特許第5909120号(P5909120)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5909120情報処理システム及び装置及び情報処理装置の制御方法、並びに、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909120
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】情報処理システム及び装置及び情報処理装置の制御方法、並びに、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20160412BHJP
   G06Q 50/22 20120101ALI20160412BHJP
【FI】
   A61B5/00 D
   G06Q50/22
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-49691(P2012-49691)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-183810(P2013-183810A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎二
(72)【発明者】
【氏名】浅間 弘一郎
(72)【発明者】
【氏名】榛葉 祥雄
【審査官】 増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−215122(JP,A)
【文献】 特開2010−022689(JP,A)
【文献】 特表平08−506192(JP,A)
【文献】 特開2011−209246(JP,A)
【文献】 特開2002−083076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/01
A61B 5/06−5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生体情報を測定する医療機器の測定結果を表示する情報処理システムであって、
医療機器を特定して識別するデバイス識別情報と、当該デバイス識別情報で特定される医療機器の点検実施日を表わす点検履歴情報とを記憶する第1の記憶手段と、
患者のカルテ情報として、生体情報、当該生体情報を測定した日時情報、並びに、測定に用いた医療機器を特定するデバイス識別情報を記憶する第2の記憶手段と、
測定日順の前記患者の生体情報推移表示の指示があった場合、前記第2の記憶手段に記憶されたデバイス識別情報で特定される医療機器の前記点検履歴情報を、前記第1の記憶手段から検索する検索手段と、
該検索手段で検索して得られた前記点検履歴情報の中から、前記個々の生体情報の測定日毎に、当該測定日以前であって直近の点検実施日を抽出し、抽出した点検実施日から点検周期後の次回点検予定日を導出し、
個々の生体情報の測定日が、それぞれに対して導出した次回点検予定日と比較し、前記次回点検以前にある測定日の生体情報は信頼度「高」、前記次回点検日を超過した測定日の生体情報は信頼度「低」と判定する信頼度判定手段と、
該信頼度判定手段の判定結果に応じて、信頼度「高」の生体情報と、信頼度「低」の生体情報を互いに異なる表示形態にし、測定日順を表す時間軸に沿って生体情報をグラフィカル表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第2の記憶手段は、1回の測定毎に、測定に用いた医療機器を特定するデバイス識別情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、時間軸を水平軸、生体情報の値を垂直軸とする折れ線グラフを表示する手段であって、信頼度「高」と信頼度「低」の生体情報は、異なる線種の線分、異なる色の線分、異なる色の背景のいずれかで、前記折れ線グラフを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
更に、グラフィカル表示の測定日の期間を指定する指定手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1の記憶手段、第2の記憶手段は、ネットワーク上のサーバに設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記医療機器は、血糖測定装置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
患者の生体情報を測定する医療機器の測定結果を表示する情報処理装置であって、
医療機器を特定して識別するデバイス識別情報と、当該デバイス識別情報で特定される医療機器の点検実施日を表わす点検履歴情報とを記憶する第1の記憶手段と、
患者のカルテ情報として、生体情報、当該生体情報を測定した日時情報、並びに、測定に用いた医療機器を特定するデバイス識別情報を記憶する第2の記憶手段と、
測定日順の前記患者の生体情報推移表示の指示があった場合、前記第2の記憶手段に記憶されたデバイス識別情報で特定される医療機器の前記点検履歴情報を、前記第1の記憶手段から検索する検索手段と、
該検索手段で検索して得られた前記点検履歴情報の中から、前記個々の生体情報の測定日毎に、当該測定日以前であって直近の点検実施日を抽出し、抽出した点検実施日から点検周期後の次回点検予定日を導出し、
個々の生体情報の測定日が、それぞれに対して導出した次回点検予定日と比較し、前記次回点検以前にある測定日の生体情報は信頼度「高」、前記次回点検日を超過した測定日の生体情報は信頼度「低」と判定する信頼度判定手段と、
該信頼度判定手段の判定結果に応じて、信頼度「高」の生体情報と、信頼度「低」の生体情報を互いに異なる表示形態にし、測定日順を表す時間軸に沿って生体情報をグラフィカル表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
医療機器を特定して識別するデバイス識別情報と、当該デバイス識別情報で特定される医療機器の点検実施日を表わす点検履歴情報とを記憶する第1の記憶手段と、患者のカルテ情報として、生体情報、当該生体情報を測定した日時情報、並びに、測定に用いた医療機器を特定するデバイス識別情報を記憶する第2の記憶手段とを有し、医療機器の測定結果を表示する情報処理装置の制御方法であって、
測定日順の前記患者の生体情報推移表示の指示があった場合、前記第2の記憶手段に記憶されたデバイス識別情報で特定される医療機器の前記点検履歴情報を、前記第1の記憶手段から検索する検索工程と、
該検索工程で検索して得られた前記点検履歴情報の中から、前記個々の生体情報の測定日毎に、当該測定日以前であって直近の点検実施日を抽出し、抽出した点検実施日から点検周期後の次回点検予定日を導出し、
個々の生体情報の測定日が、それぞれに対して導出した次回点検予定日と比較し、前記次回点検以前にある測定日の生体情報は信頼度「高」、前記次回点検日を超過した測定日の生体情報は信頼度「低」と判定する信頼度判定工程と、
該信頼度判定工程の判定結果に応じて、信頼度「高」の生体情報と、信頼度「低」の生体情報を互いに異なる表示形態にし、測定日順を表す時間軸に沿って生体情報をグラフィカル表示する表示制御工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータに読み込ませ実行させることで、前記コンピュータに、請求項8記載の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血糖計等に代表される生体情報を測定する医療機器の管理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体情報を測定する医療機器に血糖計,電子血圧計がある。血糖計の場合、測定方法にも幾つかの手法があるが、血液をサンプリングし、血液が浸透するフィルタに、光をあて、その反射光から血糖値を測定するものである(特許文献1)。
【0003】
かかる血糖計の場合、測定結果の信憑性(又は信頼度)を担保するため、一般には、QC(Quality Control)点検を例えば所定期間(例えば1ケ月)を周期で行う。QC点検では、既知の血糖値を持つサンプルを実測し、その測定結果とサンプルとの差が許容範囲内にあるかどうかを検査し、許容範囲内にある場合には、その使用を継続する。そして、許容範囲を超える測定結果が得られた場合には、メーカに修理もしくは部品交換等の依頼することになる。
【0004】
また、電子血圧計の場合、病院内などで医療従事者が手動加圧方式の血圧計を使用する場合に、血圧計本体部と送気球を片手で持って操作するので、使用している間に血圧計本体部に振動を与えたり、血圧計本体部と送気球を落下させてしまうと、調整済みの半固定抵抗器が動いて調整値にずれを発生させてしまうので定期的に圧力センサの調整が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−46834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、点検予定日になっても、その点検することを忘れてしまって医療機器を使い続けることもある。すぐさま点検し、正常であることがわかれば問題はないが、異常な状態になっているのに気づかずにいると正しい診断、診察を行えなくなる可能性がある。しかし、その一方で、点検予定日になっても点検しないで測定をし続けたという事実があることに注意しなければならない。
【0007】
例えば、或る患者の今後の治療方針を立てるため等、現在までに至る過去の測定結果を閲覧する場合を考えてみる。点検を怠ると結局のところ、前回の点検日から日が浅い測定したデータと、既に点検すべき時期にあったにもかかわらず測定したデータとが混在したものとなってしまい、且つ、その見分けも付かないとなると、正しい診断、診察の妨げとなる可能性がある。
【0008】
本発明は係る問題点に鑑みなされたものであり、血糖計に代表される医療機器で測定した結果を表示する際、前回の点検を行ってから次の点検時期までに測定したデータと、次の点検時期を超えた時期に測定したデータとを異なる形態で表示し、測定データの信頼度の高低が一目瞭然とし、正しい診察、診断を行えるようにする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
係る課題を解決するため、本発明の医療機器管理システムは以下の構成を備える。すなわち、
患者の生体情報を測定する医療機器の測定結果を表示する情報処理システムであって、
医療機器を特定して識別するデバイス識別情報と、当該デバイス識別情報で特定される医療機器の点検実施日を表わす点検履歴情報とを記憶する第1の記憶手段と、
患者のカルテ情報として、生体情報、当該生体情報を測定した日時情報、並びに、測定に用いた医療機器を特定するデバイス識別情報を記憶する第2の記憶手段と、
測定日順の前記患者の生体情報推移表示の指示があった場合、前記第2の記憶手段に記憶されたデバイス識別情報で特定される医療機器の前記点検履歴情報を、前記第1の記憶手段から検索する検索手段と、
該検索手段で検索して得られた前記点検履歴情報の中から、前記個々の生体情報の測定日毎に、当該測定日以前であって直近の点検実施日を抽出し、抽出した点検実施日から点検周期後の次回点検予定日を導出し、
個々の生体情報の測定日が、それぞれに対して導出した次回点検予定日と比較し、前記次回点検以前にある測定日の生体情報は信頼度「高」、前記次回点検日を超過した測定日の生体情報は信頼度「低」と判定する信頼度判定手段と、
該信頼度判定手段の判定結果に応じて、信頼度「高」の生体情報と、信頼度「低」の生体情報を互いに異なる表示形態にし、測定日順を表す時間軸に沿って生体情報をグラフィカル表示する表示制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、血糖計に代表される医療機器で測定した結果を表示する際、前回の点検を行ってから次の点検時期までに測定したデータと、次の点検時期を超えた時期に測定したデータとを異なる形態で表示し、測定データの信頼度の高低が一目瞭然とし、正しい測定結果に基づき、医者が正しい診察、診断を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における血糖測定装置の外観構成図である。
図2】実施形態における血糖測定装置のブロック構成図である。
図3】実施形態における情報処理システムの構成図である。
図4】実施形態における情報処理装置のブロック構成図である。
図5】実施形態におけるカルテDBのデータ構造を示す図である。
図6】実施形態におけるQC管理DBのデータ構造を示す図である。
図7】QC点検を行った際のQC管理DBの更新処理を示すフローチャートである。
図8】実施形態における血糖値の時間推移のグラフィカル表示例を示す図である。
図9】実施形態におけるカルテDBをアクセスルアプリケーションの処理手順を示すフローチャートである。
図10図9のS906の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態について血糖計を例にして詳細に説明するが、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0013】
<血糖測定装置の外観構成>
図1は、本発明の実施形態に係る携帯タイプの血糖測定装置100の外観構成を示す図である。図1に示すように、血糖測定装置100は、測定装置本体部110と、測定装置本体部110に装着される測定用チップ120とを備え、成人の掌に収まる程度のサイズである。
【0014】
測定用チップ120は、血液検体を保持するものであり、細管部121が配されたホルダ122を備え、ホルダ122内部には試験紙(不図示)が固定されている。
【0015】
細管部121は、毛細管現象により先端開口部から血液検体をホルダ122内部に導く。細管部121を介して導かれる血液検体は、ホルダ122内部の試験紙に吸収される。試験紙には、グルコースと反応して呈色反応を示す発色試薬が含浸されている。
【0016】
測定装置本体部110は、測定用チップ120に保持された血液検体の血糖値を算出する。具体的には、波長の異なる2つの光を血液検体が吸収された試験紙に対して照射して反射光の強度を測定することで血糖値を算出する。
【0017】
測定装置本体部110のハウジング111の先端には、波長の異なる2つの光を試験紙に照射して反射光の強度を測定する測定部112が配されている。また、ハウジング111の内部には、測定部112を制御するとともに測定部112で取得された測光値データに対して種々の演算を実行する制御部(不図示)が配されている。
【0018】
更に、ハウジング111の表面には、血糖測定装置100に電力を供給する電源に対してON/OFFの指示を入力するための電源スイッチ113と、制御部において算出された血糖値データや制御部において検知された内部状態を表示するための液晶等の表示部114と、制御部において算出され記憶された過去の血糖値データを呼び出し、表示部114に表示させるための履歴呼び出しボタン115と、音声出力された音声メッセージを再出力させるための再生ボタン116と、血糖測定のタイミングが食前/食後のいずれであるかを識別するために食後に測定する際に押す食後ボタン117と、が配されている。
【0019】
<血糖測定装置の内部構成>
次に、血糖測定装置100の測定装置本体部110の内部構成、特に、電気系統の構成について説明する。図2は、血糖測定装置100の測定装置本体部110の機能構成を示す図である。
【0020】
図2に示すように、測定装置本体部110の測定部112には、発光素子231と受光素子232とが配されている。発光素子231では、制御部240からの発光指示に基づいて発光を行い、受光素子232では、発光素子231の発光により試験紙に照射された光の反射光を受光することで、測光値データを生成する。
【0021】
一方、測定装置本体部110のハウジング111内には、制御部240と、A/D変換器250、表示制御部260、操作部270、通信部280、時刻を計時するタイマ290、ならびに、スピーカ295が配されている。
【0022】
このうち、A/D変換器250では、受光素子232において生成された測光値データを、A/D変換し、制御部240に供給する。
【0023】
制御部240は、装置全体の制御を司るCPU241と記憶部242で構成される。この記憶部242には、血糖測定装置100としての機能を実現するため、CPU241が実行する各種プログラム(A/D変換器250を介して入力された測光値データに基づいて、血糖値データを算出するためのプログラムや、データ記録、外部装置との通信プログラムを含む)や各音声メッセージや警告音データが格納されている。
【0024】
また、記憶部242には、上記のようなプログラムやデータの他にも、図示の如く、デバイス情報245、測定データ246を格納するエリアが予め確保されている。なお、記憶部242、特に、測定データ246を格納する領域は書込み可能な不揮発性メモリで構成されており、電源がOFFになっても、そのデータは記憶保持され、揮発することはない。また、デバイス情報245は、書き換えできないようするため、マスクROMに格納されるようにしても構わない。
【0025】
測定データ246は、測定日、測定時間帯ごとに区分されており、更に、血糖測定が食前に行われたか食後に行われたかを示す識別子が対応付けられている(つまり、測定タイミングに応じて区分されている)。
【0026】
デバイス識別情報245は、血糖測定装置100をユニークに特定するための情報であり、やはりメーカによって書き込まれるものである。
【0027】
表示制御部260は、制御部240からの表示指示に基づき、所定の画面(算出された血糖値データや制御部240の内部状態を示す情報を表示する画面)を表示部114に表示するよう制御する。操作部270は、図1の電源スイッチ113、履歴呼び出しボタン115、再生ボタン116、食後ボタン117からの指示を受け付け、当該受け付けた指示を制御部240に送信する。
【0028】
通信部280は、〜10cm程度までの近距離の非接触通信手段(例えば、ISO/IEC 14443の省電力IC通信技術,ISO/IEC 18092の通信技術,FeliCa(ソニー(株)の登録商標))の通信技術等である。この通信部280を介して、病院等に設置され、医師等が取り扱う専用端末に接続されたRFIDリーダ/ライタとの間で通信を行うことになる。FeliCaの通信技術では、13.56MHzの電波で通信し、10cm程度までのごく近距離で非接触に100〜400kbpsの通信が行なわれる。
【0029】
以上、実施形態における血糖計の構成を説明した。実施形態における血糖測定装置は、病院等から患者に貸与するものとする。患者は、例えば1週間程度の間隔で、その血糖測定装置を病院に持参し、診察を受ける。病院側では、患者が持参した血糖測定装置から、生体情報である、前回の診察以降の血糖値の測定結果を、専用端末を用いて読み出しては、患者毎のデータベースに登録する。医師はその血糖値のデータベースを見て診察を行うことになる。
【0030】
<専用端末(情報処理装置)200の概要と血糖測定装置100との通信の説明>
次に、病院に設置される専用端末の構成とその処理の流れを説明する。図3は、病院等において医師等が取り扱う専用端末として機能する情報処理装置200と、それに接続されたRFIDリーダ/ライタで構成される近接無線通信部250と、その近接無線通信部250に血糖測定装置1100をかざして通信しているシステム構成を示している。
【0031】
情報処理装置200は、例えばパーソナルコンピュータ等で良く、その構成は図4に示す通りである。図示において、301は装置全体の制御を司るCPUであり、302はBIOSやブートプログラムを格納しているROM、303はCPU301のワークエリアとして使用したり、OS、各種アプリケーションプログラムをロードするRAMである。304は、外部記憶装置として機能するハードディスク装置(以下、HDD)であり、これにはOS、後述する図7、9、10に係るアプリケーションプログラムを始め、図示の如くカルテデータベース(以下、カルテDB)304a、個々の血糖測定装置のQC点検実施日の履歴を管理するQC管理DB304bが予め格納されている。305はキーボード、306はマウス等のポインティングデバイス、307は液晶表示器等に代表される表示装置、308はネットワークインタフェース、309は先に説明したように、血糖測定装置100と通信する近接無線通信部(具体的にはRFIDリーダ/ライタ)である。ここで、QCとは、Quality Control の略である。
【0032】
上記構成における実施形態のカルテDB(第2の記憶手段)304aのデータ構造の例を図5に示す。図示の如く、カルテDB304aは、個々の患者毎のデータとして管理する。1つの患者に対しては、カルテを特定して識別するためのカルテNoを格納する領域501をはじめ、患者の氏名、性別、生年月日、年齢、住所の基礎情報を格納する領域502、血糖値を格納する領域503が設けられている。領域503に格納する1レコード分のデータは、測定日時、測定した血糖値(単位はmg/dl)、そして、その血糖値を測定した血糖測定装置100を特定して識別するためのデバイス識別情報(図2の符号245に対応する)で構成される。格納順は、測定日時順である。なお、上記以外にも、患者の過去の治療や測定したデータ(血圧等)に関する情報等の格納されているが、本実施形態では血糖値に限って説明することとしているので、それら以外には特に示さない。
【0033】
さて、血糖測定装置100に保持された測定結果をカルテDB304aに登録する場合の処理の詳細は後述するが、概略を示すと次の通りである。
【0034】
先ず、操作者(医師等)は、キーボード305やポインティングデバイス306を操作し、カルテDB304aをアクセスするアプリケーションを起動する。起動後、操作者は、患者名やカルテ番号等をキーにして、カルテDB304aを検索し、該当する患者のカルテを表示装置307に表示し、本人の確認を行う。次で、不図示のメニューから、「血糖測定装置のデータ読み込み」を選択し、患者から受けとった血糖測定装置100を近接無線通信部250にかざす、もしくは、近接無線通信部250上に載せる操作を行う。
【0035】
なお、このメニューから「血糖値のグラフ表示」を選択した場合には、該当する患者の過去の自由は期間での血糖値の推移を示すグラフが表示されるが、ここでは、「血糖測定装置のデータ読み込み」が選択されたものとして説明を続ける。
【0036】
さて、「血糖測定装置のデータ読み込み」が選択されると、CPU301は近接無線通信部250を介して血糖測定装置100と通信を開始する。この後、CPU301は、血糖測定装置100から、測定データ246の内容を一括転送要求し、且つ、デバイス識別情報245も要求する。血糖測定装置100内のCPU241は、これらの要求に応えて、測定データ246及びデバイス識別情報245を情報処理装置200に通信部280を介して送信する。情報処理装置200内のCPU301は、受信した測定データを該当するカルテDBの血糖値データの格納領域503に追加していく。このとき、今回受信した全測定データ(概ね1週間分のデータ)が、近接無線通信部250上にかざした1つの血糖測定装置100が測定したと見なして構わないので、それぞれの測定結果の血糖値に対して、受信した血糖測定装置のデバイス識別情報245を割り当て、格納していく。
【0037】
一方、実施形態におけるQC管理DB(第1の記憶手段)304bは、図6に示すように、個々の血糖測定装置毎に管理されており、血糖測定装置を特定して識別するためのデバイス識別情報(図2の符号245)を格納する領域601と、過去に実施したQC点検実施日を日付順に格納する領域602で構成される。
【0038】
このQC管理DB304bの更新は、現実にQC点検を行なった後、QC管理DBの更新アプリケーションプログラム(HDD304に格納されている)を実行することで行う。QC点検では、既知の血糖値を持つサンプルを対象となる血糖測定装置で実測し、その測定結果とサンプルが示す血糖値との差が許容範囲内にあるかどうかを検査する。許容範囲内にある場合には、その使用を継続する。そして、許容範囲を超える測定結果が得られた場合には、メーカに修理もしくは部品交換等の依頼することになる。前者の場合には、異常が見当たらないと判定した日をQC点検日とする。後者の場合にはメーカによる修理上がり日をQC点検日として登録する。次回のQC点検の基準日とするためである。なお、実施形態における次回のQC点検予定日は、前回のQC点検実施日から好ましくは1ケ月後(即ち、好ましくは1ケ月毎の点検)として説明する。1ケ月毎の点検としているのは、患者が通院する時にQC点検ができ、1ケ月を未満ではQC点検のために患者が病院訪問しなければならず負担感が大きく、1ケ月を越えると、血糖測定装置の測定精度が保証されづらくなるためである。
【0039】
図7は、QC管理DB304bを更新するアプリケーションプログラムの実行手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに従って、CPU301の処理を説明する。
【0040】
先ずステップS701では、デバイス識別情報を入力する。実施形態では、デバイス識別情報はキーボード305から入力しても良いが、近接無線通信部250上に血糖測定装置100をかざすことで、入力する。すなわち、CPU301は、近接無線通信部250を介して血糖測定装置100と通信可能になったことを検知すると、血糖測定装置100に対してデバイス識別情報の送信を要求し、それを受信する。この結果、更新対象の血糖測定装置100がユニークに識別でき、QC管理DB304bにおける該当する血糖測定装置100に係るデータを特定できる。CPU301は、入力したデバイス識別情報をキーにして、QC管理DB304b内の領域601を検索し、一致するデバイス識別情報を有するデータを探し出す。
【0041】
次に、ステップS702にて、CPU301は、キーボード305より、QC点検日を入力させる。この入力が行われると、CPU301は、ステップS703に進み、入力されたQC点検日を、検索で得られた血糖測定装置の領域602の最後に追加し、QC管理DB304bを更新する。そして、本処理を終える。
【0042】
<血糖値のグラフ表示の説明>
次に、患者のカルテ表示を行ったのち、「血糖値のグラフ表示」を選択した場合の処理を説明する。この選択を受けると、CPU301は、図8に示すような血糖値グラフ表示ウインドウ(以下、単にウインドウという)800を表示装置307に表示する。このウインドウ800は、グラフを表示する領域801、表示すべき期間の開始日と終了日を入力する領域802、その期間での血糖値の平均値、最大値、最小値を表示する領域803、並びに、メッセージ領域804で構成される。
【0043】
「血糖値のグラフ表示」を選択した直後では、これらの領域は空白であるが、ユーザがキーボード305を操作して、領域802に期間の開始日と終了日を入力すると、その期間の血糖値に係るデータを、カルテDB304aの領域503から読み出し、折れ線グラフとして表示すると共に、その期間における血糖値の平均値、最大値、最小値等を算出し、領域803に表示する。
【0044】
ここで、CPU301による、領域801内での、折れ線グラフの表示処理について更に詳しく説明する。
【0045】
本実施形態におけるCPU301は、領域802で指定された期間における血糖値に基づく折れ線グラフを描画するとき、先ず、それぞれの血糖値を測定した血糖測定装置のデバイス識別情報を得る(図5参照)。そして、CPU301は、そのデバイス識別情報をキーにして、QC点検管理DB304bを検索することで、該当する血糖測定装置のQC点検日の履歴情報(図6の領域602内の情報)を読込む。今、描画しようとする折れ線グラフの血糖値の測定日が、2012年1月15日を示しているとする。実施形態では、QC点検を1ケ月周期で行うことを前提にしているので、その測定日「2012年1月15日」以前であって、測定日に最も近いQC点検日を、読み込んだQC点検履歴の中から特定する。そして、その特定したQC点検日から1ケ月以内に、「2012年1月15日」が入っているか否かを判定し、その判定結果に応じて次に示す(1)、(2)いずれかに従って折れ線グラフを構成する直線部を描画する。
(1)「2012年1月15日」が、特定したQC点検日から1ケ月以内に入っている場合、「2012年1月15日」に測定した血糖値は信憑性がある(信頼度「高」)と見なしてよい。そこで、1つ前(多くの場合には、前日)に測定した血糖値と、着目している「2012年1月15日」の血糖値とを実線で結ぶ直線を描画する。
(2)「2012年1月15日」が、特定したQC点検日から1ケ月を超えている場合、「2012年1月15日」に測定した血糖値は、本来であればQC点検をすべきであった時期であるにもかかわらず、それを実施しないまま測定した結果であり、信頼度「低」であると言える。そこで、1つ前(多くの場合には、前日)に測定した血糖値と、着目している「2012年1月15日」の血糖値とを破線で結ぶ直線を描画する。また、1つでも、破線の線分を含んでいる場合、CPU301は、領域804に注意を喚起するメッセージを表示する。
【0046】
図8の場合、領域801内の折れ線グラフには、実線で示される折れ線部分801a、破線で示される折れ線部分801bが示されている。すなわち、指定した期間の血糖値の折れ線グラフの中に、信憑性が高いとは言えないデータが混じっていることがわかる。更に、領域804には、破線の折れ線が存在する理由を表わすメッセージが表示されるので、信憑性が高いデータとの違いを一瞥して視認しやすいので、それを考慮した診察が行える。なお、図示の図8の場合、破線折れ線部分801bに後続する期間は再び実線で表示されている。この意味するところは、血糖測定装置のQC点検を実施して異常なしと判定された場合、或いは、異常ありと判定され、次回QC点検予定日までに余裕のある代替の血糖測定装置で血糖測定を行った場合のいずれかを意味するのは理解できよう。
【0047】
以上実施形態における血糖値グラフ表示処理を説明した。
【0048】
次に、図9図10のフローチャートに従い、これまで説明した実施形態の情報処理装置200のCPU301による、患者のカルテへの血糖値の登録、並びに、グラフ表示処理を実現するアプリケーションの処理手順を説明する。
【0049】
図9は、実施形態におけるアプリケーションの全体処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
操作者の指示でこのアプリケーションを実行を開始すると、CPU301は先ず、操作者の指示に従って、カルテNoや患者名等をキーにして、診察対象の患者のカルテ情報を、カルテDB304aから検索し、画面に表示する(ステップS901)。そして、患者本人の確認できたら、操作者は、処理メニューを表示させ、その中の1つを選択する操作を行う。このメニューには、少なくとも、「血糖測定装置のデータ読み込み」、「血糖値のグラフ表示」、「終了」が含まれ、それらをステップS902乃至S904でいずれが選択されたのかを判定する。
【0051】
先ず、「血糖測定装置のデータ読み込み」が選択されたと判定された場合、CPU301はステップS905に処理を進める。このステップS905に進むと、CPU301は、近接無線通信部250による血糖測定装置100との通信可能状態となるのを待ち、通信可能になったときに、血糖測定装置100に対してデバイス識別情報245、並びに、測定データ246を要求し、受信する。そして、受信した測定データ246における全血糖値が、受信したデバイス識別情報245で示された血糖測定装置で測定されたものとして、表示された患者のカルテにおける血糖値を格納する領域503に、測定日時順に追加し、保存する。なお、この保存処理が完了すると、次回の診察に備えて、血糖測定装置100に対して測定データ246の消去要求を送信し、消去させる。
【0052】
一方、メニューにて、「血糖値のグラフ表示」が選択された場合には、ステップS903からステップS906に進み、血糖値の推移を示すグラフ(図8参照)の表示処理を実行する。このステップS906における処理の詳細は後述する。
【0053】
また、メニューにて、「終了」が選択された場合(ステップS904がYes)には、本処理を終える。そして、「血糖測定装置のデータ読み込み」、「血糖値のグラフ表示」、「終了」以外のメニュー項目が選択された場合(例えば他の測定データのグラフ表示等)には、ステップS907に進み、該当する処理を行う。このステップS907における処理は、本願発明には直接には関係がないので、ここでの詳述はしない。
【0054】
さて、次に、上記のステップS906の詳細を図10のフローチャートに従って説明する。
【0055】
先ず、CPU301は、ステップS1001にて、初期画面を表示する。この初期画面は、図8の領域801乃至804が空白になっている状態と考えると分かりやすい。ただし、最近の1ヶ月間の血糖値をデフォルトの指定期間として表示させるようにしても良い。この場合、領域802には、本日を期間の終端とし、それより1ヶ月前を始端とする情報を領域802に自動で入力させて以下の処理を行えば良い。
【0056】
ステップS1002では、操作者に、血糖値の表示する期間を領域802に入力させる。これを受け、CPU301は、ステップS1003にて、該当する患者のカルテにおける領域503から、指定された期間の最初の血糖値データ(測定日時、血糖値、デバイス識別情報)を読み出す。
【0057】
そして、CPU301は、ステップS1004に処理を進める。このステップS1004に処理を進めると、CPU301はステップS1003で読み出したデバイス識別情報をキーにして、QC管理DB304bを検索し、該当する血糖測定装置の過去のQC点検履歴情報(図6の領域602内の情報)を取得する。そして、取得したQC点検履歴情報の中から、ステップS1003で読み出した「測定日時」以前であり、且つ、「測定日時」に最も近いQC点検日を探し出し、ステップS1005に処理を進める。
【0058】
ステップS1005では、CPU301は、「測定日時」が、QC点検履歴情報から探し出した「QC点検日」から1ケ月以内であるか否か(換言すれば、QC手件期限を超過しているか否か)を判定する。
【0059】
1ケ月以内である場合には、ステップS1006に進み、着目している血糖値は十分に信憑性があるので、1つ前に読み出した血糖値とを実線で描画する。なお、ステップS1006、1007において、着目している血糖値が、指定期間の最初の値である場合には、その1つ前は存在しないので、線分描画はしない。これは、以下に説明するステップS1007でも同じである。
【0060】
一方、1ケ月を超過していると判断した場合には、ステップS1007に進み、着目している血糖値には信憑性が疑わしいことになるので、1つ前に読み出した血糖値とを実線で描画する。また、このステップS1007を一度でも実行した場合には、領域804には、QC点検の期限切れのデータが存在することを喚起するメッセージを表示する処理も行う。
【0061】
上記ステップS1006、又はS1007の処理を終えると、ステップS1008にて、指定期間の全血糖値に対する線分描画が終了したか否かを判定する。否の場合には、ステップS1003以降の処理を繰り返し、指定期間の全血糖値の線分描画が終了したと判断した場合には本処理を終了する。
【0062】
以上説明したように本実施形態によれば、血糖測定装置で測定した結果を表示する際、前回のQC点検を行ってから次のQC点検予定日までに測定した血糖値と、次のQC点検予定日を超過した期間で測定した血糖値とを区別して表示することで、前者に重きを置いた正しい診察と診断が行えるようになる。
【0063】
また、実施形態によれば、数年前に遡って血糖値のグラフを表示させた場合であっても、その中に信憑性(信頼度)が低い血糖値があるか否かをも判定できることになり、患者の過去の状態をも正しく把握できることになる。
【0064】
さらにまた、実施形態によれば、或る日以降現在までの期間で、実線とは異なる形態、例えば破線で血糖値のグラフが表示されている場合、あるいは、QC点検予定日を超過しており、その実施を促す効果が期待できる。
【0065】
更にまた、実施形態によれば、個々の血糖値と、それを測定した血糖測定装置のデバイス識別情報とを対にして記憶管理している。従って、毎日、病院に出向いて、病院から渡された血糖測定装置を用いて測定するという場合に、不特定多数の血糖測定装置の1つを用いて血糖値を測定する場合にも対処することが可能になる。
【0066】
なお、実施形態では、信憑性の有り無しを、実線、破線で表わす例を説明したが、線分を別々な色、同色の色の濃淡で表現しても良いし、線分ではなく各血糖値の折れ線の屈曲点を異なる色のマークで表わしても良い。場合によっては、折れ線グラフの時間軸に沿った背景を異なる色で表わしても良い。
【0067】
また、実施形態では、血糖値のグラフ表示を折れ線グラフで示したが、時間軸に沿った血糖値が示せれば良いので、グラフの表示形態は折れ線に限定されないのは明らかである。
【0068】
更に、実施形態で示した各種数値(例えばQC点検の周期を1ケ月とする等)は、一例であって、これらは適宜変更して2ケ月程度にしても良いのは勿論である。
【0069】
更に実施形態では、血糖測定装置100と情報処理装置200との通信として、ISO/IEC 14443に規定される非接触通信を例示したが、これは一例にすぎず、有線通信でも構わない。
【0070】
さらにまた、実施形態では、1つの情報処理装置に、カルテDB、QC管理DBを保持する例を説明したが、カルテDB、QC管理DBを保持する装置と、それにアクセスする装置とをネットワークを介して接続するようにしても構わない。すなわち、前者をサーバ、後者を複数の端末で構成する。比較的大きな医療機関の場合には、この形態が望まれるであろう。
【0071】
また、実施形態における情報処理装置は、血糖測定装置と通信するハードを必要とするものの、その多くは、情報処理装置上で実行されるアプリケーションで実現できる。従って、本願発明は、コンピュータに実行させるためのプログラム、並びに、そのプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体をその範疇とすることは明らかである。
【符号の説明】
【0072】
100:血糖測定装置、200:情報処理装置、250:近接無線通信部、301:CPU、302:ROM、303:RAM、304:HDD、304a:カルテDB、304b:QC管理DB、305:キーボード、306:ポインティングデバイス、307:表示装置:308:ネットワークI/F、800:血糖値グラフ表示ウインドウ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10