(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分散流体および対象流体が前記寸法的に制限された区画を通過することを可能にすることを含み、該対象流体は、該寸法的に制限された区画を画定する壁に接触しない、請求項8に記載の方法。
前記マイクロ流体相互接続領域の前記上流部分と前記下流部分との間で圧力差を作成することと、該上流部分と前記出口チャネルとの間に前記分散流体を導入することと、少なくとも部分的に圧力差を介して前記対象流体の前記分離した部分を形成することとを含む、請求項5に記載の方法。
少なくとも部分的に前記マイクロ流体相互接続領域の前記上流部分と前記出口チャネルとの間の寸法的に制限された区画を介して、前記圧力差を作成することを含む、請求項10に記載の方法。
前記複数のマイクロ流体対象流体出口チャネルの少なくとも1つの出口の近くに出口を有する少なくとも1つの中間流体チャネルを通して中間流体を導入すること、および該対象流体の前記分離した部分を作成することをさらに含み、各部分は、中間流体のシェルによって包囲される、請求項3に記載の方法。
前記の異なるマイクロ流体相互接続領域は、上流部分と、前記の異なる出口チャネルの少なくとも1つの出口チャネルに接続される下流部分と、該上流部分と前記の異なる出口チャネルの少なくとも1つの出口チャネルとの間の寸法的に制限された区画とを有する、請求項13に記載のシステム。
前記の異なるマイクロ流体相互接続領域の少なくとも1つは、上流部分と、前記の異なる出口チャネルの少なくとも1つの出口チャネルに接続される下流部分と、該上流部分と前記の異なる出口チャネルの少なくとも1つの出口チャネルとの間の寸法的に制限された区画とを有し、
前記中間流体チャネルの前記出口は、前記の異なるマイクロ流体相互接続領域の少なくとも1つの寸法的に制限された部分の上流にある、請求項24に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の文書は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる:Kumarらによる1996年4月30日発行の米国特許第5,512,131号、Whitesidesらによる1996年6月26日公開の国際特許公開第WO96/29629号、Kimらによる2002年3月12日発行の米国特許第6,355,198号、Andersonらによる2001年11月29日公開の国際特許公開第WO01/89787号、Linkらによる2004年10月28日公開の国際特許公開第WO2004/091763号、Stoneらによる2004年1月8日公開の国際特許公開第WO2004/002627号、2005年3月10日公開の国際特許公開第WO2005/021151号、Ahnらによる2007年8月9日公開の第WO2007/089541号、Chuらによる2008年10月9日公開の第WO2008/121342号、Weitzらによる2006年9月14日公開の第WO2006/096571号。また、Weitzらによる「Controlled Creation of Emulsions,Including Multiple Emulsions」と題する2009年3月13日出願の米国仮特許出願第61/160,020号、Romanowskyらによる「Scale−up of Microfluidic Devices」と題する2009年3月13日出願の米国仮特許出願第61/160,184号、およびRomanowskyらによる「Scale−up of Microfluidic Devices」と題する2009年7月7日出願の米国仮特許出願第61/223,627号も参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0018】
流体中の同様の、または異なるサイズの不連続区画を集束および/または形成するためのマイクロ流体方法およびデバイスの併用のためのシステムおよび技法を提供する。一側面では、1つの投入口から複数の排出口に流体を分配するために、流体分配物品が使用される。開示された方法および物品を使用して、複数のマイクロ流体デバイスは、三次元で接続されてもよい。場合によっては、液滴形成等のマイクロ流体プロセスが、種々の同様または同一のプロセス位置にわたって再生可能な方法で、かつ一貫して実行され得るように、背圧および流量を制御することが重要であり得る、マイクロ流体システムおよび技法を記載する。これは、マイクロ流体環境において困難であり、従来技術がこれを達成するために能力を提供する場合は見られない。本発明は、それを達成する。場合によっては、並列デバイス内の圧力変動が実質的に低減されることを可能にする、チャネル寸法が選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明は、並列の多相材料の操作と関連したデバイスおよび技法に関する。当業者が、様々な数の相を含む幅広い材料のいずれも、本発明の特定の実施形態に従って操作され得ることを認識する一方で、本発明の種々の実施形態は、概して、非混合性流体の二相システムで使用される。ここで使用される「流体」は、本明細書で考察される利点を得るために、以下に記載するデバイスを通して流動するように付勢され得る、任意の物質を意味する。当業者は、どの流体が、本発明の種々の実施形態に従った使用に適切な粘度を有するか、すなわち、どの物質が「流体」であるかを認識する。物質が、ある条件下で、本発明の特定の実施形態の目的で、流体であり得るが、他の条件下では、流体としての使用のためには高すぎる粘度を有し得ることを理解されたい。材料(複数を含む)が、本発明の特定の実施形態に適合する少なくともある条件下で、流体として機能する場合、それらは、操作のための潜在的な材料として含まれる。
【0020】
ある実施形態では、本発明は、液滴形成を作成するための可動部品を含まない流動システム(好ましくは、マイクロ流体システム)の中で、制御されたサイズおよびサイズ分布の分散剤内の分散相の液滴の形成に関する。すなわち、所望のサイズの液滴が形成される位置(複数を含む)において、デバイスは、液滴形成またはサイズに影響を与えるように、デバイス全体に対して運動する構成要素を含まない。例えば、制御されたサイズの液滴が形成される場合、それらは、液滴流動内にチャネルを画定するデバイスの他の部分に対して運動する部分なしで形成される。これは、液滴サイズの「受動制御」または「受動分裂」と称され得、第1の組の液滴がより小さい液滴に分裂する。
【0021】
同一のモノリシックチップ上に多くの個々のデバイスを統合することによって大量の製品を生産するために、並列マイクロ流体デバイスが使用され得る。場合によっては、並列マイクロ流体デバイスは、1集積チップ当たり数リットル/日、またはそれよりも大きい量の乳剤でさえ生成することができる。例えば、1集積チップ当たり少なくとも約200mL/日、1集積チップ当たり少なくとも約1L/日、1集積チップ当たり少なくとも約2L/日、1集積チップ当たり少なくとも約5L/日、1集積チップ当たり少なくとも約50L/日、1集積チップ当たり少なくとも約500L/日、またはそれ以上の量さえ生産され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、並列スケールアップは、流体をデバイスのアレイに投入し、そこから製品を回収するための流体分配物品を伴う。以下により詳細に記載するように、流体分配物品およびデバイスのアレイは、既知の方法を使用して製造され得る。外部流体供給およびコレクタに対する最小数の接合部分を有する、任意数のマイクロ流体デバイスを操作するために、デバイスの高密度アレイを接続するために、およびシステム冗長性によって、統合デバイスの長い機能寿命を促進するために、流体分配物品が使用され得る。
【0023】
ここで
図1を参照すると、本発明の一実施形態に従った一次元並列マイクロ流体システム300が概略的に示される。投入口130および140から並列液滴形成アレイ200に流体を分配するために、流体分配物品190が使用され、液滴形成アレイによって形成される得られた乳剤は、排出口150から退出する。流体分配物品は、例えば、単一のチャネル135に入る流体が、チャネル160に流入し、複数のチャネル165に分配され、それがシステム200の中の液滴形成デバイスに入ることを可能にする。
【0024】
本発明の一実施形態である
図2は、液滴形成デバイス120の三次元並列マイクロ流体システム100のアセンブリを概略的に示す。システム100は、液滴形成デバイス120の二次元アレイ200を含む。
図1に示すように、本発明の本実施形態では、第1の流体(すなわち、油等の分散剤流体)は、投入口130を通してチャネル135に流入され、第2の流体は、投入口140を通してチャネル145に流入され、液滴形成デバイス120の中において第1の流体と第2の流体との相互作用によって生産される乳剤は、チャネル155および排出口150を通ってシステムから流出する。チャネル160、170、および180を含む分配プレート190は、チャネル160、170、および180が交差チャネル210、220、および230とは異なる平面内にあるように、二次元液滴形成アレイ200の平面とは異なる平面内にある。チャネル165、175、および185は、チャネル160、170、および180のそれぞれを、チャネル210、220、および230に接続する。
【0025】
いくつかの実施形態では、流体分配物品は、マイクロ流体デバイスの層の上方に積層される、流体チャネルの1つ以上の層を含む(
図1)。本発明の種々の実施形態のシステムのある特定の部分および視点を定義するために、「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」等が使用されるが、システムは、記載するものとは異なる配向で使用され得ることを理解されたい。流体分配物品は、拡張可能な並列構成で、一次元(1−D)、二次元(2−D)、および/または三次元(3−D)アレイのデバイスを提供することができる。例えば、1−D直線アレイのデバイスは、チャネル210、220、および230と流体的に連絡しているマイクロ流体デバイス120の1−Dアレイ400を示す
図3に示すような流体チャネルの単一の組によって提供されてもよい。本実施形態では、チャネル210、220、および230は、アレイの中の全てのデバイスの対応する入口または出口を覆って直接設置され、すなわち、チャネル210は、入口211を通る全てのデバイスに第1の流体を供給し、チャネル220は、入口221を通る全てのデバイスに第2の流体を供給し、チャネル230は、出口231から、各デバイスのからの製品を回収する。いくつかの実施形態では、流体分配物品チャネルは、対応するチャネルに流体を供給するために、および/または対応するチャネルから製品を回収するために、チャネルの頂部側に、それぞれ、少なくとも1つの開口(例えば、開口212、222、および232)を有する。
【0026】
マイクロ流体デバイス120の2−Dアレイ500、デバイスの各1−Dアレイと流体的に連絡している分配チャネル210、220、および230の第1の組、ならびに分配チャネル210、220、および230の第1の組のそれぞれと流体的に連絡している分配チャネル160、170、および180の第2の組を示す
図4に示すような、分配チャネルのそれ自体の組によって提供される、各1−Dサブアレイを有する、2−Dアレイのデバイスを作成するために、同様の設計が使用され得る。チャネル160、170、および180は、開口の少なくとも2つの組、チャネル160、170、および180をチャネル210、220、および230のそれぞれに接続する、開口165、175、および185の第1の組、ならびに流体がアレイ500に流入することができる、および/または製品がアレイ500から回収され得る、開口166、167、および168の第2の組を有してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、分配チャネルの各組の中の分配チャネルは、単一層に組み込まれる。したがって、2−Dアレイ500は、第1の層の中にデバイス120、第1の層の頂部の第2の層の中に分配チャネル210、220、および230、ならびに第2の層の頂部の第3の層の中に分配チャネル160、170、および180を製造することによって組み立てられ得る。当業者は、組み立ての順序が異なってもよいことを認識するであろう。
【0028】
場合によっては、3−Dアレイは、
図2に示すように、2−Dアレイのユニットを接続することによって組み立てられる。いくつかの実施形態では、2−Dアレイのユニットを流体的に接続するために、分配チャネルの1つの組(例えば、
図2のチャネル135、145、および155)が使用される。3−Dアレイは、例えば、2−Dアレイを積層すること、2−Dアレイを隣り合わせに設置すること等によって、種々の立体構造で組み立てられてもよい。
図2に示すように、配列100は、投入口および/または排出口130、140、および150の単一の組によって操作されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、分配チャネルおよびデバイスは、単一の層に組み込まれてもよい。限定されない実施例を
図8に示し、2つのデバイス620を提供する、2つの分配チャネル610および612を有するアレイ600を図示する。本実施例では、分配チャネル610は、入口614によって供給される連続相(例えば、油)を含有し、分配チャネル612は、入口616によって供給される分散相(例えば、水溶液)を含有する。分配チャネルは、液滴作製デバイス620に流れ込み、液滴622は、出口624を通ってデバイスから退出する。例えば、追加のデバイス620を隣り合わせに反復させ、分配チャネル610および612をそれらのそれぞれの縦軸に沿って延在させることによって、
図8に示すレイアウトを使用して、3つ以上のデバイスが操作され得ることを理解されたい。また、直線的な配列以外の配列が使用されてもよいことも理解されたい。例えば、デバイスおよび/または分配チャネルのうちの1つ以上は、湾曲または屈曲していてもよい。例えば、分配チャネル610および612ならびにデバイス620は、二次元アレイ650を示す
図9に示すように配設されてもよい。
【0030】
別の限定されない実施例では、液滴中液滴乳剤を生産するために組み立てられるデバイスおよび分配チャネルは、単一の層において製造されてもよい。
図10は、本実施例の一実施形態を示し、2つのデバイス720を提供する、2つの分配チャネル710および712を有するアレイ700を示す。本実施例では、分配チャネル710は、入口714によって供給される連続相を含有し、分配チャネル712は、入口716によって供給される分散相を含有する。連続相の液滴722は、分散相を含有するチャネル730に連続相を流入させることによって生成される。それぞれが連続相の液滴722を含有する液滴724は、液滴722をチャネル732に流入させることによって生成される。液滴724は、出口726を通ってデバイスから退出する。
図12は、液滴中液滴乳剤を生産するために組み立てられるデバイスの別の実施形態を示す。
【0031】
かかる液滴は、例えば、コア/シェル型粒子等の粒子を生産することに有用であり得る。より高い次数の乳剤(すなわち、三重乳剤、四重乳剤等)もまた、このような設計を使用して生成され得ることを理解されたい。例えば、出口726の代わりに、別の相を含有するチャネルに液滴724を流入させることによって、三重乳剤が生成され得る。例えば、油水油乳剤は、水相中に懸濁している油滴を生成するために、水相に油相を流入させ、油相中に懸濁している水中油乳剤(すなわち、水滴中に懸濁している油滴を含有する液滴)を生成するために、油相に、水相中に懸濁している油滴を流入させ、油水油乳剤(すなわち、油滴中に懸濁している水滴中に懸濁している油滴を含有する液滴)を生成するために、水相に、油相中に懸濁している水中油乳剤を流入させることによって、作成され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、水相等の相のうちの1つ以上は、界面活性剤を含有してもよい。例えば、水相は、ドデシル硫酸ナトリウムを含有してもよい。本明細書で考察されるように、油相は、任意の好適な材料であってもよい。好適な油相の限定されない実施例としては、連続相として、1.8%(重量で)の「R22」界面活性剤を有する、1−オクタノールおよびHFE−7500油が挙げられる[R22は、市販のパーフルオロポリエーテル、Krytox(登録商標)157FSL油のアンモニウム塩である(Dupont)]。
【0033】
さらに別の限定されない実施例では、
図9に示すアレイ650は、
図11に示すように、チャネルを流動する流体の流動方向および種類を変化させることによって、異なるように操作されてもよい。
図11は、連続相によって包囲される4つの異なる分散相を生成するデバイス820を有する、アレイ800を示す(4つの分散相は、用途に応じて、同一または異なる組成物を有し得る)。本実施例では、分配チャネル610は、入口614によって供給される連続相を含有し、チャネル840によって供給される連続相を含有する回収チャネル810は、液滴822、824、826、および828を回収し、それらは、出口816を通じてチャネル810から退出する。入口830、832、834、および836は、それぞれ、液滴822、824、826、および828のそれぞれを生成するために、チャネル840を通して回収チャネル810に異なる分散相を流入させる。これは、例えば、並列の異なる液滴のライブラリを生成するために使用されてもよい。入口830、832、834、および836は、同一または異なる流体の任意の組み合わせを流動させ得ることを理解されたい。
図8〜11に示す配列はまた、他の実施形態において、三次元で並列化されてもよいことを理解されたい。
【0034】
図11に示すようなアレイは、ある特定の場合において、第1のステップで液滴を連続的に生成し、次いで、別の第2のステップで液滴を一緒に混合することを伴う、伝統的な方法と比較して、ライブラリ生成の実質的な時間節約をもたらし得る。これは、例えば、ライブラリが分解しやすい1つ以上の敏感な組成物を含有する場合、有利であり得る。場合によっては、各種類の液滴の形成を促進するために、共通の圧力差を使用することは、液滴のサイズの均一性を改善し得る。特定の実施形態では、各分散相に対する別々の入口チャネルの使用は、例えば、同一の入口チャネルが異なる分散相を流動させるために再使用される場合と比較して、液滴の汚染の可能性を低減することができる。
【0035】
流体分配物品チャネルは、デバイスのマイクロチャネルの寸法よりもはるかに大きい寸法(高さ、幅、および/または長さ)を有して製造されてもよく、それは、流体分配物品チャネルに沿った圧力降下が、各マイクロ流体デバイスにわたる圧力降下と比較して、基本的にごくわずかであることを可能にし得る。以下により詳細に記載するように、かかる設計は、デバイスの流体力学的結合を防止すること、それらの独立した、かつ安定した性能を確実にすること、および/またはデバイス間で流体を均等に分配することが可能である。したがって、分配チャネルの単一の組は、マイクロ流体デバイスの直線アレイを提供し、実質的にデバイスの性能に影響を及ぼすことなく、入口/出口開口の単一の組への接合部分を低減することができる。
【0036】
流体分配物品は、多くの独立したマイクロ流体デバイスのアレイと整合するために使用され得、それによって、任意数のデバイスを備えるアセンブリが入口および出口の単一の組とともに供給されることを可能にする。いくつかの実施形態では、本発明の方法および物品は、少なくとも約100個のデバイス、少なくとも約1,000個のデバイス、少なくとも約10,000個のデバイス、少なくとも約100,000個のデバイス、またはそれ以上のデバイスへの拡大さえ可能にする。
【0037】
場合によっては、デバイスは、高密度アレイで配設される。例えば、デバイス間の間隔は、100ミクロン未満、50ミクロン未満、20ミクロン未満、10ミクロン未満等であってもよい。流体分配物品の使用はまた、チャネルの交差が単一層スキームの中で回避されなければならないため、単一層スキームを使用して達成され得る並列デバイスのより高密度の充填を可能にする。
【0038】
アセンブリに入る、および/またはアセンブリから退出する流体の総流量は、少なくとも約100mL/時、少なくとも約1L/時、少なくとも約10L/時、少なくとも約100L/時、少なくとも約1000L/時、またはそれ以上でさえあってもよい。
【0039】
一実施形態では、本発明の物品は、三次元で配設される複数のデバイスを含有して組み立てられてもよい(例えば、立方体状構造)。例えば、かかる物品は、少なくとも50、100、200、400、600、または10,000個のデバイスさえ含有してもよい。ある特定の場合において、少なくともかかる数のデバイスを含有する物品は、5cm
3未満の体積を占めてもよい。本発明は、単一マイクロ流体デバイスが圧力Pを有してもよいこと、および開示された流体分配物品を使用して、それぞれも圧力Pを有する、複数のかかるデバイスの接続は、圧力、例えば、10,000個のデバイスを有する物品の圧力の実質的な増加をもたらさず、圧力Pを有するそれぞれは、10,000×Pよりもはるかに少ない可能性があることを開示する。場合によっては、圧力は、10×P未満、5×P未満、2×P未満等であってもよい。特定の実施形態では、複数のデバイスを有するシステムの圧力は、基本的にPに等しい圧力を有する。本発明の本側面では、種々の実施形態において、各デバイスが圧力Pを有し、複数のデバイスが本明細書に記載するように接続され、各デバイスが任意の他の圧力Pとは5%以下異なる圧力Pを有する、上記の多数のデバイスを含有する物品は、P自体の25%、20%、15%、10%、5%、または2%を超える、デバイス全体の全体圧力の増加さえもたらさない。
【0040】
本発明のさらなる利点は、アレイ内の各デバイスが、アレイの中の他のデバイスから基本的に独立して動作することである。したがって、デバイスが詰まる、または別様に劣化する場合、アレイの中の他のデバイスは、動作し続けることができる。
【0041】
流体分配物品を使用して本明細書に記載するように接続されるデバイスのアレイはまた、定常状態動作が達成される前に長く続く振動に悩まされる、単一層ファンアウトスキームとは対照的に、非常に短いターンオン遷移挙動を受ける。例えば、本発明のデバイスにおけるターンオン遷移挙動は、約10分未満、約5分未満、約1分未満、約0.1分未満等であってもよい。
【0042】
流体力学的結合による圧力振動は、特に、PDMS等のエラストマー材料がデバイスの製造で使用される時に、マイクロ流体デバイスによく見られる問題である。例えば、エラストマーマイクロ流体デバイスの中のチャネルに注入される流体は、チャネルの伸縮を引き起こし、それによって、流体中に圧力波を導入する可能性がある。チャネルが複数のマイクロ流体デバイスを供給する実施形態では、圧力波は、チャネルに接続されるデバイスのそれぞれに流れ込む流体の圧力に変動をもたらし得る。いくつかの実施形態では、本発明は、デバイスに供給するチャネルの体積を制御することによって、これらの圧力変動を実質的に回避する。場合によっては、デバイスの圧力変化は、流体分配チャネルによって緩和され、それによって、圧力変化が別のデバイスに影響を及ぼすことを基本的に防止してもよい。例えば、相互に流体的に連絡している第1および第2のデバイスに接続される流体分配チャネルは、第1および第2のデバイスが相互から分離されることを可能にし得る。
【0043】
以下の試験は、当業者が、実質的に流体力学的結合のない、マイクロ流体デバイスのアレイを設計することを可能にするのに有用となる。分配チャネルによって接続されるN個の基本的に同一のデバイスの1−Dアレイに対して、各デバイスは、流体力学的抵抗値R
dを有し、分配チャネルは、隣接するデバイス間の距離にわたって流体力学的抵抗R
c1を有する(すなわち、セグメント毎の抵抗)。抵抗は、デバイスの入口と出口との間で、異なるが、同じ桁内にあり得ることを理解されたい。例えば、油入口とデバイス出口との間の抵抗は、水入口とデバイス出口との間の抵抗と比較して異なり得る。R
c1がR
dよりもはるかいに小さい場合、アレイの中の第1のデバイスと最後のデバイスとの間の流量の分数差は、N
*R
c1/R
dよりも小さい。場合によっては、この量は、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満等で維持される。
【0044】
それぞれがN個のデバイスを含有するM列のデバイスを有し、各列に第1代直線分配チャネルのその独自の組が提供される、M×N格子で配設される、M×N個のデバイスの2−Dアレイに対して、第1代分配チャネルの入口と対応する出口との間の流体力学的抵抗は、R
c1がR
dよりもはるかに小さいと仮定すると、約R
d/Nである。M列のデバイスのそれぞれに均等に流体を送達するために、第2代分配チャネルは、R
d/Nよりもはるかに小さいセグメント毎の抵抗R
c2を有するべきである。この場合、デバイスの第1の列と最後の列との間の流量の分数差は、M
*N
*R
c2/R
dよりも小さい。1−Dアレイと同じ精度で、デバイス毎に基本的に等しい流量を維持するために、第2代チャネルは、R
c2<R
c1/Mを有するように設計されるべきである。
【0045】
同様に、M×N格子のK平面で配設される、K×M×N個のデバイスの3−Dアレイにおいて、第3代のチャネルは、セグメント毎の抵抗R
c3<R
c2/Kを有するはずである。
【0046】
ここで
図5を参照すると、マイクロ流体システム26の形態の本発明の一実施形態が、断面図で概略的に示されている(
図6の頂壁38を欠いたシステム26の上面図が、同様に見えることが理解されるが)。「頂部」および「底部」は、本発明の種々のシステムのある特定の部分および視点を定義するために使用されるが、システムは、記載する配向とは異なる配向で使用され得ることを理解されたい。参考までに、システムは、流体が
図5の配向で左から右に最適に流動するように設計されることに留意されたい。
【0047】
システム26は、マイクロ流体システムの領域を画定する一連の壁を含み、それによって、システムが表される。マイクロ流体相互接続領域28は、壁29によってシステムの中に画定され、上流部分30と、
図5には示されないさらに下方の出口に接続される下流部分32とを含む。
図5に示される実施形態では、側壁31によって画定される対象の流体チャネル34は、相互接続領域28の外側境界の中に提供される。対象の流体チャネル34は、相互接続領域28の上流部分30と下流部分32との間に出口37を有する。したがって、システムは、チャネル34から、上流部分と下流部分と間の相互接続領域まで対象流体を送達するように配設される。
【0048】
図5の線4−4を通る断面図である
図6は、(壁29および31等の
図5に示す構成要素のいくつかに加えて)底壁36および頂壁38を示し、それらは、壁29および31とともに、連続領域28(その上流部分30において)および対象流体チャネル34を画定する。相互接続領域28は、上流部分30において、対象流体チャネル34によって分離される2つの別々の区画を含むことがわかる。別々の区画は、さらに下方で相互接続される。
【0049】
図5を再び参照すると、相互接続領域28は、側壁29から相互接続領域へと延在する延長部42によって形成される、寸法的に制限された区画40を含む。相互接続領域の上流部分30から下流部分32に流動する流体は、図示される実施形態において、寸法的に制限された区画40を通過しなければならない。対象流体チャネル34の出口37は、寸法的に制限された区画の上流に配置される。図示される実施形態では、相互接続領域28の下流部分は、対象流体チャネル34の中心軸と同一である中心軸44を有する。すなわち、対象流体チャネルは、寸法的に制限された区画の上流で、かつ寸法的に制限された区画に沿って、対象流体を放出するように配置される。
図5に示すように配設される通り、対象流体チャネル34は、相互接続領域28の内部へと対象流体を放出する。すなわち、相互接続領域の外側境界は、対象流体チャネルの外側境界の外部である。相互接続領域の中を下方に流動する流体が対象流体チャネルから放出される流体と交わる正確な点において、対象流体は、相互接続領域の中の流体によって少なくとも部分的に包囲されるが、相互接続領域の中の流体によって完全には包囲されない。代わりに、図示される実施形態では、その外周の約50%にわたって包囲される。対象流体の外周の複数の部分は、底壁36および頂壁38によって制約される。
【0050】
図示される実施形態では、寸法的に制限された区画は、環状開口であるが、種々の形態のいずれかを取ることができる。例えば、それは、伸長、卵形、正方形等であってもよい。好ましくは、それは、分散流体に対象流体の断面形状を包囲および制約させる任意の方法で形状決定される。寸法的に制限された区画は、好ましい実施形態では、弁付きではない。すなわち、それは、開放状態と閉鎖状態とに切り替えられない開口であり、一般的には、固定されたサイズである。
【0051】
図5および6には示さないが、分散流体の対象流体への作用によって生成される対象流体の不連続部分を包囲するカプセル化流体を提供するために、
図5および6の配設において、1つ以上の中間流体チャネルが提供され得る。一実施形態では、2つの中間流体チャネルが、対象流体チャネル34の各側面上に1つずつ提供され、それぞれは、対象流体チャネルの出口の付近に出口を有する。場合によっては、対象流体の不連続区画は、対象流体と分散流体との間に中間流体を導入することによって作成され、各区画は、中間流体のシェルによって包囲される。いくつかの実施形態では、シェルは、硬化される。以下の定義は、本発明のある特定の側面の理解に役立つ。また、本発明の特定の実施形態が範囲内に入るパラメータの組も、定義リスト内に含まれる。
【0052】
ここで使用される「チャネル」は、流体の流動を少なくとも部分的に限定し方向付けることができる、かつ少なくとも2:1、より一般的には、少なくとも3:1、5:1、または10:1のアスペクト比(長さ対平均断面寸法)を有する、物品(基板)の上または中の特徴を意味する。特徴は、任意の断面形状(曲面、正方形、または長方形)の溝または他の凹みであってもよく、被覆されていてもされていなくてもよい。それが完全に被覆される実施形態において、チャネルの少なくとも1つの部分は、完全に取り囲まれた断面を有し得るか、または、チャネル全体が、その入口および出口を除いて、その全長に沿って完全に取り囲まれてもよい。開放チャネルは、概して、流体輸送の制御を促進する特性、例えば、構造特性(細長い凹み)および/または物理的もしくは化学的特性(疎水性対親水性)、または流体に力(例えば、含有力)を及ぼすことができる他の特性を含む。チャネル内の流体は、チャネルを部分的または完全に充填してもよい。開放チャネルが使用されるいくつかの場合において、流体は、表面張力(すなわち、凹面または凸面メニスカス)を使用して、チャネル内に保持されてもよい。チャネルは、例えば、約5もしくは2ミリメートル未満、約1ミリメートル未満、または約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、または約50もしくは25ミクロン未満の、流体流動に垂直な最大寸法を有する、任意のサイズであってもよい。場合によっては、チャネルの寸法は、流体が反応器を通して自由に流動することが可能であるように選択されてもよい。チャネルの寸法はまた、例えば、チャネルの中の流体のある特定の体積流量または線流量を可能にするように選択されてもよい。当然のことながら、チャネルの数およびチャネルの形状は、当業者に既知の任意の方法によって変更され得る。添付図に示す実施形態では、全てのチャネルが完全に取り囲まれる。ここで使用される「チャネル」は、チャネル壁と障害物との間に作成される空間を含まない。代わりに、本明細書において定義される障害物は、チャネル内に含有されるものと理解される。種々の目的で、例えば、流体を大量に保管し、流体を本発明の種々の実施形態の構成要素に送達するために、マイクロ流体デバイスの中で、チューブ等のより大きいチャネルが使用され得る。
【0053】
全部ではないがいくつかの実施形態では、本明細書に記載するシステムの全構成要素がマイクロ流体的である。ここで使用される「マイクロ流体的」とは、1ミリメートル(mm)未満の断面寸法、および少なくとも3:1の長さ対最大断面寸法の比を有する、少なくとも1つの流体チャネルを含む、デバイス、器具、またはシステムを指し、「マイクロ流体チャネル」は、これらの基準を満たすチャネルである。断面寸法は、流体流動の方向に垂直に測定される。本発明のある特定の構成要素の中のほとんどの流体チャネルは、2ミリメートル未満、好ましくは、1ミリメートルの最大断面寸法を有する。ある実施形態では、少なくとも、1つの流体が別の流体によって分散される領域における全流体チャネルは、マイクロ流体的であるか、または2ミリメートル以下の最大断面寸法を有する。別の実施形態では、単一構成要素(例えば、エッチングされた基板または成形されたユニット)によって部分的に形成される、流体分散と関連する全流体チャネルは、マイクロ流体的であるか、または2ミリメートルの最大寸法を有する。当然のことながら、流体を大量に保管し、流体を本発明の他の実施形態の構成要素に送達するために、チューブ等のより大きいチャネルが使用され得る。
【0054】
ここで使用される「マイクロ流体相互接続領域」とは、流体的に連絡している2つ以上のマイクロ流体チャネルを含む、デバイス、器具、またはシステムの一部を指す。
【0055】
チャネルの「断面寸法」は、流体流動の方向に垂直に測定される。本発明の種々の実施形態の構成要素の中のほとんどの流体チャネルは、2mm未満、場合によっては、1mmの最大断面寸法を有する。ある実施形態では、全流体チャネルがマイクロ流体的であるか、または2mmもしくは1mm以下の最大断面寸法を有する。別の実施形態では、流体チャネルは、単一構成要素(例えば、エッチングされた基板または成形されたユニット)によって部分的に形成されてもよい。当然のことながら、流体を大量に保管し、流体を本発明の種々の実施形態の構成要素に送達するために、チューブ、チャンバ、貯蔵器等のより大きいチャネルが使用され得る。ある実施形態では、全ての活性流体チャネルの最大断面寸法は、500ミクロン未満、200ミクロン未満、100ミクロン未満、50ミクロン未満、または25ミクロン未満である。デバイスおよびシステムは、非マイクロ流体部分も有するチャネルを含んでもよい。
【0056】
チャネル内の流体液滴は、チャネルの平均断面寸法の約90%よりも小さい、特定の実施形態では、チャネルの平均断面寸法の約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約5%、約3%、約1%、約0.5%、約0.3%、約0.1%、約0.05%、約0.03%、または約0.01%よりも小さい断面寸法を有してもよい。
【0057】
ここで使用される「一体的」は、構成要素の複数の部分が、相互から構成要素を切断または分割することなく、相互から分離されることができないように結合されることを意味する。
【0058】
ここで使用される「液滴」は、第2の流体によって完全に包囲される、第1の流体の分離された部分である。液滴は、必ずしも球形ではなく、例えば、外部環境に応じて、他の形状も取り得ることに留意されたい。一実施形態では、液滴は、液滴が位置する流体流動に垂直な、チャネルの最大寸法に実質的に等しい最小断面寸法を有する。
【0059】
液滴群の「平均直径」は、液滴の直径の算術平均である。当業者は、例えば、レーザー光散乱または他の既知の技法を使用して、液滴群の平均直径を決定することができるであろう。非球形液滴における液滴の直径は、全表面にわたって積分される、液滴の数学的に定義された平均直径である。限定されない実施例として、液滴の平均直径は、約1mm未満、約500マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約75マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、約25マイクロメートル未満、約10マイクロメートル未満、または約5マイクロメートル未満であってもよい。液滴の平均直径はまた、ある特定の場合において、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも約2マイクロメートル、少なくとも約3マイクロメートル、少なくとも約5マイクロメートル、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約15マイクロメートル、または少なくとも約20マイクロメートルであってもよい。
【0060】
ここで使用される「流体」は、その通常の意味、すなわち、液体またはガスの意味が付与される。流体は、流動を可能にする任意の好適な粘度を有し得る。2つ以上の流体が存在する場合、各流体は、流体間の関係を考慮することによって、当業者によって基本的にあらゆる流体(液体、ガス等)の中から独立して選択されてもよい。流体は、それぞれ、混和性または非混和性であってもよい。例えば、2つの流体は、流体の流れの形成の時間枠内、または反応もしくは相互作用の時間枠内で、非混和性であるように選択され得る。該部分が有意な期間にわたって液体のままである場合、流体は、有意に非混和性であるものとする。接触および/または形成の後、分散された部分が重合等によって急速に硬化される場合、流体は、それほど非混和性である必要はない。当業者は、本発明の種々の技法を実行するために、接触角測定等を使用して、好適な混和性または非混和性流体を選択することができる。
【0061】
ここで使用されるように、閉ループが第2の実体のみを通して第1の実体の周囲に描かれ得る場合、第1の実体は、第2の実体によって「包囲される」。第2の実体のみを通過する閉ループが、方向にかかわらず第1の実体の周囲に描かれ得る場合、第1の実体は、「完全に包囲される」。一側面では、第1の実体は、セルであってもよく、例えば、媒体中に懸濁しているセルは、媒体によって包囲される。別の側面では、第1の実体は、粒子である。本発明のさらに別の側面では、実体は両方とも、流体であり得る。例えば、親水性液体が疎水性液体中に懸濁していてもよく、疎水性液体が親水性液体中に懸濁していてもよく、気泡が液体中に懸濁していてもよい。一般的には、疎水性液体および親水性液体は、相互に対して実質的に非混和性であり、親水性液体は、疎水性液体よりも水に対して大きい親和性を有する。親水性液体の実施例としては、水および水を含む他の水溶液、セルまたは生体媒質、エタノール、塩溶液等が挙げられるがこれに限定されない。疎水性液体の実施例としては、炭化水素、シリコン油、フッ化炭素油、有機溶媒等の油が挙げられるがこれに限定されない。
【0062】
ここで使用される「決定する(determining)」という用語は、概して、例えば、定量的もしくは定性的な1つの種の分析もしくは測定、または該種の存在および非存在の検出を指す。「決定する」という用語はまた、例えば、定量的もしくは定性的な、または相互作用の存在もしくは非存在を検出することによる、2つ以上の種の間の相互作用の分析または測定を指す。例示的な技法としては、赤外光、吸光、蛍光、紫外/可視、FTIR(「フーリエ変換赤外分光」)、またはラマン等の分光法;重量法;偏光解析法;圧電測定法;免疫学的測定法;電気化学的測定法;光学密度測定法等の光学的測定法;円偏光二色性;例えば、準電気光散乱等の光散乱測定法;偏光分析法;屈折率測定法;または濁度測定法が挙げられるがこれに限定されない。
【0063】
本発明は、いくつかの側面において、分散流体中の対象流体の不連続または分離領域の形成を提供し、これらの流体は、任意に1つ以上の中間流体によって分離される。これらの流体は、流体間の関係を考慮することによって、当業者によって基本的にあらゆる流体(液体、ガス等)の中から独立して選択され得る。例えば、対象流体と分散流体とは、分散される部分の形成の時間スケール内で非混和性であるように選択される。分散された部分が有意な期間にわたって液体のままである場合、流体は、有意に非混和性であるものとする。分散された部分の形成後、分散された部分が重合等によって急速に硬化される場合、流体は、それほど非混和性である必要はない。当業者は、本発明の種々の技法を実行するために、接触角測定等を使用して、好適な非混和性流体を選択することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、不連続区画は、最大寸法を有し、最も大きい最大寸法を有する区画の、最も小さい最大寸法を有する区画に対するサイズ比は、少なくとも10:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1等である。不連続区画は、50ミクロン未満、25ミクロン未満、10ミクロン未満、5ミクロン未満、1ミクロン未満等の最大断面寸法を有してもよい。
【0065】
対象流体の分散は、本明細書の教示、ならびに流動集束の分野において得られる教示に基づいて、当業者によって制御され得る。本発明の種々の実施形態の目的を実行するような流体の選択のために、例えば、「Generation of Steady Liquid Microthreads and Micron−Sized Monodispersed Sprays and Gas Streams」Phys.Rev.Lett.,80:2、1998年1月12日、Ganan−Calvo、ならびに多くの他の文書が参照され得る。以下の実施例からより十分に理解されるように、分散流体流量ならびに分散および対象流体の流量間の比の制御は、対象流体の流れおよび/または分散サイズ、ならびに流体分散中の単分散性対多分散性を制御するために使用され得る。本発明のマイクロ流体デバイスは、本明細書において教示するような流量および比の制御とともに、有意に改善された制御および範囲を可能にする。分散された部分のサイズは、1ミクロン未満の直径まで及ぶことができる。いくつかの実施形態では、対象流体の分散流体に対する流量比は、1:5未満、1:25未満、1:50未満、1:100未満、1:250未満、1:400未満等である。マイクロ流体チャネル内の分散流体の流量は、任意の好適な速度であってもよい。例えば、流量は、6×10
−5〜1×10
−2ミリリットル/秒、1×10
−4〜1×10
−3ミリリットル/秒等であってもよい。
【0066】
多くの分散は、バルク特性(例えば、レオロジー;分散サイズおよび分散サイズ分布によって影響される、分散が流動する方法、および任意に、光学的特性、風味、感触等の他の特性)を有する。従来の流動集束技法等の一般的な従来の技法は、最も一般的には、単分散システムを伴う。本発明はまた、二分散および多分散不連続区画分配が生じる状況の制御に関し、これは、不連続サイズ分布を変化させること等によって、バルク特性に影響を及ぼす時に有用であり得る。
【0067】
本発明は、いくつかの実施形態では、薬剤(例えば、医薬品)、スキンケア製品(例えば、ローション、シャワージェル)、食品(例えば、サラダドレッシング、アイスクリーム)、インクカプセル化、塗料、マイクロ工学材料のマイクロテンプレート(例えば、フォトニック結晶、スマート材料等)、泡等で使用するための種々の分散された流体区画または粒子を形成するために、使用され得る。本発明の種々の実施形態に従って生産される高度に単分散かつ高濃度の液晶液滴は、二次元および三次元構造に自己組織化することができ、これらは、例えば、新規の光学デバイスで使用され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、ガス−液体分散は、泡を作成するように形成されてもよい。ガス−液体分散中のガスの体積割合が増加するにつれて、個々の気泡は、それらが相互に押しつけられるため、それらの球形を失う可能性がある。1つ以上の表面によって制約される場合、これらの球体は、円板状に圧縮される可能性があるが、一般的には、圧縮表面を通して見た場合、円形パターンを維持する。一般的には、分散は、気泡がより高い体積百分率で非球形または多角形になる場合、泡と呼ばれる。多くの要因、例えば、分散サイズ、粘度、および表面張力が、泡が形成される時に影響を及ぼし得るが、いくつかの実施形態では、ガス−液体分散中のガスの体積割合が、例えば、75、80、85、90、または95を超える時に、泡が形成される(非球形気泡)。
【0069】
本発明のある実施形態に従って、システムの構成要素を形成するために、種々の材料および方法が使用され得る。場合によっては、選択される種々の材料は、種々の方法に役立つ。例えば、本発明の特定の実施形態の構成要素は、固体材料から形成され得、チャネルは、マイクロマシニング、スピンコーティングおよび化学蒸着等の膜蒸着プロセス、レーザー製造、フォトリソグラフィ技法、湿式化学またはプラズマプロセスを含むエッチング法等によって形成され得る。例えば、AngellらのScientific American248:44−55(1983)を参照されたい。一実施形態では、システムの少なくとも一部は、シリコンチップに特徴をエッチングすることによって、シリコンから形成される。シリコンからの本発明の種々の実施形態のデバイスの精密かつ効率的な製造のための技術は、既知である。別の実施形態では、該区画(または他の区画)は、ポリマーから形成され得、エラストマーポリマー、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Teflon(登録商標))等であってもよい。
【0070】
異なる構成要素は、異なる材料から製造され得る。例えば、底壁および側壁を含むマイクロ流体デバイスの基部分は、シリコンまたはPDMS等の不透明材料から製造され得、頂部分またはカバーは、流体プロセスの観察および制御のために、ガラスまたは透明ポリマー等の透明材料から製造され得る。構成要素は、基部支持材料が正確な所望の機能性を有しない場合、所望の化学的機能性を内部チャネル壁に接触する流体に与えるために被覆され得る。例えば、構成要素は、図示するように、別の材料で被覆される内部チャネル壁を有して製造され得る。
【0071】
本発明の種々のデバイスを製造するために使用される材料、または流体チャネルの内壁を被覆するために使用される材料は、望ましくは、デバイスを通って流動する流体に悪影響を及ぼさない、または該流体による悪影響を受けない材料、例えば、デバイス内で使用される、作業温度および圧力で、流体の存在下で、化学的に不活性である材料の中から選択されてもよい。
【0072】
一実施形態では、本発明のある特定の構成要素は、ポリマーおよび/または可撓性および/またはエラストマー材料から製造され、成形(例えば、レプリカ成形、射出成形、注型成形等)を介した製造を促進する、硬化性流体から便利に形成され得る。硬化性流体は、マイクロ流体ネットワーク構造での使用および該構造と一緒の使用が考慮される流体を含有および輸送することが可能な固体に凝固するように誘発され得る、または自発的に凝固する、基本的にいかなる流体技術であってもよい。一実施形態では、硬化性流体は、ポリマー液体または液体ポリマー前駆体(すなわち、「プレポリマー」)を含む。好適なポリマー液体としては、例えば、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、もしくはそれらの融点を超えて加熱されるかかるポリマーの混合物;または好適な溶媒中の1つ以上のポリマーの溶液が挙げられ得、該溶液は、例えば、蒸発による溶媒の除去後に、固体ポリマー材料を形成する。例えば、溶融状態から、または溶媒蒸発によって固体化され得るかかるポリマー材料は、当業者によく知られている。種々のポリマー材料は、それらの多くがエラストマーであるが、鋳型マスターのうちの片方または両方がエラストマー材料から成る実施形態に好適であり、また、鋳型マスターを形成するのにも好適である。かかるポリマーの実施例の限定されないリストには、シリコーンポリマー、エポキシポリマー、およびアクリレートポリマーの一般的種類のポリマーが挙げられる。エポキシポリマーは、エポキシ基、1,2−エポキシド、またはオキシランと一般的に称される三員環エーテル基の存在を特徴とする。例えば、芳香族アミン、トリアジン、および脂環式骨格に基づく化合物に加えて、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルが使用され得る。別の実施例としては、よく知られているノボラックポリマーが挙げられる。本発明の特定の実施形態に従った使用に好適なシリコーンエラストマーの実施例としては、メチルクロロシラン、エチルクロロシラン、およびフェニルクロロシラン等のクロロシランを含む前駆体から形成されるものが挙げられる。
【0073】
ある実施形態では、シリコーンポリマー、例えば、シリコーンエラストマーポリジメチルシロキサン(PDMS)が好ましい。例示的なポリジメチルシロキサンポリマーとしては、Dow Chemical Co.(Midland,MI)によってSylgardの商標で販売されているもの、特に、Sylgard182、Sylgard184、およびSylgard186が挙げられる。PDMSを含むシリコーンポリマーは、本発明の特定の実施形態のマイクロ流体構造の製造を簡略化する、いくつかの有利な特性を有する。例えば、かかる材料は、安価で容易に入手可能であり、熱による硬化によって、プレポリマー液体から凝固され得る。例えば、PDMSは、一般的には、例えば、約1時間の暴露時間にわたる、例えば、約65℃〜約75℃の温度へのプレポリマー液体の暴露によって、硬化可能である。また、PDMS等のシリコーンポリマーは、エラストマーであってもよく、したがって、本発明の特定の実施形態に必要な比較的高いアスペクト比を有する非常に小さい特徴を形成するのに有用であり得る。可撓性(例えば、エラストマー)鋳型またはマスターは、この点において有利であり得る。
【0074】
PDMS等のシリコーンポリマーから、本発明の種々の実施形態のマイクロ流体構造等の構造を形成する1つの利点は、酸化構造が、それらの表面において、他の酸化シリコーンポリマー表面または種々の他のポリマーおよび非ポリマー材料の酸化表面と架橋することが可能な化学基を含有するように、かかるポリマーが、例えば、空気プラズマ等の酸素含有プラズマへの暴露によって酸化される能力である。したがって、構成要素は、製造され、次いで、酸化され、別の接着剤または他の密閉手段を必要とすることなく、基本的に、他のシリコーンポリマー表面または酸化シリコーンポリマー表面と反応する他の基板の表面に不可逆的に密閉され得る。ほとんどの場合、密閉は、密閉を形成するために補助圧力を印加する必要なく、単に酸化シリコーン表面を別の表面に接触させることによって達成され得る。すなわち、予め酸化されたシリコーン表面は、好適な係合表面に対する接触接着剤として機能する。具体的に、それ自体に不可逆的に密閉可能であることに加えて、酸化PDMS等の酸化シリコーンはまた、PDMS表面と同様の方法で酸化させられた(例えば、酸素含有プラズマへの暴露を介して)ガラス、シリコン、酸化シリコン、クォーツ、窒化シリコン、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス状炭素、およびエポキシポリマーを含む、それ自体以外の様々な酸化材料に不可逆的に密閉され得る。本発明の関連で有用な酸化および密閉方法ならびに全体的成形技法は、参照によって本明細書に組み込まれる、Duffy et al.,Rapid Prototyping of Microfluidic Systems and Polydimethylsiloxane,Analytical Chemistry,Vol.70,pages 474−480,1998に記載される。
【0075】
酸化シリコーンポリマーから本発明の種々の実施形態のマイクロ流体構造(または内部、流体接触表面)を形成する別の利点は、これらの表面が一般的なエラストマーポリマーの表面よりもはるかに親水性であり得ることである(親水性内面が望ましい場合)。したがって、かかる親水性チャネル表面は、一般的な非酸化エラストマーポリマーまたは他の疎水性材料からなる構造よりも容易に、水溶液で充填および湿潤され得る。したがって、本発明のある特定のデバイスは、非酸化エラストマーポリマーよりも親水性である表面を有して作られ得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、チャネル表面を疎水性にすることが望ましい場合がある。チャネル表面を疎水性にするための1つの限定されない方法は、チャネル表面を、チャネル表面に疎水性を付与する薬剤と接触させるステップを含む。例えば、いくつかの実施形態では、チャネル表面は、アクアペル(市販の自動ガラストリートメント)(PPG Industries,Pittsburgh,PA)と接触させられても(例えば、洗い流されても)よい。いくつかの実施形態では、疎水性を付与する薬剤と接触させられるチャネル表面は、続いて、空気で浄化されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、疎水性を付与する薬剤を含有する溶媒を蒸発させるように加熱(例えば、焼付)されてもよい。
【0077】
したがって、本発明の一側面では、マイクロ流体チャネルの表面は、複数の乳剤等の乳剤の生産を促進するように修飾されてもよい。場合によっては、表面は、マイクロ流体チャネルの少なくとも一部にゾルゲルを被覆することによって修飾されてもよい。当業者には既知の通り、ゾルゲルは、ゾルまたはゲル状態であってもよい材料であり、一般的には、ポリマーを含む。ゲル状態は、一般的には、液相を含有するポリマーネットワークを含有し、例えば、乾燥または加熱技法によって、ゾルから溶媒を除去することによって、ゾル状態から生成され得る。場合によっては、以下に考察するように、ゾルは、例えば、何らかの重合をゾル内で生じさせることによって、使用される前に前処理されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、ゾルゲルコーティングは、例えば、ある特定の疎水性を有する等、ある特定の特性を有するように選択されてもよい。コーティング特性は、以下に考察するように、ゾルゲルの組成物を制御することによって(例えば、ゾルゲル内である特定の材料またはポリマーを使用することによって)、および/または、例えば、ポリマーをゾルゲルコーティングに反応させるために、コーティングを重合反応に曝露することによって、コーティングを修飾することによって、制御されてもよい。
【0079】
例えば、ゾルゲルコーティングは、ゾルゲルに疎水性ポリマーを組み込むことによって、より疎水性に作られ得る。例えば、ゾルゲルは、1つ以上のシラン、例えば、ヘプタデカフルオロシラン等のフルオロシラン(すなわち、少なくとも1つのフッ素原子を含有するシラン)、またはメチルトリエトキシシラン(MTES)、もしくはオクタデシルシランもしくは他のCH
3(CH
2)
n−シラン(ここで、nは、任意の好適な整数であり得る)等の1つ以上の脂質鎖を含有するシラン等の他のシランを含有してもよい。例えば、nは、1、5、または10よりも大きく、約20、25、または30よりも小さくてもよい。シランはまた、任意に、アルコキシド基、例えば、オクタデシルトリメトキシシラン等の他の基を含んでもよい。概して、ほとんどのシランは、ゾルゲルで使用され得、特定のシランが疎水性等の所望の特性に基づき選択される。他のシラン(例えば、より短い、またはより長い鎖長を有する)もまた、望ましい相対的疎水性または親水性等の要因に基づき、本発明の他の実施形態で選択されてもよい。場合によっては、シランは、ゾルゲルをより親水性にする他の基、例えば、アミン等の基を含有してもよい。限定されない実施例としては、ジアミンシラン、トリアミンシラン、またはN−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンシランが挙げられる。シランは、ゾルゲル内にオリゴマーまたはポリマーを形成するように反応させられてもよく、重合度(例えば、オリゴマーまたはポリマーの長さ)は、例えば、温度、存在する酸の量等を制御することによって、反応条件を制御することによって、制御されてもよい。場合によっては、2つ以上のシランがゾルゲル中に存在してもよい。例えば、ゾルゲルは、得られたゾルゲルにより大きい疎水性を示させるためのフルオロシラン、およびポリマーの生成を促進する他のシラン(または他の化合物)を含んでもよい。場合によっては、重合を促進するためにSiO
2化合物を生成することが可能な材料、例えば、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、が存在してもよい。
【0080】
ゾルゲルは、シランのみを含有することに制限されず、他の材料がシランに加えて、またはシランの代わりに存在してもよいことを理解されたい。例えば、コーティングは、SiO
2、バナジア(V
2O
5)、チタニア(TiO
2)、および/またはアルミナ(Al
2O
3)等の1つ以上の金属酸化物を含んでもよい。
【0081】
場合によっては、マイクロ流体チャネルは、ゾルゲルを受容するのに好適な材料、例えば、ガラス、金属酸化物、またはポリジメチルシロキサン(PDMS)および他のシロキサンポリマー等のポリマーで構成される。例えば、場合によっては、マイクロ流体チャネルは、シリコン原子を含有するものであってもよく、ある特定の場合において、マイクロ流体チャネルは、それがシラノール(Si−OH)基を含有するように選択されてもよく、またはシラノール基を有するように修飾され得る。例えば、マイクロ流体チャネルは、マイクロ流体チャネル上でシラノール基の形成をもたらすように、酸素プラズマ、酸化剤、または強酸に曝露されてもよい。
【0082】
ゾルゲルは、マイクロ流体チャネル上のコーティングとして存在してもよく、コーティングは、任意の好適な厚さを有してもよい。例えば、コーティングは、約100マイクロメートル以下、約30マイクロメートル以下、約10マイクロメートル以下、約3マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル以下の厚さを有してもよい。場合によっては、例えば、より高い耐化学性が望ましい用途において、より熱いコーティングが望ましくあり得る。しかしながら、例えば、比較的小さいマイクロ流体チャネル内での用途において、より薄いコーティングが望ましくあり得る。
【0083】
ある実施形態では、ゾルゲルコーティングの疎水性は、例えば、ゾルゲルコーティングの第1の部分が比較的疎水性であり、ゾルゲルコーティングの第2の部分が比較的疎水性になるように制御され得る。コーティングの疎水性は、当業者に既知の技法を使用して、例えば、以下に考察するような接触角測定を使用して、決定され得る。例えば、場合によっては、マイクロ流体チャネルの第1の部分が水よりも有機溶媒を好む疎水性を有してもよい一方で、第2の部分は、有機溶媒よりも水を好む疎水性を有してもよい。
【0084】
ゾルゲルコーティングの疎水性は、例えば、ポリマーをゾルゲルコーティングに反応させるために、ゾルゲルコーティングの少なくとも一部を重合反応に曝露することによって、修飾され得る。ゾルゲルコーティングに反応させられるポリマーは、任意の好適なポリマーであってもよく、ある特定の疎水性特性を有するように選択されてもよい。例えば、ポリマーは、マイクロ流体チャネルおよび/またはゾルゲルコーティングよりも疎水性、またはより親水性になるように選択されてもよい。一実施例として、使用され得る親水性ポリマーは、ポリ(アクリル酸)である。
【0085】
ゾルゲルコーティングに単量体(またはオリゴマー)形態のポリマーを提供し(例えば、溶液中)、ポリマーとゾルゲルとの間で重合反応を生じさせることによって、ポリマーがゾルゲルコーティングに添加されてもよい。例えば、ゾルゲルコーティングへのポリマーの結合をもたらすために、フリーラジカル重合が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フリーラジカル重合等の反応は、任意に、光への暴露によって、(例えば、分子開裂によって)フリーラジカルを生成することが可能な光開始剤の存在下で、反応物質を熱および/または紫外線(UV)光等の光に曝露させることによって、開始されてもよい。当業者は、多くのかかる光開始剤を認識し、Irgacur2959(Ciba Specialty Chemicals)または2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)−ジフェニルケトン(SIH6200.0,ABCR GmbH&Co.KG)等のそれらの多くは、市販されている。
【0086】
光開始剤は、ゾルゲルコーティングに添加されるポリマーとともに含まれてもよく、または場合によっては、光開始剤は、ゾルゲルコーティング内に存在してもよい。例えば、光開始剤は、ゾルゲルコーティング内に含有され、光への暴露によって活性化されてもよい。光開始剤はまた、ゾルゲルコーティングの構成要素、例えば、シランに共役または結合されてもよい。一実施例として、Irgacur2959等の光開始剤は、ウレタン結合によってシラン−イソシアネートに共役されてもよく、光開始剤上の第一級アルコールは、ウレタン結合を生成し得る、イソシアネート基との求核付加に関与してもよい。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態では、ゾルゲルコーティングの一部のみがポリマーと反応させられ得ることに留意されたい。例えば、モノマーおよび/または光開始剤がマイクロ流体チャネルの一部のみに曝露されてもよく、または重合反応がマイクロ流体チャネルの一部のみにおいて開始されてもよい。特定の実施例として、マイクロ流体チャネルの一部が光に曝露されてもよい一方で、他の部分は、例えば、マスクまたはフィルタの使用によって、光に曝露されることを防止される。したがって、重合がマイクロ流体チャネル上のあらゆる場所で生じるわけではないため、マイクロ流体チャネルの異なる部分は、異なる疎水性を示し得る。別の実施例として、マイクロ流体チャネルは、マイクロ流体チャネルに曝露パターンの縮小画像を投影することによって、UV光に曝露されてもよい。場合によっては、小さい解像度(例えば、1マイクロメートルまたはそれ以下)が投影技法によって達成されてもよい。
【0088】
本発明の別の側面は、概して、マイクロ流体チャネルの少なくとも一部にかかるゾルゲルを被覆するためのシステムおよび方法に関する。ある実施形態では、マイクロ流体チャネルは、ゾルに曝露され、それは、次いで、ゾルゲルコーティングを形成するように処理される。場合によっては、ゾルはまた、部分的重合を生じさせるように前処理され得る。余分なゾルゲルコーティングは、任意に、マイクロ流体チャネルから除去されてもよい。場合によっては、考察するように、コーティングの一部は、例えば、モノマーおよび/またはオリゴマーを含有する溶液にコーティングを曝露させ、モノマーおよび/またはオリゴマーの重合をコーティングで生じさせることによって、その疎水性(または他の特性)を変化させるように処理されてもよい。
【0089】
ゾルは、溶媒内に含有されてもよく、それはまた、上記のものを含む光開始剤等の他の化合物を含有してもよい。場合によっては、ゾルはまた、1つ以上のシラン化合物を含んでもよい。ゾルは、任意の好適な技法を使用して、例えば、熱等の化学的または物理的技法を使用して溶媒を除去することによって、ゲルを形成するように処理されてもよい。例えば、ゾルは、溶媒のうちの少なくともいくつかを除去するか、または蒸発させるために使用され得る、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、または少なくとも約250℃の温度に曝露されてもよい。特定の実施例として、ゾルは、少なくとも約200℃または少なくとも約250℃の温度に達するように設定されるホットプレートに曝露されてもよく、ホットプレートへのゾルの曝露は、溶媒のうちの少なくともいくつかを除去または蒸発させ得る。しかしながら、場合によっては、ゾルゲル反応は、熱の非存在下でさえ、例えば、室温で進行してもよい。したがって、例えば、ゾルは、しばらくの間(例えば、約1時間、約1日等)そのままにされてもよく、および/または空気もしくは他のガスが、ゾルゲル反応が進行することを可能にするように、ゾルを覆って送られてもよい。
【0090】
場合によっては、まだ存在している任意の非ゲル化ゾルは、マイクロ流体チャネルから除去されてもよい。非ゲル化ゾルは、例えば、マイクロ流体チャネルへの圧力の印加または化合物の添加等によって物理的に、能動的に除去されてもよく、または非ゲル化ゾルは、場合によっては、受動的に除去されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内に存在するゾルは、溶媒を蒸発させるように加熱されてもよく、それは、マイクロ流体チャネル内において気体状態で増大し、それによって、マイクロ流体チャネル内の圧力を増加させる。場合によっては、圧力は、非ゲル化ゾルのうちの少なくともいくつかを、マイクロ流体チャネルから除去させるか、または「噴出させる」のに十分であってもよい。
【0091】
特定の実施形態では、ゾルは、マイクロ流体チャネルへの曝露前に、部分的重合を生じさせるように前処理される。例えば、ゾルは、部分的重合がゾル内で生じるように処理されてもよい。ゾルは、例えば、少なくとも何らかのゲル化を生じさせるのに十分である酸または温度にゾルを曝露させることによって、処理されてもよい。場合によっては、温度は、マイクロ流体チャネルに添加される時にゾルが曝露される温度よりも低くてもよい。ゾルの何らかの重合が生じ得るが、重合は、例えば、温度を低下させることによって、完了に至る前に停止されてもよい。したがって、ゾル内で、完全重合がまだ生じていなくても、いくつかのオリゴマーが形成され得る(必ずしも長さの観点からよく特徴付けられているとは限らない場合がある)。次いで、部分的に処理されたゾルは、上記のように、マイクロ流体チャネルに添加されてもよい。
【0092】
特定の実施形態では、コーティングの一部は、コーティングがマイクロ流体チャネルに導入された後に、その疎水性(または他の特性)を変化させるように処理されてもよい。場合によっては、コーティングは、上記のように、モノマーおよび/またはオリゴマーを含有する溶液に曝露され、それは、次いで、コーティングに結合するように重合される。例えば、コーティングの一部は、重合を生じさせるようにフリーラジカル重合反応を開始させるために使用され得る、熱および/または紫外線光等の光に曝露されてもよい。任意に、光開始剤は、この反応を促進するために、例えば、ゾルゲルコーティング内に存在してもよい。
【0093】
かかるコーティングおよび他のシステムのさらなる詳細は、Abateらによる、「Surfaces,Including Microfluidic Channels,With Controlled Wetting Properties」と題する、2008年3月28日出願の米国仮特許出願第61/040,442号、およびAbateらによる、「Surfaces,Including Microfluidic Channels,With Controlled Wetting Properties」と題する、2009年2月11日出願の国際特許出願で見ることができ、それぞれは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0094】
一実施形態では、1つ以上の側壁もしくは頂壁、または他の構成要素とは異なる材料から、底壁が形成される。例えば、底壁の内面は、シリコンウエハーもしくはマイクロチップ、または他の基板の表面を備えることができる。他の構成要素は、上記の通り、かかる代替の基板に密閉され得る。シリコーンポリマー(例えば、PDMS)を含む構成要素を異なる材料の基板(底壁)に密閉することが望ましい場合、酸化シリコーンポリマーが不可逆的に密閉することが可能である材料の群から、基板が選択されることが好ましい(例えば、ガラス、シリコン、酸化シリコン、クォーツ、窒化シリコン、ポリエチレン、ポリスチレン、エポキシポリマー、および酸化されたガラス状炭素表面)。あるいは、当業者に明らかとなるように、別の接着剤、熱結合、溶剤結合、超音波溶接等の他の密閉技法が使用され得る。
【0095】
別の実施形態では、本発明は、概して、複数の乳剤を含む乳剤を作成するためのシステムおよび方法に関する。場合によっては、複数の乳剤を含む乳剤は、「誘発」プロセスを通して作製されてもよく、流体液滴または他の実体が、流体液滴または他の実体を含有する液滴の1つ以上のネスティングを作成するために使用される。かかる方法では、場合によっては、複数の乳剤、例えば、三重乳剤、四重乳剤、五重乳剤等が形成され得る。特定の実施形態では、第1の液滴(または他の実体)は、チャネルを「塞ぐ」ために使用され、液滴の後方に貯留する流体は、乳剤を形成するために、チャネルを通して液体を押す。このプロセスは、場合によっては、複数の乳剤を作成するために反復されてもよい。本発明の他の側面は、概して、かかる乳剤を生産するためのシステム、かかる乳剤を使用する方法、かかる乳剤を促進する方法等に関する。
【0096】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、概して、複数の乳剤を含む乳剤に関し、かかる乳剤を製造するための方法および器具に関する。ここで使用される「複数の乳剤」は、1つ以上のより小さい液滴をその中に含有する、より大きい液滴を意味する。より大きい液滴は、第3の流体中に懸濁していてもよい。特定の実施形態では、複数の乳剤内のより大きい程度のネスティングが可能である。例えば、乳剤は、より小さい液滴をその中に含有する液滴を含有してもよく、より小さい液滴のうちの少なくともいくつかは、さらにより小さい液滴をその中に含有する。複数の乳剤は、医薬品、セル、化学物質等の種をカプセル化するのに有用であり得る。以下に記載するように、複数の乳剤は、ある特定の実施形態において、概して正確な再現性を有して形成され得る。
【0097】
乳剤または複数の乳剤が有用であると判明し得る分野は、例えば、食品、飲料、健康および美容補助、塗料およびコーティング、ならびに薬物および薬物送達を含む。例えば、正確な量の薬物、医薬品、または他の薬剤が乳剤内に含有され得、または場合によっては、セルが液滴内に含有され得、セルは、保管および/または送達され得る。保管および/または送達され得る他の種としては、例えば、siRNA、RNAi、およびDNA等の核酸、タンパク質、ペプチド、または酵素等の生化学的種が挙げられる。乳剤内に組み込まれ得るさらなる種としては、ナノ粒子、量子ドット、香料、タンパク質、指示薬、染料、蛍光種、化学物質等が挙げられるがこれに限定されない。乳剤はまた、ある特定の場合において、例えば、指向進化技術のために、化学反応を制御するため、または、インビトロ転写および翻訳のため等の反応容器として機能し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法およびデバイスを使用して、一貫したサイズおよび/もしくは数の液滴を有する乳剤が生産され得、ならびに/または外側液滴の内側液滴に対するサイズおよび/もしくは数の一貫した比(または他のそのような比)が、複数の乳剤を伴う場合に生成され得る。例えば、場合によっては、ある特定の量の薬物を提供するために、予測可能なサイズの外側液滴内の単一液滴が使用され得る。さらに、化合物または薬物の組み合わせが液滴中で保管、輸送、または送達されてもよい。例えば、疎水性および親水性種は、液滴が親水性および疎水性部分の両方を含むことができるため、単一の複数の乳剤液滴で送達され得る。これらの部分のそれぞれの量および濃度は、本発明の特定の実施形態に従って一貫して制御され得、複数の乳剤液滴中の2つ以上の種の予測可能な、かつ一貫した比を提供することができる。
【0099】
一側面では、乳剤は、「誘発」プロセスを通して作製されてもよく、液滴または他の実体が、液滴または他の実体を含有する流体液滴の1つ以上のネスティングを作成するために使用される。流体液滴以外の他の実体、例えば、セルまたはゲル粒子もまた、ある特定の実施形態で使用され得る。
【0100】
より一般的に、本発明の種々の側面は、流体液滴またはゲル等の変形可能な実体が出口チャネルを少なくとも部分的に塞ぎ、変形可能な実体を含有する液滴の作成が、変形可能な実体を出口チャネルに押し込むことによって「誘発」される、プロセスを使用して、複数の乳剤を含む乳剤を作成するためのシステムおよび方法に関する。出口チャネルは、例えば、以下に考察するように、マイクロ流体チャネルであってもよい。一般的には、液滴形成は、この部分的閉塞なしで生じることができず(いくつかの実施形態では、比較的低い「誤差」率が存在し得るが)、したがって、液滴の形成は、出口チャネルの中へ変形可能な実体の部分的詰まりを作成および放出することによって、「誘発」されると言われている。
【0101】
ここで使用される「変形可能な実体」は、出口チャネルを少なくとも部分的に塞ぐことが可能な任意の実体であり、変形可能な実体が出口チャネルを少なくとも部分的に塞ぐ間、変形可能な実体を含有する担持流体は、出口チャネルの中へ変形可能な実体を越えて流動することができない。場合によっては、「閉塞」は、完全であってもよく、すなわち、出口チャネルを断面で見ると、担持流体の分子が変形可能な実体を越えることなく出口チャネルを通って流動することは、不可能である。しかしながら、他の場合では、分子が変形可能な実体を越えることなく出口チャネルに入ることが理論的に可能であるように、閉塞は、部分的であってもよいが、それでもなお、担持流体は、粘度、疎水性反発力、電荷反発力等の効果によって、出口チャネルに入ることができない可能性がある。
【0102】
他の実施例は、参照によって本明細書に組み込まれる、Weitzらによる、「Controlled Creation of Emulsions,Including Multiple Emulsions」と題する、2009年3月13日出願の米国仮出願第61/160,020号に見られる。
【0103】
以下の文書は、参照によって本明細書に組み込まれる:1996年4月30日発行の現米国特許第5,512,131号である、Kumarらによる、「Formation of Microstamped Patterns on Surfaces and Derivative Articles」と題する、1993年10月4日出願の米国特許出願第08/131,841号;1996年6月26日に第WO96/29629号として公開された、Whitesidesらによる、「Microcontact Printing on Surfaces and Derivative Articles」と題する、1996年3月1日出願の国際特許出願第PCT/US96/03073号への優先権;2002年3月12日発行の現米国特許第6,355,198号である、Kimらによる、「Method of Forming Articles Including Waveguides via Capillary Micromolding and Microtransfer Molding」と題する、1998年1月8日出願の米国特許出願第09/004,583号;2001年11月29日に第WO01/89787号として公開された、Andersonらによる、「Microfluidic Systems including Three−Dimensionally Arrayed Channel Networks」と題する、2001年5月25日出願の国際特許出願第PCT/US01/16973号;Stoneらによる、「Multiphase Microfluidic System and Method」と題する、2002年6月28日出願の米国仮特許出願第60/392,195号;Linkらによる、「Method and Apparatus for Fluid Dispersion」と題する、2002年11月5日出願の米国仮特許出願第60/424,042号;2004年1月8日に第WO2004/002627号として公開された、Stoneらによる、「Method and Apparatus for Fluid Dispersion」と題する、2003年6月30日出願の国際特許出願第PCT/US03/20542号;Linkらによる、「Electronic Control of Fluidic Species」と題する、2003年8月27日出願の米国仮特許出願第60/498,091号;2004年10月28日に第WO2004/091763号として公開された、Linkらによる、「Formation and Control of Fluidic Species」と題する、2003年4月10日出願の米国仮特許出願;2004年4月9日出願の国際特許出願第PCT/US2004/010903号;2005年3月10日に第WO2005/021151号として公開された、Linkらによる、「Electronic Control of Fluidic Species」と題する、2004年8月27日出願の国際特許出願第PCT/US2004/027912号;2005年8月11日に米国特許出願公開第2005−0172476号として公開された、Stoneらによる、「Method and Apparatus for Fluid Dispersion」と題する、2004年12月28日出願の米国特許出願第11/024,228号;Weitzらによる、「Method and Apparatus for Forming Multiple Emulsions」と題する、2005年3月4日出願の米国仮特許出願第60/659,045号;Garsteckiらによる、「Systems and Methods of Forming Particles」と題する、2005年3月4日出願の米国仮特許出願第60/659,046号;およびLinkらによる、「Formation and Control of Fluidic Species」と題する、2005年10月7日出願の米国特許出願第11/246,911号。
【0104】
本発明のこれらおよび他の実施形態の機能および利点は、以下の実施例からより十分に理解される。以下の実施例は、本発明の利点を説明することを目的としているが、本発明の全範囲を例示するものではない。
【0105】
(実施例)
(実施例1)
本実施例は、並列液滴形成システムの製造を説明する。
【0106】
マイクロ流体液滴形成デバイスのアレイを、標準的な多層ソフトリソグラフィを使用して、PDMS(ポリジメチルシロキサン)から製造した。頑丈な壁および天井であるが、開床を有するように、流体チャネルをPDMS層中に配設した。ガラスまたはPDMSの基部にチャネル含有層を結合することによって、チャネルの製造を完了した。1つの層中のチャネルは、下層チャネルの天井に穴を開けることによって、隣接する層のチャネルに接続され得る。
【0107】
本実施例では、最下層は、この層内で一緒に接続されない、マイクロ流体デバイスのアレイを含有する。このデバイス層を、硬化PDMSエラストマーの薄層で被覆されるガラススライドにプラズマ結合した。
【0108】
デバイス層の入口の間隔と一致する間隔で、デバイスの全列を被覆するのに十分な長さで、デバイス層の頂部に、流体チャネルのアレイを含有する第1の分配チャネル層を結合した。この単一の第1のチャネル層は、デバイスの1−Dアレイのための流体分配物品を構成した。
【0109】
デバイスの2−Dアレイに対して、
図7に示すように、チャネルの1つの組が下部組に対して垂直に伸びる状態で、下部チャネルの入口および出口を被覆するための適切な長さおよび間隔で、第1のチャネル層の上方に第2のチャネル層を結合した。
【0110】
デバイスの3−Dアレイを作製するために、以下の配列でいくつかの2−Dアレイおよび流体分配物品を積層した)(ガラススライドから上方への組み立て):任意数の繰り返しで、最下硬質支柱のためのガラススライド;ソリッドスペーサ層;デバイス層;第1のチャネル層と第2の垂直なチャネル層とを備える、流体分配物品;ソリッドスペーサ層の第2の配列;デバイス層;流体分配物品等。流体分配物品は、デバイス層に垂直な分配チャネルの1つの組によって提供される。
【0111】
シリンジポンプを使用して、ポリエチレン外科用チューブを通して流体を供給することによって、組み立てられたデバイスアレイを操作した。
【0112】
(実施例2)
本実施例は、並列マイクロ流体デバイスのチャネル寸法の計算を説明する。
【0113】
計算例として、当該技術分野において既知である以下の方程式を使用して、単純な乳剤液滴を生産するT字接合の5×5アレイを提供するための望ましいチャネル寸法を推定した。
【0114】
R=[(12
*μ
*L)/(w
*h
3)]
*{[1−[(192/π
5)
*(h/w)]]
−1}
ここで、「R」は、長方形マイクロチャネルの中の抵抗であり、「μ」は、流体粘度であり、「L」は、チャネルの長さであり、「w」は、チャネルの幅であり、「h」は、チャネルの高さである。チャネルの長さが4000μm、幅が50μm、高さが25μmのT字接合は、粘度がμ=1mPa
*sであると仮定して、約100kPa
*s/μLの抵抗を有する。第1代分配チャネルが150μmの高さ、1500μmの幅を有し、隣接するデバイス間の距離が10,000μmである場合、セグメント毎の抵抗は、R
c1=0.2kPa
*s/μLである。これは、1%の精度レベルで、5つのデバイス間で等しい流動分割を提供する。第2代分配チャネルに対して、高さを250μmまで増大し、他の寸法を同じに保持することによって、R
c2=0.04kPa
*s/μLを得、それは同様に、1%のレベルにおいて等しい流動分割を提供する。
【0115】
(実施例3)
本実施例は、二重乳剤形成の並列化を説明する。
【0116】
各液滴作製ユニットは、
図12に示すように、2つの連続的公差接合を含んだ。標準的なソフトリソグラフィを使用して、1つのPDMSのモノリシックブロックで、ユニットのアレイを成形した。入口および出口の穴を手で開け、マイクロチャネルをガラスベースプレートに密閉するために、プラズマ結合を使用した。分配チャネルの層をアレイに密閉するために、プラズマ結合を再び使用した。液滴形成のために、デバイス中のチャネル表面を疎水性にするために、組み立てられたデバイスをアクアペル(市販の自動ガラストリートメント)で洗い流し、空気で洗浄した。残りのアクアペルを乾燥させるために、デバイスを数時間焼き付けた。
【0117】
二重乳剤を生成するために、分配チャネルを通して以下の流体を注入した:最内相として1−オクタノール、シェル相として0.5%(重量で)のドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」、界面活性剤)を有する水、および連続相として1.8%(重量で)の「R22」界面活性剤を有する、HFE−7500油(R22は、市販のパーフルオロポリエーテル、Krytox157FSL油のアンモニウム塩である)。使用した総流量は、最内相に対して250マイクロリットル/時であり、シェル相に対して1000マイクロリットル/時であり、連続相に対して4000マイクロリットル/時であった。異なるサイズの二重乳剤は、流量を変化させることによって、および/または異なるサイズのマイクロチャネルを有するデバイスを使用することによって形成され得る。分配チャネルは、これらの場合、例えば、実施例2にあるような計算を使用することによって調整され得る。
【0118】
当業者は、本明細書に詳細に図示または記載されない補助構成要素が、本発明の実行に有用であることを認識するであろう。例えば、種々の流体源、本明細書に示すチャネルに送達されるこれらの流体の圧力および/または流量を制御するための手段等である。当業者は、本明細書に記載する機能を実行するための、および/または結果または利点を得るための種々の他の手段および構造を容易に想像し、かかる変更または修正のそれぞれは、本発明の範囲内に入るものと見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載する全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であるよう意図され、実際のパラメータ、寸法、材料、および構成が、本発明の教示が使用される特定の用途によって決まることを容易に理解するであろう。当業者は、単なる日常的な実験を使用して、本明細書に記載する本発明の特定の実施形態の多くの同等物を認識するか、または確認することが可能である。したがって、上記の実施形態は、ほんの一例として提示され、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、本発明が具体的に説明される方法とは別の方法で実行され得ることを理解されたい。本発明は、本明細書に記載する個々の特徴、システム、材料、および/または方法に関する。さらに、かかる特徴、システム、材料、および/または方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のかかる特徴、システム、材料、および/または方法の任意の組み合わせが本発明の範囲内に含まれる。
【0119】
請求項中(ならびに上記の明細書中で)、「備える」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「から構成される」、「から作られる」、「から形成される」等の、全ての移行句は、無制約である、すなわち、「〜を含むが、それに限定されない」を意味すると理解されたい。「〜から成る」および「本質的に〜から成る」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03で説明されているように、それぞれ、制約的または半制約的移行句となるものである。