができる。
【0051】
治験プランナ110から1つ以上の物品タイプおよびそれらの物品タイプのための関連する分配メトリクスの定義または指示を受信するように、物品モジュール150を構成する。例えば、「物品タイプ1」は「アスピリン×325mg×1錠」として定義することができる。別の例として、「物品タイプ2」は「アスピリン×81mg×1錠」になり得る。定義された物品に関連する治験実施施設のための分配メトリクスは、また、物品の分配と有効期限との間の最小日数の指示を含むことができる物品タイプに関連する追加的な分配メトリクスを提供することができる。
【0052】
治験の各治療群に関連する治療を治験プランナ110から受信するように、治療群処理モジュール152を構成する。その治療は、「物品タイプ」および物品タイプのための「ユニット番号」の指示により構成される。例えば、治療群1は、1ユニットの「物品タイプ1」から構成される治療を受けることができ、治療群2は、1ユニットの「物品タイプ2」を受けることができ、その一方で、治療群3は、1ユニットの「物品タイプ1」および2ユニットの「物品タイプ2」を受けることができる。
【0053】
前述の例が物品モジュール150および治療群処理モジュール152を示すように意図されている一方で、治療が治療デザイナ148を介してこれらの物品の個別のユニットから構成されたように、治験プランナ110が様々な物品(個別の薬剤および投薬量)を同様に構成することができることを、理解するべきである。
【0054】
無作為化および物品データベース154は、治療デザイナ148を介して構成された治療デザインだけでなく、無作為化デザイナ126を介して構成された無作為化デザイン、無作為化シミュレータ138により生成されたシミュレーション結果を保存する。
【0055】
ランタイムサブシステム156は、治験の被験者のための無作為化および物品分配と同様に、治験管理を提供するように構成される。ランタイムサブシステムは、ランタイムデータベース
158と、アルゴリズムインタフェース160と、治験マネージャ166とを含む。ランタイムデータベース156は、被験者レコード、在庫品目およびバッチレコードを含むライブデータ、および治験のための輸送レコードと同様に、治験IDを含む治験のためのデータ、施設ID、無作為化デザイン、治療デザインを保存する。
【0056】
治験の治療群に被験者を割り当てる(無作為化する)要求を受信し、かつ被験者に分配するべきための物品タイプのユニットのセットを示すように、1つ以上の個別の治験EDCとのインタフェースを確立するように、EDCインタフェース123を構成する。EDCインタフェース123は、ランダマイザ162および物品ディスペンサ164(それぞれ、治験の治療群に被験者を割り当てて、物品タイプのユニットを識別する)を含むアルゴリズムインタフェース160とのインタフェースを確立する。アルゴリズムインタフェース160は、また、輸送(シッパ(shipper))アルゴリズム165も含む。EDCインタフェース123は、要求する治験EDCに被験者割り当ておよびユニット識別を戻す。
【0057】
治験EDC176に関して以下で詳細に記載されるように、治験EDC176の無作為化カスタム機能(CF)186から無作為化データ(例えば治験ID、施設ID、被験者ID、および無作為化デザインにおいて定義された各々の因子の被験者IDの状態)を受信するように、ランダマイザ162を構成する。上記のように、無作為化シミュレータ138からシミュレートされる無作為化データ(例えばシミュレートされる治験ID、施設ID、被験者ID、および無作為化デザインにおいて定義された各々の因子の被験者IDの状態)を受信するように、ランダマイザ162も構成する。
【0058】
治験IDに対する無作為化デザインを検索するように、ランダマイザ162をさらに構成する。1つの実施形態において、ランダマイザ162は、ランタイムデータベース158から治験IDに関連する無作為化デザインの指示を検索し、その指示に基づいて無作為化および物品データベース154から無作為化デザインをさらに検索する。別の実施形態において、シミュレートされる治験IDに対する無作為化デザインを無作為化および物品データベース154から検索するように、ランダマイザ162を構成する。
【0059】
治験ID、施設ID、被験者ID、因子の状態および治療群ID割り当てをランタイムデータベース158に格納するのと同様に、無作為化デザインに基づいて治験(治験ID)の治療群(治療群ID)に被験者(被験者ID)を割り当てるように(無作為化する)、ランダマイザ16を構成する。治験の治療群への被験者割り当てを、
図7を参照して以下でより詳細に記載する。治験EDC176の無作為化CF186に無作為化インジケータ(被験者が治験に割り当てられた(無作為化された)ことを示す)を送信するように、ランダマイザ162をさらに構成する。シミュレーションのために、シミュレートされたデータおよび割り当てを無作為化および物品データベース154に格納し、かつ無作為化インジケータを無作為化シミュレータ138に戻すように、ランダマイザ162を同様に構成する。
【0060】
治験EDC176に関連して以下でより詳細に記載されるように、治験EDC176の分配CF188から物品分配データ(例えば治験ID、施設ID、被験者ID、および訪問ID)を受信するように、物品ディスペンサ164を構成する。ランタイムデータベース158から被験者IDに対する治療群ID(被験者IDがどの治療群に割り当てられるか示す)を検索するように、物品ディスペンサ164をさらに構成する。無作為化および物品データベース154内の治験IDに関連する治療デザインから治療群IDに対する治療法(例えば物品の1ユニット以上のセット)を判定するように、物品ディスペンサ164をさらに構成する。さらに、施設IDに対する分配メトリクスに従う、治験IDに関連する在庫に十分なユニットの物品があるか否かを判定するように、物品ディスペンサ164を構成する。そうであれば、物品ディスペンサ164は、被験者IDに分配するために治験EDC176の分配CF188に物品のユニットのセットを送信する。物品ディスペンサ164は、また、被験者IDに分配されたユニットのセットに基づいて治験IDに対する在庫を調整するように構成される。
【0061】
ロジスティクスインタフェース125は、アルゴリズムインタフェース160と、研究マネージャ111および供給マネージャ112とのインタフェースを確立する。より具体的には、ロジスティクスインタフェース125は、治験実施施設114〜118に対する「供給プラン」を研究マネージャ111および供給マネージャ112が設定することを可能にする。
【0062】
供給プランは、供給プランを割り当てる治験実施施設(例えば治験実施施設114〜118)のために輸送アルゴリズム165が供給プランを保存することを目標とするトリガおよび供給レベルを判定する。個別の供給プランを、個別の治験実施施設用に定義することができる。供給プランは、その供給プランに関連する治験実施施設にどのように供給するのかを定義する。各供給プランは、(i)一意的な名前と、(ii)各物品タイプに対して4つのパラメータ((a)輸送と有効期限との間の最小数日、(b)初期の施設ストッキングレベル、(c)再供給閾値、および(d)再供給ストッキングレベル)と、(iii)研究のためのデフォルトとして供給プランを設定するパラメータとを定義する。
【0063】
図22に関連してより詳細に記載されるように、ロジスティクスインタフェース125は、供給プランを管理するためのいくつかのユーザインタフェース((i)供給プランリストインタフェースと(2)供給プラン管理インタフェース)画面を提供する。供給プラン管理インタフェースは、特定の供給プランの詳細な記述を示し、供給プランを追加、変更、削除するために用いられる。供給プランリストインタフェースは、供給プランのリストを示す。
【0064】
輸送アルゴリズム165は、周期的に、または要求に際して実行される。いくつかの実施形態において、輸送モジュール172は、アルゴリズムインタフェース160を介して周期的に(例えば毎夜)輸送アルゴリズム165を実行することができる。あるいは(またはさらに)、輸送マネージャ113、研究マネージャ111および供給マネージャ112は、また、ロジスティクスインタフェース125などを介してのように、輸送ユーザインタフェース(例えば
図19)から輸送アルゴリズム165を手動で実行することができる。
【0065】
輸送アルゴリズム165がすべての治験実施施設およびすべての物品タイプに対して実行されるとき、それはいずれかである治験実施施設において使用可能な(a1をこのような品目の数とする)、または現在その施設に輸送されている(a2をこのような品目の数とする)、またはその治験実施施設に輸送されるために割り当てられる(a3をこのような品目の数とする)その物品タイプの品目数を、治験実施施設の供給プランにおいて定義されるようなその物品タイプ(tをこのような品目の数とする)のための閾値数と比較する。
【0066】
したがって、a1+a2+a3≦tである場合、輸送アルゴリズム165は、治験実施施設の関連するデポ115における輸送に使用可能なその物品タイプの新たな品目を新たな輸送に割り当てるだろう。ここで、rは治験実施施設の供給プランのその物品タイプに対して設定された再供給ターゲットであり、輸送アルゴリズム165は、輸送のためのr−(al+a2+a3)個の品目を割り当てるだろう。輸送アルゴリズム165が治験実施施設の供給プランにおいて設定された「輸送と有効期限との間の最小日数」値よりも遅い有効期限を有する品目をその治験実施施設に割り当てるのみであろうことに、留意するべきである。品目が上記の制限を満たす限り、輸送アルゴリズム165は、遅い有効期限日をもつ品目ではなく、より早い有効期限日をもつ品目を輸送することも好むだろう。
【0067】
輸送アルゴリズム165は、すべての物品タイプの端から端まで行き来し、一旦完了すると、特定の治験実施施設に対する輸送のために割り当てられたすべての品目は、新たな輸送レコードに集められるだろう。その後、輸送アルゴリズム165は、新たに保留にする輸送(輸送レコード)の存在に対して警告しながら、(治験実施施設に関連する)デポ115に関連する任意の輸送マネージャ113と同様、供給マネージャ112に電子メールを発行(および送信)することができる。
【0068】
このような電子メールにおいて備えられるリンクをたどることにより、デポ115に関連する輸送マネージャ113は、輸送レコードにアクセスし、輸送のために要求されたアイテムリストをレビューし、それらの品目を輸送し、その後、輸送を確認することができる。輸送マネージャ113は、また、輸送における品目の状態を、再度「輸送可能」にリセットして、輸送を取り消すことができる。輸送を取り消すことは、その輸送における在庫品目を、それらのバッチが現在関連するデポ115における「輸送可能」状態に割り当てるということに、留意するべきである。例えば、輸送sに対する要求がデポd1に対して生成される場合、在庫品目iは、この輸送に含まれ、品目iは、バッチbに属する(これはbがデポd1と同様に割り当てられる場合にのみ起こり得るかもしれない)。この例において、出荷請求sが生成された後、バッチbがデポd2に再び割り当てられると想定する。したがって、輸送sが取り消される場合、デポd2における「出荷可能」のものとして、品目iがマークされる。
【0069】
さらに、デポ115がストックを使い切る場合と同様に、要求された輸送に対して電子メール通知を発行するように、また輸送アルゴリズム165を構成する。
【0070】
治験マネージャ166(それはユーザインタフェース122を介してアクセスできる)は、治験プランナ110、研究マネージャ111、供給マネージャ112および輸送マネージャ113のなどの治験システム100の個別のユーザ、および治験実施施設114−118から職員に対して管理機能を提供するように構成される。治験マネージャ166は、施設モジュール168と、被験者モジュール170と、輸送モジュール172と、在庫モジュール174とを含む。
【0071】
治験プランナ110が一般に治験投与システム104の施設セットアップ105を介して治験実施施設を構成し、在庫デポセットアップ109を介してデポ115を構成する一方で、治験における治験実施施設の各々に関連するRTSMパラメータを研究マネージャ111が管理することを可能にするように、施設モジュール168を構成する。
図17は、1つ以上の治験実施施設(例えば治験実施施設1114、116、118)を含む、治験のために施設モジュール168により生成されたウェブページ例を示す。各治験実施施設に対して、施設モジュール168は、番号(施設ID)、治験実施施設に無作為化された被験者番号、治験実施施設への輸送番号および治験実施施設における在庫品目番号を示すだけでなく、治験実施施設に対してデポ(例えばデポ115)の供給プランおよび割り当てのセットアップを可能にするように構成される。デポ(例えばデポ115)から治験実施施設(例えば治験実施施設114〜118)の各々への薬剤輸送を研究マネージャ111がアクティブにする/非アクティブにすることを可能にするように、さらに施設モジュール168を構成する。
【0072】
さらに、供給プランは、施設モジュール168において重要な役割を果たす。施設モジュール168は、各施設に対してそれが関連づけられる供給プランを割り当て提供するように構成され、供給プランに「集団(en mass)」に治験実施施設を割り当てることができる。
【0073】
研究マネージャ111および治験実施施設114−118が治験における被験者を管理することを可能にするように、被験者モジュール170を構成する。
図18は、1人以上の被験者(被験者ID)を含む治験のために被験者モジュール170により生成されたウェブページ例を示す。1つの実施形態において、各被験者IDに対して、被験者モジュール170は、階層、治験実施施設(施設ID)、治験治療群(治療群ID)、治療群選択方法および、被験者が治験治療群に割り当てられた(無作為化された)ときの治療選択方法を提供するように構成される。被験者モジュール170により様々なユーザに表示される治験の実データは、治験投与システム104のユーザセットアップモジュール106により提供されるそれらの認証(または許可)に左右される。
【0074】
重要なことには、これらの許可は、治験における被験者母集団へのユーザアクセスの範囲を限定する。例えば、研究マネージャ111が、複数の治験実施施設に登録された被験者のリストを調べる可能性があるのに対して、治験実施施設114は、その治験実施施設に属する被験者のみを調べる可能性がある。さらに、個別のユーザは、同じ被験者に対して個別のディスプレイを有することができる。例えば、研究マネージャ111は、被験者の治療群割り当てを調べるためにアクセスしてもよいが、一方で、治験実施施設114〜118などの他のユーザは、治療群割り当てに同様にアクセスしなくてもよい。
【0075】
ランタイムにおける研究デザインを(すなわち研究が既に公開された後)、治験プランナ(デザイナ)110が修正または更新することを可能にするように、デザインアップデートモジュール171を構成する。デザインアップデートモジュールは、治療群比率モジュール128を介して研究治療群の比率、因子重みモジュール132を介して無作為化因子の重み、無作為化確率モジュール134を介して確率のパーセンテージ、および物品モジュール150を介して分配と有効期限との間の最小時間の変更を可能にする。
【0076】
治験における物品輸送を管理する輸送マネージャ113だけでなく、供給マネージャ112、治験実施施設114〜118を作動させるように、輸送モジュール172を構成する。
図19は、1つ以上の輸送を含む、治験のために輸送モジュール172により生成されたウェブページ例を示す。1つ以上の輸送の各々は、輸送の名前、治験実施施設(施設ID)輸送マネージャによりデポから輸送された輸送の日付(輸送の日付は治験実施施設にて受信される)、輸送に関連するトラッキング番号、および輸送における輸送された物品のユニットを含むことができる。輸送モジュール172は、輸送マネージャ113が消費されるような輸送に対して指定された品目をマークし、かつ輸送における介在物に対する置換を要求することを可能にするように構成された「消費および補充」機能を含む。治験投与システム104を介して構成されたユーザの許可は、また、輸送モジュールにより表示されたデータにも影響を与える。その許可は、治験における輸送へのユーザアクセスの範囲を限定する。例えば、治験実施施設114は、治験実施施設114を目的地とした輸送を参照することができるだろうが、治験実施施設116を目的地とした輸送を参照することはできないだろう。同様に、輸送マネージャ113は、輸送マネージャ113が関するデポ115から生じる輸送を単に参照することはできるが、他のデポ(図示せず)から生じる輸送を参照することはできない。
【0077】
非盲検モジュール173は、被験者または品目のための被験者非盲検または品目非盲検をそれぞれ認可するように構成される。ほとんどの治験において、被験者は「盲検化」(例えば、研究治療群の被験者が無作為化されたか、およびどの物品タイプ在庫品目が属するかについての開示なしで)のまま置かれる。非盲検モジュール173は、許可されたユーザがこの情報にアクセスすることを可能にする。この動作は、以下で記載されるような監査モジュール169により監査することができる。
【0078】
監査モジュール169は、あらゆる被験者、在庫品目、在庫バッチまたは輸送レコードに生じるあらゆる変化だけでなく、研究デザインに、供給プランに、デポまたは供給プランに関連する施設になされるあらゆる変化を研究マネージャ111が監査するか調べることを可能にするように構成される。
【0079】
治験プランナ110、研究マネージャ111、輸送マネージャ113および治験実施施設114〜118が治験に関連した在庫を管理することを可能にするように、在庫モジュール174を構成する。
図19および
図20は、治験のために在庫モジュール174により生成されたウェブページ例を示す。例えば、
図19は、財産目緑品目リストを示し、その一方で、
図20は、治験マネージャ111または輸送マネージャ113からユーザインタフェース122を介して在庫モジュール174によりランタイムデータベース158内の治験在庫にアップロードされたバッチ品目リストを示す。再び、ユーザの許可は、使用可能なアイテムリストおよび各品目の使用可能な情報のユーザへの範囲を限定する。
【0080】
治験実施施設114、116、118およびRTSM120から治験に関連するデータを受信し保存するように、EDCシステム176を構成する。EDCシステム176は、RTSMシステム120と通信するために本明細書に記載されたカスタム機能を実行することができる、いかなる治験データ収集システムにもなり得る。EDC176は、治験データベース178と、治験セットアップサブシステム180と、治験ランタイムサブシステム182とを含む。EDCシステム176のこれらのサブシステムは遺漏がないわけではないが、本出願において記載されるRTSMシステム120およびEDCシステム176の統合化を示すのが目的である。したがって、特定のEDCシステム176は、1つ以上の追加的なサブシステムまたは構成要素を含むことができる。
【0081】
治験データベース178は、治験の間に被験者のために収集された臨床情報だけでなく、被験者、治験実施施設および分配された物品の単位などの治験に関連するデータを保存する。治験実施施設(例えば治験実施施設114)が治験投与システム104にログインするときに、治験投与システム104から治験に関連する治験IDおよび施設IDを受信するように、治験セットアップサブシステム180を構成する。治験データベース178において受信される治験ID、施設IDおよび関連する治験データを格納し保存するように、治験セットアップサブシステム180をさらに構成する。
【0082】
治験実施施設(例えば治験実施施設114)から被験者のデータを受信し、かつ被験者を治験に登録するように、治験ランタイムサブシステム182を構成する。治験実施施設114、116、118の各々から複数の被験者を登録することができることに留意するべきである。治験に登録された被験者を無作為化し、かつRTSMシステム120を介して被験者に適切な薬剤を分配するように、治験ランタイムサブシステム182をさらに構成する。治験ランタイムサブシステム182は、被験者データ入力モジュール184と、無作為化CF186と、分配CF188とを含む。
【0083】
例えば治験実施施設114から、治験に登録されるべき被験者に関連するデータを受信するように、被験者データ入力モジュール184を構成する。このデータは、被験者の登録同意書と、被験者(例えば名前および連絡先情報)に関連する個人データとを含むことができる。受信データは、また、RTSM120のランダマイザ162に関連して上記に記載されたように、治験における被験者の無作為化のために必要とされる1つ以上の因子の各々における被験者の状態を含む。治験の開始時または治験の間に被験者情報を収集する他の臨床情報システムを備えたEDCシステム176の統合化を介して、因子の状態も被験者データ入力モジュール184により受信することができることに留意するべきである。被験者データ入力モジュール184は、登録された被験者の被験者IDを割り当て、かつ治験データベースに被験者IDに対して新たな被験者レコード(治験ID、施設ID、因子の状態、および被験者のための治験実施施設(例えば治験実施施設114)から受信された他の情報を含む)を追加するようにさらに構成される。
【0084】
被験者IDを無作為化するように、無作為化CF186を構成する。具体的には、無作為化CF186は、被験者データ入力モジュール184により受信された入力を介して登録された被験者(被験者ID)の無作為化を引き起こしたか否かを判定する。無作為化を引き起こすトリガは、被験者ID(例えば治験実施施設114から)に対して無作為化のために必要とされる入力がすべて受信されたか否かに基づいて自動的に判定することができ、または、治験実施施設(例えば治験実施施設114)からユーザが起動できる。一旦引き起こせば、無作為化CF186は、治験ID、施設ID、被験者ID、および因子内の被験者の状態をRTSM無作為化データに変換するように構成される。無作為化CF186は、RTSM無作為化データをRTSMシステム120のEDCインタフェース123に送信し、被験者IDの成功した割り当て(無作為化)を示す無作為化インジケータを治験の治療群に受信するようにさらに構成される。無作為化CF186は、治験データベース178における被験者IDのレコードに無作為化インジケータを格納する。
【0085】
分配CF188は治験実施施設(例えば治験実施施設114)への訪問で被験者IDに分配するための物品の単位数を判定するように構成される。その訪問は、訪問IDにより示され、被験者IDが治験および/または遅い訪問に登録され無作為化されるのと同時である場合がある。訪問IDは、分配をユニークに識別するあらゆる文字数字の列(例えば日付インジケータ)であり得る。分配CF188は、ユーザ起動の入力などを介して、治験実施施設(例えば治験実施施設114)により被験者IDへの分配を引き起こしたか否かを判定する。一旦引き起こせば、分配CF188は、被験者IDに関連する被験者のレコードに対して分配レコード(分配指示を含む)を追加する。分配CF188は、治験ID、施設ID、被験者ID、訪問IDをRTSM分配データに変換するように構成される。分配CF188は、RTSM分配データをRTSMシステム120のEDCインタフェース123に送信し、被験者IDに分配されるインジケータの1ユニット以上のセットを受信するようにさらに構成される。分配CF188は、治験データベース178における被験者IDの訪問レコードに分配ユニットインジケータを格納する。
【0086】
図2は、治験のための無作為化デザインを構成するための方法200の例のフローチャートを示す。
図1に示したように、治験プランナ110が無作為化デザインを構成するために無作為化デザイナ126を起動または実行する工程202において、方法200は開始する。工程204において、治験のための複数の治験治療群を受信する。ゼロ以上の無作為化因子(年齢、性別および/または1以上の他の因子など)を、工程206で受信する。工程208において、工程206の無作為化因子だけでなく、治験、治験実施施設および階層に関連する重みを受信する。工程210において、被験者の無作為化に関連する次善の確率のパーセンテージを受信する。工程206で受信した無作為化因子の各々に対し、2以上の階層状態を工程212で受信する。工程214において、受信されたデザインメトリクスをもつ無作為化デザインを、例えば無作為化および物品データベース154に保存する。
【0087】
図3は、
図2に従って生成された無作為化設計の無作為化シミュレーションを行なうための方法300の例のフローチャートを示す。図に示したように、治験プランナ110が無作為化シミュレーションを行うために無作為化シミュレータ138を起動または実行する工程302において、方法300は開始する。工程304において、無作為化シミュレーションのためのシミュレーションメトリクスを受信する。シミュレーションメトリクスは、階層分布だけでなく、実行回数、被験者および治験実施施設を含むことができる。工程306において、
図2において生成された無作為化デザインに基づいて、受信されたシミュレーションメトリクスに従って無作為化シミュレーションを実行する。工程308において、シミュレーションのシミュレーション結果を、
図1に示した無作為化および物品データベース
154などに保存する。
【0088】
工程310において、無作為化シミュレーションが無作為化デザインのために満足な結果をもたらしたか否かについて判定がなされる。シミュレーション結果が満足であるか否かを判定する理由は、被験者の1つ以上のグループ(例えば、全体の治験における被験者のグループ、治験実施施設における被験者のグループ、被験者因子の状態に対するグループ、および被験者階層に対するグループ)での実行の中の不均衡な高頻度(グループの1つ以上の内の少なくとも1つの治療群に割り当てられた少なすぎる被験者または多すぎる被験者、または実行の間での高すぎる可変性)を含むことができる(但し制限されない)。
【0089】
工程310においてシミュレーション結果が満足であったと判定した場合、方法は、工程318で終了する。但し、工程310においてシミュレーション結果が満足ではなかったと判定した場合、無作為化デザインを更新するべきか否かについて判定がなされる工程312において、方法300は継続する。工程312において無作為化デザインを更新するべきでないと判定した場合、方法は、工程304において、無作為化シミュレーションのために更新されるシミュレーションメトリクスを受信し続け、シミュレーションは、工程306において、更新されたシミュレーションメトリクスおよびあらかじめ保存された無作為化デザインに従って実行される。
【0090】
工程312において無作為化デザインを更新するべきであると判定した場合、方法は、工程314において、無作為化デザイン(無作為化デザインのデザインメトリクス)を更新するための
図2の方法200を起動し続ける。工程316において、無作為化シミュレーションのためのシミュレーションメトリクスを更新するべきか否かの判定をする。
【0091】
工程316においてシミュレーションメトリクスを更新するべきであると判定した場合、方法300は、工程304において無作為化シミュレーションのためのシミュレーションメトリクスを受信し続ける。工程306において、更新されたシミュレーションメトリクスおよび更新された無作為化デザインに従って、シミュレーションを実行する。
【0092】
但し、工程316においてシミュレーションメトリクスを更新するべきでないと判定した場合、方法は、工程306において、あらかじめ受信されたシミュレーションメトリクスおよび更新された無作為化デザインに従って無作為化シミュレーションを実行し続ける。
【0093】
図4は、治験のための治療デザインを構成するための方法400の例のフローチャートを示す。
図1に示したように、治験プランナ110が治療デザインを構成するために治療デザイナ148を起動または実行する工程402において、方法400は開始する。
【0094】
工程404において、1つ以上の物品タイプおよび関連する分配メトリクスの定義を、治験のために受信する。例えば、「物品タイプ1」を「アスピリン×325mg×1錠」と定義することができ、「物品タイプ2」を「アスピリン×81mg×1錠」と定義することができる。物品タイプは、薬剤、投薬量および錠剤のカウント番号を示す。治験の各治療群に関連する治療を、工程406において受信する。その治療は、「物品タイプ」および物品タイプのための「ユニット番号」の指示により構成される。例えば、治療群1は、1ユニットの「物品タイプ1」から構成される治療を受けることができ、治療群2は、1ユニットの「物品タイプ2」を受けることができ、その一方で、治療群3は、1ユニットの「物品タイプ1」および2ユニットの「物品タイプ2」を受けることができる。
【0095】
工程408において、
図1に示した無作為化および物品データベース
154などに、治療デザインを保存する。その後、方法400は、工程410において終了する。
【0096】
図5は、
図1のRTSMシステム100の治験投与インタフェース
121を介して治験を設定するための方法500の例のフローチャートを示す。治験プランナ110が治験投与システム104にログインする工程502において、方法500は開始する。工程504において、治験に関連する治験およびサイト情報を、治験投与システム104から受信する。受信情報は、治験を識別する治験IDと、治験の治験実施施設を識別する、治験IDに関連する施設IDとを含むことができる。
【0097】
工程506において、1つ以上の保存された無作為化デザインおよび治療デザインから、治験(治験ID)のための無作為化デザインおよび治療デザインを選択する。工程508として、ランタイムサブシステム
156のランタイムデータベース158などに、治験IDと無作為化および治療デザインの関連する選択とを格納する。工程510において、ランタイムデータベース158などの、選択された治療デザインに従って治験IDのために、デポ115に関連する在庫を生成する。輸送できる物品(物品ID)のユニットを示す在庫バッチは、デポ115により、工程512において、デポの在庫に受信される。
【0098】
工程514において、施設IDへの輸送のための物品(物品ID)の複数のユニット(ユニットID)を、施設IDに関連する供給プランに基づいて、デポ115の在庫から識別する。工程516において、施設IDに物品IDの識別されたユニットIDの1つ以上の積荷を輸送するために、メッセージを生成し、デポ115の輸送マネージャ113に送信する。工程518において、物品IDの識別されたユニットIDに基づいて、デポ115からの輸送に使用可能な物品を表すために、デポ115に対する在庫を調整する。
【0099】
工程520においては、積荷が治験実施施設に輸送されたか否かに関する判定をする。最初、積荷の輸送状態は「要求」である。積荷がデポ115から輸送マネージャ113により輸送されるとき、輸送状態およびユニット状態を表すために、在庫を「通過中」に更新する。輸送マネージャ113は、輸送を「取消」のようにマークするなどして、輸送を「取り消す」こともでき、「デポにて使用可能」として、輸送のために集められた品目がマークされる。工程524において、積荷が受理されたか否かに関するさらなる判定をする。積荷が受理されたと判定した場合、輸送状態を「受理」に更新し、ユニット状態を「施設にて使用可能」に更新する。積荷が受理されなかったと判定した場合、輸送状態を「消滅」に更新し、ユニット状態を「消費」に更新する。その後、方法500は、工程532において終了する。
【0100】
工程520、その後工程530において、積荷が輸送されなかったと判定した場合、輸送状態を「輸送を保留にして確認」に更新する。その後、方法500は、工程532において終了する。
【0101】
図6は、
図1に示したランダマイザ162を介して被験者を無作為化するための方法600の例のフローチャートを示す。EDC176が治験実施施設(例えば治験実施施設114)(施設ID)により提供された被験者(被験者ID)を治験(治験ID)に登録する工程602において、方法600は開始する。工程604において、EDC176の無作為化CF186から被験者のための無作為化データを受信する。無作為化データは、無作為化デザインにおいて識別された因子に対する被験者の治験ID、施設ID、被験者IDおよび状態を含む。工程606において、治験IDに関連する無作為化デザインを、無作為化および物品データベース154などから検索する。
【0102】
工程608において、被験者(被験者ID)を、無作為化デザインに基づいて治験(治験ID)の治療群(治療群ID)に割り当てる。治験の治療群に被験者を割り当てる(無作為化)方法例は、
図7に関連して以下で詳細に記載される。より具体的には、治験IDの治療群IDに被験者IDを割り当てるために、無作為化デザインを実行する。工程610において、治験ID、施設ID、被験者ID、治療群IDおよび因子の状態を、ランタイムデータベース158などに格納する。その後、工程612において、被験者(被験者ID)の割り当てを示す無作為化インジケータを、EDC176の無作為化CF186に送信する。方法600は、工程614において終了する。
【0103】
図7は、治験の治療群に被験者を割り当てるための方法700の例のフローチャートを示す。
図1に示したランダマイザ162が、方法700の例を実行することができる。治験ID、施設IDおよび被験者IDが
図6の工程608から提供される工程702において、方法700は開始する。
【0104】
工程704において、被験者IDがあたかも治験IDの選択された治療群(治療群ID)に割り当てられるように仮に治療されるとき、被験者母集団の全体的な治験の不均衡を判定する。工程706において、被験者IDが治験IDの選択された治療群IDに割り当てられるとき、被験者母集団における施設(施設ID)に対する施設不均衡を判定する。工程708において、被験者IDとその状態を共有する治験IDの被験者母集団の各因子に対して、状態不均衡を判定する。工程710において、被験者IDと階層を共有する被験者母集団において、階層不均衡を判定する。
【0105】
その後、工程712において、選択された治療群(治療群ID)に対する不均衡の加重和を、無作為化デザインに基づいて生成する。加重和は、選択された治療群IDのために一時的に保存される。工程714において、処理するべき追加的な治療群があるか否かに関して判定する。追加的な治療群があると判定した場合、方法700は、すべての処理された治療群IDに対して不均衡の加重和を一時的に保存して、残りの治療群IDに対する工程707〜714を行う。
【0106】
工程714において処理する追加的な治療群がないと判定した場合、2つ以上の治療群IDのセットが最小の加重和を有するか否かに関して判定をする工程716において、方法700を継続する。工程716において最小の加重和をもつ複数の治療群があると判定した場合、工程718において、治療群IDのセットの中の治療群IDに、被験者IDを無作為に割り当てられる。その後、方法700は、工程728において終了する。
【0107】
但し、工程716において最小の加重和をもつ1つの治療群があると判定した場合、次善の確率のパーセンテージが治験のための無作為化デザインに定義または設定されているか否かに関して判定する工程720において、方法を継続する。工程720において次善の確率のパーセンテージが設定されていない場合、工程716において判定された、最小の加重を加えられた不均衡をもつ治療群IDに、被験者IDを割り当てる。
【0108】
あるいは、工程720において次善の確率のパーセンテージが設定されている場合、次に最小の加重を加えられた不均衡を有する1つ以上の治療群(治療群ID)のセットを選択する工程724において、方法700を継続する。工程726において、次善の確率のパーセンテージに基づいて、最小の加重を加えられた不均衡をもつ1つの治療群および次の最も低く重みを加えられた不均衡をもつ治療群のセットから、被験者IDを治療群に無作為に割り当てる。例えば、次善の確率のパーセンテージを10%に設定すれば、最小の加重を加えられた不均衡をもつ1つの治療群は、90%の確率でランダムに選択され、その一方で、次に最も低く重みを加えられた不均衡をもつセット内の治療群は、10%の確率ランダムに選択されるだろう。
【0109】
図8は、
図1に示した物品ディスペンサ164を介して分配するための方法800の例のフローチャートを示す。EDC176が治験実施施設(施設ID)により提供された被験者(被験者ID)を治験(治験ID)に登録し、
図1のランダマイザ162を介して被験者IDを治験IDの治療群(治療群ID)に無作為化する工程802において、方法800は開始する。工程804において、EDC176の分配CF188から被験者のための分配データを受信する。分配データは、治験IDと、施設IDと、被験者IDと、治験に関連する訪問IDとを含む。
【0110】
工程806において、被験者がどの治療群に割り当てられるのかを示すランタイムデータベース158から被験者(被験者ID)のための治療群(治療群ID)を検索する。工程808において、治験(治験ID)のための治療デザインから治療群IDのために、治療(1つ以上の物品の1ユニット以上のセット)を判定する。工程810において、ランタイムデータベース158内の在庫からの施設IDに対して、分配メトリクスに従う治療のための施設IDに、品物の十分なユニットがあるか否かに関して判定する。
【0111】
十分なユニットがあると判定した場合、被験者IDに分配されるためのユニットのセットを、EDC176の分配CF188に送信する。治験実施施設は、被験者IDにより示された被験者に、識別された物品のユニットを分配することができる。工程814において、施設IDに対する在庫を、被験者IDに分配されたユニットに基づいて調整する。方法800は、工程820において終了する。
【0112】
但し、不十分なユニットがあると判定した場合、工程818において「不十分な在庫」のメッセージをEDC176の分配CF188に送信する。その後、治験実施施設は、治験実施施設において在庫に関するデポの治験プランナ110または輸送マネージャ113に通知することができる。治験実施施設において在庫不足の判定がある場合、他の緩和プロシージャを起動してもよい。方法800は、工程820において終了する。
【0113】
図9は、
図1に示した治験EDC176を介して被験者を無作為化するための方法900の例のフローチャートを示す。治験実施施設(例えば治験実施施設114)が治験投与システム104を介してログオンする工程602において、方法900は開始する。工程904において、治験実施施設にログオンするために、治験投与システム104から治験IDおよび施設IDを受信する。工程906において、治験における被験者を無作為化するのに必要とされる因子のための被験者の状態を、(1つの無作為化デザインごとに)治験実施施設(例えば治験実施施設114)から受信する。被験者に関する他の情報も(例えば治験のための他の情報と同様に、名前、連絡先情報も)受信することができる。
【0114】
工程908において、被験者に被験者IDを割り当てる。被験者IDのための新たなレコードを、治験データベース178に追加する。そのレコードは、治験ID、施設ID、因子の状態だけでなく、被験者(被験者ID)に関連する他の情報を含むことができる。
【0115】
工程912において、無作為化のための一定の入力要件が満たされるとき、または無作為化がユーザにより起動されたときにプログラムなどによって、被験者IDの無作為化を引き起こしたか否かを判定する。引き起こしていない場合、トリガを受信するまで、方法900は待機する。工程914において、一旦無作為化を引き起こせば、治験ID、施設ID、被験者IDおよび因子の状態を、無作為化CF186を介してRTSM無作為化データに変換する。
【0116】
工程916において、RTSM無作為化データをRTSMシステム120のランダマイザ162に送信する。工程918において、成功した無作為化を示す無作為化インジケータを、ランダマイザ162から受信する。工程920において、無作為化インジケータを被験者IDのためのレコードに格納する。方法900は、工程922において終了する。
【0117】
図10は、
図1に示した治験EDC176を介して被験者に薬剤を分配するための方法1000の例のフローチャートを示す。治験実施施設(例えば治験実施施設114)が治験投与システム104を介してログオンする工程1002において、方法1000は開始する。工程1004において、臨床に関連する治験ID、施設ID、被験者IDおよび訪問IDを、治験実施施設にログオンした被験者に対して受信する。
【0118】
工程1006において、最初の訪問に対する無作為化CF186を介して、または後続の訪問に対するユーザ起動の入力を介して被験者の無作為化に際してプログラムなどによって、分配トリガを治験実施施設から受信する。引き起こしていない場合、分配トリガを受信するまで、方法1000は待機する。
【0119】
工程1008において、訪問レコード(訪問ID)および分配指示を、被験者IDのための治験データベース178に追加する。工程1010において、治験ID、施設ID、被験者IDおよび訪問IDを、分配CF188を介してRTSM分配データに変換する。工程1012において、RTSMシステム120の物品ディスペンサ164にRTSMデータを送信する。
【0120】
工程1014において、被験者IDに分配されるインジケータの1ユニット以上のセットを、RTSMシステム120から受信する。その後、工程1016において、分配されたインジケータのユニットのセットを、被験者IDのための訪問レコードに格納する。方法は、工程1018で終了する。
【0121】
図11は、治験のための無作為化デザインを構成するウェブページ例を示す。RTSMシステム120の無作為化デザイナ126により、ウェブページ例を生成することができる。ウェブページに示すように、治験プランナ110は、治験における治療群数および治療群にわたる被験者の比率を構成することができる。治験プランナ110は、さらに、無作為化因子および治験のためのそれらの重みを構成することができる。治験プランナ110は、また、無作為化のための次善の確率および治験における無作為化因子に関連する階層を構成できる。
【0122】
図12は、治験のための無作為化デザインを設定しシミュレートするためのウェブページ例を示す。無作為化シミュレータ138のシミュレーションモジュール140により、ウェブページ例を生成することができる。実行モジュール142がシミュレーションを実行することができる。治験における被験者数を最小限にするためにシミュレーションを用いることができる。
図12に示すように、複数のシミュレーションをセットアップし、シミュレートすることができる。
【0123】
図13は、
図12において実行された1つ以上のシミュレーションのシミュレーション結果を表示するためのウェブページを例示す。無作為化シミュレータ138の結果モジュール144により、ウェブページ例を生成することができる。表示された結果は、実行された各シミュレーションに対して、そのシミュレーションメトリクス、開始時刻および終了時刻、合計の実行時間を含むことができる。
【0124】
図14Aは、シミュレーションの特定の実行内の総計の被験者治療群の割り当てを表示するウェブページ例を示す。無作為化シミュレータ138の分析モジュール146により、ウェブページ例を生成することができる。
図14に示す特定の実行に対して、被験者グループの各々において、以下の情報が提供される。i)各治療群に割り当てられたそのグループ内のシミュレートされた被験者数と、ii)治療群の重みが与えられた各治療群にあるべき被験者の比率が乗算された、そのグループ内の被験者数と合計の被験者数との間の差分の絶対値と、iii)(ii)の絶対値が1より大きい場合は常に、不均衡をもつセルが識別される。
【0125】
例示するように、被験者グループは次のとおりである。1)すべての治験の被験者母集団と、2)各治験実施施設の被験者母集団と、3)因子の(各因子のための)状態を共有する被験者と、4)階層(各階層のための)を共有する被験者。
【0126】
図14Bは、無作為化シミュレーションの実行にわたる総統計結果を表示するウェブページ例を示す。総計の統計解析は、その治療群に割り当てられたその被験者グループからの被験者の最小数だけでなく、被験者グループの各々および治療群の各々に対して、平均および標準偏差も示す。さらに、被験者グループの各々に対して、それは、バランスがとれていなかった実行数を示す。
【0127】
図15は、治験のための治療デザインを構成するウェブページ例を示す。治療デザイナ148により、ウェブページ例を生成することができる。ウェブページは、治験のための物品タイプおよび治療の定義を可能にする。
【0128】
図16は、
図15に示した物品タイプを管理するウェブページ例を示す。
図15に示した所定の物品タイプに対して、
図16に示すように、分配メトリクスを定義することができる。治療デザイナ148により、ウェブページ例も生成することができる。
【0129】
図17Aは、1つ以上の治験実施施設を管理する治験のために生成されたウェブページ例を示す。施設モジュール168により、ウェブページ例を生成することができる。各治験実施施設に対して、ウェブページは、輸送の状態だけでなく、研究名、治験実施施設番号(施設ID)、国、デポ、供給プラン、治験実施施設に無作為化された被験者数、治験実施施設への輸送数、治験実施施設における在庫品目数を表示する。
図17は、供給プランおよび/またはデポを治験実施施設に割り当てることができることを、さらに例証する。さらに、輸送は、また、治験実施施設に対してアクティブ/非アクティブにもなり得る。
【0130】
図17Bは、治験の1つ以上の選択された治験実施施設に供給プランを割り当てるウェブページ例を示す。供給プランが更新される(または変更された)治験実施施設は、治験実施施設の名前の隣に示されたチェックボックスを介して、
図17Aにおいて選択することができる。
図17Bに示すように、「中間エンローラ(medium enrollers)」供給プランは、
図17Aに示した、選択された「バランス研究施設3」に対して選択され反映される。さらに
図17Aに示すように、「高エンローラ(high enrollers)」研究プランは治験実施施設「施設1」および「施設2」に関連づけられた。
【0131】
図17Cは、治験の1つ以上の選択された治験実施施設にデポを割り当てるウェブページ例を示す。デポが更新される(または変更された)治験実施施設は、治験実施施設の名前の隣に示されたチェックボックスを介して、
図17Aにおいて選択することができる。
図17Cに示すように、「EUデポ社(英国)」デポが選択され、このデポは、
図17Aに示した選択された「バランス研究施設3」に関連づけられる。
【0132】
図18は、治験における被験者の管理のために生成されたウェブページ例を示す。被験者モジュール170により、ウェブページ例を生成することができる。各被験者IDに対して、ウェブページは、状態、施設、割り当てられた研究治療群、および無作為化時間を含むことができる。他の細目を、
図18に示したウェブページ例の被験者に対して表示することができる。
【0133】
図19は、治験における1つ以上の物品輸送の管理のためのウェブページ例を示す。輸送モジュール172により、例ウェブページを生成することができる。各輸送は、輸送の名前、状態、状態が変更された時刻、治験実施施設、デポ、輸送(「輸送」状態である)に関連したトラッキング番号、および物品(在庫の品目)のユニットを含むことができる。
【0134】
図20は、治験における1つ以上の在庫の管理のためのウェブページ例を示す。在庫モジュール174により、ウェブページ例を生成することができる。各品目は、商品番号により識別され、状態、治験実施施設、デポ、被験者、訪問、輸送、品目が属する在庫バッチ、品目に関連する物品タイプ、シーケンスおよび位置を含むことができる。
【0135】
図21は、治験のための在庫バッチリストの管理のためのウェブページ例を示す。これらの在庫バッチは、研究マネージャ111または輸送マネージャ113がRTSMシステム120にアップロードすることができる在庫品目のリスト(例えば、コンマ区切り(CSV)形式で収集された)である。在庫バッチは、バッチ名、物品タイプ、有効期限、追加的バッチ識別子、注記、デポ、およびバッチにおける品目数を含む。リスト(またはファイル)がアップロードされたRTSMシステム120であるとき、在庫モジュール174は、リストを処理し、関連情報だけでなく物品もランタイムデータベース158に入力する。
【0136】
図22は、ロジスティクス供給プランの管理のためのウェブページ例を示す。ウェブページ例は、特定の供給プランの細目を示し、供給プランを追加、変更、かつ削除するために用いられる。定義された2つの供給プラン(中間エンローラおよび高エンローラ)を示す。各プランに対して、供給プラン名、物品タイプ、分配と満了との間の最小日数、輸送と満了との間の最小日数、初期の治験実施施設のストッキングレベル、治験実施施設のリストッキング閾値、治験実施施設のリストッキングレベル、および供給プランに関連する治験実施施設数を定義することができる。
【0137】
図23は、汎用コンピュータシステム2300のブロック図である。コンピュータシステム2300は、
図1〜
図22に関して本明細書に開示された、1つ以上の方法またはコンピュータベースの機能のうちのいずれかをコンピュータシステム2300に実行させるために実行することができる命令セットを含むことができる。コンピュータシステム2300または任意の部分は、スタンドアロンの装置として動作してもよいし、または
図1〜
図22に関して本明細書に開示された、他のコンピュータシステムまたは装置に(例えば、ネットワーク2324を用いて)接続されてもよい。例えば、コンピュータシステム2300は、
図1のコンピュータ装置またはシステムのうちのいずれか1つ以上、または
図1〜
図22に関して本明細書に開示された他の装置またはシステムを含むこともできるし、上記のものに含まれることもできる。
【0138】
ネットワーク接続された展開において、コンピュータシステム2300は、サーバ/クライアントネットワーク環境のサーバまたはクライアントマシン、またはピアツーピア(または分散された)ネットワーク環境のピアマシンとして、動作してもよい。コンピュータシステム2300は、また、各種装置として実現することができるし、または各種装置に組み込まれることもできる。各種装置は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、携帯情報端末(PDA)、ウェブ機器、通信装置、モバイル機器、無線電話、サーバ、クライアント、またはマシンにより講じられる動作を指示する命令セット(シーケンシャル、またはその他)を実行可能な他のマシンなどである。さらに、単一のコンピュータシステム2300を示している一方で、用語「システム」も、また、1つ以上のコンピュータ機能を実行する命令セット(または複数の命令セット)を、個々にまたは共同で実行するシステムまたはサブシステムのあらゆる集合を含むように、使用されるものとする。
【0139】
図23に示すように、コンピュータシステム2300は、プロセッサ2302(例えば、中央処理装置(GPU)、グラフィック処理装置(CPU)、またはその両方)を含むことができる。さらに、コンピュータシステム2300は、バス2326を介して互いに通信することができるメインメモリ2304とスタティックメモリ2306とを含むことができる。図示するように、コンピュータシステム2300は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、平面パネルディスプレイ、固体の状態ディスプレイ、またはブラウン管(CRT)などのビデオディスプレイ装置2310をさらに含んでもよい。さらに、コンピュータシステム2300は、キーボードなどのような入力装置2312、およびマウスなどのようなカーソル制御デバイス2214を含んでもよい。コンピュータシステム233300は、また、ディスクドライブユニット2316、スピーカまたはリモートコントロールなどのような信号発生装置2322、およびネットワークインタフェース装置2308を含むことができる。
【0140】
特定の実施形態において、
図23に表すように、ディスクドライブユニット2316は、1以上の命令セット2320(例えばソフトウェア)を組み込むことができるマシンまたはコンピュータ読み取り可能な媒体2218を含んでもよい。さらに、命令2320は、
図1〜
図22に関連して本明細書に記載されたような方法またはロジックの1つ以上を具現してもよい。特定の実施形態において、命令2320は、コンピュータシステム2300による実行の間に、メインメモリ、スタティックメモリ2306 2304内に、および/またはプロセッサ2302内に、完全にまたは少なくとも部分的に常駐してもよい。メインメモリ2304およびプロセッサ2302は、また、コンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。
【0141】
他の実施形態において、ASIC、プログラマブルロジックアレイ、および他のハードウェアデバイスなどの専用ハードウェアのインプリメンテーションは、本明細書に記載された1つ以上の方法を実現するように構成することができる。様々な実施形態の装置およびシステムを含むことができる用途は、広く様々な電子システムおよびコンピュータシステムを含むことができる。本明細書に記載された1つ以上の実施形態は、モジュール間(およびモジュールを通じて)または特定用途向け集積回路の部分として通信することができる制御信号およびデータ信号に関連する、2つ以上の特定の相互に連結したハードウェアモジュールまたは装置を用いて、機能を実現してもよい。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェアおよびハードウェアのインプリメンテーションを包含する。
【0142】
様々な実施形態によれば、本明細書に記載された方法は、プロセッサ読み取り可能な媒体で明確に具体化され、かつプロセッサにより実行されてもよいソフトウエアプログラムにより実現されてもよい。さらに、一例において、非限定の実施形態、インプリメンテーションは、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、および並行処理を含むことができる。あるいは、仮想計算機システムプロセスは、本明細書に記載されたような方法または機能の1つ以上を実現するために構成できる。
【0143】
コンピュータ読み取り可能な媒体が単一の媒体として示している一方で、用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、1以上の命令セットを格納する、集中型または分散型データベースなどのような単一の媒体または複数の媒体、および/または関連するキャッシュおよびサーバを含む。用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、また、プロセッサによる実行のための命令セットを格納、コード化、または携帯することができる、または本明細書に開示した方法または工程のうちのいずれか1つ以上をコンピュータシステムに実行させるあらゆる媒体を含むものとする。
【0144】
特定の非限定の実施形態例において、コンピュータ読み取り可能な媒体は、メモリカードまたは1つ以上の不揮発性の読み出し専用メモリを収容する他のパッケージなどのような、ソリッドステートメモリを含むことができる。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、ランダムアクセスメモリまたは他の揮発性の再書き込み可能なメモリになり得る。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、送信媒体にわたって通信された信号などの搬送波信号を取り込むためのディスクまたはテープ、または他のストレージデバイスなどの光磁気または光学媒体を含むことができる。電子メールまたは他の自己完結型の情報アーカイブまたはアーカイブセットに添付のディジタルファイルは、現実の記憶媒体と同等な流通媒体と考えてもよい。したがって、本開示は、コンピュータ読み取り可能な媒体または流通媒体、およびデータまたは命令を格納できる他の等価物および後継媒体のうちのいずれか1つ以上を含むと見なされる。
【0145】
様々な実施形態によれば、本明細書に記載された方法は、コンピュータプロセッサ上で実行する1つ以上のソフトウエアプログラムとして実現してもよい。専用ハードウェアインプリメンテーションが含む(但し限定されない)特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、および他のハードウェアデバイスは、本明細書に記載した方法を実現するために同様に構成することができる。さらに、代替のソフトウェアインプリメンテーションが含む(但し限定されない)分散処理またはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並行処理、または仮想マシン処理も、また、本明細書に記載した方法を実現するために構成することができる。
【0146】
開示された方法を実現するソフトウェアを、状況に応じて現実の記憶媒体(ディスクまたはテープなどの磁気メディア、ディスクなどの光磁気または光学媒体、またはメモリカード、または1つ以上の読み出し専用の(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、または他の再書き込み可能(揮発性)メモリを収容する他のパッケージなどのソリッドステート媒体)に格納してもよいことにも、留意するべきである。電子メールまたは他の自己完結型の情報アーカイブまたはアーカイブセットに添付のディジタルファイルは、現実の記憶媒体と同等な流通媒体と考えてもよい。したがって、本開示は、本明細書にリストされるような現実の記憶媒体または流通媒体、およびソフトウェアインプリメンテーションを格納できる他の等価物および後継媒体を含むと見なされる。
【0147】
本明細書は、特定の規格およびプロトコルに関連する特定の実施形態により実現できるコンポーネントおよび機能を記載するが、本発明は、このような規格およびプロトコルに限定されない。例えば、インターネットおよび他のパケット交換網伝送(例えばTCP/IP、UDP/IP、HTML、HTTP)のための規格は、最先端技術の例を表現する。このような規格は、実質的に同じ機能を有する、より高速またはより効率的な等価物によりたびたび、取って代わられる。したがって、本明細書に開示されたものと同一または同様な機能を有する代わりの規格およびプロトコルは、その等価物と見なされる。
【0148】
このように、分散型治験システムを記載した。実施形態の具体例を記載したが、様々な変更および変更が、本発明の広い範囲から逸脱せずに、これらの実施形態に対してなされてもよいことは明白だろう。したがって、明細書および図面は、限定的な意味というよりより、むしろ1つの例示として考慮されるべきである。一部を形成する添付の図面は、限定ではなく、実例として、発明の主題を実施する特定の実施形態を示す。例示した実施形態は、本明細書に開示された教示を当業者が実施することを可能にするために、十分詳細に記載されている。他の実施形態を、この開示の範囲から逸脱せずに、構造的・論理的な置換や変更がなされてもよいように、利用し導き出してもよい。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で使用することはできないし、様々な実施形態の範囲は、添付された請求の範囲が権利を与えられる等価物の全域に加えて、該請求の範囲にのみ規定される。
【0149】
発明の主題のこのような実施形態は、個々におよび/または総体として、単に便宜上用語「発明」により、および1つ以上が開示された事実にある場合、あらゆる単一の発明または発明概念に本出願の範囲を自由に限定するようには意図せずに、本明細書に参照されてもよい。このように、特定の実施形態を本明細書に示し記載したが、同一の目的を達成するように意図した任意の配置を、示された特定の実施形態に用いられてもよいことを、十分に理解するべきである。この開示は、様々な実施形態のあらゆる修正または変形を網羅するように意図する。上述の実施形態の組み合わせ、および特に本明細書に記載されない他の実施形態は、上述の記述を検討することで当該技術分野における当業者にとって明らかになるであろう。
【0150】
要約は、米国連邦規則法典第 37 巻§1.72(b)に従うために設けられており、読者が技術的な開示の本質および要点を迅速に確認することを可能にするだろう。それは、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために用いられないと理解するものと考える。
【0151】
前述の実施形態の説明において、様々な機能が、明細書の開示を合理化する目的で、単一の実施形態にグループ化されている。請求された実施形態が各請求項で明らかに詳述されるよりも多くの特徴を有すると考えるように、開示のこの方法を解釈するべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、1つの開示された実施の形態のすべての機能よりも少ない。したがって、以下の請求項は、発明の詳細な説明に組み込まれ、それぞれの請求項はそれ自身が個別の好適な実施の形態として示している。