特許第5909234号(P5909234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5909234
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】柔軟なインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   A61F2/44
【請求項の数】25
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-529160(P2013-529160)
(86)(22)【出願日】2011年8月19日
(65)【公表番号】特表2013-540485(P2013-540485A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011048343
(87)【国際公開番号】WO2012039865
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年8月8日
(31)【優先権主張番号】61/384,399
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505377463
【氏名又は名称】ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ハッセ
(72)【発明者】
【氏名】ルチオ フラビオ カンパーニレ
(72)【発明者】
【氏名】トム オーフェレス
(72)【発明者】
【氏名】シリル ヴワサール
(72)【発明者】
【氏名】エーファ マリア ヴュース
【審査官】 胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/095333(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0149381(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0192617(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0200239(US,A1)
【文献】 特表2007−508085(JP,A)
【文献】 特表2002−527196(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0195206(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0167686(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第0716841(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に沿って圧縮可能な柔軟な整形外科用インプラントであって、
第1部材と、
前記中心軸に沿って前記第1部材から間隔を空けた第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に接続された柔軟な接合部であって、前記第1及び第2部材が前記中心軸回りに互いに相対的に回転できるように筋かい状に接続される少なくとも一対のばね部材を備え、前記ばね部材が前記中心軸に沿って前記第1部材を前記第2部材から間隔を空けて配置し、前記ばね部材の各々は前記中心軸に向けられたそれぞれの頂点を定めるように前記中心軸に対して湾曲する、柔軟な接合部と、
を具備し、
前記中心軸に沿った前記インプラントへの圧縮力の適用が、前記ばね部材の頂点を互いに並進させる、柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項2】
少なくとも1つの支持材が、前記ばね部材の対を合わせて筋かい状に接続するように構成されている、請求項1に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項3】
前記支持材が、前記ばね部材の対の各々の間に接続されている、請求項2に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項4】
前記支持材が、断面積がおよそ4mmおよびおよそ6mmの範囲内である、請求項2または3に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項5】
前記第1部材、前記第2部材および前記柔軟な接合部が、単一の一体構造を画定している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項6】
前記ばね部材の各々が、曲率半径が変化する弧を画定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項7】
変化する前記曲率半径が前記頂点において最小である、請求項6に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項8】
変化する前記曲率半径が、およそ1mmおよびおよそ2mmの範囲内である、請求項7に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項9】
各ばね部材が面に沿って延在し、前記面が中心軸を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項10】
前記柔軟な接合部が、各々が面を画定する3つ以上のばね部材を含み、前記3つ以上の面が等間隔の角度で配置されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項11】
前記横断する支持材が、前記ばね部材の前記頂点の間に接続されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項12】
前記第1部材と前記第2部材との間を前記中心軸に対して実質的に平行に延在する1つまたは複数の止め具をさらに具備する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項13】
前記止め具が、非圧縮状態で前記柔軟な接合部の高さより低い高さである、請求項12に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項14】
前記柔軟な接合部が、1つまたは複数の第1接触面を有し、前記1つまたは複数の止め具が、前記柔軟な接合部が前記止め具のうちの1つの高さまで圧縮された時に前記柔軟な接合部の前記第1接触面と接触するのに好適な1つまたは複数の第2接触面を有している、請求項12または13に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項15】
前記第1接触面および前記第2接触面が前記中心軸に対して平行な方向に沿って先細りになっており、それにより、前記第1接触面が、横方向並進、前記中心軸に対して角度をなしている枢動軸を中心とする枢動、および互いに対する前記第1部材および前記第2部材の前記中心軸を中心とする回転のうちの少なくとも1つを可能にするように、前記柔軟な整形外科用インプラントの非対称圧縮時に、前記中心軸に対して斜めに前記第2接触面の上を摺動することができる、請求項14に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項16】
前記第1接触面および前記第2接触面が、前記中心軸に沿って相補的に先細りになっている、請求項15に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項17】
前記止め具が、前記第1部材および前記第2部材のうちの1つと一体化している、請求項12〜16のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項18】
前記柔軟な接合部が、弾性係数が10GPa〜120GPaの範囲である材料から作製されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項19】
最大サイズが8mmを超える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項20】
前記最大サイズが12cm未満である、請求項19に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項21】
前記最大サイズが、前記柔軟な整形外科用インプラントの長さ、幅および高さのうちの1つまたは複数である、請求項19または20に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項22】
人工関節として構成されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項23】
生体椎間板に置き換わるように構成された人工椎間板を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項24】
第1骨係合面を画定する第1端部部材と、
第2骨係合面を画定する第2端部部材と、
それぞれ前記第1端部部材から前記第2端部部材に延びる少なくとも一対のばね部材を含む柔軟な接合部であって、前記第1端部部材および前記第2端部部材が中心軸に沿って間隔を空けて配置されており、前記ばね部材の各々は、前記中心軸に向けられたそれぞれの頂点を定めるように前記中心軸に対して湾曲し、前記中心軸に沿った前記インプラントへの圧縮力の適用が、前記ばね部材の頂点を互いに並進させ、前記柔軟な接合部は、前記ばね部材の対の各々の間に接続された少なくとも1つの補強部材をさらに備え、前記少なくとも1つの補強部材は、前記中心軸回りに前記第1及び前記第2端部部材が相対的に回転できるように構成されている、柔軟な接合部と、
を具備する柔軟な整形外科用インプラント。
【請求項25】
前記補強部材が、前記ばね部材の対と一体化している、請求項24に記載の柔軟な整形外科用インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年9月20日に出願された米国特許出願第61/384,399号明細書の利益を主張し、その出願の開示内容は本明細書に完全に記載されているものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、概して整形外科用インプラントに関し、特に、柔軟な(compliant)整形外科用インプラントに関する。
【0003】
背景技術
健康な関節の動きパターンは複雑であり、回転および並進を、時には単独で時には組み合わせて含んでいる。したがって、瞬間的な回転中心または回転軸は、その関節とともに移動する。典型的な従来の関節形成(arthoplasty)インプラントは、通常、完全な(intact)解剖学的構造の生理学的な動きをよりよく再現する複雑な動きを具現化することに機能が限定され、したがって、解剖学的荷重に対して正確に反応しない。
【0004】
たとえば、従来のボールソケット関節は、回転に限定されており、横方向の並進は限られた量しか可能でなく、軸方向の制動はまったく可能ではない。さらに、こうしたインプラントは摩耗粒子を発生する傾向があり、それは、隣接する骨組織に骨溶解をもたらすか、毒性物質の場合は免疫反応を誘発する可能性がある。2つの剛性プレートの間の軟質のコアに基づくいわゆる人工椎間板はより多くの動きを可能にするが、含まれているポリマーの長期安定性は依然として十分に理解されていない。さらに他のインプラントは、たとえば圧迫下に置かれた場合に、回転するか、並進するか、または他の望ましくない動きをすることが分かった。したがって、従来の関節形成インプラント、いくつかの従来のインプラント。
【0005】
概要
一実施形態によれば、整形外科用インプラントは中心軸に沿って圧縮可能である。整形外科用インプラントは、第1部材と、第2部材と、第1部材と第2部材との間に接続された柔軟な接合部とを備えている。柔軟な接合部は、筋かい状に接続される少なくとも一対のばね部材を備えている。ばね部材は、中心軸に沿って第1部材を第2部材から間隔を空けて配置する。
【0006】
上記概要は、本出願のさまざまな実施形態の以下の詳細な説明とともに、添付図面とともに読む場合によりよく理解されるであろう。本開示のさまざまな実施形態を例示する目的で、図面を参照する。しかしながら、本出願は、図面に描かれている厳密な構成および手段に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態によって構成された整形外科用インプラントの側断面図であり、図1の断面は図3の線1−1に沿って取り出されている。
図2図1に示す整形外科用インプラントの概略上面図である。
図3図1に示す整形外科用インプラントに類似するが、交差する一対の角度をなしているばね部材34を含む、整形外科用インプラントの概略上面図である。
図4図1に示す整形外科用インプラントに類似するが、交差する2つの対の垂直に向けられたばね部材を含む、整形外科用インプラントの概略上面図である。
図5図1に示す整形外科用インプラントに類似するが、等間隔の角度で配置されかつ交差する3つばね部材を含む、整形外科用インプラントの概略上面図である。
図6図1に示す整形外科用インプラントに類似するが、等間隔の角度で配置されかつ交差する複数のばね部材を含む、整形外科用インプラントの概略上面図である。
図7A図3に示すが、代替実施形態によって構成され、2つの対の対向するばね部材および対応する圧縮止め部材を含む、整形外科用インプラントの第1側立面図である。
図7B図7Aに示す側立面図に対して直交して取り出された、図7Aに示す整形外科用インプラントの第2側立面図である。
図8】複数の剛性要素の間に交互に配置された複数の成形外科用インプラントを含む可撓性ロッドの形態のインプラントアセンブリの側立面図である。
図9】椎弓根スクリューおよび整形外科用インプラントを含む、代替実施形態によって構成されたインプラントアセンブリの側立面図である。
【0008】
詳細な説明
図1および図2を参照すると、柔軟な整形外科用インプラント20を、脊柱の腰椎または頸部において、または要求に応じて脊柱のいずれかの別の位置において生体椎間板に置き換わることができる、椎間板インプラントとして構成することができ、または、指関節、股関節、肘関節、肩関節、手首関節、膝関節等、要求に応じてあらゆる人工関節として構成することができる。インプラント20は、中心軸22に沿って垂直に延在し、第1の隣接する骨に当接するように構成された第1端部部材24等の第1部材と、中心軸22に沿って第1端部部材24から垂直方向に間隔が空けられて配置され、第2の隣接する骨に当接するように構成された第2端部部材26等の第2部材と、第1端部部材24および第2端部部材26の間に結合されるとともにそれらに接続され得る、柔軟な中間接合部32とを備え、第1端部部材24および第2端部部材26を、中心軸22を中心に回転するように構成することができ、それにより、中心軸22は、第1端部部材24および第2端部部材26に対する回転の軸を画定することができる。たとえば、第1端部部材24および第2端部部材26の一方または両方は、整形外科用インプラント20の中心軸22を中心に他方の端部部材に対して回転することができる。
【0009】
第1端部部材24は、要求に応じて寸法を決め成形することができる端板等の剛性板であり得る。第1端部部材24は骨係合面28を画定することができ、それは、隣接する第1骨組織、たとえば第1椎体と接触するように、平坦であるかまたは他の形状に成形することが可能である。第2端部部材26は、要求に応じて寸法を決め成形することができる端板等の剛性板であり得る。第2端部部材26は骨係合面30を画定することができ、それは、隣接する第1骨組織、たとえば第1椎体と接触するように、平坦であるかまたは他の形状に成形することが可能である。第2端部部材26を下位端部部材として示し、第1端部部材24を上位端部部材として示すが、インプラント20を、使用中は要求に応じて方向付けることができる。柔軟な中間接合部32は、整形外科用インプラント20の中心軸22と同一であるかまたはそれに対して平行である中心軸に沿って延在することができる。一実施形態では、柔軟な中間接合部32は、その中心軸を中心に対称である。柔軟な中間接合部32は、中心軸22に沿った圧縮および伸張に抵抗する所望のレベルの剛性をインプラント20に提供すると同時に、垂直圧縮、および中心軸22と交差し中心軸22に対して実質的に垂直であり得る軸を中心とする枢動等、接合部32の剛性に対するインプラント20の所望の量の変形を可能にする。柔軟な中間接合部32はまた、中心軸22を中心とする一方または両方の端部部材24および26の回転に抵抗するばね力を提供すると同時に、第1端部部材24および第2端部部材26が中間接合部32のばね力に抗して中心軸22を中心に回転することができるようにする、剛性も有している。
【0010】
インプラント20は、一体型構造として示されているが、インプラント20のさまざまな構成要素を、要求に応じて互いに慎重に接続することができることが理解されるべきである。柔軟な中間接合部32は、第1端部部材24と第2端部部材26との間に配置されており、第1端部部材24および第2端部部材26の間隔を空けるように配置されている、少なくとも1つのばね部材34、たとえば少なくとも一対のばね部材を備えている。ばね部材34を、要求に応じてC字型板ばね等、一実施形態によって凹状とすることができる。ばね部材34の各々は、第1端部部材24に接続される第1端部または基部36と、第2端部部材26に接続される反対側の第2端部または基部38とを画定することができる。ばね部材34の各々は、その長さに沿って曲率半径Rによって画定される実質的にC字型の凹状弧を画定し、インプラント20の中心軸22に向かって向けられた頂点40をさらに有している。曲率半径Rを、その長さに沿って変更することができ、およそ1mmを超える、たとえば2mmを超えおよそ20mm未満である範囲内とすることができるが、曲率半径Rは、要求に応じてあらゆる好適な別の距離を画定することができる。ばね34は、曲率半径Rが頂点40において最小であるように構成されているが、要求に応じてばね部材34の長さに沿ったいずれの場所に最小の曲率半径Rを配置することも可能であることが理解されるべきである。さらに、ばね部材34は、互いに間隔が空けられており、それぞれの垂直面に沿って延在し、その面のうちの少なくともいくつかは、図2に示すように、他のばね部材34のうちの1つまたは複数、最大すべての面と実質的に同一平面上であり得る。さらに、面のうちの少なくともいくつか、最大すべての面は、図3に示すように、中心軸22と一致する共通軸において交差している。
【0011】
たとえば腰椎における椎間板置換インプラントには、動作中、大きい力、たとえば最大2000ニュートンの(たとえば、中心軸に平行な、たとえば一致する方向に沿った)軸方向圧迫力がかかることが理解される。柔軟な接合部32は、ばね部材34のうちの1つまたは複数、最大すべての間に接続されたハブ33をさらに備えている。ハブ33、したがって柔軟な接合部32は、少なくとも一対のばね部材34の間に接続された、かつそれらに接続され得る支持材(bracing)42の形態の少なくとも1つの補強部材を備えることができる。図示するように、支持材42は、中心軸22に対して横切る方向成分を有する方向に沿って延在している。一実施形態によれば、支持材42は、中心軸22に対して実質的に横切る方向に延在しているが、中心軸22に対して角度をなしているあらゆる方向に延在することができる。横切る支持材42は、図示するように互いに対して平行に延在することができ、それにより、3つの横切る支持材42のうちの中間の支持材が、2つのばね部材34の頂点40を接続する。横切る支持材42を、中心軸22に対して横切る断面においてリング状とすることができ、棒状とすることができ、要求に応じて円柱状、角柱状、またはあらゆる好適な別の断面形状を有することができる。支持材42は、およそ4mmとおよそ6mmとの範囲内であり得る断面積を有することができる。1つまたは複数の支持材42のリング状構成は、柔軟な接合部が3つ以上のばね部材34を有する場合に特に適している。
【0012】
第1端部部材24および第2端部部材26は、中心軸22に対して平行な視点から取り出された矩形、円形または楕円形の占有領域を画定することができ、または別法として要求に応じてあらゆる好適な形状の占有領域を画定することができる。端部部材24および26を、中心軸22に対して実質的に横切る面に沿って細長くすることができる。上位骨係合面28および下位骨係合面30を、骨結合を促進するように、コーティングするかまたは要求に応じて他の方法で処理することができる。好ましいコーティングは、純チタンまたはリン酸カルシウムである。さらに、第1端部部材24および第2端部部材26は、初期固定を強化するようにそれぞれの骨係合面28および30から延在するさまざまな3次元構造(たとえば、歯、スパイクまたはキール等のような構造)を含むことができる。
【0013】
柔軟な接合部32は、複数のばね部材34等の少なくとも1つのばね部材34を備えることができる。図2に示す実施形態によれば、柔軟な接合部32は一対のばね部材34を備え、その各々が、互いに対して周方向に等間隔に配置されているが、ばね部材34をさまざまな間隔で配置することができることが理解されるべきである。さらに、後により詳細に説明するように、柔軟な接合部32は、要求に応じてあらゆる方法で配置されかつ方向付けられた、要求に応じていかなる数のばね部材を備えることも可能である。図示する実施形態によれば、ばね部材34の各々を、垂直方向に実質的に平面とすることができ、ばね部材34の各々は、第1端部部材24と第2端部部材26との間の面に沿って延在することができる。たとえば、ばね部材の各々を、インプラント20の中心軸22を含む垂直面に沿って細長くすることができる。したがって、ばね部材34によって画定される対応する面の各々は中心軸22を含むことができる。ばね部材34を、要求に応じて互いから間隔を空けて配置することができる。ばね部材34は、図示する実施形態により等間隔に配置されているため、ばね部材34の面は、等しく角度をなしているか、またはおよそ180度の角度を中心とする。したがって、柔軟な接合部32は、およそ180度の角度で対向する一対の同一平面上のばね部材34を備えることができることが理解されるべきである。
【0014】
図示する実施形態によれば、柔軟な接合部32は複数の支持材42を備え、それらは、ばね部材34の間に延在し、したがって中心軸32を横切って、たとえば中心軸22を実質的に横切る方向に沿って広がることができる。一実施形態によれば、1つまたは複数の第1の支持材42を、ばね部材34の頂点の間に接続することができ、1つまたは複数の第2の支持材42を、頂点からずれている位置においてばね部材34に接続することができる。たとえば、第1または内側支持材42aは、ばね部材34の頂点40の間に接続され、一対の第2または外側支持材42bは、頂点40に対してずれている位置においてばね部材34の間に接続されている。したがって、柔軟な接合部32は、中心軸22に沿って第1部材24を第2端部部材27から間隔を空ける少なくとも一対の筋かい状に接続されたばね部材を備えることができる、と言うことができる。たとえば、第1外側支持材42bとして構成することができる第2支持材は、頂点40の上方の位置においてばね部材34の間に接続され、第2外側支持材42bとして構成することができる第3支持材は、頂点40の下方の位置においてばね部材34の間に接続される。
【0015】
したがって、第1端部部材24および第2端部部材26が互いに対して、たとえば中心軸22に沿って圧縮されると、頂点は、(たとえば、ばね部材34が180°対向して配置される場合)互いに向かって並進するように付勢され、それにより、第1支持材42aが圧縮状態になる。さらに、端部部材24および26が互いに対して圧縮されると、頂点からずれている対向するばね部材34の位置は、互いから離れる方向に並進するように付勢され、それにより、第2支持材42bおよび第3支持材42cが引張状態になる。したがって、ばね部材34が凹状形状であるため、柔軟な中間接合部32の種々の部分を、中心軸22に対して実質的に横切る方向に圧縮しかつ撓曲させることができ、それにより柔軟な中間部材32の剛性が著しく増大するが、整形外科用インプラント20は依然として柔軟である。
【0016】
図2図6を参照すると、ばね部材34および支持材42を、要求に応じてあらゆる好適な代替実施形態により構成し、成形し、方向付けることができることが理解されるべきである。たとえば、図2は、図1に示すインプラント20の概略上面図である。図4に示すような構成では、柔軟な接合部32は、各々垂直面に沿って延在する2つのばね部材34を備えている。しかしながら、図1に示す実施形態とは異なり、図4に示す面は、実質的に同一平面上ではなく、したがって、180°未満、たとえば90°と180°との間の角度を画定するが、その角度は、望ましい場合は90°未満であり得る。ばね部材34によって画定される面は、中心軸22と一致することができる共通の軸において交差するか、または中心軸22に対して角度をなすことができる。さらに、対向するばね部材34によって画定される面を同一平面上とすることができ、角度をなしているばね部材34によって画定される面は、整形外科用インプラントの中心軸において交差することができる。さらに、支持材42は、2つのばね部材34の面によって画定される角度の中央線に対して直交して配置されている。
【0017】
図3を参照すると、各ばね部材34は、インプラント20の中心軸22を含む面に沿って細長い。したがって、ばね部材34によって画定される対応する4つの面の各々は、中心軸22と一致する共通軸において交差している。4つのばね部材34が等間隔で配置されているため、4つの面は、等しく角度をなしており、またはおよそ90°の角度を中心とする。したがって、ばね部材34および対応する面は、およそ180°の角度で対向している2つの対の同一平面上のばね部材34を含むことが理解されるべきである。
【0018】
図示する実施形態によれば、支持材42の第1群および第2群は、ばね部材34の第1および第2の対向する対の間に延在している。したがって、第1群の支持材42は、第2群の支持材42に対して角度をなしている(たとえば、図示するように実質的に垂直である)。各群の支持材42のうちの1つまたは複数、最大すべては、他の群の支持材42と交差することができ、または別法として、他方の群の支持材42に対して垂直に角度をなすことができる。互いに交差する支持材42を、互いに一体的とすることも可能であり、ばね部材34と一体的とすることができ、それにより、第1端部部材24および/または第2端部部材26と一体的とすることができ、それによって、端部部材26および26、支持材42ならびにばね部材34を、単一の一体構造として構成することができる。別法として、整形外科用インプラント20の構成要素のうちの1つまたは複数を、互いに別個に接続することができる。
【0019】
一実施形態によれば、柔軟な中間接合部32を、弾性係数が10GPa〜120GPaの範囲である材料から作製することができる。たとえば、接合部を、弾性係数がおよそ110GPaであるチタンと、弾性係数がおよそ30GPaであるチタン合金と、弾性係数がおよそ20GPaであるガラス繊維強化複合材料とから作製することができる。別法として、柔軟な中間接合部32を、要求に応じてあらゆる好適な別の弾性係数を有する材料から作製することができることが理解されるべきである。たとえば、熱可塑性物は、弾性係数がおよそ10GPa未満であり、ポリエーテルエーテルケトンは、弾性係数がおよそ4GPaである。
【0020】
整形外科用インプラント20を、金属または金属合金、たとえば以下の合金のうちの1つから作製することができる。すなわち、ステンレス鋼316L、Ti6Al7Nb、Ti6A14V、Til5Mo、Ti23Nb2Ta0.7ZrまたはZr22Cu8Fel2Alである。別法として、インプラントを、好ましくはPEEKまたは炭素強化PEEKを含む、ポリマーまたは強化ポリマーから作製することができる。整形外科用インプラント20がポリマーから作製される場合、第1部材および第2部材のポリマーを、間に柔軟な接合部が埋め込まれたポリマーマトリクスとして形成することができる。ポリマーマトリクスは、柔軟な接合部内への骨成長を低減する特性を有することができる。一実施形態によれば、整形外科用インプラント20は、中心軸22に対して垂直な第1方向に沿った長さ、第1方向および中心軸22の両方に対して垂直な第2方向に沿った幅、または中心軸22に沿ったインプラントの高さによって画定される最大サイズを画定することができる。最大サイズは、10mmを超える等、8mmを超えることができ、10cm未満等、12cm未満であり得る。
【0021】
図5に示す構成では、柔軟な接合部32は、互いに対して120°で等間隔の角度でずらされている3つのばね部材34を備えている。したがって、ばね部材34の各々は、それぞれの垂直面に沿って細長く、それにより、面のすべてが中心軸22と同一の共通軸において交差している。さらに、ハブ33は、等辺であり得る三角形を画定し、その各辺は、横断する支持材42群によって画定されている。したがって、等辺三角形の頂点または角を、各々、ばね部材34のうちの1つに接続することができる。ハブ33によって画定される等辺三角形の中心は、中心軸22上に位置することができる。
【0022】
柔軟な接合部32は、等間隔または可変の間隔のいずれかで、要求に応じていかなる数のばね部材34を備えることも可能であることが理解されるべきである。たとえば、図6を参照すると、柔軟な接合部34は、等間隔の角度でずらされている面に沿ってそれぞれ延在する12のばね部材34を備えており、その12の面は、互いに対して30°の角度で配置されている。したがって、12のばね部材34は、6つの対のばね部材34として編成されており、それにより、少なくとも1つの支持材42の対応する6つの群を、6つの対のばね部材34の間にそれぞれ接続することができる。支持材42は、支持材42が取り付けられているそれぞれのばね部材34に対して平行にかつそれらの間に延在しており、中心軸22において一体的にまたは別個に交差することができる。したがって、ハブ33は、柔軟な接合部32にあるばね部材34の数が増大するに従い、円形の形状により近似するいかなる規則的なまたは不規則な多角形状を呈することができる。ハブ33は、中心軸22と交差することができる支持材42によって画定されるスポークを備えることができる。
【0023】
柔軟な接合部32を、支持材42の群の数がばね部材34の対より少ないように構成することができ、それにより、ばね部材34の少なくとも1つ、ばね部材34の最大すべてを、少なくとも1つの支持材42の群によって接続することができ、ばね部材34の少なくとも1つ、ばね部材34の最大すべてに、何らかの支持材を介する他のいずれかのばね部材34への取付けをなくすことができる。したがって、柔軟な接合部32は、あらゆる所望の方法で配置されるいかなる数のばね要素34と、ばね要素34の間に接続されたいかなる対応する数の支持材42とを備えることができる。
【0024】
ここで図7Aおよび図7Bを参照すると、インプラント20は、図3に関して上述したような4つのばね部材34を備えることができる。さらに、柔軟な接合部32は少なくとも1つの止め部材44を含むことができ、それは、第1端部部材24および第2端部部材26の、中心軸に沿った互いに対する圧縮、および/または中心軸22と一致するかまたはずれていることが可能である軸を中心とする端部部材24および26の枢動の量を制限するように構成されている。図示する実施形態によれば、1つまたは複数、最大すべてのばね部材34は、各々、止め部材44を備えることができる。各止め部材44は、ばね部材34の下位基部36から、中心軸22に対して実質的に平行な垂直方向に沿って、上位基部36および端部部材24に向かって延在することができ、または、ばね部材34の基部36から間隔が空けられた位置において端部部材26から延在することができる。したがって、止め部材44は端部部材26によって支持されていると言うことができる。各止め部材44は、上位端部部材24から下位端部部材26に向かう方向に沿って延在することができることがさらに理解されるはずである。
【0025】
止め部材44はポストとして示されており、それは、それらの基端部において対応する端部部材26およびばね部材34の一方と一体的であることが可能であり、かつ通常の動作中に対向する端部部材24から間隔が空けられているそれらの先端部において、止め面46の形態でそれぞれの接触面を画定することができる。図示する実施形態によれば、止め部材44は、第2端部部材26に接続され、第1端部部材24に向かって延在している。止め部材44は、ばね部材34がそれらのそれぞれの自然な位置にある時に柔軟な接合部32の高さH1より低い高さH2を画定する。したがって、止め面46は、上位端部部材24から間隔が空けられている。さらに、止め部材44を、ばね部材34の横方向に外側の端部かまたは周辺に隣接して、またはばね部材34の凹面によって画定される開放部分の口において配置することができる。別法として、止め面46は、ばね部材34から間隔が空けられている位置において端部部材26から延在することができる。止め部材44を、単独で、または接触部材に接続するばね部材34の基部においてばね部材34と組み合わせて提供することができることが理解されるべきである。止め部材44のうちの1つまたは複数を、ばね部材34のうちの1つまたは複数によって提供することも可能である。たとえば、ばね部材34の1つまたは複数、最大すべては、端部部材のうちの一方から他方の端部部材に向かう方向に延在する止め部材44を備えることができる。1つまたは複数の止め部材44は、したがって、整形外科用インプラント20の中心軸22に対して実質的に平行な方向に沿って延在することができる。
【0026】
整形外科用インプラント20は、対応するばね部材34が、その中立位置から中心軸22に沿った最大量の可能な圧縮まで圧縮された時に止め面46を受け入れかつそれに当接するように構成されている座部48をさらに画定することができる。ばね部材34は、圧縮力に応じて、または中心軸22に対して角度をなしている(垂直等の)枢動軸を中心とする端部部材22および24の枢動に応じて、それらの中立位置から縮むことができることが理解されるべきである。図示する実施形態によれば、座部48を、止め部材44の基端部を支持する基部36または端部部材26と反対側のばね部材34の基部36によって画定される湾曲した接触面50等、接触部材として提供することができる。接触面50を凹状とすることができ、対応する止め面46を凸状とし、したがって、接触面50において接触し入れ子状になるように成形することができる。
【0027】
止め面46および接触面50を、中心軸22に対して平行な方向に沿って、たとえば湾曲して先細りとすることができ、それにより、接触面50は、中心軸22に対して角度をなす方向に沿って止め面46上で摺動することができる。したがって、止め部材44、すなわち止め面46の高さH2の範囲まで柔軟な接合部32の一方の側が圧縮されると、端部部材24および26は、互いに対して横方向に並進し、かつ/またはインプラント20の同軸状圧縮時に中心軸22に対して角度をなす枢動軸を中心に枢動することができる。さらに、ばね部材34の構成および剛性に応じて、その端部部材24および26は、中心軸22を中心に回転することができる。インプラント20全体が完全に圧縮される場合、インプラント20を中心とする接触面46および50の係合により、さらなる圧縮、横方向並進および枢動が防止される。
【0028】
標準的な生理学的力学的荷重下で、止め面46および対応する接触面50は、互いに当接するように構成されておらず、それにより、通常動作中に互いに接触しかつ互いに対して移動する面を含む従来のインプラントに比較して、摩耗面が大幅に低減するかまたは排除される。したがって、整形外科用インプラント20を一体型構造とすることができ、それにより、関節形成インプラントの一体構造(monolith)版が、整形外科用インプラントの移動面が通常動作中に互いに接触しないため、いくつかの従来のインプラントに比較して摩耗源を低減するかまたは排除する。さらに、整形外科用インプラント20の圧縮剛性を、整形外科用インプラント20の枢動剛性および整形外科用インプラント20の回転剛性に対して分離することができる。整形外科用インプラント20の剛性を、たとえば、ばね部材34の1つまたは複数、最大すべて、および/または支持材42の1つまたは複数、最大すべての剛性を変化させることにより、要求に応じて調節することができることが理解されるべきである。
【0029】
止め面46および接触面50が互いに当接する場合であっても、各部材24および26は、整形外科用インプラント20の中心軸22を中心に互いに対して回転することができる可能性がある。さらに、対応する止め面46および接触面50のうちの1つまたは複数、すべてに満たないものが、(たとえば整形外科用インプラント20の一方の側において)当接するように、整形外科用インプラント20が枢動する場合、整形外科用インプラント20の他方の側をさらに圧縮することができ、それにより、対応する接触面が当接するまでインプラントが枢動する。さらに、端部部材24および26は、整形外科用インプラント20の他方の側の対応する止め面46および接触面50が当接するまで、互いに対して横方向に並進することができる。
【0030】
図1図3ならびに図7Aおよび図7Bに示すインプラント20によれば、支持材42を、剛性とともに、中心軸22に対して実質的に平行であるかまたはそれに一致する方向に沿って対称的に荷重(たとえば圧縮軸方向荷重)がかけられた時の柔軟な中間接合部32の強度を、選択的に増大させ、同時に、中心軸22に対して角度をなしている枢動軸を中心とする端部部材24および26の枢動(たとえば屈曲または横方向の動き)、または中心軸22を中心とする端部部材24および26の軸方向回転に対して、柔軟な接合部32の剛性を大幅に増大させないように構成することができる。たとえば、整形外科用インプラント20が、たとえば圧縮下で対称的に荷重がかけられた場合、ばね部材34の頂点40は、互いに向かって付勢され、それにより、中間支持材42が圧縮状態になる。同時に、頂点からずれている位置におけるばね部材34の位置は、互いにから離れる方向に付勢され、それにより外側支持材が引張状態になる。したがって、支持材42は、支持材42との接続位置においてばね部材34を実質的に堅固に拘束する剛性を提供し、それにより、圧縮荷重に対する柔軟な接合部32の剛性および強度が増大する。
【0031】
非対称圧縮荷重および/または軸方向回転荷重がインプラント20に加えられる時、支持材42は、動作的にばね部材34を接合し、それにより、ばね部材34は、加えられた荷重に応じて一斉に撓曲する。特に、ばね部材34の間の支持材42の接続は、(一方のばね部材34が、他方のばね部材34が撓曲している間に圧縮されるように)枢動および軸方向回転運動に対する抵抗をまったく提供しないかまたはわずかにしか提供せず、それにより、支持材12によって接続される両ばね部材34は、共通の半径方向に沿って撓曲する。したがって、柔軟な接合部32は、非対称荷重に対して異なるように対称荷重に反応し、それにより、圧縮、枢動および回転運動が実質的に分離される。
【0032】
荷重が柔軟な接合部において偏心的に加えられる場合、整形外科用インプラントの第1端部部材34および第2端部部材36は、インプラントの中心軸を横切る方向に沿って移動可能な枢動軸を中心に枢動することができる。したがって、整形外科用インプラント20は、要求に応じてその中心軸22に沿って高い圧縮剛性を提供することができ、同時に、(たとえば、横方向の屈曲および撓曲/伸張に適応する)垂直な横方向軸に沿った枢動と、(たとえば整形外科用インプラントの中心軸を中心とする回転に適応する)中心軸22と角度をなす、たとえば垂直な第3軸を中心とする回転とを可能にする。整形外科用インプラント20は、枢動、圧縮および回転に抵抗する独立した剛性をさらに提供することができる。剛性を分離するかまたはその結合を弱くすることができ、結合を、要求に応じて設計によって変更することができる。したがって、整形外科用インプラント20を、異なる軸方向剛性、枢動剛性、回転剛性および並進剛性を提供するように構成することができる。整形外科用インプラント20を、従来のインプラントより小さくかつより薄壁に構成することができる。整形外科用インプラント20を、同様に器具に使用することができ、大規模製造に好適な単純な一体構造の設計が提供される。従来のインプラントに比較して摩耗の場合が低減する、整形外科用インプラント20を提供することができる。
【0033】
第1端部部材24および第2端部部材26の一方または両方は、整形外科用インプラント20の中心軸22に対して横切るか、または整形外科用インプラント20の中心軸22を横切る方向成分を含む、枢動軸を中心として、他方の端部部材に対して枢動することができることが理解されるべきである。したがって、一実施形態によって構成された整形外科用インプラント20は、枢動軸をシフトさせることができ、同時の並進および枢動を可能にする。柔軟な接合部32により、端部部材24および26が互いに対して枢動する際に瞬間的な(instaneous)枢動軸が変位することができ、それにより、端部部材24または端部部材26が枢動する際に端部部材24および26の一方または両方の並進移動が可能になる。整形外科用インプラント20の中心軸22は、直立している患者において垂直に延在することができ、それにより、枢動軸は中心軸22に対して横切り、したがって直立している患者に対して水平である。したがって、枢動軸は、直立している患者において水平に移動することができる。たとえば、枢動軸は、水平面において角度的に移動することができる。したがって、柔軟な接合部32により、枢動軸は、整形外科用インプラント20の中心軸22に対して実質的に横切る方向成分を有する方向に沿って変位することができるようにすることができる。
【0034】
同時に、端部部材24および26の一方または両方、したがって関連する端板を枢動および/または回転させる間に、整形外科用インプラント20の一方の側を、中心軸22に対して実質的に平行な方向に沿って圧縮することができ、一方で整形外科用インプラント20の別の側を、中心軸22に対して実質的に平行な方向に沿って撓曲/伸張させることができることが理解されるべきである。整形外科用インプラント20は、動きの3つのモード、すなわち、圧縮、枢動および回転を達成することができることが理解されるべきである。動きのモードのうちの1つまたは複数、最大すべてを、動きの他のモードのうちの1つまたは両方からさらに分離することができる。たとえば、整形外科用インプラント20を、整形外科用インプラント20を圧縮させる力がまた、整形外科用インプラント20を枢動または回転させないように構成することができる。しかしながら、整形外科用インプラント20は、同時に圧縮ならびに枢動および/または回転を行うことができることが理解される。
【0035】
ここで図8を参照すると、インプラントアセンブリ30を可撓性ロッド52として提供することができ、それは、複数等、少なくとも一対の実質的剛性体54と、剛性体54のうちの隣接するものの間に接続された整形外科用インプラント20のうちの少なくとも1つを備えている。整形外科用インプラント20を、本明細書に記載する実施形態のいずれかに従って構成することができ、剛性体54に対して、整形外科用インプラント20のうちの1つが一対の隣接する剛性体54の間に配置され、剛性体54が一対の整形外科用インプラント20の間に配置されるように、整形外科用インプラント20は交互に配置されている。剛性体54を、インプラントアセンブリ30を介して動作的に結合される椎体または骨の形態とすることができ、または上述したように人体のいずれかの場所に植え込まれる人工剛性体とすることができる。
【0036】
ここで図9を参照すると、インプラントアセンブリ30を、椎弓根スクリュー56として提供することができ、それは、シャフト58と横方向溝62を備えたU字型頭部60とを有し、横方向溝62は、少なくとも一対の椎弓根スクリューに接続される脊椎固定ロッド64等の支持ロッドを受け入れ、かつ支持ロッドを椎弓根スクリュー56に固定することができる。インプラントアセンブリ30は、本明細書に記載する実施形態のいずれかによって構成されたインプラント20をさらに備えている。インプラント20は、頭部60においてシャフト58と横方向溝62との間の位置に配置されている。支持ロッド64を、固定要素66と固定要素66を支持ロッド64に押圧するナット68とによって、横方向溝62内に固定することができる。
【0037】
さまざまな実施形態について説明したが、たとえば添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において変更、置換および改変を行うことができることが理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されているプロセス、機械、製造、組成物、方法およびステップの特定の実施形態に限定されるようには意図されていない。当業者が、本発明の開示から容易に理解するように、既存のまたは後に開発される、本明細書に記載する対応する実施形態と同じ機能を実質的に行うかまたは同じ結果に実質的に達成する、プロセス、機械、製造、組成物、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9