(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の竿受け用固定具3は、釣り竿受け2を足場7に固定するために用いられる。釣り竿受け2は、
図1に示すように、釣り竿1を取り外し自在に支持する。釣り竿受け2に釣り竿1が支持されると、ユーザーは釣り竿1を手で把持しなくても、当該釣り竿1を足場7に保持させておくことができる。この釣り竿受け2は、竿支持部21と、この竿支持部21に固定された挟持部24とを備えている。
【0011】
竿支持部21は、釣り竿1を支持して、当該釣り竿1を保持する部分である。竿支持部21は、第一支持部22と、第二支持部23とを備えている。第一支持部22は、釣り竿1の持ち手部分11を支持する。第二支持部23は、第一支持部22から離れて配置されており、この第一支持部22よりも釣り竿1の先端側を支持する。第一支持部22は正面視U字状をしており、また第二支持部23は正面視Y字状をしており、これにより、第一支持部22および第二支持部23は釣り竿1を下方から支持することができる。
【0012】
挟持部24は、竿支持部21を、船縁や本実施形態の竿受け用固定具3に取り付けるために設けられる(以下においては、竿受け用固定具3に取り付ける場合を説明する)。挟持部24は、支持固定部25と、押圧部27とを備えている。支持固定部25は、L字状をしており、少なくとも縦面26を有している。押圧部27は、縦面26に対向配置されている。押圧部27は、締め付けねじによって構成されており、縦面26に対して、接離自在となるように構成されている。挟持部24は、竿受け用固定具3を押圧部27と支持固定部25とで挟持するように構成されている。
【0013】
このような構成の釣り竿受け2は、本実施形態の竿受け用固定具3を用いて、足場7に固定される。足場7としては、筏や釣り堀が例示される。なお、本実施形態の竿受け用固定具3は、足場7の縁(釣り池や海に面する縁)に、釣り竿受け2の挟持部24を固定するための部分が存在しない場所に好適に用いられる。
【0014】
竿受け用固定具3は、
図2に示すように、台部4と、ねじ部31とを備えている。台部4とねじ部31とは一体となっており、ユーザーは台部4を掴みながら、ねじ部31の軸廻り(上下方向廻り)に旋回させることで、竿受け用固定具3を足場7にねじ込み固定することができる。
【0015】
台部4は、釣り竿受け2の挟持部24が取り付けられる部分であり、挟持部24を装着できるように構成されている。台部4は、座部41と、この座部41に対し上下方向廻りに回転可能に設けられた回転部5とを備えている。
【0016】
座部41は、底板42と、この底板42から立ち上げられた支持板44とを有する。底板42は、その下面(底面43)が足場7に接地する。底板42は、幅と長さとを有している。底板42には、後述のねじ部31と、固着具挿通孔45とが、長さ方向に並んで配置されている。固着具挿通孔45には、固着具8が挿通される。底板42の長さ方向の一方の端縁からは、支持板44が立ち上げられている。
【0017】
支持板44は、湾曲して上方に延びており、上面が水平に形成される(この水平な部分を水平部46という)。支持板44は、平面視で底板42に重なるように構成される。支持板44の下面は、底板42の上面から一定寸法(具体的には、約80mm)上方に位置している。支持板44の水平部46には、上下方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられる。支持板44には、この貫通孔を介して、回転部5が取り付けられる。
【0018】
回転部5は、座部41に対して、上下方向廻り(鉛直軸廻り)に回転可能に形成されている。回転部5は、直方体状に形成されており、釣り竿受け2の挟持部24を装着できるように構成されている。具体的に、回転部5は、底部51・側部52・天面部53からなる本体部50と、軸部54とを備える。
【0019】
底部51の下面は、水平面となっており、支持板44の水平部46に載置される。側部52は、底部51の縁から上方に向かって延出している。側部52は、支持板44の外周の全周に設けられている。天面部53は、側部52の上端に設けられている。
【0020】
軸部54は、底部51の下面から下方に突出している。軸部54の軸方向は、上下方向(鉛直方向)に平行である。軸部54の周囲には雄ねじが形成されており、軸部54にはナット55(本実施形態では蝶ナット)を螺合することができる。軸部54は、支持板44の貫通孔に挿通され、この状態でナット55を締結することで支持板44に固定される。
【0021】
なお、本実施形態の回転部5は、側部52が4つの側板により構成されているが、底部51と1つの側板とからなるL字形状をしたものであってもよく、直方体状に限定されない。
【0022】
台部4の幅方向の両端には、座部41から支持板44に亙って連続するリブ片6が設けられている。このリブ片6によって、支持板44と底板42とが補強される。
【0023】
このような構成の台部4には、底面43から下方に向かって突出するねじ部31が設けられている。
【0024】
ねじ部31は、座部41の底板42の下面(底面43)から下方に突出している。ねじ部31は、例えば、木ねじを底板42に固着することで構成される。具体的には、底板42に設けられた孔の上方から木ねじを挿入し、底板42と木ねじとを溶接することにより構成される。ねじ部31の先端は尖っており、足場7に当てて座部41を旋回させるだけで、当該足場7にねじ込むことができる。
【0025】
以上のような構成の竿受け用固定具3は、例えば、次のようにして使用される。
【0026】
ユーザーは、筏などの足場7に、竿受け用固定部を取り付ける。ユーザーは、竿受け用固定部を把持し、ねじ部31を足場7の上方から当てた状態で、当該竿受け用固定具3を旋回させてねじ込む。ユーザーは、座部41の底板42の下面が足場7に接地するまで、竿受け用固定具3を旋回させる。
【0027】
次にユーザーは、
図1に示すように、座部41の底板42が足場7に接地した状態で、固着具挿通孔45に固着具8を打入し、竿受け用固定具3と足場7とを連結する。固着具8は、ねじや釘などが使用される。なお、ここでいう「打入」とは、釘のように打ち込んで固定するものだけでなく、ねじのようにねじ込んで固定するものも含まれる。
【0028】
この後、ユーザーは、固定された竿受け用固定具3の回転部5を、釣り竿受け2の挟持部24で挟み込み、竿受け用固定具3に釣り竿受け2を装着する。回転部5は、座部41に対して回転可能となっているため、ユーザーは、釣り竿受け2の水平方向の向きを自由に変更することができる(
図3参照)。また、釣り竿1の向きが定まった場合には、回転部5の軸部54に螺合されたナット55を締結して、その向きのまま回転部5を固定することもできる。
【0029】
また、本実施形態の回転部5には、
図2に示すように、複数の引掛け孔56が設けられる。引掛け孔56は、各角部に設けられる。引掛け孔56は、角部を挟むように設けられた一対の透孔57により構成される。この引掛け孔56には、
図1に示すように、釣り竿1に接続された尻手ロープ12のフック13が引掛けられる。これにより、仮に釣り竿1が釣り竿受け2から外れてしまっても、釣り竿1が釣り池等に没入するのを防ぐことができる。
【0030】
以上、説明したように、本実施形態の竿受け用固定具3は、挟持部24を有する釣り竿受け2を足場7に固定するためのものである。竿受け用固定具3は、台部4と、台部4の底面43から下方に向かって突出するねじ部31とを備えている。台部4は、挟持部24を装着できるように構成されており、その底面43が足場7に接地する。ねじ部31は、台部4を上下方向廻りに回転させることで足場7にねじ込まれる。そして、台部4には、足場7に打入可能な固着具8が挿通される固着具挿通孔45がさらに設けられている。
【0031】
このように本実施形態の竿受け用固定具3によれば、台部4を把持して旋回させるだけで足場7に固定することができるので、簡単に足場7に取り付けることができる。このため、例えば、筏の縁のように、平坦な(挟む部分が存在しない)場所であっても、ユーザーの所望の場所に竿受け用固定具3を設置することができ、この結果、釣り竿受け2をこの位置に取り付けることができる。
【0032】
しかも、本実施形態の竿受け用固定具3は、台部4に固着具挿通孔45が設けられているため、竿受け用固定具3をねじ込んだ後、当該固着具挿通孔45を用いて、足場7に固着具8を打入することができる。これにより、この固着具8が、竿受け用固定具3の回り止めとなり、また、足場7への設置強度を向上させることができる。従って、万が一、ねじ部31がねじ込まれた場所が劣化していた場合であっても、固着具8による取り付け強度によって、竿受け用固定具3が足場7から外れてしまうのを防ぐことができる。
【0033】
また、本実施形態の台部4は、座部41と、回転部5とを備える。座部41は、ねじ部31が設けられており、足場7に固定される。回転部5は、この座部41に対し上下方向廻りに回転可能に設けられており、挟持部24を装着できるように構成される。
【0034】
このため、本実施形態の竿受け用固定具3によれば、座部41を足場7に固定した状態であっても、回転部5を回転させることで、釣り竿1の向きを容易に変更させることができる。
【0035】
また、本実施形態の回転部5は、下方に突出してその周囲に雄ねじが形成された軸部54を有している。座部41は、底面43を有する底板42と、この底板42から立ち上げられ、前記軸部54が通される貫通孔47が設けられた支持板44とを有している。回転部5は、支持板44の下方から軸部54にナット55を締結することで、支持板44に固定できるように構成されている。
【0036】
このため、本実施形態の竿受け用固定具3によれば、支持板44の下方においてナット55を締結するだけで、ユーザーは、所望の向きに変更した状態の釣り竿受け2を、その向きのままで簡単に保持させることができる。
【0037】
なお、本実施形態の座部41は、横倒しU字状をしていたが、座部41はこの形状に限定されない。座部41は、例えば、
図4に示すような形状であってもよい。
【0038】
この座部41は、底面43を有する底板42と、支持板44とを備える。底板42には、上記実施形態と同様に、ねじ部31と固着具挿通孔45が設けられている。支持板44は、横倒しL字状をしており、少なくとも水平部46を有する。水平部46には、上記実施形態の支持板44と同様に、貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、この貫通孔には、上記実施形態と同じ構造の回転部5が取り付けられる。
【0039】
このような構造によっても、上記実施形態の竿受け用固定具3と同様の効果を奏することができる。
【0040】
なお、実施形態1の竿受け用固定具3は、台部4の取り付け向きが、固着具挿通孔45側がねじ部31側よりも、足場7の縁側に位置するように設置されているが、この向きに限定されない。
(実施形態2)
次に、実施形態2について、
図5に基づいて説明する。なお、本実施形態は、実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0041】
本実施形態の竿受け用固定具3aは、直方体形状の台部4aの底面43aにねじ部31aが設けられている。台部4aは、底面43aを有する底板42aと、側板部48と、上面部49とを備えている。側板部48は、上下に開口した箱形状をしている。上面部49は、側板部48の上方開口を塞ぐように設けられている。
【0042】
底板42aは、側板部48の下方開口を塞ぐ下面部91と、下面部91の端縁から側方に延出する突出片92とを備えている。突出片92は、側板部48よりも側方に突出している。突出片92には、固着具挿通孔45aが設けられている。この固着具挿通孔45aには、実施形態1と同様、足場7に打入可能な固着具8が挿通される。
【0043】
本実施形態の竿受け用固定具3aは、実施形態1のものと同様、台部4aを把持して旋回させるだけで足場7に固定することができるので、足場7への取り付けが容易である。しかも、台部4には、固着具挿通孔45aが設けられているため、竿受け用固定具3をねじ込んだ後、当該固着具挿通孔45を用いて、足場7に固着具8を打入することができる。これにより、この固着具8が、竿受け用固定具3の回り止めとなる上に、足場7への取り付け強度を向上させることができる。
【解決手段】本発明は、挟持部24を有する釣り竿受け2を足場7に固定するための竿受け用固定具3である。竿受け用固定具3は、台部4と、ねじ部31と、固着具挿通孔45とを備える。台部4は、挟持部24を装着でき、その底面43が足場7に接地するように構成される。ねじ部31は、この台部4の底面43から下方に向かって突出し、当該台部4を上下方向廻りに回転させることで足場7にねじ込まれる。固着具挿通孔45は、台部4に設けられており、足場7に打入可能な固着具8が挿通される。