(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909224
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】エチレンのオリゴマー化のための触媒組成物およびオリゴマー化のプロセス
(51)【国際特許分類】
B01J 31/22 20060101AFI20160412BHJP
C08F 4/70 20060101ALI20160412BHJP
C08F 10/02 20060101ALI20160412BHJP
C07C 2/32 20060101ALI20160412BHJP
C07C 11/02 20060101ALI20160412BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20160412BHJP
C07F 15/02 20060101ALN20160412BHJP
C07F 15/04 20060101ALN20160412BHJP
C07F 15/06 20060101ALN20160412BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20160412BHJP
【FI】
B01J31/22 Z
C08F4/70
C08F10/02
C07C2/32
C07C11/02
C07D471/04 112T
!C07F15/02
!C07F15/04
!C07F15/06
!C07B61/00 300
【請求項の数】14
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2013-501602(P2013-501602)
(86)(22)【出願日】2011年3月30日
(65)【公表番号】特表2013-527858(P2013-527858A)
(43)【公表日】2013年7月4日
(86)【国際出願番号】CN2011000550
(87)【国際公開番号】WO2011120336
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月25日
(31)【優先権主張番号】201010500316.9
(32)【優先日】2010年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201010138127.1
(32)【優先日】2010年3月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】510016575
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司北京化工研究院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL INDUSTRY,CHINA PETROLEUM & CHEMICAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鄭明芳
(72)【発明者】
【氏名】李維真
(72)【発明者】
【氏名】王懐杰
(72)【発明者】
【氏名】劉▲ジュン▼
(72)【発明者】
【氏名】張海英
(72)【発明者】
【氏名】周▲ユー▼
(72)【発明者】
【氏名】栗同林
(72)【発明者】
【氏名】趙嵐
(72)【発明者】
【氏名】王吉龍
(72)【発明者】
【氏名】呉紅飛
(72)【発明者】
【氏名】朴玉玲
(72)【発明者】
【氏名】隋軍龍
【審査官】
森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/105657(WO,A1)
【文献】
特開2000−202299(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/080237(WO,A1)
【文献】
Suyun JIE et al.,Iron(II) complexes ligated by 2-imino-1,10-phenanthrolines: Preparation and catalytic behavior toward ethylene oligomerization,Journal of Molecular Catalysis A: Chemical,2007年 1月13日,Volume 269, Issues 1-2,Pages 85-96
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 23/00 − 38/74
C07C 2/32
C07C 11/02
C07D 471/04
C08F 4/70
C08F 10/02
C07B 61/00
C07F 15/02
C07F 15/04
C07F 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主触媒としての、式(I)に示す2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとから成る、エチレンのオリゴマー化により炭素数が4〜28のエチレンオリゴマーを得るための触媒組成物であって、
該主触媒中の中心金属に対する該共触媒中のアルミニウムのモル比が
148〜196の範囲である、触媒組成物。
【化1】
(ただし、MはFe
2+、Co
2+、および、Ni
2+から選択される中心金属であり、
R1およびR5はエチル基であり、R2〜R4は水素原子である)
【請求項2】
上記主触媒中の中心金属に対する共触媒中のアルミニウムのモル比が178〜196の範囲である、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
エチレンのオリゴマー化により炭素数が4〜28のエチレンオリゴマーを得るためのプロセスであって、
主触媒としての、式(I)に示す2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとから成る触媒組成物を使用し、
上記主触媒中の中心金属に対する共触媒中のアルミニウムのモル比が
148〜196の範囲であるプロセス。
【化2】
(ただし、MはFe
2+、Co
2+、および、Ni
2+から選択される中心金属であり、
R1およびR5はエチル基であり、R2〜R4は水素原子である)
【請求項4】
上記主触媒中の中心金属に対する共触媒中のアルミニウムのモル比が178〜196の範囲である、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
エチレンのオリゴマー化の反応温度が20℃〜80℃である、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
エチレンのオリゴマー化の反応圧力が1MPa〜5MPaである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項7】
エチレンのオリゴマー化により炭素数が4〜28のエチレンオリゴマーを得るためのプロセスであって、
主触媒としての、式(I)に示す2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとから成る触媒組成物を使用し、
該主触媒中の中心金属に対する該共触媒中のアルミニウムのモル比が148〜196であり、
エチレンのオリゴマー化の反応温度が−10℃〜19℃である、プロセス。
【化3】
(ただし、MはFe
2+、Co
2+、および、Ni
2+から選択される中心金属であり、
R1およびR5はエチル基であり、R2〜R4は水素原子である)
【請求項8】
上記エチレンのオリゴマー化の反応温度が−10℃〜15℃である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
上記エチレンのオリゴマー化の反応温度が0℃〜15℃である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
上記エチレンのオリゴマー化の反応温度が5℃〜10℃である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項11】
エチレンのオリゴマー化の反応圧力が0.1MPa〜30MPaである、請求項7〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
エチレンのオリゴマー化の反応圧力が1MPa〜5MPaである、請求項7〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
エチレンのオリゴマー化において使用される有機溶剤が、トルエン、シクロヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、エタノール、ベンゼン、キシレン、および、ジクロロメタンから選択される、請求項7〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
エチレンのオリゴマー化において使用される有機溶剤がトルエンである、請求項7〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、エチレンのオリゴマー化の分野に関し、より具体的には、触媒組成物としての、2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)、および、トリエチルアルミニウムに関する。本発明は、さらに、この触媒組成物の存在下でエチレンをオリゴマー化するプロセスにも関する。
【0002】
〔背景技術〕
直鎖状αオレフィン類(“LAO”; linear alpha olefin)は、例えば、エチレン共単量体、界面活性物質の生成における中間体、可塑剤アルコール、合成潤滑剤、油添加剤などの様々な応用分野において広く使用されている。近年には、ポリオレフィン産業の発展にともなって、αオレフィンに対する世界的な需要が急成長している。現在、大部分のαオレフィンは、エチレンのオリゴマー化に基づいて調製されている。エチレンのオリゴマー化において使用される一般的な触媒としては、主に、ニッケルに基づく触媒系、クロムに基づく触媒系、ジルコニウムに基づく触媒系、アルミナに基づく触媒系などが含められる。近年には、エチレンのオリゴマー化を触媒するための、イミノ−ピリジル三座配位子を有する鉄(II)およびコバルト(II)錯体が、それぞれ、Brookhartのグループ(Brookhart M et al, J. Am. Chem. Soc., 1998, 120, 7143-7144 and WO99/02472を参照)およびGibsonのグループ(Gibson V. C. et al, Chem. Commun., 1998, 849-850 and Chem. Eur. J., 2000, 2221-2231を参照)によって報告されており、この触媒反応では触媒活性もαオレフィン選択性も高い。
【0003】
エチレンのオリゴマー化および重合のための触媒が、ICCAS(Institute of Chemistry, Chinese Academy of Sciences)が出願したCN1850339Aに開示されており、具体的には2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)である。共触媒としてのメチルアルミノキサンの存在下において、この触媒は、主触媒として、エチレンのオリゴマー化および重合のために良好な触媒活性を有し、この際、該鉄錯体はエチレンのオリゴマー化および重合のための高い触媒活性を示し、オリゴマー化活性は反応温度が40℃のときに最も高く、さらに、オリゴマー化活性および重合活性は圧力を増加させると明らかに強化される。オリゴマー化生成物としては、炭素数が4のオレフィン類、炭素数が6のオレフィン類、炭素数が8のオレフィン類、炭素数が10のオレフィン類、炭素数が12のオレフィン類、炭素数が14のオレフィン類、炭素数が16のオレフィン類、炭素数が18のオレフィン類、炭素数が20のオレフィン類、炭素数が22のオレフィン類などがあげられている。また、重合生成物は、低分子量のポリオレフィンおよび蝋様のポリオレフィンである。CN1850339Aには、さらに、トリエチルアルミニウムを共触媒として使用し、かつ、2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)FeCl
2を主触媒として使用し、また、Al/Feが500に等しく、反応温度が40℃であり、反応圧力が1MPaであり、反応時間が1時間であれば、オリゴマー化活性が2.71×10
5となることも開示されている。さらに、該特許文献には、トリイソブチルアルミニウムクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを共触媒として使用すると、たとえ共触媒の量が多くても(Al/Fe=500)、オリゴマー化活性が低いことも開示されている。
【0004】
上記特許文献の教唆内容から、トリエチルアルミニウムを共触媒として使用すると、たとえ共触媒の量が多くても、オリゴマー化活性はやはり低く、この結果、実用性が低いことがわかる。したがって、上記特許文献では、コストの高いメチルアルミノキサンが共触媒として使用されている。しかしながら、大規模なエチレンのオリゴマー化においてメチルアルミノキサンを共触媒として使用すると、高コストのメチルアルミノキサンの大量使用が、高い製造コストの原因になることは間違いない。
【0005】
また、「Iron Complexes Bearing 2-Imino-1,10- phenanthrolinyl Ligands as Highly Active Catalysts for Ethylene Oligomerization」(Sun wenhua et.al., Journal of Organometallics 25 (2006)666-677を参照)では、表2において、2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)FeCl
2をエチレンのオリゴマー化の主触媒として使用すると、エチレンのオリゴマー化活性は、反応温度の変化とともに単調に増加または減少するのではなく、反応温度が20℃〜40℃の範囲内であれば温度の上昇にともなって増加するが、反応温度が40℃〜60℃の範囲内であれば温度の上昇にともなって減少することが開示されている。この結果は、さらに、同一執筆者による別の文献(Journal of Organometallics 26 (2007)2720-2734を参照)の表4において確認されており、そこでは、ジエチルアルミニウムクロリドがエチレンのオリゴマー化の共触媒として使用されている。
【0006】
〔発明の概要〕
したがって、本発明の1つの目的は、先行技術の欠点を解消または少なくとも部分的に解決することができ、その結果、産業分野における大規模な各種応用において使用可能な、エチレンのオリゴマー化のための低コストの触媒組成物およびプロセスを提供することである。驚くべきことに、少量のトリエチルアルミニウムを包含する触媒組成物を共触媒として使用し、2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)を主触媒として使用してエチレンのオリゴマー化を行うと、触媒活性は満足できるレベルであって、先行技術において見られた低い活性とは大きく異なることが見出された。このように、トリエチルアルミニウムは低価格であるうえに使用量が少なく、また、触媒活性は満足できるレベルにあるので、この触媒組成は、産業分野における大規模な各種応用時にエチレンのオリゴマー化プロセスにおいて十分に使用可能である。
【0007】
本発明のある一態様によれば、主触媒としての、式(I)に示す2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとを包含する、エチレンのオリゴマー化のための触媒組成物であって、該主触媒中の中心金属に対する該共触媒中のアルミニウムのモル比が30以上200未満の範囲である、触媒組成物が提供される。
【0009】
ただし、MはFe
2+、Co
2+、および、Ni
2+から選択される中心金属であり、R
1〜R
5は水素、炭素数が1〜6のアルキル基、ハロゲン、炭素数が1〜6のアルコキシル基、および、ニトロ基から互いに独立して選択される。
【0010】
本発明では、「炭素数が1〜6のアルキル基」という用語は、1つ〜6つの炭素原子を有する飽和直鎖または分岐鎖アルキル基を指す。この炭素数が1〜6のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基などであり、好ましくは、メチル基、エチル基、または、イソプロピル基である。
【0011】
本発明では、「炭素数が1〜6のアルコキシル基」という用語は、酸素原子が炭素数が1〜6のアルキル基に結合することによって得られる基を指す。この炭素数が1〜6のアルコキシル基は、例えば、メトキシル基、エトキシル基、n−プロポキシル基、イソプロポキシル基、n−ブトキシル基、イソブトキシル基、sec−ブトキシル基、tert−ブトキシル基、n−ペントキシル基、sec−ペントキシル基、n−ヘキシルオキシル基、sec−ヘキシルオキシル基などであり、好ましくは、メトキシル基またはエトキシル基である。
【0012】
本発明では、「ハロゲン」という用語は、例えば、F、Cl、Br、Iなどを含め、好ましくは、F、Cl、または、Brを指す。
【0013】
上記触媒組成物の好適な実施形態において、上記主触媒中の中心金属(つまり、Fe
2+、Co
2+、または、Ni
2+)に対する共触媒中のアルミニウムのモル比は、50以上200未満の範囲であって、好ましくは100〜199.8であり、より好ましくは148〜196であり、もっとも好ましくは178〜196である。
【0014】
上記触媒組成物の別の好適な実施形態において、上記主触媒中のMおよびR
1〜R
5は、
1:M=Fe
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
2:M=Fe
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
3:M=Fe
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
4:M=Fe
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
5:M=Fe
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
6:M=Fe
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
7:M=Fe
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
8:M=Fe
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
9:M=Fe
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
10:M=Fe
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
11:M=Fe
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
12:M=Fe
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
13:M=Fe
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
14:M=Fe
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
15:M=Fe
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=H;
16:M=Co
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
17:M=Co
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
18:M=Co
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
19:M=Co
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
20:M=Co
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
21:M=Co
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
22:M=Co
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
23:M=Co
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
24:M=Co
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
25:M=Co
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
26:M=Co
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
27:M=Co
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
28:M=Co
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
29:M=Co
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
30:M=Co
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=H;
31:M=Ni
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
32:M=Ni
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
33:M=Ni
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
34:M=Ni
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
35:M=Ni
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
36:M=Ni
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
37:M=Ni
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
38:M=Ni
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
39:M=Ni
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
40:M=Ni
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
41:M=Ni
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
42:M=Ni
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
43:M=Ni
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
44:M=Ni
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
45:M=Ni
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=Hと規定される。
【0015】
上記触媒組成物のさらに別の好適な実施形態において、上記主触媒中のR
1およびR
5はエチル基であり、上記主触媒中のR
2〜R
4は水素である。
【0016】
本発明の主触媒の調製法は既知であって、例えばCN1850339Aに記載されている(この特許出願に開示された調製プロセスは、参照によって本明細書に引用されるものとする)。
【0017】
本発明に係る、式(I)に示す主触媒を調製するためのプロセスは、以下のステップ(1)およびステップ(2)を含む。
【0018】
(1)2−アセチル−1,10−フェナントロリンを置換アニリンと反応させて、次に、2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子を得るステップ。ただし、置換基は、炭素数が1〜6のアルキル基、ハロゲン、炭素数が1〜6のアルコキシル基、または、ニトロ基から選択される。
【0019】
(2)ステップ(1)で得られた2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子をFeCl
2・4H
2O、CoCl
2、または、NiCl
2・6H
2Oと反応させることによって、対応する錯体を得るステップ。
【0020】
具体的に、本発明に係る主触媒は、以下のように調製される。
【0021】
〔1.配位子を合成する一般的な手法〕
(1)p−トルエンスルホン酸を触媒として用いて、2−アセチル−1,10−フェナントロリンと炭素数が1〜6のアルキルで置換したアニリンとの反応混合物を、エタノール中で1日〜2日間還流させる。濃縮後に、反応液を単純なアルミナカラムに通して、石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いて溶出させる。第2の画分が所望の生成物である。溶媒を除去し、次に黄色の固体(2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子)を得る。
【0022】
(2)p−トルエンスルホン酸を触媒として用い、分子篩または無水硫酸ナトリウムを脱水剤として用いて、2−アセチル−1,10−フェナントロリンと、F、炭素数が1〜6のアルコキシル基、または、ニトロ基で置換したアニリンとの反応混合物を、トルエン中で1日間還流させる。濾過およびトルエンの除去後に、反応混合物を単純なアルミナカラムに通して、石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いて溶出させる。第2の画分が所望の生成物である。溶媒を除去し、次に黄色の固体(2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子)を得る。
【0023】
(3)p−トルエンスルホン酸を触媒として用い、エチルオルトシリケートを溶媒および脱水剤として用いて、2−アセチル−1,10−フェナントロリンと、ClまたはBrで置換したアニリンとを、140℃〜150℃の温度で1日間加熱する。減圧下でエチルオルトシリケートを削除した後、反応混合物を単純なアルミナカラムに通して、石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いて溶出させる。第2の画分が所望の生成物である。溶媒を除去し、次に黄色の固体(2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子)を得る。
【0024】
上記アルキル置換アニリンは、好ましくは2,6−ジエチルアニリンである。
【0025】
上記合成2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子は、全て、NMR、IR、および、元素分析によって確認した。
【0026】
〔2.鉄(II)、コバルト(II)、または、ニッケル(II)の錯体を合成する一般的な手法〕
FeCl
2・4H
2O、CoCl
2、または、NiCl
2・6H
2Oのエタノール溶液を、2−イミノ−1,10−フェナントロリニル配位子の溶液に、1:1〜1:1.2のモル比で滴下する。この反応混合物を室温で攪拌し、沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させることによって、2−イミノ−1,10−フェナントロリニルの錯体を得る。錯体1〜45を、IRスペクトルを利用した特性特定および元素分析によって確認する。
【0027】
本発明の別の態様によれば、エチレンのオリゴマー化のためのプロセスであって、主触媒としての、式(I)に示す2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとを包含する触媒組成物を使用し、該主触媒中の中心金属に対する該共触媒中のアルミニウムのモル比が30以上200未満の範囲である、プロセスが提供される。
【0029】
ただし、MはFe
2+、Co
2+、および、Ni
2+から選択される中心金属であり、R
1〜R
5は水素、炭素数が1〜6のアルキル基、ハロゲン、炭素数が1〜6のアルコキシル基、および、ニトロ基から互いに独立して選択される。
【0030】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスの好適な実施形態において、上記主触媒中の中心金属(つまり、Fe
2+、Co
2+、または、Ni
2+)に対する共触媒中のアルミニウムのモル比は、50以上200未満の範囲であって、好ましくは100〜199.8であり、より好ましくは148〜196であり、もっとも好ましくは178〜196である。
【0031】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスの好適な実施形態において、上記主触媒中のR
1〜R
5は、水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシル基、エトキシル基、および、ニトロ基から互いに独立して選択される。
【0032】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスのさらに別の好適な実施形態において、上記主触媒中のR
1およびR
5はエチル基であり、上記主触媒中のR
2〜R
4は水素である。
【0033】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスのもう1つの好適な実施形態において、上記主触媒中のMおよびR
1〜R
5は、
1:M=Fe
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
2:M=Fe
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
3:M=Fe
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
4:M=Fe
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
5:M=Fe
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
6:M=Fe
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
7:M=Fe
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
8:M=Fe
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
9:M=Fe
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
10:M=Fe
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
11:M=Fe
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
12:M=Fe
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
13:M=Fe
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
14:M=Fe
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
15:M=Fe
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=H;
16:M=Co
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
17:M=Co
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
18:M=Co
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
19:M=Co
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
20:M=Co
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
21:M=Co
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
22:M=Co
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
23:M=Co
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
24:M=Co
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
25:M=Co
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
26:M=Co
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
27:M=Co
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
28:M=Co
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
29:M=Co
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
30:M=Co
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=H;
31:M=Ni
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
32:M=Ni
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
33:M=Ni
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
34:M=Ni
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
35:M=Ni
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
36:M=Ni
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
37:M=Ni
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
38:M=Ni
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
39:M=Ni
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
40:M=Ni
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
41:M=Ni
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
42:M=Ni
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
43:M=Ni
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
44:M=Ni
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
45:M=Ni
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=Hと規定される。
【0034】
上記オリゴマー化プロセスの反応条件は当業者には既知である。上記プロセスの好ましい一例は以下のようである。すなわち、上記触媒組成物と有機溶剤とを反応器に仕込む。エチレンの圧力を0.1MPa〜30MPaとし、反応温度を20℃〜150℃として、オリゴマー化反応を30分〜100分間実施する。次に、−10℃〜10℃まで冷却し、少量の反応混合物を収集し、これを5%の塩化水素水溶液によって中和して、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を行う。
【0035】
上記オリゴマー化プロセスにおいて、反応温度は好ましくは20℃〜80℃であり、反応圧力は好ましくは1MPa〜5MPaであり、反応時間は好適には30分間〜60分間である。
【0036】
上記オリゴマー化プロセスにおいて、上記有機溶剤は、トルエン、シクロヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、エタノール、ベンゼン、キシレン、ジクロロメタンなどから選択され、好ましくはトルエンである。
【0037】
エチレンをオリゴマー化する上記オリゴマー化プロセスを用いると、得られるオリゴマー化生成物は、例えば、炭素数が4のオレフィン類、炭素数が6のオレフィン類、炭素数が8のオレフィン類、炭素数が10のオレフィン類、炭素数が12のオレフィン類、炭素数が14のオレフィン類、炭素数が16のオレフィン類、炭素数が18のオレフィン類、炭素数が20のオレフィン類、炭素数が22のオレフィン類などであり、αオレフィンの選択性は95%を超える。エチレンのオリゴマー化後に、少量の反応混合物を収集して5%の塩化水素水溶液によって中和し、GC分析を行う。結果は、オリゴマー化活性が10
6g・mol
−1・h
−1を超えること、および、各生成物の分布が妥当であることを示す。さらに、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。
【0038】
共触媒としての低コストのトリエチルアルミニウム(トリエチルアルミニウムの価格は、メチルアルミノキサンの価格のわずか数分の一程度である)と、主触媒としての2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)とを包含する触媒組成物を、主触媒中の中心金属に対する共触媒中のアルミニウムのモル比を30以上200未満の範囲として使用する、上記オリゴマー化プロセスでは、触媒活性は、たとえ共触媒が少量であっても満足できるレベルであり、したがって、高い実用性を有する。
【0039】
本発明によれば、エチレンのオリゴマー化のためのもう1つのプロセスであって、主触媒としての、式(I)に示す2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとを包含する触媒組成物を使用し、エチレンのオリゴマー化の反応温度が−10℃〜19℃であるプロセスが提供される。
【0041】
ただし、Mは、好ましくは、Fe
2+、Co
2+、および、Ni
2+から選択される中心金属であり、R
1〜R
5は水素、炭素数が1〜6のアルキル基、ハロゲン、炭素数が1〜6のアルコキシル基、および、ニトロ基から互いに独立して選択される。
【0042】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスの好適な実施形態において、上記主触媒中のR
1〜R
5は、水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシル基、エトキシル基、および、ニトロ基から互いに独立して選択される。
【0043】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスの別の好適な実施形態において、上記主触媒中のR
1およびR
5はエチル基であり、上記主触媒中のR
2〜R
4は水素原子である。
【0044】
エチルのオリゴマー化のための上記プロセスの好適な実施形態では、上記主触媒中のMおよびR
1〜R
5は、
1:M=Fe
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
2:M=Fe
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
3:M=Fe
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
4:M=Fe
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
5:M=Fe
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
6:M=Fe
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
7:M=Fe
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
8:M=Fe
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
9:M=Fe
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
10:M=Fe
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
11:M=Fe
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
12:M=Fe
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
13:M=Fe
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
14:M=Fe
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
15:M=Fe
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=H;
16:M=Co
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
17:M=Co
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
18:M=Co
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
19:M=Co
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
20:M=Co
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
21:M=Co
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
22:M=Co
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
23:M=Co
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
24:M=Co
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
25:M=Co
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
26:M=Co
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
27:M=Co
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
28:M=Co
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
29:M=Co
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
30:M=Co
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=H;
31:M=Ni
2+、R
1=Me、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
32:M=Ni
2+、R
2=Me、R
1=R
3=R
4=R
5=H;
33:M=Ni
2+、R
3=Me、R
1=R
2=R
4=R
5=H;
34:M=Ni
2+、R
1=R
2=Me、R
3=R
4=R
5=H;
35:M=Ni
2+、R
1=R
3=Me、R
2=R
4=R
5=H;
36:M=Ni
2+、R
1=R
4=Me、R
2=R
3=R
5=H;
37:M=Ni
2+、R
1=R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
38:M=Ni
2+、R
2=R
3=Me、R
1=R
4=R
5=H;
39:M=Ni
2+、R
2=R
4=Me、R
1=R
3=R
5=H;
40:M=Ni
2+、R
1=R
3=R
5=Me、R
2=R
4=H;
41:M=Ni
2+、R
1=Et、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
42:M=Ni
2+、R
1=Et、R
5=Me、R
2=R
3=R
4=H;
43:M=Ni
2+、R
1=R
5=Et、R
2=R
3=R
4=H;
44:M=Ni
2+、R
1=iPr、R
2=R
3=R
4=R
5=H;
45:M=Ni
2+、R
1=R
5=iPr、R
2=R
3=R
4=Hと規定される。
【0045】
上記オリゴマー化プロセスは、好ましくは、以下のようにして実施可能である。すなわち、有機溶剤と上記触媒組成物とを反応器に仕込む。エチレンの圧力を0.1MPa〜30MPaとし、反応温度を−10℃〜19℃として、オリゴマー化反応を30分〜100分間実施する。次に、−10℃〜10℃の温度で、少量の反応混合物を収集し、これを5%の塩化水素水溶液によって中和して、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を行う。
【0046】
上記オリゴマー化プロセスにおいて、上記主触媒は通常、溶液の形態で使用される。適切な溶媒は従来の溶媒であってもよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、エタノール、ベンゼン、キシレン、および、ジクロロメタンから選択され、好ましくはトルエンである。
【0047】
上記オリゴマー化プロセスにおいて、上記反応温度は、好ましくは−10℃〜15℃であり、より好ましくは0℃〜15℃であり、もっとも好ましくは5℃〜10℃である。反応時間は好適には30分〜60分間であり、反応圧力は好適には1MPa〜5MPaである。
【0048】
上記オリゴマー化プロセスにおいて、上記主触媒中の中心金属に対する共触媒中のアルミニウムのモル比は、49〜500の範囲であって、好ましくは100〜400であり、より好ましくは200〜300であり、もっとも好ましくは300である。
【0049】
上記オリゴマー化プロセスにおいて、上記有機溶剤は、トルエン、シクロヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、エタノール、ベンゼン、キシレン、および、ジクロロメタン、から選択され、好ましくはトルエンである。
【0050】
エチレンをオリゴマー化する上記プロセスを用いると、得られるオリゴマー化生成物は、例えば、炭素数が4のオレフィン類、炭素数が6のオレフィン類、炭素数が8のオレフィン類、炭素数が10のオレフィン類、炭素数が12のオレフィン類、炭素数が14のオレフィン類、炭素数が16のオレフィン類、炭素数が18のオレフィン類、炭素数が20のオレフィン類、炭素数が22のオレフィン類などであり、αオレフィンの選択性は高く、96%を超え、オリゴマー化活性は高い。さらに、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和すると、わずか数種類の重合体が生成される。
【0051】
上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスにおいて、主触媒としての2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、共触媒としての低コストのトリエチルアルミニウムとを包含する触媒組成物を使用すると、驚くべきことに、たとえ共触媒が少量であり、かつ、−10℃〜19℃という低温であっても、エチレンの触媒活性は高いままであることを見出した。それゆえに、本発明は、エチレンのオリゴマー化のための新しい手法を提供する。
【0052】
先行技術と比較すると、主触媒としての2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、または、塩化ニッケル(II)と、価格がメチルアルミノキサンのわずか数分の一程度である、共触媒としてのトリエチルアルミニウム(AlEt
3)とを包含する、本発明に係る触媒組成物は、上記エチレンのオリゴマー化のためのプロセスにおいて使用される。結果は、触媒活性は満足できるレベルであり、αオレフィンの選択性が高く、共触媒は少量であるので、この触媒作用は対費用効果が高い。したがって、本発明の触媒組成物は、産業分野における応用可能性が高い。本発明によれば、トリエチルアルミニウムはエチレンのオリゴマー化のための共触媒として不適当であるという技術的偏見が解消され、反応条件が最適化され、さらに、エチレンのオリゴマー化のコストが大幅に削減される。触媒作用およびコストを鑑みると、本発明は産業分野において応用可能性が非常に高い。
【0053】
〔発明を実施するための形態〕
以下の各実施例は、単に本発明の好ましい例として記載されるにすぎず、本発明の技術的範囲に対していかなる限定を加えるものではない。本発明に基づいてなされる全ての変更および修正は、本発明の技術的範囲から逸脱するものではない。
【0054】
〔実施例1〕
〔1.主触媒の調製〕
触媒としての40mgのp−トルエンスルホン酸と、脱水剤としての4Åの分子篩2gとを添加して、0.4445g(2mmol)の2−アセチル−1,10−フェナントロリンと、0.4175g(2.8mmol)の2,6−ジエチルアニリンとの反応液を、30mlのエタノール中で1日間還流させる。濾過後、溶媒を除去する。残留物をジクロロメタン中で溶解させ、単純なアルミナカラムに通し、さらに、石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いて溶出させる。第2の画分が所望の生成物であり、溶媒の除去後に、0.6gの黄色の固体(2−アセチル−1,10−フェナントロリニル(2,6−ジエチルアニル)配位子)を、84%の収率で得る。核磁気共鳴分光法による分析結果を次に記す。
1H−NMR(300Hz、CDCl
3)、δ 9.25(dd、J=3.0Hz、1H);8.80(d、J=8.3Hz、1H);8.35(d、J=8.3Hz、1H);8.27(dd、J=7.8Hz、1H);7.86(s、2H);7.66(s、2H);7.15(d、J=7.6Hz、2H);6.96(t、J=7.5Hz、1H);2.58(s、3H、CH
3);2.43(m、4H、CH
2CH
3);1.16(t、J=7.5Hz、6H、CH
2CH
3)。C
24H
23N
3(353.46)の元素分析の理論値は、Cが81.55、Hが6.56、Nが11.89であり、同じく観察値は、Cが80.88、Hが6.59、Nが11.78である。
【0055】
48mg(0.24mmol)のFeCl
2・4H
2Oを含有する5mlの無水エタノール溶液を、70.6mg(0.2mmol)の2−アセチル−1,10−フェナントロリニル(2,6−ジエチルアニル)配位子を含有する5mlの無水エタノール溶液に滴下する。室温で6時間攪拌した後に、得られる沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させることによって、濃緑色の粉末状の固体(2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)FeCl
2錯体)を95%の収率で得る。C
24H
23Cl
2FeN
3(480.21)の元素分析の理論値は、Cが60.03、Hが4.83、Nが8.75であり、同じく観察結果は、Cが59.95、Hが4.92、Nが8.80である。
【0056】
〔2.エチレンのオリゴマー化反応〕
トルエン、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.53ml(0.74mol/l))、および、上記主触媒(2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)FeCl
2(2.0μmol))のトルエン溶液(8ml)を、300mlのステンレス鋼製オートクレーブに仕込む。このとき、総容積は100mlであり、また、Al/Fe=196である。温度が40℃に達した時点で、エチレンを上記オートクレーブに添加する。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をガスクロマトグラフィー(GC)法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が2.02×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは12.0%であり、炭素数が6〜10のものは64.7%であり、炭素数が6〜18のものは87.0%(直鎖状αオレフィンの含有率は98.0%)であり、炭素数が20〜28のものは1.0%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0057】
〔実施例2〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例2は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.54ml(0.74mol/l)であること、および、Al/Fe=199.8であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が2.02×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは12.1%であり、炭素数が6〜10のものは64.5%であり、炭素数が6〜18のものは86.8%(直鎖状αオレフィンの含有率は97.5%)であり、炭素数が20〜28のものは1.1%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0058】
〔実施例3〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例3は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.51ml(0.74mol/l)であること、および、Al/Fe=189であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.98×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは11.6%であり、炭素数が6〜10のものは64.8%であり、炭素数が6〜18のものは86.9%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.0%)であり、炭素数が20〜28のものは1.5%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0059】
〔実施例4〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例4は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.48ml(0.74mol/l)であること、および、Al/Fe=178であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.98×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは10.5%であり、炭素数が6〜10のものは65.1%であり、炭素数が6〜18のものは87.7%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.3%)であり、炭素数が20〜28のものは1.8%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0060】
〔実施例5〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例5は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.4ml(0.74mol/l)であること、および、Al/Fe=148であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.21×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは24.7%であり、炭素数が6〜10のものは57.4%であり、炭素数が6〜18のものは72.7%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は92.9%)であり、炭素数が20〜28のものは2.6%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0061】
〔実施例6〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例6は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.81ml(0.25mol/l)であること、および、Al/Fe=101であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.01×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは21.6%であり、炭素数が6〜10のものは53.6%であり、炭素数が6〜18のものは75.3%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は89.9%)であり、炭素数が20〜28のものは3.1%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0062】
〔実施例7〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化を実施する。実施例7は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.4ml(0.25mol/l)であること、および、Al/Fe=50であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が0.12×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは7.4%であり、炭素数が6〜10のものは86.8%であり、炭素数が6〜18のものは92.6%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は92.5%)であり、炭素数が20〜28のものは0%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0063】
〔実施例8〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例8は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.24ml(0.25mol/l)であること、および、Al/Fe=30であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が0.08×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは6.9%であり、炭素数が6〜10のものは87.1%であり、炭素数が6〜18のものは93.1%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は91.5%)であり、炭素数が20〜28のものは0%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0064】
〔実施例9〕
実施例9では、実施例1に類似の主触媒の調製プロセスを使用する。実施例9は、31.2mg(0.24mmol)のCoCl
2を含有する5mlの無水エタノール溶液を、70.6mg(0.2mmol)の2−アセチル−1,10−フェナントロリニル(2,6−ジエチルアニル)配位子を含有する5mlの無水エタノール溶液に滴下することが、実施例1とは異なる。室温で6時間攪拌した後に、得られる沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させることによって、茶色の固体(2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)CoCl
2錯体)を95%の収率で得る。C
24H
23Cl
2CoN
3(483.29)の元素分析の理論値はCが59.64、Hが4.80、Nが8.69であり、同じく観察結果は、Cが59.69、Hが4.86、Nが8.62である。
【0065】
実施例1と同様のエチレンのオリゴマー化のためのプロセスを繰り返す。なお、共触媒はトリエチルアルミニウムのままである。トルエン、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.53ml(0.74mol/l))、および、2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)CoCl
2(2.0μmol)のトルエン溶液(8ml)を、300mlのステンレス鋼製オートクレーブに仕込む。このとき、総容積は100mlであり、Al/Co=196である。温度が40℃に達した時点で、エチレンを上記オートクレーブに添加する。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.51×10
6g・mol
−1(Co)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率について、炭素数が4のものが100%を占めることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0066】
〔実施例10〕
実施例10では、実施例1に類似の主触媒の調製プロセスを使用する。実施例10は、57.0mg(0.24mmol)のNiCl
2・6H
2Oを含有する5mlの無水エタノール溶液を、70.6mg(0.2mmol)の2−アセチル−1,10−フェナントロリニル(2,6−ジエチルアニル)配位子を含有する5mlの無水エタノール溶液に滴下することが、実施例1とは異なる。室温で6時間攪拌した後に、得られる沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させることによって、黄褐色の固体(2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)NiCl
2錯体)を96%の収率で得る。C
24H
23Cl
2NiN
3(483.05)の元素分析の理論値は、Cが59.67、Hが4.80、Nが8.70であり、同じく観察結果は、Cが59.64、Hが4.82、Nが8.53である。
【0067】
実施例1と同様のエチレンのオリゴマー化のためのプロセスを繰り返す。なお、共触媒はトリエチルアルミニウムのままである。トルエン、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.53ml(0.74mol/l))、および、2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)NiCl
2(2.0μmol)のトルエン溶液(8ml)を、300mlのステンレス鋼製オートクレーブに仕込む。このとき、総容積は100mlであり、Al/Ni=196である。エチレンを、上記オートクレーブに40℃で添加する。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.40×10
6g・mol
−1(Ni)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率について、炭素数が4のものが100%を占めることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0068】
〔実施例11〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.74mol/l)の量は0.53mlであり、Al/Fe=196である。実施例11は、エチレンの圧力を2MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することが、実施例1とは異なる。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が3.21×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは19.40%であり、炭素数が6〜10のものは53.02%であり、炭素数が6〜18のものは75.68%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は96.9%)であり、炭素数が20〜28のものは4.92%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0069】
〔実施例12〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例12は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.54ml(0.74mol/l)であること、Al/Fe=199.8であること、さらに、エチレンの圧力を2MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することが、実施例1とは異なる。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が3.83×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは21.05%であり、炭素数が6〜10のものは52.37%であり、炭素数が6〜18のものは73.36%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は97.5%)であり、炭素数が20〜28のものは5.59%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0070】
〔実施例13〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このとき、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量は0.53ml(0.74mol/l)であり、Al/Fe=196である。実施例13は、エチレンの圧力を3MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することが、実施例1とは異なる。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が6.40×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは17.5%であり、炭素数が6〜10のものは46.2%であり、炭素数が6〜18のものは71.5%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.7%)であり、炭素数が20〜28のものは11.0%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0071】
〔実施例14〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。実施例14は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.4ml(0.74mol/l)であること、Al/Fe=148であること、さらに、エチレンの圧力を3MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することが、実施例1とは異なる。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が5.21×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは19.5%であり、炭素数が6〜10のものは53.4%であり、炭素数が6〜18のものは75.8%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.4%)であり、炭素数が20〜28のものは4.7%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0072】
〔比較例1〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。比較例1は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が1.35ml(0.74mol/l)であること、および、Al/Fe=500であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が0.88×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは37.0%であり、炭素数が6〜10のものは52.0%であり、炭素数が6〜18のものは63.0%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は91.5%)であり、炭素数が20〜28のものは0%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0073】
〔比較例2〕
CN1850339Aに開示されている実施例34の内容を、参照によって本明細書に引用する。本比較例2では、2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)FeCl
2を主触媒として使用し、トリエチルアルミニウムを共触媒として使用する。エチレンのオリゴマー化のためのプロセスを次のように実施する。1000mlのトルエン、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(5.0ml(1.0mol/l))、および、2−イミノ−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)が配位結合した塩化鉄(II)(10μmol)のトルエン溶液(10ml)を、2000mlのステンレス鋼製オートクレーブに仕込む。350回転/分で機械的に攪拌しながら、エチレンを上記オートクレーブに40℃で添加して、オリゴマー化反応を開始する。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で60分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が0.271×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは39.3%であり、炭素数が6のものは29.3%であり、炭素数が8〜22のものは31.4%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0074】
〔比較例3〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。比較例3は、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が2.70ml(0.74mol/l)であること、および、Al/Fe=1000であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が0.18×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは43.9%であり、炭素数が6〜10のものは50.9%であり、炭素数が6〜18のものは55.5%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は84.3%)であり、炭素数が20〜28のものは0.6%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表1に示す。
【0075】
〔比較例4〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施例1のプロセスによって実施する。比較例4は、メチルアルミノキサンを共触媒として使用すること、メチルアルミノキサンのトルエン溶液の量が0.26ml(1.5mol/l)であること、および、Al/Fe=195であることが、実施例1とは異なる。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が2.5×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは14.2%であり、炭素数が6〜10のものは44.9%であり、炭素数が6〜18のものは74.1%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は89.0%)であり、炭素数が20〜28のものは11.7%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、この重合体の重合活性は6.21×10
4g・mol
−1・h
−1である。結果を表1に示す。
【0076】
表1から、主触媒としての2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとを包含する触媒組成物をエチレンのオリゴマー化において使用すると、たとえ共触媒の量が多くても(Al/Feのモル比は500または1000)、触媒活性が低いことがわかる。ただし、共触媒の量が少ない場合、オリゴマー化活性は、最大で2×10
6g・mol
−1・h
−1まで到達可能であり、このオリゴマー化活性値は、同程度の量(Al/Feのモル比は195)のメチルアルミノキサンを共触媒として使用した場合のオリゴマー化活性に近く、また、αオレフィンの選択性も高い。低コストのトリエチルアルミニウムを共触媒として使用した場合には、共触媒の量が少なくても、触媒活性は適切なレベルであることがわかるが、これは予期しないことであった。また、オリゴマー化活性は、Al/Fe比が30以上200未満の範囲にある場合にはAl/Fe比の増加にともなって増加するが、Al/Fe比が200〜1000の場合にはAl/Fe比の増加にともなって減少する。
【0077】
〔実施例15〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは次のように実施する。トルエン、トリエチルアルミニウム(0.8954mmol)のトルエン溶液(1.21ml(0.74mol/l))、および、2−アセチル−1,10−フェナントロリン(2,6−ジエチルアニル)FeCl
2(3μmol)のトルエン溶液(12ml)を、300mlのステンレス鋼製オートクレーブに仕込む。このとき、総容積は100mlであり、Al/Fe=298.5である。反応器を冷却して温度が−15℃に達した時点で、エチレンを上記オートクレーブに添加する。エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を−10℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が5.35×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは24.92%であり、炭素数が6〜10のものは57.03%であり、炭素数が6〜18のものは74.09%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.1%)であり、炭素数が20〜28のものは0.99%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表2に示す。
【0078】
〔実施例16〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が−10℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を−5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が7.74×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは26.66%であり、炭素数が6〜10のものは48.32%であり、炭素数が6〜18のものは68.16%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.4%)であり、炭素数が20〜28のものは5.18%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は9.2×10
3g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0079】
〔実施例17〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が−5℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を0℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が7.92×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.60%であり、炭素数が6〜10のものは48.4%であり、炭素数が6〜18のものは75.03%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.3%)であり、炭素数が20〜28のものは4.37%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は2.4×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0080】
〔実施例18〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が2℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が10.24×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.43%であり、炭素数が6〜10のものは45.12%であり、炭素数が6〜18のものは69.81%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.1%)であり、炭素数が20〜28のものは9.76%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和し、白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は9.6×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0081】
〔実施例19〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が5℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を10℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が9.35×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは19.50%であり、炭素数が6〜10のものは44.13%であり、炭素数が6〜18のものは69.52%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.3%)であり、炭素数が20〜28のものは10.98%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は6.8×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0082】
〔実施例20〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が10℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を15℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が6.88×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.23%であり、炭素数が6〜10のものは49.23%であり、炭素数が6〜18のものは72.75%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は97.7%)であり、炭素数が20〜28のものは7.02%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は2.1×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0083】
〔実施例21〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が15℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を19℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が5.53×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.60%であり、炭素数が6〜10のものは48.49%であり、炭素数が6〜18のものは72.21%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.2%)であり、炭素数が20〜28のものは7.19%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は1.4×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0084】
〔実施例22〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が1.62ml(1.1988mmol)であること、Al/Fe=399.6であること、反応器を冷却して温度が0℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、さらに、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が7.18×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.24%であり、炭素数が6〜10のものは46.56%であり、炭素数が6〜18のものは71.52%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.1%)であり、炭素数が20〜28のものは8.23%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は2.7×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0085】
〔実施例23〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.81ml(0.5994mmol)であること、Al/Fe=199.8であること、反応器を冷却して温度が0℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、さらに、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が8.96×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.02%であり、炭素数が6〜10のものは45.88%であり、炭素数が6〜18のものは70.09%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.3%)であり、炭素数が20〜28のものは9.88%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は3.8×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0086】
〔実施例24〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.40ml(0.296mmol)であること、Al/Fe=98.7であること、反応器を冷却して温度が0℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、さらに、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が8.26×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは23.56%であり、炭素数が6〜10のものは47.31%であり、炭素数が6〜18のものは69.32%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.5%)であり、炭素数が20〜28のものは7.12%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は7.8×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0087】
〔実施例25〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液の量が0.20ml(0.148mmol)であること、Al/Fe=49.3であること、反応器を冷却して温度が0℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、さらに、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が5.81×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは21.95%であり、炭素数が6〜10のものは43.78%であり、炭素数が6〜18のものは68.15%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.8%)であり、炭素数が20〜28のものは9.89%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は5.7×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0088】
〔実施例26〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が2℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を2MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が11.31×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは21.53%であり、炭素数が6〜10のものは44.57%であり、炭素数が6〜18のものは69.26%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.3%)であり、炭素数が20〜28のものは9.21%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は9.8×10
4g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0089】
〔実施例27〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用い、トリエチルアルミニウムを共触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化を実施する。このエチレンのオリゴマー化のためのプロセスは、反応器を冷却して温度が2℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を3MPaで維持し、温度を5℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同一条件下で実施される。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が13.54×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは22.12%であり、炭素数が6〜10のものは44.43%であり、炭素数が6〜18のものは69.12%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.2%)であり、炭素数が20〜28のものは8.76%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は1.0×10
5g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0090】
〔比較例5〕
温度が40℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を40℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例23と同様のエチレンのオリゴマー化のためのプロセスを繰り返す。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が2.12×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは13.1%であり、炭素数が6〜10のものは64.0%であり、炭素数が6〜18のものは82.8%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は98.2%)であり、炭素数が20〜28のものは4.1%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表2に示す。
【0091】
〔比較例6〕
温度が40℃に達した時点でエチレンを上記オートクレーブに添加すること、および、エチレンの圧力を1MPaで維持し、温度を40℃で維持し、攪拌しながら30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施することを除けば、実施例15と同様のエチレンのオリゴマー化のためのプロセスを繰り返す。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.93×10
6g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは20.61%であり、炭素数が6〜10のものは55.17%であり、炭素数が6〜18のものは75.37%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は97.0%)であり、炭素数が20〜28のものは4.02%であることを示す。残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和しても、重合体の形成は全く観察されない。結果を表2に示す。
【0092】
〔比較例7〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施例1のプロセスによって実施する。比較例7の実施例1との差異は、メチルアルミノキサンを共触媒として使用すること、メチルアルミノキサンのトルエン溶液の量が0.54ml(1.5mol/l)であること、および、Al/Feが400であることである。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.08×10
7g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは16.4%であり、炭素数が6〜10のものは45.2%であり、炭素数が6〜18のものは73.0%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は95.0%)であり、炭素数が20〜28のものは10.6%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は4.65×10
5g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0093】
〔比較例8〕
実施例1において調製した錯体を主触媒として用いて、エチレンのオリゴマー化反応を実施例1のプロセスによって実施する。比較例8の実施例1との差異は、メチルアルミノキサンを共触媒として使用すること、メチルアルミノキサンのトルエン溶液の量が1.36ml(1.5mol/l)であること、および、Al/Feが1000であることである。エチレンの圧力を1MPaで維持し、攪拌しながら40℃で30分間、エチレンのオリゴマー化反応を実施する。少量の反応混合物をシリンジで収集して、5%の塩化水素水溶液によって中和する。次に、この中和した溶液をGC法によって分析する。結果は、オリゴマー化活性が1.41×10
7g・mol
−1(Fe)・h
−1であること、および、オリゴマー類の含有率が、炭素数が4のものは35.0%であり、炭素数が6〜10のものは40.4%であり、炭素数が6〜18のものは64.7%(このうち、直鎖状αオレフィンの含有率は99.3%)であり、炭素数が20〜28のものは0.3%であることを示す。そして、残留する反応混合物をエタノール中で5%の塩酸水溶液によって中和する。白色の蝋様の重合体が得られ、重合活性は4.23×10
5g・mol
−1(Fe)・h
−1である。結果を表2に示す。
【0094】
表2から、主触媒としての2−イミノ−1,10−フェナントロリンが配位結合した塩化鉄(II)と、共触媒としてのトリエチルアルミニウムとを包含する触媒組成物をエチレンのオリゴマー化において使用すると、触媒活性は低温(−10℃〜19℃)で高く、オリゴマー化活性は10
7g・mol
−1・h
−1を超え得ることがわかる。なお、このオリゴマー化活性値は40℃における値の数倍から数十倍であり、メチルアルミノキサンをオリゴマー化活性が最も高い温度(40℃)で共触媒として使用した場合のオリゴマー化活性にも近い。これは、本発明によれば、低コストのトリエチルアルミニウムを共触媒として使用すると、触媒活性が低温において予想外に高いことを意味している。また、−10℃〜19℃の温度範囲では、オリゴマー化活性は、温度の上昇にともなって、最初は増加するがやがて減少する。オリゴマー化活性は5℃で最大になる。