【実施例】
【0040】
実施例1
ポリマーブレンドの試料は、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーから調製する。プロピレンポリマーは、ランダムプロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンから選択する。プロピレンランダムコポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有する。プロピレンランダムコポリマーは、Huntsmanから入手できる。Total Petrochemicalから入手できるシンジオタクチックポリプロピレンは、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有する。スチレンブロックコポリマーは、Kraton Polymer(Houston、USA)から入手できるSEBSコポリマーであり、18dg/分のメルトフローインデックス、50ショアAの硬度、および1.5MPaの100%モジュラスを有する。
【0041】
【表1】
【0042】
各試料、特に60重量%未満のプロピレンポリマーを有するブレンドは、望ましい透明度を示す。さらに、20重量%から65重量%の範囲のプロピレンポリマーを有するブレンドは、硬度およびヤング率などの望ましい特性を示す。
【0043】
実施例2
ポリマーブレンドの試料は、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーから調製する。プロピレンポリマーは、ランダムプロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンから選択する。Huntsmanから入手できるプロピレンランダムコポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有する。Total Petrochemicalから入手できるシンジオタクチックポリプロピレンは、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有する。スチレンブロックコポリマーは、Hybrarの商品名で株式会社クラレ(倉敷、日本)から入手できるSEPSコポリマーであり、4dg/分のメルトフローインデックス、64ショアAの硬度、および1.7MPaの100%モジュラスを有する。
【0044】
【表2】
【0045】
各試料、特に60重量%未満のプロピレンポリマーを有するブレンドは、望ましい透明度を示す。さらに、20重量%から65重量%の範囲のプロピレンポリマーを有するブレンドは、硬度およびヤング率などの望ましい特性を示す。
【0046】
実施例3
ポリマーブレンドの試料は、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーから調製する。プロピレンポリマーは、ランダムプロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンから選択する。Huntsmanから入手できるプロピレンランダムコポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有する。Total Petrochemicalから入手できるシンジオタクチックポリプロピレンは、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有する。スチレンブロックコポリマーは、Hybrarの商品名で株式会社クラレ(倉敷、日本)から入手できるSEEPSコポリマーであり、2dg/分のメルトフローインデックス、41ショアAの硬度、および0.6MPaの100%モジュラスを有する。
【0047】
【表3】
【0048】
各試料、特に60重量%未満のプロピレンポリマーを有するブレンドは、望ましい透明度を示す。さらに、20重量%から65重量%の範囲のプロピレンポリマーを有するブレンドは、硬度およびヤング率などの望ましい特性を示す。
【0049】
実施例4
一層チューブ試料は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから調製する。ブレンドは、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーを70/30から50/50のPP/スチレンブロックコポリマーの比で含み、約70ショアAの硬度を有する。例えば、プロピレンポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有し、Huntsmanから入手できる。スチレンブロックコポリマーは、18dg/分のメルトフローインデックス、52ショアAの硬度、および1.5MPaの100%モジュラスを有する。スチレンブロックコポリマーは、Krton(Houston、Texas)から入手できる。ブレンドは、共回転する互いにかみ合う二軸押出機を通して混合し、水浴で冷却し、ペレットに切断する。得られたペレットを、管ダイを備えた単軸押出機中に供給する。通常の3ゾーンスクリューを使用する。温度プロファイルは、押出機の3つのセグメントについて、275°F、360°F、および390°Fに設定する。アダプターおよびダイの温度は、それぞれ、380°Fおよび350°Fに設定する。ダイから溶融流出するポリマーは、冷却用の浸漬水槽中に放出し、そこで、押出物は、管形状に凝固する。内部空気圧、スクリュー速度および延伸速度は、組み合わせて、管の寸法および壁厚さを制御する。ID1/4インチおよびOD3/8インチの寸法を有する、透明で、可撓性の管を、上記混合および押出し手順によって得る。
【0050】
プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマー間の高い化学的混和性のために、二軸混合工程を省くことができ、これにより、ブレンドから管製品を製造する際にかなりの費用節減をもたらすことができる。同様のブレンドを二軸混合なしの工程を用いて形成する。樹脂を回転ドラム中20分間混合する。混合物を、管を押出しするための単軸押出機中に供給する。末端部に逆流混合要素を有するスクウェアピッチの一条ねじスクリューを用いて、ブレンドの溶融中の混合効果を増強する。この乾燥ブレンディングおよび押出工程によって得られる管は、混合ブレンドと同じ水準の透明度を示す。さらに、表4に示すように、これらの異なる2つの工程から製造された管の引張機械的特性は、有意に異ならない。破断強度、100、200、300および400%伸びでのモジュラスならびに破断伸びは同様である。
【0051】
【表4】
【0052】
実施例5
2層管は、2層を共押出しすることによって形成する。1つの層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含み、第2の層はポリオレフィン材料を含む。
【0053】
二層管を製造するために、2つの単軸押出機をGenca二層管ダイに接続した。二軸スクリューで混合されたプロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドは、1つの押出機に供給し、ポリオレフィン樹脂は、もう1つの押出機に供給する。ライナー層およびジャケット層の厚さは、スクリュー速度および延伸速度を調整することによって制御する。実施例4の処方がジャケット材料である二層管を押出しする。ポリオレフィン材料は、ライナー材料として共押出しする。通常の温度プロファイルおよび運転条件は、表5に示す。8milのライナーを有する1/4インチ×3/8インチの滑らかで透明な二層管は、20フィート/分未満の速度で調製する。特定のライナー材料を20フィート/分を超える速度で押出す場合、重度の溶融破壊が認められ、ライナー表面にシャークスキン様の外観を生じる。500〜1000ppmのフルオロカーボン系加工助剤をライナー樹脂中に添加すると、共押出しが20フィート/分を超える速度で行われても、シャークスキン問題を完全に解決することが認められる。
【0054】
【表5】
【0055】
実施例6
実施例4によれば、一層管は、いくつかのブレンドから形成される。実施例5によれば、二層管は、いくつかのブレンドおよびポリオレフィン材料から形成される。これらの試料は、熱可塑性ポリウレタンライナーを有するPVC可撓性管(PVC/TPU)、Tygon 2001、Tygon 2075、Tygoprene XL−60、TPU−2%Blue管(Estane 58070)、SEBS2645(Evoprene G291−75から形成されるチューブ)、およびC−Flex R70−374の試料と比較する。PVC/TPU管、Tygon 2001、Tygon 2075、Tygonprene XL−60およびC−Flex R70−373は、Saint−Gobain Performance Plasticsの市販の管製品である。TPU−2%BlueおよびSEBS 2645のチューブは、市販の樹脂または化合物から製造される。
【0056】
試料1は、プロピレンポリマーとポリオレフィン材料とのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Total Petrochemicalから入手できる、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有するシンジオタクチックポリプロピレンを含む。さらに、ブレンドは、Exxon Mobil Chemicalsから入手できる、3dg/分のメルトフローインデックスおよび11.4MPaの曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む。ブレンドは、90重量%のポリオレフィン樹脂および10重量%のシンジオタクチックポリプロピレンを含む。
【0057】
試料2は、プロピレンポリマーとポリオレフィン材料とのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーを含む。さらに、ブレンドは、Exxon Mobil Chemicalsから入手できる、3dg/分のメルトフローインデックスおよび11.4MPaの曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む。ブレンドは、90重量%のポリオレフィン樹脂および10重量%のプロピレンランダムコポリマーを含む。
【0058】
試料3は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーを含む。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、18dg/分のメルトフローインデックス、52ショアAの硬度、および1.5MPaの曲げ弾性率を有するSEBSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、70重量%のスチレンブロックコポリマーおよび30重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0059】
試料4は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーである。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、18dg/分のメルトフローインデックス、52ショアAの硬度、および1.5MPaの曲げ弾性率を有するSEBSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、60重量%のスチレンブロックコポリマーおよび40重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0060】
試料5は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーである。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、4dg/分のメルトフローインデックス、64ショアAの硬度、および1.7MPaの曲げ弾性率を有するSEPSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、70重量%のスチレンブロックコポリマーおよび30重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0061】
試料6は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーを含む。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、2dg/分のメルトフローインデックス、41ショアAの硬度、および0.6MPaの曲げ弾性率を有するSEEPSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、70重量%のスチレンブロックコポリマーおよび30重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0062】
試料7は、ジャケット層として試料3のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、Basellから入手できる、6dg/分のメルトフローインデックスおよび130MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン材料である。
【0063】
試料8は、ジャケット層として試料3のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、Affinity(商標)の商品名でDOW Chemicalから入手でき、3dg/分のメルトフローインデックスおよび108MPaの曲げ弾性率を有する。
【0064】
試料9は、ジャケット層として試料5のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、25dg/分のメルトフローインデックスおよび110MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン系メタロセン材料である。
【0065】
試料10は、ジャケット層として試料6のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、25dg/分のメルトフローインデックスおよび110MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン系メタロセン材料である。
【0066】
試料7、8、9および10は、実施例5に開示された方法に従って形成する。試料1〜試料6は、実施例4に関して開示された方法を用いて形成する。
【0067】
一層管および二層管の性能を評価するために、管試料について以下の試験を行った:室温および65℃での取り付け保持力、キンク耐性、透明度、室温での機械的減衰、ガラス転移温度、および高温でのストレージモジュラス。取り付け保持力の試験において、1/4インチID管のプラスチック構築物の、2−竹の子コネクター、3−竹の子コネクター、タイプ1の4−竹の子コネクターおよびタイプ2の4−竹の子コネクターを含む、4種類の竹の子およびテーパコネクターに対して、各管について保持力を試験する。特に、2−竹の子継ぎ手は、0.645インチの竹の子部分の長さ、0.175インチの内径、および0.335インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。3−竹の子継ぎ手は、0.770インチの竹の子部分の長さ、0.175インチの内径、および0.310インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。4−竹の子タイプ1の継ぎ手は、1.350インチの竹の子部分の長さ、0.190インチの内径、および0.355インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。4−竹の子タイプ2の継ぎ手は、0.950インチの竹の子部分の長さ、0.175インチの内径、および0.355インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。管試料を継ぎ手上に手で押し進めて、コネクターから管を引き離す前の最大取り付け保持力についてInstron引張試験器で試験する。力は、ポンド力(lb
f)で記録し、可撓性管の取り付け保持能の指標として用いる。取り付け保持力は、室温および65℃の両方で管について試験する。表6に示すように、試料1〜試料10のほとんどは、室温で少なくとも25lb
fの取り付け保持力を示し、特定の試料は、65℃で少なくとも15lb
fの取り付け保持力を示す。
【0068】
【表6】
【0069】
キンク耐性は、キンクを生じさせる前の管の最小曲げ半径(MBR)を測定することによって評価する。管は、その両端で保持し、ループに結ぶ。管がキンクを生じさせることなく結ぶことができる最小ループの半径が、管のMBRである。MBRが小さいほど、キンク耐性が大きいことを意味する。管の透明度は、目視で検査し、透明度の4段階:透明、半透明、曇ったおよび不透明に分類する。動的機械分析(DMA)試験は、管のガラス転移温度、機械的減衰およびストレージ(弾性)モジュラスを決定するために用いる。具体的には、チューブの機械的減衰能は、DMA試験で与えられる損失タンジェント値に関連している。管材料のストレージモジュラスは、管が所定の測定温度でどの程度剛性および弾性であるかを示す。
【0070】
表7は、硬度、透明度、キンク耐性、減衰特性およびガラス転移温度を含む他の特性の値を示す。各試料およびその比較試料の硬度は、60ショアAから80ショアAの範囲であり、多くの試料は、約70ショアAの硬度を有する。SEBS 2645チューブならびに試料1および試料2を除いて、チューブは透明(clear and transparent)である。ほとんどのチューブは、可撓性PVC/TPU管と同様のキンク耐性を有する。特に、MBRは11.0インチ未満である。
【0071】
室温での減衰に関して、可撓性PVC管は、0.41の損失タンジェント値を有する。試料1から試料10のそれぞれは、0.1を超える損失タンジェント値を示す。特に、試料5および試料9は、0.4以上の損失タンジェント値を有する。他の試料は、0.15〜0.2の範囲の損失タンジェント値を有し、これは、減衰において可撓性PVCほど良くないが、他の市販の可撓性管より良い。
【0072】
試料1〜試料10のガラス転移温度は、−20℃から15℃の範囲である。試料1から試料10のガラス転移温度は、ポリオレフィン系材料のものほど低くはないが、可撓性PVCよりも低く、これは、管の十分な低温耐衝撃性および機械的性能を示す。
【0073】
【表7】
【0074】
実施例7
戸外用途のためのポリマー材料のUV−安定性を試験するために、成形プラークを、UVA−340ランプを備えたQUV試験機に入れ、340nmで1.14w/m
2/nmの強化放射照度でのUV線に最大1000時間曝露する。UV曝露前後の材料の機械的特性および黄色指数を試験し、比較する。戸外用途に適した材料について、引張強度、伸び、100%歪みでのモジュラスおよび300%歪みでのモジュラスを含む機械的特性は、25%を超えて変化すべきでなく、一方、材料の黄色指数の変化は、20%を超えるべきでない。
【0075】
【表8】
【0076】
表8は、rPPとスチレンブロックコポリマーとのブレンド(これは、青色に着色もされる)における様々なUV添加剤を例証する。UV添加剤を添加しないと、rPP/SEPSブレンドは、引張強度および伸びにおいて25%を超えて失う。ブレンドの黄色指数も、50%を超えて変化する。したがって、UV添加剤を含まないブレンドは、長期の戸外用途に適さない。他の試料は、2種類のUV添加剤(UV吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤(HALS))を含む。表8に記載するように、Tinuvin 326は、Cibaにより製造されるベンゾトリアゾール系UV吸収剤であり;Tinuvin 783は、Cibaにより製造されるオリゴマーヒンダードアミン安定剤の独自仕様の混合物であり;Tinuvin 791は、Cibaにより製造される別の独自仕様の混合物である。Cyasorb UV添加剤は、Cytec industryにより提供される独自仕様で処方された添加剤パッケージである。表8は、ベンゾトリアゾールUV吸収剤およびHALSをそれぞれ0.2から0.3重量%の濃度で同時に添加すると、rPP/SEPSのブレンドをUV劣化から有効に保護し、戸外用途に適したものすることができることを示す。
【0077】
実施例8
銀系抗菌添加剤を、多層管の流体経路であるポリオレフィン系ライナー層中に、0.5から2重量%の濃度で添加し、管の流体経路を細菌、真菌、カビ、および他の微生物の汚染作用から保護する。例えば、Miliken製1%銀系AlphaSan(登録商標)抗菌剤をポリオレフィン樹脂中に添加する。ASTM E2149により規定された方法に従ってAntimicrobial Test Laboratoriesで行われた試料についての抗菌効果試験は、黄色ブドウ球菌(S.aureus)6538の微生物に対して99.9%を超える殺傷率を示す。
【0078】
実施例9
rPP/スチレンブロックコポリマーのブレンドから製造された一層管または多層管も、蠕動ポンプチューブとして使用することができる。Cole Palmerにより提供されるMasterflex(登録商標)回転蠕動ポンプを用いて、ポンプ寿命試験を行う。1/4インチOD3/8インチIDの管試料を、漏出が検出されるまで標準ポンプヘッドを用いて600rpmで試験する。一層管(試料3)および多層管(試料7)のポンプ寿命を、Tygon(登録商標)R3603の商品名でSaint−Gobainより販売される市販のf−PVCポンプ管に対して比較する。以下の表で例証するように、一層管および多層管の両方が、f−PVC管と同様またはより長いポンプ寿命を示す。
【0079】
【表9】
【0080】
ポンプ寿命は、実施例9で上記したとおりに試験した管についての平均ポンプ寿命と定義される。本管は、少なくとも50時間、例えば、少なくとも60時間、少なくとも70時間、またはさらに少なくとも80時間のポンプ寿命を有する。上に例証するように、ポンプ寿命は、少なくとも90時間であり得る。
【0081】
特定の実施形態において、可撓性管は、150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む第1層を含み、およびこの第1層に直接結合しかつ直接接触している第2層を含む。第2層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドとを含む。
【0082】
別の実施形態において、可撓性管は、150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィンを含む第1層を含む。第1層は、可撓性管の内面を形成する。内面は、ルーメンを規定する。可撓性管は、第1層と直接接触している第2層も含む。第2層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含み、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有する。
【0083】
さらなる実施形態において、可撓性管を形成する方法は、ポリオレフィンを含む第1層を押出しする段階を含む。第1層は、150MPa以下の曲げ弾性率を有する。この方法は、第1層とともに、第1層に直接接触しており、およびそれに直接結合した第2層を共押出しする段階も含む。
【0084】
さらなる実施形態において、可撓性管は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含む。ブレンドは、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有し、可塑剤または加工助剤を含まない。
【0085】
一般的な説明または実施例で上記した活動のすべてが必要とされるとは限らないこと、具体的な活動の一部が必要とされないこともあること、および記載したものに加えて、1つまたは複数のさらなる活動が行われ得ることに留意されたい。なおさらに、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0086】
上述の明細書において、概念は、具体的な実施形態への言及とともに記載した。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲に示されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な変更および変化がなされ得ることを理解する。したがって、本明細書および図は、限定的というよりもむしろ例証的な意味で考慮されるべきであり、このような変形のすべては、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0087】
本明細書で用いられる場合、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含に及ぶことが意図される。例えば、特徴のリストを含む、工程、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に記載されていないまたはこのような工程、方法、物品、または装置に固有の他の特徴も含み得る。さらに、逆に明記されない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれかの1つで満たされる:Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0088】
また、「一つの(a)」または「一つの(an)」の使用は、本明細書で記載される要素および成分を記述するために用いられる。これは、単に便宜のために、および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。別に意味されることが明らかでない限り、この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、単数形は複数形も含む。
【0089】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、具体的な実施形態に関して上に記載した。しかし、利益、利点、問題に対する解決策、および利益、利点、または解決策を生じさせるまたはより顕著にさせ得る任意の特徴(複数可)は、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての、決定的な、必要な、または必須の特徴と解釈されるべきではない。
【0090】
本明細書を読んだ後に、当業者は、ある種の特徴が、明確にするために、本明細書で別個の実施形態の文脈で記載され、また、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることを理解する。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される様々な特徴は、別個にまたは任意のサブコンビレーションでも提供され得る。さらに、範囲において記載される値への言及は、その範囲内のそれぞれのおよびあらゆる値を含む。