(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5909012
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】放射能遮蔽構造物の構築方法
(51)【国際特許分類】
G21F 1/10 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
G21F1/10
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-89337(P2015-89337)
(22)【出願日】2015年4月24日
【審査請求日】2015年6月8日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591266445
【氏名又は名称】市川 雅英
(73)【特許権者】
【識別番号】315005347
【氏名又は名称】森田 みか
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 雅英
(72)【発明者】
【氏名】森田 みか
【審査官】
後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−317242(JP,A)
【文献】
実開平02−093800(JP,U)
【文献】
特開2013−208541(JP,A)
【文献】
特開平09−328720(JP,A)
【文献】
特開平05−171726(JP,A)
【文献】
特開2014−125772(JP,A)
【文献】
特開2013−170892(JP,A)
【文献】
特開平01−292294(JP,A)
【文献】
特開2007−315843(JP,A)
【文献】
特表2006−518446(JP,A)
【文献】
特開2006−317152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 1/00−7/06
E04C 2/00−2/54
E02B 3/04−3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス状又はハウス状の構造物に係る設計図に合わせて、構造物の壁部を構成するペアの鉄筋コンクリートパネルを部品として予め形成し、
該ペアの鉄筋コンクリートパネルを構築現場でペア間に30mm〜100mmの空間部を開けて組立て、
該空間部に加熱して液状になったアスファルト類を注入充填すること
を特徴とする放射能遮蔽構造物の構築方法。
【請求項2】
ボックス状又はハウス状の構造物に係る設計図に合わせて、予めアスファルト類を所要広さと厚みのパネル状またはプレート状のアスファルト部品として形成し、
放射能汚染物質の保管管理場所において前記アスファルト部品を複数組み立てると共に、該アスファルト部品の内・外両側面にコンクリートパネルを貼り付けまたは壁状に塗りつけて壁部を形成すること
を特徴とする放射能遮蔽構造物の構築方法。
【請求項3】
前記アスファルト部品の所要の厚みは、30mm〜100mmであること
を特徴とする請求項2に記載の放射能遮蔽構造物の構築方法。
【請求項4】
前記アスファルト類は、天然および人工を含むと共に類似物も含むこと
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射能遮蔽構造の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射能遮蔽(シールド)素材
のアスファルト類を使用した
放射能遮蔽構造物の構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の放射能遮蔽(シールド)素材または材料として複数の従来技術に係る物質が公知になっていると共に、その物質を使用した構造物が公知になっている。
【0003】
この公知例に係る第1の従来技術は、放射線遮蔽率の高い材料としてタングステン、又はタングステン化合物、又はタングステン基合金のいずれか、又は他の重金属との混合物等(以下「タングステン等」という)を用い、前記「タングステン等」による遮蔽粒子に対し、造膜材を混合した混合遮蔽材を、綿、麻、又は絹等の自然繊維、及び/又は合成繊維、及び/又は不織布、及び/又は、紙などで構成された布体に、塗布、張付、焼付け、又は印刷などの方法による塗布手段で、一体化した遮蔽布を構成し、遮蔽布と、別片の遮蔽布とは、接着、溶着、縫合、ボタン止め、又は面ファスナー等の結合手段により結合され、種々の形状の放射線遮蔽部材を形成することを特徴とする放射線遮蔽具である(特許文献1)。
【0004】
この放射線遮蔽具は、遮蔽袋の中に、放射線汚染土及び/又は放射線汚染瓦礫を閉じ込めて,遮蔽袋の開口部を閉塞し、外部への放射線を遮断することができる。遮蔽袋を、密封容器の中に入れて、密封容器は、強度を有する鉄、ステンレス、アルミ等の金属、又はFRP樹脂、ポリウレタン樹脂、カーボンファイバー強化型樹脂、等の合成樹脂製の材料、又は合成ゴム系樹脂等で構成されたり、密封容器の内面、及び/又は外面にコーティング層を設けることにより密封容器の腐食などを防ぐことにより100年以上の長期保管が可能となる、というものである。
【0005】
この公知例に係る第2の従来技術は、コンテナは放射能漏えい防止機能素材で内装されている構造を有し、放射能漏えい防止機能、軽量、コンテナ材容積確保のため,バイオプラスチックでアルミ板、プラスチック板をサンドイッチ構造、4層にするのが望ましい、バイオプラスチックの厚さ100mm、アルミ板50mm、プラスチック板100mmとしたものである(特許文献2)。
【0006】
このコンテナは、近隣住民の反対で放射能汚染物仮置き場設置が困難であるが、移動可能で、放射能汚染物を入れたコンテナを監視カメラ、放射能測定器で放射能漏えいを24時間監視することで、住民の不安を払拭することで、放射能汚染物を入れたコンテナの設置場所が容易に確保できる。またコンテナ船等で放射能汚染物を保管すると、雇用増大が見込まれる、というものである。
【0007】
また、公知例に係る第3の従来技術は、コンクリートの打設継ぎ目ができないように、周りの4面と底面を1階でコンクリートを打設した、コンクリート製放射能密閉格納容器と、コンクリート製放射能密閉格納容器の蓋との接合部の水混入防止機構に、遮断材を施工し、外気が入らない、内規が抜けない構造の、密閉できるコンクリート製放射能密閉格納容器の中に、塗装もできることを可能にして、放射能汚染物、放射能瓦礫焼却灰を入れ、コンクリート製放射能密閉格納容器の蓋をのせ、ボルトにナットをしてコンクリート製放射能密閉格納容器の蓋を締め付け圧着させ密閉することを特徴とする、コンクリート製放射能密閉格納容器と使用方法(特許文献3)。
【0008】
このコンクリート製放射能密閉格納容器に放射能汚染物、放射能瓦礫焼却灰を入れて密閉することによって、移動、集積、運搬が容易にできるものであり、コンクリート製放射能密閉格納容器の蓋と一体とした積み上げストッパーと積み上げストッパー穴とを組み合わせるため、コンクリート製放射能密閉格納容器を積み上げた後、衝撃に強く、倒壊の心配なく積み上げ、周りをコンクリートで幾重にも巻き立てができるものである、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013−44737号公報
【特許文献2】特開2013−127439号公報
【特許文献3】特開2014−157145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記公知例に係るいずれの従来技術においては、放射能遮蔽材として従来から用いられているタングステン、銅、ニッケル、クローム、マンガン、錫、鉛、亜鉛、アンチモンやアルミニウムなどの金属、及び合成樹脂、又はコンクリート等で形成したコンテナ又は箱体が開示されている。
【0011】
しかしながら、これらの材料では、放射能汚染物(土壌)をある程度の範囲で遮蔽することができるが、例えば、人体に影響を及ぼす5.6マイクロシーベルト以上の放射能を、人体に影響を及ぼさない範囲まで遮蔽することについては、過去のデータからして確認されていないし、特に金属を使用した場合は、所要厚みを保持しなければならないので、重量が嵩むばかりでなく、高価なものになるという問題点を有している。また、コンクリート造の場合には、放射能の遮蔽機能が低いという問題点を有している。
【0012】
本発明の主たる目的は、放射能を1/25以下に減衰遮蔽できる放射能遮蔽素材と、該放射能遮蔽素材を予めパネル又はプレート材として工場で形成し、該パネル又はプレート材を現場に運び込んで簡単に構築できるようにすること、及び放射能汚染物を保管する場所(位置)で現場打ち工事で建造できる建造物とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決する具体的手段として、第1の発明として、
ボックス状又はハウス状の構造物に係る設計図に合わせて、構造物の壁部を構成するペアの鉄筋コンクリートパネルを部品として予め形成し、該ペアの鉄筋コンクリートパネルを構築現場でペア間に30mm〜100mmの空間部を開けて組立て、該空間部に加熱して液状になったアスファルト類を注入充填することを特徴とする放射能遮蔽構造物の構築方法を提供するものである。
【0014】
第2の発明として、
ボックス状又はハウス状の構造物に係る設計図に合わせて、予めアスファルト類を所要広さと厚みのパネル状またはプレート状のアスファルト部品として形成し、放射能汚染物質の保管管理場所において前記アスファルト部品を複数組み立てると共に、該アスファルト部品の内・外両側面にコンクリートパネルを貼り付けまたは壁状に塗りつけて壁部を形成することを特徴とする放射能遮蔽構造物
の構築方法を提供するものである。
【0015】
前記第1、2の発明に係る前記アスファルト類は、天然および人工を含むと共に類似物も含むこと;
前記アスファルト部品の所要の厚みは、30mm〜100mmであることを付加的な要件として含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る放射能遮蔽素材及び放射能遮蔽構造物によれば、共通して放射能遮蔽効果が著しく優れていること、及び材料が安価に入手できてどのような形状にも簡単に形成できるばかりでなく、構造物の構築現場においてどのような空間部にも注入充填して放射能の遮蔽機能を果たすという優れた効果を奏する。
【0017】
さらに、構造物においては、放射能遮蔽素材が腐食したり劣化することがなく、長期に渡って初期状態を維持して放射能の遮蔽機能を発揮するという優れた効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る放射能遮蔽構造物を略示的に示した平面図である。
【
図2】同実施の形態に係る放射能遮蔽構造物で、
図1のA−A線に沿って略示的に示した断面図である。
【
図3】本発明の第2の実施の形態に係る放射能遮蔽構造物を略示的に示した平面図である。
【
図4】同実施の形態に係る放射能遮蔽構造物で、
図3のB−B線に沿って略示的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。まず、
図1、
図2において、本発明に係る第1の実施の形態に係る放射能遮蔽構造物1は、放射能汚染された物質を収容するための長方形のボックス状構造物1であって、放射能遮蔽素材として天然アスファルトが使用されるものである。アスファルトには、「天然アスファルト」と石油から人工的に造られる「石油アスファルト」とがありますが、品質的に天然アスファルトが優れており、特に、イラン国産出の「ロックアスファルト」が好ましく、要するに、天然も人工も含めてアスファルト類として使用する。
【0020】
イラン国で産出される天然アスファルトは、アスファルト鉱、ユインター石、ギルソナイト等とも呼ばれるものであって、外観上は鉱物の黒曜石に類似した黒く光る物質であって、これらを含めてアスファルト類と称し、産出後にそのまま塊状にまたは現地で粉末若しくはペレット状にして袋詰めされて輸入されるものである。そして、これらアスファルト類を加熱して溶融させ、例えば、厚みが30mmと50mmで、縦横の長さが150mmのパネルを作成し、放射能の遮蔽状態を調べた。その結果、5.62マイクロシーベルトの放射線強度に対して、厚さ30mmのパネルでは、1.02マイクロシーベルト程度まで減衰遮蔽でき、厚さ50mmのパネルでは、0.21マイクロシーベルト程度まで減衰遮蔽できることが確認された。なお、100mm厚さでは、0.08〜0.12マイクロシーベルト程度まで減衰遮蔽できることも確認された。
【0021】
そこで、ボックス状構造物1を構築する実施例を説明すると、構造物1の設計図に基づき工場において必要な形状・大きさの複数枚のパネルを部品として形成する。即ち、アスファルト類を、所要の釜に入れ加熱することにより粘性のある液状にし、該液状のアスファルトをパネル形成用の型枠内に流し込み、冷やすことにより所要形状のパネルが形成される。そして、放射能汚染された物質を保管管理する場所においては、予め基礎となる土台部分2を、例えば、玉砂利を用いて形成し、該土台部分2に床面3を形成しておく。この床面3は、例えば、土台部分2の上に網目状の鉄筋を敷設して30mm程度の厚さにコンクリートを打設して硬化した後に、工場で作成した厚さ30mm程度で所要大きさのアスファルトパネルを隣接状態で複数枚敷設し、さらに、その上に網目状の鉄筋を敷設して20mm程度の厚さにコンクリートを打設して床面3を形成する。
【0022】
ボックス状構造物1を構築するためのパネルとしては、例えば、構造物1の長辺を形成するための側壁4用の複数のパネル4aと、短辺を形成するための側壁5用の複数のパネル5aとを形成するのであり、長辺の側壁4用のパネル4aの両端部付近には、蟻溝6が形成され、短辺の側壁5用のパネル5aの端部には、前記蟻溝6に係合する突起部7が一体的に形成され、床面3上に長辺の側壁4用のパネル4aと短辺の側壁5用のパネル5aとを組み合わせながら複数段積み重ねて、例えば、縦・横・高さが、5×3×1.5mの長方形のボックス状構造物1を形成する。
【0023】
この放射能遮蔽のボックス状構造物1における各パネル4a、5aの積み重ね位置には、所要間隔をもって複数のパネル止め具8が設けられると共に、少なくとも、最上部のパネル4aから床面3に至る適宜の固定用ボルト等が設けられ、図示していないが、上面には前記パネルと同質材料で形成した屋根状パネルによる蓋部材が取り付けられて開放部が全面的に閉鎖される。なお、必要があれば、放射能遮蔽のボックス状構造物1の少なくとも外周面、好ましくは内・外両側面に鉄筋コンクリートパネルを貼り付けるか、壁状に塗りつけるか又はコンクリートブロックを積み上げて補強することも可能である。さらに、アスファルト類としては、例えば、強化のために、砂や金属粉末等の他の物質を添加したものも含む。
【0024】
図3、
図4に示した第2の実施の形態に係る放射能遮蔽のボックス状構造物1について、前記第1の実施の形態と共通する部分には共通した符号を付して説明する。この放射能遮蔽のボックス状構造物1は、設計図に基づいて現場で構築するものであって、構造物が構築される現場においては、前記第1の実施の形態と同様に、予め基礎となる土台部分2を、例えば、玉砂利を用いて形成し、該土台部分2に床面3を形成する。この場合の床面3の形成について、詳しく説明すると、例えば、現場においてアスファルト類を、所要の釜に入れ、必要があれば重油を加えて加熱することにより粘性のある液状に溶融し、土台部分2の上に網目状の鉄筋を敷設して30mm程度の厚さにコンクリート9を打設して硬化した後に、該コンクリート9上に溶融したアスファルト10を厚さ30mm程度になるように塗布し、硬化する前にローラーを掛けて均等な厚さに延ばし、該アスファルトが冷えて硬化した後に、さらに、その上に網目状の鉄筋を敷設して20mm程度の厚さにコンクリート11を打設して床面3を形成する。そして、上下の鉄筋コンクリート9、11と中間のアスファルト10とは一体的に結合し、土台部分2が強固に固められているため、この程度の厚さでも放射能汚染物質が袋詰めされた荷物を収容するには強度的に大丈夫であり、床面3から外部に放射能漏れもないのである。
【0025】
このように床面3が形成されコンクリート11が硬化した現場に、工場で予め部品として形成した長辺の側壁4用のペアの鉄筋コンクリートパネル12a、12bと、短辺の側壁5用のペアの鉄筋コンクリートパネル13とを運び込み、両者を組み合わせて壁部を形成するのである。この場合の長辺の側壁4を形成する一方の鉄筋コンクリートパネル12aは、両端部を内側に張り出させて短辺の側壁5を形成する外側に位置する鉄筋コンクリートパネル13を支持する囲い部12cを形成し、他方の鉄筋コンクリートパネル12bは、短辺の側壁5を形成する内側の鉄筋コンクリートパネル13を支持するストッパー部12dを両端部寄りに形成してあり、なお、短辺の側壁5を形成するペアの鉄筋コンクリートパネル13は内外共に同一形状のパネルに形成してある。
【0026】
そして、これら鉄筋コンクリートパネル12a、12b、13を床面3にそれぞれ1段目を立ち上げて取り付け、各ペア間に所要の間隔、例えば、50mm程度の空間を有する壁部を形成し、各壁部のペア間の空間部に現場で溶融させたアスファルト14を注入して、各ペアの鉄筋コンクリートパネルを一体的に結合させ、続いて、2段目の各ペアのコンクリートパネルを積み重ねて壁部を形成すると共に、各ペア間の空間部に、前記と同様に溶融したアスファルト14を注入して一体的に結合させるのである。さらに、複数段積み重ねる場合でも前記と同様に行うのである。なお、鉄筋コンクリートパネルを床面3に取り付けるに当たっては、図示していないが、床面3に予め所要間隔に埋設して取り付けてある複数の取付ボルトに緊張鋼材を連結し、該緊張鋼材を鉄筋コンクリートパネルに挿通して最上段において緊張定着することで各鉄筋コンクリートパネルを安定した状態で取り付けることができるのである。なお、この第2の実施の形態においても、上部の空間部は、前記第1の実施の形態と同様に、上面には前記パネルと同質材料で形成した屋根状パネルによる蓋部材が取り付けられて開放部が全面的に閉鎖される。
【0027】
以上の実施の形態については、ボックス状の放射能遮蔽構造物1について説明したが、その構造物をハウス状に形成することもできることは言うまでもないことである。即ち、放射能汚染物質を収容する範囲が大きければそれに合わせて、構造物を大きくすれば良いのであり、構造物の大小は任意である。いずれにしても、本発明は、アスファルト類が放射能遮蔽素材として発見されたことが重要なのであり、そのアスファルト類を建造物の壁部に所要厚さ、例えば、30mm以上100mm程度の厚さのパネル又はプレート状にするか、又は粉末状で使用し、全体を囲うように用いることが発明なのであり、構造物における種々の設計変形は当然のこととして行えるのである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る放射能を遮蔽する素材としてアスファルト類を用いること、及び、該アスファルト類をパネル状又はプレート状に形成して構造物に適用すること;および構造物の壁面を構成するペアの鉄筋コンクリートパネルを部品として形成し、該ペアの鉄筋コンクリートパネルを構築現場でペア間に空間部を開けて組立て、該空間部に加熱して液状になったアスファルト類を注入充填することにより、例えば、放射能汚染物質を保管管理する場所に、所要大きさのボックス状又は巨大なハウス状の構造物を構築すれば、大量の放射能汚染物質を収納することができ、しかも、人体に影響するような放射線を遮断して外部に漏れる虞がないので、例えば、構造物が30年以上維持すれば、放射能は半減するので、周囲の住民に放射能による健康上の悪影響を及ぼさないので、種々の放射能遮蔽素材或いは構造物として広く利用できるのである。
【符号の説明】
【0029】
1 放射能遮蔽構造物
2 土台部分
3 床面
4 長辺の側壁
4a、5a パネル
5 短辺の側壁
6 蟻溝
7 突起部
8 パネル止め具
9、11 鉄筋コンクリート
10 アスファルト
12a、12b、13 鉄筋コンクリートパネル
12c 囲い部
12d ストッパー部
【要約】 (修正有)
【課題】放射能を1/25以下に減衰できる遮蔽素材と、遮蔽素材を予めパネル又はプレート材として工場で形成し、パネル又はプレート材を現場で簡単に構築でき、及び放射能汚染物の保管場所で建造できる建造物を提供する。
【解決手段】遮蔽素材として粉末状またはペレット状若しくは塊状及び/または成形パネル状若しくはプレート状のアスファルト類を用い、ボックス状又はハウス状の構造物に合わせて、予め天然アスファルトをパネル状またはプレート状部品として形成し、部品を放射能汚染物質の保管場所で組み立てること;および構造物壁面を構成するペアの鉄筋コンクリートパネルを形成し、パネルのペア間に空間部を開けて組立て、空間部に加熱液状アスファルト類を充填する遮蔽構造物であり、放射能遮蔽効果が優れ、材料が安価で、どのような形状にも形成でき、構造物の構築現場において空間部に注入充填し放射能の遮蔽機能を長期にわたって果たす。
【選択図】
図1