【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、改良され、容易になったクリアランスおよび製作公差除去を特徴とする薬物送達デバイス用の駆動機構を提供することが本発明の一目的である。エンドユーザーによって行われるプライミング手順を不要にすることが本発明のさらなる目的である。本発明は、さらに、患者の安全に関連した改良に焦点を合わせており、全般的なデバイス取り扱いを簡略化することを意図している。特に安価に実現でき、薬物送達デバイスおよび/またはその構成要素の現存の設計に対するほんの少しの修正のみを意味する簡単で組み立て容易なクリアランス除去を提供することが本発明のさらなる目的である。
より具体的には、本願発明は、薬物送達デバイスであって:
−中に軸方向に摺動可能に配置されたピストン(18)を有する医薬品含有カートリッジ(16)用のホルダ(14);および
−医薬品の用量を投薬するため、カートリッジのピストン(18)と作動可能に係合されるピストンロッド(12);
を含んでなる医薬品の用量を投薬するための薬物送達デバイスであって、
−ピストン(18)およびピストンロッド(12)間の軸方向クリアランスを除くために、ピストンロッド(12)およびピストン(18)間の相対距離に従って選択された少なくとも1つのスペーサ(20)が、ピストンロッド(12)およびピストン(18)間に配列されること、および、該少なくとも1つのスペーサ(20)が、異なった軸方向寸法を有する一セットのスペーサから選ばれ、ここで少なくとも1つのスペーサ(20)が、デバイスの最終組み立て構成におけるピストンロッド(12)およびピストン(18)間の実際に測定された、または決定された、または推定されたギャップ・サイズに従って選ばれること、を特徴とする、上記薬物送達デバイス、に関する。
また、本願発明は、薬物送達デバイスの組み立て方法であって:
カートリッジ・ホルダ(14)に事前組み立てされたカートリッジ(16)のピストン(18)の近位端面の軸位置を決定する段階;
ハウジング(10)に事前組み立てされた駆動機構(11)のピストンロッド(12)の遠位端面の軸位置を決定する段階;
カートリッジ・ホルダ(14)およびハウジング(10)が組み立てられた場合のピストン(18)およびピストンロッド(12)間の軸方向クリアランスのサイズを決定するか、または推定する段階;
軸方向クリアランスの決定されたサイズについて一セットの異なるサイズのスペーサ(20)から少なくとも1つのスペーサ(20)を選択し、その選択されたスペーサ(20)をピストン(18)およびピストンロッド(12)間に配置する段階;
を含んでなる、医薬品の用量を投薬するように適合される薬物送達デバイスの組み立て方法、である。
【0012】
本発明は、医薬品の用量を投薬するための薬物送達デバイスを提供する。
【0013】
ここで用いられる「薬剤」または「医薬品」という用語は、少なくとも1つの薬学的に活性がある化合物を含有する医薬製剤を意味している。
【0014】
この場合、一実施形態においては、薬学的に活性がある化合物は、1500Daまでの分子量を有するか、および/または、ペプチド、プロテイン、ポリサッカリド、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチドまたは上述の薬学的に活性がある化合物の混合物である。
【0015】
さらに別の実施形態においては、薬学的に活性がある化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症のような糖尿病と関連した併発症、深静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症のような血栓塞栓症疾患、急性冠動脈症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、花粉症、アテローム性動脈硬化症および/または慢性関節リウマチの治療および/または予防のために有用である。
【0016】
さらに別の実施形態においては、薬学的に活性がある化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症のような糖尿病と関連した併発症の治療および/または予防のための少なくとも1つのペプチドで含んでなる。
【0017】
さらに別の実施形態においては、薬学的に活性がある化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンまたはヒトインスリン類似化合物もしくは派生物、グルカゴン様のペプチド(GLP−1)またはその類似化合物もしくはその派生物またはエキセンジン−3またはエキセンジン−4またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似化合物または派生物含んでなる。
【0018】
インスリン類似化合物は、たとえば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28におけるプロリンがAsp, Lys, Leu, Val or Alaで置き変えられ、位置B29において、LysがProで置き変えられ得るヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0019】
インスリン派生物は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30 ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン; B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリンおよびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0020】
エキセンジン−4は、たとえば、エキセンジン−4(1−39)、配列H−His−GlyGlu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−PheIle−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0021】
エキセンジン−4派生物は、たとえば、以下の化合物リストから選定される。
H−(Lys)4−des Pro36、des Pro37 エキセンジン−4−(1−39)NH2、
H−(Lys)5−des Pro36、des Pro37 エキセンジン−4−(1−39)NH2、
des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14、Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14、IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25、Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25、IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met14のTrp(O)(O2)25(Asp28)]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14、Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14、IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25、Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25、IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25、Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25、IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4派生物のC末端に結びつけられてもよい);
【0022】
または配列
H−(Lys)6−des Pro36 [Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
des Asp28 Pro36, Pro37, Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36, Pro38 [Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5des Pro36, Pro37, Pro38 [Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36, Pro37, Pro38 [Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36, Pro37, Pro38 [Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37, Pro38 [Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36 [Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−des Asp28 Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25, エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2, H−(Lys)6−des Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
des [Met(O)14, Asp28 Pro36, Pro37, Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5 des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−des Pro36 [Met(O)14, Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−des Asp28 Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Trp(O2)25] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)NH2, des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(S1−39)(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37, Pro38 [Met(O)14, Trp(O2)25, Asp28] エキセンジン−4(1−39)(Lys)6−NH2のエキセンジン−4派生物、
または前述のエキセンジン−4派生物のうちの任意一つの薬学的に許容される塩または溶媒和化合物。
【0023】
ホルモン類は、たとえば、下垂体ホルモン類または視床下部ホルモン類または調節性活性ペプチドおよびゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン、デスモプレッシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンのような、Rote Liste、編集2008、第50章に挙げられるそれらの拮抗剤である。
【0024】
ポリサッカリドは、たとえば、グルコサミノグルカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンまたはその派生物、または、硫酸処理形態、たとえば、ポリ硫酸処理形態の上述ポリサッカリドおよび/またはその薬学的に許容される塩である。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としてはエノキサパリンナトリウムがある。
【0025】
薬学的に許容される塩類は、たとえば、酸添加塩類および塩基性塩である。酸添加塩類は、たとえば、HClまたはHBr塩類である。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ性、たとえば、Na+あるいはK+あるいはCa2+、またはアンモニウム・イオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)の陽イオンであり、ここで、R1−R4は、互いに独立して、水素、随意に置換されたC1−C6−アルキル基、随意に置換されたC2−C6−アルケニル基、随意に置換されたC6−C10−アリール基または随意に置換されたC6−C10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩類のさらなる例は、「Remingtonの薬学」17版、Alfonso R. Gennaro(編集)、Mark出版社、Easton、Pa.、U.S.A.、1985年および医薬技術の百科事典に記載されている。
【0026】
薬学的に許容される溶媒和化合物は、たとえば、水和物である。
【0027】
薬物送達デバイスは、製品を収容するカートリッジ、たとえば、カープル、アンプルまたは類似のシリンジ様の容器のためのホルダを含んでなる。該カートリッジは、内部に軸方向に摺動可能に配置されるピストンを含んでなる。遠位方向に向いたスラストを加えたとき、それに応じて、ピストンは遠位方向に変位させられ、代表的には液体医薬品の所定の投与量がカートリッジから排出され得る。薬物送達デバイスは、さらに、カートリッジのピストンと作動状態で係合されることになっているピストンロッドを軸方向に変位させるための駆動機構を含んでなる。ピストンロッドによって、投与量投薬用スラストは、カートリッジのピストンに適用され得る。
【0028】
ピストンロッドおよび駆動機構は、代表的には、ハウジング内部に配置され、組み込まれることになっている。この場合、薬物送達デバイスの最終組み立て構成で、ハウジング自体はカートリッジ・ホルダと相互連結することになる。ピストンとピストンロッドの間に軸方向クリアランスを除去するために、ピストン、ピストンロッド間の相対距離に従って少なくとも1つのスペーサが選ばれる。代表的にはシムの形状および機能を有する該距離スペーサは、 ピストンとピストンロッドの間に配列される。
【0029】
ピストン、ピストンロッド間の軸方向クリアランスのそれぞれサイズおよび大きさに依存して、該スペーサは、代表的には、軸方向寸法の変わるスペーサのセットから選ばれる。前記少なくとも1つのスペーサは、最終的組み立て段階において、カートリッジ・ホルダとハウジングが相互に連結したときに生じるであろう軸方向ギャップを塞ぐかまたは埋めるのに役立つ。
【0030】
特定の距離スペーサを適切に選択してピストン、ピストンロッド間に配置することによって、薬物送達デバイスの最終的組み立てで、すなわちハウジングおよびカートリッジ・ホルダが相互に連結し、互いに関して固定されるときにピストンおよびピストンロッドの実質的にクリアランスのない有効な当接が達成され得る。こうして、プライミング手順が全般的に不必要となり、薬物送達デバイスは組み立て手順が完了したときにその最初の使用についての準備が整う。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのスペーサは、異なった軸方向寸法を有するスペーサのセットから選ばれる。該少なくとも1つのスペーサは、デバイスの最終的組み立て構成におけるピストンロッド、ピストン間の実際に測定されたおよび/または決定されたおよび/または推定された軸方向クリアランスまたはギャップ・サイズに従って選ばれる。少なくとも1つのスペーサは、代表的には、予め構成されたハウジング・アセンブリおよび/またはカートリッジ・ホルダ・アセンブリの組み合わせごとに個別に選ばれる。こうすれば、適切なサイズの距離スペーサを個別に選ぶことによって製造公差および/または組立公差が効果的に補正され得る。
【0032】
さらなる好ましい一実施例においては、少なくとも1つのスペーサは、ピストンロッドの遠位端面および/またはカートリッジのピストンの近位端面のところに配列される。それ故、少なくとも1つのスペーサは、好ましくは、カートリッジ・ホルダおよびハウジングがまだ相互に連結されていない薬物送達デバイスの組み立て前の形態において、ピストンまたはピストンロッドに取り付けられる。該組み立て前の形態において、ピストンロッドおよび駆動機構がハウジングに予め組み込まれ、カートリッジがカートリッジ・ホルダに予め組み込まれる。
【0033】
最終組み立て段階中のカートリッジ・ホルダ・サブアセンブリまたはハウジング・サブアセンブリの向きに応じて、ピストンまたはピストンロッドのそれぞれの端面の上に少なくとも1つのスペーサをゆるく配置すれば充分であるかもしれない。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つのスペーサは、ピストンロッドおよび/またはカートリッジのピストンのいずれかに取り外せないように取り付けられる。スペーサは、該近位端面または遠位端面に接着して取り付けられてもよい。こうすると、薬物送達デバイスのそれぞれのサブアセンブリの融通の利く自在の取り扱いを可能にする。
【0035】
ピストンロッドの端面およびピストンのそれぞれの端面またはその圧力ピースが、共に、シム状またはディスク状の輪郭を有する少なくとも1つの距離スペーサを備えることも考えられる。
【0036】
薬物送達デバイスおよびその構成要素の全体的な寸法に依存して、備えられたスペーサ・セットのうちの少なくとも1つのスペーサの軸方向寸法は、1mm、0.8mm、0.6mm、0.4mm、0.2mmもの小ささであり、または0.2mmよりも小さくさえある。さらにまた、1つだけでなくいくつもの距離スペーサをピストンロッドおよび/またはピストンのそれぞれの端面上に配列することが考えられる。こうすれば、1mmより大きい軸方向ギャップでも効果的に補正し、排除できる。さらに、たとえば0.1mm、0.2mm、0.5mmの軸方向寸法を有するスペーサ・セットを使用することによって、0.1〜1mm間のほとんどいかなる軸方向ギャップ・サイズも利用でき、距離スペーサのそれぞれの組み合わせによって0.1mm毎に段階的に効果的に補正できる。
【0037】
別の独立した局面によれば、本発明は、ヘパリンまたはインスリンのような医薬品の所定の投与量を投薬するようになっている薬物送達デバイスを組み立てる方法にも関する。組み立て方法は、カートリッジ・ホルダに予め組み込んだカートリッジのピストンの近位端面の軸位置が決定する段階を含んでなる。同様のやり方で、ハウジングに予め組み込まれた駆動機構のピストンロッドの遠位端面の軸位置も決定される。ピストンおよびピストンロッドの決定された、または、実際に測定された軸位置によって、ピストン、ピストンロッド間の軸方向クリアランスのサイズが決定され得る、あるいは、少なくとも推定され得る。
【0038】
薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダおよびハウジングがそれらの最終的な組み立て構成に組み立てられたならば、軸方向クリアランスまたはそれぞれの軸方向ギャップが生じることになる。カートリッジ・ホルダおよびハウジングに対するピストンおよびピストンロッドのそれぞれの軸位置を個別に決定することによって、生じる軸方向クリアランスは、ハウジングおよびカートリッジ・ホルダが相互に相互連結される前にすでに決定され得る。ピストン、ピストンロッド間の軸方向クリアランスの決定された、または、推定されたサイズまたは大きさに応じて、少なくとも1つのスペーサが、異なったサイズのスペーサのセットから選ばれる。次に、薬物送達デバイスの最終組み立て中または組み立て前に、適切なサイズの選ばれたスペーサが、ピストンとピストンロッドの間に配置される。
【0039】
好ましくは、該少なくとも1つのスペーサは、ピストンロッドの遠位端面および/またはピストンの近位端面に取り付けられる。少なくとも1つのスペーサの取り付けまたは置換は、大量生産プロセスにおける、予め組み込まれたハウジングおよびカートリッジ・ホルダが相互に連結される前の必須部分であってもよい。
【0040】
好ましい実施形態によれば、ピストンロッドの遠位端面の軸位置は、ハウジングの選定された基準点に関して決定される。
【0041】
したがって、ピストンの近位端面の軸位置も、カートリッジ・ホルダの選定された基準点に関して決定される。それ故、ピストンおよびピストンロッドの軸位置は、好ましくは、ハウジング構成要素またはカートリッジ・ホルダの形状寸法に関して決定される。
【0042】
この状況において、ハウジングおよび/またはカートリッジ・ホルダの該選定基準点が、ハウジングおよびカートリッジ・ホルダを相互に連結するようになっている留め手段の軸位置と実質的に一致すると有利である。ハウジングおよびカートリッジ・ホルダは、代表的には、交互配置で相互連結される。この場合、カートリッジ・ホルダまたはハウジングの挿入部分は、ハウジングまたはカートリッジ・ホルダの対応する受け部に軸方向に挿入される。挿入部分および/または受け部は、付加的に、相互に対応する留め手段または事前固定手段、たとえば、相互に一致する貫通孔およびそれぞれのキャッチ・エレメントまたはラッチ・エレメントを含んでなる。
【0043】
さらにまた、 代表的には実質的に円筒形であるカートリッジ・ホルダまたはハウジング構成要素が、ストッパとして作用し、ハウジングおよびカートリッジ・ホルダの相互挿入移動運動の範囲を定めるようになっているベアリングまたは当接肩部を含んでなることも考えられる。受け部および/または挿入部の自由端は、挿入部および/または受け部のそれぞれのベアリングと軸方向に当接し、それによって、薬物送達デバイスの最終組み立て構成を定めることができる。ハウジングまたはカートリッジ・ホルダの挿入部または受け部の自由端に関する、または、当接肩部に関するピストンロッドおよびピストンの端面間の距離を測定することによって、最終組み立て位置に達したときのピストンロッド、ピストン間の軸方向クリアランスが正確に決定され得る。
【0044】
本発明のさらなる好ましい実施形態においては、ピストンおよび/またはピストンロッドの軸位置は、触覚プローブによって、または、無接触式に光学センサ配置によって決定される。
【0045】
大量生産プロセスにおいて、カートリッジ・ホルダおよび/またはハウジングの選定基準点の絶対位置も変わる事象では、ピストンまたはピストンロッドの端面と選定基準点の間の軸方向距離を精密に決定するためにディジタル画像処理を使用すると有利であるかもしれない。
【0046】
さらなる好ましい実施形態によれば、カートリッジは、カートリッジ・ホルダ内に配列されてカートリッジ・ホルダ・サブアセンブリを構築する。したがって、ピストンロッドを備える駆動機構も、ハウジング内に配列されてハウジング・サブアセンブリを構築する。両アセンブリは、ピストンおよび/またはピストンロッドの軸位置が決定される前に組み立てられる。
【0047】
本発明の別の実施形態によれば、カートリッジ・ホルダおよびハウジングは、溶接または接着によって、または、摩擦ロック式またはポジティブロッキング式留め手段によって、取り外せないように相互に連結される。ハウジングおよびカートリッジ・ホルダは、好ましくは、適切な距離スペーサがピストンまたはピストンロッドの少なくとも1つの端面に取り付けられた後に相互に連結される。ハウジングおよびカートリッジ・ホルダを相互に組み立て、引き続いて相互に連結することによって、軸方向クリアランスまたはさもなければ駆動機構に存在するバックラッシュが効果的にかつ恒久的に除かれ、そして、デバイス組み立てが完了すると直ぐにデバイスは初期投与量設定および投薬のための準備が整う。
【0048】
事前組み立てされたサブアセンブリ、すなわち、カートリッジ・ホルダ・サブアセンブリおよび/またはハウジング・サブアセンブリは、ピストン、ピストンロッド間の軸方向クリアランスを最小化するためのために、それぞれのサブアセンブリのセットから選定されることも本発明についてさらに考えられる。ここでは、ハウジングに関するピストンロッドの遠位端面の軸位置が決定される。同様に、カートリッジ・ホルダ・サブアセンブリのセットに対して、ピストンの軸位置の決定のためにそれぞれの測定が行われ得る。したがって、実際に測定されたカートリッジ・ホルダ・サブアセンブリまたはハウジング・サブアセンブリのいかなるセットもピストンロッドおよびピストンの端面の測定された軸位置に関して分類され得る。それぞれの端面の実際に測定された、または決定された位置を使用することによって、ピストン、ピストンロッド間の軸方向クリアランスが最小化または除去すらされるように薬物送達デバイスを組み立てるためにサブアセンブリの対が選ばれ得る。所与の製作公差および組み立て公差に依存して、相互に一致するハウジング・サブアセンブリおよびカートリッジ・ホルダ・サブアセンブリを適切に選択することによってのみ軸方向クリアランスが除去すらされ得る。こうして、距離スペーサの挿設すら不要となり得る。
【0049】
さらにまた、代替実施形態において、少なくとも1つのスペーサが、必ずしもピストン、ピストンロッド間に配列されなければならないわけではない。ハウジング、カートリッジ・ホルダ間に配置されるならば他の位置及び場所も考えられる。別の例では、スペーサは、カートリッジ・ホルダに関するカートリッジの軸位置を変えるのにすら使用され得る。こうすれば、カートリッジ・ホルダ内へのカートリッジの組み込み前に、スペーサは、カートリッジ・ホルダの遠位ネック部とカートリッジ自体との間にさえ配列され得る。
【0050】
発明の趣旨および範囲を逸脱することなく本発明に種々の修正、変更がなされ得ることは当業者にとって明らかであろう。さらに、添付の請求項で使用される参照符号が発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0051】
好ましい実施形態に関連して図面を参照しながら本発明を限定なしに以下により詳しく説明する。