特許第5908968号(P5908968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5908968
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】伸縮コードリール
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/42 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   B65H75/42 G
   B65H75/42 E
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-262269(P2014-262269)
(22)【出願日】2014年12月25日
(62)【分割の表示】特願2010-224783(P2010-224783)の分割
【原出願日】2010年10月4日
(65)【公開番号】特開2015-83518(P2015-83518A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2014年12月25日
(31)【優先権主張番号】12/573,854
(32)【優先日】2009年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510264338
【氏名又は名称】テレフォニックス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138438
【弁理士】
【氏名又は名称】尾首 亘聰
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】リチャード、スカウロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ポール・シー、バーク
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0006038(US,A1)
【文献】 米国特許第04350850(US,A)
【文献】 米国特許第04378473(US,A)
【文献】 実開昭49−107678(JP,U)
【文献】 実開昭61−015274(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/34−75/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と;
前記容器内に配置され、前記容器に対して回転するようになされたスプールであって、固定位置に取り付けられる導体を有するスプールと;
前記容器から延在する固定コードと;
前記容器から延長し前記容器内に格納でき、前記固定コードと電気伝導できる伸縮コードと;
前記容器に取り付けられるラチェットであって、前記ラチェットは導体リードを備え、前記導体が前記導体リードと接触する係合位置と、前記ラチェットが前記スプールと電気伝導しない解放位置とを有する、ラチェットとを備える;
伸縮コードリール器具。
【請求項2】
前記ラチェットは、第2の導体リードをさらに備え、前記スプールはその上に取り付けられる第2の導体を有する;
請求項1の伸縮コードリール器具。
【請求項3】
前記導体は、前記伸縮コードが前記容器から延長されているときには、前記導体リードと接触することを防止されている;
請求項1の伸縮コードリール器具。
【請求項4】
前記固定コードは、前記ラチェットの導体リードと電気伝導できる;
請求項1の伸縮コードリール器具。
【請求項5】
前記ラチェットは前記スプールの壁と半径方向に位置合せされた歯を備える;
請求項1の伸縮コードリール器具。
【請求項6】
容器と;
固定位置に連結された導体を有するスプールであって、前記容器内に配置され、前記容器に対して回転するようになされたスプールと;
前記スプールに選択的に係合するように配置されたラチェットであって、該ラチェットが前記スプールと係合するときに前記スプールの導体と接触するようになされた導体リードを備えるラチェットと;
前記容器から延長できる伸縮コードとを備え;
電流は、前記スプールに結合された導体を通過する;
伸縮コードリール器具。
【請求項7】
前記ラチェットは、第2の導体リードをさらに備え、前記スプールはその上に取り付けられる第2の導体を有する;
請求項6の伸縮コードリール器具。
【請求項8】
前記導体は、前記伸縮コードが前記容器から延長されているときには、前記ラチェットと接触することを防止されている;
請求項6の伸縮コードリール器具。
【請求項9】
前記ラチェットの導体リードと電気伝導できる固定コードをさらに備える;
請求項6の伸縮コードリール器具。
【請求項10】
前記ラチェットは、前記スプールと半径方向に位置合せされた歯を備える;
請求項6の伸縮コードリール器具。
【請求項11】
容器と;
前記容器内に配置され前記容器に対して回転するようになされたスプールであって、その上に取り付けられた導体を有するスプールと;
前記容器から延在する第1コードと;
前記容器から延長し前記容器内に格納でき、前記第1コードと電気伝導できる第2伸縮コードと;
前記容器に取り付けられるラチェットであって、前記ラチェットは導体を備え、前記ラチェットの導体が、前記スプールの導体と接触するようになされた係合位置と、前記スプールの導体と電気伝導しない解放位置とを有する、ラチェットとを備える;
伸縮コードリール器具。
【請求項12】
前記ラチェットは、第2の導体をさらに備え、前記スプールはその上に取り付けられる第2の導体を有する;
請求項11の伸縮コードリール器具。
【請求項13】
前記スプールの導体は、前記伸縮コードが前記容器から延長されているときには、前記ラチェットの導体と接触することを防止されている;
請求項11の伸縮コードリール器具。
【請求項14】
前記第1コードは、前記ラチェットの導体と電気伝導できる;
請求項11の伸縮コードリール器具。
【請求項15】
前記ラチェットは、前記スプールの壁と半径方向に位置合せされた歯を備える;
請求項11の伸縮コードリール器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に伸縮コードリール器具に関し、より具体的には、コードリールの周囲近くにラチェット部を有する伸縮コードリールに関する。
【背景技術】
【0002】
伸縮コードリールは種々のタイプのケーブルを伸縮して収容するのに様々な用途において用いられてきている。典型的には、リールは固定端と伸縮端を有し、伸縮端がリールから延長し、収縮してリール内へ戻る。このような構造により、代表的には、たるんだワイヤによる散らかりや危険をも解消する。
【0003】
ある先行技術による伸縮リールでは、コードの延長部分と固定部分は別のコードではあるが、たとえばブラシ状の接点で接続される。ブラシ状の接点は、典型的には、回転するスプールの内側または外側を滑動するように構成され、動いている部分間の連続的な接触を効果的に維持する。
【0004】
ブラシを用いることなく伸縮端と固定端の常時の接続を保つ、第2のタイプの伸縮コードリールが開発されてきた。実例としてリールは2つのチャンバに分離されるスプールを含み、一つは円形の伸縮コードを保持するためのもので、第2の延長チャンバは、リール容器内で延長する平らなコイルを保持する。伸縮コードは、スプールが回転する間チャンバ中で延長するこの内部コイルを通じて固定端に接続される。このタイプのリールの例は、Burkeに付与された米国特許第5,094,396号(特許文献1)に開示されており、その開示を本明細書に参照して組み込む。
【0005】
延長コードの長さは、コードの延長の後にコードを逆方向に引き込むようにすることで、最小とされる。このプロセスは、Burkeに付与された米国特許第6,372,988号(特許文献2)に開示されており、その開示を本明細書に参照して組み込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,094,396号
【特許文献2】米国特許第6,372,988号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以下の特徴、要素またはそれらの組み合わせの1つ以上に関連する。電力、電気信号またはその両方を搬送できる伸縮コードリールが開示される。伸縮コードリールは、係合位置と解放位置を提供するように旋回するラチェットを含む。係合位置では、ラチェットにより伸縮コードと固定コードの間の接続が得られる。解放位置では、ラチェットは伸縮コードの延長と縮小を可能とする。解放位置では伸縮コードは固定コードに接続されてはいない。
【0008】
一実施の形態では、伸縮コードリールは、容器と、容器内に配置され、容器に対して回転するようになされたスプールと、容器から延在する固定コードと、容器から延在し容器内に縮められて固定コードと電気伝導できる伸縮コードと、容器に取り付けられたラチェットとを含む。実例の実施の形態では、ラチェットは、ラチェットがスプールと電気伝導する係合位置を有しており、ラチェットはまた、ラチェットがスプールとは電気伝導していない解放位置を有する。
【0009】
別の実施の形態では、ラチェットは、スプールと選択的に係合するように配置される。伸縮コードは、伸縮コードが容器から延長できるように、少なくとも部分的にスプールに巻き付けられる。さらに、電流が、スプールに結合された導体を流れる。
【0010】
さらに別の実施の形態では、ベースが提供される。スプールはベース上に配置され、ベースに対して回転できるようになされる。導体リードはベースに連結され、導体リードはスプールと断続的に電気伝導するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、伸縮コードリール器具の正面図である。
図2図2は、内部のスプールを見えるようにするために容器カバーを外して示した、図1の伸縮コードリール器具の正面図である。
図3図3は、内部のスプールとラチェットの配置を示す、図1および2の伸縮コードリール器具の上面斜視図である。
図4図4は、ラチェットと図3のスプールの一部の拡大斜視図である。
図5図5は、図3および4に示すラチェットとスプールの別の拡大斜視図である。
図6図6は、動作中のラチェットとスプールの拡大正面図である。
図7図7は、スプールの導体から離れたラチェットを示す、ラチェットとスプールの別の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、本発明は、伸縮コード12を管理しまとめる伸縮コードリール器具10を備える。伸縮コード12は、データ回線、電話線、電気ケーブルもしくは電力ケーブル、またはその他のケーブルおよび/またはワイヤまたはそれらの組合せで、容器中への引き込みが望まれるものであることを意図している。
【0013】
伸縮コードリール器具10は実例では、スプール16(図2に図示)をその中に収容する容器14を含む。固定コード18は、容器14から延在し、たとえばその遠位端に取り付けられた3つの差込みのあるプラグのような従来のプラグを有する。別の実施の形態では、固定コードは、その遠位端に取り付けられたデータコネクタや複数のコネクタを有してもよい。コネクタやプラグの組み合わせは、コードリール器具がデータ信号や電力を供給できるように、固定コード18の遠位端に具備されることが意図される。さらに別の実施の形態では、複数の(不図示)固定コード18を具備してもよい。しかし、コネクタや導体の数に関係なく、ほとんどの用途では1本の伸縮コード12だけを必要とし、よって、単純化された整然となされたコードリール器具のいくつかの利点を享受する。
【0014】
図2に示すように、容器14のフロントカバーを外すと、内部のスプール16が軸22周りに回転できるようにハブ20に配置されていることがわかる。図2には、さらにラチェット24が示され、ラチェット24は、ラチェット軸26周りに旋回できるように配置されている。ラチェット24は、実例では、容器14の周囲を越えて延在するボタン部28(図1にも示す)を有するようになされ、ユーザがボタン部28を押圧してラチェット24をラチェット軸26周りに旋回させる。
【0015】
図2に示すように、固定コード18は実例では、以下に詳細に説明するように、ラチェット24に接続される。固定コード18は、容器14に固定され、固定コード18がラチェット24から外れることを防ぐ。
【0016】
図3は、フロントスプール壁30、リアスプール壁32とラチェット24の配列を示す、スプール16とラチェット24の上面斜視図を示す。説明のため、伸縮コード12および固定コード18は、図3に示す実施の形態から取り除いてある。
【0017】
実例での実施の形態で、フロントスプール壁30、リアスプール壁32は、スプール壁の部分に沿って半径方向に配置されたフロント導体34、リア導体36をそれぞれ有する。ラチェット24は、フロント導体リード38(図4、5に示す)とリア導体リード40(図4、5に示す)を有する。図3に示す係合位置では、フロント導体リード38がフロント導体34と接触し、リア導体リード40がリア導体36と接触するように、ラチェット24はスプール16に係合する。導体リード38、40と導体34、36とのこのような接触は、データ連結性や電気連結性あるいはその両方として十分である。たとえば、フロントスプール壁30、リアスプール壁32の反対側の面に(ラチェット24の対応する追加の導体リードと共に)、さらに導体を具備できることは理解されよう。
【0018】
図4は、スプール壁30、32との係合位置でのラチェットの拡大図を示し、ラチェット24は説明用に透明とされている。実例の実施の形態で分かるように、ラチェット24は、フロント導体リード38とリア導体リード40をラチェット24の実質的長手部に沿わせて支持する。フロント導体リード38とリア導体リード40は、実例として、遠位端42、44で固定コード18に接続される(図2に示され、上記で説明したように)。
【0019】
図5に示すように、ラチェット24は実例として、スプール16と係合するときにフロント導体34とリア導体36に及ぶフロント歯46とリア歯48を有するように構成される。ラチェット24はまた実例として、フロントスプール壁30、リアスプール壁32の間に伸びる中央ピア50を有する。そのような構成により、本書でさらに詳細に説明するように、ラチェット24をスプール16に対して正しい位置に据えられる。
【0020】
図6に示すように、フロント歯46とリア歯48は実例として、フロント歯46とリア歯48の他の部分を越えて延在する低部52(リア歯48については見えない)を有する。フロント歯46とリア歯48は、フロントスプール壁30、リアスプール壁32の周囲に実質的に半径方向に配置されている。そのような構成により、伸縮コード12が伸縮コードリール器具10から延長されるときなどにスプール16が時計方向に回転し、ラチェット24がフロントスプール壁30、リアスプール壁32の周囲に乗る。さらに、ラチェット24がスプール16のコーナー54を通過するときに、フロント歯46とリア歯48の低部52によりフロント導体34、リア導体36がフロント導体リード38、リア導体リード40と接触することを防止する。
【0021】
図7は、ラチェット24がスプール16のコーナー54を通過した後、さらに溝56に落ちた後のラチェット24を示す。図7にて明らかなように、導体34、36は、導体リード38、40とまだ接触してはいない。所望の長さに達してユーザが伸縮コード12への押圧をリリースするまで接触せず、よってバネ仕掛けのスプール16が反時計方向に回転できる。このような反時計方向の回転により、フロント歯46とリア歯48はコーナー54と接する位置となり、導体34、36は導体リード38、40と接触する位置となる(図2〜5に示すように)。フロント導体34とリア導体36はそれぞれフロントスプール壁30、リアスプール壁32に沿って、内側のハブ20方向に延在する。伸縮コード12は孔(不図示)を通ってハブ20の内側にも延在し、ハブ20内でフロント導体34とリア導体36に接合する。
【0022】
この開示では種々の改変や代替の形をとることが可能であるが、特定の例示的実施の形態を、説明の目的で図面に示し、本書で詳細に説明した。しかし、開示された実施の形態に限定する意図はなく、反対に、添付の特許請求の範囲で画定される開示の思想と範囲内の全ての改変、均等物および代替をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7