特許第5909267号(P5909267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5909267
(24)【登録日】2016年4月1日
(45)【発行日】2016年4月26日
(54)【発明の名称】竿受け用固定具
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/10 20060101AFI20160412BHJP
【FI】
   A01K97/10 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-195722(P2014-195722)
(22)【出願日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】594095936
【氏名又は名称】藤澤建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 久文
【審査官】 本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−213354(JP,A)
【文献】 実開昭63−026282(JP,U)
【文献】 特開平04−084843(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/051574(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挟持部を有する釣り竿受けを足場に固定するための竿受け用固定具であって、
前記挟持部を装着できるように構成され、その底面が前記足場に接地する台部と、
この台部の底面から下方に向かって突出し、当該台部を上下方向廻りに回転させることで前記足場にねじ込まれるねじ部と、
前記台部に設けられ、前記足場に打入可能な固着具が挿通される固着具挿通孔と
を備えている
ことを特徴とする竿受け用固定具。
【請求項2】
前記台部は、
前記ねじ部が設けられ前記足場に固定される座部と、
この座部に対し上下方向廻りに回転可能に設けられ、前記挟持部を装着できるように構成された回転部と
を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の竿受け用固定具。
【請求項3】
前記回転部は、下方に突出してその周囲に雄ねじが形成された軸部を有しており、
前記座部は、
前記底面を有する底板と、
この底板から立ち上げられ、前記軸部が通される貫通孔が設けられた支持板と
を有しており、
前記回転部は、前記支持板の下方から前記軸部にナットを締結することで、前記支持板に固定できるように構成されている
ことを特徴とする請求項2記載の竿受け用固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竿受け用固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、釣り竿受け(特許文献1では竿保持具)が開示されている。この釣り竿受けによれば、釣り竿を、手で把持することなく船縁等に保持させることができる。
【0003】
釣り竿受けは、L字状躯体の長躯と、締め付けねじとを有している。釣り竿受けは、長躯を船縁に当て、締め付けねじをねじ込み、これにより船縁を両側から挟むことで取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−204748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、この種の釣り竿受けは、船縁を挟むことで取り付けられるため、例えば、筏の縁のように、挟む部分が存在しない場所では使用することができなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーの望む場所に釣り竿受けの取り付けをすることができる竿受け用固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の竿受け用固定具は、挟持部を有する釣り竿受けを足場に固定するための竿受け用固定具であって、前記挟持部を装着できるように構成され、その底面が前記足場に接地する台部と、この台部の底面から下方に向かって突出し、当該台部を上下方向廻りに回転させることで前記足場にねじ込まれるねじ部と、前記台部に設けられ、前記足場に打入可能な固着具が挿通される固着具挿通孔とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の竿受け用固定具によれば、ユーザーの望む場所に釣り竿受けの取り付けをすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の竿受け用固定具の使用状態を示す斜視図である。
図2】実施形態1の竿受け用固定具の一部を破断した斜視図である。
図3】実施形態1の竿受け用固定具の使用状態を示す平面図である。
図4】実施形態1の竿受け用固定具の変形例を示す斜視図である。
図5】実施形態2の竿受け用固定具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の竿受け用固定具3は、釣り竿受け2を足場7に固定するために用いられる。釣り竿受け2は、図1に示すように、釣り竿1を取り外し自在に支持する。釣り竿受け2に釣り竿1が支持されると、ユーザーは釣り竿1を手で把持しなくても、当該釣り竿1を足場7に保持させておくことができる。この釣り竿受け2は、竿支持部21と、この竿支持部21に固定された挟持部24とを備えている。
【0011】
竿支持部21は、釣り竿1を支持して、当該釣り竿1を保持する部分である。竿支持部21は、第一支持部22と、第二支持部23とを備えている。第一支持部22は、釣り竿1の持ち手部分11を支持する。第二支持部23は、第一支持部22から離れて配置されており、この第一支持部22よりも釣り竿1の先端側を支持する。第一支持部22は正面視U字状をしており、また第二支持部23は正面視Y字状をしており、これにより、第一支持部22および第二支持部23は釣り竿1を下方から支持することができる。
【0012】
挟持部24は、竿支持部21を、船縁や本実施形態の竿受け用固定具3に取り付けるために設けられる(以下においては、竿受け用固定具3に取り付ける場合を説明する)。挟持部24は、支持固定部25と、押圧部27とを備えている。支持固定部25は、L字状をしており、少なくとも縦面26を有している。押圧部27は、縦面26に対向配置されている。押圧部27は、締め付けねじによって構成されており、縦面26に対して、接離自在となるように構成されている。挟持部24は、竿受け用固定具3を押圧部27と支持固定部25とで挟持するように構成されている。
【0013】
このような構成の釣り竿受け2は、本実施形態の竿受け用固定具3を用いて、足場7に固定される。足場7としては、筏や釣り堀が例示される。なお、本実施形態の竿受け用固定具3は、足場7の縁(釣り池や海に面する縁)に、釣り竿受け2の挟持部24を固定するための部分が存在しない場所に好適に用いられる。
【0014】
竿受け用固定具3は、図2に示すように、台部4と、ねじ部31とを備えている。台部4とねじ部31とは一体となっており、ユーザーは台部4を掴みながら、ねじ部31の軸廻り(上下方向廻り)に旋回させることで、竿受け用固定具3を足場7にねじ込み固定することができる。
【0015】
台部4は、釣り竿受け2の挟持部24が取り付けられる部分であり、挟持部24を装着できるように構成されている。台部4は、座部41と、この座部41に対し上下方向廻りに回転可能に設けられた回転部5とを備えている。
【0016】
座部41は、底板42と、この底板42から立ち上げられた支持板44とを有する。底板42は、その下面(底面43)が足場7に接地する。底板42は、幅と長さとを有している。底板42には、後述のねじ部31と、固着具挿通孔45とが、長さ方向に並んで配置されている。固着具挿通孔45には、固着具8が挿通される。底板42の長さ方向の一方の端縁からは、支持板44が立ち上げられている。
【0017】
支持板44は、湾曲して上方に延びており、上面が水平に形成される(この水平な部分を水平部46という)。支持板44は、平面視で底板42に重なるように構成される。支持板44の下面は、底板42の上面から一定寸法(具体的には、約80mm)上方に位置している。支持板44の水平部46には、上下方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられる。支持板44には、この貫通孔を介して、回転部5が取り付けられる。
【0018】
回転部5は、座部41に対して、上下方向廻り(鉛直軸廻り)に回転可能に形成されている。回転部5は、直方体状に形成されており、釣り竿受け2の挟持部24を装着できるように構成されている。具体的に、回転部5は、底部51・側部52・天面部53からなる本体部50と、軸部54とを備える。
【0019】
底部51の下面は、水平面となっており、支持板44の水平部46に載置される。側部52は、底部51の縁から上方に向かって延出している。側部52は、支持板44の外周の全周に設けられている。天面部53は、側部52の上端に設けられている。
【0020】
軸部54は、底部51の下面から下方に突出している。軸部54の軸方向は、上下方向(鉛直方向)に平行である。軸部54の周囲には雄ねじが形成されており、軸部54にはナット55(本実施形態では蝶ナット)を螺合することができる。軸部54は、支持板44の貫通孔に挿通され、この状態でナット55を締結することで支持板44に固定される。
【0021】
なお、本実施形態の回転部5は、側部52が4つの側板により構成されているが、底部51と1つの側板とからなるL字形状をしたものであってもよく、直方体状に限定されない。
【0022】
台部4の幅方向の両端には、座部41から支持板44に亙って連続するリブ片6が設けられている。このリブ片6によって、支持板44と底板42とが補強される。
【0023】
このような構成の台部4には、底面43から下方に向かって突出するねじ部31が設けられている。
【0024】
ねじ部31は、座部41の底板42の下面(底面43)から下方に突出している。ねじ部31は、例えば、木ねじを底板42に固着することで構成される。具体的には、底板42に設けられた孔の上方から木ねじを挿入し、底板42と木ねじとを溶接することにより構成される。ねじ部31の先端は尖っており、足場7に当てて座部41を旋回させるだけで、当該足場7にねじ込むことができる。
【0025】
以上のような構成の竿受け用固定具3は、例えば、次のようにして使用される。
【0026】
ユーザーは、筏などの足場7に、竿受け用固定部を取り付ける。ユーザーは、竿受け用固定部を把持し、ねじ部31を足場7の上方から当てた状態で、当該竿受け用固定具3を旋回させてねじ込む。ユーザーは、座部41の底板42の下面が足場7に接地するまで、竿受け用固定具3を旋回させる。
【0027】
次にユーザーは、図1に示すように、座部41の底板42が足場7に接地した状態で、固着具挿通孔45に固着具8を打入し、竿受け用固定具3と足場7とを連結する。固着具8は、ねじや釘などが使用される。なお、ここでいう「打入」とは、釘のように打ち込んで固定するものだけでなく、ねじのようにねじ込んで固定するものも含まれる。
【0028】
この後、ユーザーは、固定された竿受け用固定具3の回転部5を、釣り竿受け2の挟持部24で挟み込み、竿受け用固定具3に釣り竿受け2を装着する。回転部5は、座部41に対して回転可能となっているため、ユーザーは、釣り竿受け2の水平方向の向きを自由に変更することができる(図3参照)。また、釣り竿1の向きが定まった場合には、回転部5の軸部54に螺合されたナット55を締結して、その向きのまま回転部5を固定することもできる。
【0029】
また、本実施形態の回転部5には、図2に示すように、複数の引掛け孔56が設けられる。引掛け孔56は、各角部に設けられる。引掛け孔56は、角部を挟むように設けられた一対の透孔57により構成される。この引掛け孔56には、図1に示すように、釣り竿1に接続された尻手ロープ12のフック13が引掛けられる。これにより、仮に釣り竿1が釣り竿受け2から外れてしまっても、釣り竿1が釣り池等に没入するのを防ぐことができる。
【0030】
以上、説明したように、本実施形態の竿受け用固定具3は、挟持部24を有する釣り竿受け2を足場7に固定するためのものである。竿受け用固定具3は、台部4と、台部4の底面43から下方に向かって突出するねじ部31とを備えている。台部4は、挟持部24を装着できるように構成されており、その底面43が足場7に接地する。ねじ部31は、台部4を上下方向廻りに回転させることで足場7にねじ込まれる。そして、台部4には、足場7に打入可能な固着具8が挿通される固着具挿通孔45がさらに設けられている。
【0031】
このように本実施形態の竿受け用固定具3によれば、台部4を把持して旋回させるだけで足場7に固定することができるので、簡単に足場7に取り付けることができる。このため、例えば、筏の縁のように、平坦な(挟む部分が存在しない)場所であっても、ユーザーの所望の場所に竿受け用固定具3を設置することができ、この結果、釣り竿受け2をこの位置に取り付けることができる。
【0032】
しかも、本実施形態の竿受け用固定具3は、台部4に固着具挿通孔45が設けられているため、竿受け用固定具3をねじ込んだ後、当該固着具挿通孔45を用いて、足場7に固着具8を打入することができる。これにより、この固着具8が、竿受け用固定具3の回り止めとなり、また、足場7への設置強度を向上させることができる。従って、万が一、ねじ部31がねじ込まれた場所が劣化していた場合であっても、固着具8による取り付け強度によって、竿受け用固定具3が足場7から外れてしまうのを防ぐことができる。
【0033】
また、本実施形態の台部4は、座部41と、回転部5とを備える。座部41は、ねじ部31が設けられており、足場7に固定される。回転部5は、この座部41に対し上下方向廻りに回転可能に設けられており、挟持部24を装着できるように構成される。
【0034】
このため、本実施形態の竿受け用固定具3によれば、座部41を足場7に固定した状態であっても、回転部5を回転させることで、釣り竿1の向きを容易に変更させることができる。
【0035】
また、本実施形態の回転部5は、下方に突出してその周囲に雄ねじが形成された軸部54を有している。座部41は、底面43を有する底板42と、この底板42から立ち上げられ、前記軸部54が通される貫通孔47が設けられた支持板44とを有している。回転部5は、支持板44の下方から軸部54にナット55を締結することで、支持板44に固定できるように構成されている。
【0036】
このため、本実施形態の竿受け用固定具3によれば、支持板44の下方においてナット55を締結するだけで、ユーザーは、所望の向きに変更した状態の釣り竿受け2を、その向きのままで簡単に保持させることができる。
【0037】
なお、本実施形態の座部41は、横倒しU字状をしていたが、座部41はこの形状に限定されない。座部41は、例えば、図4に示すような形状であってもよい。
【0038】
この座部41は、底面43を有する底板42と、支持板44とを備える。底板42には、上記実施形態と同様に、ねじ部31と固着具挿通孔45が設けられている。支持板44は、横倒しL字状をしており、少なくとも水平部46を有する。水平部46には、上記実施形態の支持板44と同様に、貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、この貫通孔には、上記実施形態と同じ構造の回転部5が取り付けられる。
【0039】
このような構造によっても、上記実施形態の竿受け用固定具3と同様の効果を奏することができる。
【0040】
なお、実施形態1の竿受け用固定具3は、台部4の取り付け向きが、固着具挿通孔45側がねじ部31側よりも、足場7の縁側に位置するように設置されているが、この向きに限定されない。
(実施形態2)
次に、実施形態2について、図5に基づいて説明する。なお、本実施形態は、実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0041】
本実施形態の竿受け用固定具3aは、直方体形状の台部4aの底面43aにねじ部31aが設けられている。台部4aは、底面43aを有する底板42aと、側板部48と、上面部49とを備えている。側板部48は、上下に開口した箱形状をしている。上面部49は、側板部48の上方開口を塞ぐように設けられている。
【0042】
底板42aは、側板部48の下方開口を塞ぐ下面部91と、下面部91の端縁から側方に延出する突出片92とを備えている。突出片92は、側板部48よりも側方に突出している。突出片92には、固着具挿通孔45aが設けられている。この固着具挿通孔45aには、実施形態1と同様、足場7に打入可能な固着具8が挿通される。
【0043】
本実施形態の竿受け用固定具3aは、実施形態1のものと同様、台部4aを把持して旋回させるだけで足場7に固定することができるので、足場7への取り付けが容易である。しかも、台部4には、固着具挿通孔45aが設けられているため、竿受け用固定具3をねじ込んだ後、当該固着具挿通孔45を用いて、足場7に固着具8を打入することができる。これにより、この固着具8が、竿受け用固定具3の回り止めとなる上に、足場7への取り付け強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 釣り竿
11 持ち手部分
2 釣り竿受け
21 竿支持部
24 挟持部
3 竿受け用固定具
31 ねじ部
4 台部
41 座部
42 底板
43 底面
44 支持板
45 固着具挿通孔
46 水平部
47 貫通孔
48 側板部
49 上面部
5 回転部
51 底部
52 側部
53 天面部
54 軸部
55 ナット
56 引掛け孔
57 透孔
6 リブ片
7 足場
8 固着具
91 下面部
92 突出片
【要約】
【課題】ユーザーの望む場所に釣り竿受けの取り付けをすることができる竿受け用固定具を提供する。
【解決手段】本発明は、挟持部24を有する釣り竿受け2を足場7に固定するための竿受け用固定具3である。竿受け用固定具3は、台部4と、ねじ部31と、固着具挿通孔45とを備える。台部4は、挟持部24を装着でき、その底面43が足場7に接地するように構成される。ねじ部31は、この台部4の底面43から下方に向かって突出し、当該台部4を上下方向廻りに回転させることで足場7にねじ込まれる。固着具挿通孔45は、台部4に設けられており、足場7に打入可能な固着具8が挿通される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5