特許第5909008号(P5909008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5909008
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】管体製造方法および粉体塗膜形成方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 58/04 20060101AFI20160412BHJP
   B05D 1/12 20060101ALI20160412BHJP
   B05D 7/22 20060101ALI20160412BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20160412BHJP
【FI】
   F16L58/04
   B05D1/12
   B05D7/22 C
   B32B1/08 Z
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-64491(P2015-64491)
(22)【出願日】2015年3月26日
【審査請求日】2015年9月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彩乃
(72)【発明者】
【氏名】十時 拓人
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏明
(72)【発明者】
【氏名】船橋 五郎
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−053220(JP,A)
【文献】 特開2010−269243(JP,A)
【文献】 特開2013−204689(JP,A)
【文献】 特開2010−209967(JP,A)
【文献】 特開2010−194394(JP,A)
【文献】 特開2014−105780(JP,A)
【文献】 特開2000−320747(JP,A)
【文献】 特開2011−196401(JP,A)
【文献】 特開2001−355790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L58/00−58/18
F16L21/00−21/08
B05D 7/22
B05D 1/12
B32B 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐震構造を有する受口と、前記受口に連続する直部とを備えた管体を製造するための管体製造方法であって、
ゲルタイムが19.1秒以上かつ38.1秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.5以上かつ3.6以下の第1の粉体塗料を用いて、前記受口の内周面の少なくとも一部に対して第1の粉体塗膜を形成するステップと、
前記ゲルタイムが30.0秒以上かつ50.0秒以下であって、前記傾斜式溶融フロー試験における測定値が2.0以上かつ8.0以下の第2の粉体塗料を用いて、前記直部の内周面の少なくとも一部に対して第2の粉体塗膜を形成するステップとを備える、管体製造方法
【請求項2】
前記第1の粉体塗膜を形成するステップでは、前記第1の粉体塗膜の厚み300μm以上かつ500μm以下となるように、前記第1の粉体塗膜を形成する、請求項1に記載の管体製造方法
【請求項3】
前記第1の粉体塗膜を形成するステップでは、前記第1の粉体塗膜の厚みの最大値と最小値との差が200μm以下となるように、前記第1の粉体塗膜を形成する、請求項1に記載の管体製造方法
【請求項4】
前記第1の粉体塗料は、前記ゲルタイムが19.7秒以上かつ35.4秒以下であって、前記傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.7以上かつ2.7以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の管体製造方法
【請求項5】
耐震構造を有する受口と前記受口に連続する直部とを有する管体に粉体塗膜を形成するための粉体塗膜形成方法であって、
ゲルタイムが19.1秒以上かつ38.1秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.5以上かつ3.6以下の第1の粉体塗料を用いて、前記受口の内周面の少なくとも一部に対して第1の粉体塗膜を形成するステップと、
前記ゲルタイムが30.0秒以上かつ50.0秒以下であって、前記傾斜式溶融フロー試験における測定値が2.0以上かつ8.0以下の第2の粉体塗料を用いて、前記直部の内周面の少なくとも一部に対して第2の粉体塗膜を形成するステップとを備える、粉体塗膜形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体、管体を備えた管路、および管体への粉体塗膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、主に水道管などに使用されるダクタイル鋳鉄管(鉄管)には、地震時においても継手部分(一方の鋳鉄管の受口に他方の鋳鉄管の挿口を挿入して接合している部分)が離脱せず、ライフラインとして通水機能を維持できることが求められている。このため、鋳鉄管の受口内周面には、それらを実現するための部材として、継手部の離脱防止のためのロックリングや継手部の止水性維持のためのゴム輪などの部材を装着するための複数の凹部と、当該部材を機能させるための凸部とが設けられている。また、鋳鉄管の両端部に位置する受口と挿口との間には直部と称する長い管状部分が存在する。
【0003】
ところで、金属管である鋳鉄管には、防食上などの理由から、その内外周面には、塗覆装が施されるが、おいしい水を求める消費者の声に応えるため内周面には粉体塗装が施される場合が多くなっている。
【0004】
しかしながら、このような凹凸形状を有する受口内周面に粉体塗装を施す場合、凹凸部分の底面と壁面とでは塗料の付着しやすさが異なるため、均一な粉体塗膜を形成する事が困難である。それゆえ、部位によっては粉体塗料が過剰に付着してしまう。その結果、凹部の寸法が所定の公差範囲に収まりきらずに、ゴム輪およびロックリングなどの装着の際、あるいは挿口との接合の際に支障をきたす虞がある。それゆえ、粉体塗装は直部内周面の平滑な部分が主たる対象となっており、受口内周面の凹凸形状にまで粉体塗装が施されることはなかった。
【0005】
したがって、受口内周面の塗装に際しては、熟練作業者の人手による塗装作業を皆無にすることは難しく、塗装工程上の負担となっていた。
【0006】
たとえば、特許文献1には、管体の内周面への粉体塗装の一例として、一端に受口を有し他端に挿口を有する鉄管の内面に粉体塗装を行う方法が開示されている。特許文献1の塗装方法は、ノズルから帯電した粉体塗料を吐出することにより、受口の内周面に均一な塗膜を形成する方法である。
【0007】
また、特許文献2には、コーン状スプレーパターンに塗料を噴射するノズルを用いることにより、受口の内周面に均一な塗膜を形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−269243号公報
【特許文献2】特開2003−53220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、粉体塗料の特性によっては、受口の内周面に対して均一な膜厚の塗膜を形成できない場合もある。
【0010】
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、均一な膜厚の粉体塗膜が形成された管体、管体を備えた管路、および管体への粉体塗膜形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明によると、管体製造方法は、耐震構造を有する受口と、受口に連続する直部とを備えた管体を製造するために実行される。管体製造方法は、ゲルタイムが19.1秒以上かつ38.1秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.5以上かつ3.6以下の第1の粉体塗料を用いて、受口の内周面の少なくとも一部に対して第1の粉体塗膜を形成するステップと、ゲルタイムが30.0秒以上かつ50.0秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が2.0以上かつ8.0以下の第2の粉体塗料を用いて、直部の内周面の少なくとも一部に対して第2の粉体塗膜を形成するステップとを備える。
【0012】
請求項2の発明によると、第1の粉体塗膜を形成するステップでは、第1の粉体塗膜の厚み300μm以上かつ500μm以下となるように、第1の粉体塗膜を形成する
【0013】
請求項3の発明によると、第1の粉体塗膜を形成するステップでは、第1の粉体塗膜の厚みの最大値と最小値との差が200μm以下となるように、第1の粉体塗膜を形成する
【0014】
請求項4の発明によると、第1の粉体塗料は、ゲルタイムが19.7秒以上かつ35.4秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.7以上かつ2.7以下である
【0017】
請求項の発明によると、粉体塗膜形成方法は、耐震構造を有する受口と受口に連続する直部とを有する管体に粉体塗膜を形成するために実行される。粉体塗膜形成方法は、ゲルタイムが19.1秒以上かつ38.1秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.5以上かつ3.6以下の第1の粉体塗料を用いて、受口の内周面の少なくとも一部に対して第1の粉体塗膜を形成するステップと、ゲルタイムが30.0秒以上かつ50.0秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が2.0以上かつ8.0以下の第2の粉体塗料を用いて、直部の内周面の少なくとも一部に対して第2の粉体塗膜を形成するステップとを備える
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、耐震構造を有する受口の内周面の少なくとも一部については、均一な膜厚の粉体塗膜を形成することができる。また、直部の内周面の少なくとも一部については、第2の粉体塗料が直部の内周面で広がりやすくなるため、膜厚の平滑化が図れるとともに、第2の粉体塗料が直部の内周面において硬化するまでの時間を低減できるため、粉体塗膜を有する管体の生産性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】管路および管体の構造を説明するための図である。
図2】塗装装置によって管体の受口の内周面に対して粉体塗装を行なうための塗装システムの構成を表した図である。
図3】粉体塗装時における粉体の吐出状態を説明するための図である。
図4】管路における管体と管体との連結状態を説明するための図である。
図5】粉体塗膜の膜厚を測定する位置(以下、「測定ポイント」とも称する)を説明するための図である。
図6】29種類の粉体塗料について、流れ性およびゲルタイムの調査結果と、粉体塗装により形成された粉体塗膜の膜厚に対する評価とを表した図である。
図7図6に示した流れ性およびゲルタイムの各値を、流れ性を横軸にし、かつゲルタイムを縦軸として、評価別に分類してプロットしたグラフである。
図8】7段階の周速度について、粉体塗装により形成された粉体塗膜の膜厚に対する評価を表した図である。
図9】測定結果の一例として、25m/分を除く6段階の周速度についての1回分の測定結果を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る管体について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
また、以下では、塗装対象物として、受口を有する鉄製の管体(一例として、水道用のダクタイル鋳鉄管)を例に挙げて説明する。なお、塗装対象物となる管体の材質は、粉体塗装が可能であれば、鉄に限定されるものではない。たとえば、塗装対象物は、鉄製以外の金属製の管体であってもよい。
【0022】
<A.管体の概要>
図1は、管路および管体の構造を説明するための図である。図1を参照して、管路2000は、管体900と管体900Aとが連結されたものである。
【0023】
管体900,900Aは、耐震機能を有するダクタイル鉄管(継手)である。なお、管体900,900Aは一般的なダクタイル鉄管であるが、説明の便宜上、以下に管体900,900Aの構成について説明する。
【0024】
管体900,900Aは、一方の管体900Aの挿口921が他方の管体900の受口910に挿し込まれることによって、互いに連結される。管体900と管体900Aとは同じ構造を有する。
【0025】
より詳しくは、管体900,900Aは、ロックリング720と、ロックリングホルダ730と、管体900Aにおける挿口921の先端に設けられた突起部922とによって、地震などにより地盤変動が生じても、挿口921が受口910から離脱することを防止している。また、管体900Aの先端が管体900の底部940に当たることにより、管体900Aの挿口921が管体900に入り込み過ぎないように規制されている。ゴム輪710は、管体900,900Aの内部を通る液体(一例として、水)あるいはガス等の外部への漏れを防止している。
【0026】
以下では、説明の便宜上、管体900,900Aのうち、管体900に着目して説明する。
【0027】
<B.塗装システムの構成>
図2は、塗装装置1によって管体900の受口910の内周面に対して粉体塗装を行なうための塗装システム1000の構成の一例を表した図である。図2を参照して、塗装システム1000は、塗装装置1と、被塗装対象物としての管体900と、回転装置800とを備えている。塗装装置1は、粉体吐出機構10と、駆動装置20と、制御装置30と、粉体供給装置40と、ホース50とを備えている。
【0028】
粉体吐出機構10は、ノズル11と、ランス16とを含む。ランス16は、ノズル11に粉体を供給するための配管(塗料供給管)である。ノズル11は、ランス16の先端に備え付けられている。ノズル11は、管体900の受口910における凹凸形状の内周面に粉体を吐出する。
【0029】
駆動装置20は、粉体吐出機構10を固定するための筐体21と、筐体21を移動可能に支持する支持台22とを備える。支持台22は、管体900の軸方向(つまり、X軸方向)に筐体21を往復移動させるための駆動機構を有している。粉体吐出機構10は、筐体21の移動に伴って、筐体21と同じ方向および速度で移動する。
【0030】
制御装置30は、駆動装置20に指令を送ることにより、筐体21の移動方向、移動速度、および移動距離を制御する。つまり、制御装置30は、粉体吐出機構10の移動方向、移動速度、および移動距離を制御する。なお、筐体21の移動方向、移動速度、および移動距離は、管体900の寸法等に応じて、塗装装置1のユーザによって予め設定される。移動速度の制御については、後述する。また、制御装置30は、粉体供給装置40に対して、粉体の供給開始および供給停止を指示する。
【0031】
制御装置30は、矢印Aの方向(X軸正の方向)および矢印B(X軸負の方向)の方向に筐体21を移動させる。より詳しくは、制御装置30は、ノズル11が管体900の受口910に入り込み、その後、ノズル11が受口910から出てくるように、筐体21を支持台22に対して移動させる。
【0032】
粉体供給装置40は、ホース50によってランス16に接続されている。これにより、塗装装置1は、ノズル11から粉体を吐出することが可能となる。
【0033】
回転装置800は、管体900の周方向に管体900を回転させる。より詳しくは、回転装置800は、一例として、管体900を矢印Cの方向に一定速度で回転させる。これにより、塗装装置1は、粉体を管体900の受口の内周面の全域に吐出することが可能となる。
【0034】
<C.粉体の吐出>
図3は、粉体塗装時における粉体の吐出状態を説明するための図である。図3を参照して、管体900の受口910の内周面951は、凹凸形状をしている。その一方、受口910に連続する直部920の内周面952は、凹凸形状を有していない。以下、受口910の内周面951の構造について、詳しく説明する。
【0035】
内周面951には、複数の凹部が形成されている。具体的には、内周面951には、ゴム輪710のヒール部7101(図4参照)が収容される凹部991と、ゴム輪710のバルブ部7102(図4参照)が収容される凹部992と、ロックリング720およびロックリングホルダ730が収容される凹部993とが形成されている。
【0036】
凹部991は、管体900の受口910の開口側(手前側)に壁面961を有し、管体900の奥側に壁面962を有する。また、凹部991は、壁面961と壁面962との間に底面971を有する。凹部992は、管体900の開口側に壁面963を有し、管体900の奥側に壁面964を有する。また、凹部992は、壁面963と壁面964との間に底面972を有する。凹部993は、管体900の開口側に壁面965を有し、管体900の奥側に壁面966を有する。また、凹部993は、壁面965と壁面966との間に底面973を有する。
【0037】
壁面961,962,964,966は、管体900の軸方向に垂直な断面に略平行である。底面971,972,973は、管体900の軸方向に垂直な断面に対して略垂直である。
【0038】
壁面963は、ゴム輪710の変形等を考慮して、管体900の軸方向に垂直な断面に対して、所定の角度傾いている。より具体的には、凹部992の底面と壁面963とのなす角度が鈍角となるように、壁面963は当該断面に対して傾斜している。
【0039】
壁面965は、ロックリング720に対して、管体900の軸の中心方向への力を作用させるために、管体900の軸方向に垂直な断面に対して、所定の角度傾いている。より具体的には、凹部993の底面と壁面965とのなす角度が鈍角となるように、壁面965は当該断面に対して傾斜している。
【0040】
以上のように、受口910の内周面951には、各々が2つの壁面(立ち上がり部)を有する、複数の凹部991,992,993が存在する。
【0041】
凹部992、993にある各2つ壁面のうち、管軸方向受口開口側の壁面963、965が、底面となす角度が鈍角となるように傾斜しているのは、挿口921、より詳しくは挿口先端の突起部922がゴム輪710の内周面を通過するときの挿入力(挿入に必要な力)を低減させるために拡径変形し壁面963に当接するゴム輪に無理な力が発生しないようにすることや、地震時などで挿口を受口から離脱させようとした力が作用したときに壁面965に当接するロックリングをより縮径させるようにすることがその理由である。
【0042】
一方、受口開口寄りの凹部991の2つの壁面961、962がいずれも管軸に直交する平面となっているのは、凹部991に受口内周面に装着されるゴム輪710のヒール部と称する矩形断面の環状部分が嵌め込まれ、ゴム輪710の内周面を挿口921が通過するときに管軸方向奥方向きの力を受けるゴム輪710を所定の位置に留めるよう凹部991の両壁面961,962でヒール部を確実に把持することがその理由である。
【0043】
このような理由から、凹部の各2つの壁面のうち、管軸方向奥側の壁面と開口側壁面とでは傾斜角度が異なっており、管軸方向奥側の壁面が管軸に垂直な壁面となっている場合が多い。
【0044】
なお、凹部991は、一般的には、「ヒール部収容部」と称されている。凹部992は、一般的には、「バルブ部収容部」と称されている。
【0045】
<D.連結状態の詳細>
図4は、管路2000における管体900と管体900Aとの連結状態を説明するための図である。図4を参照して、挿口921が管体900の受口910に挿し込まれると、ゴム輪710が変形し、ゴム輪710のバルブ部7102に力が作用し、バルブ部7102の先端部が凹部992に入り込む。なお、ゴム輪710のヒール部7101は、凹部991に留まっている。
【0046】
このような状態で、管体900と管体900Aとによる構成される管路2000の内部に液体(典型的には、水道水)が流れると、凹部993には液体が流れ込む。また、凹部992にも、ゴム輪710のバルブ部7102で埋められた領域を除き、液体が流れ込む。なお、ゴム輪710により、管体900,900A内を流れる液体が管体900,900Aの外部に流れ出すことを防止できる。
【0047】
また、上述したように、管体900,900Aは、ロックリング720と、ロックリングホルダ730と、突起部922とによって、地震などにより地盤変動が生じても、挿口921が受口910から離脱することを防止している。たとえば、地盤変動により管体900と管体900Aとが相対的に移動することにより、突起部922がロックリング720に対して力を作用させた場合、ロックリング720は、壁面965に接触する。
【0048】
<E.流れ性およびゲルタイム>
所定の塗装条件の下、受口910の内周面951における粉体塗膜の膜厚が所定の基準を満たしているかを、複数の粉体塗料の各々について評価した。具体的には、複数の測定ポイントにおける膜厚が、300μm以上500μm以下を満たしているか否かを確認した。また、評価に先立ち、各粉体塗料について、流れ性とゲルタイムとを調査した。
【0049】
(e1.粉体塗料の流れ性およびゲルタイムの調査方法)
(1)流れ性
29種類の粉体塗料の各々について以下の条件(i)〜(iv)で流れ性を調査した。なお、流れ性の調査は、JIS K 5600−9−2(傾斜式溶融フロー試験)に準じている。
【0050】
(i)0.5gの粉体塗料を錠剤成型器(直径13mm)に流し込み、1kg/cm〜5kg/cmの圧力で成型する。
【0051】
(ii)45°の傾斜を有する治具にJIS G3141に規定する冷間圧延鋼板(SPCC−SB,厚み2mm)を載せたものを、オーブンを用いて180℃で20分間加熱する。その後、上記錠剤を上記加熱された鋼板の上部に載せて、5分後に鋼板をオーブンから取り出し、硬化物の長さL(mm)を測定する。
【0052】
(iii)以下の式(1)を用いて、値Kを算出する。
K=(L−13)/13 … (1)
(iv)上記(i)〜(iii)の作業を3回行ったときに得られる3つの値Kの平均値を、流れ性とする。
【0053】
(2)ゲルタイム
上記29種類の粉体塗料の各々について以下の条件(i)〜(iv)でゲルタイムを調査した。なお、ゲルタイムの調査は、JIS K 5600−9−1(所定温度での熱硬化性粉体塗料のゲルタイム測定方法)に準じている。
【0054】
(i)表面温度が200℃のゲル化試験機のプレート中央に、約0.1gの粉体塗料をなるべく平坦になるように載せる。粉体塗料が完全に溶融した時点から15秒後に、先端を削ったテフロン(登録商標)棒で粉体塗料の撹拌を開始する。
【0055】
(ii)粉体塗料が完全に溶融した時点から、テフロン(登録商標)棒で粉体塗料を持ち上げても糸を引かなくなるまで時点までの時間を測定する。
【0056】
(iii)上記の(i)および(ii)の作業を5回繰り返し、最大値と最小値とを1つずつ除いた後の3つの測定時間の平均値を求める。
【0057】
(iv)上記(i)〜(iii)の作業を2回行い、上記(iii)の作業で得られた3つの測定時間の平均値のさらに平均値を、ゲルタイムとする。
【0058】
(e2.塗装条件、試験回数、測定ポイント)
ノズルを2個有する塗装装置1(図2参照)を用いて、以下の塗装条件(i)〜(iv)で、管体900の受口910の内周面951に粉体塗装を行なった。なお、外部から電荷を与えないことで粉体を帯電させずに塗装(静電なしで塗装)を行なった。
【0059】
(i)供試管: 管体900の受口910(呼び径:100mm)
(ii)使用塗料: 29種類のエポキシ粉体塗料
(iii)目標膜厚: 300μm〜500μm
(iv)吐出量: 140g/分
(v)周速度: 100m/分(周速度は、凹部993での測定値を表す。詳しくは、周速度は底面973での測定値を表す。)
また、上記29種類の粉体塗料の各々について、30回の試験を行なった。つまり、870回(=30回×29種類)の試験塗装を行なった。
【0060】
図5は、粉体塗膜の膜厚を測定する位置(以下、「測定ポイント」とも称する)を説明するための図である。図5を参照して、受口910の内周面951において、受口910の端面919から直部920の方へ、順に、測定ポイントを12箇所設定した。さらに他の36個の測定ポイントP13〜P48(図示せず)を設定した。
【0061】
測定ポイントP13〜P24は、測定ポイントP1〜P12を内周面951に沿って周方向に90度回転させた位置である。測定ポイントP25〜P36は、測定ポイントP13〜P24を内周面951に沿って周方向にさらに90度回転させた位置である。測定ポイントP37〜P48は、測定ポイントP25〜P36を内周面951に沿って周方向にさらに90度回転させた位置である。つまり、測定ポイントP1、P13,P25,P37は、内周面951の周上に、この順かつ等間隔に設定されている。
【0062】
測定ポイントP1を、端面919と壁面961との間の上部面981に設定する。測定ポイントP2を、壁面961に設定する。測定ポイントP3を、壁面962と壁面963との間の上部面982に設定する。測定ポイントP4を、底面972に設定する。
【0063】
測定ポイントP5を、壁面964に設定する。測定ポイントP6を、壁面964と壁面965との間の上部面983に設定する。測定ポイントP7を、壁面965に設定する。測定ポイントP8を、底面973に設定する。測定ポイントP9を、壁面966に設定する。測定ポイントP10,P11,P12を、受口910の膨出部918の内周面984に設定する。
【0064】
(e3.調査結果および評価)
図6は、29種類の粉体塗料について、流れ性およびゲルタイムの調査結果と、粉体塗装により形成された粉体塗膜の膜厚に対する評価とを表した図である。
【0065】
図6を参照して、粉体塗料#1,#3,#7,#8,#18,#20,#23,#24,#25が、A評価であった。A評価は、結果が「特に良好」であったことを表す。具体的には、A評価は、上記12箇所の測定ポイントP1〜P12において塗膜の膜厚を各々30回測定したときの測定結果(つまり、360回の測定結果)の全てが、300μm以上かつ500μm以下であったことを表している。
【0066】
粉体塗料#9,#10,#15,#19,#26が、B評価であった。B評価は、結果が「良好」であったことを表す。具体的には、B評価は、測定ポイントP1〜P12において塗膜の膜厚を各々30回測定したときの測定結果のうちの95%以上かつ100%未満の回数(つまり、342回以上かつ360回未満)の測定結果(つまり、膜厚)が、300μm以上かつ500μm以下であったことを表している。
【0067】
粉体塗料#2,#4〜#6,#11〜#14,#16,#17,#21,#22,#27〜#29が、C評価であった。C評価は、結果が「不良」であったことを表す。具体的には、C評価は、測定ポイントP1〜P12において塗膜の膜厚を各々30回測定したときの測定結果のうちの95%未満の回数(つまり、342回未満)の測定結果が300μm以上かつ500μm以下であったことを表している。つまり、C評価は、19回以上、膜厚が300μm以上かつ500μm以下の条件を満たさなかったことを表している。
【0068】
各塗料#1〜#29の評価結果と流れ性およびゲルタイムとの関連性については、後述する。
【0069】
(e4.考察)
図7は、図6に示した流れ性およびゲルタイムの各値を、流れ性を横軸にし、かつゲルタイムを縦軸として、評価別に分類してプロットしたグラフである。
【0070】
図7を参照にして、A評価およびB評価を得た14個の粉体塗料のゲルタイムの最小値は19.1秒であり、かつ当該ゲルタイムの最大値は38.1秒であった。また、A評価およびB評価を得た14個の粉体塗料の流れ性(傾斜式溶融フロー試験における測定値)の最小値が0.5であり、当該流れ性の最大値が3.6であった。
【0071】
また、A評価を得た9個の粉体塗料のゲルタイムの最小値は19.7秒であり、かつ当該ゲルタイムの最大値は35.4秒であった。また、A評価およびB評価を得た14個の粉体塗料の流れ性(傾斜式溶融フロー試験における測定値)の最小値が0.7であり、当該流れ性の最大値が2.7であった。
【0072】
以上より、受口910の内周面951に均一な膜厚の粉体塗膜を形成するためには、ゲルタイムが19.1秒以上かつ38.1秒以下であって、流れ性が0.5以上かつ3.6以下の粉体塗料を用いることが好ましい。また、受口910の内周面951により均一な膜厚の粉体塗膜を形成するためには、ゲルタイムが19.7秒以上かつ35.4秒以下であって、流れ性が0.7以上かつ2.7以下の粉体塗料を用いることがより好ましい。
【0073】
なお、上記のような特性の塗料を用いて粉体塗膜を形成する領域は、受口910の内周面951の全ての領域である必要は必ずしもない。受口910の内周面915の少なくとも一部に対して、上記のような特性の塗料を用いて粉体塗膜を形成してもよい。特に、ゴム輪710が収容される凹部991,992とロックリング720およびロックリングホルダ730が収容される凹部993とには膜厚の均一性が求められるため、凹部991,992,993において、上記のような特性の塗料を用いることが好ましい。少なくとも、特に精度が要求される凹部993において、上記のような特性の塗料を用いることが好ましい。
【0074】
また、JIS規格および膜厚が厚くなり過ぎないことを考慮すると、受口910の内周面951における粉体塗膜の厚みは、300μm以上かつ500μm以下であることが好ましい。
【0075】
また、膜厚の均一化を考慮すると、受口910の内周面951における粉体塗膜の厚みの最大値と最小値との差が200μm以下であることが好ましい。
【0076】
一方、管体900の直部920の内周面952の少なくとも一部に形成される粉体塗膜は、ゲルタイムが30.0秒以上かつ50.0秒以下であって、流れ性が2.0以上かつ8.0以下の粉体塗料を用いて形成されていることが好ましい。
【0077】
ゲルタイムが30.0秒以上であり、流れ性が2.0以上であることによって、受口910よりも固まりにくく、流れやすい塗料を用いていると言えるが、このような塗料を用いることで、受口910のような凹凸のない直部920では回転しながら塗布した場合に、管体900の熱で溶融した粉体塗料が直部内面にて広がりやすくなるため、直部920の膜厚の平滑化が可能となるためである。ゲルタイムが大きすぎると硬化するまでに時間がかかり、生産性が劣る為、ゲルタイムは50.0秒以下であることが好ましい。また、流れ性が大きすぎると粉体塗料が広がり易くなりすぎるため、逆に膜厚の均一化が困難となる。そのため、流れ性は8.0以下であることが好ましい。
【0078】
なお、上述した通り、凹部を有する受口910の膜厚の均一化のための塗料と、直部920の膜厚の均一化のための塗料は、同じ塗料ではあるものの、ゲルタイム、流れ性において好ましい範囲が全く異なり、それらの範囲を特定する理由も全く異なる。
【0079】
<F.周速度>
次に、周速度が膜厚の均一化に及ぼす影響を調べた。具体的には、ロックリング720およびロックリングホルダ730が収容される凹部993の周速度(詳しくは、底面973の周速度)を変化させて、膜厚の均一性を評価した。
【0080】
(f1.塗装条件、試験回数、測定ポイント)
塗装装置1(図2参照)を用いて、以下の塗装条件(i)〜(v)で、管体900の受口910の内周面951に粉体塗装を行なった。なお、外部から電荷を与えないことで粉体を帯電させずに塗装(静電なしで塗装)を行なった。
【0081】
(i)供試管: 管体900の受口910(呼び径:100mm)
(ii)使用塗料: 図6に示した粉体塗料#1
(iii)目標膜厚: 300μm〜500μm
(iv)吐出量: 140g/分
(v)周速度: 25m/分〜300m/分の間の7段階の周速度(周速度は、凹部993での測定値を表す。詳しくは、周速度は、底面973での測定値を表す。)
また、上記7段階の周速度の各々について、30回の試験を行なった。つまり、210回(=30回×7段階)の試験塗装を行なった。
【0082】
測定ポイントは、図5に示した測定ポイントP1〜P12と、上述した36個の測定ポイントP13〜P48(図示せず)である。つまり、7段階の周速度の各々に関し、1440回(=12×4×30回)の膜厚測定を行なった。
【0083】
(f2.評価および考察)
図8は、7段階の周速度について、粉体塗装により形成された粉体塗膜の膜厚に対する評価を表した図である。
【0084】
図8を参照して、凹部993における周速度が50m/分の場合と100m/分の場合とが、A評価であった。A評価は、結果が「特に良好」であったことを表す。具体的には、A評価は、上記48箇所の測定ポイントP1〜P48において塗膜の膜厚を各々30回測定したときの測定結果(つまり、1440回の測定結果)の全てが、300μm以上かつ500μm以下であったことを表している。
【0085】
周速度が150m/分の場合と200m/分の場合とが、B評価であった。B評価は、結果が「良好」であったことを表す。具体的には、B評価は、測定ポイントP1〜P48において塗膜の膜厚を各々30回測定したときの測定結果のうちの95%以上かつ100%未満の回数(つまり、1368回以上かつ1440回未満)の測定結果(つまり、膜厚)が、300μm以上かつ500μm以下であったことを表している。
【0086】
周速度が25m/分の場合と250m/分の場合と300m/分の場合とが、C評価であった。C評価は、結果が「不良」であったことを表す。具体的には、C評価は、測定ポイントP1〜P48において塗膜の膜厚を各々30回測定したときの測定結果のうちの95%未満の回数(つまり、1368回未満)の測定結果が300μm以上かつ500μm以下であったことを表している。つまり、C評価は、73回以上、膜厚が300μm以上かつ500μm以下の条件を満たさなかったことを表している。特に、周速度が25m/分の場合には、ランス16,17の移動速度との関係で、螺旋状の粉体塗膜が発生した。
【0087】
図9は、測定結果の一例として、25m/分を除く6段階の周速度についての1回分の測定結果を表した図である。図9を参照して、周速度が50m/分の場合と100m/分の場合とには、12箇所の測定ポイントP1〜P12の各々において、膜厚が300μm以上かつ500μm以下となっている。また、たとえば、周速度が300m/分の場合には、測定ポイントP2,P5,P7,P9,P10,P12において膜厚が300μmよりも薄くなっており、測定ポイントP1,P3,P4,P8,P11において膜厚が500μmよりも厚くなっている。
【0088】
以上より、上述したように、粉体塗膜が形成された管体900を製造するための管体製造方法は、管体900の管軸方向に粉体を吐出するノズル11,12と管体900とを相対的に移動させ、かつノズル11,12と管体900とを管軸周りに相対的に回転させながら、受口910の内周面951に対して粉体を吐出するステップを備える。内周面951に対して粉体を吐出するときの凹部993における周速度は、分速50m以上かつ分速200m以下に設定されている。このように周速度を設定することにより、内周面951において均一な膜厚の粉体塗膜を得られる。詳しくは、300μm以上かつ500μm以下の粉体塗膜を内周面951に形成することができる。
【0089】
内周面951に対して粉体を吐出するときの凹部993における周速度は、分速50m以上かつ分速100m以下に設定されていることが好ましい。このように周速度を設定することにより、内周面951において、さらに均一な膜厚の粉体塗膜を得られる。
【0090】
なお、上記のような周速度で粉体塗膜を形成する領域は、受口910の内周面951の全ての領域である必要は必ずしもない。受口910の内周面951の少なくとも一部に対して、上記のような特性の塗料を用いて粉体塗膜を形成してもよい。特に、ゴム輪710が収容される凹部991,992とロックリング720およびロックリングホルダ730が収容される凹部993とには膜厚の均一性が求められるため、凹部991,992,993において、上記のような周速度で粉体塗装を行なうことが好ましい。少なくとも、特に精度が要求される凹部993において、上記のような周速度で粉体塗装を行なうことが好ましい。
【0091】
(f3.直部920における内周面952への粉体塗装との比較)
受口910の内周面951(特に凹部993)に対して粉体を吐出するときの凹部993における周速度は、直部920の内周面952の全部または一部に対して粉体を吐出するときの凹部993における周速度よりも遅く設定されていることが好ましい。この理由は、以下のとおりである。
【0092】
直部920の内周面952に対して粉体塗装を行なう場合には、均一な粉体塗膜を形成する観点から、強い遠心力により粉体塗料を内周面952上に万遍なく拡散させる必要がある。その一方、内周面951(特に、凹部991,992,993)に対して粉体塗装を行なう場合には、強い遠心力が加わると、壁面961〜966の各々に付着した粉体塗料が、隣接する底面971〜973(図3参照)に流れ込み、均一な膜厚の粉体塗膜を形成できなくなる虞がある。このような観点から、内周面951に対して粉体を塗布するときの凹部993における周速度は、内周面952に対して粉体を塗布するときの凹部993における周速度よりも遅く設定されていることが好ましい。
【0093】
なお、内周面952に対して粉体を塗布するときの凹部993における周速度としては、たとえば、270m/分とすることができる。
【0094】
上記においては、外部から電荷を与えないことで粉体を帯電させずに粉体塗装を行なう場合を例に挙げて説明した。つまり、粉体を帯電させずとも、均一な粉体塗膜を形成することが可能な塗装条件を説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、上記の各数値および各数値範囲は、外部から電荷を与えることで粉体を帯電させて粉体塗装(静電粉体塗装)を行なう場合にも適用できる。
【0095】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0096】
1 塗装装置、10 粉体吐出機構、11 ノズル、16 ランス、20 駆動装置、21 筐体、22 支持台、30 制御装置、40 粉体供給装置、50 ホース、600 粉体、710 ゴム輪、720 ロックリング、730 ロックリングホルダ、800 回転装置、900,900A 管体、910 受口、915,951,952,984 内周面、918 膨出部、919 端面、920 直部、921 挿口、922 突起部、940 底部、961,962,963,964,965,966 壁面、971,972,973 底面、981,982,983 上部面、991,992,993 凹部、1000 塗装システム、2000 管路、7101 ヒール部、7102 バルブ部。
【要約】
【課題】均一な膜厚の粉体塗膜が形成された管体を得る。
【解決手段】管体900は、耐震構造を有する受口910と、受口910に連続する直部920とを備える。受口910の内周面951の少なくとも凹部993には、粉体塗膜が形成されている。当該粉体塗膜は、ゲルタイムが19.1秒以上かつ38.1秒以下であって、傾斜式溶融フロー試験における測定値が0.5以上かつ3.6以下の粉体塗料を用いて形成されている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9