(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909186
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】燃料電池スタック圧縮装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/24 20160101AFI20160412BHJP
H01M 8/247 20160101ALI20160412BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20160412BHJP
【FI】
H01M8/24 Z
H01M8/24 T
H01M8/24 R
H01M8/12
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-532243(P2012-532243)
(86)(22)【出願日】2010年9月28日
(65)【公表番号】特表2013-506963(P2013-506963A)
(43)【公表日】2013年2月28日
(86)【国際出願番号】US2010050577
(87)【国際公開番号】WO2011041323
(87)【国際公開日】20110407
【審査請求日】2013年9月27日
(31)【優先権主張番号】61/272,494
(32)【優先日】2009年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508025493
【氏名又は名称】ブルーム エナジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】エドモンストン ディヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ペトルカ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ペリー マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ゴットマン マシアス
(72)【発明者】
【氏名】グエン ディーン
(72)【発明者】
【氏名】バタウィ イマッド エル
(72)【発明者】
【氏名】ライル ウィリアム ディヴィッド
【審査官】
佐藤 知絵
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−106610(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0038622(US,A1)
【文献】
米国特許第06720101(US,B1)
【文献】
国際公開第2008/110292(WO,A1)
【文献】
特表2006−512543(JP,A)
【文献】
特開2007−280890(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/089977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/24
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池のスタック;
前記スタックに荷重を付加するとともに前記スタックを通過して反応物質フィードフローの流れを導くように構成される第1および第2のバッフル;
前記スタックに上方に配置されるトップブロック;および
前記スタックの下方に配置されたベース
を含む、燃料電池アセンブリであって、
前記第1のバッフルが前記スタックの第1の側面に配置されるとともに、前記反応物質フィードフローの流れが、前記第1および前記第2のバッフルによって、前記スタックを通過して前記スタックの第3の側面から該第3の側面とは反対側の前記スタックの第4の側面に導かれるように、前記第2のバッフルが前記第1の側面と反対側の前記スタックの第2の側面に配置され、
前記第1のバッフルおよび前記第2のバッフルは、前記ベースと前記トップブロックとに接続され、前記スタックに荷重を付加し、
前記バッフルがセラミック材料を含み、かつ
前記セラミック材料がセラミックマトリックス複合材料(CMC)を含む、
燃料電池アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池アセンブリにおいて、
前記CMCが、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは炭化ケイ素を含むマトリックスと、酸化アルミニウム、炭素または炭化ケイ素を含むファイバーと、を含む、燃料電池アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料電池アセンブリにおいて、
前記第1のバッフルが、前記第1のバッフルの第1の端部で第1の切欠きに配置された第1のインサートと、前記第1のバッフルの第2の端部で第2の切欠きに配置された第2のインサートとによって、それぞれ、前記ベースと前記トップブロックとに連結される、連結されたバッフルプレートであって、互いに接続される複数のプレート型の部品から形成される、該連結されたバッフルプレートを含む、燃料電池アセンブリ。
【請求項4】
燃料電池のスタック;
前記スタックに荷重を付加するとともに前記スタックを通過して反応物質フィードフローの流れを導くように構成される第1および第2のバッフル;
前記スタックに上方に配置されるトップブロック;および
前記スタックの下方に配置されたベース
を含む、燃料電池アセンブリであって、
前記第1のバッフルが、前記スタックの第1の側面に配置されるとともに、前記反応物質フィードフローの流れが前記第1および前記第2のバッフルによって、前記スタックを通過して前記スタックの第3の側面から該第3の側面とは反対側の前記スタックの第4の側面に導かれるように、第2のバッフルが前記第1の側面と反対側の前記スタックの第2の側面に配置され、
前記第1のバッフルは、第1の連結されたバッフルプレートであって、互いに接続される複数のプレート型の部品から形成される、該第1の連結されたバッフルプレートを含むとともに、前記第2のバッフルは、第2の連結されたバッフルプレートであって、互いに接続される複数のプレート型の部品から形成される、該第2の連結されたバッフルプレートを含み、;
前記第1および前記第2の連結されたバッフルプレートは、前記ベースと前記トップブロックに連結され、前記スタックに荷重を付加し、;
前記第1の連結されたバッフルプレートが第1の端部および該第1の端部の反対側の第2の端部を含み、該第1の端部が第1の切欠きを含み、前記第2の端部が第2の切欠きを含む、
燃料電池アセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池アセンブリであって、
複数のインサートをさらに備えるとともに、前記インサートが前記第1および第2の切欠きに嵌め込まれて前記第1の連結されたバッフルプレートを連結するように構成される、燃料電池アセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載の燃料電池アセンブリにおいて、
前記インサートがボウタイ形状またはドッグボーン形状を有する、燃料電池アセンブリ。
【請求項7】
前記トップブロックと前記スタックの間に配置され、請求項4に記載の燃料電池アセンブリにおける第1および第2のバッフルでスタックに荷重を付与するように構成される、スプリング圧縮アセンブリであって、
セラミック板バネ、
前記バネの第1の側面に圧力を及ぼすように構成されるテンショナ、および、
前記板バネの前記第1の側面とは反対側の第2の側面に配置されるボトムプレートであって、前記ボトムプレートが前記バネから前記スタックに荷重を伝達するように構成されるボトムプレート、を備えた、
スプリング圧縮アセンブリ。
【請求項8】
燃料電池のスタック;
前記スタックに荷重を付加するとともに前記スタックを通過して反応物質フィードフローの流れを導くように構成される第1および第2のバッフル;
前記スタックに上方に配置されるトップブロック;
前記スタックの下方に配置されたベース;および
前記トップブロックと前記スタックの間に配置され、前記第1および前記第2のバッフルで前記スタックに荷重を付与するように構成される、スプリング圧縮アセンブリであって、
セラミック板バネ;
前記バネの第1の側面に圧力を付加するように構成されたテンショナ;および
前記バネの第1の側面と反対側の前記バネの第2の側面に配置され、前記バネから前記スタックに荷重を伝達するように構成される、ボトムプレート
を含む、スプリング圧縮アセンブリ
を含む、燃料電池アセンブリであって、
前記反応物質フィードフローの流れが前記第1および前記第2のバッフルによって前記スタックを通過して前記スタックの第3の側面から該第3の側面とは反対側の前記スタックの第4の側面に導かれるように、前記第1のバッフルが前記スタックの第1の側面に配置され、第2のバッフルが該第1の側面と反対側の第2の側面に配置され、かつ
前記テンショナが前記バネの上面に接触する湾曲した側面を備えるドーム型テンショナを含み、前記バネの下面の端部に接触するロッド型のバネ支持部をさらに含む、
燃料電池アセンブリ。
【請求項9】
燃料電池スタックに、該燃料電池スタックの頂面に垂直である積み重ね方向に圧縮力を付与する方法であって、
前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に隣接するように配置された複数のセラミックサイドバッフルを準備する工程、および、
前記燃料電池スタックおよび前記複数のセラミックサイドバッフルに連結されるように、前記燃料電池スタック上にセラミック圧縮メカニズムを設ける工程、
を含み、
前記複数のセラミックサイドバッフルが燃料電池スタックに圧縮応力を付与するとともに反応物質フィードフローの流れを導き、かつ前記圧縮メカニズムが前記燃料電池スタックに圧縮応力を付与し、
前記圧縮メカニズムがセラミック板バネを含み、各サイドバッフルが複数の連結されたセラミックバッフルプレートを含む、
燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2009年9月30日に出願された米国仮出願No.61/272,494に基づく優先権を主張するものであり、その内容は全てここに参照として取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、燃料電池システムコンポーネント(例えば、スタック圧縮装置および方法)に関する。
【背景技術】
【0003】
米国出願番号11/656,563(2007年1月23日に出願され、米国出願公開公報2007/0196704として公開され、その内容が全てここに参照として取り込まれる。)は、
図1に示されるように、固体酸化物燃料電池(SOFC)スタックがベース上に配置された燃料電池システムを開示する。くさび形状のセラミックサイドバッフル220(例えば、水平方向において不均一な厚さを有する略三角形状の断面形状を有する)が、隣接する燃料電池スタック14(または、燃料電池スタックのコラム)の間に配置されている。バッフル220は、陰極フィードを陰極流路に導くとともに、陰極フィードがスタック14のそれぞれを通過するように隣接するスタックの間を埋めるものである。バッフル220は、バッフル220のそれぞれの中央に設けられた固定用穴224に挿入されるタイロッド222により、所定の位置に固定される。好ましくは、バッフル220は、導電性がなく、適切なセラミック材料から単一の部材として作られている。
図1は、燃料通流マニホールドも示しており、スタックコラムのスタックと燃料注入口と排気流路とがそのマニホールドに接続されている。
【0004】
この従来技術のシステムにおいて、SOFCスタックは、圧縮荷重を維持している。圧縮荷重は、上側圧縮プレート230、タイロッド222、下側圧縮プレート90、および、下側圧縮プレート90の下部に設けられた圧縮スプリングアセンブリにより、維持される。圧縮スプリングは、荷重を、下側圧縮プレート90に直接付与するとともに、上側圧縮プレート230にタイロッド222を介して付与する。バッフル220を貫通する穴またはフィード通路224は、ヒートシンクとして働き、これによりシステム効率を低下させる。
【0005】
他の態様において、荷重は、ベース239を通じて伝達される(これが唯一のシステムのゼロ・データムである場合)。ベース239を貫通する貫通孔またはフィード通路は、ベース239から要求された荷重を引くべく用いられる。
【発明の概要】
【0006】
一の態様は、電気化学的セルのスタックに荷重を付加するとともに反応物質フィードフローの流れを導くように構成されたバッフル、に関連する。一の側面において、バッフルは、複数のバッフルプレートから構成される。一の側面において、バッフルプレートは、一端に∨字型の(ダブテイル型の)突起を有し、他端に∨字型の(ダブテイル型の)切欠きを有する。
【0007】
他の態様は、固体酸化物セルのスタック、少なくとも1つのバッフル、トップブロック、および、ベースを含むとともに、少なくとも1つのバッフルアセンブリがベース上に垂直に配列され且つトップブロックと連結されている、燃料電池アセンブリに関連する。
【0008】
他の態様は、電気化学的セルのスタックに荷重を付加するように構成されたスプリング圧縮アセンブリに関連する。スプリング圧縮アセンブリは、スプリング、スプリングの第1の端部に圧力を与えるように構成されたテンショナ、および、スプリングの第1の端部と反対側の第2の端部に設けられたボトムプレートを含む。ボトムプレートは、スプリングからの荷重を電気化学的セルのスタックに伝達する。
【0009】
他の態様は、電気化学的セルのスタックの端部に設けられるとともに電気化学的セルのスタックに荷重を付加するように構成された複数のバッフルプレートを含むキットに関連する。複数のバッフルプレートはカットアウトを含む。キットは、カットアウトに適応し複数のバッフルプレートを連結するように構成されたインサートも含む。
【0010】
他の態様は、ベース上に設けられた燃料電池スタック、および、少なくとも燃料電池スタックの2つの端部に隣接するように設けられた複数のサイドバッフル(燃料電池スタックに圧縮応力を与える。)を含む燃料電池システムに関連する。
【0011】
他の態様は、燃料電池システムに関連する。燃料電池システムは、燃料電池スタック、および、重力および燃料電池スタックの質量を燃料電池スタックに圧縮力を与えるべく用いる内部圧縮デバイスを含む。
[本発明1001]
電気化学的セルのスタックに荷重を付与するとともに前記スタックへの反応物質フィードフローの流れを導くように構成されるバッフル。
[本発明1002]
本発明1001のバッフルにおいて、
前記バッフルが貫通孔を有さない、バッフル。
[本発明1003]
本発明1001のバッフルにおいて、
前記反応物質が酸化剤である、バッフル。
[本発明1004]
本発明1001のバッフルにおいて、
前記バッフルがセラミック材料から構成される、バッフル。
[本発明1005]
本発明1004のバッフルにおいて、
前記セラミック材料がセラミックマトリックス複合材料(CMC)を含む、バッフル。
[本発明1006]
本発明1004のバッフルにおいて、
前記CMCが、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは炭化ケイ素を含むマトリックスと、酸化アルミニウム、炭素または炭化ケイ素を含むファイバーと、を含む、バッフル。
[本発明1007]
本発明1001のバッフルにおいて、
前記バッフルがプレート型バッフルである、バッフル。
[本発明1008]
本発明1007のバッフルにおいて、
前記バッフルが複数の連結されたバッフルプレートを含む、バッフル。
[本発明1009]
本発明1008のバッフルにおいて、
前記バッフルプレートのそれぞれの第1の端部が凸部を備えるとともに第2の端部が切欠きを備え、前記第1の端部の前記凸部が隣接するバッフルプレートの前記第2の端部の切欠きと連結する、バッフル。
[本発明1010]
本発明1008のバッフルにおいて、
前記バッフルプレートのそれぞれが第1の端部および前記第1の端部とは反対側の第2の端部を有し、前記第1の端部が第1の切欠きを有し、前記第2の端部が第2の切欠きを有する、バッフル。
[本発明1011]
本発明1010のバッフルであって、
複数のインサートをさらに備えるとともに、前記インサートが前記第1および第2の切欠きに適合して隣接するバッフルを連結するように構成される、バッフル。
[本発明1012]
本発明1011のバッフルにおいて、
前記インサートがボウタイ形状またはドッグボーン形状を有する、バッフル。
[本発明1013]
本発明1012のバッフルにおいて、
前記インサートが前記切欠きを完全には満たさない、バッフル。
[本発明1014]
固体酸化物セルのスタック、
少なくとも1つの本発明1007のバッフル、
トップブロック、および、
ベース、を備える固体酸化物燃料電池アセンブリにおいて、
前記少なくとも1つのバッフルが前記ベース上に垂直に配列され、前記バッフルの前記トップバッフルプレートが前記トップブロックを連結する、固体酸化物燃料電池アセンブリ。
[本発明1015]
本発明1014の固体酸化物燃料電池アセンブリにおいて、
前記アセンブリが、前記スタックの第1の側面上に第1の垂直に配列されたバッフルを備えるとともに、前記スタックの第2の側面上に第2の垂直に配列されたバッフルを備える、アセンブリ。
[本発明1016]
本発明1015の固体酸化物燃料電池アセンブリにおいて、
前記ベースが前記第1および第2の垂直に配列されたバッフルのボトムバッフルプレートを連結する、アセンブリ。
[本発明1017]
本発明1015の固体酸化物燃料電池アセンブリであって、
ボトムブロックをさらに備え、前記ボトムブロックが前記第1および第2の垂直に配列されたバッフルのボトムバッフルプレートを連結する、アセンブリ。
[本発明1018]
本発明1014の固体酸化物燃料電池アセンブリであって、
前記スタックに荷重を付与するためのスプリングまたはバンドをさらに備える、アセンブリ。
[本発明1019]
本発明1018の固体酸化物燃料電池アセンブリにおいて、
前記スプリングが、セラミック板バネ、コイルスプリング、トーションスプリングまたは渦巻きスプリングまたはテンションバンドを有するバンドを備える、アセンブリ。
[本発明1020]
本発明1019の固体酸化物燃料電池アセンブリにおいて、
前記アセンブリがドーム型のテンショナの湾曲した側に接触するテンションバンドを備える、アセンブリ。
[本発明1021]
セラミック板バネ、
前記バネの第1の端部に圧力を及ぼすように構成されるテンショナ、および、
前記バネの前記第1の端部とは反対側の第2の端部に配置されるボトムプレートであって、前記ボトムプレートが前記バネから前記電気化学的セルのスタックに荷重を伝達するように構成されるボトムプレート、を備え、
電気化学的セルのスタックに荷重を付与するように構成される、スプリング圧縮アセンブリ。
[本発明1022]
本発明1021のスプリング圧縮アセンブリにおいて、
前記テンショナが前記バネの上面の中央部に下向きの力を及ぼすロッドを有する、アセンブリ。
[本発明1023]
本発明1021のスプリング圧縮アセンブリにおいて、
前記テンショナが前記バネの上面に接触する湾曲した側面を備えるドーム型テンショナを含み、前記バネの下面の端部に接触するロッド型のバネ支持部をさらに有する、アセンブリ。
[本発明1024]
本発明1021のスプリング圧縮アセンブリであって、
前記電気化学的セルのスタックの端部に位置するように構成されるセラミックブロックをさらに備え、前記ブロックが前記電気化学的セルのスタックの一または複数の側面上に配置されたバッフルを連結するように構成される、アセンブリ。
[本発明1025]
本発明1021のスプリング圧縮アセンブリにおいて、
前記バネが、セラミックマトリックス複合材料(CMC)から構成されるとともに前記セルが固体酸化物燃料電池セルを有する、アセンブリ。
[本発明1026]
燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法であって、
前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に隣接するように配置された複数のセラミックサイドバッフルを準備する工程、および、
前記燃料電池スタックおよび前記複数のセラミックサイドバッフルに連結されるように、前記燃料電池スタック上にセラミック圧縮メカニズムを設ける工程、
を含み、
前記複数のセラミックサイドバッフルが燃料電池スタック上に圧縮応力を付与するとともに反応物質フィードフロー流れを導き、前記圧縮メカニズムが前記燃料電池スタックに圧縮応力を付与するように構成される、方法。
[本発明1027]
本発明1026の燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法において、
前記圧縮メカニズムがセラミック板バネを有し、各サイドバッフルが複数の連結されたセラミックバッフルプレートを有する、方法。
[本発明1028]
本発明1027の燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法において、
前記圧縮メカニズムが、前記スプリングに下向きの力を付与するテンショナ、および、前記テンショナおよび前記バネ上に位置するセラミックブロックをさらに有する、方法。
[本発明1029]
本発明1026の燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法であって、
一時的な引き締めメカニズムを前記圧縮メカニズム上に取り付ける工程、
前記引き締めメカニズムを用いて前記スタックおよび前記圧縮メカニズムに圧縮力を付与する工程、
前記圧縮メカニズムを前記サイドバッフルに連結する工程、および、
前記一時的な引き締めメカニズムを取り外す工程、をさらに有する、方法。
[本発明1030]
本発明1029の燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法において、
前記連結する工程が、前記圧縮メカニズムを前記サイドバッフルにダブテイル連結すること、または、セラミックインサートを前記圧縮メカニズムのそれぞれの切欠きおよび前記サイドバッフルに挿入すること、を含み、
前記引き締めメカニズムが、少なくとも1つのボルト、ネジ、テンションバンドまたはブラケットを有する、方法。
[本発明1031]
本発明1027の燃料電池スタックに圧縮力を付与する方法において、
前記スタックが作動温度に達したときに前記スタックに所望の大きさの力が生じるように、前記バッフルおよび前記板バネの熱膨張が前記スタックの熱膨張と適合するように構成される、方法。
[本発明1032]
電気化学的セルのスタックの側面に取り付けられるバッフルに連結され、前記電気化学的セルのスタックに荷重を付与するように構成される複数のバッフルプレートであって、
前記複数のバッフルプレートが切欠きを有する複数のバッフルプレート、および、
前記切欠きに適合し、前記複数のバッフルプレートを連結するように構成される複数のインサート、を有するキット。
[本発明1033]
本発明1032のキットにおいて、
前記バッフルがセラミックマトリックス複合材料(CMC)から構成され、前記インサートがボウタイ形状またはドッグボーン形状を有し、前記インサートが前記切欠きを完全には満たさない、キット。
[本発明1034]
ベース上に設けられた燃料電池スタック、および、
前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に隣接するように配置された複数のサイドバッフルであって、前記複数のサイドバッフルが前記燃料電池スタックに圧縮応力を与えるように構成される複数のサイドバッフル、を備える、燃料電池システム。
[本発明1035]
本発明1034の燃料電池システムであって、
前記複数のサイドバッフルに動作可能に接続されるとともに前記燃料電池スタックに圧縮応力を与えるように構成されるスプリング圧縮アセンブリをさらに備える、燃料電池システム。
[本発明1036]
本発明1035の燃料電池システムにおいて、
前記複数のサイドバッフルがセラミックマトリックス複合材料(CMC)から構成され、前記スプリング圧縮アセンブリがCMC材料をから構成される板バネを備え、前記燃料電池スタックが固体酸化物燃料電池スタックを備える、燃料電池システム。
[本発明1037]
本発明1034の燃料電池システムであって、
前記ベース上に下側セラミックブロックをさらに備え、前記下側セラミックブロックが前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に隣接するように配置される前記複数のサイドバッフルに取り付けられるように構成される、燃料電池システム。
[本発明1038]
本発明1035の燃料電池システムであって、
前記スプリング圧縮アセンブリが上側セラミックブロックをさらに備え、前記上側セラミックブロックが前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に隣接するように配置される前記複数のサイドバッフルに取り付けられるように構成される、燃料電池システム。
[本発明1039]
燃料電池スタック、および、
前記燃料電池スタックに圧縮力を及ぼすために重力と前記燃料電池スタックの質量とを用いる内部圧縮デバイス、を備える燃料電池システム。
[本発明1040]
本発明1039の燃料電池システムにおいて、
前記内部圧縮デバイスが、
前記燃料電池スタックを横切るように設けられる硬いクロスメンバー、
前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に隣接するとともに前記クロスメンバーに取り付けられるテンションメンバー、および、
前記テンションメンバーに取り付けられて前記燃料電池スタックの下部に設けられるレバーであって、前記レバーが前記燃料電池スタックの質量および重力による力を前記テンションメンバーに伝達し、それによって前記燃料電池スタックに圧縮力を与えるように構成されるレバー、を備える燃料電池システム。
[本発明1041]
本発明1040の燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックが、高熱膨張係数材料からなるプレートを前記硬いクロスメンバーの下にさらに備える、燃料電池システム。
[本発明1042]
本発明1039の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックの上部が丸められた端部を有し、
前記内部圧縮デバイスが、
前記上部をまたいで前記燃料電池スタックの少なくとも2つの側面に沿って降りるストラップであって、前記ストラップが第1および第2の端部を有するストラップ、および、
前記ストラップの前記第1および第2の端部に取り付けられ、前記燃料電池スタックの下部に設けられるレバーであって、前記レバーが前記燃料電池スタックの質量および重力による力を前記ストラップに伝達し、それによって前記燃料電池スタックに前記圧縮力を与えるように構成されるレバー、
を備える燃料電池システム。
[本発明1043]
本発明1039の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックの上部および下部が丸められた端部を有し、
前記内部圧縮デバイスが、
前記燃料電池スタックの周辺を囲む閉ループベルト、および、
前記閉ループベルトに取り付けられ、前記燃料電池スタックの下部に設けられるレバーであって、前記レバーが前記燃料電池スタックの質量および重力による力を前記閉ループベルトに伝達し、それによって前記燃料電池スタックに前記圧縮力を与えるように構成されるレバー、
を備える燃料電池システム。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】従来技術としての燃料電池アセンブリの三次元図である。
【
図2】プレート型サイドバッフルを備えた燃料電池スタックのコラムの一の態様を表す側面図である。
【
図3A】ダブテイル連結を備えたプレート型サイドバッフルの一の態様を表す三次元図である。
【
図3B】サイドバッフルに設けられたスプリング圧縮アセンブリを備えた
図3Aの態様を表す三次元図である。
【
図4】ダブテイル連結およびボウタイ/ドッグボーン連結を備えたプレート型サイドバッフルの一の態様を表す三次元図である。
【
図5】ダブテイル連結および空隙無し充填のボウタイ/ドッグボーン連結を備えたプレート型サイドバッフルの一の態様を表す三次元図である。
【
図6】スプリング圧縮デバイスの一の態様を表す三次元図である。
【
図7】スプリング圧縮デバイスの他の態様を表す三次元図である。
【
図8】スプリング圧縮デバイスの更に他の態様を表す三次元図である。
【
図9】
図8のスプリング圧縮デバイスの一部を参考のための示力図とともに表した側面図である。
【
図10】スプリング圧縮デバイスに圧力を与えるように用いられ得る外部ブラケットの三次元図である。
【
図11】サイドバッフル、ボウタイ連結または板バネに用いられ得るセラミックマトリックス複合材料(CMC)の微細構造を表す顕微鏡写真である。
【
図14】内部圧縮デバイスの一の態様の側面図である。
【
図15】内部圧縮デバイスの他の態様の側面図である。
【
図16】内部圧縮デバイスの他の態様の側面図である。
【
図17】内部圧縮デバイスの他の態様の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明者らは、穴およびフィード通路224がヒートシンクを形成することに起因してシステム効率が低下することを見出した。また、発明者らは、穴224が排除可能であり、新たに設計されたバッフル220によって燃料電池スタック14に圧縮荷重を付与することが可能であることも見出した。バッフル自体によって圧縮応力を与えることにより、タイロッド222が排除可能であり、これにより、穴224も排除可能である。そして、一の態様において、バッフルは、バッフルを垂直に貫通する穴とともに穴に挿入されるタイロッドを排除する。
【0014】
図2は、第1の態様を表す。この態様において、2つのサイドバッフル220は、燃料電池スタック14の一または複数を含むコラムの向かい合う端部に設けられる。しかし、それよりも多い又はそれよりも少ないバッフル220が、断面形状が長方形以外のスタックに対して用いられ得る。さらに、一または複数のマニホールド204が、燃料電池スタック14のコラムにおいて用いられ得る。一例としての燃料マニホールドが、上述した米国出願番号11/656,563に記載されている。必要に応じて、任意の数の燃料マニホールド204が、隣接する燃料電池スタック14の間に設けられ得る。さらに、燃料電池スタック14のコラムにおける燃料電池スタック14の数は必要に応じて選択されればよく、
図2に示される燃料電池スタック14の数に制限されない。
【0015】
この態様において、サイドバッフル220は、燃料電池スタック14(または、スタックのコラム)に圧縮荷重を付与するべく用いられる。この態様は、コストのかかるフィード通路および結果としてのタイロッド・ヒートシンクを排除するとともに、同じ部分(すなわち、サイドバッフル220)を2つの目的のために用いる。つまり、スタック14に荷重を付与する目的、および、陰極フィードフローの流れを導く目的(例えば、
図1に示されるリング型のスタックの配置について、陰極注入流(例えば、空気または他の酸化剤)が、リング型配置の外部のマニホールドからスタックを通過して供給されてもよく、または、リング型配置の内部のマニホールドへの陰極排気流としての排気から供給されてもよい。)である。サイドバッフル220は、燃料電池スタック14(または、スタック14のコラム)をシステムにおける金属コンポーネントから電気的に絶縁している。スタックにおける荷重は、任意の一または複数の荷重源(例えば、システムのベース239、スタック14またはスタックのコラムの下部のブロック、スタック14上のスプリングアセンブリなど)から与えられ得る。
【0016】
好ましくは、セラミックサイドバッフル220は、くさび形状であるよりもプレート形状を有し、単一のセラミック部品から形成されるよりもプレート型の部品または構成要素(例えば、バッフルプレート220)から形成される。プレート形状のバッフルおよびプレートは、好ましくは、2つの主面および一または複数の(例えば、4つの)端面を有する。一の態様において、一または複数の端面は、主面の面積の大きくとも5分の1の面積を有し得る。あるいは、一または複数の端面は、主面の面積の大きくても4分の1または3分の1の面積を有し得る。好ましくは、プレートは、均一な幅と厚さとを有し、主面の方向から見た場合に実質的に長方形の形状を有し、断面形状として実質的に長方形の形状を有する。別の態様において、セラミックサイドバッフル220は、断面形状として長方形ではなくてくさび形を有し得る。つまり、一の端面の幅が向かい合う端面の幅よりも広くてもよい。しかし、従来技術としてのバッフル220が隣接する電極スタック14の間を完全に充填しているのとは異なり、本態様のサイドバッフル220は、サイドバッフル220の間に空間が存在するように構成されている。別の言い方をすると、本態様のサイドバッフル220は、燃料電池スタック14の間の空間を完全には充填していない。好ましくは、バッフルプレート202は、高温材料(例えば、アルミナまたは他の適切なセラミック)から形成される。一の態様において、バッフルプレート202は、セラミックマトリックス複合材料(CMC)から形成される。CMCは、例えば、酸化アルミニウム(例えば、アルミナ)、酸化ジルコニウムまたは炭化ケイ素を含み得る。他のマトリックス材料も選択され得る。ファイバーは、アルミナ、炭素、炭化ケイ素または他の適切な材料から作られ得る。マトリックスとファイバーとの任意の組み合わせが、用いられ得る。さらに、ファイバーは、CMCの疲労特性を向上させるように設計された界面層にて覆われてもよい。望ましくは、CMCバッフルは、接合された独立したバッフルよりも単一のCMC材料から形成され得る。CMC材料は、バッフル強度および耐クリープ性を高め得る。バッフルがアルミナまたはアルミナファイバー/アルミナマトリックスCMCから形成されている場合、この材料は、典型的なSOFC作動温度(例えば、700℃超)にて比較的良好な熱導体となり得る。隣接するスタックまたはコラムの間にて熱的に分離されることが望ましい場合、バッフルは、熱的に絶縁性のセラミックまたはCMC材料から形成され得る。
【0017】
バッフルプレート202は、
図3〜
図5に示されるように、複数がつなぎ合わされてもよい。例えば、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、セラミックプレート成形バッフルプレート202は、ダブテイル305を用いて互いに接続されてもよい。より一般に、セラミックプレート成形バッフル202は、一または複数の突起303を一の端部に有し、一または複数の切欠き304を逆の端部に有する。突起303および切欠き304は、図示されるダブテイル305のように角度を有してもよく、または、典型的なジグソーパズルのように丸みを有してもよく、他の適切な形状を有してもよい。突起303(および対応する切欠き304)は、例えば、シャムロック形状(クローバー形状)のようなより複雑な形状を有してもよい。
図3Bに示されるように、突起303(または、切欠き304)は、燃料電池スタック14に圧縮荷重を付与するべく用いられるスプリング圧縮アセンブリ600にバッフルを接続するためにも用いられ得る(詳細について後述される。)。
【0018】
図4に示される他の構成において、ボウタイ型のセラミックインサート406が、バッフルプレート202間を接続するために用いられている。インサート406は、好ましくは、幅の狭い中央部と幅の広い端部またはダブテイル部とを備える。端部は丸められてもよい(すなわち、ドッグボーン型のボウタイ形状インサート)。ボウタイ型インサート406の端部は、バッフルプレート202における対応する円形または準円形の切欠き304に嵌め込まれる。本態様において、セラミックプレート成形バッフルプレート202は、バッフルプレート202の向かい合う端部に一または複数の切欠き304を含み得る。この構成において、インサートの端部は切欠きをちょうど埋める。この構成は、従来技術と比較してバッフル220の全体としての強度を高め、バッフルプレート202間の接触点での応力を小さくする。インサート406は、バッフルプレート202の材料と同一の材料(例えば、アルミナもしくはCMC)または異なる材料から構成され得る。さらに、従来技術と同様に、ボウタイ型インサート406は、トップバッフルプレート202およびアセンブリ600の部材(例えば、ブロック603)のそれぞれの切欠きにインサートをはめ込むことにより、トップバッフルプレート202をスプリング圧縮アセンブリ600に接続するために用いられ得る。
【0019】
図5に示される他の態様において、インサート406は、バッフルプレート202における円形または準円形の切欠き304を完全には埋めない。インサート406は、一般的なボウタイ形状を有しているが、完全に丸められた端部ではなく平らな端部501を含んでいる。そして、空の領域502が、インサート406の上または下のそれぞれの切欠き304に残る。
【0020】
バッフルプレート202は、
図3に示されるような先の尖ったダブテイル305、または、
図4に示されるようなボウタイ型のインサート406を用いてベース239に接続され得る。他の構成において、
図5では、スタック14のコラムが、システムベース239に直接取り付けられるのではなく、コラムの下部に設けられた連結ブロック503に取り付けられている。コラムの荷重は、コラムを取り囲む「檻(ケージ)」を形成する連結ブロック503から付与される。例えば、連結ブロック503は、アルミナまたはCMCのようなセラミック材料から構成され得るとともに、セラミックバッフルおよびシステムベース239に独立して取り付けられる(例えば、インサート、ダブテイルまたは他の構成によって取り付けられる)。セラミックブロックを用いることにより、ヒートシンクが生成され難くなり、セラミックバッフルが金属ベースに繋がって境界面での熱膨張問題が生じるが排除される。
【0021】
図3Aおよび
図3Bに示されるダブテイル突起303は、好ましくは、ベース239または連結ブロック503からボトムバッフルプレート202内に伸びている。または、ボウタイ型インサート406が、プレート202およびブロック503の切欠きのそれぞれに嵌め込まれる
図5に示されるように、ボトムバッフルプレート202をベースまたは連結ブロック503に取り付けるために用いられ得る。しかし、他の構成において、突起303は、ボトムバッフルプレート202からベース239または連結ブロック503内に伸びてもよい。ダブテイル305またはインサート406以外の任意の他の適切な取り付け方法も、用いられ得る。
図4および
図5は、スタックコラムにおけるスタックと燃料注入口とマニホールドに接続される排気流路との間の燃料配流マニホールド204も示している。
【0022】
図6は、上述した任意のサイドバッフル220とともに用いられ得るスプリング圧縮アセンブリ600の態様を表す。スプリング圧縮アセンブリ600は、燃料電池スタック14または燃料電池スタック14のコラムに圧縮荷重を付与するために用いられ得る。スプリング圧縮アセンブリ600は、スプリング611を含む。図示されるように、スプリング611は、セラミック(例えば、CMCまたはアルミナ)板バネである。CMCスプリングは、所定の方向に配列された耐クリープ性ファイバーをマトリックス内に含み得る点で有利である。セラミックスプリングは、高温領域においても存在し得るとともに、スタックに荷重を付与するコンポーネントからの熱膨張の差からの移動を可能にする。しかし、任意の他のタイプのスプリングまたはスプリングの組み合わせが用いられ得る。例えば、スプリング611は、コイルスプリング、ねじりスプリング、または、渦巻きスプリングであってもよい。
【0023】
スプリング圧縮アセンブリ600は、スプリング611が圧縮荷重を生じさせることができる弾力性のある面を有するように構成されたボトムプレート607を含み得る。好ましくは、ボトムプレート607は、スプリング611がボトムプレート607からずれることを防ぐように構成された保持バリア608を含む。板バネを用いるとき、ボトムプレート607はスプリング支持部604も含み得る。本構成において、スプリング611は、応力が生じていない状態において、スプリング支持部604(例えば、ロッドまたはバー型突起またはプレート607上のリッジ)の上部に配置され得る(
図7も参照。)。
【0024】
一の態様において、アッパープレート601の上部、つまりスプリング611のボトムプレート607からは反対側、に設けられる。アッパープレート601は、スプリングテンショナ612および本態様ではロッドをアッパープレート601の下部に含み得る。スプリングテンショナ612は、好ましくはアッパープレート601のほぼ中央に配置される。スプリング圧縮アセンブリ600は、スプリング圧縮アセンブリ600がサイドバッフル220に取り付けられ得る切欠き304(図示されるようにバッフルからのインサート406を受け入れる)または突起303のいずれかを含み得るアッパーブロック603も有し得る。
【0025】
アセンブリをバッフル220に接続する工程中、一時的な締め付けメカニズムがスプリング圧縮アセンブリ600に取り付けられ得る。
図6に示される例において、このメカニズムは、ブラケット602を含む。ブラケット602は、図示されるようにボトムプレート607にボルトにて取り付けられ、または、任意の適切なメカニズムによって取り付けられ得る。本例において圧力プレート605を備える一時的なテンショナが、ブラケット602に移動可能に取り付けられる。図示されるように、圧力プレート605は、細長いスロット606内をスライドするロッド609によってブラケット602に移動可能に取り付けられる。
【0026】
スプリング圧縮アセンブリ600によって付加された圧縮荷重は、圧力調整メカニズム610によって調整され得る。圧力調整メカニズム610は、例えば、回転に応じて上昇または下降するネジまたはボルトであり得る。
図6に示される態様において、圧力調整メカニズム606を下降させると、圧力プレート605が下方に移動する。圧力プレート605が下方に移動すると、アッパーブロック603およびアッパープレート601も下方に移動される。アッパープレート601が下がると、スプリングテンショナ612がスプリング611の中央に対して押し付けられて湾曲し、スプリング611に荷重を付与する。
【0027】
使用に際しては、アッパーブロック603がサイドバッフル220に接続されるまで(例えば、フックで留められるまで)圧力調整メカニズム610は降下される(そして、スプリング611が圧縮される。)。サイドバッフル220がダブテイル、インサートまたは他の構造によって一旦接続されると、圧力調整メカニズム610は緩められてブラケット602が開放される。スプリング611の力(従来は圧力調整メカニズム610によって「保持」されていた。)は、本例においてはサイドバッフル220を伝達する。スタックにおける圧縮力の調整は、スプリング圧縮アセンブリ600とスタック14(スプリング圧縮アセンブリ600のボトムプレート607の下に設けられる。)の上部との間においてシム(図示省略)を調整することによって達成される。そして、メカニズム610および構成要素605,606を含むブラケット602は、コラムが実行モードになる前に燃料電池コラムから取り外される。
【0028】
図7は、スプリング圧縮アセンブリ600Aの別の態様を表す。本態様は、これまでの態様と似ている。しかし、ロッド型スプリングテンショナ612がドーム型スプリングテンショナ612A(ドームの湾曲した側がスプリングの上面と接触する。)に置き換えられている。ロッド型スプリング支持部604は、スプリング611の下面の端部に接触し、スプリングが湾曲することを可能にする。さらに、本態様は、スペーサ702を含む。スペーサ702は、開口部610Aを通じてスプリング611に荷重を付与するためのボルトまたはネジ(明確化のため図示省略)のように、ブロック603とスプリング611との距離を狭めて一時的な締め付けメカニズムから要求される調整量を小さくする。
【0029】
図8および
図9は、圧縮アセンブリ600Bのさらに他の態様を表す。本態様において、アセンブリは、ブロック603の下に設けられたテンションバンド802を含む。アセンブリ600Bは、好ましくは、板バネに代えてテンションバンド802を用いる。しかし、望ましくは、テンションバンドは、上記態様にて述べたスプリングと組み合わせて用いられ得る。テンションバンド802は、バックルまたは他のアタッチメント804を介してプルロッドまたはハンドル609に取り付けられる。本態様において、ロッド609は、ロッド609が外部のメカニズム(図示省略)によって引き離され、テンションバンド802が引き伸ばされるとともに、スプリングテンショナ612Bに下向きの力が加えられる。バンド802は、アセンブリ600B内に保持されるものであり、バンドは高温耐性材料によって構成される。
図9に示されるように、テンションバンド802における力は、テンションバンド802の材料の降伏強度、テンションバンド802の偏位θの大きさ、および、テンションバンド802の長さL(ハンドル609に与えられる力の大きさに応じて異なる。)に関連する。そして、スタックへ与えられ圧縮の大きさは、材料、長さLおよび偏位θの大きさを選択することにより、正確に見積もることができる。
【0030】
図10は、一時的な締め付けメカニズムの他の態様を表し、同メカニズムはスプリング圧縮アセンブリ600C(例えば、
図7に示されるドーム型テンショナを備えたアセンブリ)に圧縮を与えるべく用いられる外部ブラケット1002を備える。本態様において、2つの外部ブラケット1002が、ブラケット1002のフリンジ1002を介してスプリング圧縮アセンブリ600Cの上部に設けられ得る。外部ブラケット1002の上部に力を加えること、または、外部ブラケット1002の穴1008を介して外部ブラケット1002に外部からの力を与えるアタッチメントによって外部ブラケットを引き下げることにより、圧力が外部ブラケット1002に与えられ得る。燃料電池スタック14のコラムが十分に圧縮されたとき、ボウタイ型インサート406が外部ブラケット1002の側面の開口部またはウィンドウ1006から挿入され、サイドバッフル220をアッパーブロック603に接続される。
【0031】
そして、上記態様にて述べたように、スタックまたはコラムが作動温度に達したときにスタックまたはコラムにおける所望の大きさの力が得られるように、スタックまたはコラム(圧縮されたエレメント)の熱膨張は、締め付けメカニズム(主にバッフルおよび/またはスプリング)の熱膨張と適合されるべきである。
【0032】
さらに、上記態様において述べたように、一時的な締め付けメカニズム(例えば、圧縮メカニズム600〜600Cに設けられる上述されたブラケット、ボルトまたはネジ)を取り付け、締め付けメカニズム(例えば、ブラケットにおける圧力プレートを下げること、ボルトまたはネジを締めること、テンションバンドを伸ばすこと、ブラケットを引き降ろすこと等)を用いてスタック14および圧縮メカニズムに圧縮応力を与え、圧縮メカニズムをサイドバッフルに繋げ(例えば、ブロック603をトップバッフルプレート202に接続するためのダブテイル305またはインサート406を用いる。)、一時的な締め付けメカニズムを取り外すこと、により、圧縮メカニズム(すなわち、圧縮アセンブリ600〜600C)がバッフル220に接続される。
【0033】
図11〜
図13は、スプリング611に用いられ得る代表的なCMCの顕微鏡写真である。サイドバッフルプレート202および/またはインサート302もCMC材料によって構成され得る。
図7〜
図9に示されるCMC材料は、アルミナマトリックスおよびアルミナファイバーを有する。他のCMC材料も用いられ得る。図示される特定のCMCは、引き伸ばされた粒と円形または楕円形の断面を有するファイバーとから構成されるマトリックスを有する。等軸粒および織りファイバーを含む(しかし、これに限られない)他の微細構造が用いられ得る。図示された態様において、ファイバーの直径は、約12ミクロンである。他の直径(1,2,3,4,5,10,15,20,25,50および100ミクロンを含むが、これらに限られない。)を有するファイバーも用いられ得る。
【0034】
図14〜
図17は、内部圧縮デバイス1400を有する燃料電池スタック14を表す。内部圧縮デバイス1400は、燃料電池スタックに圧縮力を与えるために重力と燃料電池スタック14の質量とを用いるように構成される。
図14は、内部圧縮デバイス1400が燃料電池スタック14の上部を横切るように配置される硬いクロスメンバー1402を含む態様を表す。テンションメンバー1404が、硬いクロスメンバー1402に取り付けられ、燃料電池スタック14の少なくとも2つの端部に隣接するように配置される。内部圧縮デバイス1400は、テンションメンバー1404に取り付けられるレバー1406を含んでもよい。レバー1406は、燃料スタックの質量および重力による力をテンションメンバー1404に伝達し、それによって燃料電池スタック14に圧縮力を与えるように、構成される。
【0035】
図15は、内部圧縮デバイス1400の他の態様を表す。この態様は、燃料電池スタック14の上部を横切るように配置される硬いクロスメンバー1402、燃料電池スタック14の端部に隣接するように設けられるテンションメンバー1404、燃料電池スタック14の下に設けられるレバー1406を含む。しかし、本態様において、燃料電池スタックは、熱膨張係数の高い材料にて構成されたプレート1408を硬いクロスメンバーの下に有し得る。燃料電池スタック14の温度が高くなるにつれて、プレート1408は膨張し、硬いクロスメンバー1402に上向きの応力が生じるとともに燃料電池スタック14に下向きの応力が生じる。
【0036】
この態様を他の観点から述べると、熱膨張係数の高い材料は、他の形状(プレート状ではない)形状を有してもよい。本態様において、レバー1406およびテンションメンバー1404は、室温において燃料電池スタック14にほとんど又は全く力を付与しないように構成される。燃料電池スタックがその作動温度にある場合に熱膨張係数の高い材料の膨張によって生じる力が所定の圧縮力(テンションメンバー1404およびレバー1406を介して燃料電池スタック14に与えられる。)を生じさせるように、熱膨張係数の高い材料およびその形状が選択される。
【0037】
図16は、内部圧縮デバイス1400の他の態様を表す。本態様において、燃料電池スタック14の上部は丸められた端部1010を有する。さらに、内部圧縮デバイス1400は、燃料電池スタック14の上部をまたいで燃料電池スタック14の少なくとも2つの側面に沿って降りるストラップ1412を含む。ストラップは、例えば、織られたセラミック材料1413によって構成され得る。レバー1406は、ストラップの端部に設けられて燃料電池スタック14の下部に配置されている。レバー1406は、燃料電池スタック14の質量および重力による力をストラップ1412に伝達し、それによって燃料電池スタック14に圧縮力を与えるように、構成されている。
【0038】
図17は、内部圧縮デバイス1400のさらに他の態様を表す。本態様において、燃料電池スタック14の上部および下部は、丸められた端部を有する。しかし、内部圧縮デバイス1400は、燃料電池スタック14の周囲を囲む閉ループベルト1414を含む。上記態様のように、内部圧縮デバイス1400は、燃料電池スタック14の下部のレバー1406を含む。レバー1406は、閉ループベルトに取り付けられる。燃料電池スタック14の質量および重力がレバー1406に作用し、これによって燃料電池スタックに圧縮力が与えられる。
【0039】
上記は特定の好ましい態様について述べたものであるが、本発明はそれらに限定されないと理解されるであろう。当業者であれば、開示された態様に種々の改変をなし得るであろうし、そのように改変された態様は本発明の範囲内であることが意図されている。ここに引用される全ての公報、特許出願および特許は、その全てが参照としてここに取り込まれる。